JP3820813B2 - 連結構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ユニット化された装置の各ユニットの連結などに好適な連結構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、プログラマブルコントローラでは、主制御装置としてのCPUを内蔵したCPUユニット(基本ユニット)を備えており、各種のセンサやスイッチ等の入力機器からのデータを取り入れて所定のプログラムに従って処理し、その制御出力によって各種のリレー、開閉器、ソレノイド等の出力機器を作動させ、流体式あるいは電動式の各種アクチュエータを作動制御する場合などに利用される。また、接続する入力機器や出力機器の数が多い場合には、このCPUユニットに増設ユニットを連結して使用する。
【0003】
このCPUユニットと増設ユニットとの連結は、図9に示されるように、互いに側面に設けられたコネクタ30,31を接続するとともに、一方のユニット32の側面上下の連結用開口34に、他方のユニット33の側面上下の鉤形の連結片35を挿入し、前記連結用開口34に近接するスライドロック部材36をスライド操作してケース内部で連結片35をスライドロック部材36によって抜け止め係止することで、両ユニット32,33が密着状態で並列連結されるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
図10は、上述のスライドロック部材36の組み込みの手順を説明するための要部の分解斜視図である。スライドロック部材36は、副ケース37に形成された取付溝38からその軸部36aを挿入してスライド溝39に沿ってスライド可能に取り付けられ、その後、副ケース37に、配線基板40および主ケース41を組み付けることで、主ケース41の閉塞片42が前記取付溝38を閉塞して図9に示される状態となるように構成されている。
【0005】
このような従来例の連結構造では、スライドロック部材36を、副ケース37に組み込んだ後に、配線基板40および主ケース41を組み付けなければならず、いつでも簡単に組み込むことはできず、組み立て工程における自由度がなく、また、スライドロック部材36の組み込みを失念してユニットを組み立ててしまったような場合には、ユニット全体を分解して主ケース42および副ケース37を分離するとともに、配線基板40を外してスライドロック部材36を組み込まねばならず、組み込みが面倒であるという難点がある。
【0006】
本発明は、このような点に着目してなされたものであって、スライドロック部材をいつでも簡単に組み込めるようにして組付け作業性を高めることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明では、上記目的を達成するために、次のように構成している。
【0008】
すなわち、本発明の連結構造は、ケースに形成された連結口に、連結すべき相手方の連結片を挿入し、前記ケースに組み込まれたスライドロック部材をスライド操作して前記連結片をスライドロック部材によって抜け止め係止して連結する連結構造において、前記スライドロック部材は、前記ケースに形成されたスライド用開口からケース内方へ向けて挿入されてケースに組み込まれるものであり、スライドロック部材の前記ケース内に挿入される部分には、スライド方向に延びる延出片を備え、前記ケースの内面には、スライドロック部材が前記スライド用開口から表裏面を逆にして挿入されたときに、前記延出片に当接して挿入を阻止する突起が立設されているものである。
【0009】
ここで、ケース内方へ向けてとは、スライドロック部材がケース外からケース内方へ向けて挿入されることをいい、ケースの内方へ向かう方向であれば、斜め方向であってもよい。
【0010】
本発明によると、ケースに形成されたスライド用開口からスライドロック部材を、ケース内方へ向けて挿入して組み込むので、簡単に組み込むことができるとともに、組み立て工程における自由度が高まり、また、スライドロック部材の組み込みを失念して組み立ててしまったような場合にも、全体を分解するといった必要がなく、ケースのスライド用開口から簡単に組み込むことができる。また、ケース内面に立設された突起によってスライドロック部材の誤挿入を防止できる。
【0011】
本発明の一実施態様においては、前記スライドロック部材は、前記スライド用開口よりも幅広の操作部と、ケース内に挿入されて前記操作部の端面との間でスライド用開口の両側周縁部を挟むように、両側面のスライド方向前後2箇所から該スライド用開口の幅方向に突出する4個の突出部と、前記連結片が挿通されてロック位置では前記連結片を係止し、ロック解除位置では、前記連結片の挿抜を許容する挿通孔とを備え、前記突出部は、ケース内方側の突出が少ないテーパ状に形成されるものである。
【0012】
本発明によると、操作部の端面との間で、スライド用開口の周縁部を挟むように突出する突出部は、ケースの内方側が突出の少ないテーパ状、すなわち、ケースの外方側(スライド用開口側)から内方側へ徐々に突出が少なくなるようなテーパ面となっているので、このテーパ面に沿ってスライド用開口から容易に挿入できるとともに、一端挿入すると、スライドロック部材がスライド用開口から容易に抜け出ることがない。
【0013】
また、本発明の一実施態様においては、前記スライドロック部材の延出片は、ケース内面の係合部に係合する位置決め用係合部を有する。
【0014】
本発明によると、スライドロック部材の位置決め用係合部がケース内面の係合部に係合してロック位置やロック解除位置の位置決めが確実に行われる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の態様を図面に基づいて説明する。
【0019】
図1は、本発明の一つの実施の形態に係るユニットの連結構造が適用されるプログラマブルコントローラの基本ユニット(CPUユニット)Uおよび増設ユニットSUを示す斜視図である。
【0020】
基本ユニットUは主制御装置としてのCPUを内蔵しており、各種のセンサやスイッチ等の入力機器からのデータを取り入れて所定のプログラムに従って処理し、その制御出力によって各種のリレー、開閉器、ソレノイド等の出力機器を作動させ、流体式あるいは電動式の各種アクチュエータを作動制御する場合などに利用される。また、接続する入力機器や出力機器の数が多い場合には、この基本ユニットUに増設ユニットSUを接続して使用するものである。
【0021】
基本ユニットUの側面の上下、つまり、カバーケース1の側面上下に連結用開口2が設けられるとともに、各開口2に近接して後述するスライドロック部材3が前後にスライド操作可能に装着され、かつ、基本ユニットUの側面の3ヵ所には位置決め孔4が形成されている。これに対して、増設ユニットSUの側面には、前記連結用開口2に差し込まれる鉤形の連結片5と、前記位置決め孔4に挿入される位置決めピン6が設けられており、連結用開口2に差し込まれた連結片5をスライドロック部材3によって抜け止め係止することで、基本ユニットUに増設ユニットSUが並列連結されるようになっている。
【0022】
また、増設ユニットSUの側面には、基本ユニットUの側面に臨設されたコネクタ7に対応するコネクタ8が突設されており、上記のように両ユニットU,SUが機械的に位置決め接続されることで、両コネクタ7,8が接続されて、電気回路的にも接続されるようになっている。
【0023】
なお、増設ユニットSUの他方の側面には、さらに別の増設ユニットSUを連結できるように、基本ユニットUと同様に、連結用開口2、スライドロック部材3およびコネクタ7などが配設されている。
【0024】
この実施の形態では、ユニットの連結構造に特徴を有するものであって、この特徴的な構成は、基本ユニットUおよび増設ユニットSUも同様であるので、以下の説明においては、基本ユニットUについて説明する。
【0025】
図2は、基本ユニットUのフロントカバー9を外した状態の斜視図であり、この基本ユニットUは、高さおよび奥行きに比べて横幅が小さい箱形に構成されており、そのケースは、制御機器を内蔵した樹脂製の本体ケース11と、これに嵌合連結される上述のカバーケース1と、前面に係止連結された透明樹脂製のフロントカバー9とからなり、フロントカバー9の下半部に並列形成された一対の縦長開口12に、入力機器を接続する入力コネクタ13と出力機器を接続する出力コネクタ14とがそれぞれ臨設されている。また、フロントカバー9の上部左方には、揺動蓋15によって開閉される開口16が形成され、その内部にプログラム設定用の処理データを入力するためのコネクタ17が配備されている。また、本体ケース11の上面には、係脱自在な蓋18によって開閉されるバッテリ収容部が備えられるとともに、カバーケース1には、係脱自在な蓋によって開閉される開口19が形成され、ここに増設ユニット接続用のコネクタ7が臨設されている。
【0026】
この基本ユニットUの樹脂製のケースは、図3に示すように、本体ケース11と、これに嵌合連結されるカバーケース1とからなる分割構造となっており、カバーケース11の上下および奥部からから突設した5本の連結爪20を、本体ケース11の上下および奥部に形成した連結孔21に係合させて、本体ケース11とカバーケース1とを連結するよう構成されている。また、本体ケース11とカバーケース1のそれぞれの側壁前端部から突設された脚柱22,23の先端同士が突き合わせ差し込み連結されて、ケースの前部の開口側の補強が図られている。
【0027】
カバーケース1の側面の上下には、上述のように増設ユニットSUを連結するための連結用開口2が形成されている。
【0028】
この実施の形態では、スライドロック部材3を、簡単にいつでも組み込むことができるように、カバーケース1の連結用開口2に近接する上下面には、スライド方向に長い矩形のスライド用開口24が形成されており、このスライド用開口24からスライドロック部材3が挿入されて組み込まれるように構成している。
【0029】
図4は、スライドロック部材3の拡大した斜視図である。
【0030】
樹脂製のスライドロック部材3は、上面に滑り止めの段差が形成された操作部3aと、この操作部3aの下側の端面31aとの間でカバーケース1のスライド用開口24の周縁部を挟むように突出するテーパ状の突出部3bと、カバーケース1の連結用開口2から挿入された相手方の増設ユニットSUの鉤形の連結片5が挿通する挿通孔3cと、スライド方向に沿って延出された延出片3dとを備えている。
【0031】
操作部3aは、その幅がカバーケース1のスライド用開口24の幅よりも広く形成されており、スライド用開口24から操作可能にケース外に突出して取り付けられる。
【0032】
突出部3bは、両側面の前後2箇所の計4箇所に形成されており、この突出部3bは、操作部3aの下側の端面31aに対向する端面31bを有し、この端面31bからケースの内方側ほど突出量が少なくなるテーパ状に形成されており、前記端面31bの部分の突出量が最も大きく、この部分では、両側の突出部3bの幅が、スライド用開口24の幅よりもやや大きくなっており、操作部3aの下側の端面31aとの間でスライド用開口24の周縁部を挟んだ状態でスライドできるように構成されている。なお、突出部3bは、4箇所に限るものではなく、また、スライド方向に連続的に形成してもよい。
【0033】
カバーケース1の連結用開口2から挿入された増設ユニットSUの連結片5が挿通される挿通孔3cは、ロック位置では連結片5を係止し、ロック解除位置では、連結片5の挿抜を許容するものであって、この挿通孔3cは、連結片5の挿抜を許容する大きな開口部分31cと、連結片5の鉤形の先端を係止する幅の狭いロック溝部分32cとを有している。
【0034】
スライド方向に延びる延出片3dは、その先端の両側にスライド用開口24の幅方向に突出する位置決め用凸部31dが形成されており、一方、カバーケース1の内面には、後述の図6に示されるように、位置決め用凸部31dが係合する凹部25が、ロック位置およびロック解除位置に対応して2箇所形成されており、スライドロック部材3のスライド操作に応じて、該スライドロック部材3の位置決め用凸部31dが、カバーケース1の内面の凹部25に係合するように構成されている。
【0035】
このスライドロック部材3のケース内に挿入される部分は、延出片3dの先端の位置決め用凸部31dと、テーパ状の突出部3bの端面付近とを除いてスライド用開口24の幅よりも狭く形成されている。
【0036】
この実施の形態では、以上の構成を有するスライドロック部材3を、図5に示されるようにしてカバーケース1に組み込むものである。
【0037】
すなわち、カバーケース1の上面に形成されたスライド方向に長い矩形のスライド用開口24からスライドロック部材3の延出片3d側をケース内方へ挿入する。このとき、延出片3dの先端部には、上述の位置決め用凸部31dが形成されているので、これら凸部31dの突出方向がスライド用開口24の長手(スライド方向)に沿うようにして矢符Aで示されるように挿入する。
【0038】
スライドロック部材3の延出片31dを挿入した後は、スライドロック部材3を、矢符Bで示されるように約90度回転させて延出片31dが、図6に示されるようにカバーケース1の内面の凹部25に向かうように押し込んでいく。このとき、スライド用開口24の幅よりもやや広い突出部3bは、テーパ状になっているので、そのテーパ面に沿って上方から容易に挿入できるとともに、一旦挿入すると、突出部3bの端面31bが、操作部3aの下側の端面31aとの間でスライド用開口24の周縁部を挟み込むので、簡単に抜け出すことがなく、また、スライド操作をガイドすることになる。
【0039】
なお、カバーケース1の下側のスライドロック部材3も同様にして組み込まれる。
【0040】
この実施の形態では、カバーケース1の上下に組み込まれるスライドロック部材3は、同一形状のスライドロック部材3の表裏を逆に組み込むことで兼用しており、このため、表裏面を逆にした誤挿入を防止するために、カバーケース1の内面には、誤挿入にしたときに、スライドロック部材3の延出片3dが当接して挿入を阻止する阻止突起26が、図6に示されるように形成されている。
【0041】
図7は、カバーケース1にスライドロック部材3を組み込んだ状態を、カバーケース1の内面側から見た図であり、上側のスライドロック部材3は、ロック解除位置にあり、下側のスライドロック部材3は、ロック位置にある状態を示している。
【0042】
ロック解除位置では、スライドロック部材3の挿通孔3cの大きな開口部分31cが連結用開口2に臨んで連結片5の挿抜を許容し、ロック位置では、スライドロック部材3の挿通孔3cのロック溝部分32cが連結用開口2に臨んで挿入された連結片5の鉤形の先端を係止して抜け止めを図るようになっている。
【0043】
図8は、基本Uユニットと増設ユニットSUとを連結した状態の一部断面図であり、この図8に示されるように、連結用開口2から挿入された連結片5が、スライドロック部材3の挿通孔3のロック溝部分32cで係止されて抜け止めが図られる。
【0044】
この実施の形態では、プログラマブルコントローラに適用して説明したけれども、本発明は、プログラマブルコントローラに限るものではなく、ユニット電源やその他のユニット化された装置の連結に適用できるものである。
【0045】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、ケースに形成されたスライド用開口からスライドロック部材を、ケース内方へ向けて挿入して組み込むので、簡単に組み込むことができるとともに、組み立て工程における自由度が高まり、また、スライドロック部材の組み込みを失念して組み立ててしまったような場合にも、全体を分解するといった必要がなく、ケースのスライド用開口から簡単に組み込むことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】両ユニットの連結を説明するための斜視図である。
【図2】基本ユニットの一部分解斜視図である。
【図3】基本ユニットのケースの構成を示す分解斜視図である。
【図4】スライドロック部材の斜視図である。
【図5】スライドロック部材の組み込みの手順を示す斜視図である。
【図6】ケース内側から見たスライドロック部材の組み込み途中の斜視図である。
【図7】スライドロック部材を組み込んだ状態のケース内側から見た図である。
【図8】両ユニットの連結状態の一部断面図である。
【図9】従来例を説明するための斜視図である。
【図10】図9のスライドロック部材の組み込み手順を示す斜視図である。
【符号の説明】
U 基本ユニット(CPUユニット)
SU 増設ユニット
1 カバーケース
2 連結用開口
3 スライドロック部材
5 連結片
24 スライド用開口
25 凹部
26 阻止突起
Claims (3)
- ケースに形成された連結口に、連結すべき相手方の連結片を挿入し、前記ケースに組み込まれたスライドロック部材をスライド操作して前記連結片をスライドロック部材によって抜け止め係止して連結する連結構造において、
前記スライドロック部材は、前記ケースに形成されたスライド用開口からケース内方へ向けて挿入されてケースに組み込まれるものであり、スライドロック部材の前記ケース内に挿入される部分には、スライド方向に延びる延出片を備え、前記ケースの内面には、スライドロック部材が前記スライド用開口から表裏面を逆にして挿入されたときに、前記延出片に当接して挿入を阻止する突起が立設されていることを特徴とする連結構造。 - 前記スライドロック部材は、前記スライド用開口よりも幅広の操作部と、ケース内に挿入されて前記操作部の端面との間でスライド用開口の両側周縁部を挟むように、両側面のスライド方向前後2箇所から該スライド用開口の幅方向に突出する4個の突出部と、前記連結片が挿通されてロック位置では前記連結片を係止し、ロック解除位置では、前記連結片の挿抜を許容する挿通孔とを備え、前記突出部は、ケース内方側の突出が少ないテーパ状に形成される請求項1記載の連結構造。
- 前記スライドロック部材の延出片は、ケース内面の係合部に係合する位置決め用係合部を有する請求項1または2記載の連結構造。
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JP23516299A JP3820813B2 (ja) | 1999-08-23 | 1999-08-23 | 連結構造 |
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JP23516299A Expired - Lifetime JP3820813B2 (ja) | 1999-08-23 | 1999-08-23 | 連結構造 |
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