JP3827525B2 - 返信封書付き封書用シート - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、同一方向に巻き込むように折り重ねて封書を作成するためのシートであるとともに、返信用の封筒も備えた、返信封筒付き封書用シートに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種返信封筒付き封書用シートは、二枚の用紙を重ねて幅方向一端側で揃えて三周縁で接着し、天地方向端の接着部分の各内側にそれぞれ開封用ミシン目を設け、幅方向他端の開口端側には封緘部を設ける一方、この開口端と反対側接着端との所定位置には切り用ミシン目を境として返信用封筒部を形成し、封書作成時に内側に位置する用紙の返信用封筒部以外の部分で返信用紙を構成しているのが一般的である。そして、この構成では、前記返信用紙を返信用封筒に挿入しうる大きさとするために、前記返信用紙の前記各開封ミシン目の内側に沿って、これらと平行に切り用ミシン目をさらに設けなければならない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、この従来例によると、返信用紙を返信用封筒に挿入しうる大きさにするために、封書開封後に必要な、三周縁に設けられた切り用ミシン目の切断動作が煩雑であるという不都合がある。また、往信時の通知情報の表示部分は、返信用紙以外の用紙の重ね合わせ面側だけなので、通知情報の量が少ないという不都合もある。本発明は、このような不都合を解消することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために、本発明の請求項1に記載した返信封筒付き封書用シートは、天地方向の長さが等しい上用紙と下用紙とを重ね合わせ幅方向一端側で揃えて三周縁で接着し、天地方向端の各接着部分の内側にはそれぞれ開封用切り取り部を設け、前記下用紙の幅方向他端に位置する開口端は前記上用紙よりも延出して往信用封緘部を設ける一方、前記上用紙と前記下用紙の幅方向一端側接着端から異なった間隔をおいて前記各用紙にそれぞれ切り取り部を設け、通知情報表示部と、前記各切り取り部側が開口端となる一辺開口型の返信用封筒部とを区画形成し、この返信用封筒部の開口端側には、一方の切り取り部に沿って返信用封筒封緘部を設け、前記各用紙よりも天地方向及び幅方向の長さがいずれも短い返信用紙である中用紙を、前記返信用封筒部内に一端側を挿入した状態で、前記上用紙又は前記下用紙の少なくともいずれか一方に分離可能に接着し、前記下用紙の表出面側においては、前記上用紙を内側にして前記返信用封筒部端から前記往信用封緘部に向けて、同一方向に巻き込むように折り重ねて封書とした際に下用紙の表出する通知情報表示部に、往信用宛名情報表示領域と往信用差出人情報表示領域とを設けたものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に基づいて本発明の好適な実施形態を説明する。ここにおいて、図1は返信封筒付き封書用シートの上用紙側を示す平面図、図2は同じく下用紙側を示す平面図、図3は図1のX−X線断面図、図4は同じくY−Y線断面図、図5は下用紙の重ね合わせ面側を示す平面図、図6は作成した封書の宛名表示面側を示す平面図、図7は同じく差出人表示面側を示す平面図、図8は封書を開封し上用紙の情報表示部分を切り取った状態を示す平面図、図9は作成した返信用封筒の差出人表示面側を示す平面図である。
【0006】
図1〜図4に示すように、返信封筒付き封書用シート1は、天地方向(短手方向)の長さが等しい上用紙2と下用紙3とを三周縁で糊4a,4b,4cで接着し、天地方向端の各糊4a,4bによる接着部分の内側には、それぞれ開封用切り取り部たる開封用ミシン目5a,5bを設けている。また、前記下用紙3の幅方向(長手方向)一端に位置する開口端は前記上用紙2よりも延出し、折り用ミシン目6を境として切り用ミシン目7a,7bを設けた往信用封緘部7を形成している。
【0007】
図3で理解できるように、上用紙2と下用紙3の幅方向の開口端とは反対側に位置する接着端側には、前記各用紙2,3にそれぞれ設けた切り取り部たる切り用ミシン目8,9を境に、これら各切り用ミシン目8,9と各開封用ミシン目5a,5bで区画形成する、返信用封筒部10を形成している。また、上用紙2と下用紙3における前記各切り用ミシン目8,9から往信用封緘部7側の部分で通知情報表示部を形成する。前記返信用封筒部10は、前記各開封用ミシン目5a,5bの内側で糊11a,11bにより接着された返信用封筒上紙2aと返信用封筒下紙3aとからなり、前記各切り用ミシン目8,9側が開口端となった一辺開口型封筒である。
【0008】
この返信用封筒部10は、返信用封筒上紙2aの表出面が返信差出人情報表示面となり、ここには返信差出人情報12を適宜時期に印字により表示する。また、返信用封筒下紙3aの表出面が返信宛名情報表示面となり、ここには返信宛名情報13を適宜時期に印刷により表示する。さらに、返信用封筒部10の開口端側には、返信用封筒下紙3aの切り用ミシン目9に沿って、帯状に設けた粘着剤14を剥離紙15で被覆してなる返信用封筒封緘部を設けている。
【0009】
一方、上用紙2の切り用ミシン目8を境に返信用封筒上紙2aと連接する部分の両面の通知情報表示部2b,2cは、表出面側の通知情報表示部2bには、図1に示すように、「○○カード入会のご案内」の標題とともに案内文16を適宜時期に印刷により表示し、重ね合わせ面側の通知情報表示部2cには、規約条項17を適宜時期に印刷により表示する(図3参照)。そして、下用紙3の切り用ミシン目9を境に返信用封筒下紙3aと連接する部分の重ね合わせ面側の通知情報表示部3bには、図5及び図8に示すように、「○○カードの特典」の標題とともに説明文18を適宜時期に印刷により表示する(図3参照)。
【0010】
また、図2に示すように、下用紙3の表出面側には、切り用ミシン目9を境に返信用封筒下紙3aと連接する部分における、上用紙2を内側にして前記返信用封筒下紙3a端から往信用封緘部7に向けて、同一方向に巻き込むように、A,B,Cで示す折り位置で折り重ねて封書30(図6及び図7参照)とした際に表裏に表出する部分、すなわち、折り位置Bより往信用封緘部7側のうち、折り位置Cと前記往信用封緘部7との間を往信用宛名情報表示領域3cとして、往信用宛名情報19を適宜時期に印字により表示する。なお、返信封筒付き封書用シート1における返信用封筒部10端から折り位置A、折り位置Aから折り位置B、折り位置Bから折り位置C、折り位置Cから折り用ミシン目6、の各間隔はほぼ等しく設定している。
【0011】
同じく図2に示すように、もう一方の表出部分となる折り位置Cと折り位置Bとの間を往信用差出人情報表示領域3dとして、往信用差出人情報20を適宜時期に印刷により表示する。さらに、封書作成時に中に隠れる部分となる、前記折り位置Bから切り用ミシン目9側の部分には、入会勧誘文21を適宜時期に印刷により表示する。
【0012】
またさらに、図3、図4及び図8に示すように、上用紙2及び下用紙3よりも天地方向及び幅方向の長さがいずれも短い中用紙22を、返信用封筒部10内に一端側を挿入した状態で、挿入端を糊23で下用紙3に接着し、この接着部分の内側に切り用ミシン目24を設けて、分離可能にしている。この中用紙22は、申込情報記入捺印欄25を設けた入会申込書として形成され、前記申込情報記入捺印欄25に所定事項を記入し、捺印の後、返信用封筒部10に入れて返送される返信用紙である。
【0013】
続いて、上述のように構成した返信封筒付き封書用シート1の使用方法について説明する。図1〜図4状態にある返信封筒付き封書用シート1を、上用紙2が内側に位置する図1状態において、前記上用紙2の切り用ミシン目8に対応する折り位置Aから往信用封緘部7側の各開封用ミシン目5a,5bの外側部分に接着剤(図示せず)を塗布した後、返信用封筒部10(図3参照)端から前記往信用封緘部7に向けて、同一方向に巻き込むように、図示していない公知の折り機によって、A,B,Cで示す各折り位置で順次折り重ねて、前記各開封用ミシン目5a,5bの外側部分を接着する。さらに、前記往信用封緘部7の切り用ミシン目7bから外側の重ね合わせ面側に接着剤(図示せず)を塗布して、折り用ミシン目6で前記往信用封緘部7を折り重ねて封緘し、封書30(図6及び図7参照)とする。
【0014】
この封書30作成に際しての折り動作は、大きさの相違する中用紙22は上用紙2と下用紙3との間に挿入した状態にあって外部に露出せず、前記上用紙2と前記下用紙3とはほぼ同一大で、三周縁で接着しているので、用紙が引っ掛かることなく円滑になされる。作成した封書30は、図6及び図7に示すように、往信用宛名情報19と往信用差出人情報20が、表裏面に表出した状態となり、通常の封書と同様に投函可能となる。
【0015】
この封書30を受領した宛名人は、各開封用ミシン目5a,5bを破断するとともに、往信用封緘部7の各切り用ミシン目7a,7bの間の帯状部分を捲り上げて分離し、前記封書30を開封する。そして、返信封筒付き封書用シート1を展開し、切り用ミシン目8を破断して通知情報表示部2b側を分離すると、図8状態となる。この状態からさらに、中用紙22を引っ張ると、切り用ミシン目24が破断して、前記中用紙22は分離する。そして、切り用ミシン目9を破断して通知情報表示部3b側を分離すると、返信封筒部10が独立した状態となる。
【0016】
したがって、分離した入会申込書である中用紙22の申込情報記入捺印欄25に必要情報を記入、捺印後、この中用紙22を適宜折り畳んで返信封筒部10に挿入し、剥離紙15を剥離して粘着剤14を露出し、これを返信封筒上紙2aの開口端に折り重ねて前記粘着剤14で接着すると、図9に示すような封緘した返信封筒31となる。この中用紙22の返信用封筒部10への挿入は、前記中用紙22が返信用封筒上紙2aと返信用封筒下紙3aの間に挿入されていたので、前記両紙2a,2bの間には適宜な空間が確保されることになるから、容易になされる。
【0017】
そして、返信封筒31には、返信宛名情報13が返信封筒下紙3aに表示され、返信差出人情報12が封筒上紙2aに表示されているので、通常の封書と同様に投函可能である。この返信封筒31の開封は、通常と同様に、ハサミなどを用いて一端縁を破断すればよい。
【0018】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、例えば、往信用封緘部7や返信封筒用封緘部14,15の構成が上述したものに限らないことはもちろんである。また、中用紙22は、返信封筒下紙3aでなく、通知情報表示部3bに分離可能に接着したり、返信用封筒上紙2aや、通知情報表示部2cに分離可能に接着してもよいものである。
【0019】
【発明の効果】
以上説明したように、本願発明の請求項1に記載した返信封筒付き封書用シートによれば、中用紙があらかじめ返信用封筒に挿入可能な大きさに形成されているので、余分なミシン目の切断動作が不要で挿入時に手間がかからず、また、中用紙は一端側で返信用封筒部に挿入されているので、返信用封筒に挿入用空間が確保されて、挿入作業が容易であり、さらには、他の用紙より小さな中用紙は他のほぼ同一大の用紙の間に位置して表出しないので、折り機で折り重ねる際に用紙が引っ掛かるようなことがなく、折り適性に優れ、加えて、通知情報表示部を設けたので、通知情報を表示する部分を充分に確保できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】返信封筒付き封書用シートの上用紙側を示す平面図。
【図2】同じく下用紙側を示す平面図。
【図3】図1のX−X線断面図。
【図4】同じくY−Y線断面図。
【図5】下用紙の重ね合わせ面側を示す平面図。
【図6】作成した封書の宛名表示面側を示す平面図。
【図7】同じく差出人表示面側を示す平面図。
【図8】封書を開封し上用紙の情報表示部分を切り取った状態を示す平面図。
【図9】作成した返信用封筒の差出人表示面側を示す平面図。
【符号の説明】
1 返信封筒付き封書シート
2 上用紙
2a 返信用封筒上紙
2b,2c 通知情報表示部
3 下用紙
3a 返信用封筒下紙
3b 通知情報表示部
3c 往信用宛名情報表示領域
3d 往信用差出人情報表示領域
4a,4b,4c,11a,11b,23 糊
5a,5b 開封用ミシン目
6 折り用ミシン目
7 往信用封緘部
8,9,24 切り用ミシン目
10 返信用封筒部
12 返信差出人情報
13 返信宛名情報
14 粘着剤
15 剥離紙
19 往信用宛名情報
20 往信用差出人情報
22 中用紙
25 申込情報記入捺印欄
30 封書
31 返信封筒
Claims (1)
- 天地方向の長さが等しい上用紙と下用紙とを重ね合わせ幅方向一端側で揃えて三周縁で接着し、天地方向端の各接着部分の内側にはそれぞれ開封用切り取り部を設け、前記下用紙の幅方向他端に位置する開口端は前記上用紙よりも延出して往信用封緘部を設ける一方、前記上用紙と前記下用紙の幅方向一端側接着端から異なった間隔をおいて前記各用紙にそれぞれ切り取り部を設け、通知情報表示部と、前記各切り取り部側が開口端となる一辺開口型の返信用封筒部とを区画形成し、この返信用封筒部の開口端側には、一方の切り取り部に沿って返信用封筒封緘部を設け、前記各用紙よりも天地方向及び幅方向の長さがいずれも短い返信用紙である中用紙を、前記返信用封筒部内に一端側を挿入した状態で、前記上用紙又は前記下用紙の少なくともいずれか一方に分離可能に接着し、前記下用紙の表出面側においては、前記上用紙を内側にして前記返信用封筒部端から前記往信用封緘部に向けて、同一方向に巻き込むように折り重ねて封書とした際に下用紙の表出する通知情報表示部に、往信用宛名情報表示領域と往信用差出人情報表示領域とを設けたことを特徴とする返信封書付き封書用シート。
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