JP3824955B2 - PTP sheet manufacturing method - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、PTPシートの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、PTPシート(ブリスターシート)は、例えばPP(ポロプロピレン)よりなり複数のポケット部を備えた包装用フィルムと、ポケット部を塞ぐようにして包装用フィルムに取着されたアルミニウム製のカバーフィルムとを有している。各ポケット部には錠剤等が収容されている。
【0003】
従来、PTPシートを製造する装置にあっては、最上流側にロール状の包装用フィルムがセットされており、包装用フィルムを自動的に供給するための自動供給装置が備えられている。自動供給装置は、前の包装用フィルムの終端部に次の包装用フィルムの先端部を付き合わせ、その付き合わせ部分にPPからなるテープを貼り付けるようになっている。
【0004】
ロール状の包装用フィルムの下流側において、図8に示すように包装用フィルム51にポケット部を形成するためのポケット部形成装置52が設けられている。該ポケット部形成装置52は、包装用フィルム51を加熱軟化するための加熱手段53と、ポケット部の形状を成形するためのポケット成形手段54とを備えている。加熱手段53は、互いに接離可能に設けられた上部ヒータプレート55及び下部ヒータプレート56を備えている。
【0005】
また、ポケット成形手段54は、下型57及び上型58を備えている。下型57には、複数の孔59が形成されており、該孔59に高圧のエアが供給されるようになっている。また、上型58には孔59に対応した位置にポケット部の形状に合わせた成形凹部62が設けられている。
【0006】
ポケット部が形成される際には、まず、加熱手段53の上部及び下部ヒータプレート55,56の間に帯状の包装用フィルム51が移送される。そして、両プレート55,56によって、包装用フィルム51が挟まれ、加熱軟化される。次に、加熱軟化された包装用フィルム51は、ポケット成形手段54へと移送され、上型58と下型57とによって挟まれる。さらに、孔59にエアが供給されることで、包装用フィルム51が成形凹部62の形状に合わせて伸長させられ、ポケット部が形成される。
【0007】
そして、包装用フィルム51は、各ポケット部56に錠剤を投入するための投入錠剤投入装置、包装用フィルム51にカバーフィルムを貼着するための貼着手段、検査装置、PTPシート形状に打抜くためのシート打抜装置等を経てPTPシートへと加工される。
【0008】
これらの装置等を経るために、ポケット部の形成された包装用フィルム51は、複数の送りロールを介して移送されるようになっている。該送りロールのうち、ポケット部の形状に対応した凹部が形成されたポケット送りロールにあっては、ポケット部が凹部に嵌り込むことで、ポケット部が潰されることなく移送される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記技術においては、ポケット成形手段54においてポケット部が形成される際に、図9に示すように、テープ65の貼られた繋ぎ部66は伸張されにくい。このため、単にエアが供給されるだけでは、繋ぎ部66に適切な形状のポケット部67を形成できず、同図に示すように、比較的小さな変形ポケット部68が形成されてしまうおそれがある。
【0010】
そして、この場合には、図10に示すように、包装用フィルム51がポケット送りロール69によって移送される際に、該ロール69の凹部70に対して、変形ポケット部68が小さいために隙間が大きくなることが懸念される。その結果、移送誤差が大きくなり、所定距離の移送が行われないことによる種々の不具合が発生してしまうおそれがある。
【0011】
また、シート打抜装置等において、ポケット部67を利用して位置決めをするような場合においても、位置決め用凹部に対して変形ポケット部68の位置ずれが大きくなりやすくいため、適切な位置にフィルムを配置できず、打抜不良等の不具合を起こすおそれがある。
【0012】
本発明は、上記各事情に鑑みてなされたものであり、ポケット部の形成された帯状フィルムの移送誤差の低減、或いは、位置決め精度の向上を図ることのできるPTPシートの製造方法を提供することを主たる目的の一つとしている。
【0013】
【課題を解決するための手段及びその効果】
上記の目的を達成するために有効な手段を以下に示す。なお、必要に応じてその作用効果等についても説明する。
【0014】
手段1.少なくとも端部同士にテープを取着することで接続した接続部を有してなる帯状のフィルムを移送しつつ、ポケット部を備えたPTPシートを製造するPTPシートの製造方法であって、加熱手段により、少なくとも前記ポケット部に対応する部位を加熱する加熱工程と、前記加熱手段に連続して又は近接して設けられた成形手段により、前記加熱手段にて加熱された部分をポケット状に成形することでポケット部を形成する成形工程とを備え、前記接続に際しては、ポリ塩化ビニルテープを取着し、前記成形工程においては、前記成形手段に備えられた成形凸部を突出させ、フィルムに対し直接的に成形応力を付与することで、前記接続部に対し、該接続部以外の前記フィルムに形成されるポケット部と同形状又はほぼ同形状の繋ぎポケット部を形成することを特徴とするPTPシートの製造方法。
【0015】
手段1によれば、少なくとも端部同士をポリ塩化ビニルテープを取着することで接続した接続部を有してなる帯状のフィルムのうち、少なくともポケット部に対応する部位が加熱手段によって加熱される。また、加熱手段にほぼ連続して又は近接して設けられた成形手段によって、加熱された部分がポケット状に成形される。さらに、成形工程では、成形手段に備えられた成形凸部が突出させられ、フィルムに対し直接的に成形応力が付与されることで、接続部以外のポケット部と、接続部の繋ぎポケット部とが、同形状またはほぼ同形状に形成される。このため、PTPシートを製造する際の工程において、ポケット部の形状を利用する際には、接続部以外のポケット部と接続部の繋ぎポケット部とを同様に扱うことができ、繋ぎポケット部の形状が異なることによる種々の不具合の発生を抑制できる。特に、成形手段に具備された成形凸部によって、フィルムや接続部に対し、直接的に成形応力が付与される。このため、フィルムがより確実に伸長され、ポケット部や繋ぎポケット部をより確実に形成できる。また、ポリ塩化ビニルテープを取着しているので、比較的均一な伸張を確保でき、上記作用効果がより確実に奏されやすい。
【0016】
手段2.前記帯状のフィルムの移送に際しては、前記ポケット部を利用して移送する移送手段を用いることを特徴とする手段1に記載のPTPシートの製造方法。
【0017】
手段2によれば、ポケット部を利用することで、移送手段によって、帯状のフィルムが移送される。ここで、接続部の繋ぎポケット部の形状が他のポケット部の形状と異なる場合には、移送の際に不具合を生じることが懸念される。これに対し、接続部以外のポケット部と、接続部の繋ぎポケット部とが、同形状またはほぼ同形状に形成されるため、そのような懸念を払拭でき、移送の際の不具合の発生を抑制できる。
【0018】
手段3.前記移送手段は、回転可能に支持されたローラによって構成され、該ローラの外周表面に、前記ポケット部に対応する凹部又は溝部が形成されており、当該凹部又は溝部に前記ポケット部を収容させて前記帯状のフィルムを移送することを特徴とする手段2に記載のPTPシートの製造方法。
【0019】
手段3によれば、ローラの外周表面に形成された凹部又は溝部に、ポケット部や繋ぎポケット部が収容されつつ、ローラが回転駆動させられることによって、帯状のフィルムが移送される。すなわち、ローラの回転移動に伴って、帯状のフィルムはポケット部を潰されること無く、所定の距離を移送される。該移送に際して、繋ぎポケット部がポケット部と同形状又はほぼ同形状をなすため、凹部又は溝部との間に大きな隙間が生じない。従って、接続部を移送する際にも、大きな隙間によって帯状のフィルムがずれるといった事態を抑制できる。その結果、該帯状のフィルムの移送誤差の低減を図ることができ、所定距離の移送が行われないことによる種々の不具合の発生を抑制できる。
【0020】
手段4.位置決め手段により、前記ポケット部を利用して前記帯状のフィルムを位置決めすることを特徴とする手段1乃至3のいずれかに記載のPTPシートの製造方法。
【0021】
手段4によれば、ポケット部を利用することで、位置決め手段によって、帯状のフィルムが位置決めされる。ここで、接続部の繋ぎポケット部の形状が他のポケット部の形状と異なる場合には、位置決めの際に不具合を生じることが懸念される。これに対し、接続部以外のポケット部と、接続部の繋ぎポケット部とが、同形状またはほぼ同形状に形成されるため、そのような懸念を払拭でき、位置決めの際の不具合の発生を抑制できる。
【0022】
手段5.前記位置決め手段は、少なくとも前記帯状のフィルムの移送方向に移動可能に設けられた保持手段によって構成され、該保持手段には、前記ポケット部に対応する凹部又は溝部が形成されており、当該凹部又は溝部に前記ポケット部を収容させて前記帯状のフィルムを位置決めすることを特徴とする手段4に記載のPTPシートの製造方法。
【0023】
手段5によれば、保持手段に形成された凹部又は溝部に、ポケット部や繋ぎポケット部が収容されつつ、保持手段が移動させられることによって、帯状のフィルムが移送され、位置決めされる。すなわち、保持手段の移動に伴って、帯状のフィルムはポケット部を潰されること無く、所定位置へと移動される。位置決めに際して、繋ぎポケット部がポケット部と同形状又はほぼ同形状をなすため、ポケット部と同様に、繋ぎポケット部と凹部又は溝部との間に大きな隙間が生じたりするおそれがない。従って、接続部を位置決めする際に、大きな隙間によって帯状のフィルムがずれるといった事態を抑制できる。その結果、位置決め誤差が生じにくく、位置に対応した適切な加工を施すことができ、PTPシートの不良発生率の低減を図ることができる。
【0024】
手段6.前記帯状のフィルムの一方の面の端部同士にテープを取着することで前記接続部を構成することを特徴とする手段1乃至5のいずれかに記載のPTPシートの製造方法。
【0025】
手段6によれば、テープを帯状のフィルムの端部同士に取着することで、該帯状のフィルムが容易に接続される。また、テープを前記帯状のフィルムの一方の面だけに取着すればよいため、両面にテープを取着する場合等に比べて、テープの使用量を少なくしたり、接続の際の手間を抑制したりできる。また、接続部の厚肉化も比較的抑制しやすい。
【0026】
手段7.前記成形手段は、互いに接触離間方向に相対移動可能に設けられた第1の型と第2の型とを具備し、
前記第1の型は、複数の孔の形成されたベースと、前記孔に対し出没可能に設けられた成形凸部とを備え、
前記第2の型は、前記ベースの孔に対応する凹部又は孔を備え、
前記成形工程においては、前記第1の型のベースと第2の型とによって前記フィルムを挟持し、挟持された前記フィルムに対して前記成形凸部を突出させることで、前記ポケット部を成形することを特徴とする手段1乃至6のいずれかに記載のPTPシートの製造方法。
【0027】
手段7によれば、第1の型のベースと第2の型とを接近移動させることによって、フィルムが挟持される。そして、第2の型の凹部又は孔に向かって、ベースに形成された孔から成形凸部を突出させることで、ポケット部や繋ぎポケット部が成形される。このため、フィルムや接続部には、成形凸部から直接的に成形応力を付与されることとなるため、より確実に伸長され、ポケット部や繋ぎポケット部を一層確実に形成できる。
【0028】
尚、上記手段に記載のPTPシートに代えて、ブリスターシートとしてもよい。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、一実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。図2,3に示すように、シートとしてのPTPシート(ブリスターシート)1は、例えばPP(ポロプロピレン)よりなり複数のポケット部2を備えた包装用フィルム3と、ポケット部2を塞ぐようにして包装用フィルム3に取着されたアルミニウム製のカバーフィルム4とを有している。各ポケット部2には錠剤5が1つずつ収容されている。本実施の形態では、PTPシート1は、帯状のフィルムとしての包装用フィルム3及び帯状のカバーフィルム4から形成された帯状のPTPフィルム6が打抜かれることで、シート状に製造されている。
【0030】
次に、上記のように構成されてなるPTPシート1を製造するためのPTP包装機8(PTPシートの製造装置)の概略について図4に基づいて説明する。
【0031】
帯状の包装用フィルム3は、最上流側においてロール状に巻回されている。包装用フィルム3は上述したようにPP等の比較的硬質で所定の剛性を有する合成樹脂によって構成され(PVC等の他の熱可塑性樹脂材料により構成してもよい)、透明又は半透明を呈している。
【0032】
PTP包装機8には、前記包装用フィルム3を自動的に供給するために、図示しない自動供給装置が備えられている。自動供給装置は、先行して使用されている包装用フィルムロール終端部3aに、後続の包装用フィルムロール先端部3bを自動的に繋ぎ合わせる。本実施の形態では、包装用フィルム3の端部3a,3b同士を付き合わせ、該付き合わせた部分の上から熱可塑性樹脂からなるテープ9を貼り付けることで、接続部としての繋ぎ部10が構成される(図5(a),(b)参照)。包装用フィルム3に対するテープ9の貼り付け面は、下流で取着されるカバーフィルム4の取着面の逆側である。また、テープ9としては、例えば、厚さ0.2mm程度のPVC(ポリ塩化ビニル)が用いられる。
【0033】
ロール状に巻回された包装用フィルム3は、間欠的に移送されるようになっており、包装用フィルム3移送経路に沿って、加熱手段12とポケット成形手段13とが順に並設されている。これら加熱手段12及び成形手段としてのポケット成形手段13によってポケット部形成装置14が構成されている。そして、加熱装置12によって包装用フィルム3が部分的に加熱されて、該包装用フィルム3が比較的柔軟になった状態において、ポケット成形手段13によって包装用フィルム3にポケット部2が成形される。なお、このポケット部2の成形は、包装用フィルム3の移送動作間のインターバルの際に行われる。
【0034】
ポケット部2が形成された包装用フィルム3の移送経路に沿って、ポケット部2に錠剤5を自動的に充填する錠剤投入装置16、検査装置17、ローラとしてのフィルム受けロール18が配設されている。錠剤投入装置16は、所定間隔毎にシャッタを開くことで錠剤5を落下させるものであり、このシャッタ開放動作に伴って各ポケット部2に錠剤5が投入される。
【0035】
検査装置17は、錠剤5が各ポケット部2に確実に充填されているか否か、また錠剤5の異常の有無、異物混入の有無等の検査を行うためのものである。該検査装置17は、ポケット部2の開口側からの検査を行う。
【0036】
一方、帯状に形成されたカバーフィルム4は、最上流側においてロール状に巻回されている。ロール状に巻回されたカバーフィルム4の引出し端は、前記フィルム受けロール18の方へと案内されている。フィルム受けロール18には、加熱ロール19が圧接可能となっており、両ロール18,19間に包装用フィルム3及びカバーフィルム4が送り込まれるようになっている。そして、包装用フィルム3及びカバーフィルム4が、両ロール18,19間を加熱圧接状態で通過することで、包装用フィルム3にカバーフィルム4が貼着され、これにより、錠剤5が各ポケット部2に充填されたPTPフィルム6が製造される。
【0037】
フィルム受けロール18の下流ではPTPフィルム6移送経路に沿って、錠剤等の異常の有無、異物混入の有無等の検査を行うための検査装置21が配設されている。この検査装置21はポケット部2の突出面側からの検査を行うものである。従って、前記検査装置21による検査と相俟って、PTPフィルム6の表裏両面側からの検査を実行することができるようになっている。なお、各検査装置17,21によって不良品判定された場合、その不良品判定となったPTPシートは、図示しない不良シート排出機構によって別途排出される。
【0038】
検査装置21の下流ではPTPフィルム6移送経路に沿って、スリット成形装置22、刻印装置23及びシート打抜装置24が順に配設されている。スリット成形装置22は、PTPフィルム6の所定位置にスリットを形成する機能を有する。刻印装置23はPTPフィルム6の所定位置にロットナンバー等の識別情報を示す刻印を付す機能を有する。シート打抜装置24は、PTPフィルム6をPTPシート1単位に打抜く機能を有する。これらの装置22,23,24では、ポケット部2を基準に位置決めを行うようになっている。すなわち、各装置22,23,24には溝部を有する保持手段(図示略)が設けられている(例えば、特開2001−253416号公報参照)。各保持手段は、PTPフィルム6の移送方向と平行に所定量移動可能に設けられており、それらの溝部にポケット部2が収容されることで、適切な位置にPTPフィルム6が配置される。そして、各配置状態において、スリット形成、刻印付与、打抜が行われるようになっている。
【0039】
前記シート打抜装置24の下流側には、シート打抜装置24から落下する端材25を貯留するためのスクラップ用ホッパ26が設けられている。また、シート打抜装置24の下側には、打抜かれたPTPシート1を移送するためのコンベア28が設けられており、該PTPシート1は完成品用ホッパ29に移送されるようになっている。
【0040】
尚、包装用フィルム3やPTPフィルム6は、送りロールを介して移送されるようになっている。該送りロールのうち、ポケット部2の膨らみ側に面するローラとしての送りロール18,31,32,33,34,35は、表面に包装用フィルム3やPTPフィルム6のポケット部2の形状に対応した凹部の形成されたポケット送りロールとなっている。例えば、図7に示すように、フィルム受けロール18の表面には、ポケット部2の形状に対応した複数の凹部36が形成されている。尚、図中の凹部36の数は、図4とで相違しているが、説明の便宜上そのようになっているだけであって、凹部36の数は何ら限定されるものではない。移送方向における、フィルム送りロール18の外周に対する凹部36の形成間隔とPTPフィルム6に対するポケット部2の形成間隔とは、同等になっている。フィルム受けロール18が、ポケット部2を凹部36に収容しながら回転駆動されることで、PTPフィルム6はポケット部2を潰されること無く、所定の距離を移送される(他の送りロール31,32,33,34,35についても同様)。
【0041】
PTP包装機8の概略は以上のとおりであるが、以下においては図1に基づき、ポケット部形成装置14について、より具体的に説明する。上述したように、ポケット部形成装置14は、上流側(図の右側)に設けられた加熱手段12と、下流側に設けられたポケット成形手段13とを備えている。
【0042】
加熱手段12は、上部ヒータプレート37及び下部ヒータプレート38並びに両ヒータプレート37,38を加熱するための図示しないヒータを備えている。両ヒータプレート37,38は、包装用フィルム3を上下から挟むようにして相対向した状態で相対移動可能に設けられており、ポケット部2に対応する位置において複数の突出部39,40をそれぞれ備えている。突出部39,40はポケット部2の外周形状に対応しており、円柱状をなしている。
【0043】
そして、加熱手段12においては、間欠的に移送された包装用フィルム32が、両ヒータプレート37,38の突出部39,40同士の接触によって部分的に(スポット的に)加熱され、該加熱部分が軟化状態となるよう構成されている。
【0044】
ポケット成形手段13は、第1の型としての下型41及び第2の型としての上型42を備えている。下型41は、ポケット部2の位置に対応する複数の孔43を備えたベース44と、該孔43に対し出没可能に設けられた成形凸部45とを備えている。ベース44は、包装用フィルム3の下面に沿って固定されており、成形凸部45は、図示しないアクチュエータにより上下動可能に設けられており、本実施の形態では所定温度(例えば、約45℃)に保持されている。また、上型42は、前記孔43に対応する筒状の凹部46を備えており、包装用フィルム3を挟持できるように、前記ベース44に対して接離方向、つまり、上下方向へ移動可能に設けられている。かかる構成下、上型42とベース44とで挟まれた包装用フィルム3に対して成形凸部45が突出させられることで、ポケット部2が形成されるようになっている。
【0045】
さて、以上のように構成されたPTP包装機8によってPTPシート1を製造する手順及びそのときどきの作用効果について、主要な工程を中心として説明する。併せて、繋ぎ部10の加工状態についても説明する。
【0046】
まず、自動供給装置によって、先行の包装用フィルムロール終端部3aと後続の包装用フィルムロール先端部3bとの付き合わせ部に、テープ9が貼り付けられて繋がれた上で(繋ぎ部10が形成された上で)、自動的に包装用フィルム3が供給される。
【0047】
そして、包装用フィルム3は、ポケット部形成装置14において、ポケット部形成工程を経る。すなわち、包装用フィルム3は、加熱手段12へと間欠的に移送される。すると、包装用フィルム3はポケット部2に対応する部位において部分的に加熱され、非常に伸びやすい軟化状態となる。
【0048】
次に、包装用フィルム3は、ポケット成形手段13へと間欠的に移送され、該フィルム3の軟化部分がベース44の孔43の位置と一致させられる。そして、この時点で上型42が下型41のベース44の方へと接近移動させられる。これにより、上型42とベース44とで包装用フィルム3が挟持される。その後、下型41の成形凸部45が包装用フィルム3の軟化部分に対して突出させられる。該突出により、軟化部分が成形凸部45によって伸長され、ポケット部2が形成され硬化する。
【0049】
前記ポケット部成形工程において、繋ぎ部10は、加熱手段12によって、包装用フィルムロール終端部3a及び後続の包装用フィルムロール先端部3bと共に、テープ9についても、加熱軟化される。この軟化部分に成形凸型45が突出されることで、繋ぎ部10に直接押圧力が作用し、図7に示すように、通常のポケット部2とほぼ同様の形状の繋ぎポケット部47が繋ぎ部10にも確実に形成される。尚、このとき、テープ9も充分に伸長させられ、破れたり、剥がれたりするといった不具合を生じない。
【0050】
その後、成形凸部45及び上型42が包装用フィルム3から離間させられ、包装用フィルム3はさらに下流側へと移送される。移送の際には、回転駆動されている送りロール31,32の凹部に、ポケット部2が収容されることで、凹部によってポケット部2が押し進められることになる。すなわち、送りロール31,32の回転移動に伴って、包装用フィルム3が所定の距離を移送させられる。このとき、移送方向における包装用フィルム3に対するポケット部2の形成間隔と送りロール31,32の外周に対する凹部の形成間隔とが同等であるため、移送方向側のポケット部2と凹部との間に大きな隙間が生じることがない。このため、大きな隙間によって包装用フィルム3がずれるといった事態を抑制でき、包装用フィルム3の移送誤差が生じにくい。また、繋ぎ部10を移送させる場合にも、繋ぎポケット部47の形状が通常のポケット部2とほぼ同様であるため、移送誤差が生じにくい。
【0051】
次に、包装用フィルム3はさらに下流側の錠剤投入装置16の方へと移送される。該錠剤投入装置16によってポケット部2に錠剤が投入され、また続く検査装置17による検査工程を経た後、包装用フィルム3は、カバーフィルム4とともに、フィルム受けロール18の方へと移送される。ここで、フィルム受けロール18及び加熱ロール19によってカバーフィルム4が包装用フィルム3に対し加熱圧接されることで、取着される。
【0052】
カバーフィルム4が取着されることにより得られたPTPフィルム6は、さらに下流側の工程へと移送される。該PTPフィルム6の移送の際にも、送りロール18,33,34,35では、前述した送りロール31,32による包装用フィルム3の移送と同様の作用効果が奏される(連続送りであっても、間欠送りであっても同様)。
【0053】
PTPフィルム6は、検査装置21による検査工程を経た後、さらにスリット成形装置22によるスリット形成工程、刻印装置23による刻印工程、及び、シート打抜装置24によるシート打抜工程を経ることで、PTPシート6が得られる。これらの工程では、各装置22,23,24に設けられた図示しない保持手段の溝部に、ポケット部2が収容された状態で保持手段が所定位置に移動させられることで、帯状に連続しているPTPフィルム6の位置決めが行われる。該位置決めにより、PTPフィルム6は、最終的に打抜かれるPTPシ−ト1単位ごとの位置に対応した加工が施される。繋ぎ部10を位置決めする場合にも、繋ぎポケット部47の形状が通常のポケット部2とほぼ同様であるため、位置決め誤差が生じにくい。
【0054】
以上詳述したように、本実施の形態では、前記ポケット部成形工程において、繋ぎ部10は、成形凸型35が突出されることで、従来のエア供給によるポケット部2成形の際に受ける力よりも大きな成形応力が直接的に加わり、確実に伸長される。このため、通常のポケット部2とほぼ同様の形状の繋ぎポケット部47を、繋ぎ部10に対しても確実に形成できる。
【0055】
また、繋ぎ部10に通常のポケット部2とほぼ同様の形状の繋ぎポケット部47が形成されることで、移送方向側の繋ぎポケット部2と送りロール18,31,32,33,34,35の凹部との間に大きな隙間が生じない。従って、包装用フィルム3やPTPフィルム6が、送りロール18,31,32,33,34,35によって移送される際には、大きな隙間によって前記フィルム3,6がずれるといった事態を抑制できる。その結果、該フィルム3,6の移送誤差の低減を図ることができ、所定距離の移送が行われないことによる種々の不具合の発生を抑制できる。
【0056】
さらに、検査装置21、スリット成形装置22、刻印装置23、及び、シート打抜装置24等で位置決めが必要な場合においても、繋ぎ部10に通常のポケット部2とほぼ同様の繋ぎポケット部47が形成されるため、各装置22,23,24に設けられた溝部と繋ぎポケット部47との間に大きな隙間が生じない。従って、大きな隙間によってPTPフィルム6がずれるといった事態を抑制できる。その結果、位置決め誤差が生じにくく、最終的に打抜かれるPTPシ−ト1単位ごとの位置に対応した適切な加工を施すことができ、PTPシート1の不良発生率の低減を図ることができる。
【0057】
尚、上述した実施の形態の記載内容に限定されることなく、例えば次のように実施してもよい。
【0058】
(a)ポケット成形手段13において、繋ぎ部10(包装用フィルム3)に成形凸部35を突出させて繋ぎポケット部47(ポケット部2)を成形しているが、このようなものに限定されるわけではなく、確実な成形応力を加えることで、ポケット部2と同形状の繋ぎポケット部47を形成できる構成となっていればよい。
【0059】
(b)上記実施の形態では、ポケット部の形成された包装用フィルム3及びPTPフィルム6を移送するために、ポケット送りロールを用いているが、特にロール形状に限定されるわけではない。例えば、ポケット部2の形状に対応した孔の形成されたコンベア等を用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施の形態におけるポケット部形成装置を説明する断面図である。
【図2】(a)はPTPシートを、(b)はPTPフィルムを示す斜視図である。
【図3】PTPシートを示す部分拡大断面図である。
【図4】PTP包装機の概略構成を説明するための模式図である。
【図5】(a)は繋ぎ部の斜視図であって、(b)は(a)のA−A断面図である。
【図6】フィルム受けロールによってPTPシートが移送される状態を示す断面図である。
【図7】繋ぎポケット部を説明するための断面図である。
【図8】従来技術におけるポケット部形成装置を説明する断面図である。
【図9】従来技術における繋ぎポケット部を説明するための断面図である。
【図10】従来技術における繋ぎポケット部が送りロールによって移送される状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1…PTPシート、2…ポケット部、3…帯状のフィルムとしての包装用フィルム、8…PTPシートの製造装置としてのPTP包装機、10…接続部としての繋ぎ部、12…加熱手段、13…成形手段としてのポケット成形手段、18…ローラとしてのフィルム受けロール、31,32,33,34,35…ローラとしての送りロール、36…凹部、41…第1の型としての下型、42…第2の型としての上型、43…孔、44…ベース、45…成形凸部、47…繋ぎポケット部。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a method for producing a PTP sheet.
[0002]
[Prior art]
Generally, a PTP sheet (blister sheet) is made of, for example, PP (polypropylene), a packaging film having a plurality of pocket portions, and an aluminum cover film attached to the packaging film so as to close the pocket portions. And have. Each pocket contains a tablet or the like.
[0003]
Conventionally, in an apparatus for producing a PTP sheet, a roll-shaped packaging film is set on the most upstream side, and an automatic supply device for automatically supplying the packaging film is provided. The automatic feeder is configured to attach the leading end of the next packaging film to the end of the previous packaging film and attach a tape made of PP to the attached portion.
[0004]
On the downstream side of the roll-shaped packaging film, a pocket
[0005]
Further, the pocket forming means 54 includes a
[0006]
When the pocket portion is formed, first, the belt-
[0007]
Then, the
[0008]
In order to pass through these devices and the like, the
[0009]
[Problems to be solved by the invention]
However, in the above technique, when the pocket portion is formed by the pocket forming means 54, the connecting
[0010]
In this case, as shown in FIG. 10, when the
[0011]
Even in the case of positioning using the
[0012]
The present invention has been made in view of the above circumstances, and provides a method for producing a PTP sheet that can reduce the transport error of a band-shaped film in which a pocket portion is formed or improve the positioning accuracy. Is one of the main purposes.
[0013]
[Means for solving the problems and effects thereof]
Means effective for achieving the above object will be described below. In addition, the effect etc. are demonstrated as needed.
[0014]
[0015]
According to the
[0016]
Mean 2. The method for producing a PTP sheet according to
[0017]
According to the
[0018]
[0019]
According to the
[0020]
[0021]
According to the
[0022]
[0023]
According to the
[0024]
[0025]
According to the
[0026]
Means 7 . The molding means includes a first mold and a second mold provided so as to be movable relative to each other in a contact and separation direction,
The first mold includes a base in which a plurality of holes are formed, and a molding convex portion provided so as to be able to protrude and retract with respect to the holes,
The second mold includes a recess or hole corresponding to the hole of the base,
In the molding step, the pocket is formed by sandwiching the film between the base of the first mold and the second mold, and projecting the molding convex portion with respect to the sandwiched film. A method for producing a PTP sheet according to any one of
[0027]
According to the means 7 , the film is held by moving the base of the first mold and the second mold close to each other. And a pocket part and a joint pocket part are shape | molded by making a shaping | molding convex part protrude from the hole formed in the base toward the recessed part or hole of a 2nd type | mold. For this reason, since a shaping | molding stress will be directly given to a film and a connection part from a shaping | molding convex part, it expand | extends more reliably and can form a pocket part and a joint pocket part still more reliably.
[0028]
A blister sheet may be used instead of the PTP sheet described in the above means.
[0029]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, an embodiment will be described with reference to the drawings. As shown in FIGS. 2 and 3, a PTP sheet (blister sheet) 1 as a sheet is made of, for example, PP (polypropylene) and includes a
[0030]
Next, an outline of the PTP packaging machine 8 (PTP sheet manufacturing apparatus) for manufacturing the
[0031]
The strip-shaped
[0032]
The
[0033]
The
[0034]
Along the transfer path of the
[0035]
The
[0036]
On the other hand, the
[0037]
Downstream of the
[0038]
A
[0039]
On the downstream side of the
[0040]
The
[0041]
Although the outline of the
[0042]
The heating means 12 includes an
[0043]
Then, in the heating means 12, the packaging film 32 transferred intermittently is partially (spotted) heated by the contact between the projecting
[0044]
The pocket forming means 13 includes a lower mold 41 as a first mold and an
[0045]
Now, the procedure for manufacturing the
[0046]
First, after the
[0047]
Then, the
[0048]
Next, the
[0049]
In the pocket forming step, the joining
[0050]
Thereafter, the molding
[0051]
Next, the
[0052]
The
[0053]
After passing through the inspection process by the
[0054]
As described in detail above, in the present embodiment, in the pocket portion forming step, the connecting
[0055]
Further, by forming a connecting
[0056]
Further, even when positioning is required by the
[0057]
In addition, you may implement as follows, for example, without being limited to the content of description of embodiment mentioned above.
[0058]
(A) In the pocket forming means 13, the connecting
[0059]
(B) In the embodiment described above, a pocket feed roll is used to transfer the
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a cross-sectional view illustrating a pocket portion forming apparatus according to an embodiment.
2A is a perspective view showing a PTP sheet, and FIG. 2B is a perspective view showing a PTP film.
FIG. 3 is a partial enlarged cross-sectional view showing a PTP sheet.
FIG. 4 is a schematic diagram for explaining a schematic configuration of a PTP packaging machine.
5A is a perspective view of a connecting portion, and FIG. 5B is a cross-sectional view taken along line AA of FIG. 5A.
FIG. 6 is a cross-sectional view showing a state in which a PTP sheet is transferred by a film receiving roll.
FIG. 7 is a cross-sectional view for explaining a connecting pocket portion.
FIG. 8 is a cross-sectional view for explaining a pocket portion forming apparatus in the prior art.
FIG. 9 is a cross-sectional view for explaining a connecting pocket portion in the prior art.
FIG. 10 is a cross-sectional view showing a state in which a connecting pocket portion is transferred by a feed roll in the prior art.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF
Claims (7)
加熱手段により、少なくとも前記ポケット部に対応する部位を加熱する加熱工程と、
前記加熱手段に連続して又は近接して設けられた成形手段により、前記加熱手段にて加熱された部分をポケット状に成形することでポケット部を形成する成形工程とを備え、
前記接続に際しては、ポリ塩化ビニルテープを取着し、
前記成形工程においては、前記成形手段に備えられた成形凸部を突出させ、フィルムに対し直接的に成形応力を付与することで、前記接続部に対し、該接続部以外の前記フィルムに形成されるポケット部と同形状又はほぼ同形状の繋ぎポケット部を形成することを特徴とするPTPシートの製造方法。While transporting a strip-shaped film comprising a connecting portion connected by attaching the tape to at least end portions, a P TP sheet manufacturing method you produce PTP sheet having a pocket portion,
A heating step of heating at least a portion corresponding to the pocket portion by a heating means ;
The molding means provided with continuous or in proximity to the heating means, and a molding step of forming a pocket portion in molding the heated portion by the heating means in pocket-like,
At the time of the connection, attach a polyvinyl chloride tape,
In the forming step, the forming convex portion provided in the forming means is protruded, and the forming stress is directly applied to the film so that the connecting portion is formed on the film other than the connecting portion. method for producing a PTP sheet, wherein the benzalkonium form a connecting pocket of the pocket portion having the same shape or substantially the same shape that.
前記第1の型は、複数の孔の形成されたベースと、前記孔に対し出没可能に設けられた成形凸部とを備え、
前記第2の型は、前記ベースの孔に対応する凹部又は孔を備え、
前記成形工程においては、前記第1の型のベースと第2の型とによって前記フィルムを挟持し、挟持された前記フィルムに対して前記成形凸部を突出させることで、前記ポケット部を成形することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のPTPシートの製造方法。The molding means includes a first mold and a second mold provided so as to be movable relative to each other in a contact and separation direction,
The first mold includes a base in which a plurality of holes are formed, and a molding convex portion provided so as to be able to protrude and retract with respect to the holes,
The second mold includes a recess or hole corresponding to the hole of the base,
In the molding step, the pocket is formed by sandwiching the film between the base of the first mold and the second mold, and projecting the molding convex portion with respect to the sandwiched film. The method for producing a PTP sheet according to any one of claims 1 to 6 , wherein:
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