JP3821872B2 - ガスダクト - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は廃熱回収ボイラ（ＨＲＳＧ）の入口高温ガスダクト等のガスダクトに関するものである。
【従来の技術】
通常、保温材付きのガスダクトには、ガスダクト本体の内側に保温材を設けた内部保温ガスダクトと、ガスダクト本体の外側に保温材を設けた外部保温ガスダクトとがあり、廃熱回収ボイラの入口高温ガスダクトを流れるガスは高温でありしかも温度変化が急であるから、ガスダクト本体が排ガスの温度変化の影響を受けないように、廃熱回収ボイラの入口高温ガスダクトとしては内部保温ガスダクトが使用されている。
図３は従来の廃熱回収ボイラの入口高温ガスダクトを示す概略図、図４は図３のＢ−Ｂ断面図、図５は図４の一部を示す詳細図である。図に示すように、廃熱回収ボイラ１の入口高温ガスダクト２のガスダクト本体１０に取付金具１１が設けられ、取付金具１１に支柱３の下端が取り付けられ、支柱３の上端に取付金具４が取り付けられ、複数本の接合ボルト６によってガスダクト本体１０に取付金具５が取り付けられ、複数本の接合ボルト８によって取付金具５に取付金具７が取り付けられ、取付金具７と取付金具４との間には支柱３の伸び方向すなわち矢印Ｂの方向にギャップａが設けられ、また取付金具７は取付金具４の水平荷重方向すなわち矢印Ｃの方向の移動を制限している。また、ガスダクト本体１０の内側には保温材９が設けられている。
このガスダクトにおいては、取付金具７と取付金具４との間にギャップａが設けられているから、取付金具７を完全に保温材９内に納めることができないので、取付金具７は高温となるが、取付金具７と取付金具５とが熱流路の小さい接合ボルト８で取り付けられ、かつ取付金具５とガスダクト本体１０とが熱流路の小さい接合ボルト６で取り付けられているから、すなわち熱流路の小さい接合ボルト６、８を２段にしているから、ガスダクト本体１０の取付金具５近傍部の温度上昇は少ない。たとえば、入口高温ガスダクト２内を流れる排ガスの温度が６００℃のときには、図５に示したｂ〜ｅ点の温度は約４３０℃、２２０℃、１７０℃、５０℃であった。また、取付金具１１は完全に保温材９内に納めることができるから、ガスダクト本体１０の取付金具１１近傍部の温度上昇は少ない。
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このようなガスダクトにおいては、取付金具７と取付金具５とを複数の接合ボルト８で取り付け、取付金具５とガスダクト本体１０とを複数の接合ボルト６で取り付けているから、すなわち接合ボルト６、８を２段にしているから、据付作業に手間がかかる。
本発明は上述の課題を解決するためになされたもので、ガスダクト本体の温度上昇が少なく、しかも据付作業を容易に行なうことができるガスダクトを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するため、本発明においては、内部を高温ガスが流れるガスダクト本体内側に保温材を設けた内部保温構造のガスダクトにおいて、前記ガスダクト内に設けられる支柱（３）の下端はガスダクト本体（１０）に設けられた取付金具（１１）に取り付けられ、前記支柱の上端には移動金具（２１）が取り付けられ、前記ガスダクト本体（１０）には前記移動金具（２１）の両側に位置するように２個の保持金具（２２）が取り付けられ、前記保持金具（２２）には案内金具（２４）が設けられ、前記移動金具（２１）には突出片（２５）が前記案内金具（２４）の間の凹部に係合して設けられ、前記案内金具（２４）が前記移動金具（２１）の両側部を、ガスダクト本体内側の範囲内で、前記支柱（３）の伸び方向に移動可能に支持すると共に、前記移動金具（２１）の水平方向の移動を制限するように設けられたことを特徴とする。
この場合、前記２個の保持金具（２２）と前記案内金具（２４）とを保温材（９）により覆ったことを特徴とする。
【発明の実施の形態】
図１は本発明に係るガスダクトの一部を示す概略図、図２は図１のＡ−Ａ拡大断面図である。図に示すように、支柱３に移動金具２１が取り付けられ、ガスダクト本体１０に複数の接合ボルト２３により２個の保持金具２２が取り付けられ、保持金具２２は移動金具２１の両側に位置しており、保持金具２２に案内金具２４が取り付けられ、移動金具２１に突出片２５が設けられ、突出片２５が案内金具２４の間の凹部に係合しており、案内金具２４は移動金具２１の両側部を支柱３の伸び方向に移動可能に支持し、移動金具２１の水平方向の移動を制限している。
このガスダクトにおいては、保持金具２２、案内金具２４を保温材９により完全に覆うことができ、また案内金具２４を小さくすることにより、移動金具２１から保持金具２２、ガスダクト本体１０への熱流路を小さくすることができるから、接合ボルト２３を１段にしたとしても、ガスダクト本体１０の保持金具２２近傍部の温度上昇は少ない。たとえば、入口高温ガスダクト２内を流れるガスの温度が６５０℃のときには、図１に示したｆ〜ｊ点の温度は約６００℃、４００℃、３００℃、２００℃、５０℃であった。しかも、接合ボルト２３が１段であるから、接合ボルト２３による取付作業を簡単に行なうことができるので、据付作業を容易に行なうことができる。また、保持金具２２、案内金具２４を保温材９により完全に覆ったときには、入口高温ガスダクト２の流路抵抗が少なくなるから、入口高温ガスダクト２における圧力損失が小さい。
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係るガスダクトにおいては、保持金具を保温材により完全に覆うことができるから、接合ボルトを１段にしたとしても、ガスダクト本体の温度上昇は少なく、しかも接合ボルトが１段であるから、据付作業を容易に行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明に係るガスダクトの一部を示す概略図である。
【図２】 図１のＡ−Ａ拡大断面図である。
【図３】 従来の廃熱回収ボイラの入口高温ガスダクトを示す概略図である。
【図４】 図３のＢ−Ｂ断面図である。
【図５】 図４の一部を拡大して示す図である。
【符号の説明】
２…入口高温ガスダクト
３…支柱
９…保温材
１０…ガスダクト本体
２１…移動金具
２４…案内金具
本発明は廃熱回収ボイラ（ＨＲＳＧ）の入口高温ガスダクト等のガスダクトに関するものである。
【従来の技術】
通常、保温材付きのガスダクトには、ガスダクト本体の内側に保温材を設けた内部保温ガスダクトと、ガスダクト本体の外側に保温材を設けた外部保温ガスダクトとがあり、廃熱回収ボイラの入口高温ガスダクトを流れるガスは高温でありしかも温度変化が急であるから、ガスダクト本体が排ガスの温度変化の影響を受けないように、廃熱回収ボイラの入口高温ガスダクトとしては内部保温ガスダクトが使用されている。
図３は従来の廃熱回収ボイラの入口高温ガスダクトを示す概略図、図４は図３のＢ−Ｂ断面図、図５は図４の一部を示す詳細図である。図に示すように、廃熱回収ボイラ１の入口高温ガスダクト２のガスダクト本体１０に取付金具１１が設けられ、取付金具１１に支柱３の下端が取り付けられ、支柱３の上端に取付金具４が取り付けられ、複数本の接合ボルト６によってガスダクト本体１０に取付金具５が取り付けられ、複数本の接合ボルト８によって取付金具５に取付金具７が取り付けられ、取付金具７と取付金具４との間には支柱３の伸び方向すなわち矢印Ｂの方向にギャップａが設けられ、また取付金具７は取付金具４の水平荷重方向すなわち矢印Ｃの方向の移動を制限している。また、ガスダクト本体１０の内側には保温材９が設けられている。
このガスダクトにおいては、取付金具７と取付金具４との間にギャップａが設けられているから、取付金具７を完全に保温材９内に納めることができないので、取付金具７は高温となるが、取付金具７と取付金具５とが熱流路の小さい接合ボルト８で取り付けられ、かつ取付金具５とガスダクト本体１０とが熱流路の小さい接合ボルト６で取り付けられているから、すなわち熱流路の小さい接合ボルト６、８を２段にしているから、ガスダクト本体１０の取付金具５近傍部の温度上昇は少ない。たとえば、入口高温ガスダクト２内を流れる排ガスの温度が６００℃のときには、図５に示したｂ〜ｅ点の温度は約４３０℃、２２０℃、１７０℃、５０℃であった。また、取付金具１１は完全に保温材９内に納めることができるから、ガスダクト本体１０の取付金具１１近傍部の温度上昇は少ない。
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このようなガスダクトにおいては、取付金具７と取付金具５とを複数の接合ボルト８で取り付け、取付金具５とガスダクト本体１０とを複数の接合ボルト６で取り付けているから、すなわち接合ボルト６、８を２段にしているから、据付作業に手間がかかる。
本発明は上述の課題を解決するためになされたもので、ガスダクト本体の温度上昇が少なく、しかも据付作業を容易に行なうことができるガスダクトを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するため、本発明においては、内部を高温ガスが流れるガスダクト本体内側に保温材を設けた内部保温構造のガスダクトにおいて、前記ガスダクト内に設けられる支柱（３）の下端はガスダクト本体（１０）に設けられた取付金具（１１）に取り付けられ、前記支柱の上端には移動金具（２１）が取り付けられ、前記ガスダクト本体（１０）には前記移動金具（２１）の両側に位置するように２個の保持金具（２２）が取り付けられ、前記保持金具（２２）には案内金具（２４）が設けられ、前記移動金具（２１）には突出片（２５）が前記案内金具（２４）の間の凹部に係合して設けられ、前記案内金具（２４）が前記移動金具（２１）の両側部を、ガスダクト本体内側の範囲内で、前記支柱（３）の伸び方向に移動可能に支持すると共に、前記移動金具（２１）の水平方向の移動を制限するように設けられたことを特徴とする。
この場合、前記２個の保持金具（２２）と前記案内金具（２４）とを保温材（９）により覆ったことを特徴とする。
【発明の実施の形態】
図１は本発明に係るガスダクトの一部を示す概略図、図２は図１のＡ−Ａ拡大断面図である。図に示すように、支柱３に移動金具２１が取り付けられ、ガスダクト本体１０に複数の接合ボルト２３により２個の保持金具２２が取り付けられ、保持金具２２は移動金具２１の両側に位置しており、保持金具２２に案内金具２４が取り付けられ、移動金具２１に突出片２５が設けられ、突出片２５が案内金具２４の間の凹部に係合しており、案内金具２４は移動金具２１の両側部を支柱３の伸び方向に移動可能に支持し、移動金具２１の水平方向の移動を制限している。
このガスダクトにおいては、保持金具２２、案内金具２４を保温材９により完全に覆うことができ、また案内金具２４を小さくすることにより、移動金具２１から保持金具２２、ガスダクト本体１０への熱流路を小さくすることができるから、接合ボルト２３を１段にしたとしても、ガスダクト本体１０の保持金具２２近傍部の温度上昇は少ない。たとえば、入口高温ガスダクト２内を流れるガスの温度が６５０℃のときには、図１に示したｆ〜ｊ点の温度は約６００℃、４００℃、３００℃、２００℃、５０℃であった。しかも、接合ボルト２３が１段であるから、接合ボルト２３による取付作業を簡単に行なうことができるので、据付作業を容易に行なうことができる。また、保持金具２２、案内金具２４を保温材９により完全に覆ったときには、入口高温ガスダクト２の流路抵抗が少なくなるから、入口高温ガスダクト２における圧力損失が小さい。
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係るガスダクトにおいては、保持金具を保温材により完全に覆うことができるから、接合ボルトを１段にしたとしても、ガスダクト本体の温度上昇は少なく、しかも接合ボルトが１段であるから、据付作業を容易に行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明に係るガスダクトの一部を示す概略図である。
【図２】 図１のＡ−Ａ拡大断面図である。
【図３】 従来の廃熱回収ボイラの入口高温ガスダクトを示す概略図である。
【図４】 図３のＢ−Ｂ断面図である。
【図５】 図４の一部を拡大して示す図である。
【符号の説明】
２…入口高温ガスダクト
３…支柱
９…保温材
１０…ガスダクト本体
２１…移動金具
２４…案内金具
Claims (2)
- 内部を高温ガスが流れるガスダクト本体内側に保温材を設けた内部保温構造のガスダクトにおいて、
前記ガスダクト内に設けられる支柱（３）の下端はガスダクト本体（１０）に設けられた取付金具（１１）に取り付けられ、
前記支柱の上端には移動金具（２１）が取り付けられ、
前記ガスダクト本体（１０）には前記移動金具（２１）の両側に位置するように２個の保持金具（２２）が取り付けられ、
前記保持金具（２２）には案内金具（２４）が設けられ、
前記移動金具（２１）には突出片（２５）が前記案内金具（２４）の間の凹部に係合して設けられ、
前記案内金具（２４）が前記移動金具（２１）の両側部を、ガスダクト本体内側の範囲内で、前記支柱（３）の伸び方向に移動可能に支持すると共に、前記移動金具（２１）の水平方向の移動を制限するように設けた
ことを特徴とするガスダクト。 - 前記２個の保持金具（２２）と前記案内金具（２４）とを保温材（９）により覆ったことを特徴とする請求項１に記載のガスダクト。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP29404095A JP3821872B2 (ja) | 1995-11-13 | 1995-11-13 | ガスダクト |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP29404095A JP3821872B2 (ja) | 1995-11-13 | 1995-11-13 | ガスダクト |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH09137934A JPH09137934A (ja) | 1997-05-27 |
| JP3821872B2 true JP3821872B2 (ja) | 2006-09-13 |
Family
ID=17802500
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP29404095A Expired - Fee Related JP3821872B2 (ja) | 1995-11-13 | 1995-11-13 | ガスダクト |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3821872B2 (ja) |
-
1995
- 1995-11-13 JP JP29404095A patent/JP3821872B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH09137934A (ja) | 1997-05-27 |
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