JP3828847B2 - 半導体記憶装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は半導体記憶装置に係り、特に、複数のセンス増幅器からの出力信号を切り換えて記憶データを読み出す半導体記憶装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
SRAMなどの半導体記憶装置の記憶容量を増やす比較的単純な方法として、ビット線に接続されるメモリセルの数を増やす方法がある。しかしながら、メモリセルの数が増えるとメモリセルの容量成分がその数に比例して大きくなり、また、ビット線の長さが長くなってその容量成分も大きくなるので、ビット線を駆動するメモリセルの負荷が重くなる問題がある。メモリセルに用いられるトランジスタの駆動能力には製造プロセスの種類などに応じた限界があるので、こうした方法で増やせる記憶容量には限界がある。
【0003】
このため、記憶容量を増やす別の方法として、ビット線の数を増やす方法が一般に用いられている。
図7は、ビット線の数を8倍に増やした半導体記憶装置の構成例を示すブロック図である。
図7に示す半導体記憶装置は、メモリセル・アレイ1と、ビット線選択回路2と、センス増幅器3とを有している。
【0004】
メモリセル・アレイ1は、行列状に配列された複数のメモリセルを有しており、各列のメモリセルがビット線対(BL0,BL0Z)〜(BL7,BL7Z)に接続される。特に図示していないが、各行のメモリセルはそれぞれ共通のワード線に接続されており、活性化されたワード線に接続されるメモリセルがビット線対(BL0,BL0Z)〜(BL7,BL7Z)を介してアクセスされる。
【0005】
ビット線選択回路2は、ビット線選択信号SEL0Z〜SEL7Zに応じて、ビット線対(BL0,BL0Z)〜(BL7,BL7Z)の何れかを選択し、選択したビット線対の信号をセンス増幅器3に出力する。
【0006】
図7の例において、ビット線選択回路2は、p型MOSトランジスタ2−0〜2−7およびp型MOSトランジスタ2−0Z〜2−7Zを有する。
ビット線対の一方のビット線BL0〜BL7は出力線Nに共通接続され、ビット線対の他方のビット線BL0Z〜BL7Zは出力線NZに共通接続される。また、ビット線BL0〜BL7と出力線Nとの接続線上にはp型MOSトランジスタ2−0〜2−7が挿入され、ビット線BL0Z〜BL7Zと出力線NZとの接続線上にはp型MOSトランジスタ2−0Z〜2−7Zが挿入される。p型MOSトランジスタ2−0〜2−7のゲートにはビット線選択信号SEL0Z〜SEL7Zが入力され、p型MOSトランジスタ2−0Z〜2−7Zのゲートにもビット線選択信号SEL0Z〜SEL7Zが入力される。
【0007】
センス増幅器3は、メモリセルの記憶データの読み出し時において、ビット線選択回路2で選択されたビット線対の微小な電圧差を増幅する。この増幅された電圧差から、メモリセルの記憶データの値が判別される。
【0008】
図7の半導体記憶装置においてメモリセルの記憶データが読み出される場合、その読み出しアドレスに応じて、ビット線選択信号SEL0Z〜SEL7Zのうちの何れかがローレベルに設定される。これにより、ローレベルのビット線選択信号をゲートに受けたp型MOSトランジスタが導通し、導通したp型MOSトランジスタを介して、ビット線対(BL0,BL0Z)〜(BL7,BL7Z)の何れかの信号が出力線NおよびNZからセンス増幅器3に出力される。
一方、この読み出しアドレスに応じてメモリセル・アレイ1のワード線が活性化されると、活性化されたワード線に接続されるメモリセルによってビット線対(BL0,BL0Z)〜(BL7,BL7Z)が駆動され、メモリセルの記憶データに応じた電圧差がビット線対(BL0,BL0Z)〜(BL7,BL7Z)に発生する。
センス増幅器3では、これらのビット線対のうち、ビット線選択回路2によって選択された1のビット線対の電圧差が増幅され、増幅された電圧差から記憶データの値が判別される。
【0009】
このように、図7の半導体記憶装置によれば、選択回路を用いて複数のビット線対から1のビット線対を選択することにより記憶容量を増やすことができる。しかしながら、この方法では、ビット線の選択回路自体がメモリセルに対する負荷になってしまう問題がある。たとえば図7の半導体記憶装置におけるビット線BL0の負荷は、メモリセルの容量成分の他に、ビット線選択回路2のp型MOSトランジスタ2−1〜2−7の容量成分が加わる。ビット線対の数をさらに増やしていくと、その数に比例して選択回路のトランジスタによる容量成分の負荷が大きくなってしまう。
【0010】
そこで、ビット線対の数をさらに増やす場合には、ビット線選択回路およびセンス増幅器を複数設けてその出力信号を切り換える方法が一般に用いられている。
【0011】
図8は、2つのビット線選択回路およびセンス増幅器を用いて、ビット線の数を16倍に増やした半導体記憶装置の構成例を示すブロック図である。
図8に示す半導体記憶装置は、メモリセル・アレイ1と、ビット線選択回路2_Aおよび2_Bと、センス増幅器3_Aおよび3_Bと、ラッチ回路4_Aおよび4_Bと、スイッチ回路5_Aおよび5_Bとを有する。
【0012】
メモリセル・アレイ1Aは、行列状に配列された複数のメモリセルを有し、16列のメモリセルが16本のビット線対に接続されている。この16本のビット線対は、8本ずつの2つのブロックに区分されており、2つのブロックの一方のブロック(以降、ブロックAと呼ぶ)がビット線選択回路2_Aに接続され、他方のブロック(以降、ブロックBと呼ぶ)がビット線選択回路2_Bに接続される。
また、メモリセル・アレイ1と同様に、各行のメモリセルはそれぞれ共通のワード線に接続されており、活性化されたワード線に接続されるメモリセルがビット線対を通じてアクセスされる。
【0013】
ビット線選択回路2_Aは、ビット線選択信号SBに応じてブロックAの8本のビット線対の中から何れか1つのビット線対を選択し、選択したビット線対の信号をセンス増幅器3_Aに出力する。
ビット線選択回路2_Bは、ビット線選択信号SBに応じてブロックBの8本のビット線対の中から何れか1つのビット線対を選択し、選択したビット線対の信号をセンス増幅器3_Bに出力する。
このビット線選択回路2_A,2_Bは、図7の半導体記憶装置におけるビット線選択回路2と同様な回路で構成することができる。
【0014】
センス増幅器3_Aは、記憶データの読み出し時において、図示しないイネーブル信号ENがローレベルからハイレベルへ変化した場合、ビット線選択回路2_Aで選択されたビット線対の微小な電圧差を増幅する。この電圧差の増幅によって、出力端子SA_AおよびSAZ_Aの一方をハイレベル、他方をローレベルに設定する。
センス増幅器3_Bは、記憶データの読み出し時において、イネーブル信号ENがローレベルからハイレベルへ変化した場合、ビット線選択回路2_Bで選択されたビット線対の微小な電圧差を増幅する。この電圧差の増幅によって、出力端子SA_BおよびSAZ_Bの一方をハイレベル、他方をローレベルに設定する。
ただしこの増幅動作は、2つのセンス増幅器3_Aまたは3_Bのうち、ブロック選択信号線SMに応じて選択された一方のセンス増幅器で実行される。
【0015】
ラッチ回路4_Aは、センス増幅器3_Aの出力端子SA_AおよびSAZ_Aの信号レベルに応じて、ハイレベルまたはローレベルの信号SL_Aをスイッチ回路5_Aに出力する。出力端子SA_AおよびSAZ_Aが共にハイレベルの場合は、出力信号SL_Aのレベルを保持する。
ラッチ回路4_Bは、センス増幅器3_Bの出力端子SA_BおよびSAZ_Bの信号レベルに応じて、ハイレベルまたはローレベルの信号SL_Bをスイッチ回路5_Bに出力する。出力端子SA_BおよびSAZ_Bが共にハイレベルの場合は、出力信号SL_Bのレベルを保持する。
【0016】
スイッチ回路5_Aおよびスイッチ回路5_Bは、互いの出力端子が共通接続されており、ブロック選択有効信号SMENに応じて選択された一方のスイッチ回路がオン状態、他方のスイッチ回路がオフ状態となる。スイッチ回路5_Aがオン状態となった場合にはラッチ回路4_Aに保持された信号が、スイッチ回路5_Bがオン状態となった場合にはラッチ回路4_Bに保持された信号が、メモリセルからの読み出し信号SAOUTとして、共通接続された出力端子に出力される。
【0017】
図8に示した半導体記憶装置の動作について、図9のタイミングチャートを参照しながら説明する。
図9のタイミングチャートでは、初期状態において、ビット線対の2つのブロックのうち、ブロックBがブロック選択信号SM(図9A)およびブロック選択有効信号SMEN(図9E)によって選択されている。このため、スイッチ回路5_Bがオン状態となり、読み出し信号SAOUT(図9F)として、ラッチ回路4_Bに保持されたハイレベルの信号が出力されている。また、図示しないプリチャージ回路によってセンス増幅器3_Aの入力端子が電源電圧に充電されているため、出力端子SA_AおよびSAZ_A(図9C)はともにハイレベルになっている。ラッチ回路4_Aの出力信号SL_A(図9D)は、ハイレベルに保持されている。
【0018】
時刻taにおいて、記憶データの読み出しアドレスが新たに設定されると、これに応じて、ビット線選択信号SBおよびブロック選択信号SMが更新される。図9の例では、ブロック選択信号SM(図9A)によるブロックの選択が、ブロックBからブロックAに変更される。また、この読み出しアドレスの新たな設定に応じて、メモリセル・アレイ1Aのワード線の1つが活性化され、活性化されたワード線に接続されるメモリセルによりビット線対が駆動されて、ビット線対にはメモリセルの記憶データに応じた電圧差が発生する。
【0019】
時刻tbにおいて、イネーブル信号ENがローレベルからハイレベルへ変化すると、ブロック選択信号SMで選択されたセンス増幅器3_Aの増幅動作が開始され、出力端子SA_Aがローレベル、出力端子SAZ_Aがハイレベルに変化する。この出力端子のレベル変化を受けて、時刻tcにおいて、ラッチ回路4_Aの出力信号SL_A(図9D)がハイレベルからローレベルへ変化する。時刻tcからある適当なマージン時間Tmを経た時刻tdにおいて、ブロック選択有効信号SMEN(図9E)によるブロックの選択がブロックBからブロックAへ変更されると、スイッチ回路5_Aがオン状態、スイッチ回路5_Bがオフ状態に変化し、ラッチ回路4_Aに保持されたローレベルの信号が出力信号SAOUTとして出力される。
【0020】
図8の半導体記憶装置によれば、ビット線の負荷になるビット線選択回路のトランジスタ数が図7の半導体記憶装置と同じでありながら、メモリセルの数を図7の半導体記憶装置の2倍に増やすことができる。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図8の半導体記憶装置では、出力信号SAOUTに無効な信号が現れないようにするため、ブロック選択有効信号SMENによるラッチ回路の選択が変更される前に、ラッチ回路4_A,4_Bの出力信号SL_A,SL_Bを完全に確定させるためのマージン時間Tmを設ける必要がある。したがって、このマージン時間Tmの分だけアクセス速度が低下してしまう不利益がある。また、ブロック選択有効信号SMENのタイミングを、マージン時間Tmの条件に適合するように制御する必要があるので、その為の回路を別途設けなくてはならない不利益がある。
【0022】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ビット線の負荷を増大させることなく記憶容量を増やすことができるとともに、アクセス速度をより高速化できる半導体記憶装置を提供することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の半導体記憶装置は、所定数毎に複数のブロックに区分けされた複数のビット線対と複数のワード線との間にマトリクス状に配置された複数のメモリセルを有するメモリセル・アレイと、上記複数のブロックにそれぞれ対応し、上記所定数のビット線対の中から1つのビット線対を選択して当該選択したビット線対を出力線対に電気的に接続する複数のビット線選択回路と、上記複数の出力線対を所定の信号レベルにそれぞれ充電する複数のビット線充電回路と、選択されたメモリセルの記憶データに応じて上記複数の出力線対に発生する信号レベルの差をそれぞれ増幅するための複数の増幅回路と、ブロック選択信号に応じて上記複数のブロックにそれぞれ対応する上記複数の出力線対の中の1つを選択して当該選択した出力線対を選択出力線対に電気的に接続するブロック選択回路と、上記選択出力線対の信号レベルが相補信号レベルでないときに出力データを保持し、上記選択出力線対の信号レベルが第1又は第2の相補信号レベルであるときに当該相補信号レベルに応じた第1のデータ又は第2のデータを出力するデータ保持回路とを有し、上記ビッド線充電回路により充電状態にある上記出力線対と上記選択出力線対とが上記ブロック選択回路により電気的に接続された後に、上記増幅回路の増幅動作が開始される
【0024】
上記ブロック選択回路が上記複数の出力線対と上記選択出力線対との間にそれぞれ接続された複数のゲート回路を有し、上記複数のゲート回路が上記出力線対の一方及び他方と上記選択出力線対の一方及び他方との間にそれぞれ接続された第1及び第2のスイッチ回路を有し、上記第1及び第2のスイッチ回路が制御信号に応じて導通状態又は非導通状態に制御される構成としてもよい。
また、上記ブロック選択回路が上記複数の出力線対と上記選択出力線対との間にそれぞれ接続された複数のゲート回路を有し、上記複数のゲート回路が上記出力線対の一方及び他方と上記選択出力線対の一方及び他方との間にそれぞれ接続された第1及び第2のインバータ回路を有し、上記第1及び第2のインバータ回路が制御信号に応答して入力信号に応じた出力信号を出力する又は高インピーダンス信号を出力するように制御される構成としてもよい。
【0025】
更には、上記複数のビット線選択回路が上記所定数のビット線対の一方及び他方にそれぞれ接続された第1及び第2のデータ書き込み回路を有し、上記第1及び第2のデータ書き込み回路が書き込み制御信号に応じて上記ビット線対の一方及び他方に互いに相補的な信号を供給する構成としてもよい。
【0026】
【発明の実施の形態】
本発明の2つの実施形態について、図面を参照しながら説明する。
<第1の実施形態>
図1は、本発明の第1の実施形態に係る半導体記憶装置の構成の一例を示すブロック図である。
図1の例に示す半導体記憶装置は、メモリセル・アレイ10と、ビット線選択回路20〜27と、充電回路30〜37と、増幅回路40〜47と、ブロック選択回路60と、データ保持回路70とを有する。
メモリセル・アレイ10は、本発明の複数のメモリセルの一実施形態である。
ビット線選択回路20〜27は、本発明の複数のビット線選択回路の一実施形態である。
充電回路30〜37は、本発明の複数のビット線充電回路の一実施形態である。
増幅回路40〜47は、本発明の複数の増幅回路の一実施形態である。
ブロック選択回路60は、本発明のブロック選択回路の一実施形態である。
データ保持回路70は、本発明のデータ保持回路の一実施形態である。
【0027】
メモリセル・アレイ10は、行列状に配列された複数のメモリセルを有し、64列のメモリセルが64本のビット線対に接続されている。この64本のビット線対は、8本ずつの8つのブロックM0〜M7に区分されており、このブロックM0〜M7の各ビット線対がビット線選択回路20〜27に接続される。
また、特に図示していないが、各行のメモリセルはそれぞれ共通のワード線に接続されている。メモリセル・アレイ10の記憶データを読み出す動作モード(以降、読み出しモードと呼ぶ)、または、メモリセル・アレイ10に記憶データを書き込む動作モード(以降、書き込みモードと呼ぶ)において、これらのワード線のうちアクセス対象のアドレスに対応するワード線が活性化され、活性化されたワード線に接続されるメモリセルがビット線対を通じてアクセスされる。
【0028】
ビット線選択回路2i(iは0から7までの整数を示す)は、ビット線選択信号SBに応じて、ブロックMiに含まれる8本のビット線対の中から何れか1つのビット線対を選択する。読み出しモードの場合、この選択したビット線対の信号を出力線対(SAi,SAiZ)に出力する。また、書き込みモードの場合は、この選択したビット線対の2つのビット線を、書き込み信号SWおよびSWZの信号レベルに応じて、それぞれハイレベルまたはローレベルに設定する。
【0029】
図2は、ビット線選択回路20の構成の一例を示すブロック図である。
図2の例に示すビット線選択回路20は、p型MOSトランジスタ201−0〜201−7と、p型MOSトランジスタ202−0〜202−7と、n型MOSトランジスタ203−0〜203−7と、n型MOSトランジスタ204−0〜204−7と、NOR回路205−0〜205−7と、NOR回路206−0〜206−7と、NAND回路207−0〜207−7と、インバータ回路208−0〜208−7と、制御回路209とを有する。
【0030】
ビット線BLj(jは0から7までの整数を示す)は、p型MOSトランジスタ201−jを介して出力線SA0に接続されるとともに、n型MOSトランジスタ203−jを介して基準電位線Gに接続される。
ビット線BLjZは、p型MOSトランジスタ202−jを介して出力線SA0Zに接続されるとともに、n型MOSトランジスタ204−jを介して基準電位線Gに接続される。
【0031】
p型MOSトランジスタ201−jおよびp型MOSトランジスタ202−jのゲートには、NAND回路207−jの出力信号が入力される。n型MOSトランジスタ203−jのゲートには、NOR回路205−jの出力信号が入力される。n型MOSトランジスタ204−jのゲートには、NOR回路206−jの出力信号が入力される。
【0032】
NOR回路205−jの2つの入力端子には、制御回路209から出力される書き込み信号WRと、インバータ回路208−jの出力信号とが入力される。NOR回路206−jの2つの入力端子には、制御回路209から出力される書き込み信号WRZと、インバータ回路208−jの出力信号とが入力される。NAND回路207−jの2つの入力端子には、制御回路209から出力される制御信号WFZと、ビット線選択信号SBの第jビットの選択信号とが入力される。インバータ回路208−jの入力端子には、ビット線選択信号SBの第jビットの選択信号が入力される。
【0033】
制御回路209は、書き込みモードにおいてブロック選択信号SMによりブロックM0が選択された場合、入力される書き込み信号SWおよびSWZと同一の信号レベルを有した書き込み信号WRおよび書き込み信号WRZを出力し、その他の場合には、書き込み信号WRおよびWRZをハイレベルに設定する。
また、制御回路209は、読み出しモードにおいてブロック選択信号SMによりブロックM0が選択された場合、制御信号WFZをハイレベルに設定し、その他の場合には制御信号WFZをローレベルに設定する。
【0034】
ここで、上述した構成を有するビット線選択回路20の動作を説明する。
書き込みモードにおいてブロック選択信号SMによりブロックM0が選択された場合、制御回路209において信号WFZがローレベルに設定されるため、NAND回路207−jの出力信号がハイレベルになり、p型MOSトランジスタ201−0〜201−7およびp型MOSトランジスタ202−0〜202−7が全てオフ状態となる。また、書き込み信号WRおよびWRZの信号レベルは、書き込み信号SWおよびSWZと同一になる。
この状態で、ビット線選択信号SBの第jビットの選択信号がハイレベル、他のビットの選択信号が全てローレベルになっているとすると、インバータ回路208−jの出力信号がローレベルになり、NOR回路205−jの出力信号は書き込み信号SWの信号レベルに応じて、NOR回路206−jの出力信号は書き込み信号SWZの信号レベルに応じて、ハイレベルまたはローレベルに設定される。このNOR回路205−jおよびNOR回路206−jの出力信号に応じて、n型MOSトランジスタ203−jおよびn型MOSトランジスタ204−jがオン状態またはオフ状態となり、ビット線BLjおよびビット線BLjZがハイレベルまたはローレベルに設定される。
たとえば、書き込み信号SWがハイレベルで書き込み信号SWZがローレベルの場合、n型MOSトランジスタ203−jがオフ状態、n型MOSトランジスタ204−jがオン状態となり、ビット線BLjがハイレベル、ビット線BLjZがローレベルになる。逆に、書き込み信号SWがローレベルでSWZがハイレベルになると、ビット線BLjがローレベルでBLjZがハイレベルになる。
【0035】
書き込みモードにおいてブロック選択信号SMによりブロックM0が選択されていない場合は、書き込み信号WRおよびWRZが共にハイレベルに設定されるため、NOR回路205−0〜205−7およびNOR回路206−0〜206−7の出力信号が全てローレベルになり、n型MOSトランジスタ203−0〜203−7およびn型MOSトランジスタ204〜204−7が全てオフ状態になる。すなわち、書き込み信号SWおよびSWZに応じたメモリセルへの書き込み動作が実行されない。
【0036】
読み出しモードにおいてブロック選択信号SMによりブロックM0が選択された場合、制御信号WFZがハイレベルに設定されるため、NAND回路207−0〜207−7の出力信号が、ビット線選択信号SBに応じてハイレベルまたはローレベルになる。
すなわち、ビット線選択信号SBの第jビットの選択信号がハイレベルになり、他のビットの選択信号がローレベルになっているとすると、NAND回路207−jの出力信号がローレベルになり、他のNAND回路の出力信号はハイレベルになるので、p型MOSトランジスタ201−jおよび202−jだけがオン状態になる。これにより、ビット線対(BLj,BLjZ)が出力線対(SA0,SA0Z)に接続される。
【0037】
読み出しモードにおいてブロック選択信号SMによりブロックM0が選択されていない場合は、制御信号WFZがローレベルに設定されるため、p型MOSトランジスタ201−0〜201−7およびp型MOSトランジスタ202−0〜202−7が全てオフ状態となり、全てのビット線対が出力線対(SA0,SA0Z)から切り離される。すなわち、ブロックM0の読み出し動作は実行されない。
【0038】
なお、読み出しモードにおいても、書き込み信号WRおよびWRZは共にハイレベルに設定されるため、n型MOSトランジスタ203−0〜203−7およびn型MOSトランジスタ204−0〜204−7は全てオフ状態になる。
【0039】
以上はビット線選択回路20の説明であるが、その他のビット線選択回路21〜27についても、ビット線選択回路20と同様な構成を有し、同様に動作する。
【0040】
図1の説明に戻る。
充電回路3iは、読み出しモードにおいてメモリセルがビット線対からアクセス可能になる前において、ビット線選択回路2iの出力線SAiおよびSAiZの信号レベルを、共に電源電圧に充電する。この電源電圧への充電(以降、プリチャージと呼ぶ)は、ブロックMiのメモリセルがビット線対からアクセス可能な場合において停止する。
【0041】
増幅回路3iは、読み出しモードにおいてブロック選択信号SMによりブロックMiが選択され、メモリセルがビット線対からアクセス可能になった状態で、ビット線選択回路2iの出力線対(SAi,SAiZ)に発生するメモリセルの記憶データに応じた信号レベル差を増幅する。この信号レベル差の増幅によって、出力線SAiおよび出力線SAiZの一方がハイレベル、他方がローレベルになる。
【0042】
ブロック選択回路60は、ブロック選択信号SMに応じて、ビット線選択回路20〜27の出力線対(SA0,SA0Z)〜(SA7,SA7Z)の中から1のビット線対を選択し、選択したビット線対の信号を選択ビット線対(SBL,SBLZ)に出力する。
【0043】
図1の例において、ブロック選択回路60は、ゲート回路50〜57を有している。
ゲート回路5iは、ブロック選択信号SMによりブロックMiが選択された場合、ビット線選択回路2iの出力線対(SAi,SAiZ)の信号を、選択ビット線対(SBL,SBLZ)に出力する。ブロック選択信号SMによりブロックMiが選択されていない場合には、選択ビット線対(SBL,SBLZ)に対する出力インピーダンスを高インピーダンス状態に設定する。
ゲート回路50〜57からの出力信号は、選択ビット線対(SBL,SBLZ)を介してデータ保持回路70に入力される。
【0044】
データ保持回路70は、選択ビット線SBLおよび選択ビット線SBLZの信号レベルが異なる場合、すなわち、選択ビット線SBLおよび選択ビット線SBLZの一方がハイレベル、他方がローレベルの場合、この信号レベルの組み合わせに応じてハイレベルまたはローレベルの信号SAOUTを出力する。たとえば、選択ビット線SBLがハイレベルで選択ビット線SBLZがローレベルの場合にハイレベルの信号SAOUTを出力し、選択ビット線SBLがローレベルで選択ビット線SBLZがハイレベルの場合にローレベルの信号SAOUTを出力する。
また、選択ビット線SBLおよび選択ビット線SBLZが共にハイレベルの場合、出力中の信号SAOUTのレベルを保持する。
【0045】
図3は、図1の半導体記憶装置における充電回路30、増幅回路40、ゲート回路50およびデータ保持回路70の構成の一例を示すブロック図であり、図3と図1の同一符号は同一の構成要素を示す。
図3の例において、充電回路30は、p型MOSトランジスタ301〜303と、制御回路304とを有する。増幅回路40は、増幅回路401と、制御回路402とを有する。ゲート回路50は、インバータ回路505と、トランスファ・ゲート507および508と、制御回路506とを有する。データ保持回路70は、NAND回路701および702と、インバータ回路703とを有する。トランスファ・ゲート507および508は、本発明の第1のスイッチ回路および第2のスイッチ回路の一実施形態である。
【0046】
p型MOSトランジスタ301およびp型MOSトランジスタ302は、ビット線選択回路20の出力線SA0と出力線SA0Zとの間に直列に接続され、p型MOSトランジスタ301とp型MOSトランジスタ302との接続中点が電源線VDDに接続される。p型MOSトランジスタ303は、ビット線選択回路20の出力線SA0と出力線SA0Zとの間に接続される。p型MOSトランジスタ301〜303のゲートには、制御回路304の制御信号EQZが入力される。
制御回路304は、読み出しモードにおいてメモリセルがビット線対からアクセス可能になる前に、制御信号EQZをローレベルに設定して、p型MOSトランジスタ301〜303を導通させる。そして、読み出しモードにおいてブロック選択信号SMによりブロックM0が選択され、ブロックM0のメモリセルがビット線対からアクセス可能な場合において、制御信号EQZをハイレベルに設定し、p型MOSトランジスタ301〜303を開放させる。
【0047】
増幅回路401は、制御回路402の制御信号ENNに応じて、ビット線選択回路20の出力線対(SA0,SA0Z)に発生するメモリセルの記憶データに応じた信号レベル差を増幅する。
制御回路402は、読み出しモードにおいてブロック選択信号SMによりブロックM0が選択され、ブロックM0のメモリセルがビット線対からアクセス可能になった状態で、増幅回路401の増幅動作を実行させる制御信号ENNを出力する。
【0048】
トランスファ・ゲート507は、出力線SA0Zと選択ビット線SBLZとの接続線上に挿入される。トランスファ・ゲート508は、出力線SA0と選択ビット線SBLとの接続線上に挿入される。トランスファ・ゲート507および508は、制御回路506の制御信号MFがハイレベル、インバータ回路505の出力信号がローレベルの場合にオン状態となり、制御信号MFがローレベル、インバータ回路505の出力信号がハイレベルの場合にオフ状態となる。インバータ回路505の入力端子には、制御信号MFが入力される。
制御回路506は、ブロック選択信号SMによりブロックM0が選択された場合、制御信号MFをハイレベルに設定し、ブロック選択信号SMによりブロックM0が選択されていない場合には、制御信号MFをローレベルに設定する。
【0049】
NAND回路701の3つの入力端子には、NAND回路702の出力信号、選択ビット線SBLの信号および書き込み信号SWが入力される。NAND回路702の3つの入力端子には、NAND回路701の出力信号、選択ビット線SBLZの信号および書き込み信号SWRが入力される。インバータ回路703の入力端子には、NAND回路701の出力信号が入力され、その出力端子からは信号SAOUTが出力される。
【0050】
次に、上述した構成を有する図1の半導体記憶装置の動作について、書き込みモードと読み出しモードとに分けて説明する。
(書き込みモード)
図4は、書き込みモードにおける各信号のタイミング関係を示すタイミングチャートである。
図4のタイミングチャートでは、初期状態において、ブロック選択信号SM(図4A)によりブロックM1が選択されている。書き込み信号SWおよびSWZ(図4B)は、共にハイレベルに設定されている。ブロックM1のビット線BL0およびBL0Z(図4D)は、電源電圧にプリチャージされている。データ保持回路70の出力信号SAOUT(図4C)は、ハイレベルに保持されている。
【0051】
時刻t1において、メモリセル・アレイ10に対する書き込みアドレスが新たに設定されると、これに応じて、ビット線選択信号SBおよびブロック選択信号SMが更新される。図4の例では、ブロック選択信号SM(図4A)によるブロックの選択が、ブロックM1からブロックM0に変更される。また、ビット線選択信号SBの第0ビットの選択信号がハイレベルになり、第1〜第7ビットの選択信号がローレベルになる。
さらに、新たに設定された書き込みアドレスに応じて、このアドレスに対応したメモリセル・アレイ10のワード線が活性化され、活性化されたワード線に接続されるメモリセルがビット線対を通じて書き込み可能な状態になる。
【0052】
時刻t2において、書き込み信号SWがローレベル、書き込み信号SWZがハイレベルに設定されると(図4B)、これに応じてデータ保持回路70におけるNAND回路701の出力信号がハイレベル、NAND回路702の出力信号がローレベルの信号になる。これにより、時刻t3において、データ保持回路70の出力信号SAOUTはローレベルに変化する(図4C)。
【0053】
また、書き込み信号SWがローレベル、書き込み信号SWZがハイレベルに設定されると、ビット線選択回路20の制御回路209からローレベルの書き込み信号WRおよびハイレベルの書き込み信号WRZがNOR回路205−0および206−Zへ出力されるので、NOR回路205−0の出力信号はハイレベル、NOR回路206−0の出力信号はローレベルになる。これにより、時刻t4においてn型MOSトランジスタ203−0がオン状態、n型MOSトランジスタ204−0がオフ状態になり、ビット線BL0がローレベル、ビット線BL0Zがハイレベルになる(図4D)。
【0054】
なお、ブロック選択信号SMにより選択されていないブロックM1〜M7のビット線選択回路21〜27では、入力される書き込み信号SWおよびSWZに係わらず、内部の書き込み信号WRおよびWRZが共にハイレベルに設定されるため、メモリセルへの書き込み動作は実行されない。
【0055】
このように、書き込みモードにおいて書き込みアドレスが新たに設定されると、このアドレスに応じてビット線選択信号SBおよびブロック選択信号SMが更新されるとともに、このアドレスに応じたメモリセル・アレイ10のワード線が活性化される。書き込み信号SWおよびSWZとして入力される書き込みデータは、ビット線選択信号SBおよびブロック選択信号SMによって指定されるビット線対を通じて、メモリセル・アレイ10の活性化されたワード線に接続されたメモリセルに書き込まれる。また、書き込み信号SWおよびSWZとして入力される書き込みデータは、データ保持回路70に対して直接入力され、これに保持される。
【0056】
(読み出しモード)
図5は、読み出しモードにおける各信号のタイミング関係を示すタイミングチャートである。
図5のタイミングチャートでは、初期状態において、ブロック選択信号SM(図5A)によりブロックM1が選択されている。また、増幅回路40〜47の増幅動作が停止され(図5B)、ビット線選択回路20〜27の出力線は充電回路30〜37によって電源電圧へプリチャージされ(図5C,D)、選択ビット線対(SBL,SBLZ)の信号レベルはハイレベルになっている(図5E)。データ保持回路70の出力信号SAOUT(図4C)は、ハイレベルに保持されている。
【0057】
時刻t5において、メモリセル・アレイ10に対する読み出しアドレスが新たに設定されると、これに応じて、ビット線選択信号SBおよびブロック選択信号SMが更新される。図5の例では、ブロック選択信号SM(図5A)によるブロックの選択が、ブロックM1からブロックM0に変更される。
【0058】
ブロックM1からブロックM0へブロックの選択が変更されることから、ブロック選択回路60から選択ビット線対(SBL,SBLZ)へ出力される信号は、出力線対(SA1,SA1Z)の信号から、出力線対(SA0,SA0Z)の信号へ切り換えられる。しかしながら、時刻t5までの間にビット線選択回路20〜27の出力線は充電回路30〜37によって電源電圧へプリチャージされており、出力線対(SA0,SA0Z)および出力線対(SA1,SA1Z)の信号レベルは何れもハイレベルになっているので(図5C,D)、この切り換えの後でも選択ビット線対(SBL,SBLZ)はハイレベルのままである(図5E)。したがって、データ保持回路70の出力信号は引き続き保持される(図5F)。
【0059】
また時刻t5において、新たに設定された読み出しアドレスに応じて、このアドレスに対応したメモリセル・アレイ10のワード線が活性化され、活性化されたワード線に接続されるメモリセルがビット線対を通じて読み出し可能な状態になる。これにより、ビット線選択回路20の出力線対(SA0,SA0Z)には、メモリセルの記憶データに応じた電圧差が徐々に発生する(図5C)。これに応じて、選択ビット線対(SBL,SBLZ)にも電圧差が徐々に発生する(図5E)。
【0060】
なお、充電回路30における充電動作は、メモリセルがビット線対を通じて読み出し可能な場合に停止されている。このため、充電回路30の充電動作によってメモリセルの記憶データが書き換えられることはない。
【0061】
時刻t6において、制御回路402の制御信号ENN(図5B)により増幅回路401の増幅動作が開始されると、出力線対(SA0,SA0Z)に発生していた電圧差が急速に増幅されて、出力線SA0がローレベル、出力線SA0Zがハイレベルになる(図5C)。これに応じて、選択ビット線SBLがローレベル、選択ビット線SBLZがハイレベルになる(図5E)。
【0062】
選択ビット線SBLがローレベル、選択ビット線SBLZがハイレベルになることから、時刻t7において、データ保持回路70の出力信号SAOUTはハイレベルからローレベルに変化する(図5F)。
【0063】
さらに次のメモリセルへの読み出しアクセスが行われる場合には、その読み出しアクセスの前に、出力線対(SA0,SA0Z)〜(SA7,SA7Z)が充電回路30〜37によってプリチャージされ、選択ビット線対(SBL,SBLZ)がハイレベルになるので、データ保持回路70の出力信号SAOUTは前の読み出しデータのまま保持される。その後、新たな読み出しアドレスに応じてブロック選択信号SMによるブロックの選択が変化しても、上述の時刻t5と同様に、出力線対(SA0,SA0Z)〜(SA7,SA7Z)は全てハイレベルであるため、データ保持回路70の出力信号SAOUTは前の読み出しデータのまま保持される。データ保持回路70の出力信号SAOUTは、増幅回路40〜47の増幅動作が完了次第、直ちに次の読み出しデータに変化する。
【0064】
このように、図1の半導体記憶装置によれば、データ保持回路70に保持されたデータが増幅回路40〜47の増幅結果によって書き換えられる時点で読み出しデータが確定されるので、図8の半導体記憶装置のように、ラッチ回路に有効なデータが保持されるまでスイッチ回路による出力信号の切り換えを遅らせるマージン時間を設ける必要がなくなり、記憶データの読み出し時間を高速化することができる。
また、図8の半導体記憶装置におけるブロック選択有効信号SMENのように、マージン時間の条件に適合するようなタイミングの制御を必要とする信号がなくなるので、その為の回路を削減することができる。
【0065】
また、ビット線選択回路20〜27の出力線対の信号が、新たな読み出しアドレスの設定によってブロック選択回路60により切り換えられても、充電回路30〜37において出力線対がプリチャージされるため、データ保持回路70のデータが信号切り換えの前後で保持される。したがって、出力信号SAOUTとして無効なデータが出力されることを防止できる。
【0066】
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
第2の実施形態の半導体記憶装置では、第1の実施形態の半導体記憶装置に対してゲート回路の構成が異なる。
たとえば、図1の半導体記憶装置におけるゲート回路50〜57が、次に述べるゲート回路50A〜57Aに置き換えられる。
【0067】
図6は、本発明の第2の実施形態に係る半導体記憶装置における充電回路30、増幅回路40、ゲート回路50Aおよびデータ保持回路70の構成の一例を示すブロック図である。ただし、図6と図1の同一符号は同一の構成要素を示す。図6の例において、ゲート回路50Aは、インバータ回路501、502および505と、クロックド・インバータ回路503および504と、制御回路506とを有する。
【0068】
インバータ回路501の入力端子はビット線選択回路20の出力線SA0Zに接続され、その出力端子はクロックド・インバータ回路503の入力端子に接続される。クロックド・インバータ回路503の出力端子は選択ビット線SBLZに接続される。
インバータ回路502の入力端子はビット線選択回路20の出力線SA0に接続され、その出力端子はクロックド・インバータ回路504の入力端子に接続される。クロックド・インバータ回路504の出力端子は選択ビット線SBLに接続される。
【0069】
クロックド・インバータ回路503は、制御信号MFがハイレベルでインバータ回路505の出力信号がローレベルの場合に通常のインバータとして機能し、インバータ回路501の出力信号を反転して選択ビット線SBLZに出力する。制御信号MFがローレベルでインバータ回路505の出力信号がハイレベルの場合には、選択ビット線SBLZに対する出力インピーダンスを高インピーダンス状態に設定し、選択ビット線SBLZへの電流の出力を遮断する。
同様に、クロックド・インバータ回路504は、制御信号MFがハイレベルでインバータ回路505の出力信号がローレベルの場合に通常のインバータとして機能し、インバータ回路502の出力信号を反転して選択ビット線SBLに出力する。制御信号MFがローレベルでインバータ回路505の出力信号がハイレベルの場合には、選択ビット線SBLに対する出力インピーダンスを高インピーダンス状態に設定する。
【0070】
ブロック選択信号SMによりブロックM0が選択されて制御回路506の制御信号MFがハイレベルになった場合、出力線SA0Zの信号はインバータ回路501において反転され、この反転された信号がクロックド・インバータ回路503においてさらに反転され、結果として出力線SA0Zと同一の信号が選択ビット線SBLZに出力される。同様に、出力線SA0の信号はインバータ回路502において反転され、この反転された信号がクロックド・インバータ回路504においてさらに反転され、結果として出力線SA0と同一の信号が選択ビット線SBLに出力される。
また、ブロック選択信号SMによりブロックM0が選択されず制御回路506の制御信号MFがローレベルになった場合には、クロックド・インバータ回路503および504の出力が何れも高インピーダンス状態となり、出力線対(SA0,SA0Z)の信号は選択ビット線対(SBL,SBLZ)に出力されない。
【0071】
以上はゲート回路50Aの説明であるが、その他のゲート回路51A〜57Aについても、ゲート回路50Aと同様な構成を有し、同様に動作する。
【0072】
このように、第2の実施形態に係る半導体記憶装置では、ゲート回路としてインバータ回路およびクロックド・インバータ回路が用いられているため、ゲート回路としてトランスファ・ゲートが用いられている図1の半導体記憶装置に比べて、選択ビット線対(SBL,SBLZ)に生じた雑音などの信号成分を、ゲート回路からメモリセルへ伝播させ難くくすることできる。これにより、選択ビット線対(SBL,SBLZ)に接続するゲート回路の数をさらに多くすることが可能になり、記憶容量のさらなる大容量化を図ることが可能になる。
【0073】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されない。
たとえば、図において示したビット線対のブロック数や、各ブロックにおけるビット線対の数は一例であり、これらの数は任意に設定可能である。
【0074】
【発明の効果】
本発明によれば、ビット線の負荷を増大させることなく記憶容量を増やすことができるとともに、アクセス速度をより高速化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る半導体記憶装置の構成の一例を示すブロック図である。
【図2】ビット線選択回路の構成の一例を示すブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る半導体記憶装置における充電回路、増幅回路、ゲート回路およびデータ保持回路の構成の一例を示すブロック図である。
【図4】書き込みモードにおける各信号のタイミング関係を示すタイミングチャートである。
【図5】読み出しモードにおける各信号のタイミング関係を示すタイミングチャートである。
【図6】本発明の第2の実施形態に係る半導体記憶装置における充電回路、増幅回路、ゲート回路およびデータ保持回路の構成の一例を示すブロック図である。
【図7】ビット線の数を8倍に増やした半導体記憶装置の構成例を示すブロック図である。
【図8】2つのビット線選択回路およびセンス増幅器を用いて、ビット線の数を16倍に増やした半導体記憶装置の構成例を示すブロック図である。
【図9】図8に示した半導体記憶装置の各信号のタイミング関係の一例を示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
10…メモリセル・アレイ、20〜27…ビット線選択回路、30〜37…充電回路、40〜47…増幅回路、50〜57,50A〜57A…ゲート回路、60…ブロック選択回路、70…データ保持回路、201−0〜201−7,202−0〜202−7,301〜303…p型MOSトランジスタ、203−0〜203−7,204−0〜204−7…n型MOSトランジスタ、205−0〜205−7,265−0〜206−7…NOR回路、207−0〜207−7,701,702…NAND回路、208−0〜208−7,505,703…インバータ回路、209,304,402,506…制御回路、503,504…クロックド・インバータ回路、507,508…トランスファ・ゲート

Claims (7)

  1. 所定数毎に複数のブロックに区分けされた複数のビット線対と複数のワード線との間にマトリクス状に配置された複数のメモリセルを有するメモリセル・アレイと、
    上記複数のブロックにそれぞれ対応し、上記所定数のビット線対の中から1つのビット線対を選択して当該選択したビット線対を出力線対に電気的に接続する複数のビット線選択回路と、
    上記複数の出力線対を所定の信号レベルにそれぞれ充電する複数のビット線充電回路と、
    選択されたメモリセルの記憶データに応じて上記複数の出力線対に発生する信号レベルの差をそれぞれ増幅するための複数の増幅回路と、
    ブロック選択信号に応じて上記複数のブロックにそれぞれ対応する上記複数の出力線対の中の1つを選択して当該選択した出力線対を選択出力線対に電気的に接続するブロック選択回路と、
    上記選択出力線対の信号レベルが相補信号レベルでないときに出力データを保持し、上記選択出力線対の信号レベルが第1又は第2の相補信号レベルであるときに当該相補信号レベルに応じた第1のデータ又は第2のデータを出力するデータ保持回路と
    を有し、
    上記ビッド線充電回路により充電状態にある上記出力線対と上記選択出力線対とが上記ブロック選択回路により電気的に接続された後に、上記増幅回路の増幅動作が開始される、
    半導体記憶装置。
  2. 上記ブロック選択回路が上記複数の出力線対と上記選択出力線対との間にそれぞれ接続された複数のゲート回路を有し、
    上記複数のゲート回路が上記出力線対の一方及び他方と上記選択出力線対の一方及び他方との間にそれぞれ接続された第1及び第2のスイッチ回路を有し、上記第1及び第2のスイッチ回路が制御信号に応じて導通状態又は非導通状態に制御される
    請求項1に記載の半導体記憶装置。
  3. 上記第1及び第2のスイッチ回路がトランスファ・ゲートである
    請求項2に記載の半導体記憶装置。
  4. 上記ブロック選択回路が上記複数の出力線対と上記選択出力線対との間にそれぞれ接続された複数のゲート回路を有し、
    上記複数のゲート回路が上記出力線対の一方及び他方と上記選択出力線対の一方及び他方との間にそれぞれ接続された第1及び第2のインバータ回路を有し、上記第1及び第2のインバータ回路が制御信号に応答して入力信号に応じた出力信号を出力する又は高インピーダンス信号を出力するように制御される
    請求項1に記載の半導体記憶装置。
  5. 上記第1及び第2のインバータ回路がクロックド・インバータ回路である
    請求項4に記載の半導体記憶装置。
  6. 上記複数のビット線選択回路が上記所定数のビット線対の一方及び他方にそれぞれ接続された第1及び第2のデータ書き込み回路を有し、上記第1及び第2のデータ書き込み回路が書き込み制御信号に応じて上記ビット線対の一方及び他方に互いに相補的な信号を供給する
    請求項1、2、3、4又は5に記載の半導体記憶装置。
  7. 上記第1及び第2のデータ書き込み回路が上記ビット線対の一方及び他方と電圧供給端子との間にそれぞれ接続された第1及び第2のトランジスタである
    請求項6に記載の半導体記憶装置。
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