JP3824972B2 - ネットワーク管理装置 - Google Patents

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  • Computer Networks & Wireless Communication (AREA)
  • Signal Processing (AREA)
  • Data Exchanges In Wide-Area Networks (AREA)
  • Exchange Systems With Centralized Control (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はネットワーク管理装置に関し、特にネットワークの管理を行うネットワーク管理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、情報ネットワーク・サービスは、多種多様なものが求められ、これらのサービスを提供するための情報インフラストラクチャは、複雑化、巨大化している。このような状況の中で、ネットワークを構成する伝送装置などのネットワーク装置(NE:Network Element)の保守管理を行うネットワーク管理装置(NMS:Network Management System)の需要が高まっている。
【0003】
オペレータがNEの現在の状態を変更しようとした場合、状態変更要求をNMSへ入力する。NMSは、オペレータからの状態変更要求を受けると、この要求に該当するコマンドを生成してNEへ送信し、そのレスポンスデータを受信する。これによりNEの状態が変更され、装置状態が管理される。また、NEには、誤った運用設定がなされて、ネットワーク上に重大な障害を起すことがないように、通常は複雑な制約条件が設けられている。
【0004】
制約条件とは、NEの状態と、受け付け可能な状態変更要求との関係を定めた規則のことである(あるNEが状態Aのときは状態変更要求Aに関するコマンドは受け付けるが、状態変更要求Bに関するコマンドは受け付けないというように、NEはコマンドを受け付けるための条件(制約条件)を持っているということ)。
【0005】
したがって、オペレータは、制約条件を満足するように状態変更要求を行う必要がある。NEは、状態変更要求のコマンドを受信した場合、そのときの装置状態によって、コマンドが制約条件を満足していれば受け付け、満足していない場合には、そのコマンドに対するエラーレスポンスをNMSへ返送する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
オペレータは、コマンド送信等に関する履歴(操作履歴)を効率よく管理するためには、無駄なオペレーションを省く必要がある。したがって、NEに状態変更要求を行う場合、現在のNEの状態で、制約条件を満足するか否かを事前に確認して、正常な状態変更要求を送信することで、NEからのエラーレスポンスをできるだけ受信しないことが望ましい。
【0007】
しかし、従来の管理制御では、制約条件を確認するためには、新規導入または既設のNEに対し、オペレータがNEの取扱説明書やヘルプ機能等を用いて、状態変更要求の制約条件をあらかじめ調査しなければならず、さらに、オペレータ自身が、その制約条件を現在の装置状態が満足しているか否かを判断しなければならなかった。このため、作業にはかなりの手間がかかり、保守管理における利便性が低いといった問題があった。
【0008】
また、状態変更要求に関するコマンドがNEで受け付けられず、エラーレスポンスが返送された場合、どのような問題対処をすれば、NEがそのコマンドを受け付けられるかを、オペレータがエラー内容、NEの現在の装置状態、制約条件などから調査しなければならなかった。さらに、調査後に複数の問題対処があることがわかった場合、オペレータがそれらの問題対処による操作を逐一実行していく必要があった。このように、従来のネットワーク管理では、オペレータの負担が大きく効率的でなかった。
【0009】
一方、ネットワーク管理技術の従来技術として例えば、特開2000−339289号公報が提案されている。これは、エラー内容から想定される問題原因、対処方法をあらかじめ作成して保持しておき、エラーが発生した場合、対応する問題原因、対処方法をヘルプ機能で表示し、オペレータが問題原因を判断して、再度コマンドを投入するものである。
【0010】
ところが、この従来技術では、NEの現在の運用状態を考慮していないため、現時点での問題原因が明確に特定できない。このため、想定される複数の問題対処から、オペレータが結局、問題原因や対処方法を調査する必要があるために、作業効率の向上が望めなかった。また、対処方法をあらかじめ作成する方法では、問題原因に関する対処の手順をすべて記載しておく必要があるが、この場合、現在運用している装置状態として不要な手順も含まれることになり、管理効率の向上が望めなかった。
【0011】
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、現在のNEの状態に応じた適切な問題解決を実行して、保守管理に対する作業効率及び利便性の向上を図ったネットワーク管理装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明では上記課題を解決するために、図1に示すような、ネットワークの管理を行うネットワーク管理装置10において、現在の装置状態を管理する装置状態テーブルT1、装置が状態変更要求を受け付けるための制約条件を管理する制約条件テーブルT2、制約の原因になっている問題に対処するための問題対処データを管理する問題対処テーブルT3、を格納するテーブル格納部11と、テーブル格納部11内のテーブルを利用して、状態変更要求が現在の装置状態で制約条件を満足しているか否かを判断し、満足していなく、かつ問題を回避できる場合は、制約がかかっている問題がなくなるまで、すべての問題対処データを抽出し、満足していなく、かつ問題を回避できない場合は、回避できない原因である回避不可原因を抽出して、状態変更要求の正常性の解析処理を行う解析処理部12と、ユーザインタフェース処理を行って、抽出した問題対処データまたは回避不可原因を通知するユーザインタフェース部13と、問題対処データにもとづき、問題を解決するための状態変更要求に対応するコマンドを生成して装置へ送信し、レスポンスを受信する装置通信部14と、を有することを特徴とするネットワーク管理装置10が提供される。
【0013】
ここで、テーブル格納部11は、現在の装置状態を管理する装置状態テーブルT1、装置が状態変更要求を受け付けるための制約条件を管理する制約条件テーブルT2、制約の原因になっている問題に対処するための問題対処データを管理する問題対処テーブルT3を格納する。解析処理部12は、テーブル格納部11内のテーブルを利用して、状態変更要求が現在の装置状態で制約条件を満足しているか否かを判断し、満足していなく、かつ問題を回避できる場合は、制約がかかっている問題がなくなるまで、すべての問題対処データを抽出し、満足していなく、かつ問題を回避できない場合は、回避できない原因である回避不可原因を抽出して、状態変更要求の正常性の解析処理を行う。ユーザインタフェース部13は、ユーザインタフェース処理を行って、抽出した問題対処データまたは回避不可原因を通知する。装置通信部14は、問題対処データにもとづき、問題を解決するための状態変更要求に対応するコマンドを生成して装置へ送信し、レスポンスを受信する。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1はネットワーク管理装置の原理図である。ネットワーク管理システム1は、ネットワーク1aを構成するネットワーク装置(以下、NEまたは単に装置と呼ぶ)20−1〜20−nと、NE20−1〜20−nを管理するネットワーク管理装置(以下、NMS)10で構成される。
【0015】
NMS10に対し、テーブル格納部11は、装置状態テーブルT1、制約条件テーブルT2、問題対処テーブルT3を格納管理する。装置状態テーブルT1は、NE20−1〜20−n(総称する場合はNE20とする)の現在の装置状態を管理するテーブルである。
【0016】
制約条件テーブルT2は、NE20が状態変更要求を受け付けるための制約条件を管理するテーブルである。問題対処テーブルT3は、制約の原因になっている問題に対処するための問題対処データを管理するテーブルである。なお、システム運用中でも各データの値は必要に応じて書き替え可能である。各テーブルの詳細は図2〜図6で後述する。
【0017】
解析処理部12は、状態変更要求の正常性の解析処理を行う。具体的にはまず、状態変更要求が現在の装置状態で制約条件を満足しているか否かを、テーブル格納部11で格納されている各種データにもとづき判断する。
【0018】
そして、制約条件を満足していないが問題を回避できる場合は、制約がかかっている問題がすべてなくなるまで、すべての問題対処データを抽出する。また、制約条件が満足していなく、かつ問題を回避できない場合には、回避できない原因である回避不可原因を抽出する。詳細は図7以降で後述する。
【0019】
ユーザインタフェース部13は、ユーザインタフェース処理を行って、抽出した問題対処データまたは回避不可原因を通知(表示制御)する。装置通信部14は、NE20へコマンドを送信したり、NE20からレスポンスを受信したりする。例えば、問題対処データにもとづき、問題を解決するための状態変更要求に対応するコマンドを生成してNE20へ送信し、そのレスポンスを受信する。
【0020】
次にテーブル格納部11について図2〜図6を用いて説明する(なお、図2〜図6中のS※の符号は、本発明の動作説明を行うために付した符号であり、図7以降で用いる)。図2は装置状態テーブルの構成例を示す図である。装置状態テーブルT1は、装置状態のデータを管理するテーブルであり、装置構成要素名、属性名、属性値の項目からなる。例えば図では、装置名がOS1-TC-1であるNEのstate(現在の運用状態)は、IS−NR(サービス中)になっている。
【0021】
なお、本発明では、属性名としてはstateを扱うため、図中の他の属性名(vendid、dom、cleli)及び対応する属性値(FC9518AIA1、01.09、WM2WHR0CAA)についての説明は省略する。
【0022】
図3、図4は制約条件テーブルの構成例を示す図である。制約条件テーブルT2は、NEへの要求内容t2−1、制約条件t2−2、実行権限t2−3、複数条件t2−4、エラーコードt2−5の項目から構成される。また、NEへの要求内容t2−1は、状態変更要求名、装置構成要素名、属性名、属性値の項目から構成され、制約条件t2−2は、符号、装置構成要素名、属性名、属性値の項目から構成され、実行権限t2−3は、NMSと装置の項目から構成され、複数条件t2−4は、連結と論理関係の項目から構成される。
【0023】
テーブルの見方について説明する。NEへの要求内容t2−1に記載されている要求が受け付けられるためには、制約条件t2−2に記載されている条件を満たす必要がある。データの2行目を例にすると、NEへの要求内容t2−1として、状態変更要求名がED-EQPT(保守状態に変更する要求)、装置構成要素名がOS1-TC-2、属性名がstate、属性値がOOS-MA(保守状態)となっている。
【0024】
また、制約条件t2−2として、符号=1(符号については後述する)、装置構成要素名がOS1-TC-1、属性名がstate、属性値がUAS(削除状態:未登録状態のこと)となっている。
【0025】
これは、装置名がOS1-TC-2のNEに対して、状態変更要求をED-EQPTにして、OS1-TC-2の運用状態をOOS-MAに変更するには、制約条件として、装置名OS1-TC-1のNEがUASになっていなければならないということである。すなわち、OS1-TC-1がUASでなければ、OS1-TC-2はOOS-MAへ状態遷移できないということである。
【0026】
また、同様にして、4行目のデータを例にすれば、装置名がOS1-TC-1のNEに対して、状態変更要求をDLT-EQPT(削除状態に変更する要求)にして、OS1-TC-1の運用状態をUASに変更するには、制約条件として、OS1-TC-1がOOS-MAになっていなければならないということである。すなわち、OS1-TC-1はOOS-MAでなければ、OS1-TC-1はUASへ状態遷移できないということである。
【0027】
ここで、符号、実行権限t2−3、複数条件t2−4、エラーコードt2−5について説明する。符号=1の場合は、制約条件t2−2に記載されたデータであること、符号=2の場合は、制約条件t2−2に記載されたデータでないことという意味である。
【0028】
例えば、データ2行目のNEへの要求内容t2−1に対し、図では符号=1なので、制約条件は、OS1-TC-1がUASであること、ということである(もし、符号=2であったならば、OS1-TC-1がUASでないこと、という内容が制約条件になる)。
【0029】
実行権限t2−3とは、NEへ状態変更要求を行うために必要なオペレータの権限であり、図に示す“3”とはオペレータに権限があることを示している数字である。また、実行権限t2−3のNMSとは、NMS10にloginしているユーザの権限を示し、実行権限t2−3の装置とは、NMS10からNEにloginしているユーザの権限を示す。
【0030】
複数条件t2−4とは、制約条件t2−2の内容が次の行に続くか否かを示すものである。制約条件t2−2の内容が次の行に続く場合は、複数条件t2−4の連結がYと記載され、続かない場合はNと記載される。また、複数条件t2−4の論理関係とは、制約条件t2−2が次の行に続く場合の論理(AND、ORなど)を示す。
【0031】
例えば、データ2行目の複数条件t2−4の連結が、図ではNと記載されて論理関係は記載なしであるから、2行目の制約条件t2−2の内容は次の行には続かないことになる(すなわち、制約条件はOS1-TC-1がUASであること)。また、もしデータ2行目の複数条件t2−4の連結がY、論理関係がANDと記載され、3行目の複数条件t2−4の連結がN、論理関係が記載されてなければ、制約条件は3行目まで続く。すなわち、2行目のNEへの要求内容t2−1を満たすためには、この場合、OS1-TC-1がUASで、かつOS1-TC-2がUASであることが制約条件となる。
【0032】
エラーコードt2−5とは、NEへの要求内容t2−1に記載されている要求があった場合に、制約条件t2−2を満足していないときは、どのようなエラーのコードを出力するかということが記載された欄である。図の場合、それぞれの行の要求が制約条件t2−2を満足していないときは、すべてSNVSというコードをエラーコードとして出力するようになっている。
【0033】
図5、図6は問題対処テーブルの構成例を示す図である。なお、本発明でいう“問題”とは制約条件と同等の意味で使っている。したがって、“問題を解決する”とは、制約条件を満足するということであり、また、問題対処とは、制約条件を満足するためには、どのような対処をすればよいかということである。さらに、問題対処データとは、制約条件満足データのことで、制約条件を満足するための状態変更要求ということにもなる。
【0034】
問題対処テーブルT3は、変更条件t3−1、問題対処データの内容t3−2の項目から構成される。変更条件t3−1は、さらに装置状態の現状値t3−1a、装置状態の変更値t3−1bからなり、装置状態の現状値t3−1a及び装置状態の変更値t3−1bそれぞれは、装置構成要素名、属性名、属性値からなる。また、問題対処データの内容t3−2は、有無、状態変更要求名、装置構成要素名、属性名、属性値、コメントからなる。
【0035】
テーブルの見方について説明する。問題対処テーブルT3には、装置状態の変更値t3−1bに記載されている属性値に変更するための、装置状態の現状値t3−1aに記載されている現状の属性値に応じた、問題対処データが記載されている。
【0036】
例えば、OS1-TC-1をUASに変更したい場合(図のデータ3行目)、OS1-TC-1の現状の状態がIS-NRのときは、問題対処データとして、状態変更要求をED-EQPTにして、OS1-TC-1をOOS-MAに変更し、その後、状態変更要求をDLT-EQPTにして、OS1-TC-1を削除する、ということが記載されている。
【0037】
すなわち、IS-NR中のOS1-TC-1をUASの状態に変更するには、OS1-TC-1を一旦OOS-MAに変更した後にOS1-TC-1を削除(未登録)する。このようにOS1-TC-1の状態を削除状態にして、UASへ状態変更するためのコマンドを送信すれば、OS1-TC-1はそのコマンドを受け付けることができる。
【0038】
また、OS1-TC-1をUASに変更したい場合(図のデータ4行目)、OS1-TC-1の現状の状態がOOS-MAのときは、問題対処データとして、状態変更要求をDLT-EQPTにして、OS1-TC-1を削除する、ということが記載されている。
【0039】
すなわち、OOS-MA中のOS1-TC-1をUASの状態に変更するには、OS1-TC-1を削除する。このようにOS1-TC-1の状態を削除状態にして、UASへ状態変更するためのコマンドを送信すれば、OS1-TC-1はそのコマンドを受け付けることができる。
【0040】
なお、テーブル中の項目“有無”とは、問題対処データがあれば有(図6では有を“1”)、なければ無(図6で無を“2”)と記載される。また、コメントは、問題対処データの内容を示すものである(問題対処データとして、このコメントがNMS10の画面上に表示される)。
【0041】
次に本発明の動作について詳しく説明する。ここでは、装置名がOS1-TC-3のNEを削除(未登録)する動作について、図2〜図6に示した各種データを利用して具体的に説明する。図7はOS1-TC-3を削除する際の状態遷移を示す図である。
〔S1〕オペレータは、OS1-TC-3を削除しようとして、その旨の状態変更要求をユーザインタフェース部13を介しNMS10へ入力する。
〔S2〕NMS10の解析処理部12は、OS1-TC-3削除の内容の状態変更要求に対する制約条件をテーブル格納部11(図3、図4に示す制約条件テーブルT2)から読み出す。制約条件の読み出し結果は、“OS1-TC-3のstateがOOS-MAであること”である。
〔S3〕解析処理部12は、OS1-TC-3の現在の装置状態をテーブル格納部11(図2に示す装置状態テーブルT1)から読み出す。装置状態の読み出し結果は、“OS1-TC-3のstateがIS-NR”である。
〔S4〕解析処理部12は、オペレータからの状態変更要求が、制約条件を満足しているか否かを判断する。ここでは、OS1-TC-3を削除するためには、OS1-TC-3のstateがOOS-MAであることが必要だが、現在のOS1-TC-3のstateはIS-NRであるため、制約条件は満足していないと認識する。
〔S5〕解析処理部12は、問題対処データをテーブル格納部11(図5、図6に示した問題対処テーブルT3)から読み出す。装置状態の現状値t3−1a(OS1-TC-3、state、IS-NR)から装置状態の変更値t3−1b(OS1-TC-3、state、OOS-MA)に対する問題対処データは、“OS1-TC-3へstate=OOS-MAのED-EQPTコマンドを投入”であることを認識する(OS1-TC-3を保守状態にすること)。
〔S6〕解析処理部12は、ステップS5で読み出した問題対処データを保持する。
〔S7〕解析処理部12は、“OS1-TC-3へstate=OOS-MAのED-EQPTコマンド投入”(OS1-TC-3を保守状態にするための状態変更要求に該当する)に対する制約条件をテーブル格納部11(図3、図4に示す制約条件テーブルT2)から読み出す。制約条件の読み出し結果は、“OS1-TC-2のstateがUAS”である。
〔S8〕解析処理部12は、OS1-TC-2の現在の装置状態をテーブル格納部11(図2に示す装置状態テーブルT1)から読み出す。装置状態の読み出し結果は、“OS1-TC-2のstateがIS-NR”である。
〔S9〕解析処理部12は、ステップS8の読み出し結果(“OS1-TC-2のstateがIS-NR”)が、制約条件を満足しているか否かを判断する。ここでは、OS1-TC-3を保守状態にするためには、OS1-TC-2のstateがUASであることが必要だが、現在のOS1-TC-2のstateはIS-NRであるため、制約条件は満足していないと認識する。
〔S10〕解析処理部12は、問題対処テーブルをテーブル格納部11(図5、図6に示した問題対処テーブルT3)から読み出す。装置状態の現状値t3−1a(OS1-TC-2、state、IS-NR)から装置状態の変更値t3−1b(OS1-TC-2、state、UAS)に対する問題対処データは、“OS1-TC-2へstate=OOS-MAのED-EQPTコマンド投入後、DLT-EQPTコマンドを投入”であることを認識する(OS1-TC-2を保守状態にした後に削除すること)。
〔S11〕解析処理部12は、ステップS10で読み出した問題対処データを保持する。
〔S12〕解析処理部12は、“OS1-TC-2へstate=OOS-MAのED-EQPTコマンド投入”(OS1-TC-2を保守状態にするための状態変更要求に該当する)に対する制約条件をテーブル格納部11(図3、図4に示す制約条件テーブルT2)から読み出す。制約条件の読み出し結果は、“OS1-TC-1のstateがUAS”である。
〔S13〕解析処理部12は、OS1-TC-1の現在の装置状態をテーブル格納部11(図2に示す装置状態テーブルT1)から読み出す。装置状態の読み出し結果は、“OS1-TC-1のstateがIS-NR”である。
〔S14〕解析処理部12は、ステップS13の読み出し結果(“OS1-TC-1のstateがIS-NR”)が、制約条件を満足しているか否かを判断する。ここでは、OS1-TC-2を保守状態にするためには、OS1-TC-1のstateがUASであることが必要だが、現在のOS1-TC-1のstateはIS-NRであるため、制約条件は満足していないと認識する。
〔S15〕解析処理部12は、問題対処データをテーブル格納部11(図5、図6に示した問題対処テーブルT3)から読み出す。装置状態の現状値t3−1a(OS1-TC-1、state、IS-NR)から装置状態の変更値t3−1b(OS1-TC-1、state、UAS)に対する問題対処データは、“OS1-TC-1へstate=OOS-MAのED-EQPTコマンド投入後、DLT-EQPTコマンドを投入”であることを認識する(OS1-TC-1を保守状態にした後に削除すること)。
〔S16〕解析処理部12は、ステップS15で読み出した問題対処データを保持する。
〔S17〕解析処理部12は、“OS1-TC-1へstate=OOS-MAのED-EQPTコマンド投入”(OS1-TC-1を保守状態にするための状態変更要求に該当する)に対する制約条件をテーブル格納部11(図3、図4に示す制約条件テーブルT2)から読み出す。テーブル中に記載事項がないので、制約条件の読み出し結果は、“制約条件なし”となる。
〔S18〕解析処理部12は、ステップS17の読み出し結果が“制約条件なし”なので、すべての問題対処データを抽出したことを認識する。
〔S19〕ユーザインタフェース部13は、解析処理部12で保持されている問題対処データをステップS16、S11、S6の順でNMS10の画面上に表示する。
【0042】
図8はNMS10の表示画面の例を示す図である。表示画面13aには、番号、実行、状態変更要求、コマンドの項目が表示され、ボタンとして全選択ボタンB1、全選択解除ボタンB2、全実行ボタンB3、1コマンド実行ボタンB4、中止ボタンB5が表示される。
【0043】
図の表示例は、上述の図7の解析処理で抽出された問題対処データ(すなわち、解析処理で読み出された状態変更要求及び対応するコマンド)と、オペレータが入力した状態変更要求(#6)及びそのコマンドとを示している。
【0044】
オペレータが、OS1-TC-3を削除しようとして、その旨の状態変更要求をNMS10へ入力すると、NMS10が上述したステップS2〜S19までの処理を自動的に行い、すべての問題対処データを抽出して画面上に表示する。
【0045】
問題対処データが表示された後に、オペレータは全選択ボタンB1を押下すると、実行欄にチェックマークが表示される。そして、全実行ボタンB3を押下することにより、#1から#6の番号順に、状態変更要求に対応するコマンドが(コマンドはNMS10内の装置通信部14で生成される)、該当するNEへ順次送信される。
【0046】
従来では、#6に示すようにOS1-TC-3を削除しようとした場合は、#1〜#5までの内容をオペレータが調べる必要があったが、本発明では、#6の内容をNMS10へ入力するだけで、NMS10が#1〜#5を自動的に調査して表示、実行するので、保守管理効率を格段に向上させることが可能になる。
【0047】
図9はNMS10の表示画面の例を示す図である。表示画面13bでは、オペレータが画面を見て全選択ボタンB1を押下するのではなく、実行したくないコマンドがあった場合の例を示している。
【0048】
表示された問題対処データに対して、例えば、オペレータは#4のOS1-TC-2を削除したくないとして、#3の項目だけ指示して(#1、#2、#3の実行欄にチェックマークが付く)、オペレータが全実行ボタンB3を押下したとする。
【0049】
この場合、NMS10は#3のコマンドだけでなく、#1〜#3のコマンドも実行する。すなわち、#3のコマンドだけを該当のNEへ送信するのではなく、#1〜#3のコマンドを番号順に該当するNEへ送信することになる。
【0050】
ここで全実行ボタンB3と1コマンド実行ボタンB4の違いについて述べると、全実行ボタンB3は実行欄でチェックされている状態変更要求をすべて実施する。また、1コマンド実行ボタンB4は実行欄でチェックされている状態変更要求のうち、まず#1の状態変更要求を実施し、ボタンを押下する度に#1、#2・・・と1要求ずつ実行していく。
【0051】
なぜなら、途中の#kの状態変更要求を実行するためには、#1〜#k−1の状態変更要求を先に実行しておく必要があるからである。したがって、NMS10の表示画面にすべての問題対処データが表示され、表示された問題対処データの中で、オペレータの判断で#kの状態変更要求を行いたくないときは、オペレータは#k−1の状態変更要求のみを指示して、全実行ボタンB3を押下すれば、#1〜#k−1の状態変更要求だけが実行されることになる。
【0052】
以上説明したように、本発明のNMS10は、オペレータが状態変更要求を入力すると、現在の装置状態に応じた適切な問題対処データを自動的に抽出・表示してくれるので、オペレータはその表示結果を見てボタン操作するだけでよい。したがって、従来のように、オペレータが状態変更要求の制約条件をあらかじめ調査したりするなどといった面倒な作業を大幅に省くことができるので、保守管理に対する作業効率及び利便性を著しく向上させることが可能になる。
【0053】
次に問題を回避できない場合の動作について説明する。上記の説明では、制約がかかっている問題がなくなるまで、すべての問題対処データを抽出することができたが、問題対処データの読み出し中に、途中で回避できない問題にぶつかったときは、その問題を回避不可原因として抽出し表示することになる。
【0054】
図10は装置状態テーブルの構成を示す図である。装置状態テーブルT1aは、図2と異なる点はOS1-TC-1のstateがFLT(障害発生)であり、OS1-TC-1が正常動作していない点である。その他は同様である。
【0055】
図11はOS1-TC-3を削除する際の状態遷移を示す図である。回避不可原因がある場合の動作を示している。
〔S21〕ステップS1〜ステップS12と同じ処理である。
〔S22〕解析処理部12は、OS1-TC-1の現在の装置状態をテーブル格納部11(図10に示す装置状態テーブルT1a)から読み出す。装置状態の読み出し結果は、“OS1-TC-1のstateがFLT”である。
〔S23〕解析処理部12は、ステップS22の読み出し結果(“OS1-TC-1のstateがFLT”)が、制約条件を満足しているか否かを判断する。ここでは、OS1-TC-2を保守状態にするためには、OS1-TC-1のstateがUASであることが必要だが、現在のOS1-TC-1のstateはFLTであるため、制約条件は満足していないと認識する。
〔S24〕解析処理部12は、問題対処データをテーブル格納部11(図5、図6に示した問題対処テーブルT3)から読み出そうとするが、装置状態の現状値t3−1aが障害発生の場合は(OS1-TC-1、state、FLT)、問題対処データは存在しないため問題回避できない(制約条件は解除できない)と認識する。
〔S25〕解析処理部12は、回避不可原因(“OS1-TC-1のstateがFLT”)を保持する。
〔S26〕解析処理部12は、回避不可原因を抽出したので、この時点で問題対処データの読み出し処理を停止する。
〔S27〕ユーザインタフェース部13は、解析処理部12で保持されている回避不可原因及び問題対処データをNMS10の画面上に表示する。
【0056】
図12はNMS10の表示画面の例を示す図である。図の例は、上述の図11で抽出された回避不可原因を示している表示である。図8で上述した表示画面13aと異なる点は、#1の欄と、実行欄及び中止ボタンB5を除くボタンB1〜B4が、オペレータにより操作できないように表示されている点である(オペレータが操作できないことを図中点線で示している)。
【0057】
ユーザインタフェース部13は、OS1-TC-1に障害が発生している場合は、#1の状態変更要求の欄に回避不可原因のコメント(“OS1-TC-1の障害を復旧させてから再度実行してください”)を表示する(対応するコマンドはないので、コマンド欄は空欄になる)。
【0058】
また、この例の場合、最初にコマンドを送信すべきOS1-TC-1に障害が発生しているので、#2以下のコマンドも送信することができない。したがって、ユーザインタフェース部13は、すべての実行欄と、中止ボタンB5を除くボタンB1〜B4とが、オペレータにより操作できないように表示して、オペレータの誤操作を防止する。なお、このような画面が表示された場合は、オペレータは中止ボタンB5を押下してリセットし、障害を復旧させた後に、再び操作すればよい。
【0059】
次に解析処理を実行する際のトリガについて説明する。上記の説明では、解析処理部12が状態変更要求の正常性の解析処理を行う場合、オペレータからの状態変更要求に対応するコマンドが、NE20へ送信される前に実行するものであった。
【0060】
すなわち、NMS10は、オペレータからの状態変更要求を受信した場合に、制約条件を満たすような問題対処データや、あるいは回避不可原因を自動的に抽出して、表示制御した後、オペレータの指示にもとづいてコマンドを該当のNEへ送信するものであった(オペレータからの状態変更要求の入力が解析処理のトリガになっている)。
【0061】
または、別の実施の形態として、オペレータからの状態変更要求に対応するコマンドがNEへ送信されてエラーレスポンスを受信した場合に、解析処理を行うようにしてもよい。
【0062】
すなわち、NMS10は、オペレータからの状態変更要求を受信した場合に、その状態変更要求に対応するコマンドを生成して該当のNEへ即座に送信する。そして、そのNEからエラーレスポンスを受信した場合に初めて、制約条件を満たすような問題対処データや、あるいは回避不可原因を自動的に抽出したり、表示制御したりする(NEからのエラーレスポンスの受信が解析処理のトリガになっている)。
【0063】
このように、解析処理を行う場合は、オペレータからの状態変更要求の入力、またはNEからのエラーレスポンス受信のいずれをトリガにして行う。なお、最初のオペレータからの状態変更要求の入力に対して、何ら制約条件がなかった場合には、NEからのエラーレスポンス受信をトリガにするようにNMS10に設定しておいた方が、より速く処理することができる。
【0064】
次に解析処理によりすべての問題対処データを抽出し、それらに対応するコマンドを生成してNEへ送信したにもかかわらず、エラーレスポンスを受信した場合の本発明の動作について説明する。
【0065】
オペレータからの状態変更要求をNMS10へ入力し、NMS10が解析処理を行って、すべての問題対処データを抽出して表示し、オペレータが全選択を操作して、対応するコマンドがNEへ送信されたとする。この場合、通常は、本発明によりすべての問題対処データに対応した、適切なコマンドを生成しているから、NEからエラーレスポンスが送信されることはないはずである。
【0066】
ところが、NMSが管理している装置状態と、NEの現在の装置状態に不一致がある場合には、エラーレスポンスが送信される場合がありうる。したがって、解析処理を行った後にコマンドを送信し、エラーレスポンスを受信した場合は、本発明の解析処理部12では、装置状態に不一致があるものとして、状態整合を行う。具体的には、各NEへ現在の装置状態をあらためて取得しに行き、装置状態テーブルT1を作成し直す。その後に再度、解析処理を行うことになる。
【0067】
次に本発明の動作についてフローチャートを用いて説明する。図13は本発明の全体の動作を示すフローチャートである。図は、オペレータからの状態変更要求の入力を解析処理のトリガにした場合を示している。
〔S31〕ユーザインタフェース部13は、オペレータからの状態変更要求を受信する。
〔S32〕ユーザインタフェース部13は、状態変更要求のパラメータチェックを行う。パラメータに誤りがあったら、その旨を表示する。
〔S33〕解析処理部12は、テーブル格納部11で格納管理されている装置状態テーブルT1、制約条件テーブルT2、問題対処テーブルT3を利用して、解析処理を行う。そして、問題対処データまたは回避不可原因を抽出し保持する。
〔S34〕ユーザインタフェース部13は、保持している問題対処データまたは回避不可原因を表示する。
〔S35〕オペレータは、表示画面を見て、コマンド送信要求を行う。
〔S36〕装置通信部14は、問題対処データ(状態変更要求)に対応するコマンドを該当するNEへ送信する(コマンドは、問題対処データが解析処理部12で保持されている時点で、装置通信部14ですでに生成されている)。そして、NEからのレスポンスを受信する。
〔S37〕解析処理部12は、レスポンスがエラーレスポンスか否かを判断する。エラーレスポンスでなければ、状態変更処理は完了である。エラーレスポンスであればステップS38へ行く。
〔S38〕解析処理部12は、装置状態に不一致があるものとして、NEへアクセスし、現在の装置状態を取得して、装置状態テーブルT1を書き替える。テーブル書き替え後、ステップS33へ行き、再び解析処理を行う。
【0068】
図14は解析処理の動作を示すフローチャートである。解析処理部12におけるステップS33の詳細フローである。
〔S33a〕状態変更要求(オペレータが入力した状態変更要求、または問題対処データに対応する状態変更要求)に対する制約条件を制約条件テーブルT2から読み出す。
〔S33b〕制約条件に該当する装置状態データを装置状態テーブルT1から読み出す。
〔S33c〕状態変更要求は、現在の装置状態で制約条件を満足するか否かを判断する。満足すれば図13のステップS34の表示制御へ行く。満足しなければステップS33dへ行く。
〔S33d〕問題対処テーブルT3に対して、状態変更要求に対する問題対処データがあるか否かを判断する。問題対処データがなければステップS33eへ行き、あればステップS33fへ行く。
〔S33e〕回避不可原因を保持する。そして、図13のステップS34の表示制御へ行く。
〔S33f〕問題対処データを問題対処テーブルT3から読み出して保持する。そして、ステップS33aへ戻る。
【0069】
以上説明したように、本発明によれば、NMS10が現在の装置状態に応じた適切な問題解決を自動的に抽出・実行してくれるので、オペレータが状態変更要求の制約条件をあらかじめ調査したりするなどといった作業の手間が省け、保守管理効率及び利便性の向上を図ることが可能になる。また、NEのバージョンアップ等で制約条件が変更された場合でも、オペレータは、制約条件データ及び問題対処データだけを変更修正するだけでよいので作業効率の向上が図れる。
【0070】
なお、上記では、NEを伝送装置として、具体的なパラメータ名を用いて動作について説明したが、伝送装置に限らず、または属性としてstateだけに限らず、本発明はネットワークの管理手法として幅広い分野で適用可能である。
【0071】
(付記1) ネットワークの管理を行うネットワーク管理装置において、
現在の装置状態を管理する装置状態テーブル、装置が状態変更要求を受け付けるための制約条件を管理する制約条件テーブル、制約の原因になっている問題に対処するための問題対処データを管理する問題対処テーブル、を格納するテーブル格納部と、
前記テーブル格納部内のテーブルを利用して、状態変更要求が現在の装置状態で制約条件を満足しているか否かを判断し、満足していなく、かつ問題を回避できる場合は、制約がかかっている問題がなくなるまで、すべての問題対処データを抽出し、満足していなく、かつ問題を回避できない場合は、回避できない原因である回避不可原因を抽出して、状態変更要求の正常性の解析処理を行う解析処理部と、
ユーザインタフェース処理を行って、抽出した問題対処データまたは回避不可原因を通知するユーザインタフェース部と、
問題対処データにもとづき、問題を解決するための状態変更要求に対応するコマンドを生成して装置へ送信し、レスポンスを受信する装置通信部と、
を有することを特徴とするネットワーク管理装置。
【0072】
(付記2) 前記解析処理部は、オペレータからの状態変更要求に対応するコマンドが装置へ送信される前、またはオペレータからの状態変更要求に対応するコマンドが装置へ送信されてエラーレスポンスを受信した場合に、前記解析処理を自動的に行うことを特徴とする付記1記載のネットワーク管理装置。
【0073】
(付記3) 前記解析処理部は、前記解析処理を行って、コマンドが装置へ送信され、エラーレスポンスを受信した場合は、装置状態をあらためて収集して状態整合を行い、再度、解析処理を行うことを特徴とする付記1記載のネットワーク管理装置。
【0074】
(付記4) 前記装置通信部は、#1〜#n(nは自然数)の問題対処データが表示されて、オペレータが#k(2≦k<n)の問題対処データのみ指示した場合は、#1〜#k−1の問題対処データに対応するコマンドを該当する装置へ送信することを特徴とする付記1記載のネットワーク管理装置。
【0075】
(付記5) 前記ユーザインタフェース部は、回避不可原因がある場合には、オペレータが状態変更を実行できないように画面表示することを特徴とする付記1記載のネットワーク管理装置。
【0076】
(付記6) ネットワークの管理を行うネットワーク管理システムにおいて、
ネットワークを構成するネットワーク装置と、
現在の装置状態を管理する装置状態テーブル、前記ネットワーク装置が状態変更要求を受け付けるための制約条件を管理する制約条件テーブル、制約の原因になっている問題に対処するための問題対処データを管理する問題対処テーブル、を格納するテーブル格納部と、前記テーブル格納部内のテーブルを利用して、状態変更要求が現在の装置状態で制約条件を満足しているか否かを判断し、満足していなく、かつ問題を回避できる場合は、制約がかかっている問題がなくなるまで、すべての問題対処データを抽出し、満足していなく、かつ問題を回避できない場合は、回避できない原因である回避不可原因を抽出して、状態変更要求の正常性の解析処理を行う解析処理部と、ユーザインタフェース処理を行って、抽出した問題対処データまたは回避不可原因を通知するユーザインタフェース部と、問題対処データにもとづき、問題を解決するための状態変更要求に対応するコマンドを生成して前記ネットワーク管理装置へ送信し、レスポンスを受信する装置通信部と、から構成されるネットワーク管理装置と、
を有することを特徴とするネットワーク管理システム。
【0077】
(付記7) 前記解析処理部は、オペレータからの状態変更要求に対応するコマンドが装置へ送信される前、またはオペレータからの状態変更要求に対応するコマンドが装置へ送信されてエラーレスポンスを受信した場合に、前記解析処理を自動的に行うことを特徴とする付記6記載のネットワーク管理システム。
【0078】
(付記8) 前記解析処理部は、前記解析処理を行って、コマンドが装置へ送信され、エラーレスポンスを受信した場合は、装置状態をあらためて収集して状態整合を行い、再度、解析処理を行うことを特徴とする付記6記載のネットワーク管理システム。
【0079】
(付記9) 前記装置通信部は、#1〜#n(nは自然数)の問題対処データが表示されて、オペレータが#k(2≦k<n)の問題対処データのみ指示した場合は、#1〜#k−1の問題対処データに対応するコマンドを該当する装置へ送信することを特徴とする付記6記載のネットワーク管理システム。
【0080】
(付記10) 前記ユーザインタフェース部は、回避不可原因がある場合には、オペレータが状態変更を実行できないように画面表示することを特徴とする付記6記載のネットワークシステム。
【0081】
(付記11) ネットワーク管理を行うネットワーク管理方法において、
現在の装置状態を管理する装置状態テーブル、装置が状態変更要求を受け付けるための制約条件を管理する制約条件テーブル、制約の原因になっている問題に対処するための問題対処データを管理する問題対処テーブルを格納し、
テーブルを利用して、状態変更要求が現在の装置状態で制約条件を満足しているか否かを判断し、
満足していなく、かつ問題を回避できる場合は、制約がかかっている問題がなくなるまで、すべての問題対処データを抽出し、満足していなく、かつ問題を回避できない場合は、回避できない原因である回避不可原因を抽出して、状態変更要求の正常性の解析処理を行い、
ユーザインタフェース処理を行って、抽出した問題対処データまたは回避不可原因を通知し、
問題対処データにもとづき、問題を解決するための状態変更要求に対応するコマンドを生成して装置へ送信し、レスポンスを受信してネットワーク管理を行うことを特徴とするネットワーク管理方法。
【0082】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のネットワーク管理装置は、オペレータからの状態変更要求が、現在の装置状態で制約条件を満足しているか否かを判断し、満足していなく、かつ問題を回避できる場合は、制約がかかっている問題がなくなるまで、すべての問題対処データを抽出する。また、満足していなく、かつ問題を回避できない場合は、回避できない原因である回避不可原因を抽出して、状態変更要求の正常性の解析処理を行う。そして、問題対処データにもとづき、問題を解決するための状態変更要求に対応するコマンドを生成して、装置へ送信する構成とした。これにより、ネットワーク管理装置が、現在の装置状態に応じた適切な問題解決を自動的に実行してくれるので、オペレータが状態変更要求の制約条件をあらかじめ調査したりするなどといった作業の手間が省け、保守管理に対する作業効率及び利便性の向上を図ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のネットワーク管理装置の原理図である。
【図2】装置状態テーブルの構成例を示す図である。
【図3】制約条件テーブルの構成例を示す図である。
【図4】制約条件テーブルの構成例を示す図である。
【図5】問題対処テーブルの構成例を示す図である。
【図6】問題対処テーブルの構成例を示す図である。
【図7】 OS1-TC-3を削除する際の状態遷移を示す図である。
【図8】NMSの表示画面の例を示す図である。
【図9】NMSの表示画面の例を示す図である。
【図10】装置状態テーブルの構成を示す図である。
【図11】 OS1-TC-3を削除する際の状態遷移を示す図である。
【図12】NMSの表示画面の例を示す図である。
【図13】本発明の全体の動作を示すフローチャートである。
【図14】解析処理の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 ネットワーク管理システム
1a ネットワーク
10 ネットワーク管理装置(NMS)
11 テーブル格納部
12 解析処理部
13 ユーザインタフェース部
14 装置通信部
20、20−1〜20−n ネットワーク装置(NE)
T1 装置状態テーブル
T2 制約条件テーブル
T3 問題対処テーブル

Claims (5)

  1. ネットワークの管理を行うネットワーク管理装置において、
    現在の装置状態を管理する装置状態テーブル、装置が状態変更要求を受け付けるための制約条件を管理する制約条件テーブル、制約の原因になっている問題に対処するための問題対処データを管理する問題対処テーブル、を格納するテーブル格納部と、
    前記テーブル格納部内のテーブルを利用して、状態変更要求が現在の装置状態で制約条件を満足しているか否かを判断し、満足していなく、かつ問題を回避できる場合は、制約がかかっている問題がなくなるまで、すべての問題対処データを抽出し、満足していなく、かつ問題を回避できない場合は、回避できない原因である回避不可原因を抽出して、状態変更要求の正常性の解析処理を行う解析処理部と、
    ユーザインタフェース処理を行って、抽出した問題対処データまたは回避不可原因を通知するユーザインタフェース部と、
    問題対処データにもとづき、問題を解決するための状態変更要求に対応するコマンドを生成して装置へ送信し、レスポンスを受信する装置通信部と、
    を有することを特徴とするネットワーク管理装置。
  2. 前記解析処理部は、オペレータからの状態変更要求に対応するコマンドが装置へ送信される前、またはオペレータからの状態変更要求に対応するコマンドが装置へ送信されてエラーレスポンスを受信した場合に、前記解析処理を自動的に行うことを特徴とする請求項1記載のネットワーク管理装置。
  3. 前記解析処理部は、前記解析処理を行って、コマンドが装置へ送信され、エラーレスポンスを受信した場合は、装置状態をあらためて収集して状態整合を行い、再度、解析処理を行うことを特徴とする請求項1記載のネットワーク管理装置。
  4. 前記装置通信部は、#1〜#n(nは自然数)の問題対処データが表示されて、オペレータが#k(2≦k<n)の問題対処データのみ指示した場合は、#1〜#k−1の問題対処データに対応するコマンドを該当する装置へ送信することを特徴とする請求項1記載のネットワーク管理装置。
  5. 前記ユーザインタフェース部は、回避不可原因がある場合には、オペレータが状態変更を実行できないように画面表示することを特徴とする請求項1記載のネットワーク管理装置。
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