JP2561310Y2 - 指詰め防止折り畳み扉 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業状の利用分野】本考案は、住宅や一般の建築物等
の折り畳み扉に関するものである。また、本考案の折り
畳み扉は間仕切り等にも好適に利用されるものである。

【０００２】

【従来の技術】従来の折り畳み扉は、連結端部に蝶番を
設けたものが一般的であった。しかし、該折り畳み扉
は、蝶番を中心にして折り畳まれるため、図４に示され
るように、扉の開閉時に扉パネルのつき合わせ端部にＶ
字型の間隙が生じる。このＶ字型の間隙は、扉を開く際
に手指をはさみ込みやすく、骨折等の怪我をする危険性
があった。上記手指のはさみ込みを防止した折り畳み扉
としては、公開実用新案公報昭６０−８９３９３号に
「折れ戸における指詰め防止構造」が記載されている。
しかし、該方法は、扉を開いた際に戸板と戸板の間に多
少隙間が生じ、見苦しいものであった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】本考案は上記問題点に
鑑みてなされたもので、折り畳み扉の開閉時にＶ字型の
間隙が生じないような折り畳み機構を有し、手指をはさ
み込むこともなく安全に開くことができる折り畳み扉を
提供しようとするものである。しかも、扉パネル間に隙
間が生ぜず、扉パネルに一体感を生じさせ、意匠性に優
れた折り畳み扉を提供しようとするものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本考案は、上記課題を解
決するために次のような構造を有する折り畳み扉を見出
した。即ち、連結される２枚の扉パネルの内、一方の扉
パネルは連結される側端部が該扉パネルの裏面の延長線
上を中心とし、かつ扉パネルの厚みを半径とする４分の
３の円筒部を有し、しかも、上下両端部には上記中心部
に回転軸用の穴が形成されており、もう一方の扉パネル
は、連結される側端部が連結される前記扉パネルの側端
部の円筒部が係合するような凹部を有し、しかも、上下
両端部には、その先端部が該扉パネルの裏面の延長線上
を中心とし、かつ該扉パネルの厚みを半径とする４分の
３の円形状で、上記中心部には回転軸用の穴を有する連
結具が付設されており、上記扉パネルの両側端部は回転
軸をそれぞれ回転軸用の穴に差し込むことによって連結
されている。そして、一方の扉パネルの側端部の円筒部
が係合するようなもう一方の扉パネル側端部の凹部は、
該扉パネルの裏面の延長線上を中心とし、かつ該扉パネ
ルの厚みを半径とする４分の１の円弧状の凹部であるの
が好ましい。

【０００５】以下、本考案の指詰め防止折り畳み扉を図
面を用いて説明する。まず初めに、図４は従来の扉パネ
ルの連結端部に蝶番を設けた折り畳み扉の連結部の斜視
図である。該折り畳み扉は、その開閉時に連結された両
方の扉パネル端部によってＶ字型の間隙（５）が生じる
ことが示されている。そして、該Ｖ字型の間隙には手指
を差し込みやすく、該扉を開く際に指を詰める等の事故
の原因となるものである。

【０００６】図３は、本考案の指詰め防止折り畳み扉の
斜視図である。扉パネル（１）（２）が連結され、扉パ
ネル（１）の連結側端部でないもう一方の側端部が扉枠
に取り付けらている。

【０００７】図１は、扉パネル（１）（２）が連結され
る際に相対向するそれぞれの側端部の斜視図である。ま
ず扉パネル（１）の扉パネル（２）と相対向する側端部
（１ａ）について説明する。該側端は、扉パネル（１）
の裏面（１ｂ）の延長線上を中心とし、かつ、扉パネル
の厚み（ｄ）を半径とする４分の３の円筒部（１ｃ）を
有している。。そして、該側端部（１ａ）の上下両端部
（１ｄ）（１ｄ’）には上記中心点に回転軸用の穴（１
ｅ）（１ｅ’）が形成されている。尚、扉パネルの裏面
の延長線上の中心点は、扉パネルの幅によって任意に決
定される。次に扉パネル（２）の扉パネル（１）と相対
向する側端部（２ａ）について説明する。該側端部は、
上記扉パネル（１）の側端部（１ａ）の円筒部（１ｃ）
を係合するような凹部（２ｃ）を有している。 そし
て、該側端部（２ａ）の上下両端部（２ｄ）（２ｄ’）
には、連結された際に上記扉パネル（１）の上下両端部
（１ｄ）（１ｄ’）の形状と合致するような連結具
（３）（３’）が付設されている。即ち、先端部が扉パ
ネル（２）の裏面（２ｂ）の延長線上を中心とし、か
つ、該扉パネルの厚み（ｄ）を半径とする４分の３の円
形板状を有し、上記中心点には回転軸用の穴（３ａ）
（３ａ’）を有する連結具（３）（３’）が取り付けら
れている。

【０００８】図２は、扉パネル（１）（２）が連結され
た際の連結部の斜視図である。両扉パネル（１）（２）
の側端部（１ａ）（２ａ）は、回転軸（４）が連結具
（３）の回転軸用の穴（３ａ）と扉パネル（１）の回転
軸用の穴（１ｅ）に、また、回転軸（４’）が連結具
（３’）の回転軸用の穴（３ａ’）と扉パネル（１）の
回転軸用の穴（１ｅ’）にそれぞれ差し込まれることに
よって連結されている。

【０００９】尚、扉パネル（２）の側端部（２ａ）に形
成されている凹部（２ｃ）は、扉パネル（２）の裏面
（２ｂ）の延長線上を中心とし、かつ扉パネルの厚み
（ｄ）を半径とする４分の１の円弧状であと、両扉パネ
ルの連結部に隙間が生ぜず好ましい。

【００１０】扉パネル（１）の上下両端部（１ｄ）（１
ｄ’）に設けられる回転軸用の穴（１ｅ）（１ｅ’）を
貫通させることによって、両扉パネルを連結させる際の
回転軸（４）（４’）を一本の回転軸で共有させること
も出来る。又、扉パネルの折り畳みをスムーズに行わせ
るために、回転軸の穴（１ｅ）（１ｅ’）（３ａ）（３
ａ’）にベアリングを取り付けたり、扉パネル（１）の
上下両端部（１ｄ）（１ｄ’）と扉パネル（２）に付さ
れた連結具（３）（３’）との間にスラストベアリング
等を設けたりすることが好ましい。

【００１１】又、折り畳み扉が扉パネルが３枚以上で構
成されている場合、中間に位置する扉パネルの両側の連
結側端部は、共に円筒状でも凹状でも、或は、両側端部
がそれぞれ相違していてもよい。尚、扉パネルの両側に
連結側端部を有する場合には、側端部の円筒状や連結具
の円形状を形成する際の中心点を決定する扉パネルの裏
面は、両側端部によってそれぞれ異なることが必要であ
る。

【００１２】

【考案の効果】本考案の折り畳み扉は、折り畳み時に扉
パネルの連結部にＶ字型の間隙が生じないので指先等を
詰めるようなことがなく、幼児や子供でも安全に扉を開
くことが出来る。しかも、連結部に隙間が生ぜず、両方
の扉パネルに一体感が生じ、意匠性に優れる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の扉パネルが連結される際に、相対向す
るそれぞれの側端部の斜視図である。

【図２】本考案の扉パネルが連結された際の、連結部の
斜視図である。

【図３】本考案の指詰め防止折り畳み扉の斜視図であ
る。

【図４】従来の扉パネルの連結端部に蝶番を設けた、折
り畳み扉の連結部の斜視図である。

【符号の説明】

１． 扉パネル １ａ． 扉パネル（１）の、扉パネル（２）と連結され
る側端部 １ｂ． 扉パネル（１）の裏面 １ｃ． 側端部（１ａ）の円筒部 １ｄ，１ｄ’． 側端部（１ａ）の上下両端部 １ｅ，１ｅ’． 回転軸用の穴 ２． 扉パネル ２ａ． 扉パネル（２）の、扉パネル（１）と連結され
る側端部 ２ｂ． 扉パネル（２）の裏面 ２ｃ． 側端部（２ａ）の凹部 ２ｄ，２ｄ’． 側端部（２）の上下両端部 ３，３’． 連結具 ３ａ，３ａ’． 回転軸用の穴 ４，４’． 回転軸 ５． Ｖ字型の間隙

Claims (2)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 連結される扉パネル（１）（２）におい
   て、一方の扉パネル（１）は、扉パネル（２）と連結さ
   れる側端部（１ａ）が該扉パネルの裏面（１ｂ）の延長
   線上を中心とし、かつ扉パネルの厚み（ｄ）を半径とす
   る４分の３の円筒部（１ｃ）を有し、しかも、上下両端
   部（１ｄ）（１ｄ’）には上記中心部に回転軸用の穴
   （１ｅ）（１ｅ’）が形成されており、もう一方の扉パ
   ネル（２）は、扉パネル（１）と連結される側端部（２
   ａ）において、扉パネル（１）の側端部（１ａ）の円筒
   部（１ｃ）が係合するような凹部（２ｃ）を有し、しか
   も、上下両端部（２ｄ）（２ｄ’）には、先端部が該扉
   パネルの裏面（２ｂ）の延長線上を中心とし、かつ扉パ
   ネルの厚み（ｄ）を半径とする４分の３の円形状で、上
   記中心部には回転軸用の穴（３ａ）（３ａ’）を有する
   連結具（３）（３’）が付設されており、上記両側端部
   （１ａ）（２ａ）が回転軸（４）（４’）をそれぞれ回
   転軸用の穴（３ａ）と（１ｅ）及び（３ａ’）と（１
   ｅ’）に差し込むことによって連結された指詰め防止折
   り畳み扉。
2. 【請求項２】 扉パネル（１）の側端部（１ａ）の円筒
   部（１ｃ）に係合するような扉パネル（２）の側端部
   （２ａ）の凹部（２ｃ）が、扉パネル（２）の裏面（２
   ｂ）の延長線上を中心とし、かつ扉パネルの厚み（ｄ）
   を半径とする４分の１の円弧状の凹部である請求項１記
   載の指詰め防止折り畳み扉。