JP3820467B2 - 土工事用流動化処理土の製造方法及び装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、建設現場において発生した残土を施工後の埋め戻し、構造物への裏込め、空洞部への充填などに供するために、その残土に水または泥水と、固化材とを混合してそれを流動化させる、土工事用流動化処理土(以下、流動化処理土という)の製造方法および、その方法の実施のための装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
建設現場において施工後の埋め戻し、裏込め、充填などを行うため、その現場で発生した残土を、水または泥水および、セメントなどの固化材と混合して流動化させた流動化処理土が最近注目され、これらの作業に供されるようになってきている。
【0003】
流動化処理土は、ある建設現場で発生した残土または、それに他の現場などから搬入した残土を加えたものを被処理土とし、その被処理土と、水または、粘土、シルトなどを所定の比率で調整した泥水と、セメントなどの固化材とを混練して製造する。
【0004】
このとき、被処理土にはガラ、礫などの異物が含まれている場合があり、流動化処理土の製造に際しては、予めこれら異物を除去する必要がある。そのため、まず被処理土のふるい分けを行って異物を除去する。
【0005】
また、地山強度などの所定の性質を有する流動化処理土を得るために、製造の際には特に被処理土、調整泥水、固化材の成分、重量比などの細かい調整が必要となる。
【0006】
さらに、現場においては製造した流動化処理土を直ちに打設するため、連続的な製造を行うことが望ましい。
【0007】
図11は、上記の問題点を改善すべく本願発明者が案出した流動化処理土製造装置を示す。この装置による流動化処理土の製造手順は以下の通りである。まず、泥水作製用の被処理土を解泥機47のホッパー48に投入し、回転するエンドレスチェーン49に設けたプレート50と、排出スリット51上で回転する攪拌羽根52とによってその被処理土からガラ、礫などの異物を除去すると共に、水を加えてその被処理土を解泥し、所定の密度の泥水を作製した後、この泥水をポンプ53で圧送し、スクリーン54および調泥槽55を経てポンプ56により混練機57上に設置した泥水タンク58へ送る。その後、その泥水タンク58の下部に設置した、回転数を制御したロータ59により時間当たり所定量の泥水を泥水タンク58から混練槽65に投入する。一方、被処理土を、図示しない建設機械のバケットに設けた攪拌機で、そこからガラ、礫などを除去した後、もう一つのホッパー60へ投入する。次いでその被処理土を、ホッパー60の下部に設置したスクリューコンベヤ61により一定の速度で排出し、ベルトコンベヤ62によって混練槽65上に設けた被処理土タンク63へ送る。その後、被処理土タンク63の下部に設置した、これも回転数を制御したロータ64により時間当たり所定量の被処理土を、被処理土タンク63から上記混練槽65へ投入する。そして混練槽65に投入した泥水および被処理土を、混練槽65に設けた二軸攪拌機66により混練し、これに所定量の固化材を固化材タンク67よりスクリューコンベヤ68で供給し、さらに混練して流動化処理土を製造する。製造した流動化処理土はポンプ69により、流量計70を経て圧送し、埋戻し、裏込などのために打設する。
【0008】
この装置によれば、泥水の比重および固化材の投入量を高精度で制御可能である。しかし、この装置では被処理土の密度を測定することが困難であり、そのため流動化処理土の製造に際しては、予め被処理土の投入量の概略値を設定しておき、その後製造した流動化処理土の密度を測定して、その値から被処理土の投入量を制御する。従って流動化処理土の品質(密度など)のばらつきが大きくなり、かつ製造量も一定とならないという問題がある。
【0009】
また、この製造装置においては、被処理土を供給する攪拌機付きバケットが特殊な部品であるため、入手が容易ではないという問題や、装置構成部品の数が多く、現場での設置および組み立てに時間を要し、かつ設置面積が大きいという問題もある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
それ故、本発明は、土工事用の流動化処理土の製造において、所望の性質(密度、地山強度など)を得るために被処理土、泥水、固化材の成分、重量比などの細かい成分調整を行い、また製造から打設までの工程を連続的かつ効率的に行うことができる製造方法およびその装置の提供を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明による流動化処理土の製造方法は、被処理土から連続的に異物を除去する異物除去工程と、前記工程を経た被処理土を、所定の単位時間当たりの供給量で連続的に混練槽に供給しつつ前記被処理土の密度を測定する被処理土供給工程と、水または所定の密度の泥水を所定の単位時間当たりの供給量で連続的に混練槽に供給する泥水供給工程と、前記混練槽で、前記被処理土と、前記水または泥水とを混合して得られる混合物に固化材を添加して混練することで流動化処理土を連続的に得る混練工程と、混練槽内の前記被処理土と、前記水または泥水との混合物の密度およびフロー値を測定する測定工程と、前記混合物の密度およびフロー値と、前記水または泥水および被処理土の密度とから前記所定の混合比が得られるように前記被処理土および/または水もしくは泥水の単位時間当たりの供給量を調節する供給量調節工程とを具える。
【0012】
本発明による流動化処理土の製造方法において、異物除去工程では被処理土中に含まれるガラ、礫などを連続的に除去して、土のみを得る。また被処理土供給工程では、所望の性状を有する流動化処理土の製造を連続的に行うために、所定の混合比に合わせて、単位時間当たり一定量で被処理土の供給を行う。また泥水製造工程および泥水供給工程においても、所定の混合比に合わせて、単位時間当たり一定量で泥水を製造し、供給を行う。そして混練工程においては、被処理土、泥水および固化材の混練から打設のための圧送を連続して行い、これによって流動化処理土の製造から打設までを行う。
【0013】
それ故、本製造方法によれば、所望の性質を有する流動化処理土を得るための被処理土、泥水、固化材の混合比などの細かい調整ができるとともに、被処理土、泥水および固化材の投入量を一定にすることが可能となり、それによって流動化処理土の製造量も一定とすることができる。さらに、製造から打設までの工程を連続的かつ効率的に行うことができるようになる。
【0014】
また本発明による流動化処理土の製造方法は、好ましくは、現場で発生した被処理土または、その被処理土の粘土分が少ない場合は外部より搬入した粘性土もしくはそれを被処理土に加えたものである泥水用土と水とを混合して製造する泥水製造工程を具えることを特徴とする。これによって、現場で発生した残土から、流動化処理の製造に供する泥水を製造することができる。
【0015】
さらに、本発明による流動化処理土の製造方法は、好ましくは、流動化処理土の密度およびフロー値をそれぞれ測定する測定工程とを具え、この測定工程で得られた測定値を基に泥水、被処理土および固化材の重量比などを調整することにより、所定の性質を有する流動化処理土を製造することを特徴とする。これは、一定の性状(地山強度など)を有する流動化処理土を製造するためには、被処理土、泥水および固化材の混合比(重量比)や密度、フロー値などを常に一定に保つ必要があるからであり、そのため製造時に流動化処理土の密度およびフロー値の測定を行うことによって、その結果を基に処理土、泥水および固化材の混合比の調整を精密に行って、製造する流動化処理土の品質を保つことができる。
【0016】
また、本発明は、被処理土から連続的に異物を除去する分別機と、前記分別機を通過した被処理土を所定の単位時間当たりの供給量で連続的に搬送、排出するための、スクリューコンベヤを設けたホッパーと、前記スクリューコンベヤから排出された被処理土を、所定の単位時間当たりの供給量で連続的に混練槽へ投入するための、荷重計を設けたベルトコンベヤと、所定密度の泥水または水を貯蔵する貯蔵タンクと、前記貯蔵タンクより供給された泥水または水を所定の単位時間当たりの供給量で前記混練槽に供給するための、ロータを設けた供給タンクと、固化材を所定の単位時間当たりの供給量で連続的に前記混練槽へ供給するための、スクリューコンベヤを設けた固化材タンクと、前記ベルトコンベヤおよび供給タンクからそれぞれ供給される被処理土と泥水または水とを混合し、得られた混合物に前記固化材タンクより供給される固化材を添加して混練し、流動化処理土を製造する前記混練槽と、前記混合物の密度およびフロー値を測定するため前記混練槽に設けた測定装置と、得られた流動化処理土を打設するための圧送ポンプとを具え、前記水または泥水の密度と、前記荷重計を用いて得た前記被処理土の密度と、前記測定装置で測定した前記混合物の密度およびフロー値に基づき、被処理土および/または水もしくは泥水の供給量を調節することを特徴とする、流動化処理土の製造装置に関するものである。
【0017】
本発明による流動化処理土の製造装置においては、分別機で被処理土に含まれるガラ、礫などの異物を除去し、これをホッパーに投入する。ホッパーにはスクリューコンベヤを設け、投入した被処理土を単位時間当たり一定の供給量で搬送、排出する。スクリューコンベヤから排出された被処理土を、単位時間当たり一定の供給量で混練槽に搬送するため、被処理土の重量を計測する荷重計を設けたベルトコンベヤを用い、これによって被処理土を混練槽へ搬送する。また、泥水または水を単位時間当たり一定の量で混練槽に供給するため、供給タンクにロータを設け、ロータの回転により泥水または水の供給量を制御する。さらに固化材タンクにもスクリューコンベヤを設け、固化材を単位時間当たり一定量で混練槽に供給する。そして混練槽に設けた、製造した流動化処理土の密度およびフロー値を測定する測定装置により、測定した密度およびフロー値を基に流動化処理土の品質を管理する。
【0018】
従って、本製造装置によれば、所望の性質を有する流動化処理土を得るための被処理土、泥水、固化材の混合比などの細かい調整ができるとともに、被処理土、泥水および固化材の投入量を一定にすることが可能となり、それによって流動化処理土の製造量も一定とすることができる。さらに、製造から打設までの工程を連続的かつ効率的に行うことができるようになる。
【0019】
また、本発明による製造装置は、好ましくは、泥水の製造と、この泥水を用いた流動化処理土の製造を、一つの混練槽で行うことを特徴とする。すなわち、まず被処理土と水を混練槽に投入し、所定の性質を有する泥水を製造した後、同じ混練槽に被処理土と、前記製造した泥水および固化材を投入し、流動化処理土を製造するものである。その結果、泥水製造から流動化処理土の製造および打設までを連続的に行うことが可能となり、また混練槽を一つにすることによって、装置の構成部品の数を低減でき、かつ広い設置場所を必要としなくても済むので、現場での流動化処理土の製造および埋戻し、裏込め等の施工を連続して行うことが可能となる。
【0020】
さらに、本発明に係る製造装置には、製造した流動化処理土の密度およびフロー値を測定するため、所定ヘッドまで前記混合物を圧送するポンプと、前記圧送時の圧力を測定する圧力計と、前記圧送時の流量を計測する流量計とを具える測定装置を設けても良い。この測定装置によれば、流動化処理土の製造装置で密度とフロー値とを同時にかつ簡便に計測することができ、それによって得られた密度およびフロー値を基に流動化処理土の品質管理を行い、品質の一定した流動化処理土の製造を図ることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について詳述する。
【0022】
図1は、本発明に基づく流動化処理土の製造装置を概略示す系統図である。本装置は、被処理土からガラ、礫などを除去する分別機1、前記分別機1を通過した被処理土を混練槽へ供給する供給ホッパー5、被処理土を混練槽へ搬送するベルトコンベヤ7、泥水供給タンク9、混練槽11、固化材タンク14、泥水または水を貯蔵する貯蔵タンク16および予備貯蔵タンク17、製造した流動化処理土を貯留する貯留槽18および製造した流動化処理土を打設するための圧送ポンプ19を具える。
【0023】
分別機1には、被処理土を投入するホッパー2、被処理土からガラ、礫などを除去するための分別ロータ3および前記ガラ、礫などを除去した被処理土を排出するためのスリット4を設けている。また、供給ホッパー5には、被処理土供給のためのスクリューコンベヤ6を、固化材タンク14には固化材供給のためのスクリューコンベヤ15をそれぞれ設け、これらはそれぞれ図示しない駆動手段により駆動する。
【0024】
ベルトコンベヤ7には、被処理土の重量を測定するための荷重計8を設け、泥水供給タンク9には、泥水を一定量で供給するためのロータ10を設けている。また混練槽11には2軸攪拌機12を設け、この2軸攪拌機12は図示しない駆動手段により駆動する。
【0025】
泥水または水の貯蔵タンク16および予備貯蔵タンク17には、泥水または水を供給タンク9へ送るポンプ20および配管21、バルブ22、配管23をそれぞれ設け、その配管23と供給タンク9との間には、三方バルブ24、圧力計25および流量計26からなる泥水密度測定部を設け、密度およびフロー値の測定の際には三方バルブ24を切換えて、前記測定部の圧力計25および流量計26へ泥水が流れるようにする。
【0026】
さらに混練槽11の一部にトラップ13を設けて、製造した泥水または流動化処理土をそこに貯留できるようにし、このトラップ13に、ポンプ27、バルブ28、圧力計29、流量計30およびこれらを繋ぐ配管31を具える密度およびフロー値の測定装置32を設ける。同様に、貯留槽18にも密度およびフロー値の測定装置32を設ける。なお、この測定装置32による密度およびフロー値の測定方法は、後述の品質管理方法のところで詳述する。
【0027】
圧送ポンプ19の下流の配管に三方バルブ33を設ける。このバルブは、後述するように、泥水製造の際、製造した泥水を貯留タンク16および予備タンク17に送るため、および流動化処理土製造の際、所望の性質を有する処理土が得られなかった場合に再度混練を行うためのものである。そのため、前記三方バルブ33と貯留タンク16または予備タンク17とを繋ぐ戻り管34を設ける。
【0028】
図2に分別機1の外観を示す。分別機1は、被処理土を投入するホッパー2、投入した被処理土からガラ、礫などの異物を除去するための分別ロータ3およびこのロータを駆動するモータ36を具え、また分別機1の底面に近い側面の一部に、異物を除去した被処理土を排出するためのスリット4を設けている。なお、分別ロータ3の翼部およびスリット4を図3および図4にそれぞれ示す。
【0029】
図5は、泥水供給タンク9の下部に設けたロータ10を示す。図に示すようにロータ10は、ケース37と、軸38と、この軸に取り付けた7枚の羽根39を具え、図示しない駆動手段により軸38が回転する。各羽根の先端部には、ケース内壁と羽根先端部との間をシールするためのゴム板40を設けている。そのため、軸の回転により、タンクから供給された泥水が隣合う2枚の羽根とケース内壁との間に一定量だけ一時的に収容され、その後排出される。従って、ロータの回転速度に応じた所定量の泥水が供給されることとなる。
【0030】
図6は、混練槽11に設けたトラップ13の断面を示す。図6(b) に示すように、混練槽11のトラップ13を設けた側の壁面にはスリット41を設け、これにより泥水または処理土の一部がトラップに貯留される。貯留された泥水または処理土はポンプ27で吸引されて、図6には図示していない圧力計29および流量計30によりその圧力、流量が測定される。
【0031】
図7は、本発明に係る流動化処理土の製造工程を示すフローチャートである。
【0032】
次に図1および図7に基づき、本発明による流動化処理土の製造手順について説明する。
【0033】
まず、図7の工程Aで、泥水用として、現場で発生した残土(被処理土)42または、その被処理土の粘土分が少ない場合は外部より搬入した粘性土もしくはそれを被処理土に加えたものである泥水用土を分別機1のホッパー2に投入し、ロータ3によってガラ、礫などの異物43を除去した後、供給ホッパー5へ投入する。供給ホッパー5に投入された泥水用土は、スクリューコンベヤ6により単位時間当たりの排出量を規制されつつホッパー下のベルトコンベヤ7に排出される。このとき、スクリューコンベヤ6の回転速度に基づき、その排出量を測定する。次いでベルトコンベヤ7により混練槽11への搬送が行われるが、ベルトコンベヤ7に設けた荷重計8により、その泥水用土の重量を測定する。これと並行して貯蔵タンク16より供給タンク9に水を供給する。混練槽11に搬送された泥水用土に、その重量に応じて前記供給タンクより水を供給し、混練(解泥)を行い泥水を製造する。
【0034】
製造した泥水は、貯留槽18、圧送ポンプ19、三方バルブ33および戻り管34を経て予備タンク17に貯蔵する。また、製造時に、混練槽11のトラップ13に設けた密度およびフロー値の測定装置32により泥水の密度およびフロー値を測定し、所定の値が得られなかった場合、予備タンク17に貯蔵した泥水を再度供給タンク9を経て混練槽11に投入し、これに泥水用土および水を添加して再度混練を行う。
【0035】
所定の性状を有する泥水を製造した後、図7の工程Bで流動化処理土の連続的製造を行う。前述した泥水の製造手順と同様、ホッパー2に投入して分別機1で異物を除去した被処理土42を、供給ホッパー5、ベルトコンベヤ7を経て混練槽11へ投入し、前記の工程Aで製造した泥水と混合して、混練を行う。これに固化材タンク14より固化材を投入し、さらに混練を行う。製造した流動化処理土は貯留槽18へ排出され、この貯留槽18に設けた密度およびフロー値の測定装置32により測定を行う。測定の結果所定の性質が得られた場合、圧送ポンプ19により圧送し、流量計35を経て打設する。一方、所定の性質が得られなかった場合は、前述の泥水の場合と同様、戻り管34側に三方バルブ33を切換えて混練槽11に戻し、被処理土、泥水および固化材を再度添加して混練を行う。
【0036】
次に、本発明に基づく製造装置における流動化処理土の品質管理手順について、図8を参照して説明する。
【0037】
まず、泥水または水については、図8の工程Cに示すように、図1に示す貯留タンク16からポンプ20により供給タンク9へ送る際、途中の配管23に設けた圧力計25および流量計26により圧力および流量をそれぞれ測定し、その値から密度を求める。その後、供給タンク9下部のロータ10の回転速度により、混練槽11への泥水の供給量を制御する。
【0038】
被処理土42については、図8の工程Dに示すように、供給ホッパー5に設けたスクリューコンベヤ6の回転速度により、単位時間当たりの排出量を測定する。次いでベルトコンベヤ7に設けた荷重計8により重量を測定し、この値と前述の排出量から密度を求める。
【0039】
次いで、図8の工程Eに示すように、泥水と被処理土とを混練した後、混練槽11に設けた密度およびフロー値測定装置32によりその混合物の密度およびフロー値を求め、その結果に基づき、泥水または被処理土の供給量をフィードバック制御する。
【0040】
泥水と被処理土の混合物が所定の性質(密度、フロー値)を満足したら、固化材を、固化材タンク14に設けたスクリューコンベヤ15の回転速度により規制した所定の量だけ前記混合物に添加する。これによって得られた流動化処理土は貯留槽18に設けた密度およびフロー値測定装置32により密度およびフロー値を測定し、所定の値を満たしていれば圧送ポンプ19により圧送し、打設に供する。なお、所定の値が満たされていない場合は、固化材の供給を止めて、流動化処理土を図8に二点鎖線で示すように泥水タンクを経て混練槽11に戻し、再度混練を行う。
【0041】
図9に密度およびフロー値の測定装置32の概略を示す。本測定装置は、ポンプ27、電磁バルブ28、圧力計29、流量計30およびこれらを繋ぐ配管31を具える。以下、本測定装置による密度およびフロー値の測定手順を示す。
【0042】
まず、予め清水により装置の調整を行う。バルブ28を開放してポンプ27により清水を圧送し、このときの流量および圧送圧力を測定する。次にバルブ28を閉鎖し、配管31内に清水を溜めたときのヘッド圧力を測定する。その後、泥水または流動化処理土を圧送し、流量および圧送圧力を測定する。
【0043】
以上の測定結果から、密度およびフロー値を以下のようにして求める。密度は、前記の測定で得られた清水および泥水または流動化処理土それぞれの流量、圧送圧力およびヘッド圧力から、清水のヘッド圧力と、泥水または流動化処理土のヘッド圧力との比より換算して求める。これは、清水の密度が既知(1tf/m3 )であり、また測定装置の配管の高さ(図9に示すhの値)も一定であることから、泥水または流動化処理土の密度は、前記の測定で得られた流量およびヘッド圧力から、清水の密度に対して相対的に求めることができることによる。
【0044】
一方フロー値については、圧送時の流量および圧送圧力より求める。すなわち、予め流量一定とした場合の圧力とフロー値との相関、および圧力一定とした場合の流量とフロー値との相関を求め、測定値と前述の二つの相関から、フロー値を求める。これは、フロー値とは泥水および流動化処理土の流動性を示す値であり(日本道路公団基準(JHS A 313-1992)参照)、フロー値が小さい、すなわち流動性が低い場合には、圧送時における流動抵抗が大きくなるためより高い圧力が必要であり、一方フロー値が大きい、すなわち流動性が高い場合には、流動抵抗が小さいため圧送時には低い圧力で済むことから、予め圧送圧力とフロー値との間の関係を求めることにより、任意の圧送圧力に対する泥水および流動化処理土のフロー値が得られることによる。なお、前述の相関を示すグラフの一例を図10に示す。
【0045】
【発明の効果】
以上のように、本発明による方法およびこれを実施するための装置により、所望の性質を有する流動化処理土の製造を効率的に行うことが可能となり、また品質管理をも含めた工程を自動化することにより、少ない作業者数での製造が可能となる。
【0046】
さらに、本発明に係る装置は比較的狭い場所でも設置が可能であり、かつ構成部品の数も比較的少ないことから、建設現場への設置が容易であり、その場で流動化処理土を製造し、直ちに埋戻し、裏込め、充填などの作業を行うことができ、建設作業全体の効率化を図ることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による流動化処理土の製造装置の概略を示す系統図である。
【図2】本発明による流動化処理土製造装置の分別機を示す斜視図である。
【図3】本発明による流動化処理土製造装置の分別機のロータの翼部を示す図である。
【図4】本発明による流動化処理土製造装置の分別機の断面および側面のスリットを示す図である。
【図5】本発明による流動化処理土製造装置の泥水供給タンクに設けたロータを示す断面図である。
【図6】本発明による流動化処理土製造装置の混練槽のトラップ部を示す断面図およびトラップ部における混練槽の側面の一部を示す図である。
【図7】本発明による流動化処理土の製造工程を示すフローチャートである。
【図8】本発明による流動化処理土の製造工程における品質管理手順を示すフローチャートである。
【図9】本発明による流動化処理土の製造装置の密度およびフロー値測定装置の概略を示す図である。
【図10】泥水および流動化処理土における、圧送圧力とフロー値との相関の一例を示す図である。
【図11】流動化処理土製造装置の従来例の概略を示す図である。
【符号の説明】
1 分別機
2, 48 ホッパー
3 分別ロータ
4 スリット
5, 60 被処理土供給ホッパー
6, 15, 61, 68 スクリューコンベヤ
7, 62 ベルトコンベヤ
8 荷重計
9, 58 泥水供給タンク
10, 59, 64 ロータ
11, 65 混練槽
12, 52, 66 2軸攪拌機
13 トラップ
14, 67 固化材タンク
16 貯蔵タンク
17 予備貯蔵タンク
18 貯留槽
19, 53, 69 圧送ポンプ
20, 27, 56 ポンプ
21, 23, 31 配管
22, 28 バルブ
24, 33 三方バルブ
25, 29 圧力計
26, 30, 35, 70 流量計
32 密度およびフロー値測定装置
34 戻り管
36 モータ
37 ケース
38 軸
39 羽根
40 ゴム板
41 スリット
42 被処理土
43 ガラ、礫など異物
44 水または泥水
45 泥水または泥水と被処理土の混合物
46 流動化処理土
47 解泥機
49 エンドレスチェーン
50 プレート
51 被処理土排出スリット
54 ふるい
55 調泥槽
57 混練機
63 被処理土タンク
Claims (6)
- 建設現場で発生した残土である被処理土と、水または泥水と、固化材とを所定の混合比で混合してなる土工事用流動化処理土の製造において、
被処理土から連続的に異物を除去する異物除去工程と、
前記工程を経た被処理土を、所定の単位時間当たりの供給量で連続的に混練槽に供給しつつ前記被処理土の密度を測定する被処理土供給工程と、
水または所定の密度の泥水を所定の単位時間当たりの供給量で連続的に混練槽に供給する泥水供給工程と、
前記混練槽で、前記被処理土と、前記水または泥水とを混合して得られる混合物に固化材を添加して混練することで流動化処理土を連続的に得る混練工程と、
混練槽内の前記被処理土と、前記水または泥水との混合物の密度およびフロー値を測定する測定工程と、
前記混合物の密度およびフロー値と、前記水または泥水および被処理土の密度とから前記所定の混合比が得られるように前記被処理土および/または水もしくは泥水の単位時間当たりの供給量を調節する供給量調節工程とを具える、流動化処理土の製造方法。 - 請求項1記載の方法において、
泥水用土と水とを混合して泥水を製造する泥水製造工程を具えることを特徴とする、流動化処理土の製造方法。 - 請求項1記載の方法において、
得られた流動化処理土の密度およびフロー値を測定する測定工程を具えることを特徴とする、流動化処理土の製造方法。 - 建設現場で発生した残土である被処理土と、水または泥水と、固化材とを所定の混合比で混合してなる土工事用流動化処理土の製造装置において、
被処理土から連続的に異物を除去する分別機と、
前記分別機を通過した被処理土を所定の単位時間当たりの供給量で連続的に搬送、排出するための、スクリューコンベヤを設けたホッパーと、
前記スクリューコンベヤから排出された被処理土を、所定の単位時間当たりの供給量で連続的に混練槽へ投入するための、荷重計を設けたベルトコンベヤと、
所定密度の泥水または水を貯蔵する貯蔵タンクと、
前記貯蔵タンクより供給された泥水または水を所定の単位時間当たりの供給量で前記混練槽に供給するための、ロータを設けた供給タンクと、
固化材を所定の単位時間当たりの供給量で連続的に前記混練槽へ供給するための、スクリューコンベヤを設けた固化材タンクと、
前記ベルトコンベヤおよび供給タンクからそれぞれ供給される被処理土と泥水または水とを混合し、得られた混合物に前記固化材タンクより供給される固化材を添加して混練し、流動化処理土を製造する前記混練槽と、
前記混合物の密度およびフロー値を測定するため前記混練槽に設けた測定装置と、
得られた流動化処理土を打設するための圧送ポンプとを具え、
前記水または泥水の密度と、前記荷重計を用いて得た前記被処理土の密度と、前記測定装置で測定した前記混合物の密度およびフロー値に基づき、被処理土および/または水もしくは泥水の供給量を調節することを特徴とする、流動化処理土の製造装置。 - 請求項4記載の装置において、泥水の製造と、この泥水を用いた流動化処理土の製造を同一の混練槽により行うことを特徴とする流動化処理土製造装置。
- 前記測定装置は、所定ヘッドまで前記混合物を圧送するポンプと、前記圧送時の圧力を測定する圧力計と、前記圧送時の流量を計測する流量計とを具えることを特徴とする、請求項5記載の装置用の測定装置。
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