JP3829115B2 - コンデンサーマイクロホン及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンデンサーマイクロホン及びその製造方法に関し、特に音響信号を電気信号に変換して出力するコンデンサーマイクロホン及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のコンデンサーマイクロホンは、一般に、マイクロホンチップと、電界効果トランジスタ(FET)と、前記マイクロホンチップ及び前記電界効果トランジスタを収容するケーシングとからなる。このコンデンサーマイクロホンは、外部からの音響の音波信号が前記マイクロホンチップに入ると、該マイクロホンチップにおける振動膜を振動させることにより、コンデンサーとなる一対の電極間の空間(振動空間)を変化させて電気容量の変化を生させる。そして、前記電界効果トランジスタを介して前記電気容量の変化を電気信号に変換して出力するものである。
【0003】
本発明のコンデンサーマイクロホン及びその製造方法に関連する先行技術文献情報としては、次のものがある。
【0004】
【特許文献1】
米国特許第5870482号公報
【特許文献2】
米国特許第6243474号公報
【0005】
図4は、特許文献1に開示されているマイクロホンチップの製造方法の一部を示すフローチャートである。この製造方法では、まず、シリコン基板11の上面に犠牲層としてSiO2層12を形成する。そして、エッチング法により前記SiO2層12を掘り下げ、その下の前記シリコン基板11の上面の一部を露出させて逆台形状の凹溝13を形成する。その後、蒸着法やスパッタ法により前記シリコン基板11の前記露出部分と前記SiO2層12の上面とを覆うように振動膜としてのSi3O4層14を形成する。最後に、フッ化水素酸(HF)により、残りの前記SiO2層12を完全に除去し、振動空間15を形成する。次いで、前記振動膜14の上面に他の必要な各層を順次に形成する。
【0006】
前記マイクロホンチップの各層は、全て、塗布や露光、現像、エッチング、蒸着、スパッタなどのフォトリソグラフィ法(半導体プロセス)に属する数工程により形成されている。そのため、前記のような振動膜及び振動空間のみを形成するには少なくとも4ステップを必要とする。そのため、製造時の工程数が多くて手間がかなりかかるという固有の問題がある。
【0007】
したがって、製造時の工程数を低減させるために、特許文献2では、前記フォトリソグラフィ法と他の各分野の微小技術とを含んでなる微小電気機械部品構成技術(micro-electromechanical systems、以下、MEMS技術と略称する)が提案されている。図5は、このMEMS技術によって形成したマイクロホンチップ2の断面図である。
【0008】
図5に示すように、この特許文献2のマイクロホンチップ2の製造方法は、主として、先にフォトリソグラフィ法によって構成が異なる一対のチップ21,22をぞれぞれ形成する。そして、前記MEMS技術により形成した一対のチップ21,22を重ねて結合しながら、振動空間23を形成してマイクロホンチップ2をならしめる。なお、図中、211は、振動膜である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この特許文献2のようなMEMS技術によるマイクロホンチップ2の製造方法は、従来の製造方法より確かに工程数を低減できるが、一対のシリコン基板にそれぞれ積層して一対のチップ21,22を形成するため、マイクロホンチップ2が厚過ぎ、薄型化に適しないという欠点がある。
【0010】
また、前記振動膜211は有機材からなるため、240℃以上の高温下になると変形する恐れがあるため、このマイクロホンチップ2が実装されているコンデンサーマイクロホンは、作業温度が240℃以上の表面実装技術(SMT)に使用できない。そのため、自動化の方式により、例えば携帯電話の基板と結合することができないという欠点もある。
【0011】
本発明は前記問題に鑑みてなされたもので、構造も製造プロセスも簡単で、薄型のコンデンサーマイクロホン及びその製造方法を提供することを第1の課題としている。また、表面実装技術(SMT)に適用できるコンデンサーマイクロホン及びその製造方法を提供することを第2の課題としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、本発明のコンデンサーマイクロホンは、外部からの音響信号を受信して電気容量の変化を生じさせるマイクロホンチップと、前記電気容量の変化を電気信号に変換して出力する電界効果トランジスタと、前記マイクロホンチップ及び前記電界効果トランジスタを収容するケーシングとからなり、前記ケーシングは、その開口が前記マイクロホンチップの底面により完全に覆われる凹溝が形成された底壁と、前記底壁の周縁部から上向きに延びる外周壁と、その開放端を遮蔽するとともにその孔が前記マイクロホンチップの電極層と一致するように前記外周壁の上方に設けられた有孔蓋体部とを備え、前記マイクロホンチップは、電極層と、少なくとも一部が前記電極層と接触するように前記電極層の下側に形成された振動膜と、前記振動膜の下面の外周縁に形成されたスペーサと、前記振動膜と前記スペーサと一緒に振動空間を形成するように前記スペーサと結合されている孔付き底板とからなり、前記マイクロホンチップは、前記孔付き底板を下向きとして前記ケーシングの凹溝を遮蔽するように前記底壁の上面に取り付けられ、前記振動膜は、所定パターンの第1の無機材料層と、所定パターンの第2の無機材料層とを上下に積層してなり、前記電界効果トランジスタは、前記ケーシング内に取り付けられ、且つ、前記マイクロホンチップの電極層と前記ケーシングの所定箇所に電気的に接続され、音響の音波信号が前記ケーシングの開放端から前記ケーシング内に入ると、前記振動膜を振動させて前記マイクロホンチップに電気容量の変化を生じさせ、前記電界効果トランジスタを介して前記電気容量の変化を電気信号に変換して出力する構成としている。
【0013】
この構成によるコンデンサーマイクロホンにおけるマイクロホンチップは、構成が簡単であるうえ、MEMS技術により前記孔付き底板を前記スペーサと結合したため、従来のフォトリソグラフィ法のみで形成してなるチップより製造時の工程数を低減させることができる。また、1つのシリコン基板に積層して前記マイクロホンチップを製造することができるため、従来の少なくとも一対のシリコン基板を使用してなるものより、薄くなる。即ち、本発明は、構成が簡単であるうえ、製造プロセスもより簡素化できる薄型化のコンデンサーマイクロホンを提供できる。
【0014】
前記コンデンサーマイクロホンでは、前記振動膜は、450℃以上の温度に耐え得る無機材料からなる所定パターンの層であることが好ましい。それにより、本発明のコンデンサーマイクロホンは、表面実装技術(SMT)に適用し、自動化の方式により基板と結合することができる。
【0017】
さらにまた、前記底板は、厚さが20〜100μmであり、且つ、少なくともその外表面が金属材からなる平面体であることが好ましい。
【0018】
また、本発明において、前記コンデンサーマイクロホンを製造する方法は、その開口がマイクロホンチップの底面により完全に覆われる凹溝が形成された底壁と該底壁の周縁部から上向きに延びる外周壁とを備えたケーシングと、前記ケーシング内に取り付けられ外部からの音響信号を受信して電気容量の変化を生じさせるマイクロホンチップと、前記ケーシング内に取り付けられ前記電気容量の変化を電気信号に変換して出力する電界効果トランジスタとからなるコンデンサーマイクロホンの製造方法であって、前記ケーシングを形成する工程と、前記マイクロホンチップを形成する工程と、前記電界効果トランジスタを用意する工程と、前記マイクロホンチップと前記電界効果トランジスタとを前記ケーシング内に組み立てる工程とからなり、前記マイクロホンチップ形成工程は、シリコン基板を用意した後、フォトリソグラフィ法により前記シリコン基板の下面に振動膜を形成する振動膜形成ステップと、フォトリソグラフィ法により前記振動膜の下面の外周縁にスペーサを形成するスペーサ形成ステップと、前記振動膜を帯電させる振動膜帯電ステップと、エッチング法により前記シリコン基板を掘り下げ、その下の前記振動膜の上面の一部を露出させる振動膜露出ステップと、前記振動膜の前記露出部分及び前記シリコン基板の上面に電極層を形成する電極層形成ステップと、少なくともその外表面が金属材からなる孔付き底板を、前記振動膜と前記スペーサと一緒に振動空間を形成するように前記スペーサと加熱により結合する孔付き底板結合ステップとからなり、前記組立工程は、前記電界効果トランジスタを前記ケーシングの所定箇所と電気的に接続するように前記ケーシング内に取り付ける第1の組立ステップと、前記孔付き底板を下向きとして前記マイクロホンチップを前記ケーシングの底壁の上面に取り付け、該ケーシングの凹溝を遮蔽するとともに、前記電界効果トランジスタと電気的に接続する第2の組立ステップとからなり、前記振動膜形成ステップは、前記シリコン基板の下面に所定パターンの第1の無機材料層を形成する第1の無機材料層形成ステップと、前記第1の無機材料層の下面に所定パターンの第2の無機材料層を形成する第2の無機材料層形成ステップとからなる。
【0019】
前記製造方法は、MEMS技術を採用してマイクロホンチップの各層を形成するため、従来のフォトリソグラフィ法のみで形成する方法より、製造時の工程数を低減させることができる。また、1つのシリコン基板のみを使用するため、従来の少なくとも一対のシリコン基板を使用する方法より、マイクロホンチップを薄型化しやすい。即ち、本発明の製造方法では、より簡単な製造プロセスで、薄型化のコンデンサーマイクロホンを製造することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のコンデンサーマイクロホン及びその製造方法の好ましい実施形態を図面を参照して詳細に説明する。
【0022】
本発明の実施形態に係るコンデンサーマイクロホン3は、図1に示すように、セラミックス製のケーシング4と、前記ケーシング4内に取り付けられ、外部からの音響信号を受信して電気容量の変化を生じさせるマイクロホンチップ5と、前記ケーシング4内に取り付けられ、前記電気容量の変化を電気信号に変換して出力する電界効果トランジスタ6とからなる。
【0023】
具体的には、前記ケーシング4は、その開口が前記マイクロホンチップ5の底面により完全に覆われる凹溝411が形成された底壁41と、前記底壁41の周縁部から上向きに延びる外周壁42と、該外周壁42の上方に設けられるとともにマイクロホンチップ5の上方に一致するように孔431が設けられ、該ケーシング4の開放端を遮蔽する有孔蓋体部43と、前記底壁41の下面に設けられ、携帯電話などの基板と結合する複数の端子44とからなる。前記底壁41の凹溝411には、その内周壁に複数の段差を有する階段部412が形成されている。
【0024】
前記マイクロホンチップ5は、主として、中央部分のみが下向きに窪んだ平板状をなす金属製の電極層51と、前記電極層51の窪んだ部分の下面と接触するように前記電極層51の下側に形成された450℃以上の温度に耐え得る無機材料からなる振動膜52と、前記電極層51と前記振動膜52との非接触部分の間に挟まれている後述するシリコン基板7の加工後の残留部分と、前記振動膜52の下面の外周縁に形成された環状のスペーサ53と、前記振動膜52と前記スペーサ53と一緒に振動空間55を形成するように前記スペーサ53の下面に結合されている金属製の孔付き底板54とからなる。
【0025】
更に具体的には、前記振動膜52は、所定パターンのSiO2層521と、所定パターンのSi3O4層522とを上下に積層してなる。また、前記スペーサ53は、無機材料からなる環状のSiO2層531と、金属材料からなる環状金属層532とを上下に積層してなる。さらに、前記底板54の厚さは、20〜100μmである。
【0026】
前記構成のマイクロホンチップ5は、前記孔付き底板54を下向きとして前記ケーシング4の階段部412に取り付けることにより前記凹溝411を遮蔽するとともに、前記振動膜52の下面が前記底壁41の上面と接触する。
【0027】
前記電界効果トランジスタ6は、前記底壁41上に取り付けられ、且つ、前記マイクロホンチップ5の前記電極層51及び前記ケーシング4の所定の端子44と電気的に接続されている。
【0028】
これにより、このコンデンサーマイクロホン3は、電圧が印加されている状態において、音響の音波信号が前記ケーシング4の開放端、即ち、前記有孔蓋体部43における孔431から前記ケーシング4内に入ると、前記振動膜52を振動させて前記マイクロホンチップ5に電気容量の変化を生じさせる。そして、前記電界効果トランジスタ6を介して前記電気容量の変化を電気信号に変換して出力することができる。
【0029】
なお、前記振動空間55は、前記底板54に形成した孔541を経由して前記凹溝411と連通している。そのため、前記振動空間55内の空気は、振動に従って前記孔541から進出し、前記底板54にかかる圧力を緩和することができるため、前記底板54の使用することによる経時的な変形を殆ど防止することができる。
【0030】
次に、コンデンサーマイクロホン3の製造方法について具体的に説明する。
【0031】
図2に示すように、本実施形態の製造方法は、MEMS技術により、前記ケーシング4を形成する工程70と、前記マイクロホンチップ5を形成する工程71と、前記電界効果トランジスタ6を用意する工程72と、前記マイクロホンチップ5と前記電界効果トランジスタ6とを前記ケーシング4内に組み立てる工程73とを順番に行う。
【0032】
具体的には、前記コンデンサーマイクロホン3の製造における前記ケーシング形成工程70では、セラミックス材により前記底壁41と前記外周壁42と前記有孔蓋体部43と前記端子44とを有するケーシング4を製造する。
【0033】
前記コンデンサーマイクロホン3の製造における前記マイクロホンチップ形成工程71では、図3に示すように、シリコン基板7を用意した後、振動膜形成ステップと、スペーサ形成ステップと、振動膜帯電ステップと、振動膜露出ステップと、電極層形成ステップと、孔付き底板結合ステップとを順番に実行する。
【0034】
前記振動膜形成ステップでは、シリコン基板7にそれぞれ塗布や露光、現像、エッチング、蒸着、スパッタなどのフォトリソグラフィ法に属する数工程により前記各層を形成する。即ち、前記シリコン基板7の下面に第1の無機材料層として所定パターンのSiO2層521を形成した後、該SiO2層521の下面に第2の無機材料層として所定パターンのSi3O4層522を形成し、これらSiO2層521とSi3O4層522とによって振動膜52を形成する。
【0035】
前記スペーサ形成ステップでは、フォトリソグラフィ法により前記振動膜52の下面の外周縁に環状のSiO2層531を形成した後、該環状のSiO2層531の下面に金属層532を形成し、これらSiO2層531と金属層532とによってスペーサ53を形成する。
【0036】
前記振動膜帯電ステップでは、充電などにより前記振動膜52を帯電させる。
【0037】
前記振動膜露出ステップでは、エッチング法により前記シリコン基板7を掘り下げ、その下の前記振動膜52の上面の一部を露出させる。
【0038】
前記電極層形成ステップでは、フォトリソグラフィ法により前記振動膜52の前記露出部分及び前記シリコン基板7の上面に電極層51を形成する。
【0039】
前記孔付き底板結合ステップでは、厚さ20〜100μmで、エッチングにより複数の孔が形成されたニッケル製の孔付き底板54を、前記振動膜52と前記スペーサ53と一緒に振動空間55を形成するように前記スペーサ53の下面に加熱溶接により結合する。これにより、前記構成のマイクロホンチップ5を製造する。
【0040】
前記コンデンサーマイクロホン3の製造における前記電界効果トランジスタ用意工程72では、電界効果トランジスタ6を用意する。
【0041】
前記コンデンサーマイクロホン3の製造における前記組立工程73では、図3に示すように、まず、前記電界効果トランジスタ6を前記ケーシング4の所定の端子44と電気的に接続するように前記ケーシング4の底壁41に取り付ける第1の組立ステップを実行する。
ついで、前記孔付き底板54を下向きとして前記マイクロホンチップ5を前記ケーシング4の階段部412に取り付けることにより、前記凹溝411を遮蔽するとともに、前記電界効果トランジスタ6と電気的に接続する。
【0042】
続いて、前記ケーシング4の前記有孔蓋体部43により前記ケーシング4の開放端を遮蔽することにより、前記コンデンサーマイクロホン3の組み立てが完成する。
【0043】
なお、本発明のコンデンサーマイクロホン及びその製造方法は、前記実施形態の構成に限定されるものではない。即ち、前記実施形態は、あくまでも本発明の技術的内容を明らかにする意図のものにおいてなされたものであり、本発明はそうした具体例に限定して狭義に解釈されるものではなく、本発明の精神とクレームに述べた範囲で、いろいろと変更して実施できるものである。
【0044】
例えば、前記実施形態では、前記スペーサ53は、無機材料からなる環状のSiO2層531と金属材料からなる環状金属層532とで構成したが、前記振動膜52の外周縁に例えばBCB(benzocyclobutene)、SINR、ポリイミド、SU−8などのフォトレジスタ材を塗布することにより前記スペーサ53を形成してもよい。このようにすれば、前記金属層532を形成する必要がなく、加熱、加圧により前記底板54を前記スペーサ53と結合することができる。
【0045】
また、前記スペーサ53は、環状に限らず、前記振動膜52の外周縁に沿って島状ブロックを複数配置することにより構成してもよい。
【0046】
さらに、前記実施形態では、前記孔付き底板54は金属材により形成したが、その外表面のみが金属材からなるものを使用してもよい。
【0047】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明のMEMS技術により製造したコンデンサーマイクロホンは、構成が簡単であるうえ、製造プロセスもより簡素化でき、また、前記振動膜は450℃以上に耐えられる無機材からなるため、表面実装技術(SMT)に適用し、自動化の方式により前記端子を基板と結合することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態に係るコンデンサーマイクロホンを示す断面図である。
【図2】 コンデンサーマイクロホンの製造方法を示すフローチャートである。
【図3】 コンデンサーマイクロホンの製造方法を示すブロック図である。
【図4】 従来のコンデンサーマイクロホンにおけるマイクロホンチップの製造方法の一部を示すフローチャート
【図5】 従来のコンデンサーマイクロホンにおけるマイクロホンチップの断面図である。
【符号の説明】
3…コンデンサーマイクロホン
4…ケーシング
41…底壁
411…凹溝
412…階段部
42…外周壁
43…有孔蓋体部
431…孔
44…端子
5…マイクロホンチップ
51…電極層
52…振動膜
521…第1の無機材料層
522…第2の無機材料層
53…スペーサ
531…無機材料層
532…金属層
54…孔付き底板
541…孔
55…振動空間
6…電界効果トランジスタ
7…シリコン基板
Claims (3)
- 外部からの音響信号を受信して電気容量の変化を生じさせるマイクロホンチップと、前記電気容量の変化を電気信号に変換して出力する電界効果トランジスタと、前記マイクロホンチップ及び前記電界効果トランジスタを収容するケーシングとからなり、
前記ケーシングは、
その開口が前記マイクロホンチップの底面により完全に覆われる凹溝が形成された底壁と、前記底壁の周縁部から上向きに延びる外周壁と、その開放端を遮蔽するとともにその孔が前記マイクロホンチップの電極層と一致するように前記外周壁の上方に設けられた有孔蓋体部とを備え、
前記マイクロホンチップは、
電極層と、少なくとも一部が前記電極層と接触するように前記電極層の下側に形成された振動膜と、前記振動膜の下面の外周縁に形成されたスペーサと、前記振動膜と前記スペーサと一緒に振動空間を形成するように前記スペーサと結合されている孔付き底板とからなり、
前記マイクロホンチップは、前記孔付き底板を下向きとして前記ケーシングの凹溝を遮蔽するように前記底壁の上面に取り付けられ、
前記振動膜は、所定パターンの第1の無機材料層と、所定パターンの第2の無機材料層とを上下に積層してなり、
前記電界効果トランジスタは、前記ケーシング内に取り付けられ、且つ、前記マイクロホンチップの電極層と前記ケーシングの所定箇所に電気的に接続され、
音響の音波信号が前記ケーシングの開放端から前記ケーシング内に入ると、前記振動膜を振動させて前記マイクロホンチップに電気容量の変化を生じさせ、前記電界効果トランジスタを介して前記電気容量の変化を電気信号に変換して出力することを特徴とするコンデンサーマイクロホン。 - 前記底板は、厚さが20〜100μmであり、且つ、少なくともその外表面が金属材からなる平面体であることを特徴とする請求項1に記載のコンデンサーマイクロホン。
- その開口がマイクロホンチップの底面により完全に覆われる凹溝が形成された底壁と該底壁の周縁部から上向きに延びる外周壁とを備えたケーシングと、前記ケーシング内に取り付けられ外部からの音響信号を受信して電気容量の変化を生じさせるマイクロホンチップと、前記ケーシング内に取り付けられ前記電気容量の変化を電気信号に変換して出力する電界効果トランジスタとからなるコンデンサーマイクロホンの製造方法であって、
前記ケーシングを形成する工程と、
前記マイクロホンチップを形成する工程と、
前記電界効果トランジスタを用意する工程と、
前記マイクロホンチップと前記電界効果トランジスタとを前記ケーシング内に組み立てる工程とからなり、
前記マイクロホンチップ形成工程は、
シリコン基板を用意した後、
フォトリソグラフィ法により前記シリコン基板の下面に振動膜を形成する振動膜形成ステップと、
フォトリソグラフィ法により前記振動膜の下面の外周縁にスペーサを形成するスペーサ形成ステップと、
前記振動膜を帯電させる振動膜帯電ステップと、
エッチング法により前記シリコン基板を掘り下げ、その下の前記振動膜の上面の一部を露出させる振動膜露出ステップと、
前記振動膜の前記露出部分及び前記シリコン基板の上面に電極層を形成する電極層形成ステップと、
少なくともその外表面が金属材からなる孔付き底板を、前記振動膜と前記スペーサと一緒に振動空間を形成するように前記スペーサと加熱により結合する孔付き底板結合ステップとからなり、
前記組立工程は、
前記電界効果トランジスタを前記ケーシングの所定箇所と電気的に接続するように前記ケーシング内に取り付ける第1の組立ステップと、
前記孔付き底板を下向きとして前記マイクロホンチップを前記ケーシングの底壁の上面に取り付け、該ケーシングの凹溝を遮蔽するとともに、前記電界効果トランジスタと電気的に接続する第2の組立ステップとからなり、
前記振動膜形成ステップは、
前記シリコン基板の下面に所定パターンの第1の無機材料層を形成する第1の無機材料層形成ステップと、
前記第1の無機材料層の下面に所定パターンの第2の無機材料層を形成する第2の無機材料層形成ステップとからなることを特徴とするコンデンサーマイクロホンの製造方法。
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