JP3827181B2 - フライフィッシング用のティペット巻取り具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、フライフィッシング(西洋風毛バリ釣り)において、釣り場を移動する等ラインをリールに巻き取る必要がある場合に、ラインの巻き取りと同時にティペットをも巻き取って、巻き取り時にラインとリーダーの接続部(リーダーコネクタ)がトップガイドに引っかかることをなくしたフライフィッシング用のティペット巻取り具に関する。
【0002】
【従来の技術】
イワナやヤマメといった渓流魚を対象とした釣りとして、「フライ(FLY)」という主に水生昆虫(カゲロウやトビケラやユスリカなど)を模した毛バリを用いたフライフィッシングが存在する。このフライフィッシングは、ロッド(釣竿)に釣り糸を付けて魚を釣り上げるという基本的なシステムは従来の釣りと変わりないが、餌の代わりにフライを結び、フライラインをムチの要領で遠くのポイントまでキャストすることを前提としたシステムであり、頻繁にキャスティングを繰り返す釣りであることから、重量面や素材、又は道具類の設計面でも、それらを前提とした極めて合理的なシステムとして完成されている。
【0003】
図3は、このフライフィッシングに用いる必須の道具を示したもので、水生昆虫等を模したフライ21と、他の釣りでいうハリスに相当するティペット22と、他の釣りでいう釣り糸に相当するリーダー23と、フライフィッシング独特のもので釣り糸とロッドの機能を合わせ持つライン24と、このライン24を収納するためにロッドのグリップ25に取り付けられたリール26と、ロッド27と、から構成されている。このうち、ライン24とリーダー23は先端にいくほど細くなるテーパー構造になっており、この構造によって、オモリがなくても軽いフライ21を遠くまで的確に飛ばせるようになっている。なお、このライン24とリーダー23は、通常、リーダーコネクタ28又はこれに代わる結び目(ノット)を用いて接続されている。ロッド27は軽さと柔軟性を重視して、2mから3mぐらいのものが一般的である。また、リール26は、海釣りなどで使うリールとは構造的に異なり、基本的に魚とのやりとりを行うためのものではなく(魚とのやりとりは、魚の引きに応じてライン24をたぐり、徐々に手前に引き寄せることにより行う)、ライン24を収納しておくためのものである。グリップ25の上方にはフライ21を引っかけて止めるためのフックキーパー29が備えられ、ロッドの中間所定個所にはライン24を通すためのガイド30,30…が、また、ロッドの先端にはライン24を通すためのトップガイド31がそれぞれ備えられている。
【0004】
そして、上記リール26は、図4に詳細を示すように、グリップ25に着脱自在に取り付けられた本体部26aと、その本体部26aに回転自在に取り付けられたスプール部26bとからなっており、ライン24はこのスプール部26bのライン収納部に巻き付けられている。このスプール部26bの表面には、軽量化と水切れを意図して多数のホイール孔Wが三重に形成されている。
【0005】
このように構成したフライフィッシング用具において、フライフィッシングを行う場合には、狙ったポイントにフライ21をキャストした後、グリップ25を持った右指で軽くライン24をホールドし、左手でたるませた手前のライン24を軽く握っておく。フライ21を流れに乗せて2〜3m程度流し反応を見る。反応がなくとも同じ所を2,3回は流してみる。
その後反応がない場合には、次のポイントへ移ることになる。この時、なるべくフォルスキャストを行いながら移動するのが好ましいが、場所によっては、フォルスキャストを行いながらの移動が不可能な場合がある。この場合には、ライン24を左手に巻いたり、ライン24をリール26に巻き取って、移動することになる。
そして、アタックがあったら、軽くロッド27をあおり合わせる。フッキングしたらロッド27を立て、魚の引きに応じて徐々に手前に引き寄せ、ネット等で魚を捕獲する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記したフライフィッシングにおいて、釣り場を移動する場合、ライン24を左手に巻いたり、リール26に巻き取ったりする必要があるが、ライン24を左手に巻き取る場合には慣れていないとライン24が絡まったりして後でほぐすのが面倒である。また、リール26に巻き取る場合には、図5に示すように、ライン24とリーダー23の接続部分であるリーダーコネクタ28又はこれに代わる結び目がトップガイド31に引っかかってしまって、うまく巻き取れないことがある。そして、巻き取り中にリーダーコネクタ28又はこれに代わる結び目がトップガイド31に引っかかった場合には、ロッド27を一旦下に置いてロッド先端のトップガイド付近を一方の手に持ち、他方の手でトップガイド31に引っかかったリーダーコネクタ28又はこれに代わる結び目を外すことが必要となる。
【0007】
ところがこの作業は結構面倒な作業であり、足場が悪い場所とか狭い場所などではロッドを下に置く都合上作業しにくく、無理に引っ張ってトップガイド31を破損したりすることがあった。
【0008】
本発明はかかる実情に鑑みなされたもので、ラインの巻き取りを基端側からリールで行うと同時に、リールに付けたティペット巻取り具で先端側からティペットをも巻き取るようにして、ラインの巻き取り量を通常の巻き取り量の約半分に押さえ、ラインとリーダーの接続部がトップガイドを越えない位置で巻き取りが完了できるようにした着脱可能であり、構造簡単で、製作も容易であり、しかも軽量で且つ安価なフライフィッシング用のティペット巻取り具を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のフライフィッシング用のティペット巻取り具は、フライフィッシングにおいて用いられるアウトスプール型リールのティペット巻取り具において、該巻取り具は、スプール部外側円周方向に略等間隔に3〜5個着脱可能に係止され、ライン収納時、ラインの巻き取りと同時に、ティペットの巻き取りを行うことができる巻取り部を備えたことを特徴とする。
従って、市販の従来からあるアウトスプール型リールに簡単に後付けすることができる と共に、着脱が可能なので、フィッシングの現場でも着脱ができ、大変便利である。
また、前記ティペット巻取り具は、コ字形又は山形に硬質針金状部材を折曲して形成され、その両基端部をスプール部軸方向内側に折曲すると共に、その基端部基端をスプール部周方向外側に拡開して、スプール部表面の少なくとも二個所のホイール孔に差し込んで弾発係止できる係止部と、基端部後方の中央先端寄りをスプール部軸方向外側に折曲すると共に、その先端をスプール部周方向外側に折曲して、ティペットを巻き取ることのできるU字状の巻取り部とを備えてなることを特徴とする。
前記ティペット巻取り具は、前述したように、比較的身近にある硬質針金状部材を折曲して形成されるので、簡単構造で、軽量であり、製作が容易且つ安価である。
【0010】
本発明は、このような構造を採ることにより、ラインの巻き取り量を通常の巻き取り量の約半分に押さえ、ラインとリーダーの接続部がトップガイドを越えない位置で巻き取りが完了できるようにしたものである。つまり、釣り糸部分をその基端側(ライン側)と先端側(ティペット側)の双方から巻き取ることによって、ラインの巻き取り量自体を減らして、ラインとリーダーの接続部であるリーダーコネクタがトップガイドまで届かないうちに巻き取りを完了させて、移動やその後のフィッシング操作を良好に行えるようにしたものである。
【0011】
そして、ラインの巻き取りに際しては、ティペット先端のフライをティペット巻取り具に直接引っかけてからティペットを巻取り部に絡ませ、例えば、左手でラインとティペット双方にややテンションをかけながら右手でリールを巻くと、ラインはスプール部のライン収納部に巻き取られ、一方、ティペットはスプール部外側の巻取り具の巻取り部に巻き取ることができる。その結果、ラインの巻き取りは、通常の約半分で完了し、ラインとリーダーの接続部(リーダーコネクタ)がトップガイドに到達しないうちに終了する。したがって、このティペット巻取り具をリールに備えれば、リーダーコネクタ又はこれに代わる結び目がトップガイドに引っかかって取り外しが面倒であるといった不具合は発生しない。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。図1はリールと別体に形成しリールスプール部のホイール孔に弾発係止して取り付けるタイプのティペット巻取り具の斜視図、図2はこのティペット巻取り具をリールのスプール部に取り付けた状態を示す斜視図である。なお、前記した図3乃至図5と同一の部材には同一の符号を付して説明する。
【0013】
図1及び図2において、このフライフィッシング用のティペット巻取り具10は、硬質針金状部材をコ字状に折曲した後、両基端部(リール26のスプール部26b側)をアウトスプール型リール26のスプール部26b軸方向内側に折曲すると共に、その基端部基端をスプール部26b周方向外側に拡開して、スプール部26b表面の二個所のホイール孔W,Wに差し込んで弾発係止できる係止部11,11を有している。基端部寄り後方の中央部はスプール部26b周方向に沿わせる。
そして、中央部先端寄りをスプール部26b軸方向外側に折曲すると共に、その先端をスプール部26b周方向外側に折曲して、ティペット22を巻き取ることのできるU字状の巻取り部12,12を形成する。
【0014】
そして、係止部11,11を、三重に形成されたスプール部26b表面のホイール孔の内、例えば、真ん中の周状配列のホイール孔Wに、バランスを取りつつほぼ等間隔に4個(3個乃至5個も可能)の巻取り具10,10…を配置し、スプール部26b表面外周にティペット22の巻取り部12,12…を配列する(図2参照)。
【0015】
このティペット巻取り具10は、図1及び図2に示した実施形態のように、リール26と別体に形成してその係止部11,11をスプール部26bのホイール孔W,Wに弾発係止して取り付けるようにすれば、市販の従来からあるアウトスプール型リール26にそのまま適用できて好ましい。
【0016】
このように形成したティペット巻取り具10をリール26のスプール部26b表面に設けることにより、ライン24の巻き取りに際し、ティペット先端のフライ21を巻取り具10の適当個所(例えば、巻取り部12)に引っかけてからティペット22を該巻取り具10の巻取り部12に絡ませ、左手(右手)で持ってライン24とティペット22双方にややテンションをかけながら右手(左手)でリール26を巻くと、ライン24はスプール部26bのライン収納部に巻き取られ、ティペット22はスプール部26b外側に取り付けたティペット巻取り具10に巻き取られる。その結果、ライン24の巻き取りは、通常の約半分で完了し、ライン24とリーダー23の接続部(リーダーコネクタ)28がトップガイド31に到達しないうちに終了する。したがって、このティペット巻取り具10をリール26に備えれば、リーダーコネクタ28又はこれに代わる結び目がトップガイド31に引っかかって取り外しが面倒であるといった不具合は発生しない。
【0017】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、ティペット巻取り具をリールのスプール部表面に取り付けることにより、釣り場を移動する等ラインをリールに巻き取る必要がある場合に、リールへのラインの巻き取りと同時に、釣り糸部分の先端側のティペット側からも取付け具によって巻き取ることができるので、ラインの巻き取り量を通常の巻き取り量の約半分に押さえ、ラインとリーダーの接続部がトップガイドを越えない位置で巻き取りを完了することができる。それ故、ラインとリーダーの接続部がトップガイドに引っかかることがなくなり、ポイントの移動やその後のフィッシング操作を良好に行うことができる。
また、本発明のティペット巻取り具は、市販の従来からあるアウトスプール型リールに簡単に後付けすることができ、しかも、軽量で、簡単な構造なので製作が容易で安価である。更に、リールに着脱可能なので、フィッシングの現場でも着脱ができ、大変便利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態を示すティペット巻取り具の斜視図である。
【図2】 同じくティペット巻取り具をリールのスプール部に取り付けた状態を示す斜視図である。
【図3】 フライフィッシングに用いる必須の道具を示した斜視図である。
【図4】 グリップへのリール取付状態を示す斜視図である。
【図5】 ロッドの先端部分を示す斜視図である。
【符号の説明】
10 ティペット巻取り具
11 係止部
12 ティペット巻取り部
21 フライ
22 ティペット
23 リーダー
24 ライン
25 グリップ
26 リール
26a 本体部
26b スプール部
27 ロッド
28 リーダーコネクタ
29 フックキーパー
30 ガイド
31 トップガイド
W ホイール孔
Claims (2)
- フライフィッシングにおいて用いられるアウトスプール型リールのティペット巻取り具において、
該巻取り具は、スプール部外側円周方向に略等間隔に3〜5個着脱可能に係止され、ライン収納時、ラインの巻き取りと同時に、ティペットの巻き取りを行うことができる巻取り部を備えたことを特徴とするフライフィッシング用のティペット巻取り具。 - 前記ティペット巻取り具は、コ字形又は山形に硬質針金状部材を折曲して形成され、その両基端部をスプール部軸方向内側に折曲すると共に、その基端部基端をスプール部周方向外側に拡開して、スプール部表面の少なくとも二個所のホイール孔に差し込んで弾発係止できる係止部と、基端部後方の中央先端寄りをスプール部軸方向外側に折曲すると共に、その先端をスプール部周方向外側に折曲して、ティペットを巻き取ることのできるU字状の巻取り部とを備えてなる請求項1記載のフライフィッシング用のティペット巻取り具。
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JPH10327728A JPH10327728A (ja) | 1998-12-15 |
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1997
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