JP3820322B2 - 設備分散型電子連動装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、鉄道信号制御用の電子連動装置に係り、特に、複数の電子連動装置により1つの駅における信号機、転てつ機を制御する設備分散型電子連動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
以下、従来技術による電子連動装置を図面により説明する。
【0003】
図7は従来技術による電子連動装置の構成を示すブロック図である。図7において、10はネットワーク、20は進路制御系処理装置、30は連動系処理装置、50は信号機器制御装置、60(61〜63)は現場設備、70は電子連動装置である。
【0004】
1つの駅における信号機、転てつ機等の現場設備60(61〜63)を制御する電子連動装置70は、図7に示すように、列車の運行管理、保守作業管理及びそれらのマンマシンインターフェースを司る進路制御系処理装置20と、信号機、転てつ機等の現場設備60(61、62、63)を一括して制御する信号機器制御装置50と、進路制御系処理装置20からの制御指示と現場設備60からの状態情報とを取得して現場設備60に対する制御指示を信号機器制御装置50に与える連動系処理装置30とから構成される。そして、この電子連動装置70は、複数の駅を統括監視及び制御を行う図示しない中央処理装置と、ネットワーク10を介して接続されている。
【0005】
進路制御系処理装置20及び信号機器制御装置50は、それぞれ、2重系の装置構成とされ、また、連動系処理装置30は、3重系の装置構成とされており、システム全体の安全性の確保及び稼働率の向上を図っている。
【0006】
連動系処理装置30と信号機器制御装置50との間の伝送データは、連動系処理装置30が出力する制御指示情報を含む設備制御データと、信号機器制御装置50が出力する現場設備の状態情報を含む設備状態データとである。そして、それぞれのデータフォーマットは、信号機器の制御方法を制定する連動図表から作成される。また、信号機器制御装置50は、連動系処理装置30からの制御指示情報に基づいて、現場設備60(61〜63)のそれぞれを制御する。
【0007】
前述したように構成される電子連動装置70において、駅における列車運行路線が複雑になり、現場設備60の台数が多くなると、1つの連動系処理装置30によっては現場設備を制御しきれなくなる場合が生じる。このような場合、駅における列車運行路線を複数の線区に分割し、それぞれの線区に対応させて電子連動装置を設けられる。
【0008】
図8は照査てこによる列車運行路線の分割を説明する図、図9は列車運行路線を分割した場合の従来技術による電子連動装置の構成を示すブロック図である。図8、図9において、21、22は進路制御系処理装置、31、32は連動系処理装置、51、52は信号機器制御装置、64は照査てこ、65〜67は現場設備、71、72は電子連動装置、91、92は線区であり、他の符号は図7の場合と同一である。
【0009】
現場設備の台数が多く、1つの連動系処理装置の制御可能設備数を越えるような場合、図8に示すように、駅における列車運行路線を複数の線区91、92に分割し、これらの線区に対応させて連動系処理装置を設け、それぞれの連動系処理装置により各先駆内の現場設備を制御する。そして、この場合の、電子連動装置は、図9に示すように、図7に示した電子連動装置における進路制御系処理装置、連動系処理装置、及び、信号機器制御装置の制御範囲を、それぞれの線区91、92に従って、21と22、31と32、及び、51と52に分けて2台の電子連動装置71、72を構成し、その間に照査てこ64を設けて分割した線区間の制御を行うように構成される。
【0010】
照査てこ64による分割の場合、それぞれの線区91、92の列車の制御は、分割された連動系処理装置31、32がそれぞれ独立して行い、双方の線区を通過する列車の運行を行う場合に、照査てこ64を用いて進路の競合すなわち列車の衝突が起こらないように行われる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
前述した駅全体を1つの電子連動装置で制御する従来技術は、保守作業や故障等による1つの電子連動装置が停止すると、駅全体の列車の運行が停止してしまい、乗客に多大な影響を与えるという問題点を有している。
【0012】
また、駅全体をいくつかの線区に分割し、照査てこを設けて制御を行う従来技術は、1つの電子連動装置の停止により駅全体の列車の運行が停止してしまうというような問題を生じさせることはないが、照査てこによる分割を行うことができるのは、線区割りが単純な場合に限られ、複数の線区が交差あるいは統合されるような複雑な路線形態を持つ駅には採用することができないという問題点を有している。
【0013】
このような問題点を解決することのできる他の従来技術として、例えば、特開昭59−48260号公報等に記載された技術が知られている。この従来技術は、信号機、転てつ器等の現場設備の物理的位置関係に対応して、それぞれに演算処理装置を割り当て、一部の装置故障が全体に波及しないように構成されるものであるが、演算装置の数が多くなる等の問題点を有しており、実用化には至っていない。
【0014】
本発明の目的は、前述した従来技術の問題点を解決し、複雑な路線形状を持つ駅においても複数の連動系処理装置により分割制御することを可能とし、かつ、複数の装置の一部が停止した場合にも、駅全体の制御が停止してしまうことを防止し、これにより、駅設備の稼働率の向上を図ることができる設備分散型電子連動装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、前記目的は、列車の運行、マンマシンインターフェースを司る進路制御系処理装置と、信号機、転てつ機等の現場設備を管理する信号機器制御装置と、前記進路制御系処理装置からの制御指示及び前記信号機器制御装置からの状態情報を取得して現場設備の制御を行う連動系処理装置とからなる電子連動装置において、前記連動系処理装置が、駅の路線を線区単位に制御範囲を分割して制御する複数の連動系処理装置により構成され、装置状態異常等により少なくとも1つの信号機器制御装置から現場設備の状態情報を正常に得ることができない場合に、当該信号機器制御装置からの設備状態情報を特定の値に初期化することにより、連動系処理装置における現場設備の制御処理を続行するものであり、前記信号機器制御装置が、駅の現場設備を地理的に分割し管理する複数の信号機器制御装置とにより構成され、前記各連動系処理装置からの現場設備の状態情報の出力要求に対して、要求元の連動系処理装置の持つ状態情報テーブルのデータフォーマットに、前記信号機器制御装置の管理範囲内の現場設備の状態情報をセットして出力するものであり、前記複数の連動系処理装置と前記複数の信号機器制御装置とをネットワークにより接続することにより達成される。
【0017】
また、前記目的は、前記連動系処理装置が、現場設備に対する制御情報をネットワークを介して全ての信号機器制御装置に出力し、制御情報を受信した信号機器制御装置が、自装置の管理範囲内の現場設備への情報を取り出して現場設備を制御することにより達成される。
【0018】
また、前記目的は、前記複数の連動系処理装置が、前記進路制御系処理装置からの制御指示情報及び各連動系処理装置の保持する現場設備の制御情報を、複数の連動系処理装置相互間で前記ネットワークを介して互いに伝送し、前記複数の連動系処理装置間で共通に制御する共通の現場設備の制御の競合を排除するように現場設備の制御を行うことにより達成される。
【0020】
さらに、前記目的は、前記信号機器制御装置が、装置状態異常等により少なくとも1つの連動系処理装置からの制御情報を正常に得ることができない場合に、当該連動系処理装置の制御範囲にある現場設備の全てを制御停止とすることにより、そして、正常な連動系処理装置が、作業員からの指示により進路制御系処理装置を介して異常の発生した連動系処理装置を無視する指示により、現場設備の制御を続行することにより達成される。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による電子連動装置の一実施形態を図面により詳細に説明する。
【0022】
図1は本発明の一実施形態による電子連動装置のシステム構成を示すブロック図、図2は本発明の一実施形態が適用される駅の列車運行路線の分割を説明する図、図3は信号機器制御装置からの設備状態情報の出力方法を説明する図、図4は連動系処理装置からの設備制御情報の出力方法を説明する図、図5は連動系処理装置相互間における現場設備の制御情報の伝送方法を説明する図、図6は連動系処理装置の制御処理の動作を説明するフローチャートである。図1〜図5において、40はネットワーク、93は線区、81、82は被制御設備である現場設備の分割域である。
【0023】
本発明の一実施形態による電子連動装置70は、列車の運行管理、保守作業管理及びそれらのマンマシンインターフェースを司る2重系に構成される進路制御系処理装置20と、進路制御系処理装置20からの制御指示と現場設備60からの状態情報とを取得して現場設備60に対する制御指示を信号機器制御装置50に与える連動系処理装置30と、連動系処理装置30からの指示に基づいて現場設備60(61〜67)を制御する信号機器制御装置50と、連動系処理装置30と信号機器制御装置50とを接続するネットワーク40とを備えて構成されている。
【0024】
そして、連動系処理装置30は、それぞれが3重系に構成され、線区別に設けられる2つの連動系処理装置31、32により構成され、また、信号機器制御装置50は、それぞれが2重系に構成され、地理的要因に分けられた各分割域内の現場設備を制御する2つの信号機器制御装置51、52により構成される。そして、ネットワーク40は、連動系処理装置31及び32と、信号機器制御装置51及び52とを相互に接続するネットワークであり、連動系処理装置31、32と信号機器制御装置51、52との間、及び、連動系処理装置31、32相互間の情報の伝送を司る。
【0025】
前述において、連動系処理装置30と信号機器制御装置50とは、それぞれ2つに分割されているとしているが、本発明は、これらの装置の分割数に依存する要因はなく、例えば、それぞれが3つ以上に分割されていてもよく、また、連動系処理装置と信号機器制御装置の分割数が互いに異なっていてもよく、例えば、連動系処理装置の分割数を3、信号機器制御装置の分割数を2としてもよい。また、ネットワーク40は、ネットワークに接続された各装置間での情報伝送が可能であれば、どのような形態、特性を持つものであってもよい。但し、本発明が信号制御という応答速度を要求されるものである性格上、ネットワーク40は、情報伝達スピードの速いものが望ましく、複数の相手装置に同時に情報を伝送する機能、いわゆる、ブロードキャスト伝送あるいはマルチキャスト伝送を行うことができるものであれば最適である。
【0026】
次に、前述したような本発明の一実施形態による電子連動装置により制御される列車運行路線を分割した駅の構成例を図2を参照して説明する。
【0027】
図2に示す例は、駅全体を大きく2つに分け、線区91を片方の線区(線区Aとする)、線区92をもう片方の線区(線区Bとする)とし、線区93を線区A及び線区B間で共用する線区として構成したものである。すなわち、図2に示す例では、線区Aは線区91と線区93とにより構成され、線区Bは線区92と線区93とにより構成される。そして、各線区A、Bは、連動系処理装置31と32とにより分割制御される。これに対し、現場設備60は、線区によらずに地理的要因により分割される。図2に示す例では、被制御設備としての現場設備の分割域81内に配置される現場設備と、分割域82内に配置される現場設備とに分割される。そして、分割された各郡内の現場設備は、それぞれ、信号機器制御装置51と52とにより分割制御される。
【0028】
次に、図3を参照して信号機器制御装置からの設備状態情報の出力方法を説明する。
【0029】
連動系処理装置における各現場設備の状態情報のデータフォーマットは、線区毎に制定される連動図表により一意に定まり、線区に依存しているため、信号機器制御装置の管理する設備とは直接の対応関係はない。従って、各信号機器制御装置51、52は、連動系処理装置31、32からの設備状態情報出力要求に対し、要求元の連動系処理装置のデータフォーマットに従って、自信号機器制御装置が管理している範囲の設備の状態情報をセットして返送すればよい。
【0030】
例えば、図3において、53、54は信号機器制御装置51、52が持つ設備状態テーブルであり、信号機器制御装置51は、自装置の管理する現場設備61の設備状態情報を設備状態テーブル53にセットし、信号機器制御装置52は、自装置の管理する現場設備65の設備状態情報を設備状態テーブル54にセットして、それぞれ要求元の連動系処理装置へ返送するだけでよい。これらの設備状態情報は、要求を行った連動系処理装置31または32内で重ね合わされることにより、連動系処理装置31または32内の状態情報テーブル55にセットされることになり、これにより、連動系処理装置31または32は、必要な現場設備の状態情報を得ることができる。ここで、設備状態テーブル53と54とは、状態情報テーブル55と同じデータフォーマットを持っている。
【0031】
なお、前述において、信号機器制御装置51、52が、自装置の管理する現場設備の設備状態情報を送信する際、自信号機器制御装置の管理外の現場設備の情報については、管理外であることを示す特定の値、例えば、“0”をテーブルにセットして送信すればよい。
【0032】
前述した信号機器制御装置からの設備状態情報の出力方法は、図7、図9により説明した従来技術による電子連動装置における設備状態情報のデータフォーマットの作成手法と同一であり、従来技術の手法をそのまま利用することができるという利点がある。
【0033】
次に、図4を参照して連動系処理装置からの設備制御情報の出力方法を説明する。
【0034】
連動系処理装置31、32から出力される設備制御情報のデータフォーマットも、連動系処理装置における各現場設備の状態情報のデータフォーマットの場合と同様に、線区に依存し線区毎の連動図表により定まる。そして、各連動系処理装置31、32は、各々別々の設備制御情報31a、32aを作成し、全ての信号機器制御装置に送信する。
【0035】
図4に示す例は、2つの線区の連動系処理装置31、32のそれぞれが、1つの信号機器制御装置51の管理下にある現場設備61、62に対する制御情報を出力する例を示している。すなわち、連動系処理装置31、32のそれぞれは、現場設備61、62に対する制御情報31b、32bを自連動系処理装置31、32の持つ連動図表と同一のフォーマットを持つ設備制御情報31a、32aの中に埋め込んで全ての信号機器制御装置に送信する。図4に示す例では、信号機器制御装置51のみを示しているが、信号機器制御装置52も同一の設備制御情報31a、32aを受け取る。しかし、信号機器制御装置52は、制御情報31b、32bに示される現場設備が自装置の管理下のものではないのでこれを無視する。そして、信号機器制御装置51は、設備制御情報31b、32bに示される現場設備が自装置の管理下の現場設備61、62に対するものであるため、受信した設備制御情報31a、32aから、自信号機器制御装置で管理する範囲の設備の制御情報31b、32bを取り出し、この制御情報に基づいて現場設備61、62の制御を行う。
【0036】
次に、図5を参照して、連動系処理装置相互間での現場設備の制御情報の交換について説明する。
【0037】
線区Aの連動系処理装置31は、自装置が管理している線区A内の現場設備に対する制御情報を制御情報テーブル33内に保持している。また、線区Bの連動系処理装置32は、自装置が管理している線区B内の現場設備に対する制御情報を制御情報テーブル34内に保持している。これらの制御情報テーブル33、34のデータフォーマットは、線区単位の信号機器の制御方法を制定した連動図表に従ったものであり、このため、制御情報テーブル33、34のデータフォーマットは、お互いに異なったデータフォーマットとなっている。
【0038】
線区Aの連動系処理装置31は、線区Bの連動系処理装置32から、装置32の制御情報テーブル34をネットワーク40を介して受信し、自装置内に制御情報のコピーテーブル35として保持する。同様に、線区Bの連動系処理装置32は、線区Aの連動系処理装置31から、装置31の制御情報テーブル33をネットワーク40を介して受信し、自装置内に制御情報のコピーテーブル36として保持する。そして、各連動系処理装置31、32は、制御情報テーブル33と34とのデータフォーマットが互いに異なるため、制御情報テーブルの対応表37、38を持ち、他の装置の設備制御情報を参照する場合は、この対応表に照らし合わせて行う。
【0039】
次に、図6に示すフローを参照して連動系処理装置の制御動作を説明する。
【0040】
(1)まず、信号機器制御装置から設備状態情報を取得すると共に、進路制御系処理装置から制御指示データを取得する(ステップ100、200)。
【0041】
(2)ステップ200で取得した進路制御系処理装置からの制御指示データに基づいて、各現場設備の制御の仮設定を行い、制御情報テーブルに展開する(ステップ300)。
【0042】
(3)ステップ300で作成した制御情報テーブルを、他の連動系処理装置に送信し、他の装置からの制御情報テーブルを受信し、制御情報のコピーテーブルに格納する(ステップ400)。
【0043】
(4)ステップ300で自装置の制御情報テーブルに仮設定した現場設備の制御情報を取り出し、また、他装置の現場設備の制御情報の仮設定情報が格納されている制御情報のコピーテーブルから他装置が仮設定した現場設備の制御情報を取り出し、これらを比較することにより、制御の競合チェックすなわち同一の現場設備に対する制御を競合して行うことになるか否かをチェックし、チェックがNGならば、当該現場設備の制御が不可能であるため、信号機器制御装置への制御データの送信を行わない(ステップ500、601)。
【0044】
(5)ステップ500のチェックの結果がチェックOKならば、当該設備の制御が可能であるため、その現場設備に対する設備制御データを作成し、信号機器制御装置に作成した設備制御データを送信する。
【0045】
前述した本発明の一実施形態によれば、連動系処理装置が、ネットワーク40を介して全ての信号機器制御装置に対して現場設備に対する制御情報を送信すればよいので、連動系処理装置は、どの現場設備がどの信号機器制御装置により制御されているのかを予め知る必要なく、現場設備に対する制御情報を出力することができる。また、連動系を線区単位に分割制御し、かつ、信号機器等の現場設備を地理的要因により分割制御することが可能となる。
【0046】
次に、分割された装置の一部が保守作業あるいは故障等により停止した場合の制御動作を以下に説明する。
【0047】
信号機器制御装置の一部が停止した場合、その信号機器制御装置は、自装置の管理下にある現場設備を安全側に制御する。この制御は、フェイルセーフの考え方により、信号機器制御装置の出力段が設計されていることにより行われるもので、周知の機構である。そして、この場合、その信号機器制御装置からの設備状態情報が各連動系処理装置に送信されなくなるため、各連動系処理装置は、停止した信号機器制御装置からの設備状態情報テーブルを特定の値に初期化することにより、駅装置を安全側に保持したまま、正常な信号機器制御装置の管理下にある現場設備を制御することができる。
【0048】
例えば、図3において、信号機器制御装置51が停止した場合、各連動系処理装置は、信号機器制御装置51から受信するはずの設備状態情報テーブル53を特定値に初期化して、信号機器制御装置52から受信する設備状態情報テーブル54とを重ね合わせて、現場設備の状態情報テーブル55を作成する。各連動系処理装置は、これにより、停止した信号機器制御装置51の管理する設備の状態情報を、稼働中の信号機器制御装置の管理する設備の状態情報と分けて制御することができる。
【0049】
この場合、連動系処理装置は、稼働中の正常な信号機器制御装置からの設備状態情報を引き続き受信することができるため、駅全体の制御が停止するようなことを防止することができる。
【0050】
また、連動系処理装置の一部が停止した場合、各信号機器制御装置は、停止した連動系処理装置からの設備制御情報を受信することができなくなるため、その連動系処理装置からの設備制御情報テーブルを特定の値に初期化することにより、現場設備を安全な方向に制御する。このとき、信号機器制御装置は、停止していない連動系処理装置からの設備制御情報を受信することができるため、駅全体の制御が停止するようなことを防止することができる。
【0051】
また、連動系処理装置の一部が停止した場合、連動系処理装置相互間における制御情報のやり取りも停止されることになる。このとき、稼働中の連動系処理装置は、相互間で伝送する制御情報テーブル、すなわち、停止している装置の制御情報のコピーテーブルを、特定の値に初期化することにより、線区間で共用する設備すなわち共用線区の進路の設定を自動的に不可能とし、装置停止による事故が起きないようにする。
【0052】
例えば、図5において、連動系処理装置32が停止した場合、連動系処理装置31は、他装置の設備制御情報のコピーテーブル35を特定値、例えば、全て制御ありの情報に初期化することにより、停止した連動系処理装置と共用の設備の制御を制限することができる。
【0053】
前述した制御により線区間で共用する線区の進路設定ができないことになるが、この場合、図には示していないマンマシンインターフェース上で相手系の予約情報を無視する指示、すなわち、切り離しの指示を与えることにより、連動系処理装置における図6により説明したステップ500でのチェックにおいて、他装置の予約情報を無視するように制御することができる。これにより、線区間共用の進路設定を稼働中の連動系処理装置で続行することが可能となり、線区間共用の進路を暫定的に復帰させることができ、駅全体の制御停止時間を短縮することができる。
【0054】
前述した本発明の一実施形態によれば、複雑な線形の駅でも複数の連動系処理装置で分割制御することが可能となり、かつ、複数の装置の一部が停止した場合にも、駅全体の制御が停止することを防止することができる。また、線区間で共用の進路設定も他装置を切り離すことにより制御可能とすることができるので、駅の稼働率を大きく向上させることができる。
【0055】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、一部の装置が停止した場合にも、駅全体の制御を止めることなく制御を続行することができるため、装置の停止による列車の運行へ与える影響を抑えることができ、保守作業者及び乗客の利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による電子連動装置のシステム構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態が適用される駅の列車運行路線の分割を説明する図である。
【図3】信号機器制御装置からの設備状態情報の出力方法を説明する図である。
【図4】連動系処理装置からの設備制御情報の出力方法を説明する図である。
【図5】連動系処理装置相互間における現場設備の制御情報の伝送方法を説明する図である。
【図6】連動系処理装置の制御処理の動作を説明するフローチャートである。
【図7】従来技術による電子連動装置の構成を示すブロック図である。
【図8】照査てこによる列車運行路線の分割を説明する図である。
【図9】列車運行路線を分割した場合の従来技術による電子連動装置の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
10 ネットワーク
20〜22 進路制御系処理装置
30〜32 連動系処理装置
33、34 制御情報テーブル
40 ネットワーク
50〜52 信号機器制御装置
53、54 設備状態テーブル
60(61〜63、65〜67) 現場設備
64 照査てこ
70〜72 電子連動装置
91〜93 線区
81、82 被制御設備の分割域

Claims (5)

  1. 列車の運行、マンマシンインターフェースを司る進路制御系処理装置と、信号機、転てつ機等の現場設備を管理する信号機器制御装置と、前記進路制御系処理装置からの制御指示及び前記信号機器制御装置からの状態情報を取得して現場設備の制御を行う連動系処理装置とからなる電子連動装置において、
    前記連動系処理装置は、駅の路線を線区単位に制御範囲を分割して制御する複数の連動系処理装置により構成され、装置状態異常等により少なくとも1つの信号機器制御装置から現場設備の状態情報を正常に得ることができない場合に、当該信号機器制御装置からの設備状態情報を特定の値に初期化することにより、連動系処理装置における現場設備の制御処理を続行するものであり、
    前記信号機器制御装置は、駅の現場設備を地理的に分割し管理する複数の信号機器制御装置とにより構成され、前記各連動系処理装置からの現場設備の状態情報の出力要求に対して、要求元の連動系処理装置の持つ状態情報テーブルのデータフォーマットに、前記信号機器制御装置の管理範囲内の現場設備の状態情報をセットして出力するものであり、
    前記複数の連動系処理装置と前記複数の信号機器制御装置とをネットワークにより接続したことを特徴とする設備分散型電子連動装置。
  2. 前記連動系処理装置は、現場設備に対する制御情報をネットワークを介して全ての信号機器制御装置に出力し、制御情報を受信した信号機器制御装置は、自装置の管理範囲内の現場設備への情報を取り出して現場設備を制御することを特徴とする請求項1記載の設備分散型電子連動装置。
  3. 前記複数の連動系処理装置は、前記進路制御系処理装置からの制御指示情報及び各連動系処理装置の保持する現場設備の制御情報を、複数の連動系処理装置相互間で前記ネットワークを介して互いに伝送し、前記複数の連動系処理装置間で共通に制御する共通の現場設備の制御の競合を排除するように現場設備の制御を行うことを特徴とする請求項1または2記載の設備分散型電子連動装置。
  4. 前記信号機器制御装置は、装置状態異常等により少なくとも1つの連動系処理装置からの制御情報を正常に得ることができない場合に、当該連動系処理装置の制御範囲にある現場設備の全てを制御停止とすることを特徴とする請求項1、2または3記載の設備分散型電子連動装置。
  5. 作業員からの指示により進路制御系処理装置を介して異常の発生した連動系処理装置を無視する指示を正常な連動系処理装置に与えることにより、正常な連動系処理装置による現場設備の制御を続行することを特徴とする請求項4記載の設備分散型電子連動装置。
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