JP3824994B2 - 炭化水素、アルコール及び(又は)ケトンの酸化方法 - Google Patents

炭化水素、アルコール及び(又は)ケトンの酸化方法 Download PDF

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Description

【0001】
本発明は、酸素又は酸素含有ガスにより炭化水素を相当するカルボン酸、アルコール及び(又は)ケトンに或いはアルコール及び(又は)ケトンを相当するカルボン酸に酸化することに関する。
【0002】
触媒の存在下での炭化水素、特にシクロアルカンの酸素による直接酸化は、長きにわたって研究されてきた方法である。この理由は、現在の産業的方法の工程の一つにおいて使用される硝酸のような酸化剤の使用を回避させるのに明らかに有益であり、発生する窒素酸化物を処理する必要性を免れさせるであろうということである。
【0003】
このような酸素による接触酸化方法の多くの変法において、コバルトが最もしばしば推奨される触媒である。
【0004】
しかして、1940年12月に刊行された米国特許US−A−2223493は、環状炭化水素を一般的に酢酸を含む液相で、少なくとも60℃の温度で、酸素含有ガスを使用し、コバルト化合物のような酸化触媒の存在下に相当するジ酸に酸化することを記載してたいる。
1990年2月に刊行された米国特許US−A−4902827は、シクロヘキサンを酢酸を含む液相中で、80〜160℃の温度で可溶性コバルト化合物と可溶性ジルコニウム及び(又は)ハフニウム化合物を含む酸化触媒の存在下にアジピン酸に空気酸化する方法の改良を記載している。
【0005】
最近、ヨーロッパ特許EP−A−0694333において、酸素による炭化水素の酸化に関して、コバルト塩と第二鉄塩を含む触媒を使用することが推奨された。
また、ヨーロッパ特許EP−A−0870751に、コバルト塩とクロム塩を含む触媒を使用して選択率を向上させることが推奨された。
挙げられるこの酸化反応のための他の普通の触媒はマンガンである。
【0006】
経済的理由のみならず得られた生成物を一層精製し易くするためには、できるだけ低い触媒濃度でもって作業することが好ましい。しかして、マンガンがシクロヘキサンを酸化するための方法において有益な触媒である。
それにも拘わらず、上記の従来技術の方法で使用された触媒系により得られる選択率は満足できるけれども、これらの方法の生産効率はこのような反応を工業的に利用可能にするためには更に改善される必要があることがわかる。
【0007】
これこそ本発明がその達成のために提案するものである。更に詳しくは、本発明は、炭化水素、アルコール及び(又は)ケトンを、液相で反応媒体に溶解した触媒の存在下に酸素又は酸素含有ガスを使用して酸化するに当たり、該触媒が少なくとも1種の可溶性マンガン及び(又は)コバルト化合物と、少なくとも1種の可溶性クロム化合物と、少なくとも1種の可溶性鉄化合物とを含むことを特徴とする、炭化水素、アルコール及び(又は)ケトンの酸化方法よりなる。
【0008】
本発明の方法で出発基質として使用される炭化水素は、特に、3〜20個の炭素原子を含有するアルカン、シクロアルカン、アルキル芳香族炭化水素、アルケン及びシクロアルケンである。
これらの炭化水素のうちで、シクロアルカン、特に、5〜12個の炭素原子を含有する環を持つものが明らかに最も重要である。何故ならば、それらの酸化はジカルボン酸又は中間体のシクロアルカノール及びシクロアルカノンを導くからである。
最も有益である炭化水素はシクロヘキサンであり、その酸化はポリアミド(ナイロン)66の基本化合物の一つであるアジピン酸を導くが、カプロラクタム、しかしてナイロン6を導くシクロヘキサノンも与えることができる。
【0009】
また、本発明の方法は、中間体アルコール又はケトン、特に5〜12個の炭素原子を含有するシクロアルカノール及びシクロヘキサノンを酸化して相当するジカルボン酸を製造するために使用することもできる。
【0010】
本明細書において、以下では、炭化水素、本質的にはシクロアルカンの酸化、好ましくはシクロヘキサンの酸化のための方法について特に説明する。
【0011】
マンガン及び(又は)コバルト化合物と、クロム化合物と、鉄化合物とを含む触媒系は、シクロヘキサンの酸化を達成するときに、良好な選択率で及び改善された生産効率で直接アジピン酸を製造することを可能にさせる。これらの触媒性は、この酸化反応の工業的実施にとって明らかに非常に有益である。
【0012】
触媒系は、反応媒体に可溶であり、例えば、塩化マンガン、臭化マンガン、硝酸マンガン及びカルボン酸マンガン、例えば酢酸マンガン四水塩、プロピオン酸マンガン、アジピン酸マンガン、グルタル酸マンガン又はこはく酸マンガン(これらに限られない)から選ばれる少なくとも1種のマンガン化合物か、或いは反応媒体に可溶であり、例えば、塩化コバルト、臭化コバルト、硝酸コバルト及びカルボン酸コバルト、例えば酢酸コバルト四水塩、プロピオン酸コバルト、アジピン酸コバルト、グルタル酸コバルト又はこはく酸コバルト(これらに限られない)から選ばれる少なくとも1種のコバルト化合物のいずれかを含む。
【0013】
また、触媒は、反応媒体に可溶であり、塩化クロム、臭化クロム、硝酸クロム及びカルボン酸クロム、例えば酢酸クロム、プロピオン酸クロム、アジピン酸クロム、グルタル酸クロム又はこはく酸クロム及び無機若しくは有機クロム酸塩(これらに限られない)から選ばれる少なくとも1種のクロム化合物も含む。
【0014】
また、触媒は、反応媒体に可溶であり、例えば、ハロゲン化鉄、硝酸鉄及びカルボン酸鉄、例えば酢酸鉄、プロピオン酸鉄、アジピン酸鉄、グルタル酸鉄又はこはく酸鉄及び鉄キレート、例えば鉄アセチルアセトネートから選ばれる少なくとも1種の鉄化合物も含む。
【0015】
最後に、また、触媒は、反応媒体に可溶であり、例えば、塩化ジルコニウム、臭化ジルコニウム、硝酸ジルコニウム及びカルボン酸ジルコニウム、例えば酢酸ジルコニウム、プロピオン酸ジルコニウム、アジピン酸ジルコニウム、グルタル酸ジルコニウム又はこはく酸ジルコニウム、及び塩化ハフニウム、臭化ハフニウム、硝酸ハフニウム及びカルボン酸ハフニウム、例えば酢酸ハフニウム、プロピオン酸ハフニウム、アジピン酸ハフニウム、グルタル酸ハフニウム又はこはく酸ハフニウム(これらに限られない)から選ばれる少なくとも1種のジルコニウム及び(又は)ハフニウム化合物も含むことができる。
【0016】
触媒系におけるマンガン及び(又は)コバルト、クロム及び鉄の間のモル比は広い範囲で変えることができる。しかして、有利には1/0.00001/0.0001〜1/100/100の間、好ましくは1/0.001/0.01〜1/10/10の間にあるMn及び(又は)Co/Cr/Feのモル比を使用することが可能である。
【0017】
ジルコニウム又はハフニウムの量は、存在するときは、マンガン又はコバルトに対して、クロムについて示したものに類似するモル比で変動できる。
【0018】
触媒は、反応媒体にマンガン及び(又は)コバルト化合物、クロム化合物、鉄化合物及び随意のジルコニウム又はハフニウム化合物を装入することによって現場で得ることができる。また、それは、使用時に、該化合物を所望のMn及び(又は)Co/Cr/Fe及び随意のZr及び(又は)Hfモル比を得るのに要する割合で混合することによって製造することができる。好ましくは、この混合物は、溶媒、有利には、酸化反応に使用するものと同じ性質の溶媒を使用して又はこの溶媒中で直接製造される。
【0019】
触媒の量は、反応混合物に対し金属元素(マンガン、コバルト、クロム、鉄及び随意のジルコニウム又はハフニウム)の重量%で表わして、一般に0.0001%〜5%、有利には0.001%〜2%であるが、これらの値は臨界的ではない。しかし、それは、過度に多量を使用しなくても十分である活性を有する場合である。この理由は、触媒が最終反応媒体から分離されて再循環されねばならないということである。
【0020】
また、酸化反応を開始させる化合物を使用することが有益である。開始剤は、しばしばヒドロペルオキシド、例えば、シクロヘキシルヒドロペルオキシド又はt−ブチルヒドロペルオキシドである。また、それらは、ケトン又はアルデヒド、例えば、シクロヘキサンの酸化中に形成される化合物の一つであるシクロヘキサノン又はアセトアルデヒドである。一般に、開始剤は、使用する反応混合物の重量に対して0.01〜20重量%を占めるが、これらの割合は臨界的な値ではない。開始剤は、酸化を開始するとき及びシクロヘキサンの酸化が120℃以下の温度で達成されるときに何よりも有用である。それは反応の開始から導入することができる。
【0021】
液状反応媒体は、好ましくは、本発明の方法を実施することによりその製造が意図されるカルボン酸及び(又は)アルコール及び(又は)ケトンのための少なくとも部分的な溶媒である溶媒を含有する。この溶媒は、それが反応条件下で実質的に酸化性ではないことを条件にして、非常に種々の性状のものであることができる。それは、特に、極性プロトン溶媒及び極性非プロトン溶媒から選ぶことができる。挙げられる極性プロトン溶媒は、例えば、第一又は第二水素原子のみを含有するカルボン酸、特に、2〜9個の炭素原子を含有する脂肪酸、トリフルオル酢酸のようなペルフルオルアルキルカルボン酸、t−ブタノールのようなアルコールである。挙げられる極性非プロトン溶媒は、例えば、カルボン酸の低級アルキルエステル(1〜4個の炭素原子を含有するアルキル基)、特に2〜9個の炭素原子を含有する脂肪族カルボン酸又はペルフルオルアルキルカルボン酸の低級アルキルエステル、テトラメチレンスルホン(即ち、スルホラン)、アセトニトリル、ジクロルメタンのようなハロゲン化炭化水素、アセトンのようなケトンである。
【0022】
好ましくは、酢酸がシクロヘキサンの酸化反応のための溶媒として使用される。マンガン及びクロム成分が溶媒として使用されたカルボン酸から誘導される化合物の形である触媒を使用するのが便利であるが、ただし該化合物が反応媒体に可溶であることが条件である。しかして、特にこの理由から、好ましくは酢酸マンガン、酢酸クロム及び酢酸鉄が使用される。
【0023】
上記のような溶媒は、一般に、反応媒体の1〜99重量%、好ましくは10〜90重量%、更に好ましくは20〜80重量%を占める。
【0024】
また、酸化は、方法の初期段階から導入された水の存在下に実施することができる。
酸化反応を実施する温度は可変であり、特に使用する基質に応じて変化できる。一般に、それは50℃〜200℃、好ましくは80℃〜140℃の間である。
圧力は、方法の臨界的なパラメーターではない。それは大気圧未満であり、大気圧に等しく、又は大気圧よりも高くてよい。一般に、0.1MPa(1バール)〜20MPa(200バール)の間であるが、これらの値は絶対的ではない。
【0025】
純酸素、空気、酸素富化空気、酸素枯渇空気又は不活性ガス希釈酸素を使用することができる。
【0026】
以下の実施例は本発明を例示するものである。
【0027】
例1
加熱用カラーによる加熱手段、冷却手段、ターボミキサー、ガスを導入し除去するための手段及び圧力調節のための手段を備えた1.5Lのチタン製オートクレーブに下記の反応剤を装填するが、オートクレーブは窒素により予めパージしておいた。
・292.5gのシクロヘキサン
・357gの酢酸
・3.4gのシクロヘキサノン
・4.16g(16.7ミリモルのCo)の酢酸コバルト四水塩
・0.162g(0.74ミリモルのCr)の酢酸クロム二水塩
・1.183g(3.2ミリモルのFe)の鉄アセチルアセトネート
・0.8gの水
反応器を閉じた後、1000rpmで攪拌し、20℃で20バールの窒素圧を創り出し、熱を加えた。温度が20分間で大部分が105℃に達した。窒素を、20バールの圧力下に5%の酸素を含有する空気で置き換えた。空気の標準ガス流量は250L/hである。酸素を消費することなく約数分の短時間の後、温度が数度ずつ上昇し、酸素の消費が観察された。空気の酸素含有量は21%の値まで徐々に増大させた。反応器を去るガス中の酸素含有量は5%未満のままであった。
76分間反応させた後、52.8標準Lの酸素が消費されたが、約20%のシクロヘキサン転化率に相当する。
空気によるフッラシングを停止し、70℃の温度で冷却した後、反応混合物を分析して転化率及び選択率を決定する。これらの分析は、ガスクロマトグラフィーにより達成した(用語“選択率”−STは、有効に転化されたシクロヘキサンの理論モル数から計算された化学種の理論モル数に対するある化学種のモル比(計量されたモル数の%として表わされる)を意味する。)。
下記の結果が得られた。
Figure 0003824994
【0028】
例2−比較例
例1を同じ装置で同じ操作条件で、下記の反応剤を装填して繰り返した。
・292.5gのシクロヘキサン
・357gの酢酸
・3.4gのシクロヘキサノン
・4.0g(16.2ミリモルのCo)の酢酸コバルト四水塩
・0.157g(0.64ミリモルのCr)の酢酸クロム二水塩
・0.6gの水
反応時間は、同等の転化率とするために、例1の76分間に代えて95分間であった。
下記の結果が得られた。
Figure 0003824994
この試験は、触媒の活性に対する鉄の影響を明示している。特に、シクロヘキサンの類似の転化率を得るためには、反応時間は例1では25%短かったが、アジピン酸への同等の選択率を維持した。
【0029】
例3−比較例
例1を同じ装置で同じ操作条件で、下記の反応剤をを装填して繰り返した。
・292.5gのシクロヘキサン
・357gの酢酸
・3.4gのシクロヘキサノン
・4.17g(16.7ミリモルのCo)の酢酸コバルト四水塩
・0.8gの水
反応時間は、75分間であった。
下記の結果が得られた。
Figure 0003824994
この試験は、例1と比べて、触媒の選択率及び生産効率に及ぼす鉄及びクロムの存在の明確な効果を示す。
【0030】
例4
例1を、同じ装置で同じ操作条件であるが、反応器に下記の反応剤を装填して繰り返した。
・292.5gのシクロヘキサン
・357gの酢酸
・3.4gのシクロヘキサノン
・4.13g(16.6ミリモルのCo)の酢酸コバルト四水塩
・0.2325g(1.06ミリモルのCr)の酢酸クロム二水塩
・1.086g(3.1ミリモルのFe)の鉄アセチルアセトネート
・0.8gの水
反応時間は、73分間であった。
下記の結果が得られた。
Figure 0003824994
【0031】
例5−比較例
例1を、同じ装置で同じ操作条件であるが、反応器に下記の反応剤を装填して繰り返した。
・292.5gのシクロヘキサン
・357gの酢酸
・3.4gのシクロヘキサノン
・4.0g(16.1ミリモルのCo)の酢酸コバルト四水塩
・0.309g(1.25ミリモルのCr)の酢酸クロム二水塩
・0.6gの水
反応誘導時間は50分間であり、反応時間は160分間であった。
下記の結果が得られた。
Figure 0003824994
この試験は、例4と比べて、選択率に有意の影響を及ぼすことなく、生産効率に及ぼす鉄とクロムとの組合せの明確な効果を示す。
【0032】
例6
加熱用カラーによる加熱手段、冷却手段、ターボミキサー、ガスを導入し除去するための手段及び圧力調節のための手段を備えた1.5Lのチタン製オートクレーブに下記の反応剤を装填するが、オートクレーブは窒素により予めパージしておく。
・292.5gのシクロヘキサン
・357gの酢酸
・3.67gのシクロヘキサノン
・4.13g(16.6ミリモルのCo)の酢酸コバルト四水塩
・0.1595g(0.73ミリモルのCr)の酢酸クロム二水塩
・1.0895g(3.1ミリモルのFe)の鉄アセチルアセトネート
・0.8gの水
反応器を閉じた後、1000rpmで攪拌し、20℃で20バールの窒素圧を 創り出し、熱を加えた。温度が20分間で大部分が105℃に達した。窒素を、20バールの圧力下に5%の酸素を含有する空気で置き換えた。空気の標準ガス流量は250L/hであった。酸素を消費することなく約数分の短時間の後、温度が数度ずつ上昇し、酸素の消費が観察された。空気の酸素含有量は21%の値まで徐々に増大させた。反応器を去るガス中の酸素含有量は5%未満のままであった。
50標準Lの酸素が消費された(約20%のシクロヘキサン転化率に相当する)ときに、液相へ、1.1重量%の酢酸コバルト四水塩、0.043重量%の酢酸クロム二水塩及び0.3重量%の鉄アセチルアセトネートを含有する酢酸溶液の3.9mL/分の流量での連続注入と、シクロヘキサンの4.3mL/分の流量での注入とを開始した。
注入期間中の酸素の消費は0.6L/分であった。
空気によるフッラシングを停止し、反応剤の注入を停止した後、混合物を70℃の温度で冷却した。反応混合物を分析して種々の転化率及び選択率を決定した。これらの分析は、ガスクロマトグラフィーにより達成した。
下記の結果が得られた。
Figure 0003824994
触媒の生産効率は、60.7g/L/時の生成アジピン酸であった。
【0033】
例7−比較例
例6を、同じ装置で同じ操作条件であるが、初期装填物中及び注入溶液中の鉄のみを省いて、繰り返した。
注入期間中の酸素の消費は0.44L/分であった。
下記の結果が得られた。
Figure 0003824994
触媒の生産効率は、47.5g/L/時の生成アジピン酸であった。
【0034】
例8−比較例
例7を、同じ装置で同じ操作条件であるが、初期装填物中及び注入溶液中の鉄及びクロムを省いて、繰り返した。
注入期間中の酸素の消費は0.55L/分であった。
下記の結果が得られた。
Figure 0003824994
触媒の生産効率は、56.5g/L/時の生成アジピン酸であった。
【0035】
例9−比較例
加熱用カラーによる加熱手段、冷却手段、ターボミキサー、ガスを導入し除去するための手段及び圧力調節のための手段を備えた125mLのチタン製オートクレーブに下記の反応剤を装填した。
・21.25g(253ミリモル)のシクロヘキサン
・27.35gの酢酸
・0.26g(2.65ミリモル)のシクロヘキサノン
・0.0357g(0.146ミリモルのMn)の酢酸マンガン四水塩
・0.011g(0.04ミリモルのCr)の酢酸クロム二水塩
反応器を閉じた後、1000rpmで攪拌し、空気圧(20℃で100バール)を創り出し、反応器を加熱した。温度が10分間で大部分が105℃に達し、この温度を更に150分間保持した。
冷却し、減圧した後、反応混合物は二つの液相からなり、これらを酢酸を添加して均質化した。
このようにして得られた均質混合物をガスクロマトグラフィーにより検定した。
下記の結果が得られた。
Figure 0003824994
【0036】
例10
触媒系として下記の組成を有する系を使用して、例9を繰り返した。
・0.3107g(1.247ミリモルのCo)の酢酸コバルト四水塩
・0.0119g(0.012ミリモルのCr)の酢酸クロム二水塩
・0.0861g(0.244ミリモルのFe)の鉄アセチルアセトネート
・0.0525g(0.149ミリモルのMn)のマンガン(III)アセチルアセトネート
この混合物を105℃で45分間保持した。
下記の結果が得られた。
Figure 0003824994
【0037】
例11
触媒系として下記の組成を有する系を使用して、例10を繰り返した。
・0.3135g(1.258ミリモルのCo)の酢酸コバルト四水塩
・0.0114g(0.0113ミリモルのCr)の酢酸クロム二水塩
・0.0828g(0.234ミリモルのFe)の鉄アセチルアセトネート
・0.0522g(0.148ミリモルのMn)のマンガン(III)アセチルアセトネート
・0.0059g(0.0121ミリモルのZr)のジルコニウムアセチルアセトネート
下記の結果が得られた。
Figure 0003824994

Claims (18)

  1. 炭化水素、アルコール及び(又は)ケトンを、液相で極性プロトン溶媒及び極性非プロトン溶媒から選ばれる溶媒中で、反応媒体に溶解した触媒の存在下に酸素又は酸素含有ガスを使用して、カルボン酸に酸化するに当たり、出発物質として使用される炭化水素、アルコール及び(又は)ケトンが5〜12個の炭素原子を含有する環を持つシクロアルカン、シクロアルカノール及び(又は)シクロアルカノンから選ばれること、該触媒が可溶性マンガン及び(又は)コバルト化合物と、可溶性クロム化合物と、可溶性鉄化合物とを含むことを特徴とする、炭化水素、アルコール及び(又は)ケトンをカルボン酸に酸化する方法。
  2. 炭化水素がシクロヘキサンであることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. アルコール及び(又は)ケトンがシクロヘキサノール及び(又は)シクロヘキサノンであることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  4. 触媒が、反応媒体に可溶であり、塩化マンガン、臭化マンガン、硝酸マンガン及びカルボン酸マンガン塩から選ばれる少なくとも1種のマンガン化合物を含むことを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 触媒が、反応媒体に可溶であり、塩化コバルト、臭化コバルト、硝酸コバルト及びカルボン酸コバルト塩から選ばれる少なくとも1種のコバルト化合物を含むことを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  6. 触媒が、反応媒体に可溶であり、塩化クロム、臭化クロム、硝酸クロム、カルボン酸クロム塩及び無機若しくは有機クロム酸塩から選ばれる少なくとも1種のクロム化合物を含むことを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
  7. 触媒が、反応媒体に可溶であり、塩化鉄、臭化鉄、硝酸鉄及びカルボン酸鉄塩から選ばれる少なくとも1種の鉄化合物を含むことを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
  8. 触媒が可溶性ジルコニウム又はハフニウム化合物を含むことを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
  9. 反応媒体に可溶であるジルコニウム化合物が、塩化ジルコニウム、臭化ジルコニウム、硝酸ジルコニウム及びカルボン酸ジルコニウム塩から選ばれることを特徴とする、請求項8に記載の方法。
  10. 反応媒体に可溶であるハフニウム化合物が、塩化ハフニウム、臭化ハフニウム、硝酸ハフニウム及びカルボン酸ハフニウム塩から選ばれることを特徴とする、請求項8に記載の方法。
  11. マンガン及び(又は)コバルト、クロム及び鉄の間のモル比が1/0.00001/0.0001〜1/100/100の間にあることを特徴とする、請求項1〜10のいずれかに記載の方法。
  12. マンガン及び(又は)コバルト、クロム及び鉄の間のモル比が1/0.001/0.001〜1/10/10の間にあることを特徴とする、請求項11に記載の方法。
  13. 触媒の量が、反応混合物に対する金属元素の重量%として表わして、0.0001%〜5%の間であることを特徴とする、請求項6〜12のいずれかに記載の方法。
  14. 液状反応媒体が、2〜9個の炭素原子を含有する脂肪族カルボン酸、ペルフルオルアルキルカルボン酸、アルコール、ハロゲン化炭化水素、ケトン、2〜9個の炭素原子を含有する脂肪族カルボン酸の又はペルフルオルアルキルカルボン酸の低級アルキルエステル、テトラメチレンスルホン(又はスルホラン)及びアセトニトリルから選ばれる溶媒を含有することを特徴とする、請求項1〜13のいずれかに記載の方法。
  15. 使用する溶媒が酢酸であることを特徴とする、請求項1〜14のいずれかに記載の方法。
  16. 溶媒が反応媒体の1〜99重量%を占めることを特徴とする、請求項1〜15のいずれかに記載の方法。
  17. 酸化反応を行なう温度が50℃〜200℃であることを特徴とする、請求項1〜16のいずれかに記載の方法。
  18. 酸化反応を行なう圧力が0.1MPa(1バール)〜20MPa(200バール)であることを特徴とする、請求項1〜17のいずれかに記載の方法。
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