JP3820137B2 - 光学コンボーネントの成形方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、カメラやビデオカメラの撮影光学系、内視鏡の観察光学系等に用いられ、前記光学系において配設されるレンズ等の光学素子と、この光学素子を支持する支持部等の光学素子に隣接する部材とが一体に形成された光学コンポーネントの成形方法、及び光学コンポーネントに関する。
【0002】
【従来の技術】
カメラやビデオカメラの撮影光学系、内視鏡の観察光学系等に用いられる光学コンポーネントは、従来では、レンズ等の光学素子とこの光学素子の支持部とを別々に製作し、これらを組立てることにより、光学コンポーネントを製造していた。このため、2つの部材を合わせる組み立て工程のために製造コストが高くなったり、組み立て工程の際に光学素子と支持部材との取り付け誤差が生じて、光学性能が劣化するなどの不具合があった。
【0003】
これらの不具合を解決する手段として、特開平7−63968号公報には、二色成形によって、樹脂材料で形成された光学素子部と、この光学素子と一体に同時に樹脂材料で形成された光学素子の支持部とを形成してなる光学コンポーネント及びその製造方法が開示されている。
【0004】
また、本出願人は、特願平6−269168号において、内視鏡の挿入部の先端に、光学素子である樹脂材料で形成されたレンズカバー部と、このレンズカバー部に隣接して樹脂材料で形成され、前記レンズカバー部を観察窓と照明窓とに光学的に遮断するための遮光部材と、を有する先端構成部材をインサート成形や二色成形等によって一体に形成したものを提案している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来の光学コンポーネントでは、光学素子部と支持部や遮光部材との成形の順序については何ら考慮がなされていないため、先に光学的に不透明な遮光部材や、光学素子部と異なる種類の樹脂からなる支持部などを成形した後に、光学素子部の成形を行った場合、光学素子部を成形する工程の際に、光学素子部を形成する樹脂の型内での流れによって遮光部材や支持部を形成している樹脂が溶けたり、削り取られたりして、不透明な樹脂が光学素子部を形成するための樹脂に混入し固化してしまい、光学素子部の光学性能に支障をきたすおそれがあった。このため、所望の光学性能を有する光学素子部を形成することが困難となる場合が生じる不具合がある。
【0006】
本発明は、これらの事情に鑑みてなされたもので、光学素子部を一次成形した後、この光学素子部に隣接する部材を二次成形して、光学素子部の成形の際に、光学素子部に隣接する部材を形成する樹脂が光学素子部内に混入することをなくし、異物の混入のない透明度の高い光学素子部を形成でき、光学性能が良好で、安価な光学コンポーネントの成形方法を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明による光学コンポーネントの成形方法は、成形により形成される部材と嵌合する部位を有する雄金型と第1の雌金型とによって形成される第1のキャビティに、第1の樹脂を射出して光学部材を成形する第1の成形ステップと、前記第1の成形ステップにより形成された前記光学部材を、前記雄金型の前記嵌合する部位に嵌合させた状態で、前記第1の雌金型より分離する分離ステップと、前記光学部材を前紀雄金型に嵌合した状態で、第2の雌金型に挿入し、前記光学部材をインサート物とするインサート成形により、前記光学部材に隣接する部材を二次成形する第2の成形ステップと、を備えたことを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1ないし図5は本発明の第1の実施形態に係り、図1は内視鏡装置の構成を示す構成説明図、図2は内視鏡の挿入部先端部の構成を示す断面図、図3は光学コンポーネントの構成を示す断面図、図4は図3に示した光学コンポーネントの一次成形の際に用いる成形金型の構成を示す断面図、図5は図3に示した光学コンポーネントの二次成形の際に用いる成形金型の構成を示す断面図である。
【0009】
第1の実施形態は、内視鏡の観察光学系において本発明の光学コンポーネントを適用した構成例を示したものである。
【0010】
図1は本実施形態の光学コンポーネントを備えた内視鏡を含む内視鏡装置の全体構成を示したものである。内視鏡1には、光源装置2及び信号処理装置3が接続され、信号処理装置3に観察モニタ4が接続されており、これらにより体腔内等を観察し、診断,治療等を行う内視鏡装置が構成されている。内視鏡1は、患者の体腔内等に挿入される細長で可撓性を持った挿入部5を有して構成され、挿入部5の先端には硬性の先端部6が設けられている。
【0011】
図2は挿入部5の先端部6の構成例を示したものである。先端部6には、前記光源装置2からの照明光を導光するためのライトガイド7と、この照明光を被検部位に照明するための照明レンズ8とが設けられている。またこれらの照明光学系と並んで、被検部位を観察するための観察光学系9が設けられている。これらのライトガイド7先端部、照明レンズ8、観察光学系9は、金属部材からなる先端部本体10に保持され、固定ビス11等によって固定されている。先端部本体10の先端側外周部には、先端部本体10の外表面を体腔内等の被検体と絶縁するための樹脂等で形成された絶縁カバー12が被覆されている。
【0012】
観察光学系9の結像位置には、CCD等の撮像素子を有する撮像素子部13が配置されており、観察光学系9によって結像された観察像が撮像素子部13によって電気信号に変換されて信号処理装置3に伝送され、信号処理装置3によって映像信号に変換されて観察モニタ4に出力され、観察モニタ4上に被検部位の観察画像として表示されるようになっている。
【0013】
観察光学系9は、最先端に位置する光学素子である先端レンズ14とこれを支持する円筒状の支持部15とが一体的に形成された光学コンポーネント16と、先端レンズ14の基端側において支持部15に保持された対物レンズ17と、これらのレンズを位置決めする位置決め部材18と、から構成されている。
【0014】
図3に光学コンポーネント16の詳細な構成を示す。先端レンズ14は、光学部品用の樹脂である光学的に透明なメタクリル樹脂(PMMA)にて形成されている。支持部15は、フレアやゴースト等を防止するために光学的に不透明な例えば黒色のメタクリル樹脂(PMMA)にて形成されている。これらの部材は、二色成形による射出成形によって、一体に形成されて光学コンポーネント16を構成している。
【0015】
次に、光学コンポーネント16の製造方法について説明する。
【0016】
図4は先端レンズ14を成形する一次成形の際の成形金型の構成、図5は支持部15を成形する二次成形の際の成形金型の構成をそれぞれ示したものである。
【0017】
まず、雄金型19と一次雌金型20によって形成される一次キャビティ21に前述した透明のPMMAを射出することにより、先端レンズ14が二色成形の一次成形工程によって形成される。先端レンズ14の形成後、一次雌金型20を雄金型19と分離する。このとき、先端レンズ14が一次雌金型20と共に雄金型19より分離するのを防止するために、先端レンズ14の雄金型19端面に当接する外周部分には図5に示すように凹部25が設けられ、雄金型19と嵌合するようになっている。
【0018】
次に、図5に示すように二次雌金型22が雄金型19にセットされる。ここで、雄金型19及び成形された先端レンズ14と二次雌金型22とによって形成される二次キャビティ23に前述した黒色のPMMAを射出することにより、支持部15が二色成形の二次成形工程によって形成される。
【0019】
二次成形工程の際の成形温度は、一次成形で使用されるPMMAが二次成形で使用されるPMMAと成形型内で溶着可能な温度、例えば200℃〜290℃に設定される。このとき、二次成形によって高温のPMMAが型内に流れ込むと、一次成形によって成形された先端レンズ14の外周部24は、流れ込んだ樹脂の熱によって、この有色のPMMAと溶着しながら二次成形を完了する。
【0020】
以上のようにして、先端レンズ14と支持部15との当接部分は溶着されて一体に形成される。
【0021】
本実施形態の光学コンポーネント16の構成では、先端レンズ14の外周の支持部15と当接した部分は、溶着されているために液体や水蒸気等が先端レンズ14の先端側から先端レンズ14と支持部15との当接部分を通過して先端レンズ14の基端側に侵入することがない。このため、光学コンポーネント16内への水蒸気等の侵入によって観察不能になったり、先端レンズ14の内側が曇ることを防ぐことができる。また、先端レンズ14と支持部15とは同じ種類の樹脂で強固に接合されているため、先端レンズ14と支持部15がずれて光学性能が劣化することがなく、外れて先端レンズ14が脱落することも生じない。
【0022】
また、先端レンズ14と支持部15との組立て工程が必要ないため、組立て工程にかかるコストを省くことができ、非常に安価に製造できる。また、二色成形にて成形を行っているため、先端レンズ14を成形金型から取り出したり、金型にセットしたりする手間が必要なく、生産性が良好である。
【0023】
また従来の光学コンポーネントでは、光学素子部と支持部や遮光部材との成形の順序については何ら考慮がなされていないため、先に光学的に不透明な遮光部材や、光学素子部と異なる種類の樹脂からなる支持部などを成形した後に、光学素子部の成形を行った場合、光学素子部を成形する工程の際に、光学素子部を形成する樹脂の型内での流れによって遮光部材や支持部を形成している樹脂が溶けたり、削り取られたりして、不透明な樹脂が光学素子部を形成するための樹脂に混入し固化してしまい、光学素子部の光学性能に支障をきたすおそれがあった。このため、所望の光学性能を有する光学素子部を形成することが困難となる場合が生じる不具合がある。
【0024】
本実施形態では、光学素子である先端レンズ14を一次成形し、黒色の支持部15を二次成形しているために、先端レンズ14の成形の際には型内に黒色の樹脂が存在しないため、黒色の樹脂が透明な樹脂の中に混入してしまうことがない。このため、異物の混入がなく透明度の高い先端レンズ14が形成可能であり、光学性能を良好に保つことが可能である。
【0025】
以上説明したように、本実施形態によれば、先端レンズ14と支持部15との接合強度が高く丈夫で、観察性能が良く、かつ安価な内視鏡装置の光学コンポーネントを提供できる。また、二次成形を行う樹脂に一次成形を行う樹脂と同じ種類の樹脂を用いているため、互いの溶着性が良く、接合力が強固で丈夫な光学コンポーネントを提供できる。
【0026】
なお、二次成形の際に、使用する樹脂において成形性の良い好適な成形温度で成形を行えば、一次成形を行った樹脂と容易に溶着可能である。さらに一次成形についても、使用する樹脂において成形性の良い好適な成形温度で行えば、両者共それぞれ最適な成形温度で成形が行えるため、成形形状や成形性が良く、生産性を向上させることができる。
【0027】
また、光学素子である先端レンズ14を一次成形した後に、黒色の支持部15を二次成形することにより、有色の樹脂が光学素子を構成する透明な樹脂の中に混入することを防止でき、光学性能が良好で安価な内視鏡装置の光学コンポーネントを提供できる。
【0028】
図6ないし図10は本発明の第2の実施形態に係り、図6はカバー式内視鏡の構成を示す構成説明図、図7は内視鏡カバーを装着した状態でのカバー式内視鏡の挿入部先端部の構成を示す断面図、図8は内視鏡カバーの先端カバー部を先端側から見た平面図、図9は図8に示した先端カバー部の一次成形の際に用いる成形金型の構成を示す断面図、図10は図8に示した先端カバー部の二次成形の際に用いる成形金型の構成を示す断面図である。
【0029】
第2の実施形態は、カバー式内視鏡の光学ユニットにおいて本発明の光学コンポーネントを適用した構成例を示したものである。
【0030】
図6は本実施形態の光学コンポーネントを備えたカバー式内視鏡の構成を示したものである。カバー式内視鏡26は、カバー用内視鏡27と、このカバー用内視鏡27に装着される内視鏡カバー28との組み合わせからなっている。このカバー式内視鏡26は、図1と同様に光源装置2及び信号処理装置3に接続され、被検部位の観察を行うことができるようになっている。
【0031】
このようなカバー式内視鏡26を用いて内視鏡検査を行う際には、清潔な内視鏡カバー28の挿入部カバー39によってカバー用内視鏡27の挿入部38は覆われ、この内視鏡カバー28は検査後に廃棄される。一方、カバー用内視鏡27には新しい清潔な内視鏡カバー28が再び装着され、繰り返し使用されることが特徴となっている。
【0032】
内視鏡カバー28の挿入部カバー39の先端には、カバー用内視鏡27の挿入部38の先端部30を覆う先端カバー部29が設けられている。
【0033】
図7及び図8に先端カバー部29の詳細な構成を示す。先端カバー部29は、カバー用内視鏡27に内視鏡カバー28が装着された状態において、カバー用内視鏡27の先端部30に設けられた照明光学系31の先端側に位置する照明窓32とカバー用内視鏡27の挿入部38先端に設けられた観察光学系33の先端側に位置する観察窓34とを含む光学素子と、これらを支持する枠部材35とが一体的に形成されて構成されている。
【0034】
枠部材35には、照明窓32と観察窓34を光学的に遮断する遮光部材36が設けられている。この遮光部材36は、照明窓32及び観察窓34の先端面から基端面まで貫通して配設されている。
【0035】
前記のように先端カバー部29を構成することにより、照明光学系31から出射した照明光が直接観察窓34に入射したり、照明窓32の断面内で反射を繰り返して隣合う観察窓34に入射して、フレアやゴースト等が発生し観察性能が劣化するのを防止している。このため、観察性能の良いカバー式内視鏡を提供できる。
【0036】
照明窓32及び観察窓34は、光学部品用の樹脂である光学的に透明なメタクリル樹脂(PMMA)にて形成されている。一方枠部材35は、光学的に不透明な例えば黒色等で、前記照明窓32及び観察窓34を形成する樹脂と加熱による溶着性を有する樹脂であるポリカーボネート(PC)で形成されている。照明窓32及び観察窓34の基端面の外周部には、基端側に突出した凸部37が設けられている。これらの照明窓32及び観察窓34と枠部材35は、二色成形による射出成形によって一体に形成されて光学コンポーネントを構成している。
【0037】
次に、光学コンポーネントである先端カバー部29の製造方法について説明する。
【0038】
図9は先端カバー部29の照明窓32及び観察窓34を成形する一次成形の際の成形金型の構成、図10は先端カバー部29の枠部材35を成形する二次成形の際の成形金型の構成をそれぞれ示したものである。
【0039】
まず、雄金型19Aと一次雌金型20Aによって形成される一次キャビティ21Aに前述した透明のPMMAを射出することにより、照明窓32及び観察窓34が二色成形の一次成形工程によって形成される。この際の成形温度は、PMMAの好適な成形温度である、例えば220〜270℃に設定されて成形が行われる。
【0040】
照明窓32及び観察窓34の形成後、一次雌金型20Aを雄金型19Aと分離する。このとき、成形された照明窓32及び観察窓34に設けられる凸部37が図10に示すように雄金型19Aに嵌合しており、照明窓32及び観察窓34が雄金型19Aと分離するのを防止している。
【0041】
次に、図10に示すように二次雌金型22Aが雄金型19Aにセットされる。ここで、雄金型19A及び照明窓32、観察窓34と二次雌金型22Aとによって形成される二次キャビティ23Aに前述した黒色のPCを射出することにより、枠部材35が二色成形の二次成形工程によって形成される。
【0042】
二次成形工程の際の成形温度は、一次成形で使用されるPMMAが二次成形で使用されるPCと成形型内で溶着可能な温度、例えば250〜300℃に設定される。PCとPMMAは良好な溶着性を有しているため、二次成形の際にPCが型内に流れ込むと、一次成形によって成形された照明窓32及び観察窓34の外周部24Aは、PCの熱によってこの有色のPCと溶着しながら二次成形を完了する。
【0043】
以上のようにして、照明窓32及び観察窓34と枠部材35との当接部分は溶着されて一体に形成される。
【0044】
本実施形態の光学コンポーネントの構成では、成形する樹脂として互いに溶着性を有するPMMAとPCを用いて、PMMAを一次成形した後にPMMAよりも好適な成形温度が高いPCを二次成形しているため、照明窓32及び観察窓34と枠部材35とを異なる材質によっても良好な溶着状態に形成できる。このため、光学素子である照明窓32及び観察窓34は光学性能が比較的良いPMMAにて形成し、支持部材である枠部材35は機械的な強度が比較的高いPCにて形成することができる。
【0045】
また、前述の成形方法とは逆に、細長の遮光部材36を有する枠部材35を一次成形した後に、照明窓32及び観察窓34を二次成形した場合には、遮光部材36は非常に細いため、二次成形の際の樹脂の圧力によって変形してしまうという不具合があるが、本実施形態では成形後の遮光部材36に力が加わらないため、遮光部材36を精度良く形成できる。
【0046】
本実施形態によれば、第1の実施形態と同様に、光学性能が良く、光学素子の支持部である枠部材35の強度が高いカバー式内視鏡を提供できる。また、遮光部を細くかつ精度良く形成できるため、観察視野や照明光のケラレがなく、照明光学系と観察光学系を近づけて配置でき、観察性能が良く、先端部を細径化可能なカバー式内視鏡を提供できる。
【0047】
なお、第1の実施形態に示した照明レンズ8と先端レンズ14と絶縁カバー12とを、第2の実施形態の照明窓32及び観察窓34と枠部材35のように一体成形しても良い。
【0048】
図11ないし図13は本発明の第3の実施形態に係り、図11は内視鏡カバーの先端カバー部を先端側から見た平面図、図12は先端カバー部の構成を示す断面図、図13は図12に示した先端カバー部の成形の際に用いる成形金型の構成を示す断面図である。
【0049】
第3の実施形態は、第2の実施形態における内視鏡カバーの先端カバー部の構成を変更した構成例を示したものである。ここでは、カバー式内視鏡における先端カバー部以外の部分の構成については第2の実施形態と同様であるため説明を省略する。
【0050】
内視鏡カバー28の先端カバー部29Bは、照明窓32Bと観察窓34Bとカバー用内視鏡27の先端部30を収納する先端部収納部40とが一体となった光学カバー部41と、照明窓32Bと観察窓34Bとの間を光学的に遮断する遮光部材36Bとが一体的に形成されて構成されている。遮光部材36Bは、照明窓32B及び観察窓34Bの先端面から基端面まで貫通して配設されている。
【0051】
光学カバー部41は、光学的に透明なポリカーボネート(PC)にて形成されている。一方遮光部材36Bは、光学的に不透明な例えば黒色等のポリカーボネート(PC)にて形成されている。これらの光学カバー部41と遮光部材36Bは、二色成形による射出成形によって一体に形成されて光学コンポーネントを構成している。
【0052】
次に、本実施形態の先端カバー部29Bの製造方法について説明する。
【0053】
図13は先端カバー部29Bの遮光部材36Bを成形する二次成形の際の成形金型の構成を示したものである。
【0054】
まず一次成形工程として、第2の実施形態と同様に、雄金型19Bと図示しない一次雌金型によって形成される一次キャビティに前述した透明のPCを射出することにより、照明窓32B及び観察窓34Bを有する光学カバー部41が形成される。
【0055】
次に二次成形工程として、図13に示すように雄金型19B及び光学カバー部41と二次雌金型22Bとによって形成される二次キャビティ23Bに前述した黒色のPCを射出することにより、遮光部材36Bが形成される。
【0056】
このような二色成形によって、光学カバー部41と遮光部材36Bの当接する部分は、前記実施形態と同様にして溶着接合されて一体に形成される。
【0057】
本実施形態の光学コンポーネントの構成では、光学カバー部41と遮光部材36Bが機械的強度が高い樹脂であるPCで形成されているため、第2の実施形態に比べて、先端カバー部29Bの強度が高くなる。また、光学カバー部41と遮光部材36Bは同じ種類の樹脂で形成されているため、これらの当接部の溶着による接合力は強固である。
【0058】
また、光学カバー部41の成形後、一次雌金型が雄金型19Bと分離する際には、筒状の先端部収納部40が雄金型19Bと嵌合しているため、光学カバー部41が雄金型19Bと分離するのを防止できる。このため、第2の実施形態のように照明窓32Bと観察窓34Bの基端面に雄金型19Bとの分離を防止するための凸部37等を設ける必要がない。
【0059】
本実施形態によれば、第2の実施形態と同様に、光学性能が良く、強度が高くて丈夫な先端カバー部29Bを有するカバー式内視鏡を提供できる。また、先端部収納部40の内部の空間を有効に活用でき、凸部が存在しない分、先端部を細径化可能なカバー式内視鏡を提供できる。
【0060】
図14ないし図17は本発明の第4の実施形態に係り、図14は内視鏡カバーの先端カバー部を先端側から見た平面図、図15は先端カバー部の構成を示す断面図、図16は図15に示した先端カバー部の一次成形の際に用いる成形金型の構成を示す断面図、図17は図15に示した先端カバー部の二次成形の際に用いる成形金型の構成を示す断面図である。
【0061】
第4の実施形態は、第3の実施形態における先端カバー部の遮光部材の構成を変更した構成例を示したものである。ここでは、カバー式内視鏡における先端カバー部以外の部分の構成については第2及び第3の実施形態と同様であるため説明を省略する。
【0062】
内視鏡カバー28の先端カバー部29Cは、照明窓32Cと観察窓34Cと先端部収納部40Cとが一体となった光学カバー部41Cと、照明窓32Cと観察窓34Cとの間を光学的に遮断する遮光部材36Cとが一体的に形成されて構成されている。遮光部材36Cには、光学カバー部41Cとの接合面積を増やすためのフランジ部42が遮光部材36Cの基端側の全周に設けられている。
【0063】
光学カバー部41Cは、光学的に透明なアクリルニトリルスチレン(AS)にて形成されている。一方遮光部材36Cは、光学的に不透明な例えば黒色等のアクリルニトリルスチレン(AS)にて形成されている。これらの光学カバー部41Cと遮光部材36Cは、二色成形による射出成形によって一体に形成されて光学コンポーネントを構成している。
【0064】
次に、本実施形態の先端カバー部29Cの製造方法について説明する。
【0065】
図16は先端カバー部29Cの光学カバー部41Cを成形する一次成形の際の成形金型の構成、図17は先端カバー部29Cの遮光部材36Cを成形する二次成形の際の成形金型の構成をそれぞれ示したものである。
【0066】
まず、雄金型19Cと一次雌金型20Cによって形成される一次キャビティ21Cに前述した透明のASを射出することにより、照明窓32Cと観察窓34Cを有する光学カバー部41Cが二色成形の一次成形工程によって形成される。
【0067】
次に、雄金型19C及び光学カバー部41Cと二次雌金型22Cとによって形成される二次キャビティ23Cに前述した黒色のASを射出することにより、遮光部材36Cが二色成形の二次成形工程によって形成される。
【0068】
このような二色成形によって、光学カバー部41Cと遮光部材36Cの当接する部分は、前記実施形態と同様にして溶着接合されて一体に形成される。
【0069】
本実施形態の光学コンポーネントの構成では、遮光部材36Cにフランジ部42を設けているため、光学カバー部41Cと遮光部材36Cの溶着による接合の強度がより強固となる。また、光学カバー部41Cの基端側を一次雌金型20Cで形成した後に、遮光部材36Cの基端側を二次雌金型22Cで形成する構成であるため、フランジ部42を遮光部材36Cの基端側に設けることが可能であり、照明窓32C及び観察窓34Cの先端側では遮光部材36Cの幅は広くなっていないため、照明窓32C及び観察窓34Cの光学的な有効範囲を十分確保できる。
【0070】
本実施形態によれば、第3の実施形態と同様に強度が高くて丈夫で、かつ観察性能及び照明性能の良い先端カバー部29Cを有するカバー式内視鏡を提供できる。
【0071】
なお、本発明においては前述した各実施形態に限定されるものではなく、光学素子部を形成する樹脂としては、PC,PMMA,AS,PS(ポリスチレン)等の光学部品として使用できるものであればどのような樹脂でも良い。支持部や遮光部材等の光学素子部に隣接する部材を形成する樹脂としては、光学素子部がPCのときはPC,PMMA,ABS(アクリルニトリルブタジェンスチレン)、光学素子部がPMMAのときはPMMA,PC,AS,ABS、光学素子部がASのときは、AS,PMMA,ABS等を用いれば良く、すなわち光学素子部を形成する樹脂と互いに溶着性を有する樹脂であれば、どのような樹脂を用いても良い。
【0072】
また、光学素子部と光学素子部に隣接する部材との成形方法は、光学素子部を樹脂で成形した後、成形金型から取り出して、他の成形金型にインサートして他の樹脂によって二次成形する一般的なインサート成形でも良いし、光学素子部を樹脂で成形した後、成形金型から取り出さずに、雌金型を変更して他の樹脂によって二次成形を行う二色成形であっても良い。要は、光学素子部を先に成形すれば良い。
【0073】
また、本発明の光学コンポーネントは、内視鏡の観察光学系だけでなく、内視鏡挿入部の先端に設けられた照明光学系に適用したり、接眼光学系を有するファイバスコープにおいて接眼光学系に適用しても良い。また、内視鏡だけでなく、スチルカメラやビデオカメラ等の光学系に適用することも可能である。
【0074】
[付記]
(1) 光学素子部と、この光学素子部に隣接する部材とを有し、これらの部材のいずれか一方を第1の樹脂で一次成形して形成し、これをインサート物とするインサート成形によって他方を第2の樹脂で二次成形して形成することにより、前記光学素子部と前記光学素子部に隣接する部材とが一体的に形成された光学コンポーネントにおいて、
前記光学素子部と前記光学素子部に隣接する部材との当接部を成形型内で溶着させて接合したことを特徴とする光学コンポーネント。
【0075】
(2) 前記光学素子部と、前記光学素子部に隣接する部材とのいずれか一方を第1の樹脂で一次成形して形成し、他方を第2の樹脂で二次成形して形成する二色成形工程によって一体的に形成したものであることを特徴とする付記1に記載の光学コンポーネント。
【0076】
(3) 前記第1の樹脂と前記第2の樹脂は互いに溶着性を有することを特徴とする付記1または2に記載の光学コンポーネント。
【0077】
(4) 前記二次成形を前記第1の樹脂と前記第2の樹脂の溶着が可能な温度以上の成形温度で行うことを特徴とする付記1ないし3に記載の光学コンポーネント。
【0078】
付記1ないし4の構成では、光学素子部とこの光学素子部に隣接する部材との当接部が溶着状態に形成されるため、光学素子部とこの光学素子部に隣接する部材との接合力は強固となる。また、前記当接部での水や水蒸気の通過を防止可能である。よって、曇りが発生したり、光学性能が劣化するおそれがなく、観察性能が良好で、かつ丈夫で安価な光学コンポーネントを提供できる。
【0079】
(5) 前記第2の樹脂は前記第1の樹脂の好適な成形温度と略同一の温度を好適な成形温度とする樹脂であることを特徴とする付記1ないし4に記載の光学コンポーネント。
【0080】
(6) 前記第2の樹脂は前記第1の樹脂の好適な成形温度よりも高い温度を好適な成形温度とする樹脂であることを特徴とする付記1ないし4に記載の光学コンポーネント。
【0081】
付記5及び6の構成では、一次成形を行う第1の樹脂の好適な成形温度で一次成形を行うと共に、二次成形を行う第2の樹脂の好適な成形温度で二次成形を行い、このとき第2の樹脂の好適な成形温度が第1の樹脂の好適な成形温度と略同一かまたはこの温度よりも高い温度のものとすることにより、二次成形を行う樹脂が容易に一次成形された樹脂と溶着する。このため、良好な成形形状が得られ、生産性の良い光学コンポーネントを提供できる。
【0082】
(7) 前記第1の樹脂と前記第2の樹脂は略同一種類の樹脂であることを特徴とする付記1ないし5に記載の光学コンポーネント。
【0083】
付記7の構成では、第1の樹脂と第2の樹脂は略同一種類の樹脂のため、互いの溶着性が良好であり、光学素子部とこの光学素子部に隣接する部材との接合力が強固で丈夫な光学コンポーネントを提供できる。
【0084】
(8) 前記第1の樹脂と前記第2の樹脂は異なる種類の樹脂であることを特徴とする付記1ないし6に記載の光学コンポーネント。
【0085】
付記8の構成では、光学素子部及び光学素子部に隣接する部材のそれぞれに最適な樹脂を使用でき、光学性能が良く、光学素子部と隣接する部分の強度が高い光学コンポーネントを提供できる。
【0086】
(9) 前記光学素子部に隣接する部材を光学的に不透明な樹脂で形成したことを特徴とする付記1ないし4に記載の光学コンポーネント。
【0087】
(10) 前記光学素子部に隣接する部材は前記光学素子部の支持部材であることを特徴とする付記1〜4,9に記載の光学コンポーネント。
【0088】
(11) 前記光学素子部は複数の光学素子要素からなり、前記光学素子部に隣接する部材は前記複数の光学素子要素を光学的に遮断する遮光部材であることを特徴とする付記1〜4,9に記載の光学コンポーネント。
【0089】
付記9及び11の構成では、光学素子部への不要な光の入射を防止でき、フレアやゴーストがなく、光学性能の良好な光学コンポーネントを提供できる。
【0090】
(12) 前記光学素子部を一次成形し、前記光学素子部に隣接する部材を二次成形して一体的に形成したことを特徴とする付記1ないし4に記載の光学コンポーネント。
【0091】
(13) 光学素子部と、この光学素子部に隣接する部材とを有し、これらの部材のいずれか一方を第1の樹脂から形成し、これをインサート物とするインサート成形によって他方を第2の樹脂から形成することにより、前記光学素子部と前記光学素子部に隣接する部材とが一体的に形成された光学コンポーネントを備えた内視鏡を含む内視鏡装置において、
前記光学コンポーネントにおける前記光学素子部と前記光学素子部に隣接する部材との当接部を成形型内で溶着させて接合したことを特徴とする内視鏡装置。
【0092】
(14) 前記光学コンポーネントは、前記光学素子部と、前記光学素子部に隣接する部材とのいずれか一方を第1の樹脂で一次成形して形成し、他方を第2の樹脂で二次成形して形成する二色成形工程によって一体的に形成したものであることを特徴とする付記13に記載の内視鏡装置。
【0093】
(15) 前記光学素子部は内視鏡の挿入部の先端に設けられた観察光学系の最先端に位置する観察光学素子を構成するものであり、前記光学素子部に隣接する部材は前記観察光学素子を支持する支持部材であることを特徴とする付記13または14に記載の内視鏡装置。
【0094】
付記15の構成によれば、観察性能が良く丈夫な光学コンポーネントを備えた内視鏡装置を提供できる。
【0095】
(16) 前記光学素子部は内視鏡の挿入部の先端に設けられた照明光学系の最先端に位置する照明光学素子を構成するものであり、前記光学素子部に隣接する部材は前記照明光学素子を支持する支持部材であることを特徴とする付記13または14に記載の内視鏡装置。
【0096】
付記16の構成によれば、照明性能が良く丈夫な光学コンポーネントを備えた内視鏡装置を提供できる。
【0097】
(17) 前記内視鏡は接眼光学系を有するファイバスコープであり、前記光学素子部は接眼光学系の外表面に露出した接眼光学素子を構成するものであり、前記光学素子部に隣接する部材は前記接眼光学素子を支持する支持部材であることを特徴とする付記13または14に記載の内視鏡装置。
【0098】
(18) 前記光学素子部は内視鏡の挿入部の先端に設けられた観察光学系の最先端に位置する観察光学素子と照明光学系の最先端に位置する照明光学素子とを構成するものであり、前記光学素子部に隣接する部材は前記観察光学素子と照明光学素子とを光学的に遮断する遮光部材であることを特徴とする付記13または14に記載の内視鏡装置。
【0099】
(19) 前記遮光部材は前記光学素子部の先端面から基端面まで貫通して設けられていることを特徴とする付記18に記載の内視鏡装置。
【0100】
(20) 前記光学素子部に隣接する部材を光学的に不透明な樹脂で形成したことを特徴とする付記13ないし19に記載の内視鏡装置。
【0101】
付記18ないし20の構成では、照明光学素子から観察光学素子への照明光の入射を防止でき、フレアやゴーストがなく、観察性能の良好な内視鏡装置を提供できる。
【0102】
(21) 前記第1の樹脂と前記第2の樹脂は互いに溶着性を有することを特徴とする付記13ないし18に記載の内視鏡装置。
【0103】
(22) 前記二次成形を前記第1の樹脂と前記第2の樹脂の溶着が可能な温度以上の成形温度で行うことを特徴とする付記13,14及び21に記載の内視鏡装置。
【0104】
(23) 前記第2の樹脂は前記第1の樹脂の好適な成形温度と略同一の温度を好適な成形温度とする樹脂であることを特徴とする付記13,14,21,22に記載の内視鏡装置。
【0105】
(24) 前記第2の樹脂は前記第1の樹脂の好適な成形温度よりも高い温度を好適な成形温度とする樹脂であることを特徴とする付記13,14,21,22に記載の内視鏡装置。
【0106】
(25) 前記第1の樹脂と前記第2の樹脂は略同一種類の樹脂であることを特徴とする付記13,14,21〜23に記載の内視鏡装置。
【0107】
(26) 前記第1の樹脂と前記第2の樹脂は異なる種類の樹脂であることを特徴とする付記13,14,21〜24に記載の内視鏡装置。
【0108】
(27) 前記光学素子部を一次成形し、前記光学素子部に隣接する部材を二次成形して一体的に形成したことを特徴とする付記13,14,21,22に記載の内視鏡装置。
【0109】
付記13〜17,21,22,27の構成によれば、付記1と同様に視野の曇りが発生したり、光学性能が劣化するおそれがなく、観察性能が良好で、かつ丈夫で安価な内視鏡装置を構成することができる。
【0110】
(28) 挿入部の先端に観察光学系と照明光学系とを有するカバー用内視鏡と、このカバー用内視鏡に着脱自在に外装される内視鏡カバーとを有して構成され、
前記内視鏡カバーの先端部に、前記観察光学系の先端側に位置するよう設けられた観察窓と前記照明光学系の先端側に位置するように設けられた照明窓とを含む光学素子部と、これらの光学素子部を支持する支持部材とを備え、
前記光学素子部と前記支持部材とのいずれか一方を第1の樹脂で一次成形して形成し、これをインサート物とするインサート成形によって他方を第2の樹脂で二次成形して形成することにより、前記光学素子部と前記支持部材とを一体的に形成した内視鏡装置において、
前記光学素子部と前記支持部材との当接部を成形型内で溶着させて接合したことを特徴とする内視鏡装置。
【0111】
(29) 挿入部の先端に観察光学系と照明光学系とを有するカバー用内視鏡と、このカバー用内視鏡に着脱自在に外装される内視鏡カバーとを有して構成され、
前記内視鏡カバーの先端部に、前記観察光学系の先端側に位置するよう設けられた観察窓と前記照明光学系の先端側に位置するように設けられた照明窓とを含む光学素子部と、前記観察窓と前記照明窓とを光学的に遮断する遮光部材とを備え、
前記光学素子部と前記遮光部材とのいずれか一方を第1の樹脂で一次成形して形成し、これをインサート物とするインサート成形によって他方を第2の樹脂で二次成形して形成することにより、前記光学素子部と前記遮光部材とを一体的に形成した内視鏡装置において、
前記光学素子部と前記遮光部材との当接部を成形型内で溶着させて接合したことを特徴とする内視鏡装置。
【0112】
(30) 前記光学素子部と前記支持部材とのいずれか一方を第1の樹脂で一次成形し、これを成形金型から取り出すことなく、他方を第2の樹脂で二次成形して形成する二色成形工程によってこれらを一体的に形成したことを特徴とする付記28に記載の内視鏡装置。
【0113】
(31) 前記光学素子部と前記遮光部材とのいずれか一方を第1の樹脂で一次成形し、これを成形金型から取り出すことなく、他方を第2の樹脂で二次成形して形成する二色成形工程によってこれらを一体的に形成したことを特徴とする付記29に記載の内視鏡装置。
【0114】
付記28〜31の構成によれば、カバー式の内視鏡装置においても、付記13と同様に視野の曇りが発生したり、光学性能が劣化するおそれがなく、観察性能が良好で、かつ丈夫で安価な内視鏡装置を構成することができる。
【0115】
(32) 前記遮光部材は前記光学素子部の先端面から基端面まで貫通して設けられていることを特徴とする付記29,31に記載の内視鏡装置。
【0116】
(33) 前記遮光部材を光学的に不透明な樹脂で形成したことを特徴とする付記29,31,32に記載の内視鏡装置。
【0117】
(34) 前記第1の樹脂と前記第2の樹脂は互いに溶着性を有することを特徴とする付記28ないし31に記載の内視鏡装置。
【0118】
(35) 前記第1の樹脂はメタクリル樹脂であり、前記第2の樹脂はポリカーボネートであることを特徴とする付記3に記載の光学コンポーネント。
【0119】
(36) 前記第1の樹脂はメタクリル樹脂であり、前記第2の樹脂はアクリルニトリルスチレンであることを特徴とする付記3に記載の光学コンポーネント。
【0120】
(37) 前記第1の樹脂はメタクリル樹脂であり、前記第2の樹脂はアクリルニトリルブタジェンスチレンであることを特徴とする付記3に記載の光学コンポーネント。
【0121】
(38) 前記第1の樹脂はポリカーボネートであり、前記第2の樹脂はメタクリル樹脂であることを特徴とする付記3に記載の光学コンポーネント。
【0122】
(39) 前記第1の樹脂はポリカーボネートであり、前記第2の樹脂はアクリルニトリルブタジェンスチレンであることを特徴とする付記3に記載の光学コンポーネント。
【0123】
(40) 前記第1の樹脂はアクリルニトリルスチレンであり、前記第2の樹脂はメタクリル樹脂であることを特徴とする付記3に記載の光学コンポーネント。
【0124】
(41) 前記第1の樹脂はアクリルニトリルスチレンであり、前記第2の樹脂はアクリルニトリルブタジェンスチレンであることを特徴とする付記3に記載の光学コンポーネント。
【0125】
(42) 前記第1の樹脂及び第2の樹脂はメタクリル樹脂であることを特徴とする付記3に記載の光学コンポーネント。
【0126】
(43) 前記第1の樹脂及び第2の樹脂はポリカーボネートであることを特徴とする付記3に記載の光学コンポーネント。
【0127】
(44) 前記第1の樹脂及び第2の樹脂はアクリルニトリルスチレンであることを特徴とする付記3に記載の光学コンポーネント。
【0128】
(45) 前記第1の樹脂及び第2の樹脂はポリスチレンであることを特徴とする付記3に記載の光学コンポーネント。
【0129】
(46) 前記光学素子部をメタクリル樹脂によって形成し、前記光学素子部に隣接する部材をポリカーボネートによって形成したことを特徴とする付記3に記載の光学コンポーネント。
【0130】
(47) 前記光学素子部をメタクリル樹脂によって形成し、前記光学素子部に隣接する部材をアクリルニトリルスチレンによって形成したことを特徴とする付記3に記載の光学コンポーネント。
【0131】
(48) 前記光学素子部をメタクリル樹脂によって形成し、前記光学素子部に隣接する部材をアクリルニトリルブタジェンスチレンによって形成したことを特徴とする付記3に記載の光学コンポーネント。
【0132】
(49) 前記光学素子部をポリカーボネートによって形成し、前記光学素子部に隣接する部材をメタクリル樹脂によって形成したことを特徴とする付記3に記載の光学コンポーネント。
【0133】
(50) 前記光学素子部をポリカーボネートによって形成し、前記光学素子部に隣接する部材をアクリルニトリルブタジェンスチレンによって形成したことを特徴とする付記3に記載の光学コンポーネント。
【0134】
(51) 前記光学素子部をアクリルニトリルスチレンによって形成し、前記光学素子部に隣接する部材をメタクリル樹脂によって形成したことを特徴とする付記3に記載の光学コンポーネント。
【0135】
(52) 前記光学素子部をアクリルニトリルスチレンによって形成し、前記光学素子部に隣接する部材をアクリルニトリルブタジェンスチレンによって形成したことを特徴とする付記3に記載の光学コンポーネント。
【0136】
(53) 樹脂により形成された光学素子部と、樹脂により形成された前記光学素子部に隣接する部材とが一体に形成された光学コンポーネントにおいて、
前記光学素子部を一次成形し、これをインサート物とするインサート成形によって前記光学素子部に隣接する部材を二次成形することにより、これらを一体的に形成したことを特徴とする光学コンポーネント。
【0137】
付記53の構成では、光学素子部を一次成形した後、この光学素子部に隣接する部材を二次成形しているため、光学素子部の成形の際に、光学素子部に隣接する部材を形成する樹脂が混入することがなく、異物の混入のない透明度の高い光学素子部を形成できる。よって、光学性能が良好で、安価な光学コンポーネントを提供できる。
【0138】
(54) 前記光学素子部を一次成形し、これを成形金型から取り出すことなく前記光学素子部に隣接する部材を二次成形する二色成形工程によって、前記光学素子部と前記光学素子部に隣接する部材を一体的に形成したことを特徴とする付記53に記載の光学コンポーネント。
【0139】
付記54の構成では、一次成形した部材を成形金型から取り出すことなく二次成形を行うことにより、成形された光学素子部を成形金型から取り出したり、他の成形金型にセットしたりする必要がなく、より安価で生産性の良い光学コンポーネントを提供できる。
【0140】
(55) 前記光学素子部に隣接する部材は光学的に不透明な樹脂によって形成されていることを特徴とする付記53または54に記載の光学コンポーネント。
【0141】
(56) 前記光学素子部に隣接する部材は前記光学素子部を支持する支持部材であることを特徴とする付記53ないし55に記載の光学コンポーネント。
【0142】
(57) 前記光学素子部は複数の光学素子要素からなり、前記光学素子部に隣接する部材は前記複数の光学素子要素を光学的に遮断する遮光部材であることを特徴とする付記53ないし55に記載の光学コンポーネント。
【0143】
(58) 樹脂により形成された光学素子部と、樹脂により形成された前記光学素子部に隣接する部材とが一体に形成された光学コンポーネントを備えた内視鏡を含む内視鏡装置において、
前記光学素子部を一次成形し、これをインサート物とするインサート成形によって前記光学素子部に隣接する部材を二次成形することにより、これらを一体的に形成したことを特徴とする内視鏡装置。
【0144】
(59) 前記光学素子部を一次成形し、これを成形金型から取り出すことなく前記光学素子部に隣接する部材を二次成形する二色成形工程によって、前記光学素子部と前記光学素子部に隣接する部材を一体的に形成したことを特徴とする付記58に記載の内視鏡装置。
【0145】
(60) 前記光学素子部に隣接する部材は光学的に不透明な樹脂によって形成されていることを特徴とする付記58または59に記載の内視鏡装置。
【0146】
(61) 前記光学素子部は内視鏡の挿入部の先端に設けられた観察光学系の最先端に位置する観察光学素子を構成するものであり、前記光学素子部に隣接する部材は前記観察光学素子を支持する支持部材であることを特徴とする付記58ないし60に記載の内視鏡装置。
【0147】
(62) 前記光学素子部は内視鏡の挿入部の先端に設けられた照明光学系の最先端に位置する照明光学素子を構成するものであり、前記光学素子部に隣接する部材は前記照明光学素子を支持する支持部材であることを特徴とする付記58ないし60に記載の内視鏡装置。
【0148】
(63) 前記内視鏡は接眼光学系を有するファイバスコープであり、前記光学素子部は接眼光学系の外表面に露出した接眼光学素子を構成するものであり、前記光学素子部に隣接する部材は前記接眼光学素子を支持する支持部材であることを特徴とする付記58ないし60に記載の内視鏡装置。
【0149】
(64) 前記光学素子部は内視鏡の挿入部の先端に設けられた観察光学系の最先端に位置する観察光学素子と照明光学系の最先端に位置する照明光学素子とを構成するものであり、前記光学素子部に隣接する部材は前記観察光学素子と照明光学素子とを光学的に遮断する遮断部材であることを特徴とする付記58ないし60に記載の内視鏡装置。
【0150】
(65) 挿入部の先端に観察光学系と照明光学系とを有するカバー用内視鏡と、このカバー用内視鏡に着脱自在に外装される内視鏡カバーとを有して構成され、
前記内視鏡カバーの先端部に、前記光学素子部として前記観察光学系の先端側に位置するよう設けられた観察窓と前記照明光学系の先端側に位置するように設けられた照明窓とを設け、前記光学素子部に隣接する部材として前記光学素子部を支持する支持部材を設けたことを特徴とする付記58ないし60に記載の内視鏡装置。
【0151】
(66) 挿入部の先端に観察光学系と照明光学系とを有するカバー用内視鏡と、このカバー用内視鏡に着脱自在に外装される内視鏡カバーとを有して構成され、
前記内視鏡カバーの先端部に、前記光学素子部として前記観察光学系の先端側に位置するよう設けられた観察窓と前記照明光学系の先端側に位置するように設けられた照明窓とを設け、前記光学素子部に隣接する部材として前記観察窓と前記照明窓とを光学的に遮断する遮光部材を設けたことを特徴とする付記58ないし60に記載の内視鏡装置。
【0152】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、光学素子部を一次成形した後、この光学素子部に隣接する部材を二次成形して、光学素子部の成形の際に、光学素子部に隣接する部材を形成する樹脂が光学素子部内に混入することをなくし、異物の混入のない透明度の高い光学素子部を形成でき、光学性能が良好で、安価な光学コンポーネントの成形方法を提供できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る内視鏡装置の構成を示す構成説明図
【図2】内視鏡の挿入部先端部の構成を示す断面図
【図3】第1の実施形態の光学コンポーネントの構成を示す断面図
【図4】第1の実施形態に係る光学コンポーネントの一次成形の際に用いる成形金型の構成を示す断面図
【図5】第1の実施形態に係る光学コンポーネントの二次成形の際に用いる成形金型の構成を示す断面図
【図6】本発明の第2の実施形態に係るカバー式内視鏡の構成を示す構成説明図
【図7】内視鏡カバーを装着した状態でのカバー式内視鏡の挿入部先端部の構成を示す断面図
【図8】第2の実施形態に係る内視鏡カバーの先端カバー部を先端側から見た平面図
【図9】第2の実施形態に係る先端カバー部の一次成形の際に用いる成形金型の構成を示す断面図
【図10】第2の実施形態に係る先端カバー部の二次成形の際に用いる成形金型の構成を示す断面図
【図11】本発明の第3の実施形態に係る内視鏡カバーの先端カバー部を先端側から見た平面図
【図12】第3の実施形態に係る先端カバー部の構成を示す断面図
【図13】第3の実施形態に係る先端カバー部の成形の際に用いる成形金型の構成を示す断面図
【図14】本発明の第4の実施形態に係る内視鏡カバーの先端カバー部を先端側から見た平面図
【図15】第4の実施形態に係る先端カバー部の構成を示す断面図
【図16】第4の実施形態に係る先端カバー部の一次成形の際に用いる成形金型の構成を示す断面図
【図17】第4の実施形態に係る先端カバー部の二次成形の際に用いる成形金型の構成を示す断面図
【符号の説明】
1…内視鏡
5…挿入部
6…先端部
9…観察光学系
14…先端レンズ
15…支持部
16…光学コンポーネント
19…雄金型
20…一次雌金型
21…一次キャビティ
22…二次雌金型
23…二次キャビティ

Claims (4)

  1. 成形により形成される部材と嵌合する部位を有する雄金型と第1の雌金型とによって形成される第1のキャビティに、第1の樹脂を射出して光学部材を成形する第1の成形ステップと、
    前記第1の成形ステップにより形成された前記光学部材を、前記雄金型の前記嵌合する部位に嵌合させた状態で、前記第1の雌金型より分離する分離ステップと、
    前記光学部材を前紀雄金型に嵌合した状態で、第2の雌金型に挿入し、前記光学部材をインサート物とするインサート成形により、前記光学部材に隣接する部材を二次成形する第2の成形ステップと、
    を備えたことを特徴とする光学コンポーネントの成形方法。
  2. 前記光学部材は光学レンズであり、
    前記隣接する部材は、前記光学レンズを支持する不透明な部材であることを特徴とする請求項1記載の光学コンボーネントの成形方法。
  3. 前記光学部材は、内視鏡の先端に用いられる観察窓と照明窓であり、
    前記隣接する部材は、前記観察窓と前記照明窓とを支持する不透明な部材であることを特徴とする請求項1記載の光学コンボーネントの成形方法。
  4. 前記光学部材は、カバー内視鏡の先端に用いられる内視鏡カバーの先端に位置する観察窓と照明窓であり、
    前記隣接する部材は、前記観察窓と前記照明窓とを支持する不透明な部材であることを特徴とする請求項1記載の光学コンポーネントの成形方法。
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