JP3824067B2 - 光ピックアップアクチュエータ及びそれを用いた光ピックアップ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光学記録・読取式ディスクドライブに用いられる光ピックアップ及び光ピックアップアクチュエータに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、光学記録読取式のディスクとして、CD−ROM,CD−R,CD−RW,DVD−R、DVD−RW,DVD−RAM、DVD−ROM等のディスクがあり、これらのディスクに対して書き込み読み取りを行う光ディスクドライブがある。
【0003】
光ディスクドライブは、各種のディスクにレーザ素子からのビームを集光させ、ディスク一面に記録された情報、または、情報を記録するために光ピックアップを用いている。
【0004】
光ピックアップは、レーザ素子と、レーザ素子からのビームをディスク一面に集光させ、一面からのビームを受光素子を備えた光情報検出器に導く光案内手段とを備えている。この光案内手段は、光ピックアップアクチュエータを備えている。
【0005】
図9は従来技術による光ピックアップアクチュエータの平面図である。図10は図9の光ピックアップアクチュエータの底面図である。図11(a)は図9の保持部の部分拡大断面図、図11(b)は図11(a)のB部分の断面図である。
【0006】
図9乃至図11(a)及び(b)を参照すると、従来技術による光ピックアップアクチュエータ(以下、単にアクチュエータと呼ぶ)100は、固定部120と、可動部130とを備えている。固定部120は、中央部に角型の孔部からなる収容部124を備えた口の字状のアクチュエータベース121と、アクチュエータベース121の下部に設けられたダンパーベース部122とを備えている。ダンパーベース部122の端部に基板126が設けられている。
【0007】
固定部120の収容部124の両端には、コの字状のヨーク112,113が一板体側をそれぞれ埋設して、断面カップ状となるように、他側の板体を互いに対向して設けられている。また、一板側の内側面には、板状の永久磁石114,115が夫々設けられている。
【0008】
可動部130は、対物レンズ111と、対物レンズ111を保持固定する四角形のレンズホルダー131と、レンズホルダー131の両側に夫々上下2本づつ設けられたサスペンションワイヤ125とを備えている。
【0009】
レンズホルダー131の対物レンズ111を介して両端付近に四角形の細長い貫通孔132,132が夫々設けられ、これらにヨーク112,113の他側の板体が挿入されている。また、レンズホルダー131の上下端面の両側には、トラキングのためのコイル116が夫々設けられ、レンズホルダー131の側周面に巻きつけられたフォーカシングのためのコイルが設けられている。
【0010】
レンズホルダー131の中央部の両側には、上下に突出部133が設けられ、また、一端側の両側には、上下に突起部134が夫々設けられている。サスペンションワイヤ125は、一端が突起部134に当接し、突出部133を貫通して、ダンパーベース部122、基板126を貫通して外部に至っている。
【0011】
図11(a)及び図11(b)に最も良く示されるように、ダンパーベース部122は、図11(b)に示すように、断面楕円状の貫通孔151からなる。
【0012】
サスペンションワイヤ125は、貫通孔151から基板126の外部へと延びている。
【0013】
更に、貫通孔151に夫々シリコーンゲル等のタンパー材156が夫々充填されて、光アクチュエータの支持構造が完成される。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来技術による光ピックアップアクチュエータにおいては、保持部の断面長円形状の貫通孔151にサスペンションワイヤ125を通し、そこにダンパー材156を注入していたために、多くのダンパー材が必要となり、作業の複雑さも伴うために、これが製造コストに跳ね返っていた。
【0015】
そこで、本発明の技術的課題は、ダンパー材の使用量を減らすことができ、その作業量も減らすことができるので、製造コストを下げることができる光ピックアップアクチュエータを提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、光学レンズ(11)を備えた可動部(30)と、前記可動部とは少なくとも2本のサスペンションワイヤ(25)を介して接続する保持部(23)を備えた固定部(20)とを備え、電磁駆動手段によって前記可動部(30)を前記固定部(20)に対して相対移動させる光ピックアップアクチュエータ(10)において、前記固定部(20)は、アクチュエータベース(21)とダンパーベース部(22)とを備え、前記保持部(23)は、前記アクチュエータベース(21)と前記ダンパーベース部(22)との境界部に形成されるとともに前記サスペンションワイヤ(25)が挿通され、前記サスペンションワイヤの前記可動部(30)側から外方に向かう長さ方向に沿う両端にそれぞれ設けられた一対の溝(1a,3)と、前記一対の溝の間に設けられた貫通孔(2)とを備え、前記可動部(30)側の溝(1a)にダンパー材(6)を設けて前記サスペンションワイヤ(25)の支持部(1)としたことを特徴とする光ピックアップアクチュエータが得られる。
【0017】
また、本発明によれば、前記光ピックアップアクチュエータ(10)において、前記溝(1a)はU字形状を備えていることを特徴とする光ピックアップアクチュエータ(10)が得られる。
【0018】
また、本発明によれば、前記いずれかの光ピックアップアクチュエータ(10)において、前記ダンパー材(6)は、前記溝(1a)内に注入されたシリコーンゲルからなることを特徴とする光ピックアップアクチュエータ(10)が得られる。
【0019】
さらに、本発明によれば、前記いずれか一つの光ピックアップアクチュエータ(10)を備えていることを特徴とする光ピックアップ(50)が得られる。
【0020】
尚、上記括弧内の符号は理解を容易にするために付したものであり、一例に過ぎず、これらに限定されるものではない。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0022】
図1は本発明の実施の形態による光ピックアップを示す平面図、図2は図1の光ピックアップの側面図、図3は図1の光ピックアップの裏面図、図4は図1の光ピックアップの平面図である。
【0023】
図1乃至図4を参照すると、光ピックアップ50は、光ピックアップアクチュエータ10と、これを固定する光学ベース部51と、光学ベース部51の側面に配置された基板52と、発光素子(半導体レーザ)と、光学ベース部51の裏面側に配置された受光素子(PD−IC)54とを備えている。
【0024】
基板52の下端には、光ピックアップ50が設けられる本体装置のメイン基板に電気接続するためのコネクタ55が設けられている。また、光学ベース部51の両端には、光ピックアップ50の駆動をガイドするガイドシャフト56が貫通するガイドシャフト取付部57,58が設けられている。尚、2点鎖線によって示された斜線部分がガイドシャフト56で、光ピックアップは、このガイドシャフト56に沿って移動可能に設けられている。
【0025】
図5は本発明の実施の形態による光ピックアップアクチュエータの斜視図である。図6は図5の光ピックアップアクチュエータの平面図である。図7は図5の光ピックアップアクチュエータの底面図である。図8は図5の光ピックアップアクチュエータのサスペンションワイヤの支持部を示す部分拡大図である。
【0026】
図5乃至図8を参照すると、本発明の実施の形態による光ピックアップアクチュエータ(以下、単にアクチュエータと呼ぶ)10は、固定部20と、可動部30とを備えている。固定部20は、コの字状のアクチュエータベース21と、アクチュエータベース21の端部を接続するように設けられたダンパーベース部22とを備え、これらは保持部23を介して一体に設けられ、中央部に角型の孔部からなる収容部24を構成している。固定部20の収容部24の両端には、コの字状のヨーク12,13が一板体側をそれぞれ埋設して、断面カップ状となるように、他側の板体を互いに対向して設けられている。また、一板側の内側面には、板状の永久磁石13,14が夫々設けられている。
【0027】
可動部30は、対物レンズ11と、対物レンズ11を保持固定する四角形のレンズホルダー31と、レンズホルダー31の両側に夫々上下2本づつ設けられたサスペンションワイヤ25とを備えている。
【0028】
レンズホルダー31の対物レンズを介して両端付近に四角形の細長い貫通孔32,32が夫々設けられ、これらにヨーク12,13の他側の板体が挿入されている。また、レンズホルダー31の上下端面の両側には、トラキングのためのコイル16が夫々設けられ、レンズホルダー131の側周面に巻きつけられてフォーカシングのためのコイルが設けられている。
【0029】
レンズホルダー31の中央部の両側には、上下に突出部33が設けられ、また、一端側の両側には、上下に突起部34が夫々設けられている。突出部には、略四角形の貫通孔33aが夫々設けられている。サスペンションワイヤ25は、一端が突起部34に当接し、貫通孔33aを貫通して、保持部23を貫通して外部に至っている。
【0030】
保持部23は、アクチュエータベース部23とダンパーベース部22の境界部に夫々設けられている。
【0031】
保持部23は図8に示すように、U字形状の断面を備えた溝1aを有する支持部1と、アクチュエータベース21を対物レンズ111の光軸方向に貫通させた細長い四角形の貫通孔2と、貫通孔2に仕切り壁4を介して設けられた四角形の溝3とを有している。仕切り壁4には貫通穴4aが設けられている。サスペンションワイヤ25は、U字形の溝1a,貫通孔2、貫通穴4a及び溝3を夫々通って外部へと延びている。
【0032】
更に、溝1aに夫々シリコーンゲル等のタンパー材6が夫々充填され、溝3にはサスペンションワイヤ固定用の接着剤7が塗布され、サスペンションワイヤが支持固定される。
【0033】
このような構造の光ピックアップアクチュエータにおいては、可動部30はサスペンションワイヤ25を介して固定部20の保持部23に支持されているので、コイル15への通電に応じて、可動部30は固定部20に対して相対的な略垂直水平方向に移動して、所望する位置に停止される。
【0034】
このように、本発明の実施の形態においては、サスペンションワイヤ25を保持するために、U字溝1にダンパー材6を充填するだけであり、その使用量を少なくすることができる。
【0035】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、ダンパー材の使用量を減らすことができ、その作業量も減らすことができるので、製造コストを下げることができる光ピックアップアクチュエータを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態による光ピックアップを示す平面図である。
【図2】図1の光ピックアップの側面図である。
【図3】図1の光ピックアップの裏面図である。
【図4】図1の光ピックアップの平面図である。
【図5】本発明の実施の形態による光ピックアップアクチュエータの斜視図である。
【図6】図1の光ピックアップアクチュエータの平面図である。
【図7】図1の光ピックアップアクチュエータの底面図である。
【図8】図5の光ピックアップアクチュエータのサスペンションワイヤの支持部の拡大断面図である。
【図9】従来技術による光ピックアップアクチュエータの平面図である。
【図10】図9の光ピックアップアクチュエータの底面図である。
【図11】(a)は図9の保持部の部分拡大斜視図である。
(b)は図11(a)のB部分の断面図である。
【符号の説明】
1 支持部
1a 溝
2 貫通孔
3 溝
4 仕切り壁
6 ダンパー材
7 接着材
10 光ピックアップアクチュエータ
11 対物レンズ
12,13 ヨーク
14,15 永久磁石
16 コイル
20 固定部
21 アクチュエータベース
22 ダンパーベース部
23 保持部
24 収容部
25 サスペンションワイヤ
30 可動部
31 レンズホルダー
32 貫通孔
33 突出部
33a 貫通孔
34 突起部
50 光ピックアップ
51 光学ベース部
52 基板
53a 発光素子(半導体レーザ)
54 受光素子(PD−IC)
55 コネクタ
56 ガイドシャフト
57,58 ガイドシャフト取付部
100 光ピックアップアクチュエータ
111 対物レンズ
112,113 ヨーク
114,115 永久磁石
116 コイル
120 固定部
121 アクチュエータベース
122 ダンパーベース部
124 収容部
125 サスペンションワイヤ
126 基板
130 可動部
131 レンズホルダー
132 貫通孔
133 突出部
134 突起部
151 貫通孔
156 ダンパー材

Claims (4)

  1. 光学レンズを備えた可動部と、前記可動部とは少なくとも2本のサスペンションワイヤを介して接続する保持部を備えた固定部とを備え、電磁駆動手段によって前記可動部を前記固定部に対して相対移動させる光ピックアップアクチュエータにおいて、前記固定部は、アクチュエータベースとダンパーベース部とを備え、前記保持部は、前記アクチュエータベースと前記ダンパーベース部との境界部に形成されるとともに前記サスペンションワイヤが挿通され、前記サスペンションワイヤの前記可動部側から外方に向かう長さ方向に沿う両端にそれぞれ設けられた一対の溝と、前記一対の溝の間に設けられた貫通孔とを備え、前記可動部側の溝にダンパー材を設けて前記サスペンションワイヤの支持部としたことを特徴とする光ピックアップアクチュエータ。
  2. 請求項1記載の光ピックアップアクチュエータにおいて、前記溝はU字形状を備えていることを特徴とする光ピックアップアクチュエータ。
  3. 請求項1又は2記載の光ピックアップアクチュエータにおいて、前記ダンパー材は、前記溝内に注入されたシリコーンゲルからなることを特徴とする光ピックアップアクチュエータ。
  4. 請求項1乃至3の内のいずれか一つに記載の光ピックアップアクチュエータを備えていることを特徴とする光ピックアップ。
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