JP3822322B2 - 漂白洗浄剤組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、高い漂白力を有しており、長期間保存した場合でも漂白力が低下することがない漂白洗浄剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
漂白洗浄剤は塩素系と酸素系に分けられるが、塩素系漂白洗浄剤は使用できる繊維に制限があり、さらには色柄ものには使用できないことや特有の刺激臭を有していることから、これらの欠点のない酸素系漂白洗浄剤が最近著しく普及している。この酸素系漂白剤としては、過炭酸ナトリウム、過ほう酸ナトリウムが粉末漂白剤として使用されており、過酸化水素が液体漂白剤として使用されている。酸素系漂白洗浄剤は塩素系漂白洗浄剤に比べて漂白力が弱いため、各種漂白活性剤や金属錯体触媒等と併用されている。例えば、米国特許5,246,612ではマンガン触媒による過酸化水素の活性化が行われており、米国特許5,581,005、WO97/00311及びWO97/00312では、アンモニウム以外にカルボキシレートをリガンドしたコバルトアンミン錯体が開示されている。
【0003】
しかし、このような金属錯体は、漂白洗浄剤に対して非常に高い漂白効果を付与する反面、粉末又は顆粒状の過炭酸ナトリウムと組み合わせると、保存中における過炭酸ナトリウムの安定性を著しく低下させ、その結果、漂白性能を低下させるという問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このような粉末又は顆粒状の過炭酸ナトリウムの安定性を改善するため、コバルトアンミン錯体を他の成分で被覆する試みがなされている。例えば、特公昭47−32200号には過炭酸ナトリウムをパラフィンで被覆する方法が開示されており、特公昭53−15717号には過炭酸ナトリウムを過ホウ酸ナトリウムで被覆する方法が開示されており、米国特許第4131562号には過炭酸ナトリウムを過ホウ酸ソーダとアルコールのエチレンオキシド付加物で被覆する方法が開示されており、米国特許第4120812号には過炭酸ナトリウムと過ホウ酸ソーダをポリエチレングリコールで被覆する方法が開示されており、ドイツ特許第2712139号には過炭酸ナトリウムをシリケートで被覆する方法が開示されており、ドイツ特許第2800916号には過炭酸ナトリウムをホウ酸で被覆する方法が開示されており、欧州特許第30759号には過炭酸ナトリウムをワックスで被覆する方法が開示されており、特開昭58−217599号には過炭酸ナトリウムをホウ酸塩で被覆する方法が開示されており、特開昭59−196399号には過炭酸ナトリウムをホウ酸塩で被覆する方法が開示されており、特開平4−31498号には過炭酸ナトリウムをホウ酸とケイ酸塩で別々に噴霧して被覆する方法が開示されている。
【0005】
しかし、これらの方法により得れらた過炭酸ナトリウムの多くは、やはりコバルトアンミン錯体と組み合わせた場合に安定性が低下するという問題を解決できるものではない。
【0006】
そこで本発明は、過炭酸ナトリウムとコバルトアンミン錯体による高い漂白性能を充分に発揮させるとともに、長期間保存した場合でも過炭酸ナトリウムを安定に保存できるため、製造当初の高い漂白力をそのまま維持できる漂白洗浄剤組成物を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記目的を達成するため、過炭酸ナトリウムを被覆するための特定成分、さらに前記過炭酸ナトリウムと組み合わせる特定のコバルトアンミン錯体を見出すべく、鋭意研究を重ねた。その結果、まず過炭酸ナトリウムを被覆する特定成分を見出し、さらに前記特定成分で被覆した過炭酸ナトリウムと、WO97/00311、WO97/00312に開示されたようなアンモニウム以外にカルボキシレートをリガンドしたコバルトアンミン錯体及び米国特許4,810,410に示されるマンガン触媒との組み合わせでは本発明の目的を達成することができず、前記特定成分で被覆した過炭酸ナトリウムと、アンモニウムが主なリガンドでありそれ以外はハロゲンをリガンドとするコバルトアンミン錯体との組み合わせにより、初めて本発明の目的を達成できることを見出し、本発明を完成したものである。
【0008】
即ち本発明は、(a)過炭酸ナトリウムが、非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤又はホウ酸もしくはその塩類で被覆されたもの及び(b)一般式(I): [Co(NH3)nM6-n]・mX (I)
[式中、nは1〜6の数を示し、mは電荷を中和するに必要な数を示し、Mはハロゲンを示し、Xは陰イオンを示す。]
で表されるコバルト錯体化合物を含有していることを特徴とする漂白洗浄剤組成物を提供するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明で用いる(a)成分は、漂白活性種となる過炭酸ナトリウムが、非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤又はホウ酸もしくはその塩類で被覆されたものである。
【0010】
(a)成分の製造に用いる非イオン界面活性剤は、融点が40℃以下で、20℃における粘度(ブルックフィールド型粘度計による値)が10〜100mPa・sで、デービス氏の方法により求めたHLBが4.5〜12の次の一般式(II):
R−(OC2H4)n−OH (II)
〔式中、Rは炭素数6〜18のアルキル基もしくはアルケニル基又は炭素数1〜12のアルキル基で置換されていてもよいアリール基を示し、nはデービス氏の方法で求めたHLBが4.5〜12になるように選ばれる数を示す。〕
で表されるものである。このような一般式(II)で表される非イオン界面活性剤の例としては、以下の化合物を挙げることができ、これらは1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。上記条件を満たす非イオン界面活性剤としては、
C10H21(OC2H4)n-OH n=6〜18、HLB=6.13〜10.09
C12H25(OC2H4)n-OH n=4〜25、HLB=4.52〜11.45
C14H29(OC2H4)n-OH n=10〜25、HLB=5.55〜10.50
C16H33(OC2H4)n-OH n=12〜30、HLB=5.26〜11.20
C18H37(OC2H4)n-OH n=15〜35、HLB=5.30〜11.9
等を挙げることができる。
【0011】
(a)成分の製造に用いる陰イオン界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩類、アルキル又はアルケニルエーテル硫酸塩類、アルキル又はアルケニル硫酸塩類、オレフィンスルホン酸塩類、アルカンスルホン酸塩類、飽和又は不飽和脂肪酸塩類、アルキル又はアルケニルエーテルカルボン酸塩類、α−スルフォ脂肪酸塩類、α−スルフォ脂肪酸エステル類等を挙げることができ、これらは1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でもC10〜C18のアルキルベンゼンスルホン酸塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩類又は脂肪族アルコール硫酸エステル塩類が好ましい。
【0012】
(a)成分の製造に用いるホウ酸又はその塩類としては、メタホウ酸、オルトホウ酸又は二ホウ酸のナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩又はカルシウム塩等を挙げることができ、これらは1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0013】
界面活性剤を用いて(a)成分を製造する方法としては、過炭酸ナトリウムに界面活性剤をスプレーする方法、過炭酸ナトリウムと非イオン界面活性剤又は陰イオン界面活性剤を転動造粒機で混合し造粒する方法、過炭酸ナトリウムと非イオン界面活性剤又は陰イオン界面活性剤をミキサーで高速攪拌する方法等を適用することができる。この製造方法における界面活性剤の使用量は、他の成分との配合性を考慮し、過炭酸ナトリウムの安定性を高めるため、過炭酸ナトリウムに対して好ましくは0.01〜50重量%となる量であり、特に好ましくは0.05〜10重量%となる量であり、さらに好ましくは0.1〜3重量%である。
【0014】
過炭酸ナトリウムをホウ酸又はその塩類を用いて(a)成分を製造する方法としては、特開昭58−217599号の9頁以下の実施例及び特開昭59−196399号の5頁以下の実施例に記載の方法を適用することができる。この方法は、次のとおりである。過炭酸ソーダ100gを攪拌式混合機に入れ、250rpmで攪拌を行いながら、メタホウ酸ソーダ・四水塩(NaB02・4H2O)5gの25%水溶液(加熱溶融して調製)を噴霧して10分間攪拌したのち、熱風乾燥してメタホウ酸ソーダ・四水塩で被覆された過炭酸ソーダを得る。この製造方法におけるホウ酸又はその塩類の使用量は、他の成分との配合性を考慮し、過炭酸ナトリウムの安定性を高めるため、過炭酸ナトリウムに対して好ましくは0.01〜20重量%となる量であり、特に好ましくは0.1〜10重量%となる量であり、さらに好ましくは0.5〜10重量%となる量である。
【0015】
漂白洗浄剤組成物中における(a)成分の含有量は、他成分との配合を容易にし、充分な漂白洗浄力を付与するため、1〜99重量%であり、好ましくは1〜90重量%であり、特に好ましくは2〜90重量%である。
【0016】
本発明で用いる(b)成分のコバルト錯体化合物は、アンモニウムが主なリガンドで、それ以外はハロゲンをリガンドとするものである。(b)成分を示す一般式(I)において、nは好ましくは3〜6の数であり、Mは好ましくは塩素であり、Xは好ましくはハロゲンイオンである。一般式(I)で表される化合物としては、下記の各式
[Co(NH3)6]・Cl3
[Co(NH3)5Cl]・Cl2
[Co(NH3)4Cl2]・Cl
で表されるものが好ましい。
【0017】
漂白洗浄剤組成物中における(b)成分の含有量は、繊維の劣化を防止し、充分な漂白洗浄力を付与するため、0.001〜1重量%であり、好ましくは0.005〜0.5重量%であり、特に好ましくは0.01〜0.5重量%である。
【0018】
本発明の漂白洗浄剤組成物には、さらに下記一般式(III)又は(IV)で表される漂白活性化剤を配合することができる。
【0019】
【化2】
【0020】
[Mは、水素原子、アルカリ金属原子又はアルカリ土類金属原子を示し、R1及びR2は、炭素数7〜18のアルキル基もしくはアルケニル基又は炭素数1〜12のアルキル基で置換されていてもよいアリール基を示す。]
上記一般式(III)又は(IV)で表される漂白活性化剤の中でも、特にドデカノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム、デカノイルオキシ安息香酸、オクタノイルオキシ安息香酸、ノナノイルオキシ安息香酸、3,5,5 −トリメチルヘキサノイルオキシ安息香酸が好ましい。
【0021】
漂白洗浄剤組成物における漂白活性化剤の配合量は、沈澱が生じたり粘度が上昇すること等を防止し、充分な漂白洗浄力を付与するためには、好ましくは0.01〜20重量%であり、特に好ましくは0.1〜10重量%であり、さらに好ましくは0.5〜10重量%である。
【0022】
本発明の漂白洗浄剤組成物には、必要に応じてさらに下記の各成分を配合することができる。
【0023】
(1)金属イオン封鎖剤
上記アルミノ珪酸塩、結晶性珪酸塩及びカルボン酸系ポリマー以外の金属イオン封鎖剤として有機キレート剤を挙げることができ、例えば、ジグリコール酸、オキシジコハク酸、クエン酸等のポリカルボン酸塩又はその塩、ニトリロ三酢酸、エチレンジアミン四酢酸、イミノジ酢酸、ヒドリキシイミノジ酢酸、ヒドロキシイミノジコハク酸等のアミノポリカルボン酸又はその塩、エタン−1,1 −ジホスホン酸、エタン−1,2 −トリホスホン等のホスホン酸の塩等であり、特にpKCa値が4以上の有機キレート剤が好ましい。無機性の金属イオン封鎖剤としては、オルトリン酸塩、ピロリン酸塩、トリポリリン酸塩等のリン酸塩を挙げることができる。なお、塩の場合の対イオンとしてはナトリウム、カリウムが好適である。
【0024】
(2)リン化合物
リン化合物としては、従来より知られている金属イオンを補足する化合物が好ましい。特にトリポリリン酸塩、オルトリン酸塩、メタリン酸塩が好ましく、特にトリポリリン酸ナトリウムが好適である。
【0025】
(3)アルカリ剤
アルカリ剤としては、デンス灰や軽灰と総称されている炭酸ナトリウムのほか、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等のアルカリ金属炭酸塩、JIS 1号、2号、3号等の非晶質のアルカリ金属珪酸塩を挙げることができる。これらの無機性のアルカリ剤は、洗剤乾燥時における粒子の骨格形成成分として効果的であり、比較的硬く、流動性に優れた洗剤を得ることができる。
【0026】
(4)増量剤〔中性塩〕
増量剤〔中性塩〕として、一般的に芒硝と呼ばれている硫酸ナトリウムを配合することができる。硫酸ナトリウムは無機性のアルカリ剤と同様に乾燥後の洗剤粒子の骨格形成に効果的である。その他の好ましい中性塩としては、塩化ナトリウム、塩化カリウムを挙げることができる。
【0027】
(5)酵素
酵素(本来的に酵素作用を洗浄工程中になす酵素である)としては、酵素の反応性から分類すると、ハイドロラーゼ類、オキシドレダクターゼ類、リアーゼ類、トランスフェラーゼ類及びイソメラーゼ類を挙げることができるが、本発明にはいずれも適用できる。特に好ましいのはプロテアーゼ、エステラーゼ、リパーゼ、ヌクレアーゼ、セルラーゼ、アミラーゼ及びペクチナーゼである。プロテアーゼの具体例としては、ペプシン、トリプシン、キモトリプシン、コラーゲナーゼ、ケラチナーゼ、エラスターゼ、スプチリシン、BPN、パパイン、プロメリン、カルボキシペプチターゼA及びB、アミノペプチターゼ、アスパーギロペプチターゼA及びBであり、市販品として、サビナーゼ、アルカラーゼ(ノボインダストリー社)、API21(昭和電工(株))、マクサカル(ギストプロケイデス社)、特開平5−25492号公報記載のプロテアーゼK−14もしくはK−16等を挙げることができる。エステラーゼの具体例としては、ガストリックリパーゼ、バンクレアチックリパーゼ、植物リパーゼ類、ホスホリパーゼ類、コリンエステラーゼ類及びホスホターゼ類等を挙げることができる。リパーゼの具体例としては、リポラーゼ(ノボインダストリー社)、リポサム(昭和電工(株))等の市販のリパーゼ等を挙げることができる。また、セルラーゼとしては市販品のセルザイム(ノボインダストリー社)、特開昭63−264699号公報の請求項4記載のセルラーゼ等を挙げることができ、アミラーゼとしては市販のターマミル(ノボインダストリー社)等を挙げることができる。酵素は別途安定な粒子として造粒したものを、洗剤生地(粒子)にドライブレンドした状態で使用する。
【0028】
(6)蛍光染料
蛍光染料としては、4,4'−ビス−(2−スルホスチリル)−ビフェニル塩、4,4'−ビス−(4−クロロ−3−スルホスチリル)−ビフェニル塩、2−(スチリルフェニル)ナフトチアゾール誘導体、4,4'−ビス(トリアゾール−2−イル)スチルベン誘導体、ビス(トリアジニルアミノ)スチルベンジルスルホン酸誘導体、ホワイテックスSA(住友化学社製)、チノパールCBS(チバガイギー社製)等を挙げることができる。これらの蛍光染料は、1種又は2種以上を組成物中に0〜2重量%配合することができる。
【0029】
(7)香料
香料としては、従来洗剤に配合されている香料、例えば特開昭63−101496号公報記載の香料、ジメチルベンジルカルビニルアセテート、トリシクロ[5.2.1.02,6]−デセ−3−エン−8−イルアセテート、トリシクロ[5.2.1.02,6]−デセ−3−エン−8−イソプロピオネート、3−アミル−4−アセトキシテトラヒドロピラン、4−tert−ブチルシクロヘキシルアセテート、2−tert−ブチルシクロヘキシルアセテート、p−tert−ブチル−α−メチルヒドロシンナミックアルデヒド、4−(4−ヒドロキシ−4−メチルペンチル)−3−シクロヘキセン−1−カルボキシアルデヒド、α−ヘキシルシンナミックアルデヒド、α−アミルシンナミックアルデヒド、α,α’−ジメチル−p−エチルヒドロシンナミックアルデヒド等を挙げることができる。もちろんその他の洗剤成分による劣化のないように、配合する各香料成分の種類及び場合により配合比率や配合量を考慮する。
【0030】
(8)消泡剤
消泡剤としては、従来より知られている例えばシリコーン/シリカ系のものを挙げることができ、この消泡剤は、次に説明する特開平3−186307号公報4頁左下欄に記載の方法を用いて製造した消泡剤造粒物としてもよい。まず、日澱化学株式会社製マルトデキストリン(酵素変成デキストリン)100gに消泡成分としてダウコーニング社製シリコーン(コンパウンド型、PSアンチフォーム)を20g添加し混合し、均質混合物を得る。次に、得られた均質混合物50%、ポリエチレングリコール(PEG-6000,融点58℃)25%及び中性無水ボウ硝25%を70〜80℃で混合後、不二パウダル株式会社製押出し造粒機(型式EXKS-1)により造粒し、造粒物を得る。
【0031】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0032】
実施例1〜8及び実施例1〜12
下記のa−1〜a−3の被覆された過炭酸ナトリウム、b−1〜b−3のコバルト錯体化合物、c−1〜c−4の界面活性剤、d−1〜d−3の漂白活性化剤及び表1、2に示す成分を用い、実施例及び比較例の漂白洗浄組成物を得た。なお、(a)成分とは異なる成分で被覆された過炭酸ナトリウムa’−1、a’−2、(b)成分とは異なるコバルト錯体化合物b'−1を比較として用いた。各組成物を用いて、下記の方法により漂白性能及び安定性について試験した。結果を表1及び2に示す。
【0033】
a−1:過炭酸ナトリウム 100gをハイスピードミキサーに添加し攪拌しながらアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(C12)5gを徐々に添加し、混合して得られたもの。
a−2:アルキルベンゼンスルホン酸に代えてポリオキシエチレンラウリルエーテル(POE =9,HLB=6.2,mp=18,粘度=32mPa・s)を用いた以外はa−1と同等の方法で得られたもの。
a−3:特開昭59−196399号の実施例1に従ってメタホウ酸ソーダで被覆して得られたもの。
a’−1:特公昭53−15717号公報の実施例1に従って過ホウ酸ソーダで被覆して得られたもの。詳細には次のとおりである。過炭酸ソーダ1,000gを流動層中で流動を行いながら、常温にて、ジオクチルフタレート100gを噴霧吸着させ、ジオクチルフタレートが過炭酸ソーダを均一に濡らした時点で、100メッシュ通過の過ホウ酸ソーダ微粉末50gを投入し、再び流動しながら過ホウ酸ソーダ微粉末を過炭酸ソーダの表面に付着させた。
a’−2:特開昭56−155003号公報の実施例1に従ってナトリウムシリケートで被覆して得られたもの。詳細には次のとおりである。同一間隔に15mmの巾の連行リブを4個有し、15゜の傾斜を有する回転トロメル(直径250mm、高さ250mm)を30rpmの回転速度で回転させて、この中に145.5gのナトリウムパーカルボネートを予め加え、次いで以下の処理段階において、210mlの水ガラス溶液(ナトリウムシリケート)(65.9gの水ガラスを含有、粘度36゜Be')でスプレーし、無水Na2SO4316gと脱水ナトリウムパーボレート120gとからなる均一混合物でナトリウムパーカルボネートを被覆した。最終処理段階ののち、乾燥室で約55〜60℃の温度で1時間乾燥した。
b−1 : [Co(NH3)6]・Cl3
(実験化学講座第4版第17巻P94-95)
b−2 : [Co(NH3)5Cl]・Cl2
(同 P102)
b−3 : [Co(NH3)4Cl2]・Cl
(同 P107-108)
b'−1 : [Co(NH3)5OAc]・Cl2
(USP 5581005)
c−1 : アルキル(C12)ベンゼンスルホン酸ナトリウム
c−2 : ラウリル硫酸ナトリウム
c−3 : ポリオキシエチレンラウリルエーテル(PEO=10)
c−4 : 脂肪酸石鹸(C12,ナトリウム塩)
【0034】
【化3】
【0035】
(漂白性能)
まず、試験に使用する紅茶汚染布を次の方法で調製した。日東紅茶(黄色パッケージ)80gを3リットルのイオン交換水にて約15分間煮沸後、糊抜きしたさらし木綿でこした。次に、この液に木綿金布#2003を浸し、約15分間煮沸した。そのまま火から下ろし、約2時間放置したのち、洗液に色が付かなくなるまで水洗し、脱水・プレス後、10×10cmに裁断し、試験用の紅茶汚染布とした。漂白性能の試験は次の方法により行った。まず、水道水2リットルに表1及び2に示す各組成物10gを溶解させ、前記紅茶汚染布を5枚ずつ15分間浸漬した。次に、充分に水道水で濯いだのち、乾燥させて下記の式より漂白率を算出し、漂白性能を評価した。なお、反射率の測定には、日本電色工業株式会社製NDR−101DPの460nmフィルターを使用した。
【0036】
【数1】
【0037】
(安定性)
貯蔵前及び40℃で3ヶ月貯蔵後の液体漂白剤組成物を0.1N過マンガン酸カリ溶液により滴定し、有効酸素濃度を下記の式より算出し、過酸化水素の安定性を評価した。
【0038】
【数2】
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
【0041】
表1及び2から明らかなとおり、実施例1〜8の組成物は、いずれも優れた漂白洗浄作用を示すとともに、過炭酸ナトリウムの安定性も優れていた。これに対して、非イオン界面活性剤等で被覆されていない過炭酸ナトリウムと(b)成分のコバルト錯体化合物を併用した比較例1〜3及び7〜9の組成物、本発明とは異なる成分で過炭酸ナトリウムを被覆した比較例4、5及び10、11の組成物、(b)成分とは異なるコバルト錯体化合物を用いた比較例6及び12の組成物は、いずれも安定性が低かった。
【0042】
よって、この結果から、本発明の漂白洗浄剤組成物は、(a)成分と(b)成分の相乗作用により優れた漂白性能を有していると共に、両成分を併用することにより、(a)成分中の過炭酸ナトリウムの安定性が高められていることが認められた。これに対して比較例の各組成物は、製造当初の漂白力はやや不十分ながらもある程度の性能を有しているものの、安定性が低いため保存中に過炭酸ナトリウムが分解してしまうので、長期間経過後の漂白性能は大きく劣ることになる。
【0043】
【発明の効果】
本発明の漂白洗浄剤組成物は、優れた漂白洗浄力を有しており、その漂白洗浄力を長期間維持することができる。
Claims (5)
- (a)過炭酸ナトリウムが、非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤又はホウ酸もしくはその塩類で被覆されたもの及び
(b)一般式(I):[Co(NH3)nM6−n]・mX (I)
[式中、nは6の数を示し、mは電荷を中和するに必要な数を示し、Mはハロゲンを示し、Xは陰イオンを示す。]
で表されるコバルト錯体化合物を含有していることを特徴とする漂白洗浄剤組成物。 - 非イオン界面活性剤が、融点が40℃以下で、20℃における粘度が10〜100mPa・sで、デービス氏の方法により求めたHLBが4.5〜12である、次の一般式(II):
R−(OC2H4)n−OH (II)
[式中、Rは炭素数6〜18のアルキル基もしくはアルケニル基又は炭素数1〜12のアルキル基で置換されていてもよいアリール基を示し、nはデービス氏の方法で求めたHLBが4.5〜12になるように選ばれる数を示す。]
で表されるものである請求項1記載の漂白洗浄剤組成物。 - 陰イオン界面活性剤が、アルキルベンゼンスルホン酸塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩類又は脂肪族アルコール硫酸エステル塩類である請求項1記載の漂白洗浄剤組成物。
- さらに金属封鎖剤を含有する請求項1〜3項のいずれか1記載の漂白洗浄剤組成物。
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