JP3822065B2 - インバータ洗濯機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明はインバータ洗濯機に関し、特に、ブラシレスモータによって回転槽を回転させるインバータ洗濯機に関する。
【0002】
【従来の技術】
洗濯機の洗い工程では、モータの正転・逆転を繰返し、回転槽または回転槽低部に設けられた攪拌体を正転・逆転させることによって水流を発生させている。モータの回転方向を変える際には、ブレーキをかけて一旦停止させた後に逆方向にモータを起動させる。このブレーキをかけているときは、モータは発電効果によって回生エネルギを生成する。回生エネルギは電車などの場合では、集電装置に蓄えられた後に電源側に返すことで有効に利用される。しかしながら、インバータ洗濯機においては、回生エネルギはもっぱら熱エネルギに変換され、モータから放熱されていたため無駄になっていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
回生エネルギを有効に利用するためには、ブレーキをかけ始めてから次の回転起動までの間、電源側に設けたエネルギ貯蔵手段に回生エネルギを蓄えておかなければならない。ところが、回生エネルギをエネルギ貯蔵手段に蓄えている際にインバータ力電圧が上昇する。インバータ入力電圧の上昇が大き過ぎると、インバータを構成するパワー素子やエネルギ貯蔵手段が損傷または破損してしまう。また、インバータ入力電圧が小さ過ぎると、回生エネルギを逆回転の起動時に利用する際にトルク不足が生じる。
【0004】
また、インバータ入力電圧を一定値になるように制御した場合、交流の入力電圧や負荷の大小や回転数や立上げスピードにより、常に同じ電圧がモータに印加され、コントロールが困難となる。
【0005】
それゆえに、この発明の主たる目的は、回生エネルギを有効に利用して、省エネルギ化を図ることのできるようなインバータ洗濯機を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明は、洗濯用回転体を交互に正転・反転させて洗濯を行なうように動作するモータであるブラシレスモータと、モータのロータ回転位置を検出する位置検出手段と、パルス信号により制御されるスイッチング手段からなるインバータ手段を有し、位置検出手段より出力される位置信号に基づいてモータを駆動する制御手段とを備えたインバータ洗濯機において、制御手段は、エネルギを貯蔵するエネルギ貯蔵手段を含み、制御手段は、モータの回転方向を切換えるとき、モータに供給する正弦波状電圧の位相を回転時の正弦波状電圧の位相より遅らせてモータに電磁ブレーキをかけてモータを一時停止させ、電磁ブレーキをかけている際に発生する回生エネルギをエネルギ貯蔵手段に蓄え、エネルギ貯蔵手段の電圧をモータの再起動に必要なトルクに対応したインバータ手段の入力電圧となるように制御し、回生エネルギをモータに供給してモータを停止する前の回転方向と逆の回転方向に再起動させる。
【0007】
したがって、この発明によれば、回生エネルギを有効に利用することにより省エネルギ化を図ることができる。
【0008】
さらに、負荷を検出する負荷検出手段を含み、制御手段は、負荷検出手段によって検出された負荷容量に応じて、エネルギ貯蔵手段のインバータ入力電圧を可変させる。これにより、負荷容量に合わせて起動エネルギを蓄積することで常に安定した駆動が可能となる。
【0009】
さらに、モータの回転数を検出する回転数検出手段を含み、制御手段は、回転数検出手段の検出出力に応じてエネルギ貯蔵手段のインバータ入力電圧を制御する。このように、エネルギ貯蔵手段の電圧を制御することでコンデンサのばらつきなどによる回生エネルギのばらつきを抑えることができ、常に安定した駆動が可能となる。
【0010】
また、制御手段は、回転数検出手段の検出出力と予め設定されている目標回転数との差により、エネルギ貯蔵手段のインバータ入力電圧を可変する。このように、加速時間を検知し、起動エネルギを調整することで水流の調整が容易になるさらに、交流入力電圧を検出する交流入力電圧検出手段を含み、制御手段は、交流入力電圧検出手段の検出出力に応じて、エネルギ貯蔵手段のインバータ入力電圧を可変する。これにより、交流電圧のばらつきによるトルク変動を吸収でき、安定した回転数の制御が可能になる。
【0011】
また、エネルギ貯蔵手段は、商用電源から供給される交流電圧を整流し、平滑する複数の平滑手段を含み、複数の平滑手段は、負荷に応じて全波整流回路と倍電圧制御回路を切換える切換え回路を含む。このように、全波整流回路と倍電圧回路を切換えることで負荷などに応じて省エネルギ効果を見込むことができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1はこの発明の一実施形態のインバータ洗濯機の断面概略図である。図1において、洗濯機は1槽式の全自動洗濯機であり、本体1の内部に洗濯槽を兼ねた回転槽2と外槽3とが設けられている。外槽3は振動を吸収するためにサスペンション部4によって本体1に吊り持たされており、回転槽2は外槽3の内側に回転可能に設けられている。また、回転槽2の低部には攪拌体5が設けられており、本体1は洗濯物を出し入れするための蓋6を有する。外槽3の下部にはモータ7の回転を回転槽2または攪拌体5に切換える機構8が設けられている。回転槽2の上部には給水弁16が設けられ、下部には排水弁17が設けられている。
【0013】
本体1の上部には操作部9と表示部10とブザー11と蓋の開閉を検知する蓋センサ12と蓋の開閉を制御する蓋ロック機構18とが設けられており、外槽3の側方には外槽3内の水位を検出する水位センサ13が設けられている。操作部9の下部には主制御部14と副制御部15とが設けられている。
【0014】
図2は図1に示したインバータ洗濯機の電気的構成を示すブロック図である。図2において、主制御部14は洗濯機の動作全体を制御するものであり、マイクロコンピュータを含み、副制御部15はモータ7の回転駆動をするための駆動手段およびこの駆動手段を介してモータ7の回転および蓋6のロック制御を行なうマイクロコンピュータを含む。
【0015】
主制御部14には操作部9と表示部10とブザー11と蓋センサ12と水位センサ13と給水弁16と排水弁17と伝達機構8が接続されており、副制御部15には蓋ロック機構18とモータ7とが接続されている。
【0016】
次に、図1および図2を参照して、この発明の一実施形態の洗濯機の動作について説明する。主制御部14は洗い,濯ぎ,脱水などの各工程の動作の内容や、工程の実行順序すなわち処理コースを記したプログラムを記憶しており、このプログラムに従って給水弁16や排水弁17の開閉および伝達機構8におけるモータ7の回転の伝達先の切換を制御する。また、主制御部14はモータ7の回転を制御するために必要な信号S1を同期用クロック信号CLKとともに副制御部15に出力する。信号S1を受けた副制御部15はその信号S1を読取った後、クロック信号CLKに同期して信号S2を主制御部14に出力する。副制御部15は直流ブラシレスモータ7のロータの回転位置を示すロータ位置信号Hu,Hv,Hwに基づきモータ7に3相電流を供給し、モータ7を駆動する。
【0017】
図3は副制御部の構成を示す回路図である。副制御部15は主として整流回路31とインバータ回路35とインバータ入力電圧検出回路38とドライブ回路40とマイクロコンピュータ41とを含む。商用電源30から出力される交流電圧はリアクタ22を介してダイオードブリッジからなる整流回路31によって脈流に変換される。この脈流はエネルギ貯蔵手段としての平滑用コンデンサ32a,32bによって平滑されて直流電圧となり、この直流電圧がインバータ回路35に供給される。インバータ回路35は直流を3相交流に変換する。
【0018】
より具体的に説明すると、インバータ回路35はスイッチング手段としての6個のトランジスタ36a〜36c,37a〜37cが3相全波ブリッジ回路として構成されている。そして、6個のトランジスタで3相に対応した対のアームが形成され、スイッチング素子として6個のトランジスタ36a〜36c,37a〜37cにはそれぞれ並列にダイオード42a〜42c,43a〜43cが接続されている。
【0019】
平滑用コンデンサ32aの(+)側に接続されている3個のトランジスタ36a,36b,36cを上アームと称し、(−)側に接続されている3個のトランジスタ37a,37b,37cを下アームと称する。そして、上アームと下アームの接続点がブラシレスモータ7の電機子巻線の各相(U相,V相,W相)にそれぞれ接続されている。トランジスタ36a〜36c,37a〜37cのそれぞれのベースにはそれぞれドライブ回路40から駆動信号が与えられ、マイクロコンピュータ41の信号に基づいて、ドライブ回路40が各トランジスタ36a〜36c,37a〜37cを駆動する。
【0020】
モータ7はロータの回転位置を検出するホールセンサ55a,55b,55cを有しており、各ホールセンサ55a,55b,55cより出力されるロータ位置信号Hu,Hv,Hwはマイクロコンピュータ41に入力される。
【0021】
なお、この実施形態のインバータ洗濯機では、モータ7として3相20極直流ブラシレスモータが使用される。
【0022】
インバータ入力電圧検出回路38はインバータ回路35の電源入力間に直列接続された抵抗R1とR2の分圧電圧が入力され、この電圧に基づいてインバータ回路35の入力電圧を検出する。インバータ入力電圧検出回路38の検出信号はマイクロコンピュータ41に与えられる。整流回路31には蓋ロック機構18が接続されており、この蓋ロック機構18はマイクロコンピュータ41によって制御される。
【0023】
図4はモータ駆動波形を正弦波としたときの駆動パターンの一例を示す波形図である。図4に示す(d1),(d2)は、マイクロコンピュータ41が発生する上アームと下アームの駆動信号の一例を示しており、このような駆動信号を出力した場合、U相への出力電圧は図4(e)に示す波形となり、U相の巻線電流としては図4(f)に示すような正弦波状の電流となる。このとき、V相,W相は図4(b)に示すように、U相を基準とした場合、V相が電気角で240°,W相はU相に対して120°ずれた信号となり、このような信号によってモータ7が駆動される。
【0024】
次に、図3に示す副制御部15のマイクロコンピュータ41から駆動信号が発生されるが、マイクロコンピュータ41の機能として図4(c)に示す三角波を入力とする比較器によりタイマのデータ一致でPWM波形が発生される。U相,V相,W相は2π/3ラジアンずつ位相をずらした振幅波形であり、U相に着目して説明する。
【0025】
周波数fの信号波の時刻tにおける位相角θは、
θ=2πft(ラジアン)
となり、キャリア周期Tcごとの位相更新量ΔΘは、
ΔΘ=2πf・Tc(ラジアン)
であり、位相角θは2πラジアンを65536で分割する。このとき、キャリア周期Tcごとの位相更新量の変数α DATAは、
α DATA=2πf・Tc・(65536/2π)
となり、キャリア周波数がTc=63.5μsecで60Hzを出力するとき、
Figure 0003822065
となり、キャリア周波はタイマの分解能とPWMの分解能で決定される。
【0026】
次に、マイクロコンピュータ41の処理として新しい位相角をNEW DATAとして、
NEW DATA=NEW DATA+α DATA
で、NEW DATAは0〜2πの位相範囲のどの位置であるかを保持する。
【0027】
次に、位相角に対しての正弦波の値が求められる。予め正弦波データテーブルとして、2πラジアン分が512バイトのものを(1+2/3)×2πラジアン分の854個の基本データが記憶されており、その中に符号ビットも含まれている。2πラジアン分が512個のテーブルなので、NEW DATAの内容を128で割った数の番地の内容をテーブルデータより読込み正弦波の比較バッファに埋込むことで振幅値が決定される。
【0028】
また、テーブルデータの振幅値に対して、変調率βを掛けた値が実際のPWM波形データとして比較器の値となる。
【0029】
図5はこの発明の一実施形態の正転方向のホールセンサのパターンとモータの起動パターンおよび運転モード,回転槽を停止させる場合の運動モードを示す波形図であり、図6は逆転方向のホールセンサのパターンとモータの起動パターンおよび運転モードを示す波形図である。
【0030】
次に、図5の正転波形および図6の逆転波形を用いてモータの制御方法について説明する。まず、正転方向に回す例として図5を参照して説明する。ロータ位置をホールセンサ55a〜55cのデータにより、ロータ位置パターンの6種類のデータでどの位置なのかを確認する。図5ではロータ位置パターン50として0〜5で表わしているが、この場合の例として現在の位置がパターン1にあるとして説明すると、データポインタの初期値としてV相に着目し、V相に0°分に当たるデータポインタ(NEW DATA)0‘Hを埋込みテーブルデータよりデータを取込む。
【0031】
このとき、運転モードとしては、モードaとし、V相に対してW相を120°,U相は240°ずれたデータポインタよりデータを読込む。更新量(α DATA)は、実験値より初期値を求めている。また、起動時にモータの速度を検知するためのタイマを起動する。
【0032】
次に、ロータが回転したとして、ホールセンサ55a〜55cの反転タイミングであるHwの立上がりが図5(c)に示すタイミング53(c)で来るが、このときにデータポインタ(NEW DATA)はロータが遅れることを想定してデータポインタ(NEW DATA)は、2AAA‘Hから更新せず、同じデータで待機させている。Hwの立上がりタイミング53(c)は実際に来た時点でデータポインタが更新され、さらに速度検知タイマを一旦リセットする。
【0033】
次に、Huの立下がりが図5(a)に示すタイミング53(d)で来るが、このとき正弦波モードをモードbに切換えてU相に着目し、U相の基準でV相に240°,W相に120°遅れたデータポインタからデータを読込む。このように、順次ホールセンサ55a〜55cの反転タイミング53で正弦波のデータポインタ(NEW DATA)が更新される。
【0034】
また、モータ7の速度検知タイマの値により、更新量(α DATA)を随時速度変化に追従するように変更する。
【0035】
逆転方向も同様にして、ロータ位置パターンを6種類のデータで、どの位置なのかを確認する。図6では、ロータ位置パターン60として、6〜bで表わしているが、この場合の例として、現在の位置がロータ位置パターン6にあるとして説明する。
【0036】
データポインタの初期値としてU相に着目し、U相に0°分に当たるデータポインタ(NEW DATA)0‘Hを埋込みテーブルデータよりデータを取込む。このとき、運転モードとしては、モードdとし、U相に対してW相は120°,V相は240°ずれたデータポインタよりデータを読込む。更新量(α DATA)は、実験値より初期値を求めている。また、起動時にモータの速度を検知するためのタイマを起動する。
【0037】
次に、ロータが回転したとして、ホールセンサ55a〜55cの反転タイミングであるHwの立下がりタイミング63(b)が来るが、このときにデータポインタ(NEW DATA)はロータが遅れることを想定して、データポインタ(NEW DATA)は、2AAA‘Hから更新せず、同じデータで待機させている。Hwの立下がりが図6(c)に示すタイミング63(b)で実際に来た時点で、データポインタは更新し、さらに速度検知タイマを一旦リセットする。
【0038】
次に、Hwの立上がりが図6(b)に示すタイミング63(c)で来るが、このとき正弦波モードをモードeに切換えてV相に着目し、V相の基準でU相に120°,W相に240°遅れたデータポインタからデータを読込む。このように、順次ホールセンサ55a〜55cの反転タイミング63で正弦波のデータポインタ(NEW DATA)を補正する。
【0039】
また、モータ7の速度検知タイマの値により、更新量(α DATA)を随時速度変化に追従するように変更する。
【0040】
次に、回転体を用いた洗いに関しての制御動作について説明する。
洗い工程では、モータ7を1方向に回転させた後、電磁ブレーキをかけて一旦停止させた後に逆方向に回転させ、再度ブレーキをかけて一旦停止させる動作を正転・逆転で繰返すことで水流を作り出している。ここで、モータ7が正転から逆転に移行するときの制御動作を図7を参照しながら説明する。
【0041】
モータ7が回転している状態では、前述のごとく回転速度に応じて更新量を変更し、図5および図6に示すようなPWM制御を行なって回転を制御している。次に、モータ7を止める場合、マイクロコンピュータ41は図5(d)〜(f)に示した駆動波形データに対して、図7(d)〜(f)に示すように、180°位相の遅れたブレーキ波形データ77u,77v,77wを出力する。インバータ回路35は、このブレーキ波形データ77u,77v,77wに基づいて電圧を供給する。これによりモータ7に電磁ブレーキがかかり洗濯機が停止する。ブレーキ波形データ77u,77v,77wを駆動波形データと同様にして、ホールセンサ55a〜55cの反転タイミングで随時補正が行なわれる。
【0042】
図8は回転体の回生エネルギの使用方法の一例を示す図である。図8において、区間Z1で正転し、次の区間Z2で逆転し、次の区間Z3で再び正転するようなシーケンスを繰返すモードで、それぞれの後半部分は電磁ブレーキがかけられるため回生エネルギが発生する。この回生エネルギが図3に示した平滑コンデンサ32a,32bに蓄えられ、図8に示すPaのようにインバータ入力電圧が上昇する。このインバータ入力電圧が大き過ぎると、トランジスタおよびコンデンサの耐圧を超えてインバータ回路35が損傷・破損するおそれがあるので、インバータ入力電圧検出回路38により耐圧を超えないようにインバータ入力電圧を下げる必要がある。
【0043】
一方、平滑コンデンサ32a,32bに蓄えられた回生エネルギは次の区間でモータ7を起動させる際に利用される。このとき、インバータ入力電圧は図8に示すPbのように減少する。回生エネルギを蓄えたときのインバータ入力が小さい場合は、モータ7の回転起動時のトルクは低下し、起動性が悪くなり、インバータ入力電圧が大き過ぎると回転起動時のトルクが大きくなり過ぎ、メカなどの音などが発生したりする。
【0044】
そこで、制御部に負荷検出回路を設け、洗濯槽の重さを検出する。その重量に応じて布量が多いと起動性が悪くなるので、コンデンサやトランジスタの耐圧以内でインバータ入力電圧が上がるように、図7に示すように副制御部15がインバータ入力電圧が小さいと判断すると、ブレーキ波形データ77u,77v,77wが位相の進んだ波形77u′,77v′,77w′になるように、位置信号Hu,Hv,Hwの反転タイミングでデータポインタの値が変更され、位相進み幅を大きくしてインバータ入力電圧が規定の電圧になるように制御される。
【0045】
ここで、ブレーキ波形データ77u,77v,77wの位相が進むというのは、駆動波形データ56u,56v,56wに対して位相遅れが小さくなることである。また、軽負荷の場合は、起動が小さくで済むので、インバータ入力電圧を上げ過ぎると起動が強くなり過ぎ、回転数が高くなり過ぎたり、モータ軸への負担が大きくなり過ぎるため、ブレーキ波形データ77u,77v,77wが位相の遅れた77u",77v",77w"になるように、位置信号Hu,Hv,Hwの反転タイミングでデータポインタの値を変更し、位相遅れ幅を大きくする。これは駆動波形データ56u,56v,56wに対する遅れ量が多くなることを意味する。
【0046】
また、インバータ入力電圧を上げる手段として、ブレーキ波形データ77u,77v,77wを作るON時間のパルス幅を均等に小さくし、モータ7への印加電圧が小さくなるようにすれば、インバータ入力電圧が上がる。また、逆にインバータ入力電圧を下げる手段としては、ブレーキ波形データ77u,77v,77wを作るON時間のパルス幅を均等に大きくし、モータ7への印加電圧が大きくなるようにすれば、インバータ入力電圧が下がる。インバータ入力電圧を制御する方法は2種類あるが、いずれか一方もしくは両方を使用してもインバータ入力電圧をコントロールすることができる。
【0047】
次に、ホールセンサ55a〜55cの切換わり間隔を測定し、モータ7の加速度を検知するために、モータ7の立上げ時間を一定にするためにインバータ入力電圧がコントロールされる。たとえば、起動性が悪ければ回生エネルギを高く制御するために、インバータ入力電圧を上げ、起動が早すぎる場合はインバータ入力電圧を下げるように制御することで、立上げ加速時間が一定になるようにする。
【0048】
また、洗濯機の洗いモードにおいて、目標の回転数が設定されており、たとえば汚れの多いときは目標回転数を高く設定し、布傷みを少なく洗いたい場合には回転数を低く設定する。
【0049】
各モードに対して回生エネルギ量が一定になると、起動が弱過ぎたり強過ぎたりするため、各目標回転数に応じて回生エネルギとなるインバータ入力電圧を目標回転数に応じて可変させることで、洗いモードの最適化が可能となる。
【0050】
また、交流の入力電圧検出回路を設け、たとえば交流入力電圧が低ければインバータ入力電圧の回生エネルギが大きくなるようにインバータ入力電圧を大きくして起動性を上げ、AC入力電圧が高い場合は回生エネルギが小さくなるようにインバータ入力電圧を下げるように制御することで、交流の入力電圧がばらついても同等の起動性を確保ができる。
【0051】
さらに、他の実施形態として、図3に示すように副制御部15からコントロールできる全波整流回路と倍電圧を切換える回路44としてリレーなどで構成し、省エネ運転モードなどの電力を抑えた洗いを行なう場合、倍電圧回路から全波整流回路に切換えて回生エネルギをより多くして有効に利用できるようにする。たとえば、コンデンサの耐圧が350Vとすると、倍電圧回路ではインバータ入力電圧はAC100Vのときには282Vとなり、コンデンサ350Vの耐圧に対して68Vしかインバータ入力電圧を上昇させることができない。しかし、全波整流回路であればインバータ入力電圧は141Vであるため、209V電圧分だけインバータ入力電圧を上げることが可能となり、より多くの回生エネルギを有効に使用できるようになる。
【0052】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0053】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、電磁ブレーキをかけている際に発生する回生エネルギをエネルギ貯蔵手段に蓄え、モータを再度起動させるときに回生エネルギを利用してモータを駆動することができ、回生エネルギを有効に利用することにより省エネルギ化を図ることができる。
【0054】
また、エネルギ貯蔵手段の電圧を制御することでコンデンサのばらつきなどによる回生エネルギのばらつきを抑えることができ、常に安定した駆動が可能となる。
【0055】
さらに、負荷容量に合わせて起動エネルギを蓄積することで常に安定した駆動が可能となる。
【0056】
さらに、加速時間を検知し、起動エネルギを調整することで水流の調整が容易になる。また、回転に応じて起動エネルギを調整することで、一定時間で目標回転数にでき、回転数の制御が容易になる。
【0057】
さらに、交流電圧のばらつきによるトルク変動を吸収でき、安定した回転数制御が可能になる。さらに、全波整流回路と倍電圧回路を切換えることで負荷などに応じて省エネルギ効果を見込むことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の一実施形態の洗濯機全体の内部構成を示す図である。
【図2】 この発明の一実施形態の電気的構成を示すブロック図である。
【図3】 この発明の一実施形態に含まれる副制御回路のブロック図である。
【図4】 ホールセンサの位置信号に対する出力波形図である。
【図5】 この発明の一実施形態の正転方向のホールセンサのパターンとモータの起動パターンおよび運転モード,回転槽を停止させる場合の運転モードを示す波形図である。
【図6】 逆転方向のホールセンサのパターンとモータの起動パターンおよび運転モードを示す図である。
【図7】 正転方向時の回転槽を止める場合の進み角制御および遅れ角制御に関するホールセンサのパターンおよび運転モードを示す波形図である。
【図8】 回生エネルギを次の起動時に利用するときの回転数とインバータ入力電圧との関係を示す図である。
【符号の説明】
1 本体、2 回転槽、3 外槽、4 サスペンション部、5 攪拌体、6 蓋、7 モータ、9 操作部、10 表示部、11 ブザー、12 蓋センサ、13 水位センサ、14 主制御部、15 副制御部、16 給水弁、17 排水弁、18 蓋ロック機構、22 リアクタ、31 整流回路、32a,32b平滑用コンデンサ、35 インバータ回路、36a〜36c,37a〜37cトランジスタ、42a〜42c,43a〜43c ダイオード、40 ドライブ回路、41 マイクロコンピュータ、55a〜55c ホールセンサ。

Claims (5)

  1. 洗濯用回転体を交互に正転・反転させて洗濯を行なうように動作するモータであるブラシレスモータと、前記モータのロータ回転位置を検出する位置検出手段と、パルス信号により制御されるスイッチング手段からなるインバータ手段を有し、前記位置検出手段より出力される位置信号に基づいて前記モータを駆動する制御手段とを備えたインバータ洗濯機において、
    前記制御手段は、エネルギを貯蔵するエネルギ貯蔵手段と、前記エネルギ貯蔵手段の電圧を検出する電圧検出手段と、負荷を検出する負荷検出手段とを含み、
    前記制御手段は、前記モータの回転方向を切換えるとき、前記モータに供給する正弦波状電圧の位相を回転時の正弦波状電圧の位相より遅らせて前記モータに電磁ブレーキをかけて前記モータを一時停止させ、前記電磁ブレーキをかけている際に発生する回生エネルギを前記エネルギ貯蔵手段に蓄え、
    前記制御手段は、前記負荷検出手段が検出した負荷に応じて前記モータに供給する正弦波状電圧の位相遅れ幅を変化させて、前記電圧検出手段が検出した前記エネルギ貯蔵手段の電圧が予め定めた上限値を超えないように、前記エネルギ貯蔵手段の電圧を前記モータの再起動に必要なトルクに対応した前記インバータ手段の入力電圧となるように制御し、前記回生エネルギを前記モータに供給して前記モータを停止する前の回転方向と逆の回転方向に再起動させることを特徴とする、インバータ洗濯機。
  2. 洗濯用回転体を交互に正転・反転させて洗濯を行なうように動作するモータであるブラシレスモータと、前記モータのロータ回転位置を検出する位置検出手段と、パルス信号により制御されるスイッチング手段からなるインバータ手段を有し、前記位置検出手段より出力される位置信号に基づいて前記モータを駆動する制御手段とを備えたインバータ洗濯機において、
    前記制御手段は、エネルギを貯蔵するエネルギ貯蔵手段と、前記エネルギ貯蔵手段の電圧を検出する電圧検出手段と、負荷を検出する負荷検出手段とを含み、
    前記制御手段は、前記モータの回転方向を切換えるとき、前記モータに供給する正弦波状電圧の位相を回転時の正弦波状電圧の位相より遅らせて前記モータに電磁ブレーキをかけて前記モータを一時停止させ、前記電磁ブレーキをかけている際に発生する回生エネルギを前記エネルギ貯蔵手段に蓄え、
    前記制御手段は、前記負荷検出手段が検出した負荷に応じて前記モータに供給する正弦波状電圧の大きさを変化させて、前記電圧検出手段が検出した前記エネルギ貯蔵手段の電圧が予め定めた上限値を超えないように、前記エネルギ貯蔵手段の電圧を前記モータの再起動に必要なトルクに対応した前記インバータ手段の入力電圧となるように制御し、前記回生エネルギを前記モータに供給して前記モータを停止する前の回転方向と逆の回転方向に再起動させることを特徴とする、インバータ洗濯機。
  3. さらに、前記モータの回転数を検出する回転数検出手段を含み、
    前記制御手段は、前記回転数検出手段の検出出力に応じて前記エネルギ貯蔵手段のインバータ入力電圧を可変することを特徴とする、請求項1または2に記載のインバータ洗濯機。
  4. 前記制御手段は、前記回転数検出手段の検出出力と予め設定されている目標回転数との差により、前記エネルギ貯蔵手段のインバータ入力電圧を可変することを特徴とする、請求項3に記載のインバータ洗濯機。
  5. さらに、交流入力電圧を検出する交流入力電圧検出手段を含み、
    前記制御手段は、前記交流入力電圧検出手段の検出出力に応じて、前記エネルギ貯蔵手段のインバータ入力電圧を可変することを特徴とする、請求項1または2に記載のインバータ洗濯機。
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