JP3824239B2 - 粉末化基材 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、食品、浴剤、洗剤、医薬品、農薬、化粧品等の分野で利用できる油状物質の粉末化基材に関する。
【0002】
【従来技術】
液状乃至半固形状の油脂等の油状物質は、べとつきや流動性が悪い等から取扱いが不便であり、又顆粒状組成物として用いることも難しく、このため粉末化して粉体、或いは粒状組成物として各種用途に使用されるケースが多い。
【0003】
しかし、食用油脂等の油状物質が粉末化されても、粉末化した油状物質の流動性が悪いと、他の成分と混合して粉末スープや粉末調味料等の組成物を製造する際に均一な混合ができず、充填機による計量精度も悪く、又充填速度が遅く、無理に充填すると容器から取り出しにくい等の問題がある。このように油状物質を単に粉末化するだけでなく、粉末化した油状物質に良好な流動性を与えることが重要である。
【0004】
また、香料等の油状物質を粉末化して、粉末ジュース、冷麺用等の粉末スープ、洗濯糊、洗剤等の組成物に使用する時には、粉末化基剤が冷水で早く溶解して芳香を速やかに発現させることが必要であり、さらに洗剤等では、粉末化基剤の粘性が高くて溶解が遅いと泡切れや水切れが悪く、洗濯時間が長くなるため、粘性の低いものが要求される。一方、チンタン、マオタン等のようなタイプの中華スープや塩ラーメンタイプのラーメンスープ等はスープが透明感を有し、粉末化基剤が透明に溶解するものが必要である。
【0005】
一般的に油状物質を粉末化する方法として、食用油脂等の油状物質をそのまま、或いは加熱して液状にし、乳化剤を溶解し、これを天然ガムや澱粉分解物等の水溶液に添加して混合し、ホモジナイザー等を使用して乳化後、噴霧乾燥によって乾燥する方法が実施されている。この手段では、粉末化された油状物質の流動性もかなり良くなっているが、スプレードライヤーや乳化機等の特別な機械を要し、煩雑な工程を必要とするという難点ばかりでなく、乳化剤を使用しているので食品、特にスープでは食味を悪くし、加えて食用油脂が乳化されているため、食用油脂を液面に浮上させて油膜をつくらせることによって風味を際立たせたり、保温を良くしているラーメンスープや中華スープ等の用途には不適当である。又浴剤や洗剤等に乳化された香料が使用されると芳香のでかたが弱くなる。
【0006】
これに対して、乳化しないで油状物資と粉末化基材を混合するのみで粉末化することが実施されている。例えば、農薬の主剤や洗剤の活性成分である界面活性剤等の場合は、シリカやホワイトカーボンが粉末化基材として用いられている。しかし乍らこれらの粉末化基材は無機質で、水に不溶性であるため、使用後の残留、堆積が問題視されている。
【0007】
斯かる問題もなく、しかも単に混合するだけで粉末化する澱粉質を主原料とする粉末化基剤が提案されており、使用する澱粉質が澱粉であるか、澱粉分解物であるかで2つのタイプに大別される。
【0008】
使用する澱粉質が澱粉である粉末化基材としては、澱粉、或いはアミロースやアミロペクチン等の分画物やエーテル化澱粉等の加工澱粉と、ゼラチン、カゼインナトリウム、水溶性卵白、全卵、にかわ、コラーゲン等の水溶性もしくは水分散性蛋白質及びポリビニルアルコール等の水溶性合成高分子等の高分子物質との水分散液をドラムドライヤーで乾燥して、8.2〜20ml/gの比容積を有する液状物質の粉末化基材(特開昭59−76539号)が知られている。又澱粉類及び/又は穀粉類を水分含量15〜20%に調湿し、温度180〜250℃/cm2でダイス孔より急速に押し出し、乾燥、微粉化した粉末化基材(特開昭55−99166号)、澱粉類及び/又は穀粉類を押出機で、水分含量14〜22%、温度120〜180℃/cm2で加熱、加圧処理後32メッシュの残渣が殆どなく、200メッシュ以下が35%以内になるように粉砕した粉末化基材(特開昭63−286401号)、澱粉、或いは澱粉を70%以上含有する穀粉を水と共に70℃以上に加熱して澱粉をα化した後急速凍結し、凍結物を真空乾燥した後粉砕した粉末化基材(特開昭62−3752号)等が知られている。この特開昭62−3752号の粉末化基材のように、α化時の濃度が約10%を越えると粘性が出過ぎてそれ以上の濃度では製造が困難で実用性に欠けるものを除けば、その他の粉末化基材は製造上格別問題が存在しない。
【0009】
しかし、使用する澱粉質が澱粉である粉末化基材は、澱粉がドライヤーやエクスツルーダーによって加熱され、α−化されて澱粉質が冷水に溶解し、油状物質を粉末化する能力に優れたものであるが、溶解速度が遅い、粘性が高すぎる、透明性に欠ける等の問題があり、スープ等では溶解が遅くて油状物質を迅速に放出できず、洗剤等では粘性が高すぎて水切れや泡切れが悪くて洗濯時間を長くしたり、中華スープ等では透明感に欠けるものであった。
【0010】
一方、使用する澱粉質が澱粉分解物である粉末化基剤としては、粉状含油組成物の製造に使用されるDE18以下の澱粉分解物を、液状でドラムドライヤーで乾燥粉末化した粉末化基剤(特開昭53−23305号)、馬鈴薯澱粉等の澱粉、アミロースやアミロペクチン等の分画物やエーテル化澱粉等の加工澱粉を、酸化分解、アルカリ分解、酵素分解又はそれらの組み合わせでDE30以下に加水分解したものとアルギン酸ソーダ等の海藻抽出物、ローカストビーンガム等の植物由来の粘質物、水溶性卵白、全卵、にかわ等の水溶性もしくは水分散性蛋白質、カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体やポリビニルアルコール等の水溶性合成高分子から得られる高分子物質の水分散液のドラムドライヤー乾燥粉末からからなる粉末化基材(特開昭59−76538号)、アルケニルコハク酸エステル化デキストリンの水溶液をドラムドライヤーを用いて乾燥する液状物質の粉末化基材(特開平5−301906号)等が知られていて、これ等粉末化基材自体は水及び熱水に早く、透明に溶解する。これ等のうち粉末化基材そのものの流動性が非常に優れているのはアルケニルコハク酸エステル化デキストリンだけであり、その他のものは特に優れているとは言い難い。しかしこれ等澱粉分解物の共通の特徴は、油状物質を20〜30重量%含有させると、流動性が悪くなって実用性に乏しかった。
【0011】
このように、油脂等の油状物質を混合するのみで粉末化し、基材そのものが冷水でも熱水でも急速に溶解し、粘性も低く、透明感を必要とする用途にも使用でき、実用性という見地から少なくとも50重量%の油状物質を含有しても流動性に優れた含油組成物の製造を可能にする粉末化基材の開発が強く望まれている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
冷水でも熱水でも急速に溶解し、粘性も低く、透明感に優れ、混合のみで油状物質を粉末化し、粉末化した油状物質に優れた流動性を与えることを特徴とする粉末化基材を得る。
【0013】
【発明が解決しようとする手段】
この課題は、特定のDE値を有する澱粉分解物に30℃に於ける30%水溶液の粘度が120〜800cpの可溶性澱粉を添加し、ドラムドライヤーで乾燥し、32〜145メッシュの区分が全体の50重量%以上含有されている組成物を粉末化基材として使用することにより解決される。
【0014】
【発明の作用】
油状物質の粉末化基剤として、本出願人は既に特開昭53−23305号で粉状含油組成物の製造に、DE18以下の澱粉分解物を原料とする粉末化基材を利用することを提案していた。この粉末化基材は、冷水に容易にしかも透明に溶解し、混合のみで油脂等の油状物質を粉末化して組成物の一部として利用でき、組成物が例えばラーメンスープや中華スープのような粉末スープでは、溶解時に油脂を容易に浮上させ、油脂に透明感があるとスープにも透明感を与えることができ、油状物質を粉末化する際に油状物質の含量が20〜30重量%までは流動性に優れたものであり、そのまま充填しても、他の成分と混合して組成物にしても全く問題のないものであった。
【0015】
しかし、油状物質の含量が20〜30重量%では粉末化のコストが高くなったり、粉末化基材の使用量が多過ぎて組成物中の成分のバランスを崩して目標とする組成物ができないケースが多かった。このため油状物質をより多く、例えば50重量%程度含有させようとすると流動性が悪くなって、そのままでは充填できなくなったり、これを使用して、食品、洗剤、浴剤等の組成物の一部に利用するには、混合時に均一化できない等の問題があった。
【0016】
本発明者等は粉末化基材のベースに澱粉分解物を使用すると、基材そのものを冷水に急速に、しかも透明に溶解し、粉末化した油状物質が溶解時には容易に放出されることに着目し、種々の検討を重ねた。その結果、澱粉分解物をDE5〜15に特定し、これに特定の物質を添加してドラムドライヤーで乾燥し、粒度を調整することによって、問題点の解消をはかることができるようになった。即ち、DE5〜15の澱粉分解物の水溶液に、30重量%水溶液の30℃における粘度が120〜800cpの可溶性澱粉を添加し、混合して均一化した後、ドラムドライヤーにて乾燥して、32〜145メッシュの区分が全体の50重量%を占める組成物を、粉末化基材として使用することを趣旨とする本発明を完成した。尚、ドラムドライヤーで乾燥するとは、冷水不溶の澱粉質が含まれている場合にはドラムの表面で澱粉質が糊化すると同時に乾燥が行われて冷水可溶になる事も意味する。
【0017】
本明細書において油状物質とは、サラダ油、菜種油、綿実油、サフラー油、ヒマワリ油、トウモロコシ油、コメ油等のように常温で液体状、或いはパーム油、パーム核油、カカオ脂、牛脂肪、豚脂等のように加熱して溶融すると液状になる油脂類、農薬の主剤、キシレン等の有機溶媒、レシチン等の界面活性剤、香料等のように液状で水と混じり合わない、或いは水に溶解しない物質を総称する。
【0018】
又香料とは、食品や化粧品等に芳香を与える目的で添加される物質で、動植物から抽出法、水蒸気蒸留法、圧搾法等によって得られる天然香料や有機合成によって得られる合成香料と使用目的によって調合される調合香料を意味する。
【0019】
本発明で述べる粘度とは、可溶性澱粉の分解の度合いを示すもので、可溶性澱粉60gを水140gに分散し、90℃まで加熱後蒸発水分を補充して30℃まで冷却した30重量%水溶液をB形粘度計で測定した値を示す。
【0020】
また見掛比容積とは、粉末化基剤1gが有する見掛けの容積を意味し、粉末化基剤10gを200〜300mlのメスシリンダーにタッピングしないで静かに充填した時の容積より求めた値である。
【0021】
本発明の粉末化基材の主原料である澱粉分解物は、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉、コーンスターチ、小麦澱粉等の通常使用される澱粉、或いはそれをエーテル化、エステル化、酸化処理等通常の手段により処理された加工澱粉に、酸及び/又は酵素を添加し、オートクレーブ、或いは連続加水分解装置等の適当な装置内で加熱してDE5〜15になるように加水分解し、澱粉、酵素、酸、中和剤等に由来する不溶性不純物を濾過後、脱色、脱塩し、必要な程度まで濃縮した液状品及びそれを噴霧乾燥等の方法で乾燥した粉末品である。この際DEが5未満、或いは15を越えると本発明の効果が期待できずDEを5〜15の範囲に保持することが肝要である。尚、DEとは澱粉分解物中の固形分当たりの還元糖(グルコースとして)の含有率を意味する。
【0022】
本発明に使用する可溶性澱粉は、各種澱粉、或いはそれをエーテル化、エステル化等の処理をした加工澱粉からなる澱粉乳液に、塩酸、硫酸等の無機酸、或いは次亜塩素酸ソーダ等の酸化剤を作用させて30重量%水溶液の粘度が120〜800cpになるように分解後、中和、水洗して得られる乳液を、そのまま、脱水してケーキ状、或いはフラッシュ乾燥や真空乾燥等の方法で乾燥した乾燥品の何れもが利用できる。粘度がこの範囲を逸脱すると、油状物質を粉末化して粉末の流動性を改良する効果は弱くなる。
【0023】
本発明の粉末化基材は、32〜145メッシュの区分が50重量%以上を占める粒度分布を示すことが重要で、粒度分布がこの範囲を逸脱すると油状物質を粉末化して流動性を改善する効果が弱くなる。
【0024】
本発明においては、DE5〜15の澱粉分解物の水溶液に可溶性澱粉を添加して製造する粉末基剤は、油状物質を少量の基剤で粉末化しても粉末流動性に優れたことを特徴とするものである。
【0025】
DE5〜15の澱粉分解物の水溶液に可溶性澱粉を添加する場合、水溶液中の固形分に対する可溶性澱粉の添加量が10重量%未満では油状物質を粉末化して流動性を改善する効果が幾分弱く、100重量%を越えると流動性を改善する効果が弱くなるだけでなく粉末化基材の冷水に対する溶解速度が遅くなったり、透明性が悪くなる傾向があるので、好ましくは10〜100重量%、透明性等をより重視する用途には80重量%程度までにとどめておくことがより好ましい。
【0026】
本発明は、DE5〜15の澱粉分解物の水溶液に可溶性澱粉を添加し、混合して均一化するという表現を用いているが、例えばDE5〜15の澱粉分解物と可溶性澱粉の何れもが粉末であれば予めこれらを混合してから水に投入する、或いは可溶性澱粉のスラリーに澱粉分解物を溶解するという方法等をとっても良く、添加順序等を特に問題とするのでなく、要はドラムドライヤーに供給する前の系で均一化しておくことを必要とする。以下に一般的な製造法について示す。
【0027】
原料澱粉、或いは加工澱粉の乳液に酸/及び又は酵素を添加し、加熱して澱粉を糊状で加水分解し、DEを5〜15に調整した澱粉分解物の水溶液を精製後、固形分濃度が30〜60重量%程度にまで濃縮した液状品をそのまま使用するか、或いはこの液状品をスプレー乾燥等の方法によって乾燥した澱粉分解物を水に溶解して固形分濃度が上記の範囲内になるように澱粉分解物の水溶液を調整する。次に水溶液中の固形分に対して、30重量%の水溶液の粘度が120〜800cpの可溶性澱粉を10〜100重量%添加し、混合して均一化した後、蒸気内圧3〜6kg/cm2(表面温度140〜170℃)、ドラムの回転数0.8〜1.3r.p.m.に調整したドラムドライヤーに供給して乾燥する。かくして得られたものを解砕機等で粗粉砕、粉砕機等を使用して粉砕、或いは篩別等を組み合わせることによって、32〜145メッシュの区分が50重量%に調整した粉末化基材を得るが、この粉末化基材は、通常6ml/g以上の比容積を有する。
【0028】
このようにして製造された本発明の粉末化基材は、油状物質と混合するのみで容易に油状物質を粉末化でき、油状物資を50重量%程度含有させても流動性に優れた含油組成物を得ることができる。そしてそのまま充填しても計量精度が良くて、充填速度も早くできるし、他の成分との混合時にも均質化する時間を短縮することを可能にし、食品、浴剤、洗剤、医薬品、化粧品等の組成物に油状物質を含有させることのできる有用な粉末化基材である。
【0029】
また、粉末化基材が冷水、及び熱水での溶解速度が早く、しかも透明になり、乳化しないで油状物質を粉末化できるので溶解時には油状物資を表面に浮上させるラーメンスープや中華スープや透明感を必要とするスープの製造も可能になり、油状物質が香料の場合、洗剤や浴剤、粉末ジュースに使用されると香りが早く、しかも強く感じられるものとなる。洗剤の場合には、粉末化基材の粘性が低く、洗濯時間を短縮できる効果がある。
【0030】
【実施例】
以下に本発明の詳細を参考例、実施例でもって詳細に説明するが、これらの例において部は重量部を示す。
【0031】
【参考例1】
タピオカ澱粉を水に懸濁して、ボーメ18度の乳液とし、これに炭酸カルシウムを加え、pHを5.8に調整し、次にクライスターゼKD(商品名:大和化成株式会社製のα−アミラーゼ)を固形分当たり0.1重量%を加えて得た混合物を、内容10リットルのオンレーター(株式会社桜製作所製澱粉連続液化装置)に毎分5リットルの速度で注入する。オンレーターからの流出液(85〜87℃)をステンレスポットに採取し、85〜86℃に調整した恒温槽中で3分間保持して加水分解させ、1%塩酸を滴下してpHを3.8に低下させて酵素を失活後、これに炭酸カルシウムを加え、pHを5.8に戻す。得られた液をオートクレーブに移し、140℃で10分加圧蒸煮後86℃に冷却し、液固形分当たり、0.06〜0.25重量%のクライスターゼKDを加え、再度加水分解反応を行い加圧蒸煮により反応を停止させる。この液に液固形分当たり0.5重量%のラジオライト#800(商品名:昭和株式会社製の濾過助剤)を加え、液温70〜80℃で吸引濾過後、濾液を脱塩し、濃縮し、噴霧乾燥して澱粉分解物を得たが、2段目の液化に使用した固形分当たりのクライスターゼKDの添加量(重量%)と乾燥した澱粉分解物のDEを下記に示す。
【0032】
試料No. 添加量 DE
1 0.06 3
2 0.11 7
3 0.15 9
4 0.20 13
5 0.26 18
【0033】
【参考例2】
水120部に馬鈴薯澱粉100部を分散した懸濁液を5点用意し、撹拌下に3%水溶液の苛性ソーダを加えてpH10.5に維持しながら、市販の次亜塩素酸ソーダ13〜35部を添加し、室温で5時間処理し、硫酸で中和し、十分に水洗し、脱水、乾燥後粉砕して可溶性澱粉を得たが、澱粉に対して使用した次亜塩素酸ソーダの添加量(重量部)と粘度を下記に示す。尚、粘度は30重量%水溶液の30℃における値である。
【0034】
試料No. 添加量 粘 度
6 35 80cp
7 24 120cp
8 20 450cp
9 18 800cp
10 13 2000cp
【0035】
【参考例3】
5%の硫酸水溶液120部に馬鈴薯澱粉100部を加えてスラリーとし、40℃で24時間処理した後、苛性ソーダで中和し、水洗、乾燥して、粘度が260cpの試料No.11の可溶性澱粉を得た。
【0036】
【実施例1】
参考例1で得られた試料No.1〜5の澱粉分解物を水に溶解して30〜60重量%程度の水溶液を調整し、水溶液中の固形分に対して、参考例2で得られた試料No.8(30%水溶液の粘度が450cp)の可溶性澱粉を20重量%添加し、混合して均一化した後、ダブルドラムドライヤー(蒸気内圧;5.0kg/cm2、ドラム径;1.2m、回転数;0.92r.p.m.)に供給し、糊化と乾燥を行ったものを解砕機で粗砕した。粗砕後、スクリーンをはずし、回転数200r.p.m.に調整した粉砕機を通過させ、20メッシュの篩を通過させて粒度調整を行ったものを標準の粒度調整法(S法)、粉砕機の回転数を100r.p.m.にして篩を通過させてたもの、粗砕後すぐに篩を通過させる粒度調整の方法をそれぞれA法とB法とし、添加物が試料No.8の可溶性澱粉はNo.8と表記し、粉末化基材の製造条件とその評価を表1に示した。尚、粉末化基材の評価は次の様にして行った。
【0037】
〈粒度〉IIDA SIEVESIFTER(株式会社飯田製作所製のロータップ式粒度測定機を用い、粉末化基材中の32〜145メッシュの区分を測定した。
【0038】
〈溶解性〉200mlのビーカーに水196gを入れ、ガラス棒で撹拌しながら粉末化基材4gを投入し、溶液の透明性を目視し、次のように表示した。
◎:撹拌30秒で溶液の透明性が非常に良好である。
○:撹拌1分で溶液の透明が良好である。
△:撹拌1分で溶液の透明性がやや悪い。
【0039】
〈流動性〉ホバートミキサー(ホバート社、カナダ)に粉末化基材200gを投入し、撹拌しながらα−ピネン200gを少量ずづ滴下してα−ピネン50%を含有する組成物を製造し、POWDER TESTER(ホソカワミクロン株式会社)を用いて測定した安息角を指標とする。尚、安息角が低いほど流動性が良く、安息角が60°を越えると流動性が悪く、58°を切るとかなり流動性が良くなり、55°を切ると流動性は一段と良くなる。
【0040】
【表1】
Figure 0003824239
【0041】
【実施例2】
参考例1で得られた試料No.3の澱粉分解物(DE9)を溶解して50重量%水溶液にし、参考例2で得られた試料No.6(粘度:80cp)、試料No.7(粘度:120cp)、試料No.9(粘度:800cp)、試料No.10(粘度:2000cp)の可溶性澱粉を水溶液中の固形分に対して20重量%添加して、実施例1に準じて糊化、乾燥し、標準法で粒度調整をした粉末化基材を実施例1と同じ様に評価した結果を表2に示す。
【0042】
【表2】
Figure 0003824239
【0043】
【実施例3】
試料No.3の澱粉分解物の溶解濃度を55重量%、可溶性澱粉を酸で分解して製造した参考例3で得られた試料No.11の可溶性澱粉(粘度:260cp)に変更し、実施例2に準じて粉末化基剤を製造した。かくして得られた粉末化基材は32〜145メッシュの区分が60.4%でαピネンを50重量%含有させた含油組成物の安息角は53°と非常に優れたものでものであった。
【0044】
【実施例4】
試料No.3の澱粉分解物の固形分に対して、試料No.8の可溶性澱粉を表3の割合で添加し、混合した。次いでこの混合物100重量部を水60部に投入し、澱粉分解物が溶解するまで撹拌した後、実施例2に準じて粉末化基材を製造し、実施例1と同じように評価し、その結果を表3に示す。
【0045】
【表3】
Figure 0003824239

Claims (2)

  1. DE5〜15の澱粉分解物の水溶液に、30℃に於ける30%水溶液の粘度が120〜800cpの可溶性澱粉を添加し、ドラムドライヤーにて乾燥し、32〜145メッシュの区分が全体の50重量%以上を占めることを特徴とする粉末化基材。
  2. 可溶性澱粉の添加量がDE5〜15の澱粉分解物に対して10〜100重量%である請求項1に記載の粉末化基材。
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