JPH0711581Y2 - 伸縮式釣竿及びたも等の釣り道具 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は伸縮自在に設けられる振出し式の釣竿及びたも
等の釣り道具の改良に関する。

〔従来の技術〕

例えば渓流においてあまご等の釣を行なう場合において
は一般的に周囲に草木が繁茂し、充分な空間が得られな
い場合が多い。

そしてこの様に周囲に草木が繁茂する状態、或いは背後
に送電線が架設されている状態において、竿を振り出し
たり、引き上げたりすれば竿が草木に引掛ったり、送電
線に触れるという不具合を生ずる事となる。

そこで従来この様な草木が繁茂したり、或いは送電線が
架設されている場所において釣を行なう場合には、所謂
「提灯釣り」即ち、伸縮式の竿を使用し、これを順次水
平方向に向けて引き出し乍ら、或いはこれを収縮させ乍
ら行なう方法が一般的に用いられている。

しかし乍ら上記の様な所謂「提灯釣り」方法では竿の引
き寄せ操作が面倒である事に加えて、迅速に行なう事が
出来ないためにかかった魚を逃がしてしまう場合が多い
等の不具合を生じているのが実状である。

〔考案が解決しようとする課題〕

本考案は上記の様な従来の実状に鑑みてその改善を試み
たものであって、本考案の課題は所謂「提灯釣り」を行
なう場合において、竿及びたもを迅速に手元に引き寄せ
ることが出来る様にする事にある。そして上記課題を実
現する為のその具体的な手段と作用は次の通りである。

〔課題を解決するための手段〕 元竿の中空部内に出没自在に収納する複数本の番節の
内任意の中間番節の先端部に元竿の中空部内径と略同径
寸法に形成するフランジを取り付ける。

元竿にはリールを取り付け、同リールに巻回するワイ
ヤーの先端部を上記中間番節に連結させる。

〔作用〕

元竿より各番節が引き出された状態において、リールを
巻き取り方向に巻回させる事により、リールと連結する
中間番節が元竿内に向けて引き寄せられると共に、同中
間番節よりも元竿側に位置する各番節が上記中間番節の
先端部に取り付けられるフランジに当接し、リールに連
結する中間番節と一緒に元竿内に向けて引き寄せられ
る。

〔実施例〕

以下に本考案の具体的な実施例を釣竿について説明す
る。

第１図乃至第４図には第１の実施例を表わす図面であっ
て、Ａは本考案に係る振出し式の釣竿を示す。同釣竿Ａ
において、11は元竿であって、11aは袴、11bは竿尻リン
グを夫々表わす。同元竿11は上下両端部に開口部を存し
て中空長筒状に形成され、その一方（下方）の開口部に
は下栓11cが、又、もう一方（上方）の開口部には上栓
（11d）が夫々着脱自在に嵌合される。そして又、同元
竿１の中空部内には10番節10〜２番節２及び穂先１が夫
々出没自在に収納される。更に具体的には10番節10〜２
番節２は夫々中空長筒状に径されると共に、各番節は10
番節10より２番節２に到るに従い順次小径となる様に形
成される。即ち、10番節10は元竿11の中空部内に収納可
能な如く同元竿11より若干小径寸法を存して形成され、
９番節９は10番節10の中空部内に収納可能な如く同10番
節よりも若干小径寸法を存して形成され、各番節10〜２
及び穂先１は連続的に引出す事が出来る様に設けられ
る。

そして上記各番節10〜２の内、任意の中間番節−本実施
例では４番節４−の先端部にはフランジ12が固着され
る。同フランジ12は元竿11の中空部内に収納させる事が
可能な如く10番節10の外径寸法と同一寸法を存して形成
される。

一方、元竿11の袴11aにはリール13が固着される。同リ
ール13にはワイヤー14が巻回され、同ワイヤー14の先端
部は下栓1cの中心部に開口する通し孔15を挿通させて前
記４番節４の後端部に連結される。

次に上記実施例の作用について説明する。

第３図は各番節10〜２及び穂先１が元竿11の中空部内に
収納され、同元竿11の先端開口部には上栓11dが嵌合さ
れた状態を表わす図面であって、この様に各番節10〜２
及び穂先１が元竿11の中空部内に収納された状態におい
て、上栓11dを外した後、穂先１の先端部に道糸が取り
付けられると共に、同穂先１、２番節２、３番節３、…
の順に順次渓流に向けて水平状に引き出される。一方、
この様に各番節10〜２及び穂先１が引き出されるのに伴
って４番節４にその一端を連結するワイヤー14がリール
13より巻き戻されて５番節５〜10番節10の中空部内に引
き出される。

そして道糸の先端部に取り付けられる「仕掛け」に魚が
かかった状態において、リール13を巻き取り方向に回転
操作する事により、４番節４が元竿11方向に引き寄せら
れると共に、この様に４番節４が引き寄せられるのに伴
い、５番節５〜10番節10は夫々その先端部が４番節４に
固着するフランジ12に当接されて元竿11内に向けて引き
寄せられる。即ち、第２図に表わす様に４番節４〜10番
節10が元竿11内に収納されて、３番節３、２番節２、穂
先１が元竿11より引き出された状態が得られる。そして
この様に４番節４〜10番節10が元竿11内に収納され、３
番節３、２番節２、穂先１が元竿11より引き出された状
態において、「仕掛け」にかかった魚が取り外される。

第５図は第２の実施例を表わす図面であって、上記第１
の実施例と同様任意の中間番節−４番節４−の先端部に
フランジ12が固着されると共に、同フランジ12部にはリ
ール13に巻回するワイヤー14の先端部が連結される。

尚、上記両実施例は釣竿について説明しているが、その
他「たも」等の釣り道具にも使用することが可能であ
る。

〔考案の効果〕

本考案は以上の様に構成されるものであって、上記の様
に元竿内に出し入れ自在に収納される複数本の番節の
内、任意の中間番節に対してその先端部に元竿の中空部
内径と略同径のフランジを取り付ける一方、元竿にはリ
ールを取り付け、同リールに巻回するワイヤーの先端を
上記中間番節に連結させ、リールの巻き取り操作を介し
て中間番節を元竿内に引き戻す事が出来る様にした事に
より、道糸を連結する穂先部、或いは「たも」の網袋部
等を簡単な操作によって迅速に引き寄せる事が出来るに
到った。

【図面の簡単な説明】 第１図乃至第４図は第１の実施例を表わす図面であっ
て、第１図は本考案に係る釣竿を引き出した状態を表わ
す側面図、第２図は４番節〜10番節をリールによって元
竿内に収納させた状態を表わす側面図、第３図は各番節
及び穂先を元竿内に収納させた状態を表わす側面図、第
４図は４番節の斜視図である。 第５図は第２の実施例を表わす図面であって、４番節を
リールによって元竿内に引き戻した状態を表わす側面図
である。 Ａ……釣竿、１……穂先、２……２番節、４……４番
節、10……10番節、11……元竿、11a……袴、11b……竿
尻リング、11c……下栓、11d……上栓、12……フラン
ジ、13……リール、14……ワイヤー、15……通し孔。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】中空長筒状に形成する元竿の内空部内に夫
   々直径を相違させて中空長筒状に形成する複数本の番節
   及び穂先を出没自在に収納する振出し式の釣竿におい
   て、上記複数本の番節の内任意の中間番節の先端部に元
   竿の中空部内径と略同径寸法に形成するフランジを取り
   付ける一方、元竿にはリールを取り付け、同リールに巻
   回するワイヤーの先端部を上記中間番節に連結させて成
   る釣竿。
2. 【請求項２】中空長筒状に形成する元竿の中空部内に夫
   々直径を相違させて中空長筒状に形成する複数本の番節
   を出没自在に収納する振出し式のたも等の釣り道具にお
   いて、上記複数本の番節の内任意の中間番節の先端部に
   元竿の中空部内径と略同径寸法に形成するフランジを取
   り付ける一方、元竿にはリールを取り付け、同リールに
   巻回するワイヤーの先端部を上記中間番節に連結させて
   成るたも等の釣り道具。