JP3827847B2 - ランドリモニタ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、放射能を取扱う原子力施設において、放射線管理区域にて作業員が着用した衣類等の放射能汚染を検出して、汚染有無の判定および仕分けを行うランドリモニタ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ランドリモニタ装置は被測定物における放射能汚染を検出して、汚染の有無を判定すると共に簡単な分別を行うが、この被測定物としては、作業員が原子力施設における放射線管理区域内で作業の際に着用した、衣類等の全てを対象としている。
主な測定対象である被測定物の形態としては、大物衣類と称するものに上下つなぎ服や下着(上下)等があり、また、小物衣類と称するものには手袋や靴下等がある。さらに、成型品と称する種別に長靴や短靴及びヘルメット等がある。
【0003】
前記被測定物である各種衣類等に対する放射能汚染の検出は、材質が繊維主体となっている大物衣類や小物衣類は、厚さが薄く容易に変形することから、平らにして汚染測定をすることができる。
一方、プラスチックや厚手のゴム等が主体の成型品(長靴や短靴およびヘルメット等)は、形状が複雑で硬度があることから原則として変形させることができず、また、内部の充実度等も異なっていて汚染位置が離れている。
【0004】
前記被測定物である各種衣類等の放射能汚染を測定するためには、線種としてβ線とγ線の検出を行うが、このためのβ線検出器およびγ線検出器による測定については、それぞれの検出感度特性(∞√B/t、B:バックグランド計数率、t:計数時間(∞1/コンベア速度))を図9の感度特性図に示す。
検出感度特性曲線1で示すγ線検出器においては、検出感度特性曲線2で示すβ線検出器に比べて、宇宙線や地面および建屋壁等からの放射線の影響を受け易い。
【0005】
このために前記バックグランド計数率Bが高いことから、同じ目標感度で測定を行うには、γ線検出器の使用可能領域3は、β線検出器の使用可能領域4に比べて計数時間(t)を長くする必要があった。
また、図10の側断面図で(a)に示すように、モニタ部5においては、被測定物である大物衣類6や小物衣類7は、その材質が繊維主体であることから厚さが薄く、あるいは押し付けて全体を薄くすることが容易で、さらに復元してもその用途機能に支障は生じない。
【0006】
従って、測定コンベア8上に搭載して、矢印方向8aへ移動する間に、上下に設置したβ線検出器9a,9bとγ線検出器10a,10bの内のβ線検出器9a,9bに接近させて、表面あるいは浅い内部における汚染部を高感度で高速にて測定することができる。
一方、図10(b)に示すように、被測定物である成型品11については、前記したように形状が複雑であり、硬度が高くその測定に際して一時的に形状を変えることは原則として不可能である。
【0007】
また、内部の充実度等も異なることから、表面汚染12あるいは深い位置での内部汚染13を離れた位置のγ線検出器10a,10bにより、測定コンベア8の速度を比較的遅くして、矢印方向8aへ移動する時間を長くすることにより、長い計数時間で測定することになる。
【0008】
以上のことから、被測定物の種別により検出器の線種(β線・γ線)や、放射能汚染測定後の仕分け作業、および折りたたみ処理のありなしに合わせて、図11の側断面図等に示すように、それぞれに専用のランドリモニタ装置を使用していた。
【0009】
図11(a)は、上下つなぎ服や下着等を専用とする大物被測定物ランドリモニタ装置14で、モニタ部15と出口コンベア16および折りたたみ機17とから構成されている。
【0010】
前記モニタ部15は、たとえば図11(b)の要部平面図に示すような、開口率が高いことから放射線検出能力の低下が少ない構造の金網コンベア18による測定コンベア8の途中で、上下にβ線検出器9aとβ線検出器9bを間隔狭く配置して、前記測定コンベア8上に搭載されて、矢印方向8aへ移動する大物衣類6について放射能汚染の測定を行う。
測定後の大物衣類6は、出口コンベア16により折りたたみ機17に搬送し、この折りたたみ機17にて折りたたみを行うとにより、容積を小さくして保管する。
【0011】
図11(c)は手袋や靴下等を専用とする小物被測定物ランドリモニタ装置19で、モニタ部15と出口コンベア16および仕分け部20と、汚染被測定物容器21および非汚染被測定物容器22とから構成されている。
前記モニタ部15においては、測定コンベア8の途中で上下にβ線検出器9aとβ線検出器9bを間隔狭く配置して、前記測定コンベア8上に搭載されて、矢印方向8aへ移動する被測定物である小物衣類7について、前記β線検出器9a,9bにより放射能汚染の測定を行う。
【0012】
測定後の小物衣類7は出口コンベア16により仕分け部20に搬送して、この仕分け部20において矢印方向20aと矢印方向20bへ仕分けすることにより、汚染被測定物容器21と非汚染被測定物容器22に分別して、折りたたまずにそのまま保管する。
【0013】
図11(d)は、長靴や短靴及びヘルメット等を専用とする成型品ランドリモニタ装置23を示し、モニタ部24と出口コンベア16および仕分け部20と、汚染被測定物容器21および非汚染被測定物容器22とから構成されている。
前記モニタ部24においては、測定コンベア8の途中で上下にγ線検出器10a,10bを、搬送されてくる成型品11が当たらぬように大きく離して配置し、前記測定コンベア8上に搭載された被測定物である成型品11は、前記測定コンベア8を比較的低速で矢印方向8aに移動させる。
【0014】
これにより、前記γ線検出器10a,10bで成型品11に対して放射能汚染の測定を行うと共に、測定後は出口コンベア16により仕分け部20に搬送し、この仕分け部20において上記図11(c)の場合と同様に、汚染被測定物容器21と非汚染被測定物容器22に分別して、そのままの状態で保管するようにしている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
各種原子力施設では、その施設の大小にかかわらず、その放射線管理区域において作業員は各種衣類等を着用しており、このために使用済みの衣類等は全て被測定物としてモニタリングする必要がある。
このことは、研究所等の小規模な施設であっても、同様に前記した3種類の専用ランドリモニタ装置14,19,23を設備していた。
【0016】
しかしながら、測定頻度の少ない成型品11等については、専用の成型品ランドリモニタ装置23を設備せずに、図示しないサーベイメータによる手作業で汚染測定を行うことから、作業員に負担が加わると共に作業能率に劣るという支障があった。
また、原子力発電所等の大きな施設では、多量の衣類等を測定処理することから、各専用のランドリモニタ装置14,19,23をそれぞれ複数台設置する必要があり、従って、広い設置場所を確保する問題があった。
【0017】
さらに、前記各種衣類等において種別による処理量が一定とは限らず、特定の専用ランドリモニタ装置に被測定物が集中することがあることや、また、一旦使用中のランドリモニタ装置が故障等で停止すると、それぞれが専用機であることから、他の種類のランドリモニタ装置では、測定処理作業を代行することができない。
【0018】
このために、その原子力施設で使用する衣類等を、できるだけ少ない設備台数の専用のランドリモニタ装置14,19,23で処理しようとすると、一部が故障等で運転が停止した場合には、直ちに特定の衣類等の処理が停滞するという不具合が生じる。
【0019】
本発明の目的とするところは、β線検出器とγ線検出器の被測定物に対する距離を可変とし、前記形態の異なる被測定物についての放射能汚染測定が共用可能で、仕分けコンベアの高さ等を可変して分別を行うランドリモニタ装置を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため請求項1記載のランドリモニタ装置は、被測定物を搬送する測定コンベアと前記被測定物を上下から挟んで被測定物に近い側から順に放射線測定用のβ線検出器とγ線検出器を配置すると共に前記上側のβ線検出器およびγ線検出器のうち少なくともβ線検出器の位置を前記被測定物の大きさに合わせて上下移動可能に支持したモニタ部と、このモニタ部の後段に設けた被測定物の種別と放射能汚染のありなしに応じて被測定物を分別する仕分け装置と、この仕分け装置の後段に設けた折りたたみ機と、前記モニタ部と仕分け装置および折りたたみ機の運転を制御する被測定物種別選択操作制御部とを備え、前記被測定物種別選択操作制御部は、選択された被測定物の種別により前記測定コンベアを連続的あるいは間欠的に運転させるとともに、前記選択被測定物の種別に適切な測定線種の検出器の選択と当該検出器の上下間隔の調節とを行うことを特徴とする。
【0021】
被測定物を測定コンベアへ搭載する際の被測定物種別選択操作制御部における選択操作により、種別および形状の異なる大物衣類と小物衣類および成型品の被測定物は、これらを搭載して搬送する測定コンベアの途中で上下に配置した被測定物に近い位置のβ線検出器にて、厚さの薄い大物衣類と小物衣類について高速で放射能汚染測定を行い、形状が大きな成型品は、成型品の大きさにγ線検出器の位置を合わせて比較的低速で汚染測定がされる。
【0022】
汚染測定された大物衣類は、仕分け装置にて仕分けされて折りたたみ機に送られて折りたたまれ、小容積として保管される。また、小物衣類と成型品については、仕分け装置において測定の結果から汚染のありなしで分別され、そのままの形状で保管される。
従って、この対象とする被測定物の種別が共用のランドリモニタ装置によれば、形状および種別の異なる被測定物のいずれについても、汚染測定共に分別保管をすることができる。
また、被測定物種別選択操作制御部により選択された被測定物の種別から、成型品等で測定に長時間を要する場合には、必要に応じて測定コンベアを一時的に停止させる間欠運転を行うことにより適切な汚染測定ができる。
さらに、複数対のプーリに掛け渡したゴムリングによるコンベアのため、搭載した被測定物が滑らず、開口率が高いので測定能力低下の少ない汚染測定ができる。また、複数のゴムリングは、一部に不具合が生じたときは、当該ゴムリングのみを交換することで搬送機能が容易に復旧することができる
【0023】
請求項2記載のランドリモニタ装置は、請求項1において、仕分け装置が、正逆方向に運転自在な仕分けコンベアとこの仕分けコンベアを上下移動可能に支持するコンベア上下位置設定部とからなることを特徴とする。
大物衣類については、仕分け装置は仕分けコンベアをコンベア上下位置設定部により上昇させて、折りたたみ機に搬送する。また、小物衣類と成型品は、仕分けコンベアを下降させると共に、汚染測定の結果により汚染ありと汚染なしで、仕分けコンベアの運転方向を正逆転させることにより分別して保管する。
【0024】
請求項3記載のランドリモニタ装置は、請求項1または請求項2において、被測定物種別選択操作制御部が、被測定物の種別を選択することにより、被測定物の種別と汚染判定結果に応じて前記モニタ部の測定コンベアと上側のβ線検出器およびγ線検出器と仕分け装置および折りたたみ機の運転制御を行うことを特徴とする。
【0025】
被測定物を測定コンベアへ搭載する際の被測定物種別選択操作制御部における選択操作により、種別および形状の異なる被測定物に対応して、β線検出器とγ検出器の上下位置設定と、仕分け装置により大物衣類の折りたたみ機への搬送および折りたたみ保管をする。
【0026】
また、小物衣類と成型品については、仕分け装置において汚染判定の結果に応じた分別による保管を行う。
【0027】
請求項記載のランドリモニタ装置は、請求項3において、被測定物種別選択操作制御部が、選択された被測定物の種別に対応した汚染測定レベルにより被測定物の種別ごとに異なる管理レベルで測定を行わせることを特徴とする。
【0028】
被測定物種別選択操作制御部により選択された被測定物の種別に応じて、予め設定した汚染判定レベルを選択することで、たとえば、被測定物の用途に応じて種別毎に異なる管理レベルでの汚染測定ができる。
【0029】
請求項記載のランドリモニタ装置は、請求項において、被測定物のない状態のβ線検出器とγ線検出器との出力からバックグラウンドを判断して前記モニタ部における被測定物の汚染測定に適切な測定コンベア速度を設定することを特徴とする。
【0030】
データ処理装置においては、予め汚染測定をしていない時のβ線検出器とγ線検出器との出力から、信号レベル(バックグラウンドレベル)を判断し、前記バックグラウンドレベルが高い時には測定コンベア速度を遅く、また、バックグラウンドレベルの低い時には、測定コンベア速度を速くするようにして、汚染測定における適切な測定コンベア速度の設定を行う。
【0031】
請求項記載のランドリモニタ装置は、請求項において、データ処理装置が、β線検出器およびγ線検出器の出力と前記被測定物種別選択操作制御部からの被測定物の選択被測定物種別信号を入力して、前記被測定物の種別ごとに汚染ありなしの分別と処理量を記録することを特徴とする。
データ処理装置においては、被測定物の種別と汚染のありなし、および分別した処理量を記録して、作業員の要求に応じて管理データとして提供する。
【0032】
請求項記載のランドリモニタ装置は、請求項1乃至請求項において、測定コンベアにおいて、後段に補助コンベアを設置すると共にこの補助コンベアの速度を前記測定コンベアと同じか早い速度で運転することを特徴とする。
測定コンベアの速度に比べて後段に設置した補助コンベアの速度を速くすることにより、たとえ連続的に被測定物が送り込まれても、補助コンベアに移る際に速度差により各被測定物相互間の間隔が大きくなるので、仕分けおよび折りたたみ作業や処理数の計数が確実にできる。
【0033】
請求項記載のランドリモニタ装置は、請求項1乃至請求項において、測定コンベアにおいて、被測定物の搭載開始位置で被測定物を保持してβ線検出器およびγ線検出器に送り込む被測定物保持装置を設けたことを特徴とする。
作業員が測定コンベア上で被測定物保持装置に被測定物の先端を送り込むと、その後は手を離しても被測定物は支障なく被測定物保持装置に保持され、測定コンベアによりβ線検出器およびγ線検出器に搬送される。
【0034】
請求項記載のランドリモニタ装置は、請求項において、被測定物保持装置が回転するローラであることを特徴とする。
被測定物の先端は被測定物保持装置であるローラと測定コンベアの間に挟まれて、柔軟性のある被測定物は厚さが薄くなるように押圧して搬送される。
【0035】
請求項10記載のランドリモニタ装置は、請求項において、ローラが弾力性を備えていることを特徴とする。
被測定物はローラと測定コンベアの間に挟まれ、押圧されて搬送されるが、ローラに弾力性があることで、被測定物との接触面積が増加して確実に保持されると共に、被測定物を損傷させることがない。
【0036】
請求項11記載のランドリモニタ装置は、請求項8乃至請求項10において、被測定物保持装置が、先端に回転するローラを取り付けた回動自在の可動レバーとしたことを特徴とする。
【0037】
被測定物保持装置は大物衣類や小物衣類で柔軟性のある被測定物に対しては、可動レバーの角度を余り変化させずに、ローラにより厚さが薄くなるように押圧して搬送する。
【0038】
また、成型品等で形状が変化しない被測定物については、外形に合わせて可動レバーの角度を変化させ、回転するローラを接触させて被測定物を保持する。
【0039】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。なお、上記した従来技術と同じ構成部分については、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
第1実施の形態は請求項1乃至請求項6に係り、図1の側断面図に示すようにランドリモニタ装置25は、β線検出器9aとγ線検出器10a、およびβ線検出器9bとγ線検出器10bの上下間隔を可変としたモニタ部26と、汚染被測定物容器21および非汚染被測定物容器22を備えた仕分け装置27と、出口コンベア16を備えた折りたたみ機17とから構成されている。
【0040】
なお、図1(a)は大物衣類6(上下つなぎ服や下着(上下)等)で折りたたみを実施する場合で、図1(b)は成型品11(長靴や短靴およびヘルメット等)、あるいは小物衣類7(手袋や靴下等)で折りたたみを行わない場合を示している。
【0041】
前記モニタ部26においては、速度が可変の測定コンベア8の途中で、上側に設けたβ線検出器9aとγ線検出器10aは、検出器上下位置設定部28により上下移動可能に支持されている。
また、前記仕分け装置27については、前記モニタ部26と折りたたみ機17との間に設置して、仕分けコンベア29をコンベア上下位置設定部30により、上下移動を可能に構成されている。
【0042】
図2の側断面図は前記モニタ部26で、被測定物である成型品11の汚染測定時を示す。なお、前記モニタ部26は前記検出器上下位置設定部28により、上側のβ線検出器9aとγ線検出器10aを矢印方向28a,28bに上下移動可能で、上下間隔hを任意に設定することができる。
【0043】
従って、成型品11の放射能汚染測定時には、上側のβ線検出器9aとγ線検出器10aを矢印方向28aに移動させて、測定コンベア8に搭載された成型品11が、β線検出器9aに当たることなく、容易に通過可能な上下間隔hに設定することにより、測定コンベア8を矢印方向8aに運転して、成型品11における表面汚染12および内部汚染13をγ線検出器10a,10bにより測定する。
【0044】
なお、被測定物に対応して前記検出器上下位置設定部28による、上側のβ線検出器9aとγ線検出器10aの矢印方向28a,28bへの移動と位置設定は、上記図1に示した被測定物種別選択操作制御部31における選択操作により制御されるように構成している。
【0045】
ここで、前記モニタ部26における上側のβ線検出器9aとγ線検出器10aは、その両方を上下移動可能としているが、このうちでβ線検出器9aのみを上下移動可能な構成としてもよい。
これは、前記γ線検出器10a,10bは感度が高く、内部汚染を測定するため、被測定物に近付ける必要がなく、かえって、その位置を一定距離に保って測定したほうが、正確な測定が可能なためである。
【0046】
一方で、β線検出器9a,9bは、表面汚染を測定するため、被測定物表面との距離を一定に保つ必要がある。従って、β線検出器9aのみを上下移動可能荷することで、測定精度を上げることができる。
また、γ線検出器10a,10bはβ線検出器9a,9bに比べて、大きく重いことから、γ線検出器10aを固定しておくことにより、可動部を小型軽量のβ線検出器9aのみとなり、前記検出器上下位置設定部28が容易に小形化されて、上下移動が軽快で比較的簡単な構造になることから、保守点検が容易になる。
【0047】
次に、前記測定コンベア8の運転速度は、必要に応じて任意に変更可能とすることにより、被測定物の種別と選択した検出器の線種に対応して、適切な速度とすることができる(請求項1)。
【0048】
仕分け装置27については、図3の側断面図で、(a)は被測定物である大物衣類6の放射能汚染測定時で、折りたたみ機17による折りたたみ処理の場合を示す。また、(b)は小物衣類7について、仕分け装置27による分別処理を示している(成型品11の場合も同じ)。
【0049】
上記図3(a)に示すように大物衣類6については、仕分け装置27の仕分けコンベア29をコンベア上下位置設定部30により矢印方向30aに移動させて、前記モニタ部26の測定コンベア8、および折りたたみ機17の出口コンベア16と水平の位置に設定する。
【0050】
次いで、仕分けコンベア29を矢印方向29 に運転することにより、前記モニタ部26で汚染測定が行われ、測定コンベア8にて矢印方向8aに搬送された大物衣類6は、仕分け装置27における仕分けは行われず出口コンベア16に送られて、折りたたみ機17において折りたんで保管される。
【0051】
また、上記図3(b)に示すように小物衣類7、あるいは図示しない成型品11については、仕分け装置27の仕分けコンベア29をコンベア上下位置設定部30により矢印方向30bに移動させて、前記モニタ部26の測定コンベア8より低い位置とする。
【0052】
さらに、前記モニタ部26で汚染測定が行われ、測定コンベア8にて矢印方向8aに搬送された小物衣類7が、汚染ありと判定された場合には、前記仕分けコンベア29を矢印方向29bに運転することにより、前記の汚染した小物衣類7を汚染被測定物容器21に分別して保管する。
なお、前記モニタ部26における測定結果が、汚染なしと判定された場合には、前記仕分けコンベア29を矢印方向29aに運転することで、前記汚染なしの小物衣類7は非汚染被測定物容器22に分別して保管される(請求項2)。
【0053】
また、前記被測定物の折りたたみ処理選択による、仕分け装置27における上下位置設定部30による仕分けコンベア29の矢印方向30aへの移動と位置設定、および、仕分けコンベア29の矢印方向29aへの運転は、上記図1に示した被測定物種別選択操作制御部31における被測定物の種別選択操作により制御される。
【0054】
さらに、前記被測定物の分別処理の選択による、モニタ部26における汚染判定の結果から、仕分け装置27における上下位置設定部30による仕分けコンベア29の矢印方向30bへの移動と位置設定と、仕分けコンベア29の矢印方向29a,29bへの切り替え運転についても、前記被測定物種別選択操作制御部31における被測定物の種別選択操作により行われる。
【0055】
なお、前記被測定物種別選択操作制御部31においては、作業員が被測定物である各種衣類等を測定コンベア8に搭載する際に、被測定物の形態から種別を判断して選択操作をすることにより、予め設定された被測定物の種別と管理レベル等により、適切な測定条件と判定結果に応じた仕分け、および折りたたみ等の分別処理を前記測定コンベア8や検出器上下位置設定部28、およびコンベア上下位置設定部30等に設定するように構成している(請求項3)。
【0056】
前記被測定物種別選択操作制御部31による測定コンベア8等の運転制御は、前記の速度制御だけでなく、選択被測定物の種別に対応して測定コンベア8等を連続的、あるいは測定に長時間を要する成型品11等については、一時的に測定コンベア8等を停止する間欠的の運転制御をすることができる(請求項)。
従って、被測定物である大物衣料6と小物衣料7、および成型品11を混合して、連続的に汚染測定および仕分け処理等を行う際に、それぞれの被測定物に対して、測定および仕分け処理等を適切な時間で効率良く実施することができる。
【0057】
これにより、選択被測定物の種別に対応したβ線検出器9a,9bあるいはγ線検出器10a,10bの選択と、形態の異なる各種衣類等の被測定物における放射能汚染の測定に適切な処理速度が得られる。
【0058】
さらに、前記被測定物種別選択操作制御部31においては、選択した被測定物の種別に連動して測定レベルを選択して、前記選択された被測定物ごとに異なる管理レベルで汚染測定を行う(請求項)。
これにより、例えば着用者の肌に直接触れる下着等の被測定物については、特に厳重な汚染管理を行うことが容易にできる。
【0059】
図4のブロック構成図は、前記モニタ部26の制御経路を示し、β線検出器9a,9bあるいはγ線検出器10a,10bの選択と、測定コンベア8の速度を選択する前記被測定物種別選択操作制御部31に、データ処理装置32を付加した構成としている(請求項)。
【0060】
前記データ処理装置32においては、β線検出器9a,9bおよびγ線検出器10a,10bからの出力と、被測定物種別選択操作制御部31からの選択被測定物別信号を入力して、選択被測定物の種別に対応したβ線検出器9a,9bあるいはγ線検出器10a,10bの選択をする。
【0061】
さらに、被測定物がなく測定をしない時の前記β線検出器9a,9bおよびγ線検出器10a,10bの出力から、バックグラウンドレベルを判断し、このバックグラウンドレベルが高いときは前記測定コンベア8等の速度を遅くするように、バックグラウンドレベルが低いときは速度を速くするように制御をして、当該検出器の状態から適切な測定コンベア8等の速度を選定する(請求項)。
【0062】
また、前記データ処理装置32においては、被測定物種別選択操作制御部31で選択された種別信号を入力すると共に、前記選択された種別ごとに処理量を記録して、被測定物種別ごとの処理量を把握することを可能にする(請求項)。
【0063】
次に、上記構成による作用について説明する。上記図1に示すランドリモニタ装置25によれば、原子力施設の放射線管理区域において作業員が着用した、被測定物である各種衣類等の全てに対して共通に、β線検出器9a,9bおよびγ線検出器10a,10bによる放射能汚染測定と、その判定結果から分別および折りたたみ処理を行うことができる。
【0064】
主な測定対象である被測定物の種別としては、大物衣類6と小物衣類7および成型品11があり、これら被測定物に対する放射能汚染の検出は、材質が繊維主体となっている大物衣類6や小物衣類7は、厚さが薄く容易に平らにすることが可能である。
【0065】
従って、表面汚染と内部汚染の位置が近く、β線検出器9a,9bとの距離も近いので、高感度のβ線検出器9a,9bにより高速で測定することができるが、この内で大物衣類6については、保管効率を良好にする観点等から汚染測定後は、折りたたみ機17において折りたたんで容積を縮小した状態で保管する。
【0066】
また、小物衣類7については、放射能汚染の状態と測定条件は、前記大物衣類6と同様であるが折りたたむ必要がないことから、汚染測定後はそのままの状態で、汚染のあり、汚染のなしにより分別して汚染被測定物容器21あるいは非汚染被測定物容器22に保管する。
【0067】
一方、プラスチックや厚手のゴムが主体の成型品11は、形状が複雑で硬度があり変形させることができず、また内部の充実度等も異なることから表面汚染12と内部汚染13の位置が離れている(図10)。
また、β線検出器9a,9bによる測定では、距離が遠く介在物のある内部汚染13については測定ムラが起き易く、この場合には測定精度に劣ることから、このような条件の被測定物においても均一に測定できるγ線検出器10a,10bを採用する必要がある。
【0068】
従って、成型品11についてはγ線検出器10a,10bにより汚染測定を行い、その後は前記小物衣類7と同様に折りたたみ等をせずに、そのままの状態で汚染のあり、汚染のなしにより分別して汚染衣類容器21あるいは非汚染被測定物容器22に保管する。
【0069】
前記ランドリモニタ装置25における大物衣類6の処理については、上記図1(a)と図4に示すように、作業員が測定コンベア8に被測定物を搭載する際に、被測定物種別選択操作制御部31の操作で選択した大物衣類6の信号から、大物衣類6に適切な測定線種の検出器としてβ線検出器9a,9bが選択される。
【0070】
これにより、検出器上下位置設定部28は上側のβ線検出器9aおよびγ線検出器10aを矢印方向28bに下降させて、β線検出器9aとβ線検出器9bを狭い上下間隔h(図2)に位置させる。
また、仕分け装置27の仕分けコンベア29をコンベア上下位置設定部30により矢印方向30aに上昇させて、モニタ部26の測定コンベア8、および折りたたみ機17の出口コンベア16と水平の位置に設定する。
【0071】
なお、前記モニタ部26の測定コンベア8は矢印方向8aに運転するが、この速度は前記データ処理装置32にてβ線検出器9aとβ線検出器9bによるバックグラウンドレベルを判断し、バックグラウンドレベルが高いときは速度が遅くなるように、また、バックグラウンドレベルが低いときは速度を速くするように制御される。
【0072】
また、前記被測定物が大物衣類6で、β線検出器9aとβ線検出器9bの上下間隔hが狭いことから、高感度測定が可能なために、コンベア速度設定器33により測定コンベア8の速度は比較的高速に設定される。
さらに、前記大物衣類6が作業員の肌に直接触れる下着類の場合には、特に汚染管理を厳重に行うように高い管理レベルを適用する。これには、モニタ部26における汚染判定レベルを上げる必要から、測定コンベア8の速度を遅くする。
【0073】
なお、作業員の肌に直接触れることのない被測定物の場合で、低い管理レベルを適用するものについては、前記測定コンベア8の速度を比較的速くすることにより、処理能力を向上することができる。
ここで、前記測定コンベア8上に平にした大物衣類6を搭載すると、大物衣類6は狭い上下間隔hとした高感度のβ線検出器9aとβ線検出器9bの間を通過する間に、表面あるいは浅い内部における放射能汚染を高速で測定する。
【0074】
これにより、被測定物種別選択操作制御部31の操作からデータ処理装置32を介して、コンベア速度設定器33により測定コンベア8における速度を、β線検出器9a,9bの検出感度に適合させることにより、大物衣類6に対して短時間で効率の高い汚染測定ができる。
【0075】
なお、汚染測定の終了した大物衣類6は、測定コンベア8から仕分けコンベア29および出口コンベア16を経由して、折りたたみ機17において所定の状態に折りたたまれて、容積効率が良く保管される。
この際に、前記データ処理装置32においては、大物衣類6等の汚染測定結果として、被測定物の大物衣類6等の種別ごとに、汚染のあり、汚染のなしの判定と共に処理量等を記録し、これにより、作業員は常に処理内容を容易に把握して管理することができる。
【0076】
前記ランドリモニタ装置25における小物衣類7および成型品11の処理については、ほぼ同様にして行うが、成型品11の場合を例にして、上記図1(b)と図4により説明する。
【0077】
作業員の操作による被測定物種別選択操作制御部31において成型品11を選択した信号から、成型品11に適切な測定線種の検出器としてγ線検出器10a,10bが選択され、検出器上下位置設定部28により上側のβ線検出器9aおよびγ線検出器10aを矢印方向28aに上昇させて、β線検出器9aとβ線検出器9bを広い上下間隔h(図2)に位置させる。
【0078】
また、仕分け装置27の仕分けコンベア29をコンベア上下位置設定部30により矢印方向30bに下降させて、モニタ部26の測定コンベア8、および折りたたみ機17の出口コンベア16より低い位置に設定する。
なお、前記モニタ部26の測定コンベア8は矢印方向8aに運転するが、この速度はデータ処理装置32において、前記γ線検出器10aとγ線検出器10bによるバックグラウンドレベルを判断し、前記上下間隔hが広いことからバックグラウンドレベルが高いので速度が遅くなるようにする。
【0079】
また、前記被測定物が成型品11でγ線検出器10aとγ線検出器10bの上下間隔hが広いことから、低感度の測定となるためにコンベア速度設定器33により測定コンベア8の速度は比較的低速か、必要に応じてγ線検出器10aとγ線検出器10bによる成型品11の測定位置で一時的に停止する間欠運転等の設定がされる。
【0080】
さらに、成型品11および小物衣類7においても、前記大物衣類6の場合と同様に、特に汚染管理を厳重に行う高い管理レベルの適用に際しては、被測定物種別選択操作制御部31における汚染判定レベルを上げるために、測定コンベア8の速度を遅くするが、低い管理レベルを適用するものについては、前記測定コンベア8の速度を比較的速くして処理能力を向上させる。
【0081】
ここで、前記測定コンベア8上に成型品11を搭載すると、成型品11は広い上下間隔hとしたβ線検出器9aとβ線検出器9bの間を通過する間、または間欠運転として停止している間に表面汚染12あるいは内部汚染13を、γ線検出器10a,10bにより正確に測定する。
【0082】
これにより、被測定物種別選択操作制御部31における操作とデータ処理装置32から、コンベア速度設定器33により測定コンベア8における速度を、前記γ線検出器10a,10bの検出感度に適合させることにより、成型品11に対して適切な時間で効率の高い汚染測定ができる。
【0083】
また、前記γ線検出器10a,10bにおける成型品11に対する測定結果から、成型品11に放射能の汚染ありと判定された場合に、前記仕分け装置27の仕分けコンベア29は矢印方向29bに運転される。
これにより、汚染ありの成型品11は、仕分け装置27において仕分けされて、そのままの状態で汚染被測定物容器21に分別して保管される。また、成型品11が汚染なしと判定された場合は、仕分けコンベア29が矢印方向29aに運転されることから、汚染なしの成型品11は、非汚染被測定物容器22に分別して保管される。
【0084】
被測定物が小物衣類7の場合にランドリモニタ装置25では、前記被測定物種別選択操作制御部31の操作によるβ線検出器9a,9bの選択と、検出器上下位置設定部28により上側のβ線検出器9aとγ線検出器10aを矢印方向28bに下降させ、狭い上下間隔hとして汚染測定を行うことは、上記図1(a)に示す大物衣類6の場合と同様である。
しかし、汚染あり、汚染なしと判定された小物衣類7の仕分け装置27による分別と保管等は、上記図1(b)に示す成型品11の場合と同様にして行われる。
【0085】
この際に、前記データ処理装置32においては、前記大物衣類6の場合と同様に、成型品11と小物衣類7等についても汚染測定結果として、被測定物を種別ごとに、汚染のあり、汚染のなしの判定と共に処理量等を記録するので、これにより、作業員は常に処理内容を容易に把握して管理することができる。
【0086】
なお、原子力施設においては、放射線管理区域の入口に前記非汚染被測定物容器22を設置し、前記衣類等の処理量を種類別に管理することで、汚染のない衣類等の補給を途絶えることなく提供することができる。これにより、入域作業員は何時でも汚染のない衣類等を自由に着用することができるので、前記衣類等の管理をする作業員の負担が軽減される。
【0087】
さらに、前記ランドリモニタ装置25においては、前記大物衣類6や小物衣類7および成型物11等のような異なる種別と形状の被測定物が混在し、これらを順不同に測定コンベア8に搭載しても、その都度前記被測定物種別選択操作制御部31における選択操作により、モニタ部26と仕分け装置27および折りたたみ機17の選定と各部の運転位置および速度設定等を適切に行って、汚染測定と判定および分別や折りたたみ保管を実施する。
【0088】
従って、1台のランドリモニタ装置25により、多種類の被測定物の汚染測定処理がほぼ自動的に可能であることから、原子力施設の規模により被測定物の全処理量に見合う能力の台数を設置することで、処理効率が向上すると共に、広い設置場所が不要となり、作業員による被測定物の仕分け、専用ランドリモニタ装置の選択や処理内容の管理業務による負担が軽減される。
【0089】
第2実施の形態は請求項に係り、上記第1実施の形態の変形例であることから、基本構成は上記第1実施の形態と同様である。従って、同じ構成部分と作用効果については省略し、相違する部分について説明する。
図5の要部平面図に示すように、ランドリモニタ装置25におけるモニタ部26の測定コンベア8で後段に、補助コンベア34を設置すると共に、この補助コンベア34の速度v1 を前記測定コンベア8の速度v0 と同じか、あるいは早い速度で運転可能として構成する。
【0090】
上記構成による作用としては、被測定物の汚染測定に際して、たとえば前記補助コンベア34の速度v1 を前記測定コンベア8の速度v0 より高速(v0 <v1 )で運転する。
これにより、複数の衣類等6,7,11が互いに接近してモニタ部26の測定コンベア8に搭載された場合に、各衣類等6,7,11は測定コンベア8から補助コンベア34に乗り移る際に、前記測定コンベア8と補助コンベア34との速度差vd(vd=v1 −v0 )により補助コンベア34に対する滑りにより遅れを生じる。
【0091】
従って、補助コンベア34に乗り移った時に、先行の衣類等6,7,11に対して被測定物間隔35があくことから、図示しない後段の仕分け装置27および折りたたみ機17等における、汚染あり、汚染なしの判定および仕分けと、さらに、折りたたみ機17における折りたたみ等の分別処理の作業が分離されて確実となり、また、処理結果の計測についても高精度で信頼性が向上する。
【0092】
なお、前記複数の衣類等6,7,11を測定コンベア8に搭載した時に、相互の被測定物間隔35が予め十分あいている場合には、補助コンベア34の速度v1 と測定コンベア8の速度v0 に速度差vdがない(vd=v1 −v0 =0)ように設定すれば、作業効率の良い処理が行われる。
【0093】
第3実施の形態は請求項乃至請求項10に係り、上記第1実施の形態の変形例であることから、基本構成は上記第1実施の形態と同様である。従って、同じ構成部分と作用効果については省略し、相違する部分について説明する。
図6の要部側断面図に示すように、ランドリモニタ装置25におけるモニタ部26の測定コンベア8上で、被測定物6,7,11の搭載位置に、被測定物保持装置36を設置する(請求項)。
【0094】
また、この被測定物保持装置36は、前記測定コンベア8上に搭載した大物衣類6や小物衣類7を測定コンベア8上で押圧して、β線検出器9a,9bおよびγ線検出器10a,10bに送り込む部分について、回転するローラ37により構成する(請求項)。
なお、前記被測定物保持装置36における回転するローラ37は、前記大物衣類6や小物衣類7を測定コンベア8に緩衝的に押圧して保持する、例えばスポンジ等の弾力性を備えた材質で、断面を円形または多角形にして構成する(請求項10)。
【0095】
上記構成による作用としては、大物衣類6や小物衣類7については、材質が繊維主体で厚さが薄く容易に平らになるので、たとえば作業員が測定コンベア8に搭載する際に、前記被測定物保持装置36であるローラ37に、大物衣類6や小物衣類7の一部を挟むことで、大物衣類6や小物衣類7の全体が容易に測定コンベア8に保持される。
【0096】
また、被測定物保持装置36により測定コンベア8に一旦保持された後は、作業員が手を離しても引き続きβ線検出器9a,9bおよびγ線検出器10a,10bに対して搬送されるので、作業員の負担が軽減し、この間は他の作業に従事することが可能となることから総合的に作業効率が向上する。
【0097】
なお、成型品11のように形状が変形しない被測定物の場合には、前記被測定物保持装置36により厚さを薄くすることが不可能であり、また必要もないことから、測定コンベア8上で被測定物保持装置36の後段に搭載する。
さらに、前記ローラ37に弾力性を備えることにより、ローラ37と測定コンベア8および衣類等との接触面積を多くすることができ、また、断面を円形または多角形にすることで、衣類等を滑りなく容易に挟み込んで確実な保持と搬送ができる。
【0098】
第4実施の形態は請求項11に係り、上記第3実施の形態の変形例であることから、基本構成は上記第1実施の形態と第3実施の形態に同様である。従って、同じ構成部分と作用効果については省略し、相違する部分について説明する。
【0099】
図7の要部側断面図に示すように、ランドリモニタ装置25におけるモニタ部26の測定コンベア8上で、被測定物である衣類等6,7,11の搭載位置に設ける被測定物保持装置38は、先端に回転するローラ37を取り付けた回動自在の可動レバー39で、この可動レバー39は前記ローラ37により衣類等6,7,11を測定コンベア8上に押圧して保持する構成としている。
【0100】
上記構成による作用としては、前記測定コンベア8上に搭載した被測定物である衣類等の内で、大物衣類6や小物衣類7については、その厚さが薄く変形し易いので、可動レバー39の変化角度を余り変えずに、ローラ37により平らに押圧して保持する。
しかし成型品11については、その形状と大きさに対応して可動レバー39の角度が容易に変化することから、先端の回転するローラ37が押圧して保持することにより測定コンベア8上を搬送させる。
【0101】
第5実施の形態で請求項1に係り、上記第1実施の形態の変形例であることから、基本構成は上記第1実施の形態と同様である。従って、同じ構成部分と作用効果については省略し、相違する部分について説明する。
ランドリモニタ装置25におけるモニタ部26の測定コンベア8を、図8の平面図に示すようにゴムコンベア40とし、両側で同軸に設けた複数対のプーリ41のそれぞれの間にゴムリング42を掛け渡した構成とする。
【0102】
上記構成による作用としては、測定コンベア8には従来から開口率が高いために、β線検出器9a,9bとγ線検出器10a,10bによる汚染測定に際して測定能力低下が少ない、上記図11(b)に示す金網コンベア18を採用している。
【0103】
この金網コンベア18は、細い金属線で編んだループ状の金網で構成されており、適度の張力を与えて運転することから、この張力と繰り返し屈伸で金属線に疲労が生じて切断すると、金網コンベア18を取り外して補修を行う。
この補修作業には熟練者が長時間たずさわると共に、この間の運転休止によりランドリモニタ装置25の稼働率が低下する支障があった。
【0104】
しかしながら、前記測定コンベア8を弾性体で伸縮および屈曲が容易な複数のゴムリング42によるゴムコンベア40とすることで、前記開口率を確保して汚染測定能力を維持すると共に、補修に際しても不具合となった一部のゴムリング42のみを交換するだけで、補修作業が容易であり早急に処理機能の復旧が可能なことから、保全性と稼働率および信頼性が向上する。
【0105】
【発明の効果】
以上本発明によれば、原子力施設で発生する放射能で汚染された各種衣類等の被測定物に対して、各種別に対する専用のランドリモニタ装置を設置する必要がなく、各種衣類等の被測定物に対して共通で汚染測定と分別処理を行うことができる。
これにより、各種衣類等の被測定物の汚染測定と分別処理の作業効率が向上すると共に、ランドリモニタ装置の設置台数と設置場所の削減、および作業員の負担を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る第1実施の形態のランドリモニタ装置の側断面図で、(a)は大物衣類で折りたたみを行う場合、(b)は成型品あるいは小物衣類で折りたたみを行わない場合を示す。
【図2】 本発明に係る第1実施の形態のモニタ部の側断面図。
【図3】 本発明に係る第1実施の形態のランドリモニタ装置の側断面図で、(a)は折りたたみを行う場合、(b)は仕分けの状態を示す。
【図4】 本発明に係る第1実施の形態におけるモニタ部の制御系のブロック構成図。
【図5】 本発明に係る第2実施の形態の測定コンベアの要部平面図。
【図6】 本発明に係る第3実施の形態の測定コンベアの要部側断面。
【図7】 本発明に係る第4実施の形態の測定コンベアの要部側断面。
【図8】 本発明に係る第5実施の形態のゴムコンベアの平面面。
【図9】 β線検出器およびγ線検出器の感度特性図。
【図10】 汚染測定の模式図で、(a)は成型品を、(b)は大物衣類の場合を示す。
【図11】 従来のランドリモニタ装置の側断面図で、(a)は大物衣類用、(b)は金網コンベアの要部平面図、(c)は小物衣類用、(d)は成型品用を示す。
【符号の説明】
1…感度特性曲線(γ線検出器)、2…感度特性曲線(β線検出器)、3…γ線検出器の使用可能領域、4…β線検出器の使用可能領域、5,15,24,26…モニタ部、6…大物衣類、7…小物衣類、8…測定コンベア、8a,20a,20b,28a,28b,29a,29b,30a,30b…矢印方向、9a,9b…β線検出器、10a,10b…γ線検出器、11…成型品、12…表面汚染、13…内部汚染、14…大物被測定物ランドリモニタ装置、16…出口コンベア、17…折りたたみ機、18…金網コンベア、19…小物被測定物ランドリモニタ装置、20…仕分け部、…矢印方向、21…汚染被測定物容器、22…非汚染被測定物容器、23…成型品ランドリモニタ装置、25…ランドリモニタ装置、27…仕分け装置、28…検出器上下位置設定部、29…仕分けコンベア、30…コンベア上下位置設定部、31…被測定物種別選択操作制御部、32…データ処理装置、33…コンベア速度設定器、34…補助コンベア、35…被測定物間隔、36,38…被測定物保持装置、37…ローラ、39…可動レバー、40…ゴムコンベア、41…プーリ、42…ゴムバンド、h…上下間隔。

Claims (11)

  1. 被測定物を搬送する測定コンベアと前記被測定物を上下から挟んで被測定物に近い側から順に放射線測定用のβ線検出器とγ線検出器を配置すると共に前記上側のβ線検出器およびγ線検出器のうち少なくともβ線検出器の位置を前記被測定物の大きさに合わせて上下移動可能に支持したモニタ部と、このモニタ部の後段に設けた被測定物の種別と放射能汚染のありなしに応じて被測定物を分別する仕分け装置と、この仕分け装置の後段に設けた折りたたみ機と、前記モニタ部と仕分け装置および折りたたみ機の運転を制御する被測定物種別選択操作制御部とを備え
    前記被測定物種別選択操作制御部は、選択された被測定物の種別により前記測定コンベアを連続的あるいは間欠的に運転させるとともに、前記選択被測定物の種別に適切な測定線種の検出器の選択と当該検出器の上下間隔の調節とを行い、さらに、前記測定コンベアが、複数対のプーリのそれぞれにゴムリングを掛け渡したことを特徴とするランドリモニタ装置。
  2. 前記仕分け装置が、正逆方向に運転自在な仕分けコンベアとこの仕分けコンベアを上下移動可能に支持するコンベア上下位置設定部とからなることを特徴とする請求項1記載のランドリモニタ装置。
  3. 前記被測定物種別選択操作制御部が、被測定物の種別を選択することにより、被測定物の種別と放射能汚染判定結果に応じて前記モニタ部の測定コンベアと上側のβ線検出器およびγ線検出器と仕分け装置および折りたたみ機の運転制御を行わせることを特徴とする請求項1または請求項2記載のランドリモニタ装置。
  4. 前記被測定物種別選択操作制御部が、選択された被測定物の種別に対応した汚染測定レベルにより被測定物の種別ごとに異なる管理レベルで測定を行わせることを特徴とする請求項記載のランドリモニタ装置。
  5. 被測定物のない状態のβ線検出器とγ線検出器との出力からバックグラウンドを判断して前記モニタ部における被測定物の汚染測定に適切な測定コンベア速度を設定することを特徴とする請求項記載のランドリモニタ装置。
  6. β線検出器およびγ線検出器の出力と前記被測定物種別選択操作制御部からの被測定物の選択被測定物種別信号を入力して、前記被測定物の種別ごとに汚染ありなしの分別と処理量を記録することを特徴とする請求項記載のランドリモニタ装置。
  7. 前記測定コンベアにおいて、後段に補助コンベアを設置すると共にこの補助コンベアの速度を前記測定コンベアと同じか早い速度で運転することを特徴とする請求項記載のランドリモニタ装置。
  8. 前記測定コンベアにおいて、被測定物の搭載開始位置にて被測定物を保持してβ線検出器およびγ線検出器に送り込む被測定物保持装置を設けたことを特徴とする請求項記載のランドリモニタ装置。
  9. 前記被測定物保持装置が、回転するローラであることを特徴とする請求項記載のランドリモニタ装置。
  10. 前記ローラが、弾力性を備えていることを特徴とする請求項記載のランドリモニタ装置。
  11. 前記被測定物保持装置が、先端に回転するローラを取り付けた回動自在の可動レバーとしたことを特徴とする請求項乃至請求項10記載のランドリモニタ装置。
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