JP3828933B2 - 多孔質シリコンを含む電界発光デバイス - Google Patents

多孔質シリコンを含む電界発光デバイス Download PDF

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Description

本発明は、電界発光デバイス、より特定的に言うと多孔質シリコン材料から製造された電界発光デバイスに関する。
発光デバイスは、さまざまなプロセスによって光を発出することができる。従来のタングステン線白熱電球は、白熱電球内の要素が一定温度に達した時点で可視光を発出する。高温での物質からの可視光の発出は、白熱と呼ばれる。ルミネセンスは、白熱とは全く異なる現象であり、電子が励起されたエネルギー状態からそのアース状態であるさらに低エネルギーの状態へと移行する場合に放射的にエネルギーを失なった時点で、生成される。フォトルミネセンスは、光子の吸収によって高いエネルギーレベルへと励起された電子からのルミネセンスである。フォトルミネセント多孔質シリコンについては、米国特許第5,438,618号に記述されている。電界ルミネセンスは、電界又は電流によってより高いエネルギーレベルまで励起された電子からのルミネセンスである。電界発光(エレクトロルミネセント)多孔質シリコンの例は、英国特許GB2268333B号の中で記述されている。
発光ダイオードは、電界発光デバイスの1つの重要な種類である。発光ダイオードは一般に、Ga1-xAlxAs,Ga1-xInxAs1-yy及びGaAs1-xx系内の半導性材料から製造される。発光ダイオードの効率の1つの尺度は、ダイオードによって発出された光子の数を、ダイオードに入る電子の数で除したものとして定義づけされるその外部量子効率である。これらの材料から製造されたデバイスは、10%より大きい外部量子効率を有する可能性がある。GaAs化合物で製造された電界発光デバイスには、シリコンベースの集積回路技術ではモノリシック集積を行うことが難しいという欠点がある。半導体技術の分野における当業者にとっては、シリコンベースの集積回路の技術と相容性のある電界発光デバイスを製造できることが長年にわたり1つの重要な目標であった。
電界発光デバイス内で発光性材料として多孔質シリコンを使用する可能性に対する世界中の関心は、L.T.Canhamによる、Applied Physics Letters,第57巻、第10号、1990年、p1046〜1048の中の論文によって生み出されたものである。この論文では、室温での多孔質シリコン内の量子ワイヤからの効率の良い可視的なフォトルミネセンスが報告された。シリコン量子ワイヤは、幅の2倍以上の長さをもち、その境界が適切なパッシベーション層によってとり囲まれている、10nm以下の幅のシリコンの物理的に連続したカラムとして定義づけることができる。多孔質シリコン電界発光デバイスは、光学表示装置及びオプトエレクトロニクス集積回路といったような利用分野で使用するため、従来のシリコン集積回路製造技術と潜在的な相容性をもつという利点を提供している。
上述のように、電界発光多孔質シリコンは、英国特許GB2268333B号の中で記述されている。電界発光多孔質シリコンに対する世界的な関心は、多孔質シリコンを取込んだ電界発光デバイスについて記述する多数の公開科学論文によって証明されてきた。しかしながら、これらのデバイスについて報告されてきたルミネセンス効率は、失望するほどに低いものであった。V.P.Kesan et alはJournal of Vacuum Science and Technology A,第11巻、4号、1993年、p1736〜1738の中で、0.04%〜0.1%の範囲内の効率をもつp−n接合多孔質シリコン電界発光デバイスについて報告している。しかしながら、Kesan et alのデバイスは、電界ルミネセンスが観察可能となる前に30000Am-2というしきい電流密度を有している。このような高いしきい値は、記載された効率値とは相容れないものであると思われる。同様に、Kesan et alの論文中には、引用された効率測定が外部量子効率の数字であるのか又は内部量子効率といったようなその他の何らかの効率であるのかについて、何も記されていない。引用された効率の数字が内部量子効率であるならば、外部量子効率の数字は著しく低いもの、恐らくは約10分の1という低いものとなるだろう。
F.Kozlowski et alは、Sensors and Actuators A,第A43巻、1〜3号、1994年、p153〜156の中で、0.01%という量子効率をもつ多孔質シリコン製の発光デバイスについて報告している。しかしながら、この論文は、10-3〜10-4%の範囲内の量子効率をもつ発光デバイスの電気特性の詳細を提供しているにすぎない。
L. V. Belyakov et al.は、Semiconductors,第27巻、11〜12号、1993年、pp999〜1001の中で、液体電解質を内蔵する陰極バイアスされた電界発光多孔質シリコンデバイスについて最高0.3%のルミネセンス効率を報告している。彼らは、200Am-2の電流密度での電界ルミネセンスの観察について報告した。液体電界質を内蔵するデバイスは、従来のシリコンベースのマイクロ回路と集積するのがむずかしいと思われる。
W.Lang et al,はJournal of Luminescence,第57巻、1993年 p169〜173の中で、薄い金の上部電極をもつ電界発光デバイスについて記述している。Lang et al.は、1.1Am-2の電流しきい値よりも高い電界ルミネセンスを観察し、0.01%という外部量子効率を測定した。彼らはそのデバイスが0.1よりも大きい内部効率を有していたと推定している。外部効率値は、デバイスの外部の光子生成効率の尺度であり、デバイス内での光子生成効率の尺度である内部効率値とは全く異なるものである。内部効率値は、内部吸収と散乱メカニズムのため、外部効率値よりも高くなる。
多孔質シリコン発光ダイオードについて公開されたほぼ全ての科学論文が、大気中において作動中のデバイス性質に関するものであった。これに対する1つの例外が、シリコン材料の科学と技術に関する第7回国際シンポジウムの議事録、Electrochemical Society Inc. Pennington, New Jersey, Proc,第94巻−10巻、p569〜574D,1994年の中で発表されたBadoz et al.による論文である。彼らは、効率の低い(外部量子効率10−4%)多孔質シリコン発光ダイオードの安定性が、大気中ではなく乾燥窒素ガス内で動作させられた時点で劇的に改善されるということを実証している。又、彼らは、シリコンスケルトンの電気的に増強された酸化から劣化が発生するということを示唆している。
p型シリコンを陽極処理すると、n型多孔質シリコンが生成されるということを示唆する科学論文が公表されてきた。N. J. Pulsford et al.はJournal of Luminescence,第57巻、1993年 pp181〜184の中で、フォトルミネセント多孔質シリコンを生成するための25Ωcmのp型シリコン基板の陽極処理について報告した。多孔質シリコンの電気特性の測定から、彼らは、自らの結果が多孔質シリコンがn型であることと一貫性をもつものであるとの結論に達した。Amisola et al.は、Applied Physics Letters,第61巻、第21号、1992年、pp2595〜2597号の中で、少なくとも多孔質シリコンの表面がn型材料のように挙動したことを示したp型シリコンから製造された多孔質シリコンの走査型トンネル顕微鏡測定について報告した。
米国特許第5,348,618号の中で記述された方法を用いて強くドープされたp型シリコンから製造された30%の多孔率をもつ多孔質シリコン層の広がり抵抗測定は、多孔質シリコンの広がり抵抗が深さの増大に伴って増加することを示している。これは、深さの増大に伴う抵抗率の増大に一致する。これは、激しくドープされたn型シリコンから製造された多孔質シリコンの挙動と反対であり、n−p接合が多孔質シリコンとシリコンの界面で形成されていることを表わしている。p−nシリコン構造の陽極処理による電界発光デバイスの製造について記述する以前に公表された研究作業が、多孔質シリコン内のもとのp−n界面に対応する位置においてp−n接合が形成されるという結果をもたらさず、その代りに、多孔質シリコンとバルクシリコンの間のヘテロ接合という結果をもたらす、という結論が導かれている。
本発明の目的は、代替的な電界発光デバイスを提供することにある。
本発明は、電界ルミネセンスを生成するべくバイアス可能であり、多孔質シリコン領域及びこの領域に対する電気接続部分を含む電界発光デバイスにおいて、このデバイスの中を1.0Am-2未満の電流密度をもつ電流が流れるようにデバイスがバイアスされた時点で多孔質シリコン領域から電界ルミネセンスを検出することができることを特徴とする電界発光デバイスを提供する。
本発明は、電界ルミネセンスを生成するのに低いしきい電流しか必要とされないという利点を提供する。低いしきい電流は、例えば、電池式の電子部品といったように、電力の保存が重要な利用分野において有利である。
本発明のデバイスは、ドープ剤の注入を受けた後に、注入後のアニーリング無しでシリコンウエーハを陽極処理することを含む方法により製造することができる。一般に、シリコンウエーハは、ドープ剤種を電気的に活性化させ、注入プロセスによってひき起こされる結晶構造に対する何らかの損傷をアニールするため、ドープ剤の注入を受けた後でアニーリングを受ける。アニーリング段階が全く介入することなく、ドープ剤注入後にウエーハを陽極処理することは、シリコン処理技術に慣れた人にとって驚くべきこととみなされるだろう。
デバイスは、0.1Am-2未満の電流密度をもつ電流がデバイス内を流れるようにバイアスされた時点で電界ルミネセンスを示す可能性がある。デバイスからの電界ルミネセンスは、電流密度が0.1Am-2未満である場合に裸眼で見えるものと考えられる。又、電流密度が0.01Am-2より低く、更に0.0001Am-2まで低くなった時点でも、電界ルミネセンスを検出することができる。電界ルミネセンスの外部量子効率は0.1%以上であり得る。200k(−73℃)で作動するデバイスについては、0.4%といった高い外部量子効率が測定された。高い効率と低いしきい電流の組合せが特に有利である。0.0001Am-2の印加バイアス電流密度下で作動する面積1mm2のデバイスは、検出可能なルミネセンスを生成するのにわずか10−10ampsすなわち0.1nAのバイアス電流しか必要としないだろう。
もう1つの形態においては、本発明は電界発光多孔質シリコン領域及びこれに対する電気的接続部分を含む固体電界発光デバイスにおいて、0.01%以上の外部量子効率で電界ルミネセンスを多孔質シリコン領域から生成するようにバイアス可能であることを特徴とする固体電界発光デバイスを提供している。
高い外部量子効率は、一定の与えられた発光強度についてデバイスの効率が良くなればなるほど所要電力が少なくなることから、有利なのである。
本発明の固体デバイスは、0.1%以上の外部量子効率で電界ルミネセンスを示すことができる。外部量子効率は0.01%〜0.18%の範囲内にあってよく、少なくとも0.4%であり得る。
本発明の固体デバイスは、p−n接合を間に含むp型多孔質シリコン領域とn型多孔質シリコン領域で構成される。前述のとおり、従来通りに製造された多孔質シリコンは、たとえ出発材料がp型シリコンであったとしてもn型であるということが示されている。従って、多孔質シリコン内にp−n接合を含んでいたと言われている以前の電界発光多孔質シリコンデバイスは、上部接点と多孔質シリコンの間か又は多孔質シリコンと陽極処理を受けていないバルクシリコンの間の界面において、何らかの形の接合を備えていたものと考えられる。
p型及びn型多孔質シリコン領域の少なくとも1つは表面ドープされていてよい。表面ドープされた多孔質シリコンは、多孔質シリコンを形成するシリコン構造の表面上に被着されたドープ剤種によりドープされた多孔質シリコンである。これらのドープ剤種は、表面にとどまるか又はシリコンの中に拡散する。p型多孔質シリコンは表面ドープされてもよく、表面ドープ剤はホウ素であってよい。デバイスは、0.1%よりも大きい外部量子効率で電界ルミネセンスを示すことができる。
本発明のデバイスは、多孔質シリコンの発光領域内に正孔注入するためのインジェクタ層を内蔵していてよい。このインジェクタ層は、多孔質シリコンの表面層であってよい。多孔質シリコンの表面領域が、高まったレベルの酸素、炭素及びフッ素を有している可能性もあり、従って多孔質シリコンの発光領域よりも広いバンドギャップを有していてよく、従って効率の良い正孔インジェクタとして作用することになる。
好ましくは、本発明のデバイスは、フッ化水素酸水溶液の中で光の補助を受けた陽極処理によって生成される。エタン酸フッ化水素酸の中での光の補助を受けた陽極処理が、一般に中孔性の多孔質シリコンを結果としてもたらすことが知られている。中孔性の多孔質シリコンは、幅20Å以上500Å未満の孔径をもつ。n−シリコン基板の光の補助を受けた陽極酸化が、或る程度の巨孔率も生み出し得ることが知られている。巨孔質シリコンは、幅500Å以上の孔径をもつ。本発明のデバイスの陽極酸化条件は、巨孔性及び中孔性の多孔質シリコンの両方の生成を回避する。デバイスの活性部分は、幅20Å未満の孔径を伴って微孔性である。
電界発光デバイスは、n型バルクシリコン領域、このn型バルクシリコン領域に隣接するn型多孔質領域、n型多孔質シリコン領域に隣接するp型多孔質シリコン領域、及びバルクシリコン領域及びp型多孔質シリコン領域に対する電気接点を含んでいてよい。
本発明のデバイスは、変調された光出力を生成するべく動作可能である。光出力は10kHz以上の周波数で変調可能であってよい。デバイスの光学的出力の変調は、最高1MHzの変調周波数で観察された。本発明のデバイスは、400nm以上900nm未満の波長で電界ルミネセンス強度最大値をもち得る。強度最大値は、520nm〜750nmの範囲内の波長において存在し得る。
本発明のデバイスは、密封されたデバイスであってよく、密封されていないデバイスの場合には動作効率が水蒸気及び/又は酸素に対する露呈時点で劣化し得ることから、こうして多孔質シリコンは環境から保護されることになる。密封は、真空チャンバ又はその他の形の密封配置例えば、酸化錫インジウム製であってよい多孔質シリコンに対する不浸透性の上部接点などによって提供されうる。
デバイスは、オプトエレクトロニクス集積回路の一部分としてその他のシリコンデバイスと集積させることができる。本発明の電界発光デバイスを、本発明に基づくさらなるデバイスと組合わせて、複数の色をもつ光出力を生成できる表示装置を形成させることができる。
もう1つの形態では、本発明は
i) 表面領域がドナー不純物の体積濃度よりも大きいアクセプタ不純物の体積濃度を有することになるようなアクセプタ不純物を、ウエーハをn型にするべくドナー不純物でドープされたシリコンウエーハの表面領域に注入する段階;
ii) 表面領域の中を通って延びる発光多孔質シリコン領域を生成するべく、照射下でウエーハを陽極処理する段階;及び
iii) 多孔質シリコン領域上に電極を被着する段階;
を含む電界発光デバイスの製造方法において、表面領域が、陽極処理段階の直前に100Ω-1以上のシート抵抗率を有することを特徴とする方法を提供している。
さらにもう1つの形態では、本発明は
i) 表面領域がドナー不純物の体積濃度よりも大きいアクセプタ不純物の体積濃度を有することになるようなアクセプタ不純物を、ウエーハをn型にするべくドナー不純物でドープされたシリコンウエーハの表面領域に注入する段階;
ii) 表面領域の中を通って延びる発光多孔質シリコン領域を生成するべく、照射下でウエーハを陽極処理する段階;及び、
iii) 多孔質シリコン領域上に電極を被着する段階;
を含む電界発光デバイスの製造方法において、陽極処理に先立って、アクセプタ不純物の1%未満が電気的に活性であることを特徴とする方法を提供している。
さらなる形態においては、本発明は
i) 表面領域がドナー不純物の体積濃度よりも大きいアクセプタ不純物の体積濃度を有し、この領域の少なくとも一部分がシリコン内のアクセプタ不純物の固溶性限界に匹敵するアクセプタ不純物体積濃度を有することになるようなアクセプタ不純物よりも大きいアクセプタ不純物の体積濃度を有することになるようなアクセプタ不純物を、ウエーハをn型にするべくドナー不純物でドープされたシリコンウエーハの表面領域に注入する段階;
ii) 表面領域の中を通って延びる多孔質シリコン領域を生成するべく、照射下でウエーハを陽極処理する段階;及び、
iii) 多孔質シリコン領域上に電極を被着する段階;
を含む電界発光デバイスの製造方法を提供している。
さらにもう1つの形態では、本発明は、
i) 表面領域がドナー不純物の体積濃度よりも大きいアクセプタ不純物の体積濃度を有することになるようなアクセプタ不純物を、ウエーハをn型にするべくドナー不純物でドープされたシリコンウエーハの表面領域に注入する段階;
ii) 表面領域の中を通って延びる発光多孔質シリコン領域を生成するべく、照射下でウエーハを陽極処理する段階;及び、
iii) 多孔質シリコン領域上に電極を被着する段階;
を含む電界発光デバイスの製造方法において、シリコンウエーハが段階(i)及び(ii)の間でアニーリングを受けないことを特徴とする製造方法を提供している。
さらにもう1つの形態では、本発明は、
i) 表面領域がドナー不純物の体積濃度よりも大きいアクセプタ不純物の体積濃度を有することになるようなアクセプタ不純物を、ウエーハをn型にするべくドナー不純物でドープされたシリコンウエーハの表面領域に注入する段階;
ii) 表面領域の中を通って延びる発光多孔質シリコン領域を生成するべく、照射下でウエーハを陽極処理する段階;及び、
iii) 多孔質シリコン領域上に電極を被着する段階;
を含む電界発光デバイスの製造方法において、陽極処理段階が、多孔質シリコン領域内でのシリコン量子ワイヤの表面ドーピングをひき起こし、表面ドープされた量子ワイヤをp型にすることを特徴とする製造方法を提供している。
さらにもう1つの形態においては、本発明は、多孔質シリコンが30%以上の多孔率を有することを特徴とするp型多孔質シリコンを提供している。多孔率は60%より大きくてもよく、又多孔質シリコンは、量子ワイヤを含んでいてよい。
本発明はさらに多孔質シリコンがn型バルクシリコンから誘導されることを特徴とする実質的に全体に微孔性で可視発光性の多孔質シリコンを提供する。
さらにもう1つの形態では、本発明は、多孔質シリコン領域がp−n接合を中に含んでいることを特徴とする。多孔質シリコン領域及びこの領域に対する電気的接続部分を含む電界発光デバイスを提供している。
本発明はさらに、多孔質シリコン領域は、n型バルクシリコンから製造された全体に微孔性で可視発光性の領域であることを特徴とする、多孔質シリコン領域及びこの領域に対する電気的接続部分を含む電界発光デバイスを提供している。
本発明をさらに充分に理解できるようにするため、その実施形態についてここで添加の図面を参照しながら、単なる一例として記述する。なお図面中、
図1は、本発明の電界発光デバイスを通る垂直断面図を概略的に例示している。
図2は、2次イオン質量分析法によって決定されるような、イオン注入後のシリコンウエーハ内のホウ素ドープ剤濃度のプロットをグラフ表示している。
図3は、ホウ素注入後のシリコンウエーハの断面の概略図である。
図4は、注入されたウエーハを陽極処理するための陽極処理装置を概略的に例示している。
図5は、電気的接触が行われた後の図1のデバイスを示す。
図6aは、光出力測定機器を示す。
図6bは、図1のデバイスの出力効率を測定するための光出力測定機器を示す。
図6cは、図6bの機器を較正するための配置を概略的に示す。
図7は、図1のデバイスの電界ルミネセンス及びフォトルミネセンスの測定値をグラス表示している。
図8は、図1のデバイスの測定上の特性を示す。
図9は、図1のデバイスのさらなる電気特性を示す。
図10は、印加された電流密度の関数としての図1のデバイスからの光出力の測定値を示す。
図11は、本発明のデバイスについての電流密度に対する外部量子効率のグラフを示す。
図12は、本発明のデバイスについての時間の関数としての出力効率を例示する。
図13は、厚み200nmの酸化錫インジウム上部接点を伴うデバイスについて、時間の関数としての出力効率を例示している。
図14は、本発明のデバイスからの変調された光出力を示す。
図15は、励振周波数の関数としての電界ルミネセンスの変調振幅のプロットを示す。
図16は、陽極処理の後の図1のデバイスのホウ素ドープ剤濃度のプロットを示す。
図17は、ホウ素注入と陽極処理の間でアニーリングされたデバイスについての、陽極処理後のホウ素ドープ剤濃度のプロットを示す。
図18は、本発明のデバイスの考えられる構造の概略図を示す。
図19は、図1のデバイスの考えられるバンド構造の概略図を示す。又、
図20は、デバイスに対するバイアス電圧の印加後の考えられるバンド構造の概略図を示す。
図1を参照すると、電界発光デバイス10が示されている。デバイス10は、発光性多孔質シリコン領域22が上に載ったシリコン基板20を含んで成る。図1は、不連続部23が示すように一定の倍率で拡大されて描かれているわけではない。デバイス10は、透過性の酸化錫インジウムの上部電極24とアルミニウムの下部電極26を含む。シリコン基板20は、下部電極26とのオーム接触を形成するため、強くドープされた領域28を内含している。多孔質シリコン領域22は、0.4μmの平均厚みをもち、上部電極24は0.1μmの厚みをもち、下部電極は0.5μmの厚みをもつ。2つの電極26及び24の間に直流電流を通した時点で、デバイス10は、最大幅が60nmと150nmの間の半最大値にある状態で520〜750nm内のピーク波長でルミネセンスを示す。
デバイス10は、以下のように製造される。第1段階では、強くドープされたオーム接点領域28が形成される。オーム接点を形成するために強くドープされた領域を形成することは、標準的なシリコン集積回路プロセスである。10〜20Ωcmの範囲内の抵抗率をもつn-と記された軽くドープされたn型(100)のシリコンの直径75mmのウエーハの裏面は、ドナー不純物を用いてVarian 350RDイオンビーム注入装置の中で70keVのエネルギーでのイオン注入法により注入される。ドナー不純物は、5×1015cm-2のドープで注入されるリンである。イオン注入の後、注入を受けたウエーハは、2つの化学浴内で洗うことによって清浄される。ウエーハは、300mlの35%NH3溶液、300mlの30%H22溶液及び1500mlの脱イオン水を含む第1の浴中に、15分間88℃の温度で浸漬され、その後、300mlの35%HCl溶液、300mlの30%H22溶液及び1500mlの脱イオン水を含む第2の浴の中に、10分間88℃の温度で浸漬される。2つの浴中に浸漬された後、ウエーハは、脱イオン水の中で洗い流され、乾燥される。洗浄後、注入済みウエーハは、アルゴン−2%酸素内で1050℃で30分間アニールされ、その結果、約60Åの厚みをもつ薄い表面酸化物層がウエーハの各面上に形成されることになる。
第2段階では、シリコンウエーハの前面はアクセプタ不純物の注入を受ける。アクセプタ不純物ドープ剤はホウ素である。ホウ素はエネルギー約35keVのイオンビームを用いて、ビーム電流250μA、ビームサイズ約0.2×1.0mm2で、Varian 350RDイオンビーム注入装置内で注入される。イオンビームは、表面の均質なドージングを確保する複雑な走査パターンで、シリコンウエーハの前面全体にわたり走査させられる。各々の走査には、約1秒が必要である。ウエーハは、10分間の合計注入時間の注入を受け、この時間中にウエーハは、合計1×1016cm-2のドーズを受ける。注入の間ウエーハは、注入が原因でシリコン温度が過度に上昇するのを防ぐ熱シンクの上に確保される。ウエーハの温度は、第2のイオン注入段階中に120℃以下の温度まで上昇し、ウエーハの温度は30°〜40℃まで上昇するものと見積られている。
従来の集積回路処理においては、シリコンウエーハは、イオン注入後にアニールされて再結晶し、その後イオン注入中に導入されたあらゆる点欠陥をアニールで除去し、かつドープ剤を電気的に活性化させる。ホウ素ドープ剤の電気的活性化は、ドープ剤の原子がシリコン格子内の置換部位を占有した時点で起こる。しかしながら、当該製造方法においては、ウエーハは、イオン注入後アニールされない。イオン注入プロセスの後のこのアニール欠如は、ドープ剤が低い電気的活性をもちシリコンが損傷状態にとどまることから、シリコン集積回路処理の分野の当業者にとっては望ましくない驚くべきことのようにみなされるだろう。
アニーリング後の強くドープされた領域28のシート抵抗率及びイオン注入後の前面のシート抵抗率の測定が行なわれた。領域28は、16Ω□-1という完全に活性化されたドープ剤注入についての推定値に匹敵する10Ω□-1というシート抵抗率を有していた。従って実験上の誤差の範囲内で、強くドープされた領域28内のドープ剤は、完全に活性化される。イオン注入の後、前面は、ドープ剤が完全に活性化された場合の10Ω□-1という推定値と比べて、1800Ω□-1というシート抵抗率を有していた。アニールされていない注入済みホウ素層の伝導率は、ドープ剤が完全に電気的に活性化されていた場合の予想伝導率の1%未満である。透過型電子顕微鏡は、注入されたシリコンの結晶構造が、ホウ素、イオン注入によって激しく損傷を受けるということを示していた。
シリコン内のホウ素の分布を見極めるため、2次イオン質量分析法(SIMS)を用いて、イオン注入を受けたシリコンウエーハを測定した。図2は、mm単位で表わされた前面からの深さに対する、原子cm-3単位のドープ剤濃度のプロット100を示す。SIMS測定値は、前面より下120nmの距離のところで8×1020cm-3というドープ剤濃度のピーク102を表わしている。ホウ素は1200℃で、約5×1020cm-3のシリコン中の最大固溶度をもつ。かくして、ピークドープ剤濃度102は、シリコン内のホウ素の固溶度限界と比較可能である。注入を受けたシリコンは、注入されたホウ素と結びつけられる損傷領域をもつ。この損傷領域は、ドープ剤濃度のピーク102よりわずかに深いものである損傷ピークをもつと予想されている。図3は、第2のイオン注入プロセスの後のシリコンウエーハ110の概略図を示す。ウエーハ110は、n+と記されたn型ドープ剤で強くドープされている第1の領域112をもつ。第2の領域114は、p型領域となるようにドープされている。残りの領域116は、もとのウエーハのn-ドーピングを有する。領域114内のドープ剤は電気的に完全に活性ではないことから、p型領域114とn-領域116の間の界面120の位置を決定するのはむずかしい。界面120は前面122から600nm未満のところにある。
第2のイオン注入段階の後、多孔質シリコン領域22は、光に補助された陽極処理プロセスによって生成される。多孔質シリコンの製造における陽極処理というのは、シリコンの選択的電解溶解について一般に受入れられた用語である。図4を参照すると、多孔質シリコン領域22の製造のための陽極処理装置200が概略的な形で示されている。この装置200の中で、シリコンウエーハ110は陽極処理用セル212内に保持されている。陽極処理用セル212はPTFEでできている。シリコンウエーハ110はこのセルを2つの電解質浴214及び216に分割する。電解質浴214及び216は各々、40重量%HFの水溶液を含む電解質218を内含している。各浴中の電解質218は、電解質の循環が行われるように各々の閉ループ(図示せず)を周回して圧送される。
陽極処理プロセスは、光に補助されるものである。ウエーハ110の第1の面220を照明するため、陽極処理用セル212はポリカーボネートウィンドウ222を有し、800Wのタングステン−ハロゲンランプ224が面220から24cmのところ、ポリカーボネートウィンドウ222から14cmのところに位置づけされている。水冷式赤外線吸収フィルター226が、ランプ224とウィンドウ222の間に置かれている。第1面220は、p型ドープ剤の注入を受けたシリコンウエーハの前面に対応する。ウィンドウ222における光の強度の測定は、818−ST検出器と共にNewport 840−C型計を含む較正済みのシリコンフォトダイオード検出器システムを用いて行なわれた。計器は、900nmの波長補償に検出器制御ユニットを設定した状態で、130mWcm-2の読取り値を示した。
各々の浴214及び216には、それぞれプラチナ電極230及び232が収容されている。電極232は、その中を通って光が透過できるようにするため金網の形をしている。作動中、電極232は負にバイアスされて陰極を形成し、電極230は正にバイアスされて陽極を形成する。定電流源が、陽極と陰極の間に接続されている。作動中、シリコンウエーハ面220で3mAcm-2の陽極処理電流密度をもつ陽極処理電流が電極の間に通される。電解質は16℃と17℃の間の温度に維持される。シリコンウエーハは4分間陽極処理される。陽極処理プロセスにおいては、p型領域114を通ってn型領域116内へと延びる多孔質シリコン領域が作り出される。
陽極処理されたシリコンウエーハは、陽極処理が完了し陽極処理電流がオフに切換わった後になおも照明を受けながら、さらに1分間、電解質218を含むHFの中に放置される。ウエーハを電解質からとり出し、湿潤なウエーハを次に、30秒間2500rpmの速度で空気中を回転させることによって乾燥させる。回転プロセスは6回くり返される。これらの製造条件下で、走査型電子顕微鏡を用いて巨孔質(直径50nm以上の孔)シリコンの兆候は全く見られなかった。
乾燥後の多孔質シリコン領域の厚みは、SEMでシリコンウエーハの断面を見ることと同時に、NaOH溶液を用いてシリコンウエーハから多孔質シリコン領域の一部分を化学的に剥離させ走査式プローブ高測定計器を用いて剥離領域と未剥離領域の間に結果として得られる断の高さを測定することによっても測定された。多孔質シリコン領域22の厚みはウエーハを横断して0.4μm±0.1μmであるものと測定された。重量技法を用いて、多孔質シリコン領域の平均多孔率は70%±5%であるものとして測定された。
多孔質シリコン領域22を作り上げた後、シリコンウエーハの中心から、20mm×15mmのサイズをもつウエーハ片が分割される。次に上部及び下部電極24及び26がウエーハ片上に被着される。上部電極24は、CERAC Limitedから入手可能な90%のIn23及び10%のSnO2のホットプレスか焼混合物を含む2インチのスパッタ標的を用いたrfマグネトロンスパッタリングにより、多孔質シリコン領域22上に被着される。スパッタリングは、シリコンウエーハが標的から6cmのところにある状態で、8×10-3mbarの圧力の0.09%酸素含有アルゴンの流動スパッタリングガスの中で、13.56MHzのrf周波数及び50ワットのスパッタリング出力を用いて、室温で行なわれた。酸化錫インジウム(ITO)のフィルムかシャドウマスクを通して被着されて、直系1〜2mm,厚み0.1μmのドットを15分の被着時間全体にわたって形成し、この時間中にウエーハ片は約60℃の温度まで暖まる。標的ウエーハ離隔距離が1〜15cmの範囲内にある状態で、2×10-3〜1.6×10-2mbarの圧力範囲内で、0.01%〜0.3%の範囲内の酸素含有率をもち残りはアルゴンであるようなスパッタリングガスの中で、必要とされる特徴をもつITOを被着する可能性もありうる。
被着されたITOフィルムは400〜900nmの範囲内の波長の光について85%の標準的光学透過係数をもち、透過率はその厚みに左右される。ITOフィルムは、ホール測定値を用いてその特性を決定するために測定され、16mΩcmの電気抵抗率でn型であることがわかった。ITO接点を通してのFTIR吸収測定値は、陽極処理された状態の材料の中に存在するシリコン−水素結合がITO被着の後なおも存在することを示している。さらに、ITO被着中の構造の著しい酸化の証拠は全く存在しない。ITO層は、その厚みに応じて透過性でありうる。厚み0.1μmのITO層を伴う標本のケモグラフィ測定は、厚み0.2μmの層を伴う標本がはるかに低い透過率を示したのに対し、ITOが透過性であることを表わしていた。この技術については、Advanced Materials,第6巻,1994年11月11日、p865〜868の中で、L. T. Canham et al.によって記述されている。ケモグラフィ測定では、露光されていない写真フィルム片が、一定時間暗所にて標本と接触状態に置かれ、その後現象される。多孔質シリコンが写真フィルムと接触状態におかれた時点で、多孔質シリコンと空気中の水分の間の反応によって生成されたシランは写真フィルム上の感光性化学物質と反応し、かくして現像後、暗い「画像」が形成されることになる。ITOでカバーされた標本での画像の生成は、ITOが透過性であり、少なくともシランが、恐らくは反対方向の水蒸気と共に、ITOの中を通過している、ということを表わしている。
下部電極26は、熱蒸着プロセスを用いてウエーハ片の底面上に被着される。アルミニウムは、約10-6mbarの真空内で0.5μmの厚みまで蒸着させられる、従来の集積回路製造においては、蒸着されたオーム接点が、425〜450℃で窒素と水素の混合物である成形ガス中でアニールされることになる。このアニーリング手順は、デバイス10に対するオーム接点の生成においては行なわれない。下部電極の被着は、多孔質シリコンの電界発光デバイスの製造において重要な段階ではない。デバイスは、強くドープされた領域28に対する直接的電気接点によって、ルミネセンスを示すように作ることができる。
デバイス10からのルミネセンスを得るためには、電気接点が、上部及び下部電極24及び26に対して作られる。図5を参照すると、上部及び下部電極24及び26に対する電気接点が作られたデバイス10が示されている。下部電極26に対する電気接点は、ワイヤ302がとりつけられた金属製クロコダイルクリップ300によって作られる。多孔質シリコンを保護しクリップ300と多孔質シリコン領域22の間に電気的絶縁を提供するため、クリップ300と多孔質シリコン領域22の間には、雲母片310が置かれる。上部電極24に対する電気接点は、直径30mmのバネ式金線プローブ312によって作られる。ワイヤ302及びプローブ312は、コンピュータ制御の電源(図示せず)に接続されている。
図6aを参照すると、デバイスを通る電流及び印加された電圧を通る電流の関数としてデバイス10から出力された光を測定するための装置400が示されている。光出力の測定は一般に室温で行なわれるが、測定は高温及び低温で行なうこともできる。デバイス10は、ガラスウインドウ412を有する真空チャンバ410の内側に置かれている。プローブ312及びワイヤ302に対する電気接点は、フィードスルー414を通して作られる。チャンバ410は、較正済みのキャパシタンスマノメータで測定された0.05mbarのおおよその圧力まで回転ポンプ(図示せず)に連結されたポート416を通して排出される。CCDカメラ424及び光電子増倍管426が接続されている顕微鏡422を含む結像システム420が、デバイス10からの光の発生を観察するのに用いられる。光電子増倍管426は光学マルチチャンネル分析器(図示せず)で置き換えることもできる。顕微鏡422中のビームスプリッタ428が、カメラ424と光電子増倍管426の間で、受けとった光を分割する。レーザー430からの波長442nmの青い光のビームを、フォトルミネセンスの測定のためデバイス10上に導くことができる。フォトルミネセンス測定中、レーザー430からの青い光をろ遮るため、カットオフフィルター432が顕微鏡422内に挿入される。
デバイス10の出力効率を測定する目的で、結像システム420は、図6bで示されているように検出システム440で置換される。検出システム440は、デバイス10から光を受けとりそれを分光計452へと導く。光ファイバ450の入力面454がデバイス10から距離xのところに、デバイスの中心に対して垂直に入射する状態で位置づけられている。
光ファイバ450及び分光計452の組合せは、図6cに示された配置を用いて波長の関数としての感度について較正された。入力面454は、較正されたタングステン光源456から約3メートルの距離dのところに位置づけされ、スペクトル458が記録される。分光計452には、各々別々のチャンネルがλn−Δλ/2からλn+Δλ/2の一定の与えられた波長範囲に対応しているマルチチャンネルタイプのダイオードアレイ検出器が含まれている。例えば、チャンネル460は、620〜620.6nmの範囲に対応する。チャンネルnの中心波長λnは、レーザーラインといったような一連の既知のスペクトル特長のピークのチャンネル数を測定することによって決定される。記録されたスペクトル458は、波長IN(n,λn)の関数としての強度の尺度であり、ここでIN(n,λn)は、λn−Δλ/2からλn+Δλ/2までの波長範囲を網羅するチャンネルn内の1秒あたりのカウント数を表わしている。上付文字Nは、測定された信号が1秒あたりのカウント数単位であることを表わしている。
光源456からの光出力は、光源から0.5mの距離についてのワットm-2nm-1単位の波長L(λ)の関数としての出力の尺度を得るように予め較正された。距離dでの出力、Ld(λ)は、L(λ)を(0.5/d)2で乗じることによって得られ、ここでdはメートル単位である。
チャンネルnにおける測定された信号は、ワットm-2単位をもつLd(λ)・Δλの入力面454での出力密度に対応する。チャンネルnの出力感度SP(n,λn)は次の式から求められる。
P(n,λn)=(Ld(λn)・Δλ)/(IN(n,λn
なお式中、Δλは、nm単位の検出器の各チャンネルのスペクトル幅である。SP(n,λn)は、ワットm-2/(秒あたりのカウント数)の単位で表わされている。
光子束密度で表わされた検出システム440のチャンネルnの感度は、以下の式から求められる。
Q(n,λn)=(Ld(n,λn)・Δλ)/EP lambda n)/IN(n,λn
なお式中、EP lambda nは波長λnの光子のエネルギーであり、以下の式から得られる。
P lambda n=h・c/λn
なおここでhはプランク定数であり、cは光の速度である。SQ(n,λn)の単位は、光子sec-1-2/(秒あたりカウント数)である。
距離xでのデバイス10により出力された光の測定から、強度スペクトル、In D(n,1n)が秒あたりのカウント数単位で得られる。1秒/m2につき位置xで出力された光子の数Qxは、次の式によって求められる。
x=ΣnN D(n,λn)・SQ(n,λn
なお式中、加算は、検出器のチャンネルの数nにわたる。
角度の関数としてのデバイス10の出力の依存性は、最高±45°の角度まで測定された。この角度範囲の中では、出力の強度がランベルト様である、すなわちθをデバイス垂線に対する角度としてCos(θ)に比例することが発見された。角度45°<θ<90°についても出力がランベルト様であることが仮定される。ランベルトの光源から1秒につき出力される光子の合計数Qtotは、以下の式から得られる:
tot=Qx・π・x2
射出された電子1個あたりのデバイスから発出された光子の百分率を表わすパーセント単位の出力外部量子効率EQEは、以下の式から得られる。
EQE=(100・Qtot)・Q/I,
なお式中、qは電子1個あたりの電荷であり、デバイスを通る電流Iはアンペア単位である。
ここで図7を参照すると、両者共計器応答について補正された電界ルミネセンス測定とフォトルミネセンス測定の結果が示されている。グラフ500は、波長に対する任意の単位で、出力光強度を示している。レーザー430からの青色光でデバイス10を照明することによって得られたフォトルミネセンス測定の結果は、ライン510によって示されている。出力強度512内のフォトルミネセンスピークは、約610nmの波長で観測された。標準的には、フォトルミネセンス出力強度のピークは、600〜750nmの範囲内にあるものと測定されている。紫外線光の下で目視した場合、多孔質シリコン領域は、オレンジ色のフォトルミネセンスを示す。
デバイス10を通して直流電流を通過させることによって得られる電界ルミネセンス測定の結果は、ライン520によって示されている。出力強度522内の電界ルミネセンスピークが590nmの波長で観測された。かくしてフォトルミネセンスピーク512は、電界ルミネセンスピーク522よりも長い波長で起こる。標準的には、電界ルミネセンス出力強度ピークは、60nm〜150nmの範囲内の全幅半最大スペクトル幅で、520〜750nmの範囲内にあるものとして測定される。
デバイス10の電気測定は、それが整流を行っていること、そしてそれが上部電極24に対する正の電圧の適用によって順方向バイアス可能であることを示した。この極性依存性は、その中にp−n接合をもつデバイスから得られるものと同じであり、そのためp−n接合のp領域は、ウエーハの多孔質シリコン側にくることになる。図8を参照すると、印加電圧の関数としてのデバイスを通る電流を示す。デバイス10の電気的測定値の対数−線形プロット550が示されている。図8では、デバイス10の電流−電圧特性が、ボルト単位の印加電圧に対するAcm-2単位の電流密度としてプロットされている。正の印加電圧は、上部電極24に対する正のバイアスに対応する。図9は、デバイスが正にバイアスされた時のデバイス10の電流−電圧特性をより詳細に示している。図8及び9は、デバイス10が、p−n接合と同じ極性依存性で整流していることを、集合的に実証している。
p−n接合ダイオードは、理想度係数nによって特徴づけることができる。
n≡(q/kT)・(∂V/∂(In J))
なおここで、Jは電流密度であり、Vはダイオードを横断しての電位差である。理想的なケースでは、p−n接合ダイオードが、1という理想度係数をもつ印加されたバイアスが0.5Vという値のデバイス10については、デバイスのダイオード理想度係数は2である。2V以上の順方向バイアスについては、10以上の電圧依存型理想度係数が測定された。
デバイス10からの電界ルミネセンスが、図9より約2.6ボルトの印加電圧に対応している0.01Am-2の印加電流密度で測定装置400を用いて検出された。それ以上になるとデバイス10がルミネセンスを示すしきい電流密度は、最小の測定電流が測定装置400の光学的検出限界により制限される可能性があることから、この数字よりも小さい可能性がある。デバイス10からの電界ルミネセンスは、裸眼で0.1Am-2の印加電流密度しきい値より上の印加電流密度においてみることができる。より感度の高い検出装置の場合、0.0001Am-2の印加電流密度でのルミネセンスが、1.7Vという対応するしきい電圧で検出された。
図10を参照すると、0.01cm2の面積をもつデバイス10に類似したデバイスについてAcm-2単位の印加電流密度の関数としてのマイクロワット単位の光出力電力のプロット600が示されている。ライン610及び612は、一定の外部量子効率のラインである。ライン610及び612に平行なあらゆるラインが、同様に定効率のラインである。ライン610は、0.01%の外部量子効率に対応し、ライン612は、0.1%の外部量子効率に対応する。
図11は、デバイス10に類似したデバイスについての外部量子効率のプロット660を示す。プロット660は、デバイスが0.01Am-2の印加電流密度より上で0.01%以上の出力量子効率を有していたことを示している。測定されたデバイスは、0.2Am-2と7.0Am-2の間の範囲内の印加電流密度において0.1%以上の外部量子効率を有していた。デバイスは、1.0Am-2の印加電流密度で0.18%の最大室温外部量子効率を有している。
上述の効率結果は、圧力が0.05mbarの真空内で作動するデバイスについて得られたものである。ここで図12を参照すると、時間の関数として2つの異なる真空圧下でのデバイスの出力効率の測定値が示されている。ライン700は、0.05mbarの圧力下で行なわれた測定のプロットである。0.05mbarで、出力効率は、5時間にわたり4分の1まで降下する。ライン710は、7.3mbarの圧力で行なわれた測定のプロットである。7.3mbarでは、効率が、数分で100分の7まで降下する。出力効率の観察された劣化には、定電流を維持するのに必要とされる電圧の増加が伴っている。湿潤空気中での作動に比べ、デバイスを乾燥した窒素内で動作させた場合は、劣化が低減される。デバイスに対するITO接点は透過性であることから、デバイスの活性領域は周りの環境と相互作用する可能性がある。従って、デバイス10の量子効率が水や酸素に対する露呈によって劣化されるという結論が下される。デバイス10と真空チャンバ410の組合せは、密封された電界発光デバイスを形成する。
ITOが金の上部電極に置換された電界発光デバイスについては、金を半透明になるほどに薄いものにしなくてはならない。しかしながら、ケモグラフィ測定によると、デバイスの劣化を導く湿気の進入を止めるには金に1000Å以上の厚みが必要とされる。金のこの厚みは、上部接点を通しての効率の良いルミネセンスを得るためには大きすぎるものである。
0.1μm以上の厚みのITO上部電極をもつ電界発光デバイスは、空気中の動作と真空中の動作の間でわずかしか差異のないルミネセンス特性を示す。図13は、上部ITO電極の厚みが0.2μmであり、それに対応して上部電極24よりも透過性が低いという点を除いて、デバイス10と類似したデバイスについての経時的な効率変化を示す。ライン720は、真空中で作動するデバイスについての経時的効率変化を示し、ライン725は、空気中で作動するデバイスについての変化を示す。図13は、図12と対照させて、空気中で作動するより厚みのあるITO上部電極を伴うデバイスの劣化が、真空中で作動する類似のデバイスのものと著しく異なっているものではない、ということを示している。図13に示された結果を得るべくデバイスに印加された電流密度が、図12に示された結果を得るためのものに比べてはるかに高いものであり、従って劣化がはるかに急速であったという点に留意すべきである。
温度の関数としての電界発光デバイスの外部量子効率の測定は、200K(−73℃)の温度での0.4%の最大外部量子効率を示した。
図14を参照すると、直流バイアス電圧がそれを横断して10kHzの方形波により変調されたデバイス10と類似したデバイスについての、時間の関数としての出力電力グラフ750が示されている。図14は、印加電圧の変調に応えてのデバイスの光出力の変調を示す。図15は、最高1MHzの変調周波数で変調された出力測定の結果のプロットである。図15は、最高1MHzの周波数で変調された出力を検出できることを示している。
デバイス10の中にホウ素ドープ剤が分布している状態を見極めるため、多孔質シリコン領域22を通してのホウ素分布を測定するのにSIMSが使用された。図16は、第1及び第2のイオン注入の後そして陽極処理及び乾燥段階の後で上部及び下部電極の被着の前の、シリンコンウエーハについての深さに対するホウ素濃度のプロット800を示す。このプロット800は、多孔質シリコンの表面の近くの濃度ピーク810及びホウ素濃度が実際に一定であるプラトー領域812を示している。多孔質シリコン及びバルクシリコンの間の界面のおおよその位置は、鎖線814によって表わされている。図16は同様に、フッ素濃度のプロット820及び測定されたシリコン2次イオン計数値を示すプロット822をも示す。
図16に対する比較として、図17は、二次イオン注入と陽極処理の間でアニールされた陽極処理5分後のシリコンウエーハについての深さの関数としてのホウ素濃度のプロット850を示す。このアニールには、60分間525℃で窒素内でウエーハを加熱し次に60分間950℃で酸素内でウエーハを加熱しそれに続いて酸化物層を全て除去するように緩衝HF内に浸漬する段階が含まれていた。プロット850は、プロット800に類似した濃度ピーク860を示すが、プラトー領域812と同等のプラトー領域は全く無い。プロット850は、アニール後で陽極処理前にウエーハ上で行なわれたSIMS測定により示されたものと類似したホウ素濃度プロフィールを示す。図15は同様に、シリコン2次イオン計数値のプロット862も示している。2次イオン注入の後にアニールされた標本は電界ルミネセンスを示さなかったものの、この電界ルミネセンスの効率はアニールされていない標本についてものよりも低いものであった。
図16及び17の比較から、プラトー領域812の消滅を考慮してホウ素注入後で陽極処理に先立ってウエーハがアニールされない場合に陽極処理プロセス中に、ホウ素ドープ剤の輸送からさらに有意なものとなるという結論が導かれる。ホウ素は、液体陽極処理電解質を介して、又はシリコン自体の中を輸送され得る。
ホウ素の輸送が陽極処理プロセス中に起こった場合、多孔質シリコン内のp−n接合の生成についての次のようなメカニズムが考量される。p型領域114内に孔がひとたび作り出されると、多孔性は領域116の中へと拡大する。形成された状態で、領域116内の多孔質シリコンは本来n型である。陽極処理プロセス及び多孔質シリコン領域の深さが増大するにつれて、n型多孔質シリコンはp型領域114から輸送されたホウ素によってドープされ、かくしてこれはp型多孔質シリコンとなる。その結果、バルクシリコンと多孔質シリコンの間の前進する界面の近くで、新しく形成されたn型多孔質シリコン領域があると考えられ、さらにウエーハの表面に向かって、多孔質シリコンは、輸送されたホウ素によりp型にドープされる。こうして多孔質シリコン領域内にはp−n接合が生成される。陽極処理プロセスが終結した時点で、n型多孔質シリコンの領域はバルクシリコン−多孔質シリコンの界面の近くにとどまり、従って、陽極処理プロセスが終わった後、多孔質シリコン領域内のp−n接合が残ることになる。発光性多孔質シリコンは、陽極処理前面が領域116内に延びた時点で初めて作り出される。かくして、p−n接合が、発光性多孔質シリコンの領域内で作り出されると考えられている。
多孔質シリコン領域内のp−n接合のための形成メカニズムを調査するため、陽極処理時間を変更した効果を研究する実験が実施された。異なる時間tの間標本を陽極処理し、陽極処理の後、多孔質シリコン領域がひとたび形成されたならばウエーハが5分間陽極処理された場合と同じ浸出効果をそれが確実に受けるようにするため陽極処理後5−t分の間照明をつけたままで陽極処理用電解質の中に標本を放置した。デバイス10の製造においては、好ましい陽極処理時間は4分でその後1分の浸出が続いた。製造後、陽極処理されたシリコンから製造されたデバイス上で、フォトルミネセンス及び電界ルミネセンスの測定が行なわれた。これらの測定は表1中にまとめられている。
表1に提供されている情報から、以下の結論に到達することができる。表1は、陽極処理されたウエーハから製造されたデバイスが、2分以上の間の陽極処理の後に強く整流している状態となるということを示している。これは、整流挙動を担うデバイス10の特長、p−n接合、が、2分の陽極処理後に形成された多孔質シリコンの深さ、すなわち約0.15μmに対応するもの以上の深さにあることを示唆している。同様に、2分及び3分の陽極処理の間の検出可能な電界ルミネセンスに必要とされる電力の値にも著しい変化が存在する。
Figure 0003828933
デバイス10のためのものとは異なるホウ素イオン注入を受けたシリコンウエーハから電界発光デバイスが製造された。デバイス10のためのウエーハは1×1016cm-3のホウ素ドーズを受けた。3×1016cm-3のドーズを受けたウエーハから作られたデバイスは、0.026%というおおよその最大外部量子効率を有していた。3×1015cm-3のドーズを受けたウエーハから作られたデバイスは、0.062%というおおよその最大外部量子効率をもっていた。かくして、デバイス10を製造するためのドーズよりも大きい又は小さいホウ素ドーズを受けたウエーハから作られたデバイスは、著しく低い効率を有していた。しかしながら、個別に変更可能な多数の処理条件が存在することから、ホウ素ドーズの変化と組合わせてその他の処理条件を変更すると、結果として、さらに高い効率のデバイスをもたらす可能性がある。
ホウ素のイオン注入が、同じ合計ドーズで標準的な250μAではなく25μAのビーム電流で行なわれる場合、デバイスからの電界ルミネセンス及びフォトルミネセンスは両方共、目には、通常の赤だいだい色ではなく深紅の色に映る。同様に、当初、目に赤だいだい色に映った電界ルミネセンスを表示した好ましい手順に従って製造されたデバイスは、一週間空中に保存された後黄緑色の外観を呈する電界ルミネセンスを表示した。これらの観察事実は、カラー表示装置に適した電界発光デバイスを製造するために製造プロセスを調整することができるということを表わしている。デバイス10は、シリコンウエーハから製造されることから、オプトエレクトロニクス集積回路を形成するべく単一のシリコン片上にトランジスタといったようなその他の非発光性シリコンデバイスと共にデバイス10を集積させることが、比較的簡単明瞭な手順であろう。シリコンはアクセプタ不純物イオン注入の後アニールされないことから、例えば低温プラズマエンハンスト化学蒸着プロセスによって被着された窒化シリコンによって、非発光性デバイスを含むシステムウエーハの領域がマスク除去されている状態で、電界発光デバイス10の製造に先立ちこれらのその他のシリコンデバイスを製造することが実現可能であるだろう。
上部電極のためには、ITO以外の材料が使用された。金、インジウム及びアルミニウムが使用され、これらの材料の上部電極を内蔵するデバイスはまさに電界ルミネセンスを示す一方で、効率は減少する。下部電極26は、デバイス10の作動にとって非常に重要なものではない。下部電極が不在である電界発光デバイスは、デバイス10と比べデバイスの直流電気特性の差がほとんどない状態で作動してきているが、ただし高周波数挙動が著しく異なる確率は高い。
電界発光デバイスは、多孔質シリコン領域を形成するべくnシリコンのウエーハを陽極処理し次にホウ酸溶液中に多孔質シリコンを浸漬させることによっても製造されてきた。SIMS測定は、ホウ素が高い濃度で多孔質シリコン内に導入されたことを確認したが、この方法によって作られたデバイスからの電界ルミネセンス効率は低く、外部量子効率は約0.002%であった。
シート抵抗率の測定から、注入されたホウ素の1%未満が、イオン注入後領域114内で電気的に活性であると推定されている。デバイス10の電気的測定値は、p−n接合ダイオード挙動を示す。従って、ホウ素ドープ剤が陽極処理プロセスの後電気的に活性であるという結論を下すことができる。ホウ素イオン注入の後、いかなるアニーリングも実施されないことから、陽極処理プロセスの後のホウ素ドープ剤の電気的活性が、輸送されたホウ素による多孔質シリコン内の量子ワイヤの表面ドーピングに起因する可能性がある。表面ドーピングという語は、量子ワイヤの表面上へのドープ剤種の被着のことを指す。量子ワイヤは幅30Å未満であることから、これらのドープ剤種は表面上にとどまり、シリコンのバンド構造を変えることもできるし、又は量子ワイヤ内に短かい距離だけ拡散することもできる。
表面ドーピングの筋書は、ホウ酸中へのn−多孔質シリコンの浸漬が関与する実験によって裏づけされる。図18を参照すると、デバイス10の考えられる顕微鏡構造が概略的な形で示されている。図18は単なる概略的にすぎず、一定の比例で拡大されたものでないということを強調しておきたい。図18は、片端でシリコン基板910に接合し、反対側の端部でITO920の層が上に載っている4つの量子ワイヤ900を示している。各々の量子ワイヤ900は、図3の第2の領域114の残りである上部領域930を有する。陽極処理プロセス中、多孔質シリコンとバルクシリコンの間の前進する界面と共にホウ素ドープ剤が輸送されるものと考えられている。このホウ素ドープ剤の一部は、層940として量子ワイヤの表面上に被着される。層940にきわめて近いところにある各々のシリコン量子ワイヤ900の領域950は、領域930と共に、層940の表面ドーピング効果の結果としてp型電気特性をもつ。ホウ素ドープ剤の表面層をもたない各々の量子ワイヤ900の領域960は、n型にとどまる。量子ワイヤのn型領域と量子ワイヤのp型領域の間の界面が破線970で表わされている。
イオンミリングの後の多孔質シリコン領域22の透過型電子顕微鏡検査は、多孔質シリコンが、幅3nm未満の量子ワイヤ及び約7Åの直径をもつ驚くほど小さな孔を含んでいることを識別した。15Å〜30Åの範囲内の孔幅が以前に観察されていた。デバイスの性能において、極めて細かい多孔率が重要な役割を果たし得ることが考えられる。Canham及びGroszekがJournal of Applied Physics第72巻、第4号、1992年 pp1558〜1565の中で論述しているように、多孔質シリコンは幅20Å未満のサイズの孔を有する。微孔性シリコンは、約10〜20Åの幅の孔径をもつ超微孔性シリコンと約10Åの幅の孔径をもつ極微孔性シリコンに細分された。エッチングされたばかりのデバイス構造の中の孔は、恐らくは超微孔性であり、スケルトン酸化の時点で極微孔性となる。
20Å未満の孔径をもつ多孔性シリコン構造を乾燥させるのはむずかしいことが知られている。SIMS測定は、多孔質シリコン内で高レベルのフッ素を表示している。従って、孔の中にトラップされたHFがデバイスの作動に先立ち多孔質シリコンの内部表面を酸化から保護できるということが可能である。
SIMSのデータは、多孔質シリコン領域22の表面領域が、ホウ素に加えて著しいレベルの酸素、炭素及びフッ素を有することを表わしている。従って、表面領域が、強い発光性をもたないものの、その下の活発な発光性領域に匹敵するか又はより広いバンドギャップを有する可能性がある。従って、これはデバイス10にとって効率の良い正孔注入層として作用する。正孔注入効率は、S.M.Szeにより「Physics of Semiconductor Devices(半導体デバイスの物理)」、Willey and Sons, New York, 1981,p268の中で記述しているように、関連する接合を横切って通過する合計電流に対する少数担体電流の比として定義づけられる少数担体注入比gによって数量化されうる。効率の良い正孔注入層は、5ボルト以下のバイアス電圧にて10−3以上の少数担体注入比gを有する可能性がある。0.1%の外部量子効率が約1%の内部量子効率に対応すると考えられており、これは少なくとも10−2のgの値を意味している。
ここで図19を参照すると、デバイスシミュレーションプログラムを用いて得られたバイアスされていない状態にあるデバイス10の仮言的バンド構造1000が示されている。デバイスシミュレーションにおいては、以下のパラメータが用いられた。
(a)− フォトルミネセンススペクトルのピークから誘導された2eVの多孔質シリコンバンドギャップ;
(b)− T. Van Buuren et al., Applied Physics Letters,第63巻、p2911,1993からの、3.86eVの電子親和力。
(c)− 上述のとおりのT. Van Buuren et al.及びC. Delerue et al.のThis Solid Films,第255巻 p27,1995からの、それぞれ0.35及び0.65eVのドナー及びアクセプタ結合エネルギー;
(d)− D.A.G.Bruggeman, Ann. Phys.第24巻、p636,1995からの、75%のボイド及び25%のシリコンについての3.8の誘導率
(e)− SIMS測定値から演繹され、ホウ素ドープ剤の大部分が電気的に活性でないことを許容するため0.01%が乗ぜられた活性ホウ素濃度プロフィール。
ライン1002は、伝導帯を表わし、ライン1004は価電子帯を、又ライン1006はフェルミ準位を表わす。n型バルクシリコンは、バンド構造1000の領域1010によって表わされているように、1.15eVのバンドギャップをもつ。n型多孔質シリコンバンド構造は、領域1012により、又p型多孔質シリコン領域バンド構造は領域1014により表わされている。ITOは、領域1016によって示されている通り、3.7eVのバンドギャップをもつn型である。シミュレーションは、ITO/多孔質シリコン界面から400nmの深さのところに多孔質シリコン内のp−n接合を予測している。
図20は、バルクn型シリコンとの関係におけるITOに対する正のバイアスの印加後の仮想的バンド構造を示す。印加された電位の大部分がp型多孔質シリコンを横断して降下している。かくしてITOの伝導帯は、p型多孔質シリコン内の価電子帯との関係において下へ移動する。p型多孔質シリコンの価電子帯内の電子1020は、このとき、p型多孔質シリコンの価電子帯の中への正孔注入1022と等価であるITOの伝導帯の中で未占有状態へとトンネリングできる。n型バルクシリコンの伝導帯からの電子1026は、n型バルクシリコンとn型多孔質シリコンの間のバリア1028を横断してn型多孔質シリコンの伝導帯内へと輸送される。p型多孔質シリコン内の正孔及びn型多孔質シリコン内の電子はp型及びn型多孔質シリコンの間の界面領域に向かって郵送される。この領域内では、電子及び正孔は再結合可能である。この再結合は、放射再結合であっても、非放射再結合であってもよい。放射再結合によって生成さた光子の推定上90%は、デバイス10内に吸収される。残りは、発出された可視的電気ルミネセンスを結果としてもたらす。

Claims (16)

  1. 多孔質シリコン領域がp−n接合を中に含んでいることを特徴とする、前記多孔質シリコン領域及びこの領域に対する電気的接続部分を含む電界発光デバイス。
  2. 電界ルミネセンスを生成するべくバイアス可能であり、多孔質シリコン領域(22)及びこの領域に対する電気接続部分(24,26,28,20)を含む請求項1記載の電界発光デバイス(10)であって、このデバイス(10)の中を1.0Am-2未満の電流密度をもつ電流が流れるようにデバイスがバイアスされた時点で電界ルミネセンスを前記多孔質シリコン領域から検出することができることを特徴とする電界発光デバイス(10)。
  3. デバイスの中を0.1Am-2未満の電流密度をもつ電流が流れるようにデバイスがバイアスされた時点で電界ルミネセンスを検出することができることを特徴とする請求項記載の電界発光デバイス。
  4. デバイスの中を0.01Am-2未満の電流密度をもつ電流が流れるようにデバイスがバイアスされた時点で電界ルミネセンスを検出することができることを特徴とする請求項記載の電界発光デバイス。
  5. デバイスの中を0.0001Am-2未満の電流密度をもつ電流が流れるようにデバイスがバイアスされた時点で電界ルミネセンスを検出することができることを特徴とする請求項記載の電界発光デバイス。
  6. 0.1%以上の外部量子効率で電界ルミネセンスを生成するようにバイアス可能であることを特徴とする請求項1記載の電界発光デバイス。
  7. 少なくとも0.4%の外部量子効率で電界ルミネセンスを生成するようにバイアス可能であることを特徴とする請求項1記載の電界発光デバイス。
  8. 電界発光多孔質シリコン領域(22)及びこれに対する電気的接続部分(24,26,28,20)を含む請求項1記載の固体の電界発光デバイス(10)であって、0.01%以上の外部量子効率で電界ルミネセンスを前記多孔質シリコン領域から生成するようにバイアス可能であることを特徴とする電界発光デバイス(10)。
  9. 0.1%以上の外部量子効率で電界ルミネセンスを生成するようにバイアス可能であることを特徴とする請求項記載の電界発光デバイス。
  10. 0.01%〜0.18%の範囲内の外部量子効率で電界ルミネセンスを生成するようにバイアス可能であることを特徴とする請求項記載の電界発光デバイス。
  11. 少なくとも0.4%の外部量子効率で電界ルミネセンスを生成するようにバイアス可能であることを特徴とする請求項記載の電界発光デバイス。
  12. 前記多孔質シリコン領域がp−n接合(970)を間に備えた状態でp型多孔質シリコン領域(930,950)及びn型多孔質シリコン領域(960)を内蔵していることを特徴とする請求項記載の電界発光デバイス。
  13. i) n型バルクシリコン領域(910)、
    ii) n型バルクシリコン領域に隣接するn型多孔質シリコン領域(960)、
    iii) n型多孔質シリコン領域に隣接するp型多孔質シリコン領域(930,950)、及び
    iv) バルクシリコン領域及びp型多孔質シリコン領域に対する電気的接点(920,26,28)を含んで成ることを特徴とする請求項12に記載の電界発光デバイス。
  14. 前記デバイスが変調された光出力を生成するべく動作可能であり、光出力が1MHzの周波数で変調可能であることを特徴とする請求項1又は記載の電界発光デバイス。
  15. 前記デバイスが、密封されていることを特徴とする請求項1又は記載の電界発光デバイス。
  16. a) 表面領域がドナー不純物の体積濃度よりも大きいアクセプタ不純物の体積濃度を有することになるようなアクセプタ不純物を、ウエーハをn型にするべくドナー不純物でドープされたシリコンウェーハの表面領域に注入する段階、
    b) 表面領域の中を通って延びる発光多孔質シリコン領域を生成するべく、照射下でウエーハを陽極処理する段階;及び
    c) 多孔質シリコン領域上に電極を被着する段階、
    を含む電界発光デバイスの製造方法において、シリコンウェーハが段階(a)および(b)の間でアニーリング処理を受けないことを特徴とする製造方法。
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