JP3822016B2 - 可動式連結パネル - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転可能に連結した間仕切り等の可動式連結パネルに関する。
【0002】
【従来の技術】
パネル同士を回転可能に連結する構成は、両パネル端部に固定した雌雄軸同士を互いに軸支させ合うようにするか、蝶番を両プレートの片面に渡すか、或いはまた、プレート両端に軸受け孔を穿孔した一枚板状のダブルヒンジを、両パネル間に枢支させて介在させるようにした構成等が採用されており、これをヒンジの回転軸で見た場合は、パネル厚みの中心に回転軸を位置させた構成か、パネル厚みの外面に沿い、或いは外側に位置させた構成に分けられる。パネルは、端面が前後面に対して直交した平坦面とした形態のものが一般に採用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来のいずれの構成においても、連結するパネル間には適当な隙間をおいており、回転軸がパネル厚みの中心に位置するものは、可変する端面がぶつからないようにかなりの隙間を取らざるを得ず、外側に位置するものはパネル回転状態において端面が大きく開いて露出せざるを得ないものである。
パネル間隙からは向こう側が透けて見える問題があり、パネルの回転によって端面が露出する問題があり、また、パネル回転に応じて隙間が広狭するので、指を挟んでしまうおそれがある等の問題があった。
【0004】
本発明は、上記問題点に着眼してなしたものであり、パネル端面を外観上見栄えよくし、パネル間隙がパネルの回転によっても変化しないようにしたパネルを提供すると共に、パネル間隙が常時塞がれているようにし、しかも円滑な全回転を可能にした連結パネルを提供せんとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、パネルの端部に、当該パネルの厚みの略1/2の長さを半径とする円弧形断面の円形縁を前記円弧の中心から略270°の角度の円弧曲面に設けるとともにこの円形縁の基端側の前後両側に前記曲面と連続した所定深さの凹部を設けてパネルを形成し、連結する二枚のパネルを、互いに端部の円形縁同士を若干間隙を保って対向させるとともに、両円形縁の曲面間に、円形縁の円弧の中心から略90°の角度の円弧部分の曲面に接合し得る巾の湾曲面を両側に有して前後部を巾広に設け且つ中間部を巾狭に設けてなる介装部材を介装し、パネルの上下端において両円形縁間に跨る板体に円形中心軸を軸支して回転可能に連結し、両パネルを回転させて二枚合わせ状態としたときに、介装部材の巾広の前後部が両パネルの凹部内に納まるように構成したことを特徴とする。
【0006】
上記構成により、連結パネルは、連結部のパネル先端の曲面間に、この曲面に接合する介装部材が常時介装されているので、隙間が常に塞がれたものとなる。パネルの先端が曲面なので、先端面は同心円的に回転し、どの回転角度でも同面状態となり、曲面と介装部材とは互いに滑らかに摺動するので、パネルの回転に影響を与えず、介装部材の脱落も生じない。パネルを二枚合わせ状態に回転しても介装部材は端部が凹部に納まり安定状態を維持する。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を一実施例として示した図面によって説明する。
図1は本発明に係る連結パネルの連結部を示す上面略図、図2,3はパネルの回転状態を示す上面略図、図4は介装部材の変形例を示す断面略図である。
【0008】
パネル1は、その材質、構造を任意とし、パネル本体2と縦縁3とを一体若しくは別体いずれの構成として形成してもよいが、図では別体成形した縦縁3をパネル本体の端面に固定した例を示してある。図1において、縦縁3は、アルミニウム、プラスチック、木材等の任意素材により押出成形可能な断面形態を有し、パネル本体2の端面との接合面となる基端面3aに対し、断面円弧形状(半円よりも大きい円弧形状)の曲面を有した円形縁3bを端面方向に突出させ、この円形縁3bの基端側の前後両側に、円形縁3bの前記曲面に連続した所定深さの凹部3c,3cを形成してあり、円形縁3bの円形中心軸をパネル1の回転軸3dとして設定してある。前記円形縁3bの円弧は、パネル1の厚みの略1/2の長さを半径とする円の周上に沿うように設定し、また、円弧の中心から略270°の角度の円弧曲面に設けてある。
【0009】
パネル1,1は、一定の間隔をおいて上記円形縁3bの曲面を対向させて連結する。連結は、両円形縁3b,3b間に跨がる板体5aの両端部に両回転軸3d,3dを軸支する軸部5bを形成してなるダブルヒンジ5を用い、これを円形縁3b,3bの上下端或いは切欠部を設けた中間部に介装させることにより行う。上記ダブルヒンジに代えて別のヒンジを用いてもよい。連結する両円形縁3b,3b間には、上記一定の間隙に対応する一定巾を有した介装部材4を介装させてある。
【0010】
介装部材4は、アルミニウム、プラスチック等の適宜硬質素材、或いは発泡プラスチック、ゴム等の適宜弾性素材により成形し、円形縁3bの円形中心から45°〜100°の角度α内の円弧部分の曲面に接合し得る前後巾Lを有し、この前後部において両円形縁3b,3bの曲面に接触し得る厚み巾Wを有し、中間部において両円形縁3b,3bの間隙と略同じか小さい厚み巾Vを有した任意形状のものとしてある。図1の介装部材4は、円形縁3bの曲面に合致した凹曲面を厚み両側面とし、円形縁3bの90°角度の円弧部分の曲面に沿う前後巾の凸湾曲面を有した形状のものとして形成してある。上記前後巾Lは、上記45°分よりも小さいと、パネル回転に伴って外れるおそれが生じやすくなり、また100°分よりも大きいと凹部3cのえぐり形状を大きく取らなければならなくなり、成形作業上、外観上、強度上等から好ましくはない。
【0011】
上記構成によれば、連結パネル1,1の間隙には介装部材4が脱離しないように介装され、隙間を塞いでいる。
図2,3に示すように、パネル1を回転させれば、円形縁3bと介装部材4とは略同一曲面で接触しているため、円形縁3bは滑らかに回転し、介装部材4はこの曲面に沿って滑動し、両円形縁3b,3bの回転軸3d,3d間に常に位置し、ずれることがない。
パネル1,1を二枚合わせ状態まで回転させた場合も同様であり、介装部材4の前後一方の巾広Wの端部は、前後面部分にぶつかることなく凹部3c内に納まり、回転を妨げることがない。
【0012】
図4は介装部材4の変形例を示してある。
いずれも上記前後巾L、前後部の厚み巾W、中間部の厚み巾Vを有している。(A)〜(C)は前後面を湾曲凸面とすると共に、中間部は等厚板状面としてある。(D),(E)は前後面を湾曲凹面とすると共に、(D)の中間部は円形縁3bの曲面と略合致する面とし、(E)の中間部は板状面としてある。(F)は断面I形状で前後面を平坦面としてある。その他の形状を採用することも可能である。
【0013】
【発明の効果】
このようにして、本発明によれば、パネル端面が曲面となり、パネル間隙が介装部材によって塞がれた外観上見栄えのよい連結パネルを提供でき、隙間が塞がれているので、向こう側が透けて見えることもなく、指を挟んでしまうおそれも生じさせない。パネルは滑らかに回転でき、介装部材も滑動して回転軸間に納まっており、脱落のおそれがない。また、円形縁の基端側に凹部を成形してあれば、介装部材の端部がここに納まるので、パネルの全回転を可能にする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る可動式パネルの連結部を示し、(A)は連結部の上面略図であり、(B)は円形縁と介装部材との関係を説明する上面略図である。
【図2】連結パネルの一方のパネルを90°回転した状態を示す上面略図である。
【図3】連結パネルを二枚合わせ状態に回転させた状態を示す上面略図である。
【図4】介装部材の変形例を示し、(A)〜(F)はいずれもその上面略図である。
【符号の説明】
1 パネル
2 パネル本体
3 縦縁
3a 基端面
3b 円形縁
3c 凹部
3d 回転軸
4 介装部材
5 ダブルヒンジ
5a 板体
5b 軸部
α 介装部材の長さの範囲
L 介装部材の前後巾
W,V 介装部材の厚み巾
Claims (1)
- パネル(1)の端部に、当該パネルの厚みの略1/2の長さを半径とする円弧形断面の円形縁(3b)を前記円弧の中心から略270°の角度の円弧曲面に設けるとともにこの円形縁(3b)の基端側の前後両側に前記曲面と連続した所定深さの凹部(3c)を設けてパネル(1)を形成し、
連結する二枚のパネル(1、1)を、
互いに端部の円形縁(3b)同士を若干間隙を保って対向させるとともに、両円形縁(3b)の曲面間に、円形縁(3b)の円弧の中心から略90°の角度の円弧部分の曲面に接合し得る巾の湾曲面を両側に有して前後部を巾広に設け且つ中間部を巾狭に設けてなる介装部材(4)を介装し、パネル(1、1)の上下端において両円形縁(3b)間に跨る板体(5a)に円形中心軸を軸支して回転可能に連結し、
両パネル(1、1)を回転させて二枚合わせ状態としたときに、介装部材(4)の巾広の前後部が両パネル(1、1)の凹部(3c、3c)内に納まるように構成したことを特徴とする可動式連結パネル。
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