JP3544354B2 - モータ速度検出装置及びモータ制御装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ブラシレスモータのロータの回転に伴って出力される位相差を有する複数相のパルス信号に基づいてロータ回転速度を演算するモータ速度検出装置およびブラシレスモータのロータが1回転する毎に出力されるインデックスパルス信号に基づいてモータに印加する電圧の位相を補正するモータ制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ブラシレスモータのロータの回転に伴って位相差を有する2相の信号を出力するエンコーダを利用してロータ回転速度を測定する従来のモータ速度検出装置では、以下の2つの方法のいずれかを用いてロータ回転速度を検出していた。第一の方法では、2相のパルス信号エッジのパルスエッジ間毎の周期Tを測定し、その周期T毎に周期Tを用いて演算を行い速度を検出していた。第二の方法では、演算処理を行うのに十分な時間である所定の周期T0を設定し、その周期T0毎に周期T0内のパルス信号のパルスエッジ回数を計数し、そのパルスエッジ回数を用いて演算を行い速度を検出していた。第二の方法としては例えば特開平11−166940号公報に開示された速度検出方法が挙げられる。
【0003】
また、ロータが1回転する毎に出力されるインデックスパルス信号に基づいてモータに印加する電圧の位相を補正する従来のモータ制御装置は、インデックスパルス信号に含まれるノイズを除去するためにフィルタなどを備えていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述した第一の方法を用いる従来のモータ速度検出装置では、ロータが高速回転すると、2相のパルス信号エッジのパルスエッジ間の周期Tが短くなるので、その周期T内に演算処理が終了しない不具合を生じる場合があった。また、上述した第二の方法を用いる従来のモータ速度検出装置では、低速回転時にロータ回転速度が変化したときは速度検出の精度が悪化してしまう不具合が生じていた。
【0005】
このような不具合を考慮して、モータを低速でのみ用いる電気機器には第一の方法を用いる従来のモータ速度検出装置を適用し、モータを高速でのみ用いる電気機器には第二の方法を用いる従来のモータ速度検出装置を適用すれば不具合は生じない。
【0006】
しかしながら、例えば洗い運転ではモータを低速回転させ脱水運転ではモータの回転を低速から高速に段階的に切り替える洗濯機のようにモータを低速、高速ともに用いる電気機器には、第一の方法を用いるモータ速度検出装置、第二の方法を用いるモータ速度検出装置のいずれを適用しても、低速、高速の両方で正確な速度を検出することができなかった。従って、従来のモータ速度検出装置で検出した速度に基づいてモータに印加する電圧を制御した場合、モータが目標速度で回転しないおそれ、すなわちモータが誤動作するおそれがあった。
【0007】
このため、第一の方法では高速時は演算をパルス信号のパルスエッジ毎でなく2パルスエッジ毎若しくは3パルスエッジ毎と間引いて行い、演算処理を行う時間を確保するなどの対応が採られていたが、このような間引きを行うために制御が複雑になっていた。
【0008】
また、上述したモータに印加する電圧の位相を補正する従来のモータ制御装置では、ノイズが大きい場合にはフィルタなどを用いてもノイズを十分に取り除くことができず、モータが誤動作したり、騒音が大きくなったするおそれがあった。
【0009】
本発明は、上記の問題点に鑑み、低速、高速のいずれにおいても正確な速度を検出するモータ速度装置およびノイズによるロータ位置の誤検出が起こらないモータ制御装置を提供することによってモータの誤動作を防止することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係るモータ速度検出装置においては、ブラシレスモータのロータの回転に伴って位相差を有する複数相のパルス信号を出力する信号出力手段と、前記位相差を有する複数相のパルス信号に基づき前記ロータの回転速度を演算する速度演算手段と、を備えるとともに、前記速度演算手段が、前回演算したロータの回転速度が所定の速度以下であれば、今回の演算において前記位相差を有する複数相のパルス信号のパルスエッジ間の周期を測定して、前記パルスエッジ毎の周期に基づき前記ロータの速度を演算し、前回演算したロータの回転速度が所定の速度以下でなければ、今回の演算において速度演算を行うのに十分な時間である所定の周期内での前記位相差を有する複数相のパルス信号のパルスエッジ回数を計数して、その計数したパルスエッジ回数から前記ロータの速度を演算する。
【0011】
尚、速度演算手段の演算処理能力に応じて最適の演算方法が選択されるように、前記速度演算手段が前記ロータの速度を演算するときの演算処理時間と、前記位相差を有する複数相のパルス信号のパルスエッジ間の周期とが等しくなるときの前記ロータの回転速度を、前記所定の速度とすることが望ましい。また、低コスト化の観点から、前記信号出力手段にはエンコーダを用いるとよい。
【0012】
また、上記目的を達成するために、本発明に係るモータ制御装置においては、ブラシレスモータと、該モータの速度を検出する上記構成のモータ速度検出装置と、前記モータに印加する電圧を制御する制御手段と、を備えるとともに、前記制御手段は前記モータ速度検出装置によって検出される速度と予め記憶している目標速度との差に基づいて前記モータに印加する電圧を制御する。
【0013】
尚、前記モータ制御装置装置を洗濯機に適用して、洗濯用回転体を駆動するブラシレスモータを前記モータ制御装置が制御するようにしてもよい。
【0014】
また、上記目的を達成するために、本発明に係るモータ制御装置においては、ブラシレスモータのロータが1回転する毎にインデックスパルス信号を出力するインデックスパルス信号出力手段と、前記インデックスパルス信号に基づいて前記モータに印加する電圧の位相を補正する補正手段と、前記インデックスパルス信号に含まれるノイズのレベルを検出するノイズレベル検出手段と、を備えるとともに、前記補正手段は前記ノイズのレベルが所定値以上の場合に前記インデックスパルス信号に基づく補正を行わないようにする。
【0015】
また、前記ノイズレベル検出手段が前記モータのステータ巻線を流れる電流に基づいて前記ノイズのレベルを判断するようにしてもよい。
【0016】
尚、前記モータ制御装置を洗濯機に適用して、前記モータ制御装置が洗濯用回転体を駆動するブラシレスモータを制御するようにしてもよい。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。本発明に係るモータ速度検出装置の回路構成を図1に示す。ロータリエンコーダ2は、モータ1が2θ[rad]回転する毎にパルスエッジが現れるパルス信号S1およびS2を発生させる。尚、図3に示すようにパルス信号S1とパルス信号S2との位相差はθ[rad]である。
【0018】
エッジ検出器3はパルス信号S1およびS2を入力する。エッジ検出器3は例えば図2に示すような構成にするとよい。入力端子31はNOR回路33の一方の入力端子とAND回路34の一方の入力端子に接続され、入力端子32はNOR回路33の他方の入力端子とAND回路34の他方の入力端子に接続される。NOR回路33からの出力信号とAND回路34からの出力信号はそれぞれNOR回路35に入力され、NOR回路35は出力端子36に信号を出力する。入力端子31にパルス信号S1を入力し、入力端子32にパルス信号S2を入力すると、出力端子36から図3に示すパルス信号S3が出力される。図3から明らかなように、パルス信号S1およびS2のいずれかの信号にパルスエッジが現れたときには、パルス信号S3にもパルスエッジが現れることになる。
【0019】
スイッチ手段4は、後述する信号S7に従って、エッジ検出器3から出力されるパルス信号S3をカウンタ5に入力するか、マイクロコンピュータ6(以下、マイコン6という)に入力するかを選択する。カウンタ5はマイコン6の出力するリセット信号S5が出力されるまでパルス信号S3のパルスエッジ回数を計数し、その計数した結果をマイコン6に出力する。尚、カウンタ5には処理速度の速い同期式カウンタを用いることが望ましい。
【0020】
マイコン6は、前回の演算結果が所定値以下の場合は、スイッチ手段4を介してエッジ検出器3から送られるパルス信号S3を用いてロータ回転速度を演算し、前回の演算結果が所定値以下でない場合は、カウンタ5から送られる信号S4を用いてロータ回転速度を演算する。なお、演算および信号S5作成の際には、タイマ7からの信号S6によって、時間測定を行っている。
【0021】
次に、マイコン6の動作について、図4に示すフローチャートを参照して詳細に説明する。まず、ステップ#10で前回演算したロータ回転速度ωn−1[rad/s]が予めメモリ61に記憶されているロータ回転速度ωref[rad/s]以下であるかを判定する。
【0022】
前回演算したロータの回転速度ωn−1[rad/s]が予めメモリ61に記憶されているロータの回転速度ωref[rad/s]以下であれば(ステップ#10のYes)、エッジ検出器3をマイコン6に接続する旨の信号S7をスイッチ手段4に出力する(ステップ#20)。その後、エッジ検出装置3から送られるパルス信号S3のパルスエッジ間の周期T[s](図3参照)を測定し(ステップ#30)、(1)式からロータ回転速度ωn[rad/s]を演算する(ステップ#40)。ただし、θ0はロータリエンコーダ2の最小分解能であり、本実施形態ではパルス信号S1とパルス信号S2との位相差がθなのでθ0はθ[rad]となる。
ωn=θ0/T…(1)
【0023】
一方、前回演算したロータ回転速度ωn−1[rad/s]が予めメモリ61に記憶されているロータ回転速度ωref[rad/s]以下でなければ(ステップ#10のNo)、エッジ検出器3をカウンタ5に接続する旨の信号S7をスイッチ手段4に送出する(ステップ#50)。その後、カウンタ5にリセット信号S5を送り、予めメモリ61に記憶している周期T0経過後再びカウンタ5にリセット信号S5を送る。カウンタ5はリセット信号S5に基づき周期T0内でのエッジ検出器3から送出されるパルス信号S3のパルスエッジ回数Nを計数し、その情報を信号S4としてマイコン6に出力する。これにより、マイコン6はパルス信号S3のパルスエッジ回数Nを測定することができる(ステップ#60)。このパルスエッジ回数Nを用いて、(2)式からロータの回転速度ωn[rad/s]を演算する(ステップ#70)。ただし、θ0はロータリエンコーダ2の最小分解能であり、本実施形態ではパルス信号S1とパルス信号S2との位相差がθなのでθ0はθ[rad]となる。
ωn=N×θ0/T0…(2)
【0024】
その後ステップ#40またはステップ#70のいずれかで演算したロータ回転速度ωn[rad/s]を前回演算したロータ回転速度ωn−1[rad/s]としてメモリ61に記憶して(ステップ#80)、ステップ#10に移行し次のロータ回転速度の測定を開始する。
【0025】
尚、初回の測定のときは、前回演算したロータ回転速度ωn−1[rad/s]が存在しないので、この場合は前回演算したロータ回転速度ωn−1[rad/s]を零としてステップ#10での判定が行われるようにすればよい。また、マイコン6がロータ回転速度ωn[rad/s]を演算するときの処理時間すなわち図4で示したフローチャート(ステップ#40や#70の測定を除く)の動作を実行するのに必要な時間と、パルス信号S3のパルスエッジ間の周期T(図3参照)とが等しくなるときのロータの回転速度をωref[rad/s]としてメモリ61に予め記憶しておくとよい。メモリ61に予め記憶しておくロータ回転速度ωref[rad/s]をこのように設定することで、ロータの回転が低速であって、ロータ回転速度ωn[rad/s]を演算するときの演算処理時間がパルス信号S3のパルスエッジ間の周期Tより短い場合は、(1)式に基づいて演算するので、パルス信号S3のパルス間の周期T毎に速度演算が可能となり速度変化への追随性がよくなる。一方、ロータの回転が高速であって、ロータ回転速度ωn[rad/s]を演算するときの演算処理時間がパルス信号S3のパルスエッジ間の周期Tより長い場合は、(2)式に基づいて演算するので、演算処理に必要な時間を確保することができる。ちなみに、ロータ回転速度ωnが同じであれば(2)式で用いる周期T0は、(1)式で用いる周期TのN倍となる。
【0026】
次に、このようなモータ速度検出装置を備えたモータ制御装置について図5を参照して説明する。尚、図5のモータ制御装置において図1のモータ速度検出装置と同一の部分については同一の符号を付し説明を省略する。
【0027】
商用電源10から出力される交流電圧はリアクトル11を介して4つのダイオードをブリッジ接続して成る整流回路12に供給され、整流回路12によって脈流状の直流に変換される。整流回路12の正極側出力端子が電解コンデンサ13aの正極性側に接続され、整流回路12の負極側出力端子が電解コンデンサ13bの負極性側に接続されている。また、電解コンデンサ13aの負極性側と電解コンデンサ13bの正極性側との接続点が、リアクトル11が接続されていない側の整流回路12の入力端子に接続されている。このような構成によって、整流回路12で整流された直流電圧は電解コンデンサ13a、13bで平滑かつ倍電圧される。この平滑かつ倍電圧された電圧が、インバータ回路15に供給される。
【0028】
本実施形態では、モータ1に3相直流ブラシレスモータを用いるので、インバータ回路15は6個のスイッチング手段を3相全波ブリッジ接続して成る構成とする。これにより、インバータ回路15はモータ1に3相交流を供給することができ、モータ1が回転可能となる。
【0029】
インバータ回路15に設けられる6個のスイッチング素子には、NPN型パワートランジスタ16a〜16c、17a〜17cが用いられる。電解コンデンサ13aの正極性側には3個のパワートランジスタ16a〜16cのコレクタが接続され、電解コンデンサ13bの負極性側には3個のパワートランジスタ17a〜17cのエミッタが接続される。そして、6個のパワートランジスタ16a〜16c、17a〜17cにはそれぞれ並列にダイオード18a〜18c、19a〜19cが接続されている。パワートランジスタ16aとパワートランジスタ17aとの接続点aがモータ1のU相ステータ巻線Luの一端に接続される。また、パワートランジスタ16bとパワートランジスタ17bとの接続点bがモータ1のV相ステータ巻線Lvの一端に接続される。また、パワートランジスタ16cとパワートランジスタ17cとの接続点cがモータ1のW相ステータ巻線Lwの一端に接続される。モータ1のステータ巻線Lu、Lv、Lwの他端同士は接続されている。
【0030】
モータ1にはロータリエンコーダ2が設けられている。マイコン6は上述したようにロータリエンコーダ2から出力されるパルス信号S1およびS2に基づいてロータ回転速度ωnを演算することができる。マイコン6は、演算したロータ回転速度ωnに基づいて駆動電圧波形信号を作成し、その駆動電圧波形信号を数〜数十kHzでPWMチョッピングすることで、駆動信号P1〜P6を作成する。すなわち、マイコン6は、演算したロータ回転速度ωnが目標速度より大きいときは、駆動電圧波形信号の周波数を小さくするのでPWMオンデューティは小さくなり、演算したロータ回転速度ωnが目標速度より小さいときは、駆動電圧波形信号の周波数を大きくするのでPWMオンデューティは大きくなる。
【0031】
ドライブ回路20は、マイコン6が出力する駆動信号P1〜P6を増幅してパワートランジスタ16a〜16c、17a〜17cのベースそれぞれに供給してパワートランジスタ16a〜16c、17a〜17cをON/OFF制御する。これにより、インバータ回路15はマイコン6が作成した正弦波状の駆動電圧波形信号の波形と実質的に同一なる電圧をモータ1に印加することができ、モータ制御装置はモータ1のロータを目標速度で回転させることができる。
【0032】
また、商用電源10の電圧変動によってインバータ回路15の入力電圧も変動する。従って、抵抗R1とR2を直列接続してなる電圧検出回路14でインバータ回路15の入力電圧を検出し、その検出値をマイコン6に入力する。マイコン6はインバータ回路15の入力電圧が設定値よりも高い場合はPWMオンデューティを下げ、インバータ回路15の入力電圧が設定値よりも低い場合はPWMオンデューティを上げるようにする。これにより、商用電源10の電圧が変動した場合でもモータ1に印加する電圧を一定に保つことができる。
【0033】
このようなモータ制御装置は、低速と高速のいずれの状態でも使用されるブラシレスモータを備えた電気機器、例えば洗濯機に適用することが望ましい。そこで、洗濯機の一態様について図6および図7を参照して説明する。
【0034】
図6は洗濯機の内部概略図を示している。洗濯機100は、一槽式の全自動洗濯機であり、本体の内部に洗濯槽を兼ねた回転槽102及び外槽103を備えている。外槽103はサスペンション部104によって本体に吊持されており、回転槽102は外槽103の内側に回転可能に設置されている。また、回転槽102の底部には攪拌体105が設けられている。本体は洗濯物を出し入れするための蓋106を有する。また、モータ1の回転を回転槽102及び/又は攪拌体105に伝達するクラッチ機構108が外槽103の下部に設けられている。
【0035】
本体の上部には、操作部109、表示部110、ブザー111、及び蓋106の開閉を検知する蓋センサ112、蓋106の開閉を制御するロック機構118が備えられており、外槽103の側方には外槽103内の水位を検出する水位センサ113が備えられている。また、操作部109の下部には、洗濯機100の動作全体を制御するための、マイクロコンピュータより成る主制御部114が設けられる。また、側板101aの内面上方には、図5に示したモータ制御装置115(ただし、図5中のモータ1、ロータリエンコーダ2、商用電源10は除く)が設けられている。また、外槽103内の水量を調整できるように、給水弁116および排水弁117が設けられている。
【0036】
次に、洗濯機1の回路概略図を示した図7を参照して、洗濯機100の動作について説明する。尚、図7において図6と同一の部分には同一の符号を付し説明を省略する。主制御部114は、洗い、すすぎ、脱水等の各運転の動作に関する内容や、運転の実行順序すなわち処理コースを記したプログラムをメモリ114a内に記憶している。また、主制御部114は操作部109から洗濯の予約等の信号、蓋センサ112から蓋106(図6参照)の開閉状態を表す信号、及び水位センサ113から外槽103(図6参照)内の水位を表す信号をそれぞれ入力する。
【0037】
主制御部114は、上述した入力信号とメモリ114aに記憶されているプログラムに基づき、吸水弁116や排水弁117の開閉、及びクラッチ機構108におけるモータ1の回転の伝達先の切り替えを制御する。
【0038】
また、主制御部114は、通信によりモータ制御装置115を介してモータ1の回転を制御する。すなわち、主制御部114はモータ1の回転を制御するために必要な制御信号S101を同期用クロックCLKとともに、モータ制御装置115に送信する。またモータ制御装置115は、制御信号S101を読み取ったのちに同期用クロックCLKに同期した信号S102を主制御部114に送信する。さらに、主制御部114は、動作の経過等を表示するための信号を表示部110に出力し、洗濯終了時でブザー111を鳴らす。
【0039】
上述したように洗濯機100は、メモリ114aに記憶されている洗い運転、脱水運転、停止運転を組み合わせた一連のプログラムを実行することで洗濯を行う。通常、洗い運転においてはモータは低速回転で駆動し、脱水運転においてはモータは低速から高速までの段階的に回転数を変化させながら駆動する。図5に示したモータ制御装置を用いることで、すべての運転において正確な速度が検出され、その検出値に基づいてモータに印加する電圧が制御される。これにより、モータの誤動作がなくなり、洗濯機の静音化や振動防止を図ることができる。
【0040】
次に、ロータの位置を検知してそのロータ位置に基づいてモータに印加する電圧の位相を制御するモータ制御装置について図8を参照して説明する。尚、図8において図5のモータ制御装置と同一部分には同一の符号を付し説明を省略する。モータ1にはロータリエンコーダ2’が設けられている。ロータリエンコーダ2’は、図9に示すようなロータ1回転毎にパルスが現れるパルス信号S8を発生させる。また、接続点aとステータ巻線Luの間には電流センサ8aが、接続点bとステータ巻線Lvの間には電流センサ8bが、接続点cとステータ巻線Lwの間には電流センサ8cが、それぞれ設けられている。電流センサ8a〜8cは、それぞれ電流値を検出し、その検出値をマイコン6に出力する。電流センサの態様としては、例えばカレントトランスが挙げられる。
【0041】
電流センサ8a〜8cから送られる電流値が所定値以下であれば、マイコン6は、ロータリエンコーダ2’から送られるパルス信号S8から求まるモータ1のロータ位置に基づいて、駆動波形信号の位相をずらすことによってモータ1に印加する電圧の位相を補正する。これにより、負荷変動などによりロータ位置が進みめになったり、遅れめになった場合でも、ロータ位置と転流タイミングを同期させることができる。
【0042】
マイコン6は電流センサ8a〜8cから送られる電流値が所定値以下でなければ、ロータリエンコーダ2’から送られるパルス信号S8のノイズレベルが大きいと判断する。このため、パルス信号S8に基づいてモータ1に印加する電圧の位相補正を行わず、メモリ61に記憶されている駆動波形信号に基づいてモータ1に印加する電圧を求める。これにより、パルス信号S8に含まれるノイズによって、ロータ位置が誤って検出されることがなくなる。
【0043】
次に、ロータの位置を検知してそのロータ位置に基づいてモータに印加する電圧の位相を制御するモータ制御装置の他の構成を図10に示す。尚、図10において図5のモータ制御装置と同一部分には同一の符号を付し説明を省略する。ロータリエンコーダ2’’は、図3に示したパルス信号S1およびS2と、図9に示したパルス信号S8とを発生させる。また、接続点aとステータ巻線Luの間には抵抗R3の一端が接続されており、抵抗R3の他端は抵抗R4を介して接地されている。さらに、抵抗R3と抵抗R4の接続ノードの電圧がマイコン6に入力される。これにより、マイコン6はモータ1のU相に印加する電圧Euの分圧を検出することができる。同様に、接続点bとステータ巻線Lvの間には抵抗R5の一端が接続されており、抵抗R5の他端は抵抗R6を介して接地されている。さらに、抵抗R5と抵抗R6の接続ノードの電圧がマイコン6に入力される。これにより、マイコン6はモータ1のV相に印加する電圧Evの分圧を検出することができる。また、接続点cとステータ巻線Lwの間には抵抗R7の一端が接続されており、抵抗R7の他端は抵抗R8を介して接地されている。さらに、抵抗R7と抵抗R8の接続ノードの電圧がマイコン6に入力される。これにより、マイコン6はモータ1のW相に印加する電圧Ewの分圧を検出することができる。
【0044】
また、マイコン6は図4に示したフローチャートの動作を行い、ロータ回転速度ωnを演算する。そして、電圧Eu、Ev、Ewの分圧とロータ回転速度ωnを用いてステータ巻線Lu、Lv、Lwに流れる電流を算出する。
【0045】
マイコン6は算出した電流が所定値以下であれば、ロータリエンコーダ2’’から送られるパルス信号S8から求まるモータ1のロータ位置に基づいて、モータ1に印加する電圧の位相を補正する。これにより、これにより、負荷変動などによりロータ位置が進みめになったり、遅れめになった場合でも、ロータ位置と転流タイミングを同期させることができる。
【0046】
一方、マイコン6は算出した電流が所定値以下でなければ、ロータリエンコーダ2’’から送られるパルス信号S8のノイズレベルが大きいと判断する。このため、パルス信号S8に基づいてモータ1に印加する電圧の位相補正を行わず、メモリ61に記憶されている電圧波形データに基づいてモータ1に印加する電圧を求める。これにより、パルス信号S8に含まれるノイズによって、ロータ位置が誤って検出されることがなくなる。
【0047】
上述したロータの位置を検知してそのロータ位置に基づいてモータに印加する電圧の位相を制御するモータ制御装置は、インデックスパルス信号に含まれるノイズのレベルが大きくなることのある電気機器、例えば洗濯機に適用することが望ましい。洗濯機の構成については図6に示すようなものである。ただし、図6中のモータ制御装置115は図5に示したモータ制御装置ではなく、図8や図10に示したようなロータの位置を検知してそのロータ位置に基づいてモータに印加する電圧の位相を制御するモータ制御装置である。
【0048】
洗い運転、脱水運転、停止運転を組み合わせた一連のプログラムにおいて、例えば低速回転立ち上がりの際には負荷トルクが大きくなるので、モータのステータ巻線に流れる電流が大きくなり、モータに印加する電圧の位相補正は行われない。一方、安定回転領域や、モータのステータ巻線に流れる電流がOFFである惰性運転からモータのステータ巻線に流れる電流をONにする運転に切り替える時には、モータのステータ巻線に流れる電流が大きくないのでモータに印加する電圧の位相補正が行われる。このような制御を行うことによって、モータの誤動作がなくなり、洗濯機の静音化や振動防止を図ることができる。
【0049】
尚、上述した実施形態ではDCブラシレスモータを用いたが、本発明はこれに限定されることはなく、インダクションモータ等他のブラシレスモータを用いてもよい。また、上述した実施形態では、ロータリエンコーダがロータの回転に伴ってパルス信号を発生させたが、パルス信号を発生させる手段はこれに限定されることはなく、例えば、モータ1にホールICを設けそのホールICがロータの回転に伴ってパルス信号を発生する構成としてもよい。また、洗濯機の構造は上述した実施形態に限定されることはなく、例えばベルト、プーリー、及びギアを用いて洗濯用回転体(回転槽や攪拌体)をドライブして制御する洗濯機や、パルセータレス構造の洗濯機や、ドラム式洗濯機にも本発明を適用することができる。
【0050】
【発明の効果】
本発明によると、前回演算したロータの回転速度が所定の速度以下であれば、今回の演算において位相差を有する複数相のパルス信号のエッジ毎にその周期を測定して、そのエッジ毎の周期に基づきロータの速度を演算し、演算したロータの回転速度が所定の速度以下でなければ、今回の演算において速度演算を行うことが可能である十分な時間である所定の周期毎に、その所定の周期内での位相差を有する複数相のパルス信号エッジを計数して、その計数したエッジ回数からロータの速度を演算するので、ロータの回転速度が低速、高速のいずれの場合であっても正確な速度検出を行うことができる。
【0051】
また、本発明によると、速度演算手段がロータの速度を演算するときの演算処理時間と、位相差を有する複数相のパルス信号のエッジ毎の周期と、が等しくなるときのロータの回転速度を、前回演算したロータの回転速度と比較する所定の速度とするので、速度演算手段の演算処理能力に応じて所定の速度を設定することができる。これにより、演算処理時間が確保できなくなるといった不具合は生じなくなり、正確な速度検出を行うことができる。
【0052】
また、本発明によると、信号出力手段がエンコーダであるので、信号出力手段を他の構成にする場合に比べて低コスト化を図ることができる。
【0053】
また、本発明によると、制御手段が、ロータの回転速度が低速、高速のいずれの場合であっても正確な速度検出を行うことができるモータ速度検出装置によって検出される速度と、予め記憶している目標速度との差に基づいてモータに印加する電圧を制御するので、目標速度通りにモータを駆動することができる。これにより、速度の誤検出に起因するモータの誤動作がなくなる。
【0054】
また、本発明によると、ロータの回転速度が低速、高速のいずれの場合であっても正確な速度検出を行うことができるモータ速度検出装置を備えたモータ制御装置が洗濯機に設けられる洗濯用回転体を駆動するブラシレスモータを制御するので、速度の誤検出に起因する洗濯用回転体を駆動するモータの誤動作がなくなる。これにより、洗濯機の静音化や振動防止を図ることができる。
【0055】
また、本発明によると、インデックスパルス信号に含まれるノイズのレベルを検出するノイズ検出手段を備えるとともに、ノイズのレベルが所定値以上の場合に補正手段がインデックスパルス信号に基づく補正を行わないので、インデックスパルス信号に含まれるノイズによってロータ位置が誤って検出されることがなくなる。さらに、複雑な構成のフィルタを用いなくてよいので、低コスト化を図ることもできる。
【0056】
また、本発明によると、ノイズ検出手段が前記ステータ巻線を流れる電流に基づいてノイズのレベルを判断するので、簡単な構成でノイズ検出を行うことができる。これにより、ノイズ検出手段にかかるコストを最小限に抑えることができる。
【0057】
また、本発明によると、ノイズのレベルが所定値以上の場合に補正を行わないモータ制御装置が洗濯用回転体を駆動するブラシレスモータを制御するので、突発的なノイズに起因するロータ位置の誤検出による洗濯用回転体を駆動するモータの誤動作がなくなる。これにより、洗濯機の静音化や振動防止を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るモータ速度検出装置の回路構成を示す図である。
【図2】図1のモータ速度検出装置が備えるエッジ検出器の回路構成を示す図である。
【図3】図2のエッジ検出器の入出力信号を示す図である。
【図4】図1のモータ速度検出装置が備えるマイコンの動作手順を示すフローチャート図である。
【図5】本発明に係るモータ速度検出装置を備えたモータ制御装置の回路図である。
【図6】図5のモータ制御装置を備えた洗濯機の内部構造を示す図である。
【図7】図6の洗濯機の回路ブロック図である。
【図8】本発明に係るモータ制御装置の回路構成を示す図である。
【図9】インデックスパルス信号を示す図である。
【図10】本発明に係るモータ制御装置の他の回路構成を示す図である。
【符号の説明】
1 モータ
2、2’、2’’ ロータリエンコーダ
3 エッジ検出器
4 スイッチ手段
5 カウンタ
6 マイクロコンピュータ
7 タイマ
8a〜8c 電流センサ
61 メモリ
100 洗濯機
102 回転槽
105 攪拌体
115 モータ制御装置
Lu、Lv、Lw ステータ巻線
R1〜R8 抵抗
【発明の属する技術分野】
本発明は、ブラシレスモータのロータの回転に伴って出力される位相差を有する複数相のパルス信号に基づいてロータ回転速度を演算するモータ速度検出装置およびブラシレスモータのロータが1回転する毎に出力されるインデックスパルス信号に基づいてモータに印加する電圧の位相を補正するモータ制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ブラシレスモータのロータの回転に伴って位相差を有する2相の信号を出力するエンコーダを利用してロータ回転速度を測定する従来のモータ速度検出装置では、以下の2つの方法のいずれかを用いてロータ回転速度を検出していた。第一の方法では、2相のパルス信号エッジのパルスエッジ間毎の周期Tを測定し、その周期T毎に周期Tを用いて演算を行い速度を検出していた。第二の方法では、演算処理を行うのに十分な時間である所定の周期T0を設定し、その周期T0毎に周期T0内のパルス信号のパルスエッジ回数を計数し、そのパルスエッジ回数を用いて演算を行い速度を検出していた。第二の方法としては例えば特開平11−166940号公報に開示された速度検出方法が挙げられる。
【0003】
また、ロータが1回転する毎に出力されるインデックスパルス信号に基づいてモータに印加する電圧の位相を補正する従来のモータ制御装置は、インデックスパルス信号に含まれるノイズを除去するためにフィルタなどを備えていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述した第一の方法を用いる従来のモータ速度検出装置では、ロータが高速回転すると、2相のパルス信号エッジのパルスエッジ間の周期Tが短くなるので、その周期T内に演算処理が終了しない不具合を生じる場合があった。また、上述した第二の方法を用いる従来のモータ速度検出装置では、低速回転時にロータ回転速度が変化したときは速度検出の精度が悪化してしまう不具合が生じていた。
【0005】
このような不具合を考慮して、モータを低速でのみ用いる電気機器には第一の方法を用いる従来のモータ速度検出装置を適用し、モータを高速でのみ用いる電気機器には第二の方法を用いる従来のモータ速度検出装置を適用すれば不具合は生じない。
【0006】
しかしながら、例えば洗い運転ではモータを低速回転させ脱水運転ではモータの回転を低速から高速に段階的に切り替える洗濯機のようにモータを低速、高速ともに用いる電気機器には、第一の方法を用いるモータ速度検出装置、第二の方法を用いるモータ速度検出装置のいずれを適用しても、低速、高速の両方で正確な速度を検出することができなかった。従って、従来のモータ速度検出装置で検出した速度に基づいてモータに印加する電圧を制御した場合、モータが目標速度で回転しないおそれ、すなわちモータが誤動作するおそれがあった。
【0007】
このため、第一の方法では高速時は演算をパルス信号のパルスエッジ毎でなく2パルスエッジ毎若しくは3パルスエッジ毎と間引いて行い、演算処理を行う時間を確保するなどの対応が採られていたが、このような間引きを行うために制御が複雑になっていた。
【0008】
また、上述したモータに印加する電圧の位相を補正する従来のモータ制御装置では、ノイズが大きい場合にはフィルタなどを用いてもノイズを十分に取り除くことができず、モータが誤動作したり、騒音が大きくなったするおそれがあった。
【0009】
本発明は、上記の問題点に鑑み、低速、高速のいずれにおいても正確な速度を検出するモータ速度装置およびノイズによるロータ位置の誤検出が起こらないモータ制御装置を提供することによってモータの誤動作を防止することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係るモータ速度検出装置においては、ブラシレスモータのロータの回転に伴って位相差を有する複数相のパルス信号を出力する信号出力手段と、前記位相差を有する複数相のパルス信号に基づき前記ロータの回転速度を演算する速度演算手段と、を備えるとともに、前記速度演算手段が、前回演算したロータの回転速度が所定の速度以下であれば、今回の演算において前記位相差を有する複数相のパルス信号のパルスエッジ間の周期を測定して、前記パルスエッジ毎の周期に基づき前記ロータの速度を演算し、前回演算したロータの回転速度が所定の速度以下でなければ、今回の演算において速度演算を行うのに十分な時間である所定の周期内での前記位相差を有する複数相のパルス信号のパルスエッジ回数を計数して、その計数したパルスエッジ回数から前記ロータの速度を演算する。
【0011】
尚、速度演算手段の演算処理能力に応じて最適の演算方法が選択されるように、前記速度演算手段が前記ロータの速度を演算するときの演算処理時間と、前記位相差を有する複数相のパルス信号のパルスエッジ間の周期とが等しくなるときの前記ロータの回転速度を、前記所定の速度とすることが望ましい。また、低コスト化の観点から、前記信号出力手段にはエンコーダを用いるとよい。
【0012】
また、上記目的を達成するために、本発明に係るモータ制御装置においては、ブラシレスモータと、該モータの速度を検出する上記構成のモータ速度検出装置と、前記モータに印加する電圧を制御する制御手段と、を備えるとともに、前記制御手段は前記モータ速度検出装置によって検出される速度と予め記憶している目標速度との差に基づいて前記モータに印加する電圧を制御する。
【0013】
尚、前記モータ制御装置装置を洗濯機に適用して、洗濯用回転体を駆動するブラシレスモータを前記モータ制御装置が制御するようにしてもよい。
【0014】
また、上記目的を達成するために、本発明に係るモータ制御装置においては、ブラシレスモータのロータが1回転する毎にインデックスパルス信号を出力するインデックスパルス信号出力手段と、前記インデックスパルス信号に基づいて前記モータに印加する電圧の位相を補正する補正手段と、前記インデックスパルス信号に含まれるノイズのレベルを検出するノイズレベル検出手段と、を備えるとともに、前記補正手段は前記ノイズのレベルが所定値以上の場合に前記インデックスパルス信号に基づく補正を行わないようにする。
【0015】
また、前記ノイズレベル検出手段が前記モータのステータ巻線を流れる電流に基づいて前記ノイズのレベルを判断するようにしてもよい。
【0016】
尚、前記モータ制御装置を洗濯機に適用して、前記モータ制御装置が洗濯用回転体を駆動するブラシレスモータを制御するようにしてもよい。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。本発明に係るモータ速度検出装置の回路構成を図1に示す。ロータリエンコーダ2は、モータ1が2θ[rad]回転する毎にパルスエッジが現れるパルス信号S1およびS2を発生させる。尚、図3に示すようにパルス信号S1とパルス信号S2との位相差はθ[rad]である。
【0018】
エッジ検出器3はパルス信号S1およびS2を入力する。エッジ検出器3は例えば図2に示すような構成にするとよい。入力端子31はNOR回路33の一方の入力端子とAND回路34の一方の入力端子に接続され、入力端子32はNOR回路33の他方の入力端子とAND回路34の他方の入力端子に接続される。NOR回路33からの出力信号とAND回路34からの出力信号はそれぞれNOR回路35に入力され、NOR回路35は出力端子36に信号を出力する。入力端子31にパルス信号S1を入力し、入力端子32にパルス信号S2を入力すると、出力端子36から図3に示すパルス信号S3が出力される。図3から明らかなように、パルス信号S1およびS2のいずれかの信号にパルスエッジが現れたときには、パルス信号S3にもパルスエッジが現れることになる。
【0019】
スイッチ手段4は、後述する信号S7に従って、エッジ検出器3から出力されるパルス信号S3をカウンタ5に入力するか、マイクロコンピュータ6(以下、マイコン6という)に入力するかを選択する。カウンタ5はマイコン6の出力するリセット信号S5が出力されるまでパルス信号S3のパルスエッジ回数を計数し、その計数した結果をマイコン6に出力する。尚、カウンタ5には処理速度の速い同期式カウンタを用いることが望ましい。
【0020】
マイコン6は、前回の演算結果が所定値以下の場合は、スイッチ手段4を介してエッジ検出器3から送られるパルス信号S3を用いてロータ回転速度を演算し、前回の演算結果が所定値以下でない場合は、カウンタ5から送られる信号S4を用いてロータ回転速度を演算する。なお、演算および信号S5作成の際には、タイマ7からの信号S6によって、時間測定を行っている。
【0021】
次に、マイコン6の動作について、図4に示すフローチャートを参照して詳細に説明する。まず、ステップ#10で前回演算したロータ回転速度ωn−1[rad/s]が予めメモリ61に記憶されているロータ回転速度ωref[rad/s]以下であるかを判定する。
【0022】
前回演算したロータの回転速度ωn−1[rad/s]が予めメモリ61に記憶されているロータの回転速度ωref[rad/s]以下であれば(ステップ#10のYes)、エッジ検出器3をマイコン6に接続する旨の信号S7をスイッチ手段4に出力する(ステップ#20)。その後、エッジ検出装置3から送られるパルス信号S3のパルスエッジ間の周期T[s](図3参照)を測定し(ステップ#30)、(1)式からロータ回転速度ωn[rad/s]を演算する(ステップ#40)。ただし、θ0はロータリエンコーダ2の最小分解能であり、本実施形態ではパルス信号S1とパルス信号S2との位相差がθなのでθ0はθ[rad]となる。
ωn=θ0/T…(1)
【0023】
一方、前回演算したロータ回転速度ωn−1[rad/s]が予めメモリ61に記憶されているロータ回転速度ωref[rad/s]以下でなければ(ステップ#10のNo)、エッジ検出器3をカウンタ5に接続する旨の信号S7をスイッチ手段4に送出する(ステップ#50)。その後、カウンタ5にリセット信号S5を送り、予めメモリ61に記憶している周期T0経過後再びカウンタ5にリセット信号S5を送る。カウンタ5はリセット信号S5に基づき周期T0内でのエッジ検出器3から送出されるパルス信号S3のパルスエッジ回数Nを計数し、その情報を信号S4としてマイコン6に出力する。これにより、マイコン6はパルス信号S3のパルスエッジ回数Nを測定することができる(ステップ#60)。このパルスエッジ回数Nを用いて、(2)式からロータの回転速度ωn[rad/s]を演算する(ステップ#70)。ただし、θ0はロータリエンコーダ2の最小分解能であり、本実施形態ではパルス信号S1とパルス信号S2との位相差がθなのでθ0はθ[rad]となる。
ωn=N×θ0/T0…(2)
【0024】
その後ステップ#40またはステップ#70のいずれかで演算したロータ回転速度ωn[rad/s]を前回演算したロータ回転速度ωn−1[rad/s]としてメモリ61に記憶して(ステップ#80)、ステップ#10に移行し次のロータ回転速度の測定を開始する。
【0025】
尚、初回の測定のときは、前回演算したロータ回転速度ωn−1[rad/s]が存在しないので、この場合は前回演算したロータ回転速度ωn−1[rad/s]を零としてステップ#10での判定が行われるようにすればよい。また、マイコン6がロータ回転速度ωn[rad/s]を演算するときの処理時間すなわち図4で示したフローチャート(ステップ#40や#70の測定を除く)の動作を実行するのに必要な時間と、パルス信号S3のパルスエッジ間の周期T(図3参照)とが等しくなるときのロータの回転速度をωref[rad/s]としてメモリ61に予め記憶しておくとよい。メモリ61に予め記憶しておくロータ回転速度ωref[rad/s]をこのように設定することで、ロータの回転が低速であって、ロータ回転速度ωn[rad/s]を演算するときの演算処理時間がパルス信号S3のパルスエッジ間の周期Tより短い場合は、(1)式に基づいて演算するので、パルス信号S3のパルス間の周期T毎に速度演算が可能となり速度変化への追随性がよくなる。一方、ロータの回転が高速であって、ロータ回転速度ωn[rad/s]を演算するときの演算処理時間がパルス信号S3のパルスエッジ間の周期Tより長い場合は、(2)式に基づいて演算するので、演算処理に必要な時間を確保することができる。ちなみに、ロータ回転速度ωnが同じであれば(2)式で用いる周期T0は、(1)式で用いる周期TのN倍となる。
【0026】
次に、このようなモータ速度検出装置を備えたモータ制御装置について図5を参照して説明する。尚、図5のモータ制御装置において図1のモータ速度検出装置と同一の部分については同一の符号を付し説明を省略する。
【0027】
商用電源10から出力される交流電圧はリアクトル11を介して4つのダイオードをブリッジ接続して成る整流回路12に供給され、整流回路12によって脈流状の直流に変換される。整流回路12の正極側出力端子が電解コンデンサ13aの正極性側に接続され、整流回路12の負極側出力端子が電解コンデンサ13bの負極性側に接続されている。また、電解コンデンサ13aの負極性側と電解コンデンサ13bの正極性側との接続点が、リアクトル11が接続されていない側の整流回路12の入力端子に接続されている。このような構成によって、整流回路12で整流された直流電圧は電解コンデンサ13a、13bで平滑かつ倍電圧される。この平滑かつ倍電圧された電圧が、インバータ回路15に供給される。
【0028】
本実施形態では、モータ1に3相直流ブラシレスモータを用いるので、インバータ回路15は6個のスイッチング手段を3相全波ブリッジ接続して成る構成とする。これにより、インバータ回路15はモータ1に3相交流を供給することができ、モータ1が回転可能となる。
【0029】
インバータ回路15に設けられる6個のスイッチング素子には、NPN型パワートランジスタ16a〜16c、17a〜17cが用いられる。電解コンデンサ13aの正極性側には3個のパワートランジスタ16a〜16cのコレクタが接続され、電解コンデンサ13bの負極性側には3個のパワートランジスタ17a〜17cのエミッタが接続される。そして、6個のパワートランジスタ16a〜16c、17a〜17cにはそれぞれ並列にダイオード18a〜18c、19a〜19cが接続されている。パワートランジスタ16aとパワートランジスタ17aとの接続点aがモータ1のU相ステータ巻線Luの一端に接続される。また、パワートランジスタ16bとパワートランジスタ17bとの接続点bがモータ1のV相ステータ巻線Lvの一端に接続される。また、パワートランジスタ16cとパワートランジスタ17cとの接続点cがモータ1のW相ステータ巻線Lwの一端に接続される。モータ1のステータ巻線Lu、Lv、Lwの他端同士は接続されている。
【0030】
モータ1にはロータリエンコーダ2が設けられている。マイコン6は上述したようにロータリエンコーダ2から出力されるパルス信号S1およびS2に基づいてロータ回転速度ωnを演算することができる。マイコン6は、演算したロータ回転速度ωnに基づいて駆動電圧波形信号を作成し、その駆動電圧波形信号を数〜数十kHzでPWMチョッピングすることで、駆動信号P1〜P6を作成する。すなわち、マイコン6は、演算したロータ回転速度ωnが目標速度より大きいときは、駆動電圧波形信号の周波数を小さくするのでPWMオンデューティは小さくなり、演算したロータ回転速度ωnが目標速度より小さいときは、駆動電圧波形信号の周波数を大きくするのでPWMオンデューティは大きくなる。
【0031】
ドライブ回路20は、マイコン6が出力する駆動信号P1〜P6を増幅してパワートランジスタ16a〜16c、17a〜17cのベースそれぞれに供給してパワートランジスタ16a〜16c、17a〜17cをON/OFF制御する。これにより、インバータ回路15はマイコン6が作成した正弦波状の駆動電圧波形信号の波形と実質的に同一なる電圧をモータ1に印加することができ、モータ制御装置はモータ1のロータを目標速度で回転させることができる。
【0032】
また、商用電源10の電圧変動によってインバータ回路15の入力電圧も変動する。従って、抵抗R1とR2を直列接続してなる電圧検出回路14でインバータ回路15の入力電圧を検出し、その検出値をマイコン6に入力する。マイコン6はインバータ回路15の入力電圧が設定値よりも高い場合はPWMオンデューティを下げ、インバータ回路15の入力電圧が設定値よりも低い場合はPWMオンデューティを上げるようにする。これにより、商用電源10の電圧が変動した場合でもモータ1に印加する電圧を一定に保つことができる。
【0033】
このようなモータ制御装置は、低速と高速のいずれの状態でも使用されるブラシレスモータを備えた電気機器、例えば洗濯機に適用することが望ましい。そこで、洗濯機の一態様について図6および図7を参照して説明する。
【0034】
図6は洗濯機の内部概略図を示している。洗濯機100は、一槽式の全自動洗濯機であり、本体の内部に洗濯槽を兼ねた回転槽102及び外槽103を備えている。外槽103はサスペンション部104によって本体に吊持されており、回転槽102は外槽103の内側に回転可能に設置されている。また、回転槽102の底部には攪拌体105が設けられている。本体は洗濯物を出し入れするための蓋106を有する。また、モータ1の回転を回転槽102及び/又は攪拌体105に伝達するクラッチ機構108が外槽103の下部に設けられている。
【0035】
本体の上部には、操作部109、表示部110、ブザー111、及び蓋106の開閉を検知する蓋センサ112、蓋106の開閉を制御するロック機構118が備えられており、外槽103の側方には外槽103内の水位を検出する水位センサ113が備えられている。また、操作部109の下部には、洗濯機100の動作全体を制御するための、マイクロコンピュータより成る主制御部114が設けられる。また、側板101aの内面上方には、図5に示したモータ制御装置115(ただし、図5中のモータ1、ロータリエンコーダ2、商用電源10は除く)が設けられている。また、外槽103内の水量を調整できるように、給水弁116および排水弁117が設けられている。
【0036】
次に、洗濯機1の回路概略図を示した図7を参照して、洗濯機100の動作について説明する。尚、図7において図6と同一の部分には同一の符号を付し説明を省略する。主制御部114は、洗い、すすぎ、脱水等の各運転の動作に関する内容や、運転の実行順序すなわち処理コースを記したプログラムをメモリ114a内に記憶している。また、主制御部114は操作部109から洗濯の予約等の信号、蓋センサ112から蓋106(図6参照)の開閉状態を表す信号、及び水位センサ113から外槽103(図6参照)内の水位を表す信号をそれぞれ入力する。
【0037】
主制御部114は、上述した入力信号とメモリ114aに記憶されているプログラムに基づき、吸水弁116や排水弁117の開閉、及びクラッチ機構108におけるモータ1の回転の伝達先の切り替えを制御する。
【0038】
また、主制御部114は、通信によりモータ制御装置115を介してモータ1の回転を制御する。すなわち、主制御部114はモータ1の回転を制御するために必要な制御信号S101を同期用クロックCLKとともに、モータ制御装置115に送信する。またモータ制御装置115は、制御信号S101を読み取ったのちに同期用クロックCLKに同期した信号S102を主制御部114に送信する。さらに、主制御部114は、動作の経過等を表示するための信号を表示部110に出力し、洗濯終了時でブザー111を鳴らす。
【0039】
上述したように洗濯機100は、メモリ114aに記憶されている洗い運転、脱水運転、停止運転を組み合わせた一連のプログラムを実行することで洗濯を行う。通常、洗い運転においてはモータは低速回転で駆動し、脱水運転においてはモータは低速から高速までの段階的に回転数を変化させながら駆動する。図5に示したモータ制御装置を用いることで、すべての運転において正確な速度が検出され、その検出値に基づいてモータに印加する電圧が制御される。これにより、モータの誤動作がなくなり、洗濯機の静音化や振動防止を図ることができる。
【0040】
次に、ロータの位置を検知してそのロータ位置に基づいてモータに印加する電圧の位相を制御するモータ制御装置について図8を参照して説明する。尚、図8において図5のモータ制御装置と同一部分には同一の符号を付し説明を省略する。モータ1にはロータリエンコーダ2’が設けられている。ロータリエンコーダ2’は、図9に示すようなロータ1回転毎にパルスが現れるパルス信号S8を発生させる。また、接続点aとステータ巻線Luの間には電流センサ8aが、接続点bとステータ巻線Lvの間には電流センサ8bが、接続点cとステータ巻線Lwの間には電流センサ8cが、それぞれ設けられている。電流センサ8a〜8cは、それぞれ電流値を検出し、その検出値をマイコン6に出力する。電流センサの態様としては、例えばカレントトランスが挙げられる。
【0041】
電流センサ8a〜8cから送られる電流値が所定値以下であれば、マイコン6は、ロータリエンコーダ2’から送られるパルス信号S8から求まるモータ1のロータ位置に基づいて、駆動波形信号の位相をずらすことによってモータ1に印加する電圧の位相を補正する。これにより、負荷変動などによりロータ位置が進みめになったり、遅れめになった場合でも、ロータ位置と転流タイミングを同期させることができる。
【0042】
マイコン6は電流センサ8a〜8cから送られる電流値が所定値以下でなければ、ロータリエンコーダ2’から送られるパルス信号S8のノイズレベルが大きいと判断する。このため、パルス信号S8に基づいてモータ1に印加する電圧の位相補正を行わず、メモリ61に記憶されている駆動波形信号に基づいてモータ1に印加する電圧を求める。これにより、パルス信号S8に含まれるノイズによって、ロータ位置が誤って検出されることがなくなる。
【0043】
次に、ロータの位置を検知してそのロータ位置に基づいてモータに印加する電圧の位相を制御するモータ制御装置の他の構成を図10に示す。尚、図10において図5のモータ制御装置と同一部分には同一の符号を付し説明を省略する。ロータリエンコーダ2’’は、図3に示したパルス信号S1およびS2と、図9に示したパルス信号S8とを発生させる。また、接続点aとステータ巻線Luの間には抵抗R3の一端が接続されており、抵抗R3の他端は抵抗R4を介して接地されている。さらに、抵抗R3と抵抗R4の接続ノードの電圧がマイコン6に入力される。これにより、マイコン6はモータ1のU相に印加する電圧Euの分圧を検出することができる。同様に、接続点bとステータ巻線Lvの間には抵抗R5の一端が接続されており、抵抗R5の他端は抵抗R6を介して接地されている。さらに、抵抗R5と抵抗R6の接続ノードの電圧がマイコン6に入力される。これにより、マイコン6はモータ1のV相に印加する電圧Evの分圧を検出することができる。また、接続点cとステータ巻線Lwの間には抵抗R7の一端が接続されており、抵抗R7の他端は抵抗R8を介して接地されている。さらに、抵抗R7と抵抗R8の接続ノードの電圧がマイコン6に入力される。これにより、マイコン6はモータ1のW相に印加する電圧Ewの分圧を検出することができる。
【0044】
また、マイコン6は図4に示したフローチャートの動作を行い、ロータ回転速度ωnを演算する。そして、電圧Eu、Ev、Ewの分圧とロータ回転速度ωnを用いてステータ巻線Lu、Lv、Lwに流れる電流を算出する。
【0045】
マイコン6は算出した電流が所定値以下であれば、ロータリエンコーダ2’’から送られるパルス信号S8から求まるモータ1のロータ位置に基づいて、モータ1に印加する電圧の位相を補正する。これにより、これにより、負荷変動などによりロータ位置が進みめになったり、遅れめになった場合でも、ロータ位置と転流タイミングを同期させることができる。
【0046】
一方、マイコン6は算出した電流が所定値以下でなければ、ロータリエンコーダ2’’から送られるパルス信号S8のノイズレベルが大きいと判断する。このため、パルス信号S8に基づいてモータ1に印加する電圧の位相補正を行わず、メモリ61に記憶されている電圧波形データに基づいてモータ1に印加する電圧を求める。これにより、パルス信号S8に含まれるノイズによって、ロータ位置が誤って検出されることがなくなる。
【0047】
上述したロータの位置を検知してそのロータ位置に基づいてモータに印加する電圧の位相を制御するモータ制御装置は、インデックスパルス信号に含まれるノイズのレベルが大きくなることのある電気機器、例えば洗濯機に適用することが望ましい。洗濯機の構成については図6に示すようなものである。ただし、図6中のモータ制御装置115は図5に示したモータ制御装置ではなく、図8や図10に示したようなロータの位置を検知してそのロータ位置に基づいてモータに印加する電圧の位相を制御するモータ制御装置である。
【0048】
洗い運転、脱水運転、停止運転を組み合わせた一連のプログラムにおいて、例えば低速回転立ち上がりの際には負荷トルクが大きくなるので、モータのステータ巻線に流れる電流が大きくなり、モータに印加する電圧の位相補正は行われない。一方、安定回転領域や、モータのステータ巻線に流れる電流がOFFである惰性運転からモータのステータ巻線に流れる電流をONにする運転に切り替える時には、モータのステータ巻線に流れる電流が大きくないのでモータに印加する電圧の位相補正が行われる。このような制御を行うことによって、モータの誤動作がなくなり、洗濯機の静音化や振動防止を図ることができる。
【0049】
尚、上述した実施形態ではDCブラシレスモータを用いたが、本発明はこれに限定されることはなく、インダクションモータ等他のブラシレスモータを用いてもよい。また、上述した実施形態では、ロータリエンコーダがロータの回転に伴ってパルス信号を発生させたが、パルス信号を発生させる手段はこれに限定されることはなく、例えば、モータ1にホールICを設けそのホールICがロータの回転に伴ってパルス信号を発生する構成としてもよい。また、洗濯機の構造は上述した実施形態に限定されることはなく、例えばベルト、プーリー、及びギアを用いて洗濯用回転体(回転槽や攪拌体)をドライブして制御する洗濯機や、パルセータレス構造の洗濯機や、ドラム式洗濯機にも本発明を適用することができる。
【0050】
【発明の効果】
本発明によると、前回演算したロータの回転速度が所定の速度以下であれば、今回の演算において位相差を有する複数相のパルス信号のエッジ毎にその周期を測定して、そのエッジ毎の周期に基づきロータの速度を演算し、演算したロータの回転速度が所定の速度以下でなければ、今回の演算において速度演算を行うことが可能である十分な時間である所定の周期毎に、その所定の周期内での位相差を有する複数相のパルス信号エッジを計数して、その計数したエッジ回数からロータの速度を演算するので、ロータの回転速度が低速、高速のいずれの場合であっても正確な速度検出を行うことができる。
【0051】
また、本発明によると、速度演算手段がロータの速度を演算するときの演算処理時間と、位相差を有する複数相のパルス信号のエッジ毎の周期と、が等しくなるときのロータの回転速度を、前回演算したロータの回転速度と比較する所定の速度とするので、速度演算手段の演算処理能力に応じて所定の速度を設定することができる。これにより、演算処理時間が確保できなくなるといった不具合は生じなくなり、正確な速度検出を行うことができる。
【0052】
また、本発明によると、信号出力手段がエンコーダであるので、信号出力手段を他の構成にする場合に比べて低コスト化を図ることができる。
【0053】
また、本発明によると、制御手段が、ロータの回転速度が低速、高速のいずれの場合であっても正確な速度検出を行うことができるモータ速度検出装置によって検出される速度と、予め記憶している目標速度との差に基づいてモータに印加する電圧を制御するので、目標速度通りにモータを駆動することができる。これにより、速度の誤検出に起因するモータの誤動作がなくなる。
【0054】
また、本発明によると、ロータの回転速度が低速、高速のいずれの場合であっても正確な速度検出を行うことができるモータ速度検出装置を備えたモータ制御装置が洗濯機に設けられる洗濯用回転体を駆動するブラシレスモータを制御するので、速度の誤検出に起因する洗濯用回転体を駆動するモータの誤動作がなくなる。これにより、洗濯機の静音化や振動防止を図ることができる。
【0055】
また、本発明によると、インデックスパルス信号に含まれるノイズのレベルを検出するノイズ検出手段を備えるとともに、ノイズのレベルが所定値以上の場合に補正手段がインデックスパルス信号に基づく補正を行わないので、インデックスパルス信号に含まれるノイズによってロータ位置が誤って検出されることがなくなる。さらに、複雑な構成のフィルタを用いなくてよいので、低コスト化を図ることもできる。
【0056】
また、本発明によると、ノイズ検出手段が前記ステータ巻線を流れる電流に基づいてノイズのレベルを判断するので、簡単な構成でノイズ検出を行うことができる。これにより、ノイズ検出手段にかかるコストを最小限に抑えることができる。
【0057】
また、本発明によると、ノイズのレベルが所定値以上の場合に補正を行わないモータ制御装置が洗濯用回転体を駆動するブラシレスモータを制御するので、突発的なノイズに起因するロータ位置の誤検出による洗濯用回転体を駆動するモータの誤動作がなくなる。これにより、洗濯機の静音化や振動防止を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るモータ速度検出装置の回路構成を示す図である。
【図2】図1のモータ速度検出装置が備えるエッジ検出器の回路構成を示す図である。
【図3】図2のエッジ検出器の入出力信号を示す図である。
【図4】図1のモータ速度検出装置が備えるマイコンの動作手順を示すフローチャート図である。
【図5】本発明に係るモータ速度検出装置を備えたモータ制御装置の回路図である。
【図6】図5のモータ制御装置を備えた洗濯機の内部構造を示す図である。
【図7】図6の洗濯機の回路ブロック図である。
【図8】本発明に係るモータ制御装置の回路構成を示す図である。
【図9】インデックスパルス信号を示す図である。
【図10】本発明に係るモータ制御装置の他の回路構成を示す図である。
【符号の説明】
1 モータ
2、2’、2’’ ロータリエンコーダ
3 エッジ検出器
4 スイッチ手段
5 カウンタ
6 マイクロコンピュータ
7 タイマ
8a〜8c 電流センサ
61 メモリ
100 洗濯機
102 回転槽
105 攪拌体
115 モータ制御装置
Lu、Lv、Lw ステータ巻線
R1〜R8 抵抗
Claims (6)
- ブラシレスモータのロータの回転に伴って位相差を有する複数相のパルス信号を出力する信号出力手段と、前記位相差を有する複数相のパルス信号に基づき前記ロータの回転速度を演算する速度演算手段と、を備えたモータ速度検出装置において、
前記速度演算手段は、
前回演算したロータの回転速度が所定の速度以下であれば、今回の演算において前記位相差を有する複数相のパルス信号のパルスエッジ間の周期を測定して、前記パルスエッジ間の周期に基づき前記ロータの速度を演算し、
前回演算したロータの回転速度が所定の速度以下でなければ、今回の演算において演算処理を行うのに十分な時間である所定の周期内での前記位相差を有する複数相のパルス信号のパルスエッジ回数を計数して、その計数したパルスエッジ回数から前記ロータの速度を演算し、
前記速度演算手段が前記ロータの速度を演算するときの演算処理時間と、前記位相差を有する複数相のパルス信号のパルスエッジ間の周期とが等しくなるときの前記ロータの回転速度を、前記所定の速度とすることを特徴とするモータ速度検出装置。 - 前記信号出力手段がエンコーダである請求項1に記載のモータ速度検出装置。
- ブラシレスモータと、該モータの速度を検出する請求項1又は請求項2に記載のモータ速度検出装置と、前記モータに印加する電圧を制御する制御手段と、を備えるとともに、前記制御手段は前記モータ速度検出装置によって検出される速度と予め記憶している目標速度との差に基づいて前記モータに印加する電圧を制御することを特徴とするモータ制御装置。
- 洗濯用回転体を駆動するブラシレスモータを請求項3に記載のモータ制御装置が制御することを特徴とする洗濯機。
- 前記モータのロータが1回転する毎にインデックスパルス信号を出力するインデックスパルス信号出力手段と、前記インデックスパルス信号に基づいて前記モータに印加する電圧の位相を補正する補正手段と、
前記インデックスパルス信号が誤って出る負荷状態か否かを、前記モータの巻線通電電流の多寡でもって判定する巻線電流値判定手段と、を備え、
前記補正手段は、巻線電流値がインデックスパルス信号が誤って出やすくなる閾値以上である場合には、補正動作を行わない請求項3に記載のモータ制御装置。 - 洗濯用回転体を駆動するブラシレスモータを請求項5に記載のモータ制御装置が制御することを特徴とする洗濯機。
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