JP3825260B2 - 鉄鉱石ペレットの製造方法 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、焼成して製造する鉄鉱石ペレット(以下、「焼成ペレット」という。)の製造方法に関し、特に、安価に焼成ペレットの歩留りおよび生産性の向上を達成し得る鉄鉱石ペレット用混合原料(以下、「ペレット用混合原料」という。)への添加剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
高炉用原料である焼成ペレットは、主としてグレートキルン方式やトラベリンググレート方式で製造される。
【0003】
例えば、グレートキルン方式での焼成ペレットの製造は、概略以下の工程で行われる。
【0004】
まず、平均粒径50μm程度の微粉鉄鉱石に同じく平均粒径50μm程度の微粉の石灰石、ドロマイトなどの副原料、必要によりベントナイト、消石灰などのバインダーを添加し混合した後、造粒水を添加してディスク型ペレタイザーなどの造粒機で9〜12mm径程度の球状の生ペレットを製造する。この生ペレットをエンドレスに移動するトラベリンググレート(以下、単に「グレート」という。)上にペレット層厚さ15〜20cm程度となるよう装入し、ペレット層がグレートとともに移動する間に所定温度のガスをペレット層に順次流通させてペレットの乾燥・離水・予熱を行う。通常、乾燥工程においては180〜250℃のガスを用いて生ペレットから造粒水分を除去して乾燥ペレットとし、次いで、離水工程において250〜400℃のガスを用いて乾燥ペレットからリモナイト質鉱石の結晶水を除去し、最後に予熱工程において1000〜1100℃のガスで予熱操作を行いペレットを所定の強度に高める。その後、この予熱ペレットを焼成用ロータリーキルン(以下、単に「キルン」という。)に装入して1250〜1350℃の温度で焼成し、次いでクーラーに装入して冷却し高炉で使用する焼成ペレットを得るものである。
【0005】
近年、鉄鉱石資源の構成の変化によりリモナイト質鉱石の比率が増加して、グレートの乾燥工程や離水工程で、リモナイト質鉱石の結晶水が解離・蒸発する際のペレット内部における急激な圧力上昇に起因するペレットの粉化(いわゆるバースティング)が起りやすくなり、焼成ペレットの歩留りが低下するとともに、この粉がキルンに持ち込まれてキルン内壁に付着物を形成する、いわゆる「キルンリング」などの問題により焼成ペレットの生産性が低下する傾向にある。
【0006】
グレートキルン方式のかわりに、トラベリンググレート方式を用いてペレットを製造する場合には、上記のキルンによる焼成にかえて、層厚30〜40cmの予熱ペレットの層を引き続きグレート上に保持したまま高温ガス吸引して焼成を行うのでキルンリングの問題はないが、バースティングによる粉がペレット層の下部に蓄積しグレートを目詰まりさせてガスを十分に吸引できないなどの問題によりやはり焼成ペレットの生産性が低下する。
【0007】
バースティングを防止して歩留りおよび生産性を上昇させるためには、ペレット用混合原料にバインダーとしてベントナイト、消石灰等を添加して造粒することにより生ペレットを強化する方法が知られているが、ベントナイト、消石灰等のコストが高いため、焼成ペレットの製造コストが高くなる問題がある。
【0008】
ベントナイト、消石灰等を増量することなく安価に歩留りおよび生産性を上昇する方法として、種々の方法が提案されている。
【0009】
例えば、微粉鉄鉱石にピート・モスを添加してペレット化し、加熱の間にピート・モス繊維が収縮し、これによりペレットから水蒸気が逃げるための通路ができその結果、割れなしにペレットを乾燥し硬化できるとする方法(カナダ特許第778,712号)や、アスベスト、ガラス等の無機繊維を酸化鉄鉱石精鉱に添加しペレット化することにより前記カナダ特許と同様の効果が得られるとする方法(カナダ特許第777,729号)等、ペレット中に有機または無機の繊維を添加する方法が提案されているが、繊維をペレット中に均一に分散することが困難なため予熱ペレットや焼成ペレットの強度が低下する可能性が高い。
【0010】
そこで、繊維を均一に分散させるため、鉱石粒子の水性スラリー中に繊維を混入した後、脱水してペレット化する方法(特開昭50−6505号)が提案されているが、わざわざ多量の水でスラリー化した後、脱水する必要があるので、通常の生ペレット造粒方法に比して脱水設備が余分に必要となるためいまだ実用化されていない。
【0011】
また、有機物を含む廃水を活性汚泥処理する際に発生する余剰汚泥をペレット造粒原料に添加して造粒する方法(特公昭58−54177号)が提案され、この方法によると、粒度が比較的粗い鉄鉱石を用いても高強度の生ペレットが得られ、焼成を必要としないコールドペレットに対して特に有効としている。しかしながら、ペレットとしての強度を得るためには余剰汚泥の配合割合を1〜5%と多くすることが必要とされ、余剰汚泥はその成分のほとんどが有機物であるため、焼成ペレットに用いると、グレート特に予熱工程において有機物が燃焼消失して予熱ペレット中に空隙が残って強度が低下し、予熱ペレットの強度が低下するとキルン内でペレットが粉化してキルンリングを生成するおそれが高くなる問題がある。
【0012】
また、水溶性または水膨潤性セルロース系高分子粉末(A)および粘土質粉末(B)からなり、かつ(A)と(B)との重量比が、8:2〜2:8であることを特徴とする製鉄用粉原料の整粒化剤(特開昭60−220135号)が提案され、この整粒化剤を用いて製造した整粒化物は、整粒直後の湿状態においてはもちろん、数百度Cの絶乾条件を経た乾状態においてもその強度を保持するとしているが、この発明の整粒化剤の対象となる製鉄用粉原料としては、粒径0.35mm以下の微粉部分を10〜70重量%含有するものに限られ、この微粉部分が70重量%を超えると、整粒性あるいは整粒物の強度などが不十分となると記載されている。してみれば、さらに細かい粒径0.1mm以下の微粉部分を80重量%以上含有するペレット用混合原料(平均粒径50μm程度)にこの発明の整粒剤を用いても、乾燥ペレットの強度が不十分となり、バースティングを防止することが期待できない。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明の目的は、高価なベントナイトや消石灰等を増量することなく、かつ余分な設備を必要とすることなく、焼成ペレット製造プロセスのグレートにおけるバースティングを防止し、低コストで、焼成ペレットの歩留りおよび生産性を向上させる手段を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、焼成ペレット製造プロセスのグレートにおけるバースティングを防止するためには、離水工程におけるペレットの崩壊を防止することが重要と考え、離水工程において乾燥ペレットの強度を維持できるペレット用混合原料の添加剤に注目し、添加剤の種類、組み合わせ、添加量等について種々検討を行った。その結果、添加剤として、有機繊維、粘土質物質、および有機粘着材をペレット用混合原料へ同時に添加することにより上記課題を解決し得ることを見出した。
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】
【0021】
【0022】
【0023】
【0024】
【0025】
【0026】
【0027】
請求項に記載の発明は、ペレット用混合原料100質量部(乾量基準)に対して、古紙スラッジ0.01〜1.0質量部(乾量基準)を添加混合して常法により焼成することを特徴とする鉄鉱石ペレットの製造方法である。
【0028】
古紙スラッジは、有機繊維であるセルロース木質繊維と、ベントナイト、タルク、石灰石、ドロマイト等由来の粘土質物質と、有機粘着材であるリグニンとを含有しているので、これを用いることにより、下記の効果を得ることができる。
すなわち、ペレット用混合原料に有機繊維、粘土質物質、および有機粘着材を同時に添加すると、有機繊維と粘土質物質は難水溶性であるが、有機粘着材は易水溶性であるのでペレット用原料の造粒水に溶解し、有機繊維と粘土質物質との接点に侵入してこれらを接合する。この接合物がペレット用混合原料の鉱石や石灰石等の粒子間に入って粒子間の摩擦を大きくするため離水段階において乾燥ペレットの崩壊が防止される。その結果、粉の発生量が低減し、歩留りが上昇するとともに、キルンリングの生成やグレートの目詰まりが防止されて焼成ペレット製造の生産性が向上する。なお、量的には少ないが、有機繊維と有機粘着材は予熱時ないし焼成時に燃焼して燃料として利用されるので焼成燃料の低減に寄与し、粘土質物質は焼成時に鉄鉱石や副原料と反応してスラグ生成物を形成し焼成ペレットの強度を高める。
さらに、従来、古紙スラッジの大部分は、脱水又は乾燥して埋め立て処分や焼却処分されており、その処分に多大な経費を要していたが、大量に生産されるペレットの添加剤として用いることにより、資源およびエネルギーとして有効利用できるのみならず、環境汚染の防止にも寄与するものである。
そして、古紙スラッジの添加量が少なすぎると上記の効果が十分得られない一方、これらの添加量が多すぎると粘土質物質の添加量が多くなりすぎて高炉のスラグ量が増加するので上記範囲の添加量とすることが好ましい。
【0029】
【発明の実施の形態】
本発明の好ましい実施の一形態として、グレートキルン方式による焼成ペレット製造プロセスに本発明を適用した例について以下に示す。
【0030】
鉄鉱石粉(T.Fe:57〜69質量%)94〜96質量部に副原料として石灰石及び/又はドロマイト4〜6質量部を添加・混合し、ボールミル等で乾式粉砕し、平均粒子径40〜60μmのペレット用混合原料粉とする。このペレット用混合原料粉100質量部に、古紙スラッジ(CaO+MgO:約10〜30質量%、SiO2+Al23:約20〜30質量%、繊維分:約40〜60質量%、リグニン:約0.5〜20質量%)0.1〜0.6質量部(乾量基準)を7〜9質量部の造粒水に溶いて添加し、パン型ペレタイザーで9.5〜11mm径に造粒して生ペレットを製造する。古紙スラッジを造粒水に溶いて添加するのは、もともと古紙スラッジは水分を80〜120質量%(乾量基準)程度含んでおり、水分を含んだ古紙スラッジは紙粘土状の塊の状態になっているので、造粒水に溶いてスラリー状にすることによりペレット用混合原料中に均一に分散しやすくするためである。
【0031】
なお、古紙スラッジは、造粒水に溶いて用いるかわりに、脱水・乾燥後粉砕して粉状でペレット用混合原料に添加して用いてもよい。この方法は、特に、湿潤したペレット用混合原料に対する添加・混合に適する。この場合には、余分に古紙スラッジの脱水・乾燥のための設備が必要となるが、古紙スラッジの発生場所近傍で脱水まで又は乾燥まで行った後、ペレット製造地へ輸送して用いれば、水分ごと輸送するより輸送コストが節約できる。また、乾燥後の古紙スラッジは通常用いられるボールミル等により容易に適当な細かさに粉砕ができるので、この粉砕後の古紙スラッジを添加することによりペレット用混合原料中に均一に分散することができる。
【0032】
このようにして製造した生ペレットをグレートにペレット層厚さ20cm程度となるよう装入する。
【0033】
グレートは乾燥、離水、予熱の3室(3工程)からなり、乾燥室ではガス温度180〜250℃で生ペレットの含有水分が除去されて乾燥ペレットとなり、離水室では250〜400℃で乾燥ペレット中のリモナイト質鉱石の結晶水分1〜3質量%が除去される。前述したように、結晶水分が除去される際、発生した蒸気によりペレット中で高圧力が発生するが、古紙スラッジの添加により乾燥ペレットが強化されているのでペレットの崩壊は起らず、粉の発生が防止される。すなわち、古紙スラッジ中の繊維の長さは、その約80質量%以上が10〜500μm程度であり、この繊維と粘土質物質が有機粘着材であるリグニンで接合され、この接合物がペレット用混合原料の粒子間に配置されて粒子間の摩擦力を高めて滑りにくくするとともに、繊維の収縮による蒸気の逃げ路を形成することにより、バースティングの発生が防止され、粉の生成がなくなる。これにより、粉がキルンに持ち込まれることがなく、キルンリングの生成が防止され、生産性が低下することがない。また、バースティングが発生しない範囲で離水室のガス温度を上昇させることが可能となり、これにより、離水に要する時間が短縮されてグレート部におけるペレットの全滞留時間が短縮される結果、予熱ペレットの生産性が上昇し、ひいては焼成ペレットの生産性も上昇する。離水後のペレットは、予熱室で950〜1100℃に加熱され、古紙スラッジ中の有機繊維であるセルロース木質繊維と、有機粘着材であるリグニンとが燃焼消失してペレット中の空隙量を増加させるが、その増加量は僅少であり実質上予熱ペレットの強度が低下することはない。逆に、少量ではあるが、これらの燃焼による燃焼熱が有効利用できるので焼成燃料が節減できる。なお、これらの有機物は例えグレートで燃え残ってもキルン内でさらに高温に加熱され完全に燃焼消失するので問題はない。グレートでのペレットの滞留時間を15〜25分として、キルンでの転動に耐える所定の圧潰強度(たとえば100N/P)より高い強度の予熱ペレットを製造し、この予熱ペレットをキルンに装入し、1250〜1350℃、10〜15分で焼成する。キルンでの焼成の間に古紙スラッジ中の粘土質物質は鉄鉱石や副原料と反応してスラグ生成物を形成し、焼成ペレットの強度上昇に寄与する。
【0034】
以上により、安価な添加剤である古紙スラッジを用いて焼成ペレットの歩留まりや生産性の増大が可能となる。
【0035】
古紙スラッジの添加量は、あまり少なすぎては効果が十分得られず、逆に多すぎると粘土質物質の量が増えて高炉のスラグ量が増加することに加え、古紙スラッジ中にはZn、Cl、Na、K等の低融点化合物を生成する成分が含有されている(表1参照)ため、キルンリングの生成や高炉内で付着物を形成する等の問題が生じるので、ペレット用混合原料100質量部(乾量基準)に対して、古紙スラッジの添加量は、好ましくは0.01〜1.0質量部、より好ましくは0.05〜1.0質量部、さらに好ましくは0.1〜0.6質量部、特に好ましくは0.1〜0.4質量部とする。
【0036】
古紙スラッジを添加する替わりに、有機繊維、粘土質物質、および有機粘着材をそれぞれ所定量ずつ混合して用いてもよい。これらの添加量は、あまり少なすぎては効果が十分得られず、逆に多すぎると焼結鉱の製造コストが高くなりすぎることに加え、粘土質物質の添加量が多すぎると高炉のスラグ量が増加するので、焼結用混合原料100質量部(乾量基準)に対して、有機繊維の添加量は、好ましくは0.01〜1.0質量部、より好ましくは0.05〜1.0質量部、さらに好ましくは0.05〜0.5質量部、特に好ましくは0.1〜0.4質量部とし、粘土質物質の添加量は、好ましくは0.01〜1.0質量部、より好ましくは0.05〜1.0質量部、さらに好ましくは0.05〜0.5質量部、特に好ましくは0.1〜0.3質量部とし、有機粘着材の添加量は、好ましくは0.01〜0.05質量部、より好ましくは0.02〜0.05質量部、さらに好ましくは0.02〜0.04質量部、特に好ましくは0.03〜0.04質量部とする。
【0037】
有機繊維としては、例えば、古紙を解砕したセルロース木質繊維を用いてもよいし、布染色工程から発生する織物繊維を含有する布染色スラッジを用いてもよいし、これらを混合して用いてもよい。粘土質物質としては、例えば、粘土、ベントナイト、カオリン、タルク等を単独又は2種以上混合して用いてもよい。有機粘着材としては、リグニンの他に、例えば、澱粉、デキストリン、糖蜜等を単独又は2種以上混合して用いてもよい。あるいは、古紙スラッジにこれらのものを適宜追加して有機繊維、粘土質物質、および有機粘着材の割合を調整して用いてもよい。
【0038】
【実施例】
本発明の効果を確認するため、グレートキルン方式の焼成ペレット製造プロセスのグレート部における加熱条件をシミュレートしたポットグレート試験を実施した。
【0039】
ペレット用混合原料に添加剤として、有機繊維、粘土質物質、有機粘着材をそれぞれ単独で添加した場合、これら3種類の添加剤を混合して添加した場合、および古紙スラッジを添加した場合について、それぞれ、生ペレットの落下抵抗、ポットグレート試験後の予熱ペレットのクラック率、および予熱ペレットの圧潰強度を測定した。
【0040】
有機繊維としては、適当な大きさに裁断した新聞紙に水を添加してミキサーで攪拌しスラリー状にしたものを、粘土質物質としては、粉状のベントナイトを、有機粘着材としては、粉状のリグニンを水に溶解し5質量%程度の水溶液としたものを準備し、それぞれペレット用混合原料(乾量基準)に対して0.2質量%に相当する分だけ添加した。なお、これら3種類の添加剤を同時に混合添加する場合には、合計添加量が上記単独添加の場合と同じペレット用混合原料(乾量基準)に対して0.2質量%となる量を、質量比で有機繊維50、粘土質物質48、有機粘着材2の比率で水に溶いて添加剤濃度が5質量%程度のスラリー状にしたものを用いた。また、古紙スラッジは、表1に示す成分のものに水を添加してミキサーで解砕したものを用い添加量は上記と同じ0.2質量%とした。
【0041】
表2に示す配合比で、125μm以下、80質量%の鉄鉱石粉および副原料(石灰石、蛇紋岩、ドロマイト)に、上記添加剤を添加混合し、造粒水分が8質量%(混合原料(乾量基準)の外数)となるよう水を添加し、ディスクペレタイザーで造粒して、9.5〜11mm径の生ペレットを製造した。
【0042】
なお、本実施例で使用した配合鉄鉱石粉の成分を表3に示す。
【0043】
【表1】
Figure 0003825260
【0044】
【表2】
Figure 0003825260
【0045】
【表3】
Figure 0003825260
【0046】
このようにして製造した生ペレットの落下抵抗を測定した。ここに、落下抵抗とは、任意に選んだ10個の生ペレットを500mmの高さから鉄板上に自然落下させる操作を、各生ペレットが破壊するまで繰り返し、その破壊に至るまでの落下回数を平均した値をいう。
【0047】
次に、生ペレットを内径350mmのポットグレート炉に層厚さ210mmで充填し、グレートキルン方式の焼成ペレット製造プロセスのグレート部をシミュレートした、表4に示す加熱条件でガスを吸引し予熱ペレットを製造した。なお、吸引ガスは、COGを空気で燃焼した排ガスに常温空気を混合して温度調節したものを用いた。
【0048】
【表4】
Figure 0003825260
【0049】
上記のポットグレート試験後、予熱ペレットの健全率の調査および予熱ペレットの圧潰強度の測定を行った。なお、予熱ペレットの健全率とは、予熱ペレット全数について目視観察し、予熱ペレットの表面にクラック(幅0.5mm以上、長さ2mm以上)の存在が認められない予熱ペレットの個数を、予熱ペレット全数に対する割合で表したものである。また、予熱ペレットの圧潰強度は、ポットグレートから予熱ペレットを取出す際に、ペレット層の高さ方向に3分割(上部、中部、下部)して取出し、その各部から任意に25個ずつ選んだ予熱ペレットを圧潰強度試験し、その値を平均したものである。
【0050】
【表5】
Figure 0003825260
【0051】
表5より明らかなように、従来の添加剤なしのケース(実験No.1)に比較し、繊維、ベントナイト、リグニンをそれぞれ単独で添加した場合(実験No.2〜4)、生ペレットの落下抵抗および予熱ペレットの健全率は改善される傾向にはあるがその効果は小さく、予熱ペレットの圧潰強度の改善効果はほとんど認められなかった。それに対して、繊維、ベントナイト、およびリグニンを同時に添加した場合(実験No.5)には、その合計添加量は単独で添加した場合(実験No.2〜4)の添加量と同じであるにも係わらず、生ペレットの落下抵抗、予熱ペレットの健全率、予熱ペレットの圧潰強度とも大きく改善されるのが確認された。また、古紙スラッジを用いた場合(実験No.6)にも、繊維、ベントナイト、およびリグニンを同時に添加した場合(実験No.5)と同様の改善効果が確認された。
【0052】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、添加物として古紙スラッジを用いることにより、ペレット用混合原料に有機繊維と、粘土質物質と、有機粘着材とを同時に添加混合することとなり、乾燥ペレットの強度を高めてバースティングを防止し粉の発生を低減し、その結果、焼成ペレットの歩留りを上昇させるとともに、キルンリングの生成やグレートの目詰まりを防止でき焼成ペレット製造の生産性が向上する。
さらに、従来廃棄物とされていたものを資源およびエネルギーとして有効利用でき、かつ環境汚染の防止にも寄与する。
【0053】
【0054】

Claims (1)

  1. 鉄鉱石ペレット用混合原料100質量部(乾量基準)に対して、古紙スラッジ 0.1〜1.0質量部(乾量基準)を添加混合して常法により焼成することを特徴とする鉄鉱石ペレットの製造方法。
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