JP3823402B2 - 弗燐酸系光学ガラスの射出成形方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、加熱溶融させた弗燐酸系ガラスを射出成形によりレンズ等の精密光学部品を製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
精密光学部品として、例えばレンズの製造はガラスを研磨することにより行う方式が古くから用いられているが、製造効率が悪く、非球面レンズの製造が困難である等といった問題点がある。このために、近年においては、所定の形状にプリフォームしたガラスを成形型内に装着して、このプリフォームを加熱して軟化させた状態で、プレスすることにより、型形状の転写を行うようにしたプレス成形方式が用いられている。また、ガラスを加熱溶融させることにより流動状態になるまで粘度を低下させて、この溶融ガラスを成形型に注入することによって、成形型の型形状に転写するようにした射出成形方式も開発されている。射出成形方式では、プリフォームを形成するという煩わしさのない点から、製造が容易であり、安価に製造できる等、プレス成形と比較して、生産性の向上、生産コストの低減等が図られる点で有利である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前述したように、射出成形により光学部品を製造する方式は極めて優れた点があるが、この射出成形による光学部品の製造を工業的な規模で行うには、いくつかの未解決の問題点があり、このためにこの方式が実用化されていないのが現状である。
【0004】
そもそも、射出成形方式は、プリフォームを加熱軟化させた状態でプレス成形する方式等とは異なり、ガラスを完全に溶融状態にして成形型に注入する必要がある。特に、射出成形に当っては、成形型に成形品の転写面を有する型形状を持ったキャビティが形成されるだけでなく、このキャビティに向けてガラスを送り込むために、少なくともスプル及びゲートを設けなければならず、これらスプルやゲートは形状が複雑な通路である。従って、ガラスの粘度が低ければ低い程、成形型への注入が円滑となり、キャビティの全体にわたって完全が行きわたり、気泡等の発生を防止できる。
【0005】
このように、成形型におけるスプル及びゲートからなる経路を通って極めて低粘度の溶融ガラスを供給した後に、所定の温度まで冷却する間には、ガラスが成形型の内面に溶着してしまうおそれがある。特に、スプルやゲートは複雑な凹凸形状となっているから、これらの部位が溶着する可能性が高く、溶着を起こすと、成形品の取り出しが困難になり、割れ欠け等の破損を生じるおそれがある。勿論、成形型におけるキャビティや、スプル及びゲートには離型膜のコーティングを行うが、それでもなお溶着が発生するのを完全には防止できない。そこで、本発明者は、以上の課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、成形型から成形品の離型性を促進するためには、成形型内におけるガラス成形品と転写面との間に離型用のガス層を形成させることができれば、型離れが良好になり、ガラスの組成によっては、所定の粘度状態にまで加熱すると、ガスが揮発することを知見して、本発明を完成するに至った。而して、本発明の目的とするところは、射出成形を行うに当って、ガラス成形品の成形型からの型離れを良好にすることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
以上の目的を達成するために、本発明は、弗素化合物と燐酸とを必須成分とし、ハロゲン含有量が10〜45重量%の光学ガラス素材を、先端に射出ノズルを備えた閉鎖チャンバ内に装着して、その射出ノズル及びその近傍を加熱して、ほぼ104 poiseの粘度ないしそれ以下の粘度になるまで溶融させた状態で、成形型に所定の圧力で射出することによって、この成形型の内面とガラス成形品との間に、ハロゲンないしハロゲン化合物からなる離型ガス層を形成させるようにしたことをその特徴とするものである。
【0007】
成形型の保護の観点から、ほぼ104 poiseの粘度になる温度はできるだけ低い温度とするのが好ましい。一般に成形型、特にその離型膜等に対するダメージは600℃を越すと極めて高くなる。そこで、ガラスが104 poiseの粘度になる時の温度を、成形型の耐久性にとって必要な600℃以下に抑制するには、光学ガラスの成分中に含まれる燐酸の含有量をa、アルカリ金属酸化物とアルカリ金属ハロゲン化物との合計含有量をbとしたときに、a+bを5〜55重量%、b/aを0〜0.8とすれば良い。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明においては、原料としての光学ガラスは、弗素化合物と燐酸とを必須成分とした弗燐酸系のものを用いる。この弗燐酸系の光学ガラスにおいて、弗素を主成分とするハロゲンが10〜45重量%含むものとする。ハロゲン含有量が10重量%以下であると、ガラス成形品の型離れを行わせるのに十分な量の離型ガス層が形成されない。また、ハロゲン含有量が45重量%を越えると、ガラス化が困難になり、好ましくはない。
【0009】
前述した組成を有する光学ガラス素材を、噴射ノズルを備えた閉鎖形状のチャンバで加熱する。開放空間で加熱すると、離型ガス層を形成するのに必要な弗素または弗素化合物等からなるガスの放散が激しくなり、成形型内で離型ガス層の形成に支障を来すことになる。
【0010】
ここで、光学ガラス素材の加熱は、射出ノズル及びその近傍でほぼ104 poiseないしそれ以下の粘度となるまで加熱して溶融状態にして、成形型内に射出する。光学ガラス素材がほぼ104 poiseの粘度となるまで加熱すると、それに含まれる弗素を主成分とするハロゲンないしハロゲン化合物が急速にガス化する。チャンバは閉鎖形状となって、溶融したガラスはチャンバ内に封じ込められるから、チャンバ内に所定の圧力を加えることにより、ガス化の度合いを抑制できる。チャンバを加熱・加圧状態で成形型内に射出すると、成形型内で、ガラスの表面からハロゲンないしハロゲン化合物のガスが揮発して、ガラス成形品と成形型の内面、即ち転写面及びスプルとゲートとの間に離型ガス層が形成される。ここで、離型ガス層は弗素ないし弗素化合物のガスであるため、離型性に優れている。従って、弗素ないし弗素化合物からなるガスで離型ガス層が形成されるのは、極めて都合が良い。
【0011】
ここで、射出成形を行なう際の目安になる104 poiseの粘度は、ガラスの作業点粘度である。この作業点粘度となる温度については、光学ガラス素材の組成により異なってくるが、通常、ガラスの作業点粘度となる温度、即ち作業点温度は700℃乃至それ以上のものが多い。種々用いられる光学ガラス素材のうち、比較的作業点温度が低いのが、弗燐酸系のガラスである。しかしながら、成形型は、通常、タングステンカーバイト(WC)で形成され、その表面には離型膜のコーティング材としては白金系の合金が積層される。この成形型も実質的にガラスの作業点温度に近い温度となっていなければ、溶融ガラスがスプル及びゲートを介してキャビティ内に供給されるまでの間にその粘度が上昇して、キャビティ内全体にガラスを行きわたらせなくなる。従って、光学ガラスの射出成形を行う時には、成形型も非常に高い温度となるが、そうすると、成形型の材質としてのタングステンカーバイトにクリープ変形が発生し、また白金系コートに肌荒れが発生する等、成形型の寿命を著しく短縮させてしまう。
【0012】
以上のことから、使用する光学ガラス素材としては、できるだけ作業点粘度での温度を極力低くする必要がある。このためには、光学ガラスの成分中に含まれる燐酸の含有量をaとし、アルカリ金属酸化物とアルカリ金属ハロゲン化物との合計含有量をbとしたときに、a+bを5〜55重量%、b/aを0〜0.8の条件を備えたものとする。a+bが5重量%より少ない場合は、ガラス化が困難であり、55重量%を越えると作業温度が高くなってしまう。またb/aが0.8を越えるとガラス化が困難になると共に、科学的耐久性が低下する。
【0013】
次に、本発明の射出成形方法を実施するための射出成形装置の構成の一例を図1に示す。図中において、1は成形型を示し、この成形型1は上型2及び下型3を有し、これら上型2と下型3との間にキャビティ4が形成される。キャビティ4にはゲート5が設けられ、このゲート5にはスプル6が連通しており、このスプル6は成形型1の側面に開口している。そして、この成形型1は、上型2と下型3とを型締めした状態で、溶融ガラスが注入されるようになっている。
【0014】
10は射出用カートリッジであり、この射出用カートリッジ10は、閉鎖したチャンバであるシリンダ室11を有し、このシリンダ室11の先端側には射出ノズル12が接続され、またシリンダ室11の基端側には流体圧が作用する加圧室13が連設されている。シリンダ室11にはピストン14が軸線方向に摺動可能に設けられると共に、ガラス素材をロッド状に形成したロッドガラス15が着脱可能に収容されるようになっている。そして、射出ノズル12からシリンダ室11の先端部分までの部位にはヒータ16が装着されており、このヒータ16によってロッドガラス15は、その先端側の一部が加熱されて、溶融状態になる。そこで、加圧室13に圧力を作用させて、ピストン14を介してロッドガラス15を押動させると、射出ノズル12内の溶融ガラスが成形型1に所定の圧力で供給される。
【0015】
成形型1におけるキャビティ4内の全体にガラスが隈なく行きわたると、成形型1の全体を冷却することによって、ガラスはキャビティ4による型形状が転写された状態で固形化される。従って、成形型1を分解してガラス成形品を取り出した後に、スプル6及びゲート5に相当する部位を切断除去すると、所要の形状の光学部品が形成される。
【0016】
以上のように、射出用カートリッジ10内のシリンダ室11の先端側の部位から射出ノズル12にかけての部位にヒータ16による加熱領域を形成することによって、ガラスロッド15の先端部分だけが加熱により粘度が低下して、104 poiseないしそれ以下の粘度状態になる。シリンダ室11にはピストン14が設けられているから、射出ノズル12が成形型1の側面に開口するスプル6に接続されると、ロッドガラス15をピストン14で押動することによって、所定の圧力で溶融ガラスがスプル6からゲート5を経てキャビティ4内に供給される。ここで、成形型1の温度が低いと、溶融ガラスがキャビティ4に至るまでの間に冷却されて、粘度が低下することになるから、成形型1を射出ノズル12に接続する前の段階で、実質的に溶融ガラスの温度またはその近傍の温度にまで加熱させておく。
【0017】
射出時には、ガラスの粘度が射出成形を行うのに適した温度状態になっているから、溶融ガラスはキャビティ4の隅々まで円滑に行きわたるようになる。キャビティ4内に完全に溶融ガラスが行きわたると、成形型1と共にキャビティ4内のガラスを冷却する。104 poise付近では、素材であるガラスに10〜45重量%含まれる弗素を主成分とするハロゲンないしハロゲン化合物が揮発してガス化することになり、キャビティ4,ゲート5及びスプル6内面とガラスの表面との間に揮発したハロゲンないしハロゲン化合物からなる離型ガス層が形成されることになる。この結果、ガラス成形品の成形型1からの離型性が良好になり、ガラス成形品が完全に冷却されて、成形型1を分離した後に、このガラス成形品を成形型1から容易に取り出すことができる。
【0018】
【実施例】
そこで、以下に本発明の実施例について説明する。まず、表1に実施例1〜7における光学ガラス素材の組成と、それらの成分中に含まれる燐酸,アルカリ金属酸化物及びアルカリ金属弗化物を含むアルカリ金属ハロゲン化物の合計含有量、燐酸の含有量とアルカリ金属酸化物及びアルカリ金属ハロゲン化物との合計含有量との比、ハロゲン含有量、104 poiseの粘度(作業点粘度Tw)になる温度等を示す。
【0019】
【表1】
【0020】
メタ燐酸アルミニウム,メタ燐酸バリウム,臭化ナトリウム,弗化マグネシウム,弗化カルシウム,弗化ストロンチウム,弗化バリウム,弗化ナトリウム,弗化イットリウム等、表1における実施例1の組成における各成分が、全体のガラス量で2.5Kgになるように、原料バッチを調合した。原料バッチを混合した後に、1リットル容量の白金製のるつぼに投入し、900℃で原料を溶解した。弗素成分の揮発が激しいために、このるつぼに白金製の蓋をかぶせた状態で溶解させた。るつぼを撹拌させて均質化を図り、るつぼの底部に接続した白金製のパイプから予熱された金型に流し出して、板状のガラスブロックを成形した。徐冷したブロックから角材を切り出して、通常の方法でセンタレス加工を行って、直径が15mmで長さが12mmの丸棒からなるガラスロッドを作製した。
【0021】
このガラスロッドを図1に示した射出成形装置の射出用カートリッジ10内のシリンダ室11に充填して、ガラスロッドが104 poiseの粘度となる温度、即ち560℃に加熱し、その射出ノズル12を、ほぼ同じ温度にまで予熱した成形型1のスプル6と接続して、ピストン14により500kgf/cm2の圧力で射出することによって、直径が12mmの両凸レンズの成形を行った。溶融ガラスの射出後に、成形型を冷却して、ほぼ常温の状態になった時に、成形型1を分離して、ガラス成形品を取り出した。このガラス成形品の取り出し時には、キャビティ4内の部位はもとより、ゲート5及びスプル6内に位置するガラスも成形型1の内面から極めて容易に剥離された。
【0022】
なお、使用した成形型1はタングステンカーバイト製のものであって、キャビティ4,ゲート5及びスプル6の内面には白金系コーティングを施したものを使用した。また、表1の光学特性の測定はスペクトロメータを用いて行い、104 poiseの粘度が560℃であることは、ローター式粘度計による高温粘性とビームベンデング法による徐冷点、歪点からFulcher式で内挿して求めた。
【0023】
そこで、このガラスロッドの一部を切り取って、加熱しながら、発生するガスの量を測定した。その結果を図2に示す。同図から明らかなように、ガラスを545℃にまで加熱した時に、急激にガスの発生が見られた。そこで、このガスのの成分分析を四重極質量分析計(日本真空技術社製TDS)を用いて測定したところ、発生したガスはPOF2 +ガスであると特定された。
【0024】
次に、実施例2において、その成分である炭酸リチウム,弗化リチウム,弗化鉛等を、表1の組成に従って、前述した実施例1と同様の方法でロッドガラスを製造した。この実施例2のロッドガラスでは、104 poiseの粘度となる温度は425℃である。このロッドガラスを図1の射出成形装置により射出成形を行って、直径が8mmの両凸レンズを成形した。成形後の型離れは実施例1と同様に良好なものであった。
【0025】
このロッドガラスを加熱する間に発生するガスの量を測定したところ、図3のような結果を得た。この図からも明らかなように、ガラスの104 poiseの粘度となる温度425℃に対して、放出ガスが急激に増加するのは、440℃付近である。なお、発生したガスは、その成分分析の結果、実施例1と同様、POF2 +であった。従って、この実施例2の組成の光学ガラス素材を用いて射出成形を行う場合には、射出成形を行うに当っては、ガラスの温度を440℃以上に加熱する必要がある。一般に、成形型1は600℃を越えると、ダメージが大きくなるが、このように440℃程度で射出成形できることは、成形型1の寿命の観点から何等の問題もない。
【0026】
さらに、実施例7においては、ガラスが104 poiseの作業点粘度となる作業点温度は420℃であり、前述した実施例2よりさらに作業点粘度が低下するので、射出成形を行うに当って、成形型1の寿命等の観点からはさらに好ましい。しかも、この実施例7においては、図4に示したように、POF2 +ガスの発生は320℃付近から発生して、温度の上昇に伴って連続的にガスの発生が増加する。従って、成形型1のキャビティ4内に隈なくガラスが行きわたることを条件として、ガラスを作業点温度より低い温度に加熱した状態でも、離型ガス層が生じるので、射出圧等の条件によっては、ガラスを作業点粘度より僅かに高い粘度状態で射出することも可能になる。
【0027】
【発明の効果】
本発明は、弗素化合物と燐酸とを必須成分とし、ハロゲン含有量が10〜45重量%の光学ガラス素材を、先端に射出ノズルを備えた閉鎖チャンバ内に装着して、その射出ノズル及びその近傍を加熱して、ほぼ104 poiseの粘度ないしそれ以下の粘度になるまで溶融させた状態で、成形型に所定の圧力で射出することによって、この成形型の内面とガラス成形品との間にハロゲンないしハロゲン化合物からなる離型ガス層を形成させるようにしたので、射出成形を行うに当って、ガラス成形品の成形型からの型離れが極めて良好になり、ガラス成形品の成形型からの取り出しが容易になる等の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のロッド状光学ガラスを用いてレンズ等の光学部品を射出成形するための射出成形装置の一例を示す構成説明図である。
【図2】実施例1におけるガラスの温度とガスの発生との関係を示す線図である。
【図3】実施例2におけるガラスの温度とガスの発生との関係を示す線図である。
【図4】実施例7におけるガラスの温度とガスの発生との関係を示す線図である。
【符号の説明】
1 成形型
2 上型
3 下型
4 キャビティ
10 射出用カートリッジ
11 シリンダ室
12 射出ノズル
13 加圧室
15 ロッドガラス
16 ヒータ
Claims (3)
- 弗素化合物と燐酸とを必須成分とし、ハロゲン含有量が10〜45重量%の光学ガラス素材を、先端に射出ノズルを備えた閉鎖チャンバ内に装着して、その射出ノズル及びその近傍を加熱して、ほぼ104 poiseの粘度ないしそれ以下の粘度になるまで溶融させた状態で、成形型に所定の圧力で射出することによって、この成形型の内面とガラス成形品との間にハロゲンないしハロゲン化合物からなる離型ガス層を形成させるようにしたことを特徴とする弗燐酸系光学ガラスの射出成形方法。
- 前記光学ガラス素材は、その成分中に含まれる燐酸の含有量をa重量%、アルカリ金属酸化物とアルカリ金属ハロゲン化物との合計含有量をb重量%としたときに、a+bを5〜55重量%、b/aを0〜0.8となし、104 poiseの粘度になる温度が600℃以下であることを特徴とする請求項1記載の弗燐酸系光学ガラスの射出成形方法。
- 前記チャンバ内では、前記ロッド状の光学ガラスの先端部分を加熱させると共に、非加熱状態にある基端側の部分を前記射出ノズルに向けて押動することによって、光学ガラスを先端側から順次加熱溶融させて、前記成形型に射出するようにしたことを特徴とする請求項1記載の弗燐酸系ガラスの射出成形方法。
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