JP3821580B2 - 空気調和機の制御装置およびその制御方法 - Google Patents
空気調和機の制御装置およびその制御方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、空気調和機本体と、そのリモコンを接続し情報を双方向に授受するための通信を行う空気調和機の制御装置およびその制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図5は、従来の空気調和機の制御装置の構成を示すブロック図である。
図において、1は室外機であり、接続配線5によって室内機2と接続されている。室内機2は、室外機1と通信を行うための送受信回路21、後述のリモコン3,4と通信を行うための送受信回路22、およびこれらの送受信回路21,22に接続されたマイコン制御部23により構成されている。
リモコン3および4は、接続配線6,7によって室内機2に接続され、接続配線6,7を介して双方向通信を行うと共に電源を供給される。
【0003】
また、リモコン3,4は、室内機1とこれらリモコン3,4間の双方向通信を行うための送受信回路31,41、空気調和機の動作を指示するための操作を入力するスイッチ等の操作入力手段32,42、室温検知のための温度センサ等のセンサ入力手段33,43、リモコンに対する運転モード切換等の操作入力のような場合の送受信以外の、リモコンと空調機間の定時情報伝達等の通信の信頼性を上げる、例えば空調機からの定時送信に対するリモコンの受信確認信号の重なりにより送受信が誤動作するのを防ぐ目的で専用の外部入力手段により、唯一のリモコンのみが受信確認信号を送信する設定を行う、またはリモコンから定時通信を行う場合、唯一のリモコンのみが定時送信を行うようにし信号の重なりにより送受信が誤動作をするのを防ぐ、とゆうように室内機2およびそれぞれのリモコン間の双方向通信の手順を定めるためのスイッチ等の主機/従機設定入力手段34,44、および送受信回路31,41と各入力手段32〜34,42〜44の間に接続されたマイコン制御部35,45により構成される。
【0004】
次に、従来の空気調和機の制御装置の動作、特に主機/従機設定の動作について説明する。
空気調和機の本体およびリモコンを据付た後、電源投入前にスイッチ等による専用の主機/従機設定入力手段34,44により複数台のリモコンのうち何れか1台を主機、その他のリモコンを従機に、据付者が手動で設定することにより、それぞれのリモコン3,4に主機/従機の認識を持たせる設定をし、室内機1およびそれぞれのリモコン3,4間の双方向通信の手順を定めている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来の空気調和機の制御装置は以上のように構成されているので、リモコンには主機/従機設定専用の外部入力回路を設けなければならず、リモコンを複数台設置する際にはそれぞれのリモコンの主機/従機の設定を、現地据付工事の際に、スイッチ設定などの主機/従機設定専用の外部入力手段で、実施する必要があり、工事工程が多く、設定忘れ等の工事ミスがあった場合には、空気調和機の制御装置動作に異常を来すといった問題点があった。
【0006】
この発明は上記のような問題点を解消するためになされたもので、リモコンの主機/従機の設定を、それ専用の設定入力を外部から与えること無しに、自動で行うことができる空気調和機の制御装置およびその制御方法を提供することを目的とする。
【0007】
また、複数台のリモコンの内、最後に使用者により操作されたリモコンに内蔵された温度センサ等入力データを有効とし、空気調和機の制御に使用することにより、使用者のいる位置に近い温度等入力情報をもって制御を行うことができ、より快適な空気調和動作が可能な空気調和機の制御装置およびその制御方法を提供することを目的とする。
【0008】
【発明を解決するための手段】
請求項1の発明に係る空気調和機の制御装置は、信号線により空気調和機本体と単一又は複数台のリモコンが接続され双方向に通信を行う空気調和機のシステムにおいて、上記リモコンが、自身が主機であることが分かる予め定められたコマンドを受信したか否かを判別する判別手段と、該判別手段の判別結果に応じて自身が主機または従機であると認識する認識手段とを備え、上記リモコンが、上記空気調和機本体より給電された時点から、所定時間後に、上記コマンドを他のリモコンに対して送信し、かつ自身が主機であるということを認識し、そのコマンドを自身が送信する以前に他のリモコンから受信した場合には、そのコマンドを送信せずに、自身は従機であるという認識をするものである。
【0010】
請求項2の発明に係る空気調和機の制御装置は、信号線により空気調和機本体と単一又は複数台のリモコンが接続され双方向に通信を行う空気調和機のシステムにおいて、上記リモコンが、自身が主機であることが分かる予め定められたコマンドを受信したか否かを判別する判別手段と、該判別手段の判別結果に応じて自身が主機または従機であると認識する認識手段とを備え、上記リモコンが、上記空気調和機本体より給電された後、初めて、空気調和機に関する操作入力を受けた際に、上記コマンドを他のリモコンに対して送信し、かつ自身が主機であるということを認識し、そのコマンドを自身が送信する以前に他のリモコンからそのコマンドを受信した場合には、自身は従機であるという認識をし、以降は空気調和機に関する操作入力を受けた際にもそのコマンドを送信しないものである。
【0011】
請求項3の発明に係る空気調和機の制御装置は、請求項2の発明において、上記リモコンが、空気調和機に関する操作入力を受ける度に繰り返し、上記コマンドを他のリモコンに対して送信し、かつ自身が主機であることを認識し、そのコマンドを他のリモコンから受信した場合には自身は従機であるという認識をするものである。
【0012】
請求項4の発明に係る空気調和機の制御装置は、請求項1〜3のいずれかの発明において、上記空気調和機本体または上記リモコンに内蔵されるセンサ入力手段からの入力情報のうち、何れか1台のリモコンからの入力を有効とし、上記空気調和機本体の制御を行う際、主機の認識をしたリモコンの入力を有効とするようにしたものである。
【0013】
請求項5の発明に係る空気調和機の制御装置は、請求項1の発明において、上記所定時間が、各々のリモコンが持つクロック周波数の物理的バラツキ等を利用して出力値を決定する機能を持つ乱数発生手段の出力に基づいて決定されるものである。
【0014】
請求項6の発明に係る空気調和機の制御方法は、信号線により空気調和機本体と単一又は複数台のリモコンが接続され双方向に通信を行う空気調和機のシステムにおいて、自身が主機であることが分かる予め定められたコマンドを受信したか否かを判別する第1のステップと、該第1のステップにおける判別結果に応じて自身が主機または従機であると認識する第2のステップとを含み、上記第1のステップが、上記空気調和機本体より給電された時点から、所定時間後に、自身が主機であることが分かる予め定められたコマンドを受信しなければ、そのコマンドを他のリモコンに対して送信し、そのコマンドを自身が送信する以前に他のリモコンから受信した場合には、そのコマンドを送信しないステップを含み、上記第2のステップが、上記コマンドを受信しなければ、自身が主機であるということを認識せず、受信した場合には、自身は従機であるという認識をするステップを含むものである。
【0016】
請求項7の発明に係る空気調和機の制御方法は、信号線により空気調和機本体と単一又は複数台のリモコンが接続され双方向に通信を行う空気調和機のシステムにおいて、
自身が主機であることが分かる予め定められたコマンドを受信したか否かを判別する第1のステップと、該第1のステップにおける判別結果に応じて自身が主機または従機であると認識する第2のステップとを含み、上記第1のステップが、上記空気調和機本体より給電された後、初めて、空気調和機に関する操作入力を受けた際に、自身が主機であることが分かる予め定められたコマンドを他のリモコンに対して送信するステップを含み、上記第2のステップが、そのコマンドを自身が送信する以前に他のリモコンからそのコマンドを受信した場合には、自身は従機であるという認識をするステップを含み、更に、上記第1のステップが、自身は従機であるという認識をした以降は空気調和機に関する操作入力を受けた際にもそのコマンドを送信しないステップを含むものである。
【0017】
請求項8の発明に係る空気調和機の制御方法は、請求項7の発明において、上記第1のステップが、上記空気調和機に関する操作入力を受ける度に繰り返し、自身が主機であることが分かる予め定められたコマンドを他のリモコンに対して送信するステップを含み、上記第2のステップが、上記空気調和機に関する操作入力を受ける度に繰り返し、自身が主機であることを認識するステップと、上記コマンドを他のリモコンから受信した場合には自身は従機であるという認識をするステップとを含むものである。
【0018】
請求項9の発明に係る空気調和機の制御方法は、請求項6〜8のいずれかの発明において、上記空気調和機本体および上記リモコンに内蔵されるセンサ入力手段からの入力情報のうち、何れか1台のリモコンからの入力を有効とし上記空気調和機本体の制御を行う際、主機の認識をしたリモコンの入力を有効とする第3のステップを含むものである。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について図を参照して説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1を示すブロック図である。図1において、図5と対応する部分には同一符号を付し、その詳細説明を省略する。
なお、ここでは一例として、1台の室内機に複数台のリモコンを接続し、リモコンの主機/従機設定を専用の外部入力によらず行う場合について説明する。
図において、2Aは接続配線5によって室外機1に接続された室内機であって、この室内機2Aは、上述の送受信回路21,22の外に、これらの送受信回路21,22に接続されたマイコン制御部23Aと、このマイコン制御部23Aに接続され、空気調和機制御に使用する温度センサ等のセンサ入力手段24とを備える。なお、このセンサ入力手段24については、実質的に後述の実施の形態4で用いられるものである。
【0020】
また、3A,4Aは、接続配線6および7によって室内機2Aと接続され、双方向通信を行うと共に室内機2Aより電源を供給されるリモコンである。
リモコン3Aは、上述の送受信回路31、操作入力手段32およびセンサ入力手段33の外に電源投入から自身が主機で有ることが分かる予め定められたコマンドを送信するまでの時間を決定する時間決定手段36と、時間決定手段36が時間を決定する際の演算の元となる値を出力し、かつ決定される時間が各々のリモコンにより異なるものとするために、例えば各々のリモコンが持つクロック周波数の物理的バラツキ等を利用して出力値を決定する機能を持つ乱数発生手段37と、送受信回路31と各入力手段32,33,36および37との間に設けられた判別手段および認識手段としてのマイコン制御部35Aとを備える。
【0021】
また、リモコン4Aは、リモコン3Aと同様に、上述の送受信回路41、操作入力手段42およびセンサ入力手段43の外に電源投入から自身が主機で有ることが分かる予め定められたコマンドを送信するまでの時間を決定する時間決定手段46と、時間決定手段46が時間を決定する際の演算の元となる値を出力し、かつ決定される時間が各々のリモコンにより異なるものとするために、例えば各々のリモコンが持つクロック周波数の物理的バラツキ等を利用して出力値を決定する機能を持つ乱数発生手段47と、送受信回路41と各入力手段42,43,46および47との間に設けられた判別手段および認識手段としてのマイコン制御部45Aとを備える。
【0022】
次に、動作について、リモコン3Aおよび4Aに搭載されるマイコン制御部35Aおよび45Aの動作を示す図2を参照しながら説明する。
リモコン3Aおよび4Aは室内機2Aより給電され、動作を開始すると、ステップS1において自身以外のリモコンが送信した、送信リモコン自身が主機であることの分かる予め定められたコマンドaを受信しているか否かを判断し、まだ受信していない場合はステップS2に進み、例えば各々のリモコンのもつクロック周波数の物理的バラツキを利用した乱数発生手段37,47の出力値を入力し、その値をもとに時間決定手段36,46により決定した時間後に、他のリモコンに対して自身が主機であることの分かる予め定められたコマンドaを送信し、ステップS3に進み、自身は主機であるという認識を行う。
【0023】
もし、ステップS1において、既に他のリモコンから自身が主機であることが分かる予め定められたコマンドaを受信している場合には、ステップS4へと進み、自身は従機であるという認識を行う。
こうして主機/従機の設定を自動に行う。つまり、室内機2Aから給電されたリモコン3A,4Aのうち最も早く自身が主機であることが分かる予め定められたコマンドaを送信し、その通信が成立したリモコンが主機、その他のリモコンが従機に設定される。
【0024】
これにより主機/従機を設定するための外部入力を行うこと無く、主機/従機の設定が可能になる。
なお、ここでは複数台のリモコンが同時に給電されてから、自身が主機であることが分かる予め定められたコマンドaを送信するまでの時間に差を設けるために、時間決定手段36,46の演算の元となる値の出力元として、クロック周波数の物理的バラツキを利用した乱数発生手段37,47を使用する場合を説明したが、各リモコンに出荷時、例えば不揮発性メモリ等に付加される製品シリアルナンバなどユニークな数値データを使用してもよい。
また、ここでは、リモコン2台の場合について説明したが、上記動作により、1台の場合には必ずそのリモコンが主機に、3台以上の場合には何れか1台のリモコンが主機に、その他のリモコンは従機に設定されるのは明らかである。
【0025】
このように、本実施の形態では、それぞれのリモコンは、空気調和機本体より給電された時点から、乱数発生手段の出力に基づいて時間決定手段により決定した時間後に、自身が主機であることをが分かる予め定められたコマンドを、他のリモコンに対して送信し、かつ自身が主機で有ることを認識し、送信前に、それを受信した場合にはそのコマンドを送信せずに、自身が従機であることを認識するようにしているので、主機/従機を設定するための外部入力を行うこと無く、主機/従機の設定が可能になる。
【0026】
実施の形態2.
図3は、この発明の実施の形態2におけるリモコンのマイコン制御部の動作を説明するための図である。
本実施の形態でも、1台の室内機に複数台のリモコンを接続し、リモコンの主機/従機設定を専用の外部入力によらず行う場合であり、従って、回路構成については、実施の形態1と同様のものを用いるものとする。
【0027】
次に動作について、リモコン3Aおよび4Aに搭載されるマイコン制御部35Aおよび45Aの動作を示す図3を参照しながら説明する。
リモコン3Aおよび4Aは室内機2Aより給電され、何らかの空気調和機の動作を指示するためのスイッチ操作等の操作入力手段32または42からの空気調和機に関する操作入力を受けるまでは、図3の如くステップS20(NO)、ステップS21(NO)間を循環している。
その後何らかの操作入力手段32または42からの空気調和機に関する操作入力を受けると、ステップS20からステップS22へ進み、自身が主機で有ることが分かる予め定められたコマンドaを他のリモコンに対して送信し、ステップS23ヘ進み、自身が主機であるという認識をし主機に設定される。
【0028】
一方、何らかの操作入力手段32または42からの空気調和機に関する操作入力を受ける前にその他のリモコンから、自身が主機であることが分かる予め定められたコマンドaを受信した場合は、ステップS21からステップS24ヘと進み、自身が従機であるという認識をし従機に設定される。
これにより、主機/従機を設定することを専用とする外部入力を行うこと無しに、主機/従機の設定が可能となる。
なお、ここでは、リモコン2台の場合について説明したが、上記動作により、1台の場合には必ずそのリモコンが主機に、3台以上の場合には何れか1台のリモコンが主機に、その他のリモコンは従機に設定されるのは明らかである。
【0029】
このように、本実施の形態では、それぞれのリモコンは電源投入後も主機/従機の認識を持たず、何らかの空気調和機に関する操作入力を操作入力手段により受けた際に、初めてそのリモコンが主機で有ることが分かる予め定められたコマンドを他のリモコンに対して送信し、かつ自身が主機であることを認識し、それを受信した場合にはそのコマンドを送信せずに、自身が従機であるという認識をするようにしているので、主機/従機を設定することを専用とする外部入力を行うこと無しに、主機/従機の設定が可能となる。
【0030】
実施の形態3.
図4は、この発明の実施の形態3におけるリモコンのマイコン制御部の動作を説明するための図である。
本実施の形態では、1台の室内機に複数台のリモコンを接続して、リモコンの主機/従機設定を、専用の外部入力によらず空気調和機操作入力を利用して行い、かつその他通常動作中に空気調和機に関する操作入力を受けるたびに、主機/従機設定をやり直す場合であり、回路構成については、実施の形態1と同様のものを用いるものとする。
【0031】
次に動作について、リモコン3Aおよび4Aに搭載されるマイコン制御部3Aおよび4Aの動作を示す図4を参照しながら説明する。
リモコン3Aおよび4Aは室内機2Aより給電されて何らかの空気調和機の動作を指示するためのスイッチ操作等の操作入力手段32または42からの空気調和機に関する操作入力を受けるまでは、ステップS30、ステップS31、ステップS35の順に進み、ステップS35において、主機/従機設定以外のリモコン制御処理を行い、ステップS30へと戻る動作を繰返す。
【0032】
ひとたび何らかの操作入力手段32または42からの空気調和機に関する操作入力を受けると、ステップS30からステップS32へ進み、自身が主機で有ることが分かる予め定められたコマンドaを他のリモコンに対して送信し、ステップS33ヘ進み、自身が主機であるという認識を行い、ステップS35で主機/従機設定以外のリモコン制御処理を行った後ステップS30へ戻る。
また、他のリモコンから送信リモコン自身が主機で有ることが分かる予め定められたコマンドaを受信した場合には、ステップS34へ進み、自身が従機であるという認識を行い、ステップS35ヘと進み、主機/従機設定以外のリモコン制御処理を行った後ステップS30へ戻る。
【0033】
例えば電源投入後、先にリモコン3Aが操作入力手段32からの空気調和機に関する操作入力を受ければ、リモコン3Aが主機に、リモコン4Aが従機に設定され、その後リモコン4Aが操作入力手段42からの空気調和機に関する操作入力を受ければ、リモコン4Aが主機に、リモコン3Aが従機に設定され、主機/従機設定が入れ換わる。
これにより、常に最後に操作入力手段からの空気調和機に関する操作入力を受けたリモコンが主機に設定される動作が可能となる。
なお、ここではリモコン2台の場合について説明したが、上記動作により、1台の場合には必ずそのリモコンが主機に、3台以上の場合には最後に操作入力手段からの空気調和機に関する操作入力を受けた1台のリモコンが主機に、その他のリモコンは従機に設定されるのは明らかである。
【0034】
このように、本実施の形態では、それぞれのリモコンは電源投入後も主機/従機の認識を持たず、何らかの空気調和機に関する操作入力を操作入力手段により受けた際に、初めてそのリモコンが主機で有ることが分かる予め定められたコマンドを他のリモコンに対して送信し、かつ自身が主機であるという認識を行い、それを受信した場合にはそのコマンドを送信せずに、自身が従機であるという認識をし、その後通常制御を行なっている際にも何らかの空気調和機に関する操作入力を操作入力手段により受けた際には、その都度そのリモコンが自身が主機であることが分かる予め定められたコマンドを送信し、かつ自身が主機であるという認識をし、そのコマンドを受信した場合には、自身は従機であるという認識をやり直すようにしているので、常に最後に操作入力手段からの空気調和機に関する操作入力を受けたリモコンが主機に設定される動作が可能となる。
【0035】
実施の形態4.
本実施の形態では、室内機2に内蔵される空気調和機制御に使用する温度センサ等のセンサ入力手段24、およびリモコン3A,4Aに内蔵される室温検知のための温度センサ等のセンサ入力手段33,43の内何れか1つのセンサ入力手段の入力情報を有効とし、空気調和機の圧縮機、送風機制御等の運転制御を行う際、使用者がリモコン内蔵センサを選択した場合に、主機に設定されたリモコン内蔵センサの入力値を有効として空気調和機の運転制御に使用すると、室内機2のマイコン制御部23Aおよびリモコン3A,4Aのそれぞれマイコン制御部35A,45Aに予め設定しておくものであり、回路構成については、センサ入力手段24がマイコン制御部23Aに対して設けられる以外は実施の形態1と同様のものを用いるものとする。
【0036】
このような設定をしておけば、例えば上記実施の形態3の如く最後に空気調和機に関する操作入力を操作入力手段により受けたリモコンが常に主機に設定される場合においては、常に最後に使用者が空気調和機に関する操作入力を行ったリモコンに内蔵のセンサ入力手段例えば温度センサの入力値を用いて、空気調和機の制御が行われることになる。そのため、そのリモコン周辺すなわち使用者の周辺の温度条件を用いた空気調和機の制御が可能となる。
【0037】
このように、本実施の形態では、リモコンに内蔵される温度センサ等空気調和機制御用の入力情報のうち何れか1台のリモコンの入力を有効として制御を行う際、主機の認識をしたリモコンの入力を有効とする制御手順を室内機およびリモコンのマイコン制御部に備えるようにしたので、そのリモコン周辺すなわち使用者の周辺の環境条件例えばセンサ入力手段が温度センサであればその温度条件を用いた空気調和機の制御が可能となる。
【0038】
【発明の効果】
以上のように、請求項1の発明によれば、信号線により空気調和機本体と単一又は複数台のリモコンが接続され双方向に通信を行う空気調和機のシステムにおいて、リモコンが、自身が主機であることが分かる予め定められたコマンドを受信したか否かを判別する判別手段と、この判別手段の判別結果に応じて自身が主機または従機であると認識する認識手段とを備えたので、リモコンの主機/従機の設定をそれ専用の設定入力を外部から与えること無しに自動的に行うことができ、以て、安価で、据付工事が簡易で、施行性に優れた空気調和機の制御装置を得ることができ、また、リモコンは、空気調和機本体より給電された時点から、所定時間後に、コマンドを他のリモコンに対して送信し、かつ自身が主機であるということを認識し、そのコマンドを自身が送信する以前に他のリモコンから受信した場合には、そのコマンドを送信せずに、自身は従機であるという認識をするので、リモコンの主機/従機設定を手動入力にて行う必要がなく、主従設定専用入力手段を省いた、安価で、据付工事が簡易で、施行性に優れた空気調和機の制御装置を得ることができるという効果がある。
【0040】
請求項2の発明によれば、信号線により空気調和機本体と単一又は複数台のリモコンが接続され双方向に通信を行う空気調和機のシステムにおいて、リモコンが、自身が主機であることが分かる予め定められたコマンドを受信したか否かを判別する判別手段と、この判別手段の判別結果に応じて自身が主機または従機であると認識する認識手段とを備えたので、リモコンの主機/従機の設定をそれ専用の設定入力を外部から与えること無しに自動的に行うことができ、以て、安価で、据付工事が簡易で、施行性に優れた空気調和機の制御装置を得ることができ、また、リモコンは、空気調和機本体より給電された後、初めて、空気調和機に関する操作入力を受けた際に、コマンドを他のリモコンに対して送信し、かつ自身が主機であるということを認識し、そのコマンドを自身が送信する以前に他のリモコンからそのコマンドを受信した場合には、自身は従機であるという認識をし、以降は空気調和機に関する操作入力を受けた際にもそのコマンドを送信しないので、リモコンの主従設定をそれ専用の入力手段を設けて入力する必要が無く、主従設定専用入力手段を省いた、安価で、据付工事が簡易で、施行性に優れた空気調和機の制御装置を得ることができるという効果がある。
【0041】
請求項3の発明によれば、リモコンは、空気調和機に関する操作入力を受ける度に繰り返し、コマンドを他のリモコンに対して送信し、かつ自身が主機であることを認識し、そのコマンドを他のリモコンから受信した場合には自身は従機であるという認識をするので、複数台のリモコンの内、常に最後に操作入力手段からの空気調和機に関する操作入力を受けたリモコンが主機に設定される動作が可能となり、使用者のいる位置に近い温度等の環境入力情報をもって制御を行う、快適な空気調和動作が可能な空気調和機の制御装置を得ることができるという効果がある。
【0042】
請求項4の発明によれば、空気調和機本体またはリモコンに内蔵されるセンサ入力手段からの入力情報のうち、何れか1台のリモコンからの入力を有効とし、空気調和機本体の制御を行う際、主機の認識をしたリモコンの入力を有効とするので、複数台のリモコンの内、最後に使用者により操作されたリモコンに内蔵されたセンサを有効とし、空気調和機の制御に使用することにより、使用者の周辺の環境条件例えばセンサ入力手段が温度センサであればその温度条件を用いた空気調和機の制御が可能となり、快適な空気調和動作が可能な空気調和機の制御装置を得ることができるという効果がある。
【0043】
請求項5の発明によれば、空気調和機本体より給電された時点からの所定時間を、各々のリモコンが持つクロック周波数の物理的バラツキ等を利用して出力値を決定する機能を持つ乱数発生手段の出力に基づいて決定されるので、複数台のリモコンが同時に給電されてから、自身が主機であることが分かる予め定められたコマンドを送信するまでの時間に効率よく差を設けることができるという効果がある。
【0044】
請求項6の発明によれば、信号線により空気調和機本体と単一又は複数台のリモコンが接続され双方向に通信を行う空気調和機のシステムにおいて、自身が主機であることが分かる予め定められたコマンドを受信したか否かを判別する第1のステップと、この第1のステップにおける判別結果に応じて自身が主機または従機であると認識する第2のステップとを含むので、リモコンの主機/従機の設定をそれ専用の設定入力を外部から与えること無しに自動的に行うことができ、以て、設定忘れ等の工事ミスを伴うことなく工事工程等の簡略化を図ることができる空気調和機の制御方法を得ることができ、また、第1のステップは、空気調和機本体より給電された時点から、所定時間後に、自身が主機であることが分かる予め定められたコマンドを受信しなければ、そのコマンドを他のリモコンに対して送信し、そのコマンドを自身が送信する以前に他のリモコンから受信した場合には、そのコマンドを送信しないステップを含み、第2のステップは、コマンドを受信しなければ、自身が主機であるということを認識せず、受信した場合には、自身は従機であるという認識をするステップを含むので、リモコンの主機/従機設定を手動入力にて行う必要がなく、主従設定専用入力手順を省いた、安価で、据付工事が簡易で、施行性に優れた空気調和機の制御方法を得ることができるという効果がある。
【0046】
請求項7の発明によれば、信号線により空気調和機本体と単一又は複数台のリモコンが接続され双方向に通信を行う空気調和機のシステムにおいて、自身が主機であることが分かる予め定められたコマンドを受信したか否かを判別する第1のステップと、この第1のステップにおける判別結果に応じて自身が主機または従機であると認識する第2のステップとを含むので、リモコンの主機/従機の設定をそれ専用の設定入力を外部から与えること無しに自動的に行うことができ、以て、設定忘れ等の工事ミスを伴うことなく工事工程等の簡略化を図ることができる空気調和機の制御方法を得ることができ、また、第1のステップは、空気調和機本体より給電された後、初めて、空気調和機に関する操作入力を受けた際に、自身が主機であることが分かる予め定められたコマンドを他のリモコンに対して送信するステップを含み、第2のステップは、そのコマンドを自身が送信する以前に他のリモコンからそのコマンドを受信した場合には、自身は従機であるという認識をするステップを含み、更に、第1のステップは、自身は従機であるという認識をした以降は空気調和機に関する操作入力を受けた際にもそのコマンドを送信しないステップを含むので、リモコンの主従設定をそれ専用の入力手順を行う必要が無く、主従設定専用入力手順を省いた、安価で、据付工事が簡易で、施行性に優れた空気調和機の制御方法を得ることができるという効果がある。
【0047】
請求項8の発明によれば、第1のステップは、空気調和機に関する操作入力を受ける度に繰り返し、自身が主機であることが分かる予め定められたコマンドを他のリモコンに対して送信するステップを含み、第2のステップは、空気調和機に関する操作入力を受ける度に繰り返し、自身が主機であることを認識するステップと、コマンドを他のリモコンから受信した場合には自身は従機であるという認識をするステップとを含むので、常に最後の操作入力を受けたリモコンが主機に設定される動作が可能となり、使用者のいる位置に近い温度等の環境入力情報をもって制御を行う快適な空気調和動作が可能な空気調和機の制御方法を得ることができるという効果がある。
【0048】
請求項9の発明によれば、空気調和機本体およびリモコンに内蔵されるセンサ入力手段からの入力情報のうち、何れか1台のリモコンからの入力を有効とし上記空気調和機本体の制御を行う際、主機の認識をしたリモコンの入力を有効とする第3のステップを含むので、最後に使用者により操作されたリモコンに内蔵されたセンサを有効とし、使用者の周辺の環境条件例えば温度条件を用いた空気調和機の制御が可能となり、快適な空気調和動作が可能な空気調和機の制御方法を得ることができるという効果がある。T
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1を示すブロック図である。
【図2】 この発明の実施の形態1におけるリモコンのマイコン制御部の動作を示すフローチャートである。
【図3】 この発明の実施の形態2におけるリモコンのマイコン制御部の動作を示すフローチャートである。
【図4】 この発明の実施の形態3におけるリモコンのマイコン制御部の動作を示すフローチャートである。
【図5】 従来の空気調和機の制御装置を示すブロック図である。
【符号の説明】
2A 室内機、 3A,4A リモコン、 21,22,31,41 送受信回路、 23A,35A,45A マイコン制御部、 32,42 操作入力手段、 24,33,43 センサ入力手段、 36,46 時間決定手段、 37,47 乱数発生手段。
Claims (9)
- 信号線により空気調和機本体と単一又は複数台のリモコンが接続され双方向に通信を行う空気調和機のシステムにおいて、
上記リモコンが、
自身が主機であることが分かる予め定められたコマンドを受信したか否かを判別する判別手段と、
該判別手段の判別結果に応じて自身が主機または従機であると認識する認識手段とを備え、
上記リモコンは、上記空気調和機本体より給電された時点から、所定時間後に、上記コマンドを他のリモコンに対して送信し、かつ自身が主機であるということを認識し、そのコマンドを自身が送信する以前に他のリモコンから受信した場合には、そのコマンドを送信せずに、自身は従機であるという認識をすることを特徴とする空気調和機の制御装置。 - 信号線により空気調和機本体と単一又は複数台のリモコンが接続され双方向に通信を行う空気調和機のシステムにおいて、
上記リモコンが、
自身が主機であることが分かる予め定められたコマンドを受信したか否かを判別する判別手段と、
該判別手段の判別結果に応じて自身が主機または従機であると認識する認識手段とを備え、
上記リモコンは、上記空気調和機本体より給電された後、初めて、空気調和機に関する操作入力を受けた際に、上記コマンドを他のリモコンに対して送信し、かつ自身が主機であるということを認識し、そのコマンドを自身が送信する以前に他のリモコンからそのコマンドを受信した場合には、自身は従機であるという認識をし、以降は空気調和機に関する操作入力を受けた際にもそのコマンドを送信しないことを特徴とする空気調和機の制御装置。 - 上記リモコンは、空気調和機に関する操作入力を受ける度に繰り返し、上記コマンドを他のリモコンに対して送信し、かつ自身が主機であることを認識し、そのコマンドを他のリモコンから受信した場合には自身は従機であるという認識をすることを特徴とする請求項2記載の空気調和機の制御装置。
- 上記空気調和機本体または上記リモコンに内蔵されるセンサ入力手段からの入力情報のうち、何れか1台のリモコンからの入力を有効とし、上記空気調和機本体の制御を行う際、主機の認識をしたリモコンの入力を有効とするようにしたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の空気調和機の制御装置。
- 上記所定時間は、各々のリモコンが持つクロック周波数の物理的バラツキ等を利用して出力値を決定する機能を持つ乱数発生手段の出力に基づいて決定されることを特徴とする請求項1記載の空気調和機の制御装置。
- 信号線により空気調和機本体と単一又は複数台のリモコンが接続され双方向に通信を行う空気調和機のシステムにおいて、
自身が主機であることが分かる予め定められたコマンドを受信したか否かを判別する第1のステップと、
該第1のステップにおける判別結果に応じて自身が主機または従機であると認識する第2のステップとを含み、
上記第1のステップは、上記空気調和機本体より給電された時点から、所定時間後に、自身が主機であることが分かる予め定められたコマンドを受信しなければ、そのコマンドを他のリモコンに対して送信し、そのコマンドを自身が送信する以前に他のリモコンから受信した場合には、そのコマンドを送信しないステップを含み、
上記第2のステップは、上記所定時間後に、自身が主機であることが分かる予め定められたコマンドを受信しなければ、自身が主機であるということを認識せず、そのコマンドを自身が送信する以前に他のリモコンから受信した場合には、自身は従機であるという認識をするステップを含むことを特徴とする空気調和機の制御方法。 - 信号線により空気調和機本体と単一又は複数台のリモコンが接続され双方向に通信を行う空気調和機のシステムにおいて、
自身が主機であることが分かる予め定められたコマンドを受信したか否かを判別する第1のステップと、
該第1のステップにおける判別結果に応じて自身が主機または従機であると認識する第2のステップとを含み、
上記第1のステップは、上記空気調和機本体より給電された後、初めて、空気調和機に関する操作入力を受けた際に、自身が主機であることが分かる予め定められたコマンドを他のリモコンに対して送信するステップを含み、
上記第2のステップは、そのコマンドを自身が送信する以前に他のリモコンからそのコマンドを受信した場合には、自身は従機であるという認識をするステップを含み、
更に、上記第1のステップは、自身は従機であるという認識をした以降は空気調和機に関する操作入力を受けた際にもそのコマンドを送信しないステップを含むことを特徴とする空気調和機の制御方法。 - 上記第1のステップは、上記空気調和機に関する操作入力を受ける度に繰り返し、自身が主機であることが分かる予め定められたコマンドを他のリモコンに対して送信するステップを含み、
上記第2のステップは、上記空気調和機に関する操作入力を受ける度に繰り返し、自身が主機であることを認識するステップと、上記コマンドを他のリモコンから受信した場合には自身は従機であるという認識をするステップとを含むことを特徴とする請求項7記載の空気調和機の制御方法。 - 上記空気調和機本体および上記リモコンに内蔵されるセンサ入力手段からの入力情報のうち、何れか1台のリモコンからの入力を有効とし上記空気調和機本体の制御を行う際、主機の認識をしたリモコンの入力を有効とする第3のステップを含むことを特徴とする請求項6〜8のいずれかに記載の空気調和機の制御方法。
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