JP3822766B2 - ばら物搬送ラインにおける分配装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、粉状、粒状、あるいは塊状など各種形状をなすばら物を、搬送ラインにおいて任意の割合で連続的に2方向に分配し、分配後も連続的に搬送することのできる分配装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
粉状、粒状、あるいは塊状など各種形状をなすばら物を、ベルトコンベアあるいはそれに類する搬送装置で搬送するラインにおいて2以上に分配し、それぞれを別の方向に搬出するための手段として、2基以上設けたシュートの上方にベルトコンベア等を移動させて、各シュートに所定量ずつ落下させ、各シュートの下方に設けた別の搬送装置で、それぞれ所定の方向に搬送する方式のものが知られていた。しかし、この方式では分配が非連続的に行われ、分配後の搬送も非連続なものとなる。
【0003】
ばら物を連続的に分配し連続的に搬送することのできる装置として、特開昭52−131367号公報に開示されている定量搬出形ダンパー装置などが知られている。この方式では、2つの斜面をもつ分配ダンパーと呼ばれるものが使用される。分配ダンパーの2つの斜面は、上端が合わさって直線状の稜線を形成しており、この稜線上に、ベルトコンベアなどの搬送装置からばら物を落とし、両斜面を滑落させることにより、連続的な分配および搬送が行える。
このようなダンパー装置において、分配割合の調整は、上記公報にも示されているように、両斜面の上端をなす稜線を、搬送方向と直角に、あるいは平行にして設け、両斜面を稜線の垂線方向に水平移動させ、あるいは回動させて両斜面の傾斜角を変えることで行われる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような、ばら物を搬送しつつ連続的に分配し、かつ分配割合を調整できる装置は、鉱石、石炭、石灰石、セメントなど各種工業用原料などの分配搬送にも使用されている。そして、搬送するばら物には、例えば湿った石炭のような付着性を有するものがある。
【0005】
搬送するばら物が付着性を有していると、滑落させる斜面に付着した場合は所望の割合で分配できなくなり、さらには付着により装置の作動不良を引起こす事態にもなるので、長期の自動運転には不向きであった。また、分配割合を変えるために斜面の傾斜角を変えると、ばら物の円滑な滑落が維持できなくなるという問題点も有していた。
なお付着防止には、バイブレータ等の使用が考えられるが、従来装置は構造が複雑であること、装置自体が可動体であることなどにより、バイブレータの設置が困難であった。
【0006】
そこで本発明が解決しようとする課題は、鉱石、石炭、石灰石、セメントなどの、粉状、粒状、あるいは塊状など各種形状をなすばら物を、搬送ラインにおいて任意の割合で連続的に2方向に分配し、分配後も連続的に搬送できる分配装置であって、簡単な構造からなり、付着性を有するばら物に対しては付着防止のためのバイブレータ等の装着を容易とし、長期にわたり安定した自動無人運転が達成できるようにすることである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明は、ばら物を搬送し搬送方向の先端から落下させるシャトルコンベアと、該コンベアの下方に配設され、前記落下したばら物を前記搬送方向側の2方向に分配して滑落させる分配シュートとからなり、前記シャトルコンベアは前記搬送方向の位置調整機構を有し、前記分配シュートはばら物を異なる方向に滑落させる2面の主斜面を有し、該2面の主斜面の上端が合わさって形成される直線状の稜線が、前記搬送方向に対し傾斜していることを特徴とするばら物搬送ラインにおける分配装置である。 そして、前記搬送方向に対する前記稜線の傾斜角θが10〜60°であることが好ましく、また前記分配シュートに振動付与装置を接続したことが好ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明装置は、図1および図2に示す例のように、シャトルコンベア1と分配シュート8からなる。
シャトルコンベア1は、ばら物を搬送し、搬送方向Aの先端から落下させるものであり、搬送方向Aの位置調整機構を有している。本例はベルトコンベアを示し、図示しないモータ等によりコンベア用ロール2を回転させてばら物を搬送する。シャトルコンベア1には、このほかローラーコンベアなど各種コンベア類を採用することができる。
【0009】
位置調整機構は、本例ではシャトルコンベア1を載置する移動体3と、移動体3に取り付けた車輪4と、車輪4を走行させるレール5と、移動体3を牽引するウインチ6およびワイヤ7とで構成される。
そして、搬入コンベア16で搬送され搬入シュート17から受けたばら物を矢印Aの方向に搬送し、先端から落下させる。移動体3は、図2に示すように、ウインチ6およびワイヤ7により、レール5上を搬送方向Aの方向に前後移動可能であり、この移動によりばら物の落下位置を調整する。移動体3はこのほか、自走など各種手段により走行させることができる。
【0010】
分配シュート8は、図1および図2の例に示すように、シャトルコンベア1の下方に配設され、前記落下したばら物を2方向に分配して滑落させるものであり、図3に示すように、2面の主斜面9および10を有している。主斜面9および10の上端は、合わさって直線状の稜線11を形成し、稜線11は搬送方向Aに対して傾斜している。その傾斜角をθで示す。12、13は副斜面である。
なお本発明における分配シュート8は、前述の従来技術における分配ダンパーと類似した形状をしているが、従来の分配ダンパーは水平移動、あるいは回動させるのに対し、本発明のものは静置するのでシュートと呼ぶ。
【0011】
シャトルコンベア1から、分配シュート8の稜線11上に落下したばら物は、2方向に分配され、一方は主斜面9および副斜面12を滑落して、シュート出口14から搬出コンベア18上に連続的に搬出され、他方は主斜面10および副斜面13を滑落して、シュート出口15から搬出コンベア19上に連続的に搬出される。そして、図1の矢印で示す搬送方向BおよびCの方向に連続的に搬送される。
【0012】
本発明装置において、分配割合を調整するには、シャトルコンベア1を移動させて、分配シュート8上へのばら物の落下位置を調整する。落下位置を、図3に示す破線aを中心とし、ばら物が破線cより右側にかからない位置にすると、100%のばら物がシュート出口14から搬出されB方向に搬送される。破線bを中心とし、破線dより左側にかからない位置にすると、100%のばら物がシュート出口15から搬出されC方向に搬送される。
【0013】
また、落下位置を破線cと破線dの間の1/2の線を中心とすると、50%ずつに分配され、中心をcとdの間の位置に調整することで、任意の分配割合に調整できる。この調整において、図1における搬送方向Aと稜線11のなす角θを小さくすると、分配精度は向上するが分配シュート8が長大化する。
したがって、θ=10°〜60°とするのが好ましい。
【0014】
分配されたばら物は、図1の例では搬出用コンベア18および19により、B方向およびC方向に搬送されるが、各搬送先におけるばら物の実際の量に応じて、本発明装置における分配割合を調整することができる。たとえば搬送先ホッパー内のばら物の重量あるいはレベルを測定し、該測定値が管理範囲内となるように、シャトルコンベア1の位置を調整する制御を行う。この制御により、複数の所定搬送先に、それぞれ所定量のばら物を安定して分配搬送することができる。なお、本発明装置を直列に配置することにより、3カ所以上の搬送先にも連続的に分配搬送することができる。
【0015】
本発明装置が対象とするばら物は、鉱石、石炭、石灰石、セメントなどの、粉状、粒状、あるいは塊状など各種形状をなすものである。これらのばら物を受けて分配する作用をなす分配シュート8は、簡単な構造で可動部分がなく、シャトルコンベア1を移動させて、分配シュート8へのばら物落下位置を変えることにより分配割合を調整できる。
したがって、分配シュート8の両主斜面9および10の勾配を、対象とするばら物に最適な勾配とすることができ、斜面へのばら物付着によるトラブルが生じ難い。さらに分配シュート8にバイブレータなどの振動付与装置を接続することも容易であり、振動付与によりばら物付着はより確実に防止される。したがって、長期安定した無人連続運転が可能である。
【0016】
【実施例】
図1〜図3に示すような本発明装置により、コークス用石炭を搬送しつつ分配した。石炭の平均粒径は約20mm、水分を含んでいるので、従来装置では滑落斜面に付着しやすいものである。図1における搬送方向Aと稜線11のなす角θを約33°、主斜面9および10の勾配は等しく、約2.3(約66°)とした。シャトルコンベア1を移動させて稜線11上への落下位置を調整し、シュート出口14から40%、シュート出口15から60%、それぞれ搬出した。この分配割合は、搬出コンベア18あるいは19の搬送先で秤量することにより確認できた。
また、バイブレータにより分配シュートに振動を付与した場合、連続24時間運転後も、主斜面9,10および副斜面12,13への石炭付着は認められず、上記割合の分配搬送が安定維持できた。
【0017】
【発明の効果】
本発明装置は、鉱石、石炭、石灰石、セメントなどの、粉状、粒状、あるいは塊状など各種形状をなすばら物を、搬送しつつ任意の割合で連続的に2方向に分配できる。固定された分配シュート上に、シャトルコンベアからばら物を落下させ、2面の主斜面を異なる方向に滑落させて分配する。分配割合は、シャトルコンベアを移動させてばら物の落下位置を変えることで調整できる。
したがって分配シュートは簡単な構造となり、湿った石炭のような付着性を有するばら物であっても、ばら物が付着し難く、さらに付着防止のためのバイブレータ等の装着も容易であり、長期にわたる安定した自動無人運転が達成される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明装置の例を示す斜視図である。
【図2】本発明装置の例を示す正面図である。
【図3】本発明装置における分配シュートの例を示す上面図である。
【符号の説明】
1…シャトルコンベア 2…コンベア用ロール
3…移動体 4…車輪
5…レール 6…ウインチ
7…ワイヤ 8…分配シュート
9,10…主斜面 11…稜線
12,13…副斜面 14,15…シュート出口
16…搬入コンベア 17…搬入シュート
18,19…搬出コンベア
Claims (3)
- ばら物を搬送し搬送方向の先端から落下させるシャトルコンベアと、該コンベアの下方に配設され、前記落下したばら物を前記搬送方向側の2方向に分配して滑落させる分配シュートとからなり、前記シャトルコンベアは前記搬送方向の位置調整機構を有し、前記分配シュートはばら物を異なる方向に滑落させる2面の主斜面を有し、該2面の主斜面の上端が合わさって形成される直線状の稜線が、前記搬送方向に対し傾斜していることを特徴とするばら物搬送ラインにおける分配装置。
- 前記搬送方向に対する前記稜線の傾斜角θが10〜60°であることを特徴とする請求項1記載のばら物搬送ラインにおける分配装置。
- 前記分配シュートに振動付与装置を接続したことを特徴とする請求項1または2記載のばら物搬送ラインにおける分配装置。
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