JP3826984B2 - インタロック機構 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、多段変速機のインタロック機構に関する。
【0002】
【関連する背景技術】
複数のシフトレールの所要の一つをその中立位置から軸線方向に移動させて所要の変速操作を行う多段変速機が知られている。この種の変速機では、シフトレールの全てを中立位置にすることにより変速機の中立状態が確立され、いずれか一つのシフトレールをその軸線方向のいずれかの向きに移動させると、このシフトレールに関連するシフトフォークが変速位置へ移動して所要の変速段が確立される。
【0003】
そして、複数のシフトレールの同時移動による変速機部品の損傷防止のため、シフトレールの同時移動を阻止するインタロック機構が設けられる。この種のインタロック機構として、実開平5−3729号公報に記載されているように、複数のロックピン(ロッキングピン)を備えたものがある。この公報に記載された変速機のケースにはシフトレール孔に直交して貫通孔が形成され、また、外側シフトレールを除くシフトレールのそれぞれにはロックピン孔(ロッキング受け孔)が形成されている。シフトレールのロックピン孔は、このシフトレールが中立位置にあるときに貫通孔と整合する。各ロックピンは、貫通孔およびロックピン孔の対応する一つに収容されている。また、外側シフトレールの周面には凹部が形成され、外側シフトレールが中立位置にあるときに外側ロックピンの先端がこの凹部に嵌入可能になっている。
【0004】
このインタロック機構では、全てのシフトレールが中立位置にあるときにいずれか一つのシフトレールの軸線方向移動が可能になる一方、シフトレールのいずれかが変速位置まで移動すると、このシフトレールに関連するロックピンがシフトレールから離反する方向へ押しのけられ、押しのけられたロックピンの先端が、移動したシフトレールに隣るシフトレールのロックピン孔や凹部の開口に嵌入してこのシフトレールをロックし、また、その他のロックピンが貫通孔やロックピン孔の内部で順次移動してその他のシフトレールをロックする。
【0005】
この種のインタロック機構では、ロックピンをスムーズに移動可能にするべくロックピンの直径をロックピン孔や貫通孔の内径よりも僅かに小さくする必要があるため、ロックピンは押圧力を受けたときにロックピン孔や貫通孔の軸線に対して僅かに傾斜する。また、ロックピン端部は一般には半球形状に形成される。このため、ロックピン等のインタロック機構部品の加工・組立誤差が、ロックピン同士の接触位置やロックピンとロックピン孔開口との接触角度に大きく影響する。変速操作のためのシフトレール移動が開始される際におけるシフトレール側のロックピン孔開口とロックピンとの接触角度(接触線とロックピン孔軸線とがなす角度)が大きければ、シフトレール移動に伴ってシフトレールからロックピンに加わる力のロックピン軸線方向分力(ロックピンを押しのける力)が大きくなる一方、ロックピン押しのけ量(ロックピン移動量)は小さくなる。これとは逆に、上記の接触角度が小さければロックピン軸線方向分力は小さくなる。従って、接触角度が過大または過小になると、シフトレール移動すなわちインタロック動作に支障が生じる。半球状端部を有するロックピンに限らず、端部または全体を曲面で構成したロッキング部材を使用する場合にも同様の不具合が生じる。
【0006】
以上のように、少なくとも端部を曲面で構成したロッキング部材を備えたインタロック機構のインタロック動作の適正化を図るには、ロックピンや周辺要素の加工精度や組立精度に係る要件を厳しくする必要があり、コスト高になる等の不具合が生じる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ロックピン及びロックピン孔の形状に関して、ロックピン端部及びロックピン孔開口を円錐状に形成することが特開平2−8558号公報に記載されている。この様な形状によれば、上記の接触角度が常に同一角度になるので、加工・組立要件を緩和しつつインタロック動作の適正化を図ることが可能である。
【0008】
しかしながら、ロックピン端部などを円錐状(より一般的には断面テーパ状)に形成したインタロック機構においても、変速操作時のシフトレール移動の開始時及び開始直後においては、変速操作のためにシフトレールに加えるべき操作力が変動することがある。この様な操作力の変動は、手動変速機では変速フィーリング低下の要因になり、シフトレール移動にアクチュエータを用いる変速機ではアクチュエータの負荷の変動要因になる。
【0009】
本発明の目的は、加工・組立要件を緩和しつつインタロック動作を適正化できると共に、変速操作時のシフトレール移動の開始時及び開始直後における操作力の変動を抑制できるインタロック機構を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明のインタロック機構は、シフトレール孔を横断して変速機ケースに形成した第1貫通孔および少なくとも一つのシフトレールに形成された第2貫通孔にそれぞれ収容されるロッキング部材を有し、前記ロッキング部材は、前記第1貫通孔内で移動可能かつ前記第2貫通孔の開口に嵌脱可能なロックピンを含み、前記ロックピンは、その端部の外周面の少なくとも一部が先細の第1テーパ面に形成され、前記第2貫通孔の開口は前記第1テーパ面と相補形状の第2テーパ面を有し、前記第1テーパ面のテーパ角度を、前記第2テーパ面のテーパ角度よりも大きくし、変速操作時の前記シフトレールの移動の開始時及び開始直後における前記第1テーパ面と前記第2テーパとの接触点が、前記ロックピンの中心に向かう、前記第1テーパ面の最内方位置に規制されることを特徴とする。
【0011】
本発明のインタロック機構によれば、ロックピンの端部外周面をテーパ面に形成すると共にロックピン端部が嵌脱可能な第2貫通孔の開口にロックピンのテーパ面と相補形状のテーパ面を形成したので、シフトレールの移動によるロックピンへの押圧力の印加時におけるロックピン端部外周面と第2貫通孔の開口との接触角度の変動が抑制される。このため、ロックピンを含むインタロック機構部品に或る程度の加工・組立誤差がある場合にも、シフトレールとシフトレール移動により押しのけられるロックピンとの接触角度が、シフトレールからロックピンへ適正な軸線方向分力が加えられるような角度に安定に維持され、従って、インタロック機構部品に厳格な加工・組立要件を課することなく適正なインタロック動作を行えるインタロック機構が提供される。
【0012】
更に、ロックピンのテーパ面のテーパ角度を第2貫通孔開口のテーパ面のテーパ角度よりも大きくしたので、以下に詳述するように、変速操作に伴うシフトレール移動の開始直前及びその直後におけるロックピン位置にかかわらず、ロックピンは、ロックピン側のテーパ面の最内方位置においてシフトレールの第2貫通孔の開口のテーパ面と接触することになる。後述のように、シフトレール移動のための変速操作力は、ロックピンと第2貫通孔のテーパ面との接触点とロックピン中心との間の距離に応じて変化し、この接触点・ロックピン中心間距離は特にレール移動開始時点およびその直後において変動し易く、操作力変動要因になる。この点、ロックピン側のテーパ角度をシフトレール側の第2貫通孔のテーパ角度よりも大きくした本発明では、ロックピンとシフトレールの第2貫通孔との接触点がロックピン側テーパ面の最内方位置に規制され、変速操作力印加開始時点およびその直後における変速操作力の変動が解消される。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態によるインタロック機構を備えた手動式5段変速機を説明する。
図1に示すように、この変速機は、第1、第2及び第3シフトレール21、22、23を備え、図示しない変速レバーを操作することにより、シフトレールの所要の一つを中立位置からシフトレール軸線方向に移動し、シフトフォーク(図示略)およびシンクロナイザスリーブ(図示略)を移動させて所要の変速段を確立するようになっている。第1シフトレール21は後進段と第1速段との切換えに供され、第2シフトレール22は第2速段と第3速段との切換えに用いられ、第3シフトレール23は第4速段と第5速段との切換えに用いられる。なお、第1シフトレールに係る変速部に同期装置を設けない場合がある。第1、第2及び第3シフトレール21〜23のそれぞれの一端部は、変速機ケース10に形成された第1、第2及び第3シフトレール孔11、12、13に移動自在に収容されている。
【0014】
上記構成の変速機に装備されるインタロック機構は、7つのロックピン30a〜30fを含み、これらのロックピンはシフトレール21〜23の同時移動を阻止するロッキング部材として機能する。ロックピン30a〜30fの各々は、変速機ケース10に形成された第1貫通孔14の3つの区間ならびに第2及び第3レール22、23にそれぞれ形成された2つのロックピン孔(第2貫通孔)22a、23a(図2)の対応する一つに移動自在に収容されている。
【0015】
詳しくは、第1ロックピン30aは、第1、第2シフトレール孔11、12間に延びる第1貫通孔14の第1区間に収容され、第3ロックピン30cは、第2、第3シフトレール孔22、23間に延びる第1貫通孔の第2区間に収容され、また、第5〜第7ロックピン30e〜30gは第1貫通孔の第3区間に収容されている。そして、第2及び第4ロックピン30b、30dは第2及び第3シフトレールのロックピン孔22a、23aにそれぞれ収容されている。図1に示すようにシフトレール22、23が中立位置にあるとき、ロックピン孔22a、23aは第1貫通孔14と整合する。なお、図1において、第1ロックピン30aと第1シフトレール21との間及び第7ロックピン30gと閉鎖部材42との間には隙間があり、第1〜第3シフトレールの何れか一つが移動したとき、シフトレール内に収容されシフトレールと共に移動するロックピン以外のロックピンの移動代となっている。また、第1貫通孔14の両端大径部にはネジが形成され、閉鎖部材41、42がねじ込み固定されている。閉鎖部材42を取り外すことにより、変速機へのロックピンの装着、交換を容易に行える。
【0016】
図1中、参照符号51は、ボールとこれをシフトレール側へ押圧するスプリングとからなる第1シフトレール用のポペット機構を表す。第1シフトレール21の外周面には、第1シフトレールの後進段位置、中立位置及び第1速段位置にそれぞれ対応して3つのV溝(図示略)が形成され、第1シフトレール21がいずれかの作動位置をとったときにポペット機構51のボールをV溝に嵌入させて節度感を付与するようにしている。参照符号52及び53は第2及び第3シフトレール用のポペット機構を表す。
【0017】
7つのロックピン30a〜30gは好ましくは寸法、形状が互いに同一である。以下において、7つのロックピン同士を区別せずに参照符号30を付して示すことがある。図1及び図2に示すように、各ロックピン30は、円筒状の主体部31とこれと一体の両端部32とからなり、ロックピン端部32は外方側ほど先細になる円錐台形状に形成されている。換言すれば、ロックピン端部32の外周面は、外方側ほど先細になるテーパ面に形成されている。そして、ロックピン端部のテーパ面はロックピン長手方向軸線に対して角度β(例えば21〜24度)をなしている。また、ロックピン30の両端面は、ロックピン長手方向軸線に直交して延びる平坦面をなしている。
【0018】
図2に示すように、第1貫通孔14の第2区間14bの軸線方向長さはロックピン全長よりも短くなっており、第1貫通孔14の第1区間についても同様である。その一方で、ロックピン孔22a、23aの各々の軸線方向長さはロックピン全長よりも長くなっている。このため、第1ロックピン30aの第2シフトレール側の端部は、第2シフトレールのロックピン孔22aの一側開口22bに対して嵌脱可能であり、また、第3ロックピン30cの両端部は、ロックピン孔22aの他側開口22cおよび第3シフトレールのロックピン孔23aの一側開口23bに対して嵌脱可能であり、更に、第5ロックピン30cの第3シフトレール側の端部はロックピン孔23aの他側開口23cに対して嵌脱可能になっている。
【0019】
そして、ロックピン孔22a、23aの開口22b、22c、23b、23cの各々は、ロックピン端部32の円錐台形状に対して相補形状に形成されている。すなわち、ロックピン孔の開口は、外方側ほど拡径された逆円錐台形状に形成されており、換言すれば、ロックピン端部外周のテーパ面に対して相補形状のテーパ面を有している。ロックピン孔開口のテーパ面は、ロックピン孔長手方向軸線に対して角度α(例えば19〜21度)をなしている。
【0020】
上述のように、本実施形態のインタロック機構では、ロックピン端部外周面をテーパ面に形成すると共にロックピン孔開口に相補形状のテーパ面を形成したので、シフトレール移動によるロックピンへの押圧力の印加時におけるロックピン端部外周面とロックピン孔開口との接触角度の変動が抑制され、インタロック動作の適正化が図られる。
【0021】
更に、ロックピンのテーパ面のテーパ角度βをロックピン孔のテーパ面のテーパ角度αよりも大きくしたので、変速操作に伴うシフトレール移動の開始直前及びそれ以降におけるロックピン位置にかかわらず、ロックピンはロックピン側のテーパ面の最内方位置においてロックピン孔開口の内面と接触することになる。この様に、ロックピンとシフトレール側のロックピン孔との接触点がロックピン側テーパ面の最内方位置に規制されので、変速操作力の変動が解消される。
【0022】
以下、第3シフトレール23を中立位置から第5速段位置へ移動する場合を例にとって上記の操作力変動低減作用を説明する。
第5速段位置へのシフトレール移動が行われる場合、図2に示すように、第3シフトレール23には図2において上向きの操作力Fが加えられ、第3シフトレール23は、図2中、上方への移動を開始する。このとき、第3シフトレール23とロックピン30cは、図2の場合、ロックピン端部32の外周面の最内方位置Q(ロックピン主体部31の外周面とロックピン端部外周面との境界)において互いに当接しており、ロックピン30cにモーメントMが加わる。ここで、ロックピン中心Oと接触点(本実施形態では接触点Q)との間の距離をL3とすると、モーメントMは次式で表される。
【0023】
M=F×L3
ロックピン30cの直径は第1貫通孔14の直径よりも僅かに小さいので、ロックピンにモーメントMが加わると、図2に強調して示すように、ロックピン30cが図2中、時計方向に僅かに回転して第1貫通孔14の軸線S1に対して傾き、ロックピン30cは、第1貫通孔14の最外方端R1および中間R2において第1貫通孔の内周面に当接する。外方当接点R1とロックピンとの間の距離をL1、内方当接点R2とロックピンとの間の距離をL2とし、また、ロックピン30cと貫通孔14との間の摩擦係数をμとすると、当接点R1及びR2における抵抗力F1及びF2は次式で表される。
【0024】
F1=μ×(M/L1)
F2=μ×(M/L2)
そして、シフトレール23からロックピン30cへ加わる操作力Fのロックピン軸線方向分力が抵抗力F1とF2との和よりも大きければ、図2中、ロックピン30cの右方向移動が可能となる。シフトレールのロックピン孔開口部テーパ角度およびシフトレールとロックピンとの接触点におけるロックピン端部外周面の傾斜角度(テーパ角度α、βに対応)が大であるほど上記の分力(ロックピン押圧力)が大となってロックピン移動が容易になるが、ロックピン移動量は小さくなる。これとは逆に傾斜角度α、βが小さいほどロックピン移動が困難になる。本実施例では、ロックピン、ロックピン孔などのインタロック機構部品の加工・組立誤差などを勘案しつつ、シフトレール移動の容易性やシフトレール移動量を確保可能なように、テーパ角度α、βを上述の好適範囲内の値に設定している。
【0025】
なお、抵抗力F1、F2を低減すればロックピン移動が容易になるが、このために摩擦係数μを低減することは一般には困難である。また、距離L1、L2も変速機やインタロック機構の構成上さほどの自由度はなく、略一定になる。
上述のモーメントMの算出式から明らかなように、モーメントMが略一定である場合、シフトレール23とロックピン30cとの接触点からロックピン中心Oまでの距離L3が変動すれば、操作力Fが変動することになる。
【0026】
本実施形態では、ロックピン側のテーパ角度βをロックピン孔側のテーパ角度αよりも大きくすることにより、ロックピン移動開始時点以降における距離L3の変動を抑制して操作力Fの変動を抑制するようにしている。以下、図3ないし図4を参照して更に説明する。
変速操作のためのシフトレール移動が開始される直前及びその直後におけるロックピンの軸線方向位置には、ロックピン全長のばらつき等に起因して、或る程度のばらつきが生じる。すなわち、シフトレール移動の開始直前のロックピン初期先端位置は、図3に二点鎖線A、B、C及びDで例示するように変化する。シフトレール移動は、A位置からD位置へ向けて行われるので、シフトレール移動開始直後でのロックピン先端位置も図3に二点鎖線A、B、C及びDで例示するように変化する。
【0027】
しかしながら、ロックピン端部32のテーパ角度βをロックピン孔の逆円錐台状の開口22b、22c、23b、23cのテーパ角度αよりも大きくした本実施形態では(図3に誇張して示す)、ロックピン端部外周面の最内方位置Qがロックピン孔の円錐台状開口内に入いるようなロックピン先端位置(ロックピン初期先端位置又はその後のロックピン先端位置(図3のA位置ないしC位置))にある限り、ロックピン先端位置とは無関係に、ロックピン30とシフトレール23はロックピン端部の最内方位置Qで接触する。換言すれば、シフトレールとロックピンとの接触点からロックピン中心Oまでの距離L3は、ロックピン先端位置に依存しない一定の値をとり、これによりロックピン移動開始時点および開始直後の操作力Fの変動が抑制される。
【0028】
本実施形態の場合と反対に、ロックピン側のテーパ角度βをロックピン孔側のテーパ角度αよりも小さくした場合には、上記の距離L3がロックピン先端位置によって変化し、操作力Fの変動要因になる。以下、図4を参照してその理由を説明する。図4においてロックピン先端位置がA位置ないしB位置の範囲内にある場合、ロックピン最内方位置Qないし最外方位置Rの範囲内においてシフトレール23とロックピン30とが接触し、ロックピン先端位置がB位置ないしD位置の範囲内にある場合にはロックピン端部の最外方位置Rで接触する。この様に、ロックピンのテーパ角度βをロックピン孔開口のテーパ角度αよりも小さくした構成によれば、ロックピン先端位置によってロックピンとシフトレールとの接触点が変化し、結果として、接触点とロックピン中心との間の距離L3ひいてはロックピン移動開始時点及びその直後の操作力Fが変動する。
【0029】
本発明のインタロック機構は上記の実施形態に限定されない。
例えば、上記実施形態では手動式5段変速機に装備されるインタロック機構について説明したが、本発明は、シフトレールをアクチュエータで移動させるタイプの変速機にも適用可能であり、また、変速段数も5段のものに限定されない。また、上記実施形態では、インタロック機構に対するロッキング部材の装着、交換を容易にする観点から、ロッキング部材の全てをロックピンで構成すると共に第2及び第3シフトレールの双方にロックピン孔を形成し、変速機ケースの一側端面から他側端面まで貫通して且つ2つのロックピン孔を横断して延びる第1貫通孔のほぼ全長にわたってロックピンを挿入したが、本発明は斯かる構成に限定されない。例えば、第3シフトレールへのロックピン孔の形成を省略する共に、第1貫通孔の図1において左半部の形成を省略し、3つのロックピン30a〜30cのみを用いて5段変速機用のインタロック機構を構成可能である。
【0030】
また、ロッキング部材の全てをロックピンで構成することは必須でなく、第2貫通孔(ロックピン孔に対応)に収容されるロッキング部材をボールなどで構成しても良い。また、実施態様では、加工・組立性の観点からロックピン端部を円錐台状に形成すると共にロックピン孔開口を逆円錐台状に形成したが、これに代えて、例えば、ロックピン端部の外周面の一部にテーパ面を形成すると共にロックピン孔開口の一部に相補形状のテーパ面を形成するようにしても良い。
【0031】
【発明の効果】
本発明のインタロック機構は、ロックピンの端部外周面をテーパ面に形成すると共にロックピン端部が嵌脱可能な第2貫通孔の開口にロックピンのテーパ面と相補形状のテーパ面を形成したので、ロックピンを含むインタロック機構部品に厳格な加工・組立要件を課することなく適正なインタロック動作を行える。また、ロックピンのテーパ面のテーパ角度をシフトレール側の第2貫通孔のテーパ面のテーパ角度よりも大きくしたので、変速操作のためのシフトレール移動の開始時及び開始直後におけるロックピンとシフトレールとの接触点がロックピン側テーパ面の最内方位置に規制され、シフトレールに加えるべき変速操作力の変動が解消される。このため、変速レバー操作時の変速フィーリングが向上する。また、シフトレールをアクチュエータで駆動する場合、アクチュエータに加わる負荷の変動を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態によるインタロック機構を備えた変速機の部分断面図である。
【図2】図1のインタロック機構におけるインタロック機構各部の寸法と操作力との関係を説明するための拡大概略断面である。
【図3】図1のインタロック機構におけるロックピンとシフトレールとの接触点を種々のロックピン先端位置について示す拡大部分概略図である。
【図4】ロックピン端部のテーパ角度をロックピン孔開口のテーパ角度よりも小さくした場合におけるロックピンとシフトレールとの接触点を種々のロックピン先端位置について示す拡大部分概略図である。
【符号の説明】
11、12、13 シフトレール孔
14 第1貫通孔
21、22、23 シフトレール
22a、23a ロックピン孔
22b、22c、23b、23c ロックピン孔開口
30a、30b、30c、30d、30e、30f、30g ロックピン
α ロックピン孔開口のテーパ角度
β ロックピン端部のテーパ角度

Claims (1)

  1. 複数のシフトレールの一端部を移動自在にそれぞれ収容するシフトレール孔と該シフトレール孔を横断して延びる第1貫通孔とが形成された変速機ケースを有する多段変速機に装備されるものであって、前記複数のシフトレールが中立位置にあるときに前記第1貫通孔に整合するように前記複数のシフトレールの少なくとも一つに形成された第2貫通孔と前記第1貫通孔とにそれぞれ収容されるロッキング部材を有するインタロック機構において、
    前記ロッキング部材は、前記第1貫通孔内で移動可能かつ前記第2貫通孔の開口に嵌脱可能なロックピンを含み、
    前記ロックピンは、その第2貫通孔側の端部の外周面の少なくとも一部が、第2貫通孔側に向けて先細になる第1テーパ面に形成され、
    前記第2貫通孔の開口は、前記第1テーパ面と相補形状の第2テーパ面を有し、
    前記ロックピンの前記第1テーパ面のテーパ角度を、前記第2貫通孔の前記第2テーパ面の第2テーパ角度よりも大きくし
    変速操作時の前記シフトレールの移動の開始時及び開始直後における前記第1テーパ面と前記第2テーパとの接触点が、前記ロックピンの中心に向かう、前記第1テーパ面の最内方位置に規制されること
    を特徴とするインタロック機構。
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