JP7371610B2 - 成形焼結原料の製造方法および焼結鉱の製造方法 - Google Patents

成形焼結原料の製造方法および焼結鉱の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP7371610B2
JP7371610B2 JP2020196870A JP2020196870A JP7371610B2 JP 7371610 B2 JP7371610 B2 JP 7371610B2 JP 2020196870 A JP2020196870 A JP 2020196870A JP 2020196870 A JP2020196870 A JP 2020196870A JP 7371610 B2 JP7371610 B2 JP 7371610B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
raw material
iron ore
sintered
producing
mass
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2020196870A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2021091965A (ja
Inventor
頌平 藤原
隆英 樋口
哲也 山本
健太 竹原
敏彦 岡田
英児 河本
翔 滝口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Steel Corp
Original Assignee
JFE Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JFE Steel Corp filed Critical JFE Steel Corp
Publication of JP2021091965A publication Critical patent/JP2021091965A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7371610B2 publication Critical patent/JP7371610B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Manufacture And Refinement Of Metals (AREA)

Description

本発明は、DL焼結機によって焼結鉱を製造する際に用いられる成形焼結原料の製造方法と、この成形焼結原料を用いて製鉄用焼結鉱を製造する方法に関する。
DL焼結機の操業においては、パレット上に配置された点火炉により焼結原料装入層(以下、単に「装入層」という)の表面に点火が行われると、この装入層の表層部から下層部へ吸引される吸引ガスの作用によって該装入層中の炭材が燃焼する。そして、その炭材の燃焼はパレットの移動に伴って次第に下層にかつ前方に向って進むようになる。それと同時に、前記装入層の上層部で発生した水分は、下層部に吸引される過程において、温度の低い下層部において冷却されて凝縮することが知られている。そのため、前記装入層の下層部には、湿潤帯と呼ばれる水分の高い層が形成される。この湿潤帯の濃度が大きくなると、吸引ガスの流路である原料粒子間の空隙を水分が埋めるようになって通気抵抗が増大する。とくに、前記装入層の通気抵抗の約半分以上は、前記湿潤帯の通気抵抗が占めることが知られている。このような環境の中で、焼結鉱の生産性を向上させるには、少なくともこの湿潤帯における水分の凝縮に伴う通気抵抗を減らすことが有効であると考えられている。
この問題に対し、従来、配合済みの配合焼結原料を造粒して成形焼結原料を製造する工程においては、該配合焼結原料の水分量を調整(例えば8mass%未満)し、その上で成形(造粒)に際しては成形機(造粒機)に高温排ガスを導入するなどして乾燥し、最終的な水分量が4mass%以下となるように乾燥処理している。このようにして得られた低水分量の、成形焼結原料をパレット上に装入することで、前記装入層の湿潤帯の影響を抑制する技術が提案されている(特許文献1~4)。しかしながら、これらの方法は、得られる成形焼結原料の乾燥が不足するという問題があり、十分に実用化されていないのが実情である。
これに対し、従来、上記問題点を解決するため、配合焼結原料の造粒時に、生石灰だけでなく有機バインダーを使用する新たな方法が開発され、焼結鉱の生産効率を高めると共に、焼結鉱の製造に必要な炭材量の削減をも可能にするという技術が提案されている(特許文献5)。
しかしながら、特許文献5に開示されている前記方法は、造粒粒子の粉化や乾燥時の破壊を防止するのには有効であった。しかし、この方法は、通常の成形焼結原料の製造技術と比較すると、最終的に製造される焼結鉱のコストがアップし、有機バインダーを用いることの効果(通気性改善による生産効率の向上や炭材量低減による経済効果)が減殺されるという問題があった。一方で、繊維補強強化が可能なセルロースナノファイバーなどの繊維物質の使用も考えられるが、既にセルロースナノファイバーの形態に加工されている既製品を単体でそのまま使用するのでは品質(強度)の改善に寄与しないし、コスト高になるという課題があった。
特開昭58-199827号公報 特開昭60-089526号公報 特開昭61-238925号公報 特開平3-215629号公報 特開2007-169760号公報
本発明の目的は、従来技術が抱えている上述した課題の克服を意図し、特に配合焼結原料の成形時に用いるバインダーに着目してその種類や使い方について検討することにより高強度で安価な成形焼結原料を製造する方法を提案すること、およびその成形焼結原料を用いることで生産性に優れ、かつ高強度の製鉄用焼結鉱を安価に製造するための方法を提案することにある。
従来技術が抱えている前記課題を解決し上記の目的を達成するために開発した本発明の第1の方法は、鉄鉱石や炭材、副原料を含む配合焼結原料に対し、バインダーを添加し成形して成形焼結原料を製造する方法において、上記バインダーとして鉄鉱石原料粉とセルロースナノファイバーを含む集合体を用いることを特徴とする成形焼結原料の製造方法である。
また、本発明の第2の方法は、前記第1の方法の下に製造された成形焼結原料を用いて焼結鉱の製造を行う焼結鉱の製造方法である。
なお、本発明の前記各製造方法においては、
(1)前記鉄鉱石原料粉とセルロースナノファイバーを含む集合体は、鉄鉱石とセルロース繊維を共粉砕したものを用いること、
(2)前記鉄鉱石原料粉とセルロースナノファイバーを含む集合体は、鉄鉱石とセルロース繊維の混合質量比率にして99.9/0.01~80/20の範囲で集合させたものであること、
(3)前記鉄鉱石原料粉とセルロース繊維との合計の固形濃度は、10mass%~80mass%のものであること、
(4)前記鉄鉱石原料粉とセルロースナノファイバーを含む集合体の前記配合焼結原料に対する添加量は、該セルロースナノファイバーの添加量にして、0.01mass%~2.00mass%の範囲に当る量とすること、
が、それぞれより好ましい実施の形態になると考えられる。
(1)前述のような構成に係る本発明によれば、鉄鉱石原料粉に対し生石灰粉などの副原料を混合してなる配合焼結原料の成形時(以下、「造粒」の例で説明する)バインダーとして、鉄鉱石原料粉と植物由来のセルロースナノファイバーを含む集合体を用いることにより、高強度の成形焼結原料を安価に製造できるようになる。
(2)また、本発明によれば、前記成形焼結原料を用いて焼結鉱を製造するため、高強度の焼結鉱を高い生産性をもって安価に製造することができる。
焼結鉱製造プロセスの略線図である。 鉄鉱石原料粉とセルロースナノファイバーを含む集合体の透過型電子顕微鏡写真(TEM写真)である。 共粉砕前の鉄鉱石と共粉砕後の共粉砕物の粒度分布を示す図である。
一般に、高炉の主原料である焼結鉱は、図1に示すような工程を経て製造される。図1に示すように、各種の焼結原料はまず、複数のホッパー1内に貯蔵される。その焼結原料としては、例えば平均粒径で1.0~5.0mm程度の大きさの鉄鉱石粉、製鉄所内で発生する各種ダスト等の雑鉄源、石灰石や生石灰、製鋼スラグなどのCaO含有原料の如き副原料、粉コークスや無煙炭などの凝結材、任意配合原料として精錬ニッケルスラグやドロマイト、蛇紋岩などからなるMgO含有原料、精錬ニッケルスラグ、硅石(硅砂)などからなるSiO含有原料等がある。そして、その原料貯蔵用ホッパー1から、上記の各焼結原料の所定量をコンベヤ上に所定の割合で切り出し配合してなる配合焼結原料は、次にドラムミキサー2のような成形装置すなわち造粒機等に供給して攪拌混合しながら、必要に応じて調湿を加えると共に有機・無機バインダーを加えて成形(造粒)する。このことにより、平均粒径で3.0~6.0mm程度の擬似粒子である成形(造粒)焼結原料が得られる。
なお、前記平均粒径とは、長径の算術平均粒径であって、Σ(Vi×di)(但し、Viはi番目の粒度範囲の中にある粒子の存在比率であり、diはi番目の粒度範囲の代表粒径である。)で定義される粒径である。
前記配合焼結原料を成形(造粒)するための成形装置すなわち造粒機との例としては、1もしくは複数のドラムミキサーやペレタイザーなどを用いて成形することが好ましい。
このようにして得られた成形焼結原料(擬似粒子)は、次に、焼結機上に配置されている図示していないサージホッパーからドラムフィーダーと切り出しシュートからなる装入装置3を介して、焼結機パレット4上に400~600mm前後の厚さ(高さ)になるように装入して堆積させる。次に、焼結機パレット4上に装入された原料堆積層すなわち装入層に対し、この装入層の上方に設置した点火炉5により、この装入層中に含まれている炭材に点火する。その結果、前記パレット4下に配置されているウインドボックス6による下方吸引によって、該装入層中の前記炭材が順次に燃焼し、このときに発生する燃焼熱によって、装入原料(成形焼結原料)は、順次に燃焼し溶融することによって焼結が完了する。
その後、焼結機のパレット4上の焼結層(焼結ケーキ)は、破砕機7や焼結機クーラー8を経て篩9にて整粒され、5.0mm以上の塊状の成品焼結鉱と-5mmの返鉱とに分別して回収される。
なお、前記ウインドボックス6を通じて前記装入層内の空気を下方へ吸引する際、該装入層の上方から気体燃料や液体燃料、酸素などを吹き込んでもよい。その気体燃料としては、高炉ガスやコークス炉ガス、高炉・コークス炉混合ガス、転炉ガス、都市ガス、天然ガス、メタンガス、エタンガス、プロパンガス、シェールガスおよびそれらの混合ガスのうちから選ばれるいずれか一種以上の可燃性ガスが用いられる。また、前記液体燃料としては、重油、菜種油等が用いられる。
上述したように、本発明で提案する第一の方法は、鉄鉱石原料粉や、コークス粉、副原料粉などを混合し、このようにして得られる配合焼結原料に対し、所要量の水、さらには後述する特徴的なバインダーを添加して造粒成形し、その後、乾燥して水分量4.0mass%程度以下の成形焼結原料を製造する。この方法において、前記配合焼結原料の水分量は、一般的な造粒適正水分量(8~10mass%)よりも多めに調整される。この配合焼結原料にはさらに、水が蒸発した後もバインダー作用を発揮させるため有機バインダーまたはその有機バインダーと必要に応じて添加される無機バインダーとの混合バインダーを添加して造粒成形することにより、望ましい成形焼結原料を得る。
本発明において、前記配合焼結原料の水分量調整(調湿)にあたり、水の添加は、該配合焼結原料への粉状の有機バインダーや、無機バインダーを添加した後、もしくは、有機バインダーあるいはベントナイトや水ガラスなどの前記無機バインダーと同時にもしくはその前に添加することが好ましい。
本発明は、前記バインダーとくに有機バインダーとして、ガム系物質またはセルロース系増粘剤などの粉状有機バインダーではなく、繊維質の有機バインダー、とくに鉄鉱石原料粉とセルロースナノファイバー(CNF)とを含む集合体に着目し、これを使用することが特徴である。
本発明で用いる前記セルロースナノファイバーは、軽量かつ高強度の当該技術分野では全く新しい素材と考えられるものであるが、従来は脱臭材などの機能材などとして用いられていたものである。本発明において用いることのできるセルロースナノファイバーとしては、植物を構成するセルロース繊維をホモジナイザー、グラインダー処理などの機械的な解繊で製造された繊維、あるいはセルラーゼによる分解、薬品処理などの化学的処理で製造された繊維などのいずれのものであっても使用が可能である。本発明においてバインダーとして好適に用いられるセルロースナノファイバーとしては、繊維径が3~100nm、長さが100nmから数μmの大きさの微細な繊維であって、水や溶媒への分散を可能にした点に特徴を有するファイバーが好適である。なお、かかるセルロースの繊維は、最小単位であるミクロフィブリルまで解繊することができる他、水中に高濃度に分散した状態のものとして提供されるが、これらは例えばTEMPO触媒酸化法によっても製造することが可能である。この点、一般的なセルロースナノファイバーは、90mass%以上の水を分散媒として製造されているものが販売されているが、これまで製鉄分野では全く注目されていなかったものである。
そこで、本発明では、バインダーとしての前記セルロースナノファイバーの特性に着目する一方、このセルロースナノファイバーを単体で使用することの前述した問題を解決するために、より好ましい実施形態として、該セルロースナノファイバーを単体としてではなく、鉄鉱石原料粉と該セルロースナノファイバーを含む集合体(以下、鉄鉱石原料粉/セルロースナノファイバー集合体と略記する)にしたものを使用することにした。即ち、鉄鉱石原料粉とセルロースナノファイバーの原料であるセルロース繊維とを混合して共粉砕することにより、前記の集合体としてこれを用いることにしたのである。その理由は、鉄鉱石というのはもともと高炉法製鉄法で使用されているものであり、一方、セルロース繊維はパルプ製造時に使用される植物由来の繊維集合体である安価なパルプ、紙、古紙などを使用することができるものであることから焼結原料として馴染みやすく、しかも他のバインダーの使用に比べて安価に提供できる他、成形焼結原料としての強度の向上に有効であることに着目したのである。
ここで、前記共粉砕の方法としては、いずれの共粉砕法であってもよく、例えば、鉄鉱石の粉砕とともに、セルロースナノファイバーの原料であるパルプなどのセルロース繊維を解繊するために、水などの溶媒を用いた湿式粉砕法も有効な方法の1つである。とくに摩砕機能を有するボールミルやローラーミル、ビーズミルなどの粉砕機10は好適に用いられる。その他、スクリューの回転により粉砕する湿式タワーミルも連続処理できる点で好適に用いられる。なお、湿式タワーミルでの処理においては、溶媒である水の重量1に対して粉砕する鉄鉱石の重量が0.25以上である濃度のスラリーとし、かつ、スクリュー外周の線速度を1.5m/sec以上、より望ましくは3m/secとすることが好ましく、この方法によればボールミルやローラーミル、ビーズミルに準じた摩砕効果を得ることができるのでさらに能率が優れる。
前記の鉄鉱石原料粉/セルロースナノファイバー集合体は、鉄鉱石とセルロース繊維の混合質量比率にして99.9/0.01から80/20の範囲で集合させたものの適用が可能であり、粉砕効率や粘度上昇の観点からは99.9/0.1から90/10の範囲内で集合させたものが好ましい。また、鉄鉱石とセルロース繊維との合計の固形濃度は、10mass%から80mass%までのものの使用が可能であり、粉砕効率や粘度上昇の観点からは20mass%から60mass%が好ましい。
本発明で用いられる鉄鉱石原料粉/セルロースナノファイバー集合体は、乾燥した後に水分を添加すると、乾燥前と同様の粘性を示すものに戻る特性を有するため、輸送時の水分量を大幅に削減することが可能である。また、前記集合体は鉄鉱石原料粉の他、生石灰や粉コークス、その他の副原料粉を混合して得られたその混合(配合)焼結原料中に、前記バインダーを添加して成形焼結原料を製造する際、成形方法としては、造粒、ブリケット成型などの成形方法の採用が可能である。
本発明者らの研究によると、鉄鉱石粉等からなる配合焼結原料中に、鉄鉱石原料粉とセルロースナノファイバーを含む集合体を添加し、必要に応じ調湿して成形(造粒)することにより得られた成形焼結原料の場合、圧潰強度が、従来法で製造されたものよりも向上することが確かめられている。それは、従来の成形焼結原料の場合、一般的な有機バインダーを用いているため、焼結原料粉の各粒子間に介在することになるバインダー自体の分子間力にのみ支配されて最大圧潰強度が決まっている。ところが、本発明方法の場合、バインダーとして鉄鉱石原料粉とセルロースナノファイバーを含む集合体を用いていることから、この集合体に含まれているセルロースナノファイバーが鉄鉱石粉の表面に分散付着して存在することになる。従って、該セルロースナノファイバーの水酸基が鉄鉱石粉表面の酸化物と水素結合することによりより強固に結合し、そのために鉄鉱石粉の粒子間が、かかるセルロースナノファイバーによって繊維補強されることになるからである。
また、かかる鉄鉱石原料粉/セルロースナノファイバー集合体の場合、セルロースナノファイバーの繊維径が大きいことや、同時に共粉砕で生成する鉄鉱石破断面とセルロースナノファイバーとの相互作用などを要因として圧潰強度が向上するものと考えられる。
さらに、前述したような鉄鉱石原料粉とセルロースナノファイバーを含む集合体の形態で使用するものでは、セルロースナノファイバーを単体で配合焼結原料中に添加した場合に比べ、セルロースナノファイバーの局所的な偏在が抑制できるので、より高い圧潰強度が得られるものと考えられる。
バインダーとしての鉄鉱石原料粉/セルロースナノファイバー集合体の前記配合焼結原料に対する添加量は、セルロースナノファイバーの添加量として、約0.01mass%以上2.00mass%以下にすることが好ましく、とくに0.10mass%以上、1.00mass%以下がより好ましい。その理由は、セルロースナノファイバーとしての添加量が、0.01mass%以上であれば圧潰強度が向上し、一方、該セルロースナノファイバーとしての添加量が1.00mass%を超えても強度のより一層の向上効果は見られないからである。
また、鉄鉱石原料粉の他に、たとえばダストなどの固形分を配合して共粉砕したものであっても一定の強度向上の効果が得られるのでこれらの使用も可能である。ただし、起伏の大きい鉄鉱石原料粉の場合は、その表面性状がセルロースナノファイバー原料のセルロースナノファイバー化を促進する作用があるので、その作用を十分に発揮させるためには、ダスト等固形分の配合については、鉄鉱石原料粉に対して、等量以下配合して共粉砕することが望ましい。
また、成形焼結原料の外観形状は、鉄鉱石原料粉/セルロースナノファイバー集合体を添加したものの方が崩れずに安定している。これは、セルロースナノファイバーが鉄鉱石粉の粒子どうしを架橋するためと考えられ、このことが焼結鉱生産性の向上にも繋がるものと推察される。したがって、鉄鉱石原料粉/セルロースナノファイバー集合体の添加量は、セルロースナノファイバーとしての添加率にして0.01mass%以上1.00mass%以下とすることが好ましい。
また、セルロースナノファイバーによる鉄鉱石粉の粒子どうしの架橋を十分に発揮させるためには、鉄鉱石粉の粒子どうし間の空隙の寸法がセルロースナノファイバーの長さと同等かそれ以下であることが望ましい。その理由は、鉄鉱石粉の粗大粒子どうしに大きな空隙があったとしても、その大きな空隙に入り込む微細粒子があればよい。例えば、共粉砕後のセルロースナノファイバーの代表的な長さを1μmとすると、共粉砕後の共粉砕物のうちの粒径20μm以下のものの割合が、全体の20%以上あることが望ましい。
まず、表1に示すような配合条件で、日本アイリッヒ(株)製NE008タワーミルを用いて、スクリュー回転数700rpm、1時間の条件の下で、鉄鉱石(-2.38mm)と純パルプ(5mm、サンヨー化成製)を粉砕して、鉄鉱石原料粉/セルロースナノファイバー集合体を得た。得られた該集合体については、図2に示す透過電子顕微鏡写真に明らかなとおり、鉄鉱石粉と100nm程度の径を有するセルロースナノファイバーとが確認されている。
共粉砕前の鉄鉱石と、共粉砕後の共粉砕物の粒度分布の例を図3に示す。共粉砕により粒径は小い方向に変化し、共粉砕後の粒径20μm以下の粒子の重量比率は49%であった。
次に、得られた鉄鉱石原料粉/セルロースナノファイバー集合体を、生石灰(4mass%)と配合焼結原料(96mass%)との混合物に対し、セルロースナノファイバーとして、その濃度が0.5mass%、1.0mass%になるように添加して造粒した後、105℃で一時間乾燥することによって成形焼結原料を得た(実施例1,2)。
また、得られた前記鉄鉱石原料粉/セルロースナノファイバー集合体は、これをろ過し、乾燥(105℃)し、24時間の脱水を行ったものをバインダーとして、実施例1と同様の条件で成形焼結原料を得た(実施例3)。得られた成形焼結原料については、一軸圧縮試験機を用いて圧潰強度を求め、これを表2に示した。なお、比較例の有機バインダーとしては、粉状のCMC(カルボキシメチルセルロースNa塩、AS ONE 理化学品)を、配合焼結原料に対し添加した後、水分量を調整した。そして、実施例と同様に圧潰強度試験を行った。その測定結果を表2に示す。
Figure 0007371610000001
Figure 0007371610000002
表2に示す結果より、本発明に適合する条件で製造された例である実施例と比較例(CMC)とを比較すると、鉄鉱石原料粉/セルロースナノファイバー集合体をバインダーとして用いた場合(実施例1と2)は、CMCを用いた場合(比較例)よりも高い圧潰強度が得られていることがわかる。また、乾燥した鉄鉱石原料粉/セルロースナノファイバー集合体(実施例3)についても乾燥しない実施例1と同等の性能を示した。
次に、前記のようにして得られた成形焼結原料を用いて、バインダー種として実施例1~3および比較例1と同じものを用いて表3に示す条件で焼結鉱を製造した。その結果について、実施例4~6および比較例2として表3に示した。なお、表3に示すコークス量は、表1に示した鉄鉱石粉と副原料との合計量の外値で示している。
各実施例(4~6)および比較例2として示した焼結鉱についての歩留、焼結時間、生産率および擬似粒子径を求めて表3中に示した。なお、焼結機パレット上への成形焼結原料の装入層の厚みはすべて400mmとして操業を行った。その結果を示す表3に明らかなとおり、本発明法に適合する条件で製造した実施例(4~6)は、比較例2に比べ、歩留まり、焼結時間、生産率とも本発明の実施例のほうがいずれも良好な結果を示すことが確認できた。
特に、表3からわかるように、鉄鉱石原料粉/セルロースナノファイバー集合体をバインダーとして用いた場合(実施例4~6)では、比較例2と比べ、焼結時間が短縮し、生産性が向上していることがわかる。これは、比較例2にくらべて平均風速が大きいことから、通気性が改善されたことによるものと考えられる。
Figure 0007371610000003
1 ホッパー
2 ドラムミキサー
3 装入装置
4 焼結機パレット
5 点火炉
6 ウインドボックス
7 破砕機
8 焼結機クーラー
9 篩
10 粉砕機

Claims (4)

  1. 鉄鉱石や炭材、副原料を含む配合焼結原料に対し、バインダーを添加し成形して成形焼結原料を製造する方法において、上記バインダーとして鉄鉱石粉とセルロースナノファイバーを混合質量比率にして99.9/0.01~80/20の範囲で混合し共粉砕し集合させた集合体を用いることを特徴とする成形焼結原料の製造方法。
  2. 前記鉄鉱石粉とセルロース繊維との合計の固形濃度は、10mass%~80mass%のものであることを特徴とする請求項1に記載の成形焼結原料の製造方法。
  3. 前記鉄鉱石粉とセルロースナノファイバーを共粉砕し集合させてなる前記集合体の前記配合焼結原料に対する添加量は、該セルロースナノファイバーの添加量にして、0.01mass%~2.00mass%の範囲に当る量とすることを特徴とする請求項1または2に記載の成形焼結原料の製造方法。
  4. 請求項1~のいずれか1に記載された成形焼結原料の製造方法によって製造された成形焼結原料を、焼結機にて焼結することを特徴とする焼結鉱の製造方法。
JP2020196870A 2019-11-29 2020-11-27 成形焼結原料の製造方法および焼結鉱の製造方法 Active JP7371610B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019216207 2019-11-29
JP2019216207 2019-11-29

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2021091965A JP2021091965A (ja) 2021-06-17
JP7371610B2 true JP7371610B2 (ja) 2023-10-31

Family

ID=76311870

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020196870A Active JP7371610B2 (ja) 2019-11-29 2020-11-27 成形焼結原料の製造方法および焼結鉱の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7371610B2 (ja)

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002212646A (ja) 2001-01-17 2002-07-31 Kobe Steel Ltd 鉄鉱石ペレットの製造方法
JP2002285251A (ja) 2001-01-17 2002-10-03 Kobe Steel Ltd 焼結鉱の製造方法
JP2009024190A (ja) 2007-07-17 2009-02-05 Jfe Steel Kk 成形焼結原料の製造方法
JP2019143183A (ja) 2018-02-19 2019-08-29 Jfeスチール株式会社 成形焼結原料の製造方法および焼結鉱の製造方法

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002212646A (ja) 2001-01-17 2002-07-31 Kobe Steel Ltd 鉄鉱石ペレットの製造方法
JP2002285251A (ja) 2001-01-17 2002-10-03 Kobe Steel Ltd 焼結鉱の製造方法
JP2009024190A (ja) 2007-07-17 2009-02-05 Jfe Steel Kk 成形焼結原料の製造方法
JP2019143183A (ja) 2018-02-19 2019-08-29 Jfeスチール株式会社 成形焼結原料の製造方法および焼結鉱の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2021091965A (ja) 2021-06-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101405478B1 (ko) 성형탄 제조 방법 및 성형탄 제조 장치
JP5644955B2 (ja) 焼結原料の造粒方法
KR20120035946A (ko) 페로코크스의 제조 방법
JPS6223944A (ja) 酸化ニッケル鉱石からフェロニッケルルッペを製造する方法
JP6421666B2 (ja) 焼結鉱の製造方法
JP5011955B2 (ja) フェロコークスの製造方法
JP6102484B2 (ja) 焼結鉱の製造方法
JPH024658B2 (ja)
JP7371610B2 (ja) 成形焼結原料の製造方法および焼結鉱の製造方法
WO2012049974A1 (ja) 還元鉄の製造方法
Zhang et al. Improving the sintering performance of blends containing Canadian specularite concentrate by modifying the binding medium
JP2007246786A (ja) フェロコークスおよび焼結鉱の製造方法
JP3825272B2 (ja) 焼結鉱の製造方法
JP2007169603A (ja) フェロコークスおよび焼結鉱の製造方法
JP6848898B2 (ja) 成形焼結原料の製造方法および焼結鉱の製造方法
JP4048734B2 (ja) 焼結鉱の製造方法
CN113736989B (zh) 一种利用除尘焦的烧结矿及制备方法
JP6326074B2 (ja) 炭材内装鉱およびその製造方法
JP2009030116A (ja) 高炉用鉱石原料の製造方法
JPH04210433A (ja) 粉コークス、無煙炭の造粒方法及び焼結鉱の製造方法
JP6361340B2 (ja) 微粒子混合物を用いた焼結鉱の製造方法
KR102177527B1 (ko) 소결용 결합재의 사전 처리방법, 소결용 결합재의 사전 처리장치 및 소결광 제조방법
KR102205814B1 (ko) 페로코크스의 제조 방법
CN116377213A (zh) 一种添加预制粒的含碳固废降低烧结固体燃耗的方法
JP2023132282A (ja) 転炉用昇熱材およびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220628

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20230418

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230509

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230705

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230919

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20231002

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7371610

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150