JP3829403B2 - カートリッジホルダ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シャーシに対し回動自在に取り付けられたカートリッジホルダを有するカートリッジホルダ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
光ディスクあるいは光磁気ディスク等の情報信号が記録され又は記録されたディスクを回転可能に収納したディスクカートリッジを用いる記録及び/又は再生装置が提案されている。この記録及び/又は再生装置には、ディスクカートリッジを保持するカートリッジホルダが設けられている。このカートリッジホルダは、ディスクカートリッジの挿脱を可能となす位置と、このカートリッジホルダに保持されたディスクカートリッジに収納されたディスクに対し情報信号の記録及び/又は再生を行う記録及び/又は再生位置との間に亘って回動し得るようにシャーシに取り付けられる。
【0003】
このカートリッジホルダをシャーシに対し回動可能に支持する回動機構100は、例えば、図6に示すように、ディスク回転操作機構を構成するディスクテーブル104が取り付けられるシャーシ101と、ディスクカートリッジを保持するカートリッジホルダ102とから構成されるものが考えられている。カートリッジホルダ102は、ディスクカートリッジが装填される際には、シャーシ101に対して上方に回動された開状態となされ、ディスクカートリッジが挿入された後にシャーシ101に対して閉状態となる方向に回動される。
【0004】
シャーシ101は、ディスクカートリッジの平面形状よりやや大きな矩形状に形成されており、その中央部には、ディスク回転操作機構を図示しないモータとともに構成し、このモータによって回転されるディスクテーブル104が配設されている。このシャーシ101の背面側の一方のコーナ部には、ホルダを回動自在に支持する支持片105が立ち上がり形成されている。この支持片105の一側面には、支軸106が突設されている。
【0005】
カートリッジホルダ102は、ディスクカートリッジの平面と対向する天板部107と、この天板部107の相対向する両側に立ち上がり形成された一対の側壁108a、108bとを備え、これら天板部107と側壁108a、108bとによりカートリッジ収納部109を構成している。これら天板部107と側壁108a、108bは、カートリッジ収納部109内でディスクカートリッジの移動を規制している。このカートリッジホルダ102の側壁108a、108bの一端には支持片110a、110bが設けられている。これら支持片110a、110bには、軸挿通孔111a、111bが穿設されている。
【0006】
シャーシ101の上述した支持片105と対向する背面側の他方のコーナ部には、支持部材112がビス113により固定されている。この支持部材112は、ビス穴114が穿設された取付け板115と、この取付け板115の一端から立ち上がり形成された支持板116と、この支持板116の一側面に突設された支軸117とを備える。このように構成された支持部材112は、先ず、支軸117が、カートリッジホルダ102の支持片110bの軸挿通孔111bに挿通され、その後シャーシ101に穿設されたビス穴118と、支持部材112のビス穴114にビス113がねじ込まれて固定される。
【0007】
上述したカートリッジホルダの回動機構100以外に、例えば図7に示すようなカートリッジホルダの回動機構120が提案されている。この回動機構120は、シャーシ121と、ディスクカートリッジを保持するカートリッジホルダ122とを備える。カートリッジホルダ122にディスクカートリッジを装填する際には、カートリッジホルダ122は、シャーシ121から離間する方向の上方に回動された状態にされ、ディスクカートリッジのカートリッジホルダ122への装填が終わった後、シャーシ121となる閉方向、すなわちカートリッジホルダ122がシャーシ121に近接する方向に回動される。
【0008】
シャーシ121は、ディスクカートリッジの平面形状よりやや大きくなるように形成されており、その中央部には、ディスク回転操作機構を構成するディスクテーブル124が配設されている。また、シャーシ121には、背面側の両側にはカートリッジホルダ122を回動可能に支持する一対の支持片125a、125bが設けられている。これら支持片125a、125bの一側面には、支軸126a、126bが突設されている。一方の支軸126aは、支持片125aからシャーシ121の内方に向かって突設され、他方の支軸126bは、支持片126bのシャーシ121の外方に向かって突設されている。
【0009】
カートリッジホルダ122は、ディスクカートリッジの平面と相対向する天板部127と、この天板部127の相対向する両側に立ち上がり形成された一対の側壁128a、128bとを備え、これら天板部127と側壁128a、128bとによりカートリッジ収納部129を構成している。これら天板部127と側壁128a、128bは、カートリッジ収納部129内でディスクカートリッジの移動を規制している。このカートリッジホルダ122の側壁128a、128bの一端には支持片130a、130bが設けられている。これら支持片130a、130bには、軸挿通孔131a、131bが穿設されている。
【0010】
このように構成されたカートリッジホルダの回動機構120は、先ず、シャーシ121の支持片125a、125bに設けた支軸126a、126bが、カートリッジホルダ122の支持片130a、130bに設けた軸挿通孔131a、131bに挿通される。その後、一方の支軸126bの先端にワッシャ133が挿入されることにより、カートリッジホルダ122が一対の支持片125a、125bに回動可能に取り付けられる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
上述したカートリッジホルダの回動機構100、120は、カートリッジホルダ102、122をシャーシ101、121に取り付ける場合に、別に取付け部材としての支持部材112、ワッシャ133を用いている。そのため、このカートリッジホルダの開閉機構100、120は、組立てに時間を要し、生産効率を上げることができない。カートリッジホルダの回動機構100、120は、カートリッジホルダ102、122の取付けに際し、別に支持部材112、ワッシャ133を用いることから、個々の部品のばらつきにより、安定したカートリッジホルダ102、122の取付けが困難であった。
【0012】
本発明の目的は、上述したようなホルダ装置が有している問題点を解決するホルダ装置を提供することにある。
【0013】
本発明の他の目的は、上述したようなホルダ装置が有している問題点を解決するホルダ装置の取付け方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために提案される本発明に係るカートリッジホルダ装置は、シャーシと、上記シャーシに設けられ、断面が円形の一方の軸部と断面が楕円形の他方の軸部とからなる一対の軸部と、上記シャーシの上記他方の軸部が形成される側壁に形成された切欠部内に設けられる係止部と、上記シャーシに形成された上記切欠部の周壁に形成された突出部と、上記シャーシに対して回動可能に取り付けられ、ディスクカートリッジが挿入されるカートリッジホルダと、上記カートリッジホルダに形成され、上記一方の軸部と係合する第1の係合孔と、上記カートリッジホルダに形成され、上記楕円形をなす他方の軸部の短軸よりも広く且つ上記楕円形の他方の軸部の長軸より狭い幅で切り欠かれた切欠部により一部が開放されてなる上記他方の軸部と係合する第2の係合孔と、上記カートリッジホルダの第2の係合孔が形成された側壁に設けられ、上記シャーシの係止部によって係止されるとともに上記カートリッジホルダが上記シャーシから離間する方向に移動するとき、上記突出部と当接する規制部とを備える。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るカートリッジホルダ装置を図面を参照して詳細に説明する。
【0017】
以下の説明では、本発明をディスクカートリッジを用いる記録及び/又は再生装置のカートリッジホルダ装置に適用した例を挙げて説明する。
【0018】
まず、本発明に係るカートリッジホルダ装置のカートリッジホルダ1に装填されるディスクカートリッジ50を説明する。このディスクカートリッジ50は、図1に示すように、カートリッジ本体51とシャッタ52を有する。カートリッジ本体51には、光磁気ディスク等の光ディスクDが回転可能収納される。このカートリッジ本体51の下面側の中央部には、後述するディスクテーブルをカートリッジ本体51内に進入させるための円形をなす図示しない第1の開口部が設けられている。また、カートリッジ本体51の上面及び下面には、中央部近傍から一つの側面側に亘って後述するシャーシ上に設けられる光ピックアップ装置からの光ビームを光ディスクDに照射するための図示しない第2の開口部及び第3の開口部が設けられている。これら第2及び第3の開口部は、シャッタ52によって開閉される。シャッタ52は、ステンレス等の金属材料を用いて断面コ字状となるように形成されている。シャッタ52は、カートリッジ本体51の一つの側面に沿って移動自在にこのカートリッジ本体51に取り付けられている。シャッタ52は、カートリッジ本体51内に配された図示しないロック部材により、上述した第2及び第3の開口部を閉塞する位置にロックされている。このロック部材によるシャッタ52のロックは、ディスクカートリッジ50をホルダ1に挿入する際に後述するシャッタ開放部材によって開放される。カートリッジ本体51のシャッタ52が移動する側面には、後述するシャッタ開放部材が進入し、シャッタ52を移動させるためのシャッタ開放溝51aがほぼカートリッジ本体51の側面の全長に亘って形成されている。カートリッジ本体51のシャッタ開放溝51aが形成された側面と平行な側面には、誤挿入防止溝51bが形成されている。この誤挿入防止溝51bは、シャッタ開放溝51aの長さよりも短く形成されている。その結果、ディスクカートリッジ50が正規の挿入状態とは表裏を逆転された状態でカートリッジホルダ1に挿入されると、シャッタ開放部材が誤挿入防止溝51bに進入し、ディスクカートリッジ50がホルダ1内に所定量挿入されるとシャッタ開放部材が誤挿入防止溝51bの内方端に当接し、それ以上のディスクカートリッジ50のカートリッジホルダ1内への挿入が規制される。
【0019】
このように形成されたディスクカートリッジ50に収納される光ディスクDは、光磁気ディスクのような記録可能ディスクや再生専用の光ディスクである。光ディスクDは、例えば直径がほぼ64mmで、光ピックアップ装置からの光ビームが照射される部分の厚さが1.2mmとなるように形成されている。また、光ディスクDは、その中央部分に図示しないチャッキング用の金属プレートが取り付けられている。このチャッキング用の金属プレートは、ディスクテーブルに配されたマグネットによって吸引される。
【0020】
上述したように構成されたディスクカートリッジ50が挿入保持されるカートリッジホルダ1は、このカートリッジホルダ1に対しディスクカートリッジ50の挿入及び排出が行われるシャーシ2より離間した上方位置と、カートリッジホルダ1に挿入保持されたディスクカートリッジ50をシャーシ2の図示しない位置決め機構によって位置決めされてシャーシ2に近接する下方位置との間を回動されて移動する。このカートリッジホルダ1の上方位置と下方位置との間の回動操作は、記録及び/又は再生装置の蓋体の開閉動作に連動して行われる。
【0021】
そして、カートリッジホルダ1は、図1に示すように、ディスクカートリッジ50の平面形状よりもやや大きな略矩形状に形成されている。このカートリッジホルダ1は、ステンレス等の金属材料を用いて形成される。カートリッジホルダ1は、ディスクカートリッジ50の平面と相対向する主面15を有し、の主面15の相対向する両側に主面15に対しほぼ垂直となるように一対の側壁16a、16bが設けられている。これら側壁16a、16bの先端側には、主面15と平行になるように一対の保持部17a、17bが形成されている。これら主面15、側壁16a、16b及び保持部17a、17bによってカートリッジホルダ1に挿入されたディスクカートリッジ50の収納部18内での移動が規制される。
【0022】
カートリッジホルダ1の主面15には、図1に示すように、複数の穴部19が穿設されている。これら穴部19は、カートリッジ本体1が記録及び/又は再生装置の装置本体を構成する外筐に取り付けられた際、装置に装填されたディスクカートリッジ50が外筐に形成された窓部を介して目視できるようにするためとカートリッジホルダ1の軽量化を図るために形成されている。これら穴部19は、光ディスクDが光磁気ディスクである場合に外部磁界としての垂直磁界を印可するための磁気ヘッド等の種々の部品が取り付けられる取付け穴としても用いられる。
【0023】
この主面15の相対向する両側に形成された側壁16a、16bは、装填されるディスクカートリッジ50の厚さよりやや大きな高さを有するように形成されている。一方の側壁16aには、シャッタ開放部材21が取り付けられている。このシャッタ開放部材21は、カートリッジホルダ1に挿入されるディスクカートリッジ50のシャッタ52を、カートリッジホルダ1にディスクカートリッジ50が挿入される際に移動させ第2及び第3の開口部を開放させる。すなわち、シャッタ開放部材21は、ディスクカートリッジ50がカートリッジホルダ1内に挿入されると、シャッタ52にシャッタ開放部材21側の凸部22が係合してディスクカートリッジ50がさらにカートリッジホルダ1内に挿入されることでシャッタ52を移動させ、ディスクカートリッジ50の第2及び第3の開口部を開放する。このとき、シャッタ開放部材21がディスクカートリッジ50に設けられているロック部材を操作してロック部材によるシャッタ52のロックが解除される。
【0024】
カートリッジホルダ1の各側壁16a、16bには、それぞれ位置規制片23a、23bが主面15と平行になるように設けられている。これら位置規制片23a、23bは、ディスクカートリッジ50の側面に形成された溝51a、51bにディスクカートリッジ50がホルダ1に挿入される際に係合される。ディスクカートリッジ50の溝51a、51bと位置規制片23a、23bとが係合することによってディスクカートリッジ50のホルダ1のカートリッジ収納部18への挿入時の位置規制すると共に、収納部18に収納されたディスクカートリッジ50の位置を規制する。
【0025】
このように構成されたカートリッジホルダ1は、回動機構25によってシャーシ2に回動自在に取り付けられる。すなわち、回動機構25は、カートリッジホルダ1の側壁16a、16bの一端に形成された突出片26、27と、一方の突出片26に穿設された第1の穴部28と、他方の突出27に穿設された第2の穴部29と、シャーシ2の一側縁に半円弧状に立ち上がり形成された支持片30、31と、各支持片30、31より突出するように形成された軸部32、33とを備えている。突出片26、27は、各側壁16a、16bよりディスクカートリッジ50の挿入方向に沿って天板部15よりも突出し、且つ互いに平行となるように形成されている。一方の突出片26aの略中央には、第1の穴部28が穿設され、他方の突出片27には、略中央領域に第2の穴部29が穿設されている。この突出片27は、水平方向にその一部が切り欠かれ開放された切欠部34が設けられる。第2の穴部29は、切欠部34と連通している。この切欠部34の幅は、後述する第2の軸部33の短軸方向の寸法より大きく、且つ第2の軸部33の長軸よりも狭い幅である。
【0026】
シャーシ2に設けた支持片30、31には、第1及び第2の係合孔となる第1及び第2の穴部28、29にそれぞれ係合される第1及び第2の軸部32、33が形成されている。第1の軸部32は、その横断面が円形形状となるように形成されている。第1の軸部32は、カートリッジホルダ1の第1の穴部28の径よりやや小さい径を有するように形成されている。一方、支持片31に形成される第2の軸部33は、その断面形状が楕円状をなすように形成されている。この第2の軸部33は、その断面の楕円形状の短軸方向の幅がカートリッジホルダ1の第2の穴部29の切欠部34の開口幅とほぼ等しく形成され、長軸方向の幅がこの切欠部34の幅よりやや大きく形成されると共に第2の穴部29の直径よりやや小さく形成されている。この第2の軸部33は、その長軸がシャーシ2に配されたディスクテーブルの光ディスクDの受け面に対して垂直となるように配設されている。
【0027】
カートリッジホルダ1には、他方の側壁16bに形成した突出片27から下方に向かって突出する弾性片35が形成されている。この弾性片35は、側壁16bと同一平面を構成するように形成され、全体として略「く」字状に形成されている。弾性片35はホルダ1の幅方向、すなわちディスクカートリッジ50の挿入方向と直交する方向に弾性変位する。弾性片35は、図4中矢印X方向に弾性変位する。この弾性片35は、図1及び図4に示すように、その端部にカートリッジホルダ1の主面15と平行に規制部36が形成されている。この規制部36は、他方の側壁16bより下方に突出するように形成されている。この規制部36は、後述するシャーシ2の側縁に形成される係止部38に係止される。
【0028】
一方、シャーシ2には、例えば図2に示すように、支持片31が形成されている側面部分に切欠部37がシャーシ2の厚さ方向に貫通して形成されている。この切欠部37に、カートリッジホルダ1がシャーシ2に取り付けられる際に、弾性片35が進入する。
【0029】
切欠部37には、シャーシ2のディスクテーブル11が配設される上面と連続して係止部38か突出するように形成されている。この係止部38には、カートリッジホルダ1の弾性片35の規制部36が係止される。この切欠部37は、その下側の面が支持片31側に向かって下るような斜面39が形成されている。係止部38とシャーシ2のディスクテーブル11が配設されない面側、すなわち底面との間にはクリアランス40が設けられている。これら斜面39及びクリアランス40は、カートリッジホルダ1が上述した下方位置に向かって回動されて、係止部38に弾性片35の規制部36が係止されてカートリッジホルダ1がシャーシ2に取り付けられた後のカートリッジホルダ1のシャーシ2に対する回動量、すなわち回動角度を規制している。
【0030】
係止部38の斜面39が形成されない側、すなわちシャーシ2のディスクテーブル11が配設される側の端部に傾斜部41が外方に向かって下るように形成されている。この傾斜部41は、カートリッジホルダ1がシャーシ2に取り付けられる際に、弾性片35が図4中矢印X方向に弾性変位しやすくしている。切欠部37には、係止部38の端部38aと相対向する周壁に突出部42が形成されている。突出部42は、切欠部37の内方に向かって膨出する円弧面状に形成されている。この突出部42は、カートリッジホルダ1がシャーシ2に取り付けられた後、カートリッジホルダ1が上方位置に向かって回動された際に斜面39及びクリアランス40と共に規制部36が斜面39又は突出部42と当接することによってカートリッジホルダ1の回動量、すなわち回動角を規制している。
【0031】
上述したように回動機構25によって回動自在にカートリッジホルダ1が取り付けられるシャーシ2は、ディスクカートリッジ50の平面形状より大きな矩形状に形成されている。このシャーシ2には、上面の中央領域に図示しないモータによって回転駆動されるディスクテーブル11が配設されている。このディスクテーブル11の内部には、ディスクカートリッジ50に収納した光ディスクDの中央領域に取り付けられた金属プレートを磁気吸引するためのマグネットが配設されている。このディスクテーブル11の中央には、凸状に形成されたセンタリング部12が設けられている。したがって、カートリッジホルダ1に挿入されたディスクカートリッジ50は、光ディスクDの中心孔にセンタリング部12が係合することによって光ディスクDのセンタリングが行われると共に、ディスクテーブル11に配設されたマグネットによって光ディスクDの金属プレートが吸引され光ディスクDがディスクテーブル11によってチャッキングされる。その後、図示しないモータによってディスクテーブル11が回転されることによって光ディスクDが回転される。
【0032】
シャーシ2には、ディスクテーブル11に隣り合って光学ピックアップ用開口部13が開口されている。この光学ピックアップ用開口部13は、図示しない光学ピックアップ装置をシャーシ2の外方に臨ませる。この光学ピックアップ装置は、カートリッジホルダ1に装填されたディスクカートリッジ50の光ディスクDの信号記録面にレーザ光を照射することで、光ディスクDに記録された音声信号等の情報信号を読み取る。したがって、この光学ピックアップ用開口部13は、ディスクカートリッジ50の第2及び第3の開口部よりやや大きく且つ光学ピックアップ装置が上述した第2及び第3の開口部より臨まされた光ディスクDの信号記録領域の全領域に亘ってレーザ光が照射するために光学ピックアップ装置の移動領域に対応して形成されている。
【0033】
なお、シャーシ2の上面側には、図示しないディスクカートリッジ50の位置決め機構を有する。この位置決め機構によってカートリッジホルダ1が下方位置に回動操作された際に、カートリッジホルダ1に保持されているディスクカートリッジ50のシャーシ2に対する位置決めが行われる。
【0034】
このように構成されたカートリッジホルダ1は、シャーシ2に次のようにして取り付けられる。このカートリッジホルダ1は、図3に示すように、シャーシ2に対し垂直となる状態に位置される。カートリッジホルダ1がシャーシ2に対して垂直となる状態は、図3に示すように、カートリッジホルダ1をシャーシ2に取り付けた後にカートリッジホルダ1が上述した上方位置と下方位置の間の正規の回動領域、すなわち正規の回動角度よりも外れた状態である。
【0035】
そして、シャーシ2の支持片30に設けられた第1の軸部32にカートリッジホルダ1の突出片26に穿設された第1の穴部28が係合される。次に、カートリッジホルダ1は、その突出片27に穿設された第2の穴部29にシャーシ2の支持片31の第2の軸部33がシャーシ2に対して垂直方向より切欠部34を介して係合される。第2の穴部29には設けられた切欠部34の開口幅は、断面楕円形に形成された第2の軸部33の短軸方向の径と略等しく形成されている。したがって、カートリッジホルダ1は、シャーシ2に対して垂直方向からのみ取り付けることができる。
【0036】
カートリッジホルダ1は、第1及び第2の穴部28、29にシャーシ2の第1及び第2の軸部32、33がそれぞれ係合された後、カートリッジホルダ1の閉方向、すなわち、図5中矢印A方向に回動操作される。カートリッジホルダ1が閉方向に回動操作されると、弾性片35の規制部36がシャーシ2側の係止部38と当接する。この際、弾性片35は、係止部38の外方側に形成されている傾斜部41によって、図4中矢印X方向、この場合図4中の右方向に向かって弾性変位し、さらなるカートリッジホルダ1の回動によって弾性片35が図4中矢印X方向、この場合図4中の左方向に向かって弾性復帰する。その結果、規制部36は、係止部38を乗り越えて、図4に示すように、係止部38の下側に位置する。規制部36が、図4に示すように、係止部38の下側に位置する状態となると、規制部36が弾性変位部35にほぼ直角に形成されていること及び係止部38の断面がほぼ直角となるように形成されているため、規制部36が再び係止部38を乗り越えて弾性片35と係止部38との係合状態が解除されにくくなるこのように、弾性片35が係止部38と係合された状態までホルダ1が回動されると、ホルダ1のシャーシ2に対する取付け作業が完了する。
【0037】
このようにして取り付けられたカートリッジホルダ1は、図3に示すように、図3中矢印B方向に回動操作されることにより上方位置に移動され、図3中矢印A方向に回動操作されることにより下方位置に移動される。このカートリッジホルダ1は、図5に示すように、ホルダ1が上方位置にある開状態において、ディスクカートリッジ50が図5中矢印C方向から挿入される。カートリッジホルダ1は、図5中矢印B方向に回動操作されると弾性片35の規制部36がシャーシ2側の切欠部37の係止部38に係止される。したがって、カートリッジホルダ1は、弾性片35の規制部36が係止部38に係止されるまでの範囲が正規の回動領域となり、規制部36と係止部38の斜面39とが係止されるまで回動される。カートリッジホルダ1は、この係止部38の他に切欠部37の突出部42によっても、所定の位置で係止部38が突き当たることで回動方向が規制される。カートリッジホルダ1には、上述したようにホルダ1の取付けのために突出片27に切欠部34が設けられている。しかしながら、カートリッジホルダ1は、シャーシ2の断面楕円形状に形成された第2の軸部33の長軸方向の幅が切欠部34の開口幅より大きく形成されているので、ホルダ1が図5中矢印A方向又は矢印B方向に回動操作される際に軸部33より外れることはない。なぜならば、カートリッジホルダ1は、弾性片35の規制部36と係止部38とが係止することによってホルダ1の回動範囲が規制されているためである。カートリッジホルダ1は、図3に示すように、シャーシ2からの取り外しが可能となるシャーシ2に対し垂直となる状態まで回動することができないため、シャーシ2から外れることがない。
【0038】
図5に示すように、カートリッジホルダ1が図5中矢印B方向に回動操作された状態でディスクカートリッジ50が図5中矢印C方向より挿入され、ホルダ1内の正規の位置まで挿入されると、ホルダ1は図5中矢印A方向に回動操作される。カートリッジホルダ1が図5中矢印A方向に回動されてシャーシ2に近接する下方位置まで移動されると、ホルダ1に保持されているディスクカートリッジ50は、シャーシ2に設けられている図示しない位置決め機構によって位置決めされる。同時に、ディスクカートリッジ50内の光ディスクDは、光ディスクDの中心孔がセンタリング部12によってセンタリングされて、ディスクテーブル11上にチャッキングされる。
【0039】
カートリッジホルダ1からディスクカートリッジ50を取り出すためには、再びホルダ1を図5中矢印B方向に回動させればよい。
【0040】
このように構成されたディスクカートリッジのホルダ装置によれば、図6及び図7に示したホルダの回動機構に比べて部品点数を削減することができ、組立て時間を削減し、生産効率の向上を図ることができる。カートリッジホルダ1の回動機構25は、部品点数が少ない分だけ組立て後の全体の誤差が少なくなるので、シャーシ2に対してカートリッジホルダ1を正確に取り付けることができる。
【0042】
カートリッジホルダとしては、ディスクカートリッジに限らず、磁気テープ等のテープを収納したテープカートリッジを保持するホルダの回動機構又は装置にも適用することができる。
【0043】
【発明の効果】
上述したように、本発明に係るホルダ装置は、第1の軸部を第1の穴部に嵌合させた後、第2の軸部が第2の穴部の切欠部より進入され係合された状態にされて、カートリッジホルダがシャーシに取り付けられるので、容易にカートリッジホルダをシャーシに取り付けることができる。さらに、部品点数の削減が図られ、生産効率の向上及び生産コストの削減を図ることができる。本発明は、部品点数の削減により、カートリッジホルダをシャーシに取り付ける際の基準となる部材が削減され、シャーシへのカートリッジホルダの取付け精度の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るカートリッジホルダの回動機構を示す分解斜視図である。
【図2】本発明を構成するシャーシの要部拡大斜視図である
【図3】本発明を構成するカートリッジホルダの取付け状態を示す要部側面図である。
【図4】係止部と弾性片との係合状態を示す要部断面図である。
【図5】本発明を構成するカートリッジホルダの回動動作を説明するための図である。
【図6】本発明の前提となるカートリッジホルダの回動機構の一例を示す分解斜視図である。
【図7】本発明の前提となるカートリッジホルダの回動機構の他の例を示す分解斜視図である。
【符号の説明】
1 カートリッジホルダ、2 シャーシ、 15 カートリッジホルダの主面、16a、16b 側壁、 17a、17b 保持部、18 収納部、21シャッタ開放部材、25 回動機構、26、27 突出片、28 第1の穴部、29 第2の穴部、30、31 支持片、32 第1の軸部、33 第2の軸部、34切欠部、35 弾性片、36 規制部、37 切欠部、38係止部、39 斜面、40 クリアランス、41 傾斜部、42 突出部、50 ディスクカートリッジ

Claims (2)

  1. シャーシと、
    上記シャーシに設けられ、断面が円形の一方の軸部と断面が楕円形の他方の軸部とからなる一対の軸部と、
    上記シャーシの上記他方の軸部が形成される側壁に形成された切欠部内に設けられる係止部と、
    上記シャーシに形成された上記切欠部の周壁に形成された突出部と、
    上記シャーシに対して回動可能に取り付けられ、ディスクカートリッジが挿入されるカートリッジホルダと、
    上記カートリッジホルダに形成され、上記一方の軸部と係合する第1の係合孔と、
    上記カートリッジホルダに形成され、上記楕円形をなす他方の軸部の短軸よりも広く且つ上記楕円形の他方の軸部の長軸より狭い幅で切り欠かれた切欠部により一部が開放されてなる上記他方の軸部と係合する第2の係合孔と、
    上記カートリッジホルダの第2の係合孔が形成された側壁に設けられ、上記シャーシの係止部によって係止されるとともに上記カートリッジホルダが上記シャーシから離間する方向に移動するとき、上記突出部と当接する規制部と
    を備えることを特徴とするカートリッジホルダ装置。
  2. さらに、上記シャーシに、上記カートリッジホルダに保持されたディスクカートリッジに対し記録及び/又は再生を行う記録及び/又は再生手段を備え、
    上記係止部は、上記記録及び/又は再生手段が配設される上記シャーシの上面よりも下方側に形成され、
    上記規制部は、上記カートリッジホルダから下方に突出するとともに上記カートリッジホルダの主面と平行になるように形成され、上記カートリッジホルダが上記シャーシから離間する方向に移動するとき、上記係止部に係止されること特徴とする請求項1記載のカートリッジホルダ装置。
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