JP3820073B2 - トリビュタリ信号伝送システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、送信装置の各トリビュタリが出力した各トリビュタリ信号を多重化して伝送路に送出し、伝送路から入力される多重化された各トリビュタリ信号を受信装置によって多重分離し、各トリビュタリ信号に対応する受信側の各トリビュタリに分配するトリビュタリ信号伝送システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、複数のトリビュタリ信号を多重し、多重分離する方式としては、たとえば、ITU−T(International Telecommunication Union-Telecommunication)勧告G.975(Forward error correction for submarine system 1996/11)に記載されたものがある。
【0003】
図16は、ITU−T勧告G.975に記載されたM個のFECデータを伝送する従来のトリビュタリ信号伝送システムの構成を示すブロック図である。図16において、送信装置210と受信装置220とは、光ファイバ等の伝送路201によって接続される。送信装置210は、M個のトリビュタリ210−1〜210−Mを有し、各トリビュタリ210−1〜210−Mから出力されたトリビュタリ信号(FECデータ)S210は、多重部212によって多重化され、多重化された多重化信号S202は電気光変換部213によって光信号である伝送信号S203に変換され、伝送路201上に送信される。受信装置220は、伝送路201から入力された伝送信号S203を光電気変換部224によって電気信号である多重化信号S204に変換し、変換された多重化信号S204を分離部223によって多重分離し、各トリビュタリ信号S206をそれぞれ対応するM個のトリビュタリ220−1〜220−Mに分配出力する。
【0004】
図17は、ITU−T勧告G.975に記載され、上述したM個の各FECデータのフレームフォーマットを示す図である。図17において、各FECデータである各トリビュタリ信号は、8個のサブフレームをn個有し、各サブフレームは、255ビットであり、オーバヘッドとSTM−16データと巡回符号データとを有する。各サブフレームはインターリーブされて出力され、255個のコラムを構成する。各フレームは、多重化され、そのままのフォーマットをもつ伝送信号S203として送信される。ここで、ITU−T勧告G.975の5.4.2に記載されているように、コラム「1」には、このフレームのフレーム位相を識別するためのフレーム識別情報(FEC Frame Alignment Word)、送信装置210と受信装置220との各トリビュタリの対応関係を識別するための識別コード(the tributary markers)などが収容されている。
【0005】
したがって、図18に示すように、送信装置210側の各トリビュタリ210−1〜210−Mは、自トリビュタリに識別コードを付加するコード付加部211−1〜211−Mをそれぞれ有する。また、受信装置220側の各トリビュタリ220−1〜220−Mは、自トリビュタリの識別コードを認識するコード認識部221−1〜221−Mをそれぞれ有するとともに、分離部223と各トリビュタリ220−1〜220−Mとの間に、コード認識部221−1〜221−Mの認識結果をもとに分離部223から出力された多重分離信号(トリビュタリ信号)S205の分配制御を行う分配部204が設けられる。各トリビュタリ210−1〜210−Mは、それぞれ各トリビュタリ220−1〜220−Mに対応して送信するため、各トリビュタリ210−1〜210−Mと各トリビュタリ220−1〜220−Mとには、それぞれ対応する異なる識別コードが予め設定される。
【0006】
図18〜図21を参照して、この識別コードを用いた各トリビュタリ信号の分配方式についてさらに詳述する。図18において、送信装置210の各コード付加部211−1〜211−Mは、各自トリビュタリ信号に対して予め設定され、各トリビュタリ210−1〜210−M毎に異なる識別コードを周期的に付加するとともに、この周期を識別するための各トリビュタリに共通なフレーム識別情報を付加する。この際、フレーム識別情報が付加される位置と識別コードが付加される位置との位相関係は固定される。この識別コードおよびフレーム識別情報が付加されたトリビュタリ信号S201は、多重部212によって多重化され、電気光変換部213によって光信号としての伝送信号S203に変換されて伝送路201に送信される。
【0007】
受信装置220の光電気変換部224は、伝送路201から入力される伝送信号S203を電気信号である多重化信号S204に変換し、分離部223は多重化信号S204を、多重化したM個のトリビュタリ数と同数に多重分離し、多重分離信号S205を分配部222に出力する。分配部222は、各トリビュタリ220−1〜220−Mのコード識別部221−1〜221−Mから入力される位相識別情報をもとに各トリビュタリ信号S206を各トリビュタリ220−1〜220−Mに分配する。
【0008】
分配部222によって分配された各トリビュタリ信号S206は、各トリビュタリのコード識別部221−1〜221−Mに入力される。各コード識別部221−1〜221−Mは、図19に示したコード識別部221−1の構成をもつ。トリビュタリ221−1に入力されたトリビュタリ信号S206−1は、コード抽出部241に入力され、コード抽出部241は、図20に示すように、フレーム識別部251が、トリビュタリ信号S206−1に付加されたフレーム識別情報をパターン照合によって検出し、検出結果であるフレーム位相を位相情報S241としてコード取り出し部252に出力する。コード取り出し部252は、位相情報S241が示すフレーム位相をもとにトリビュタリ信号S206−1内の識別コードS252を取り出し、M個のコード一致検出部242−1〜242−Mに出力する。
【0009】
各コード一致検出部242−1〜242−Mは、M個の各トリビュタリ220−1〜220−Mの個数と同じ個数を有し、それぞれに各トリビュタリ220−1〜220−Mに設定される識別コードを保持し、入力された識別コードS252と一致するか否かを検出し、検出結果を位相差識別部243に出力する。位相差識別部243は、自トリビュタリ220−1に設定された識別コードとの位相差を識別し、識別結果を位相差情報S208−1として分配部222に出力する。
【0010】
分配部222には、各識別コード部221−1〜221−Mから出力された位相差情報S208(S208−1〜S208−M)が入力され、位相差判定部233は、この位相差情報S208をもとに、現在のトリビュタリ信号の分配状態と正しいトリビュタリ信号の分配状態との位相差を判定し、判定した判定位相差S231をシフト数制御部232に出力する。シフト数制御部232は、現在の分配状態を正しい分配状態にするための分配先のシフト数S232を方路設定部231に出力する。方路設定部231は、入力されたシフト数S232をもとに多重分離信号S205の分配先をシフトして各多重分離信号の分配先が正しいトリビュタリ220−1〜220−Mとなるように切替制御する。これによって、送信装置210側のトリビュタリ210−1〜210−Mにそれぞれ対応する受信装置220側のトリビュタリ220−1〜220−Mに、各トリビュタリ信号が送信され、受信されることになる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来のトリビュタリ信号伝送システムでは、分配部222が、各コード識別部220−1〜220−Mから出力される位相差情報S208をもとに各トリビュタリ信号S206の分配先を切り替えた場合、各トリビュタリ信号S206のフレーム同期が崩れる場合がある。
【0012】
図22は、分配部222による分配先のシフトが行われた場合の多重化信号S205と各トリビュタリ信号S206−1〜S206−4の関係と示した図である。図22では、トリビュタリの多重数M=4とし、シフト数=2とした場合を示している。図22において、「1a」などの各信号を示す値のうちの数字「1」〜「4」は各トリビュタリを示し、ローマ字「a」〜「e」は各トリビュタリに対する信号の順序を示している。図22では、時刻Tまでは、たとえばトリビュタリ220−1に入力されるトリビュタリ信号S206−1はトリビュタリ220−3に対応する信号であり、各トリビュタリ信号S206−1〜S206−4は、それぞれ二つずつ分配先がずれている。時刻Tにおいて、シフト数=2とする方路切替が実行され、各トリビュタリ220−1〜220−4に対応するトリビュタリ信号S206−1〜S206−4が分配されている。
【0013】
しかし、時刻Tによる方路切替前後の各トリビュタリ信号S206−1〜S206−4のビット順序をみると、たとえばトリビュタリ信号S206−1は、「3a」→「3b」→「1d」→「1e」として受信され、「c」番目に対応するビットが欠落している。一方、各トリビュタリ信号S206−1〜S206−4は全てフレーム識別情報をもっているため、この「c」番目のビットの欠落によって、トリビュタリ220−1のフレーム識別部251は、フレーム識別情報を認識することができなくなる。なぜなら、フレーム識別部251は、一定の識別パターンを検出した場合に、この検出後、一定の周期でこの識別パターンの確認動作を行うようにしているからである。
【0014】
さらに、フレーム識別部251による一般的なフレーム同期処理は、ビット誤りなどによって、同期状態と非同期状態との間の遷移を頻繁に発生させないようにするため、前方保護や後方保護等の同期保護を行っている。すなわち、同期パターンの一致確認が連続して生じた場合に同期を確立し、同期パターンの不一致確認が連続して生じた場合に同期外れを認識する同期保護を行っている。この同期保護の保護段数(連続回数)は、ビット誤り等の誤同期や、誤って同期を外してしまう確率を出きる限り低くするため、通常、数回から7回程度に設定される。
【0015】
たとえば、前方保護および後方保護の保護段数をともに「3」とすると、上述したトリビュタリ信号S206−1のビットの欠落によって、トリビュタリ220−1では、フレーム同期外れに至るまで3フレーム、続いてフレーム同期を確立するまでにさらに3フレームを必要とする。このようなフレーム同期外れの状態では、フレーム位相の識別を行うことができないため、上述したSTM−16データや、オーバヘッド内のフレーム識別情報および識別コードを認識することができず、正常な信号伝達を行うことができない。
【0016】
したがって、上述した従来のトリビュタリ信号伝送システムでは、分配部222が、各コード識別部220−1〜220−Mから出力される位相差情報S208をもとに各トリビュタリ信号S206の分配先を切り替えた場合、各トリビュタリ信号S206のフレーム同期が崩れる場合があり、この場合、各トリビュタリ220−1〜220−Mにおけるフレーム同期が外れ、トリビュタリ信号の正常な伝達が遅れてしまうという問題点があった。
【0017】
この発明は上記に鑑みてなされたもので、トリビュタリ信号の分配を切り替えた場合に、全トリビュタリ信号のフレーム同期外れをなくし、安定性および信頼性の高いトリビュタリ信号伝送システムを得ることを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、この発明にかかるトリビュタリ信号伝送システムは、予め設定されたトリビュタリ順序に従って、各トリビュタリ毎に設定された識別コードと各トリビュタリに共通のフレーム識別情報とが付加された各トリビュタリ信号を多重化し、この多重化した信号を送信装置側から受信装置側に送信し、受信装置側が、前記多重化された信号を多重分離し、分配手段が該多重分離した各トリビュタリ信号を分配して各トリビュタリに転送し、各トリビュタリが、コード識別手段によって、入力されたトリビュタリ信号から識別コードを抽出し、該識別コードと自トリビュタリの識別コードとの位相差を検出し、前記分配手段が該位相差をもとに各トリビュタリ信号がそれぞれ対応するトリビュタリに転送されるように切替制御し、前記送信装置の各トリビュタリが送信する各トリビュタリ信号を前記受信装置内の対応する各トリビュタリに伝送するトリビュタリ信号伝送システムにおいて、各前記コード識別手段は、入力されたトリビュタリ信号内のフレーム識別情報をもとにフレーム周期をカウントしてフレーム位相を識別するフレーム識別手段を有し、該フレーム位相をもとに、入力されたトリビュタリ信号の識別コードを抽出するコード抽出手段と、抽出した識別コードと自トリビュタリの識別コードとの位相差を認識し、該位相差を位相差情報として前記分配手段に出力する位相差識別手段とを備え、前記分配手段は、各トリビュタリ信号の現分配状態と各トリビュタリに対応する各トリビュタリ信号の正規分配状態との位相差を前記位相差識別手段からの前記位相差情報をもとに判定する位相差判定手段と、前記位相差判定手段が判定した位相差に対応するシフト数を求め、各トリビュタリ信号の分配先を該シフト数分、シフトさせる指示を行うシフト制御手段と、前記シフト制御手段の指示によって各トリビュタリ信号の分配先をシフトする方路設定手段と、前記シフト数を前記コード抽出手段に転送するシフト数転送手段とを備え、前記コード抽出手段は、前記シフト数転送手段から転送されたシフト数をもとに前記フレーム識別手段がカウントするフレーム周期をシフトさせるカウントシフト制御手段を備えたことを特徴とする。
【0019】
この発明によれば、各コード識別手段のフレーム識別手段が、自トリビュタリに入力されたトリビュタリ信号内のフレーム識別情報をもとにトリビュタリ信号のフレーム周期をカウントしてフレーム位相を識別し、コード抽出手段が、該フレーム位相をもとに、入力されたトリビュタリ信号の識別コードを抽出し、位相差識別手段がこの抽出した識別コードと自トリビュタリの識別コードとの位相差を認識し、該位相差を位相差情報として分配手段に出力する。分配手段の位相差判定手段が、各トリビュタリ信号の現分配状態と各トリビュタリに対応する各トリビュタリ信号の正規分配状態との位相差を前記位相差識別手段からの前記位相差情報をもとに判定し、シフト制御手段が、前記位相差判定手段が判定した位相差に対応するシフト数を求め、各トリビュタリ信号の分配先を該シフト数分、シフトさせる指示を行い、方路設定手段が、前記シフト制御手段の指示によって各トリビュタリ信号の分配先をシフトし、シフト数転送手段が、前記シフト数を前記コード抽出手段に転送し、前記コード抽出手段のカウントシフト制御手段が、前記シフト数転送手段から転送されたシフト数をもとに前記フレーム識別手段がカウントするフレーム周期をシフトさせ、前記方路設定手段が各トリビュタリ信号の分配先をシフトした場合に生じる、各トリビュタリ信号のビットずれによるフレーム同期外れをなくすようにしている。
【0020】
つぎの発明にかかるトリビュタリ信号伝送システムは、上記の発明において、前記コード抽出手段は、入力されたトリビュタリ信号を並列信号に変換する直並列変換手段と、前記直並列変換手段によって並列展開されたトリビュタリ信号内のフレーム識別情報をもとにフレーム周期をカウントしてフレーム位相を識別するフレーム識別手段と、前記直並列変換手段による並列展開動作の周期をシフトさせる直並列変換シフト制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0021】
この発明によれば、コード抽出手段内の直並列変換手段が、入力されたトリビュタリ信号を並列信号に変換して出力するとともに、フレーム識別手段が、前記直並列変換手段によって並列展開されたトリビュタリ信号内のフレーム識別情報をもとにフレーム周期をカウントしてフレーム位相を識別し、コード抽出手段がこのフレーム位相をもとに、入力されたトリビュタリ信号の識別コードを抽出する。直並列変換シフト手段には、シフト数転送手段からシフト数が転送され、直並列変換シフト手段は、このシフト数をもとに自トリビュタリに入力されるトリビュタリ信号のビットずれを求め、前記直並列変換手段による並列展開動作の周期をシフトさせ、入力されたトリビュタリ信号のビットずれによるフレーム同期外れをなくすようにしている。
【0022】
つぎの発明にかかるトリビュタリ信号伝送システムは、上記の発明において、前記コード抽出手段は、入力されたトリビュタリ信号を並列信号に変換する直並列変換手段と、前記直並列変換手段によって並列展開されたトリビュタリ信号内のフレーム識別情報をもとにフレーム周期をカウントしてフレーム位相を識別するフレーム識別手段と、前記直並列変換手段によって並列展開されたトリビュタリ信号の並列ビット順序をシフトさせるビットシフト制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0023】
この発明によれば、前記コード抽出手段内の直並列変換手段が、入力されたトリビュタリ信号を並列信号に変換して出力するとともに、フレーム識別手段が、前記直並列変換手段によって並列展開されたトリビュタリ信号内のフレーム識別情報をもとにフレーム周期をカウントしてフレーム位相を識別し、コード抽出手段がこのフレーム位相をもとに、入力されたトリビュタリ信号の識別コードを抽出する。ビットシフト制御手段には、シフト数転送手段からシフト数が転送され、ビットシフト制御手段は、このシフト数をもとに自トリビュタリに入力されるトリビュタリ信号のビットずれを求め、前記直並列変換手段によって並列展開されたトリビュタリ信号の並列ビット順序をシフトさせ、入力されたトリビュタリ信号のビットずれによるフレーム同期外れをなくすようにしている。
【0024】
つぎの発明にかかるトリビュタリ信号伝送システムは、上記の発明において、前記分配手段に入力される多重分離されたトリビュタリ信号は、並列信号であり、前記コード抽出手段は、入力された並列のトリビュタリ信号をさらに並列展開する直並列変換手段と、前記直並列変換手段によって並列展開されたトリビュタリ信号内のフレーム識別情報をもとにフレーム周期をカウントしてフレーム位相を識別するフレーム識別手段と、前記直並列変換手段による並列展開動作の周期をシフトさせる直並列変換シフト制御手段と、前記直並列変換手段によって並列展開出力されたトリビュタリ信号の並列ビット順序をシフトさせるビットシフト制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0025】
この発明によれば、コード抽出手段内の直並列変換手段が、入力された並列のトリビュタリ信号をさらに並列展開して出力するとともに、フレーム識別手段が、前記直並列変換手段によって並列展開されたトリビュタリ信号内のフレーム識別情報をもとにフレーム周期をカウントしてフレーム位相を識別し、コード抽出手段がこのフレーム位相をもとに、並列展開されたトリビュタリ信号内の識別コードを抽出する。直並列変換シフト手段およびビットシフト制御手段には、シフト数転送手段からシフト数が転送され、直並列変換シフト手段が、このシフト数をもとに前記直並列変換手段による並列展開動作の周期をシフトさせ、前記ビットシフト制御手段が、前記直並列変換手段によって並列展開出力されたトリビュタリ信号の並列ビット順序をシフトさせ、入力された並列のトリビュタリ信号のビットずれによるフレーム同期外れをなくすようにしている。
【0026】
つぎの発明にかかるトリビュタリ信号伝送システムは、上記の発明において、前記コード識別手段は、前記分配手段に出力する位相差情報の出力タイミングを調整する位相管理手段をさらに備えたことを特徴とする。
【0027】
この発明によれば、コード識別手段の位相管理手段が、分配手段に出力する位相差情報の出力タイミングを調整する。すなわち、シフト制御手段が方路設定手段にシフト数を指示するタイミングおよびシフト数転送手段がシフト数を転送するタイミングを調整し、入力されたトリビュタリ信号のフレーム位相の中心付近でフレーム周期の補正を行えるようする。
【0028】
つぎの発明にかかるトリビュタリ信号伝送システムは、上記の発明において、前記送信装置は、各トリビュタリ信号のフレーム内に誤り訂正符号を付加する誤り訂正付加手段をさらに備え、前記受信装置は、各トリビュタリ信号のフレーム内の誤り訂正符号をもとに該トリビュタリ信号の誤り訂正を行う誤り訂正手段をさらに備え、前記フレーム識別手段は、フレーム同期の識別が確立している場合、前記誤り訂正手段によって誤り訂正されたトリビュタリ信号内のフレーム識別情報をもとにフレーム同期の認識を行い、フレーム同期の識別が確立していない場合、前記誤り訂正手段に入力される誤り訂正前のトリビュタリ信号内のフレーム識別情報をもとにフレーム同期の認識を行うことを特徴とする。
【0029】
この発明によれば、フレーム識別手段が、フレーム同期の識別が確立している場合、誤り訂正手段によって誤り訂正されたトリビュタリ信号内のフレーム識別情報をもとにフレーム同期の認識を行い、フレーム同期の識別が確立していない場合、誤り訂正手段に入力される誤り訂正前のトリビュタリ信号内のフレーム識別情報をもとにフレーム同期の認識を行うようにしている。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかるトリビュタリ信号伝送システムの好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0031】
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1であるトリビュタリ信号伝送システムの全体構成を示すブロック図である。図1において、送信装置10および受信装置20は、光ファイバなどの伝送路1によって接続される。送信装置10は、M個のトリビュタリ10−1〜10−Mを有し、各トリビュタリ10−1〜10−Mは、コード付加部11−1〜11−Mを有する。また、受信装置20は、M個のトリビュタリ20−1〜20−Mを有し、各トリビュタリ20−1〜20−Mは、コード識別部21−1〜21−Mを有する。各トリビュタリ10−1〜10−Mは、それぞれは、それぞれ自トリビュタリ信号に対して予め設定され、受信装置20の各トリビュタリ20−1〜20−Mにそれぞれ対応して予め設定された、各トリビュタリ10−1〜10−M毎に異なる識別コードを周期的に付加するとともに、この周期を識別するための各トリビュタリに共通なフレーム識別情報を付加する。この際、フレーム識別情報が付加される位置と識別コードが付加される位置との位相関係は固定である。この識別コードおよびフレーム識別情報が付加されたトリビュタリ信号S1は、多重部12によって多重化された多重化信号S2として電気光変換部13に入力され、電気光変換部13によって光信号としての伝送信号S3に変換されて伝送路1に送信される。
【0032】
受信装置20の光電気変換部24は、伝送路1から入力される伝送信号S3を電気信号である多重化信号S4に変換し、分離部23は多重化信号S4を、多重化したM個のトリビュタリ数と同数に多重分離し、この多重分離信号S5を分配部22に出力する。分配部22は、各トリビュタリ20−1〜20−Mのコード識別部21−1〜21−Mから入力される位相識別情報S8をもとに各トリビュタリ信号S6を各トリビュタリ20−1〜20−Mに分配する。
【0033】
分配部22によって分配された各トリビュタリ信号S6は、各トリビュタリのコード識別部21−1〜21−Mに入力される。各コード識別部21−1〜21−Mは、入力されたトリビュタリ信号S6(S6−1〜S6−M)から識別コードを取り出し、この取り出した識別コードと自識別コードとの位相差である位相差情報S8(S8−1〜S8−M)を分配部22に出力するとともに、入力されたトリビュタリ信号S6−1〜S6−Mを出力する。
【0034】
図2は、図1に示した分配部22の構成を示すブロック図である。図2において、方路設定部31は、分離部23から入力されるM個の多重分離信号S5を各トリビュタリ20−1〜20−Mに対して1対1に割り当てたM個のトリビュタリ信号S6として各トリビュタリ20−1〜20−Mに出力する。位相差判定部33は、コード識別部21−1〜21−Mから入力される位相差情報S8(S8−1〜S8−M)をもとに、一つの位相差を判定し、判定結果である判定位相差S31をシフト数制御部32に出力する。シフト数制御部32は、判定位相差S31をもとに、方路設定部31に設定されている多重分離信号S5の分配先をシフトさせるシフト数S32を方路設定部31に出力するとともに、シフト数転送部34に出力する。方路設定部31は、シフト数制御部32から入力されたシフト数S32が指示するシフト数分、多重分離信号S5の分配先をシフトさせる。この分配先のシフトによってトリビュタリ信号S6−1〜S6−Mは、それぞれトリビュタリ20−1〜20−Mに正しく対応させられる。
【0035】
一方、シフト数転送部34は、入力されたシフト数S32を、方路設定部31による分配先のシフト動作から、このシフト動作によって生じる各トリビュタリ20−1〜20−Mのコード識別部21−1〜21−Mにおけるトリビュタリ信号S6−1〜S6−Mのシフトまでの時間を認識しており、コード認識部21−1〜21−Mにおけるフレーム同期が外れないタイミングでシフト数S32をシフト数S7としてコード識別部21−1〜21−Mに出力する。
【0036】
図3は、コード識別部21−1の構成を示すブロック図であり、図4は、コード識別部21−1内のコード抽出部41の構成を示すブロック図である。なお、他のコード識別部21−2〜21−Mの構成は、コード識別部21−1と同じ構成である。図3および図4において、各コード識別部21−1は、コード抽出部41を有する。
【0037】
コード抽出部41には、方路設定部31からトリビュタリ信号S6−1が入力される。コード抽出部41は、フレーム識別部51を有し、フレーム識別部51は、トリビュタリ信号S6−1に付加されたフレーム識別情報をパターン照合によって検出し、検出結果であるフレーム位相を位相情報S41として、コード取り出し部52に送出するとともに、位相差識別部43に送出する。コード取り出し部52は、位相情報S41が示すフレーム位相をもとに、トリビュタリ信号S6−1内の識別コードS52を抽出し、M個のコード一致検出部42−1から42−Mに出力する。なお、トリビュタリ信号S6−1は、そのまま最終的なトリビュタリ信号S6−1として出力される。
【0038】
各コード一致検出部42−1〜42−Mは、M個の各トリビュタリ20−1〜20−Mの個数と同じ個数を有し、それぞれに各トリビュタリ20−1〜20−Mに設定される識別コードを保持し、入力された識別コードS52と一致するか否かを検出し、検出結果を位相差識別部43に出力する。位相差識別部43は、自トリビュタリ20−1に設定された識別コードとの位相差を識別し、識別結果を位相差情報S8−1として分配部22に出力する。位相差識別部43は、位相差が正の値または「0」の値である場合には、その値をそのまま位相差情報S8−1として出力し、負の値となる場合には、値「M」を付加し、一致が検出されない場合およびコード抽出部41による識別コードの抽出ができなかったことを示す抽出無効信号が入力された場合には、位相差情報S8−1が無効であることを示す値にして出力する。
【0039】
一方、コード抽出部41内のカウントシフト制御部53には、シフト数転送部34から出力されたシフト数S7が入力され、カウントシフト制御部53は、シフト数S7が示す値が「0」またはシフト数S7が入力されない場合、フレーム識別部51に対する制御は行わない。シフト数S7の値が「0」でない場合、自トリビュタリ20−1の番号「1」とシフト数S7の値とから、方路設定部31のシフト動作時におけるビットずれ量をフレーム識別部51に指示する。フレーム識別部51は、一定のフレーム周期で、入力されるトリビュタリ信号S6−1内のフレーム識別情報を確認している。ここで、方路設定部31によるシフト動作によってビットずれが生じた場合で、カウントシフト制御部53からの制御入力がない場合、トリビュタリ信号S6−1のフレーム位相が変化する。このため、フレーム識別部51は、カウントシフト制御部53からの制御によって、方路設定部31によるシフト動作によって生じたビットずれの方向と数とが認識され、フレーム周期をカウントする値が補正され、フレーム同期外れが生じることがない。
【0040】
図5は、方路設定部31のシフト動作によるビットずれと各トリビュタリ20−1〜20−Mにおけるビットずれの補正との関係の一例を示す図である。図5では、4つのトリビュタリ20−1〜20−4に対する多重化信号S4を各トリビュタリ20−1〜20−4に分配する際、2ビットずれており、時刻Tにおいて方路設定部31がシフト数=2のシフト動作を行っている。このシフト数=2のシフト動作によって、トリビュタリ20−1,20−2にそれぞれ入力されるトリビュタリ信号S6−1,S6−2は、1ビットの欠落が生じ、トリビュタリ20−3,20−4にそれぞれ入力されるトリビュタリ信号S6−3,S6−4は、1ビットの重複が生じている。すなわち、シフト数=2のシフト動作によって、トリビュタリ20−1,20−2では「−1」のビットずれが生じ、トリビュタリ20−3,20−4では「+1」のビットずれが生じている。この各トリビュタリ20−1〜20−4におけるビットずれの値は、自トリビュタリ20−1〜20−4の番号である「1」〜「4」の値と、シフト数=2の値とを知ることによって算出することができる。また、算出した結果をテーブルとして保持することによって、直ちに各トリビュタリ20−1〜20−4におけるビットずれを知ることができる。
【0041】
図6は、トリビュタリ20−1のコード抽出部41におけるビットずれに伴うフレーム周期の補正の一例を示す図である。図6に示すフレーム周期は、「a」〜「h」の8ビットであり、図5に示したフレーム周期が「a」〜「d」の4ビットである点が異なるが、方路設定部31によるシフトはシフト数=2であり、図5に示したシフト数と同じである。したがって、トリビュタリ20−1に入力されるトリビュタリ信号S6−1は、方路設定部31によるシフトが行われる以前は、トリビュタリ20−3に対応したトリビュタリ信号が入力されている。ここで、各ビットの数字は、トリビュタリの番号を示し、ローマ字は、フレーム位相を示している。たとえば、ビット「3a」は、トリビュタリの番号が「3」に対応するトリビュタリ20−3を示し、フレーム位相が、「a」〜「h」のうちの「a」であることを示している。なお、フレーム識別情報は、フレーム位相「a」および「b」をもつビット内に含まれている。したがって、フレーム識別部51は、図示しないフレーム周期カウンタ値FCが「a」および「b」の時にフレーム位相を認識し、フレーム識別情報確認信号(位相情報S41)を出力している。
【0042】
図6において、位相差識別部43から出力された位相差情報S8をもとに位相差判定部33が位相差を判定し、この判定位相差S31によって得られるシフト数S32は、シフト数=2である。これによって、分配部22の方路設定部31は、時刻Tでトリビュタリ信号S6を二つシフトさせる。このシフトされたトリビュタリ信号S6は、各トリビュタリ20−1〜20−8に転送されるが、シフト数転送部34によるシフト数S7の転送時間に比して早くコード抽出部41に到達し、時刻T1にシフト時点が入力される。この時刻T1以降におけるフレーム位相は、入力されたトリビュタリ信号S6−1に対してずれが生じている。
【0043】
一方、カウントシフト制御部53は、シフト数S7をもとに、トリビュタリ20−1に入力されたトリビュタリ信号S6−1が1ビット欠落することを認識し、フレーム周期を1ビット早める指示をフレーム識別部51に出力する。これによって、時刻T2において、フレーム識別部51内の図示しないフレーム周期カウンタは、フレーム周期カウンタ値FCを1ビット早め、シフトされたトリビュタリ信号S6−1のフレーム周期に同期できる補正を行う。フレーム識別部51は、フレーム周期カウンタ値FCの「a」および「b」によってフレーム識別情報確認信号を出力するようにしているので、方路設定部31のシフト動作によって各トリビュタリにおけるフレーム同期が外れることはない。
【0044】
なお、図6では、トリビュタリ信号S6−1に対する方路切替によるシフト時点のデータがコード抽出部41に入力される時刻T1と、カウントシフト制御部53によるフレーム周期を補正する時刻T2とは、2ビット分ずれているが、実際の受信装置20などにおけるトリビュタリ信号の伝送は高速である一方、シフト数S7等の制御信号の伝送は低速であるため、このようなビットずれを完全になくすことは困難である。しかしながら、上述したように、時刻T2においてカウントシフト制御部53によるフレーム同期の補正を行うことによって、フレーム同期が外れる前に、シフトされたトリビュタリ信号S6−1に同期するフレーム認識情報確認信号を得ることができるため、フレーム同期が外れることがない。
【0045】
一方、時刻T1と時刻T2との間に、フレーム識別情報が入ってしまう場合、フレーム識別情報確認ができなくなるが、通常、フレーム同期動作に対しては何段かの保護段数によって同期保護がなされ、フレーム識別情報確認が一度できなくても、フレーム同期が外れることはない。
【0046】
この実施の形態1によれば、方路設定部31が、トリビュタリ信号S6−1〜S6−Mが正規のトリビュタリ20−1〜20−Mに分配されるように分配先をシフトさせる場合に、各コード抽出部41に入力されるトリビュタリ信号S6−1〜S6−Mは、ビットずれを生ずるが、方路設定部31がシフト動作を行う際、シフト数転送部34が、このシフトしたシフト数S7をコード抽出部41のカウントシフト制御部53に出力し、各カウントシフト制御部53が、自コード抽出部41に入力されるトリビュタリ信号のビットずれに対応するフレーム同期ずれを補正するようにしているので、各コード抽出部41は、方路設定部31によるシフト動作が発生した後であっても、フレーム同期外れが発生せず、正常なトリビュタリ信号を出力することができる。
【0047】
実施の形態2.
つぎに、この発明の実施の形態2について説明する。実施の形態1におけるコード抽出部41は、シリアル信号のトリビュタリ信号S6をそのままトリビュタリ信号S6として出力していたが、この実施の形態2では、シリアル信号のトリビュタリ信号S6をパラレル信号(並列信号)に変換して出力し、この場合においてもコード抽出部のフレーム同期外れが生じないようにしている。
【0048】
図7は、この発明の実施の形態2であるトリビュタリ信号伝送システム内のコード抽出部の構成を示すブロック図である。この実施の形態2であるトリビュタリ信号伝送システムは、実施の形態1におけるコード抽出部41に代えてコード抽出部61を設けている点が実施の形態1の構成と異なる。その他の構成は実施の形態1と同じである。図7において、コード抽出部61は、実施の形態1におけるコード抽出部41に対応するが、実施の形態1と異なり、直並列変換部62を有する。直並列変換部62は、入力されたトリビュタリ信号S6−1を並列展開し、並列信号としてのトリビュタリ信号S62−1を出力する。
【0049】
また、コード抽出部61は、SPシフト制御部63を有し、SPシフト制御部63は、分配部22のシフト数転送部34から出力されるシフト数S7を受け付け、このシフト数S7に対応して直並列変換部62の直並列変換動作のシフトを行わせる。直並列変換部62は、図示しない直並列変換カウンタを有し、直並列変換カウンタは、並列展開数分のクロック数で周回する。直並列変換部62は、入力されるシリアルのトリビュタリ信号S6−1を、直並列変換カウンタの周期で取り込み、並列展開出力する。SPシフト制御部63から直並列変換部62にシフトの指示が入力されると、直並列変換部62は、このシフト指示に従った直並列変換動作を行う。
【0050】
一方、フレーム識別部51は、直並列変換部62によって並列展開されたトリビュタリ信号S62−1内のフレーム識別情報を検出し、フレーム位相の認識を行い、フレーム認識情報確認信号である位相情報S41をコード取り出し部52に出力する。この際、直並列変換部62は、並列展開されたトリビュタリ信号S62−1に同期した並列信号用分周クロックSPCKを生成し、トリビュタリ信号S62−1とともに出力し、フレーム識別部51は、この並列信号用分周クロックSPCKを参照してフレーム認識情報確認の処理を行う点が、実施の形態1に示したフレーム識別部51と異なる。また、コード取り出し部52は、フレーム識別部51から出力された位相情報S41を参照して、並列展開されたトリビュタリ信号S62−1から識別コードS52を抽出する。
【0051】
ここで、図8を参照して、直並列変換部62の直並列変換動作と、分配部22におけるトリビュタリ信号S6−1の方路切替の実行に伴うトリビュタリ信号S61−1のビットずれ補正の処理について説明する。図8において、コード抽出部61に入力されるトリビュタリ信号S6−1は、実施の形態1と同じであり、フレーム周期が「a」〜「h」の8ビットであり、分配部22による方路切替の実行以前では、フレーム位相は2ビットずれている。このため、トリビュタリ20−1のコード抽出部61に入力されるトリビュタリ信号S6−1は、トリビュタリ20−3に入力されるトリビュタリ信号が入力されている。
【0052】
直並列変換部62は、並列展開ビット数を「4」として直並列変換し、直並列変換部出力信号としてトリビュタリ信号S62−1を出力する。直並列変換部62の直並列変換カウンタは、1→2→3→4→1→…とする直並列変換カウンタ値SPCをカウントする。ここで、時刻Tにおいて、分配部22のシフト数制御部32にシフト数S32(シフト数=2)が入力されると、方路設定部31がトリビュタリ信号S6の分配先をシフトさせる。この時刻Tにおけるトリビュタリ信号S6−1は、時刻T1にコード抽出部61に入力される。
【0053】
一方、方路設定部31に出力されたシフト数S7は、シフト数転送部34によってSPシフト制御部63に入力され、シフト数S7(シフト数=2)と自トリビュタリ20−1の番号「1」とからシフト数=−1を算出し、時刻T2において、直並列変換カウンタ値SPCを一つ減じる直並列変換動作のシフトを行う。この直並列変換動作のシフトは、直並列変換カウンタ値SPCの値「4」を一度カウントせず、直並列変換動作として取り込むビット数を、通常の4ビットから、一時3ビットにする。この結果、カウント周期を1ビット前方にシフトさせる動作が達成される。このシフト動作によって、方路設定部31によってシフトされ、直並列変換されたトリビュタリ信号S62−1内においてフレーム識別情報が収容される「a」ビットおよび「b」ビットのビット位置、および並列信号用分周クロックSPCKを単位とした周期は変化しないため、トリビュタリ信号S62−1に対するフレーム同期が補正されたことになり、フレーム識別情報確認は政情に持続され、フレーム同期外れは発生しないことになる。
【0054】
この実施の形態2によれば、コード抽出部61が直並列変換動作を行う場合であっても、SPシフト制御部63がシフト数転送部34から出力されるシフト数S7をもとに直並列変換動作をシフトさせる制御を行うようにしているので、実施の形態1と同様に、方路設定部31によるシフト動作に伴うフレーム同期外れを発生しないようにすることができるとともに、コード抽出部61は直並列変換動作を行うようにしているので、高速なトリビュタリ信号の伝送を実現することができる。
【0055】
実施の形態3.
つぎに、この発明の実施の形態3について説明する。この実施の形態3では、実施の形態2と同様に、入力されるトリビュタリ信号を並列展開するもので、方路設定部31による方路切替のシフト数に応じて、並列展開後におけるトリビュタリ信号のビット位置を入れ替えることによって、この並列展開後におけるトリビュタリ信号内のフレーム識別情報の周期に影響を与えないようにし、フレーム同期が外れないようにするとともに、各位相差識別部43から位相差判定部33に出力される位相差情報S8の送出タイミングを制御することによって、方路切替が実行されるタイミングと、フレーム識別情報が入力されるタイミングとの差を保ち、フレーム同期の保護段数が「1」であっても、フレーム同期が外れないように制御するようにしている。
【0056】
図9は、この発明の実施の形態3であるトリビュタリ信号伝送システムのコード識別部71−1の構成を示すブロック図である。この実施の形態3のトリビュタリ信号伝送システムは、実施の形態1に示したトリビュタリ信号伝送システムにおけるコード識別部21−1に代えてコード識別部71−1を設けている。その他の構成は実施の形態1,2の構成と同じである。
【0057】
図9において、コード識別部71−1は、コード抽出部81および位相管理部72を有する。コード抽出部81の構成は図10に示すように、実施の形態2と同様にトリビュタリ信号S6−1を並列展開する直並列変換部62を有する。ただし、実施の形態2における直並列変換部62と異なり、SPシフト制御部63による直並列変換動作のシフトは行われない。コード抽出部81は、ビットシフト制御部82を有し、ビットシフト制御部82は、シフト数転送部34から入力されるシフト数S7および自トリビュタリ20−1の番号をもとに、直並列変換部62によって並列展開されたトリビュタリ信号S63−1のビット順を入れ替え、入れ替えた並列信号をトリビュタリ信号S64−1として出力する。
【0058】
なお、フレーム識別部51は、ビットシフト制御部82によってビット順が入れ替えられたトリビュタリ信号S64−1のフレーム識別情報をもとにフレーム位相を識別し、識別結果である位相情報S41を、コード取り出し部52および位相管理部72に出力する。コード取り出し部52は、位相情報S41が示すフレーム位相をもとにトリビュタリ信号S64−1内の識別コードを抽出し、各コード一致検出部42−1〜42−Mに出力する。
【0059】
ここで、図11を参照してビットシフト制御部82の処理動作について説明する。図11において、直並列変換部62の並列展開ビット数は「4」であり、入力されるトリビュタリ信号S6−1のフレーム位相は「a」〜「h」の8ビットであり、いずれも実施の形態2と同じである。ここで、ビットシフト制御部82は、並列展開した4ビットパラレルの直並列変換部出力信号であるトリビュタリ信号S63−1を保持するとともに、このトリビュタリ信号S63−1を並列信号用分周クロックSPCKで1クロック分、遅延シフトした信号S65−1を生成し、トリビュタリ信号S63−1および信号S65−1からなる8ビット並列の信号から任意の4ビットを選択出力できるようにする。
【0060】
時刻Tにおいて、方路設定部31によるシフト数S32に対応した方路切替が実行され、方路切替時の信号が時刻T1でコード抽出部81に入力される。一方、シフト数S32は、シフト数転送部34を介してシフト数S7がビットシフト制御部82に入力され、ビットシフト制御部82は、このシフト数S7をもとにビットずれであるシフト数=−1を認識し、8ビット並列の信号から、1ビット前にシフトされた4ビット並列信号であるトリビュタリ信号S64−1を選択出力する。このトリビュタリ信号S64−1は、フレーム識別情報のビット位置と、フレーム周期とを変化させていないため、フレーム識別部51においてフレーム同期が外れることがない。
【0061】
一方、フレーム識別部51から出力された位相情報S41は、位相管理部72に入力される。位相管理部72は、フレーム識別部51にフレーム識別情報が入力される位相と、分配部22の方路設定部31によって方路切替が行われ、トリビュタリ信号のビットずれが発生する位相とを接近させないように、位相差識別部43から出力される位相差情報S8−1の送出タイミングを調整したタイミング指示S72を位相差識別部43に出力する。位相差識別部43は、位相管理部72から入力されたタイミング指示S72のタイミングで位相差情報S8−1を分配部22に出力する。
【0062】
これによって、フレーム同期保護に複数の保護段数が設けられていない場合であっても、フレーム同期外れを回避することができる。すなわち、位相差情報S8の送出タイミングを調整し、これによって、分配部22のシフト数制御部32からのシフト数S32の指示タイミングおよびシフト数転送部34からのシフト数S7(S32)の転送タイミングを調整し、ビットシフト制御によるフレーム同期の補正が、たとえばトリビュタリ信号のフレーム位相の中心付近で行えるように制御する。この結果、フレーム識別部51がフレーム識別情報確認を行うトリビュタリ信号S64−1におけるビットずれ発生の時刻と、ビットシフト制御を実行する時刻との間にフレーム識別情報が存在しないようになる。このビットずれの発生の時刻とは、たとえば、図11において、ビットシフト制御が実行される時刻T3の直前の4ビットのトリビュタリ信号S63−1内でのビットずれである。これによって、ビットずれの発生に伴ってビット位置がずれたフレーム識別情報によるフレーム識別情報確認が行われず、フレーム同期の補正がなされた後のフレーム識別情報によってフレーム識別情報確認が行われるので、フレーム同期が外れることがなくなる。
【0063】
なお、上述した位相管理部72による位相差情報S8−1の送出タイミング制御は、実施の形態1,2に対しても適用することができる。
【0064】
この実施の形態3によれば、ビットシフト制御部82が、直並列変換部62によって並列展開されたトリビュタリ信号S63−1のビット位置の入れ替えを行って方路切替されたトリビュタリ信号に対するフレーム同期外れをなくすようにしている。また、位相管理部72によって位相差情報S81−1の送出タイミングを制御することによって、フレーム同期保護の保護段数が「1」である場合でも、フレーム同期外れをなくすことができる。さらに、この実施の形態3では、実施の形態2と異なり、高速動作する直並列変換部62に対するシフト制御を行わないため、一層高速なトリビュタリ信号に対する処理を行うことができる。
【0065】
実施の形態4.
つぎに、この発明の実施の形態4について説明する。この実施の形態4では、分配されるトリビュタリ信号が並列信号であっても、実施の形態2のSPシフト制御部63による直並列変換動作のシフト制御と、実施の形態3のビットシフト制御部82による並列展開されたトリビュタリ信号に対するビット位置の入れ替え制御とを併用することによって確実にフレーム同期外れをなくし、実施の形態3に比して一層高速のトリビュタリ信号に対する処理を実現できるようにしたものである。
【0066】
図12は、この発明の実施の形態4であるトリビュタリ信号伝送システムのコード抽出部91の構成を示すブロック図である。この実施の形態4におけるコード抽出部91以外の構成は、実施の形態1〜3の構成と同じであるが、分離部23によって多重分離された多重分離信号S5は、それぞれ並列信号として分配部22に入力され、分配部22は、この並列信号のままのトリビュタリ信号として各トリビュタリ20−1〜20−Mに出力する。
【0067】
図12において、直並列変換部62は、入力された並列信号であるトリビュタリ信号S6−1をさらに並列展開する。その際、実施の形態2と同様に、SPシフト制御部63がシフト数S7をもとに直並列展開動作のシフト制御を行う。さらに、ビットシフト制御部82は、直並列変換部62およびSPシフト制御部63によって、並列展開され、シフトされたトリビュタリ信号S66−1に対して、さらにビット位置の入れ替えを行うビットシフト制御を行い、このビットシフト制御を行ったトリビュタリ信号S67−1を出力する。フレーム識別部51は、ビットシフト制御されたトリビュタリ信号S67−1のフレーム識別情報をもとに、フレーム位相を検出し、位相情報S41としてコード取り出し部52に出力する。すなわち、コード抽出部91では、並列信号であるトリビュタリ信号S6−1を直並列変換部62によってさらに並列展開数を広げ、処理速度を落とした信号に対してビットシフト制御を行うようにしている。
【0068】
ここで、図13を参照して、コード抽出部91による処理を説明する。分配部22に入力され、分配されたトリビュタリ信号S6−1の並列展開ビット数は「2」であり、フレーム周期は「a」〜「p」の16ビットである。また、フレーム識別情報は、「a」および「b」ビットに収容されている。また、直並列変換部62の並列展開ビット数は「8」である。このため、フレーム識別情報の周期は、並列信号用分周クロックSPCKで2クロック分となる。
【0069】
図13において、方路設定部31によるビットずれが時刻T1で発生し、1ビットの欠落が生じている。この後、時刻T2においてSPシフト制御部63によるSPシフト制御が行われ、時刻T3においてビットシフト制御部82によるビットシフト制御が行われる。すなわち、SPシフト制御部63によるSPシフト制御を行っても、入力されるトリビュタリ信号S6−1は、2ビット並列信号であるため、並列ビットに対応して、さらにビットシフト制御部82によるビットシフト制御によってフレーム識別情報が正常な位置となるようにビット入れ替えを行うようにしている。この結果、フレーム識別部51に入力される並列信号であるトリビュタリ信号S67−1は、方路切替前と同様に、最上位ビットに「a」ビットが存在し、フレーム識別情報の周期は狂わず、フレーム同期外れが生じない。
【0070】
なお、図13では、フレーム周期を並列信号用分周クロックSPCKで2クロックと短くしているため、SPシフト制御部63によるSPシフト制御の実行と、ビットシフト制御部82によるビットシフト制御の実行との間に、一度、フレーム識別情報の不一致(図13のフレーム識別情報確認信号における破線部分)が生じているが、実際のトリビュタリ信号伝送システムで用いられるトリビュタリ信号のフレーム周期は十分に長いため、このSPシフト制御の実行とビットシフト制御の実行とを、フレーム識別情報入力時点から十分余裕のある時点に設定することができる。この設定は、実施の形態3における位相管理部72を設け、方路切替の実行タイミングを制御すればよい。
【0071】
この実施の形態4によれば、並列信号として各トリビュタリに入力されるトリビュタリ信号をさらに直並列変換部62によってさらに並列展開するようにしているので、さらに高速のトリビュタリ信号に対する処理が可能であるとともに、実施の形態1〜3と同様に、フレーム同期外れをなくすことができ、方路切替後であっても正常なトリビュタリ信号を出力することができる。
【0072】
実施の形態5.
つぎに、この発明の実施の形態5について説明する。この実施の形態5では、送信装置10側のトリビュタリ10−1〜10−Mで誤り訂正符号を付加したトリビュタリ信号を生成し、受信装置20側のトリビュタリ20−1〜20−Mで各トリビュタリ信号の誤り訂正を行うようにしている。
【0073】
図14は、この発明の実施の形態5であるトリビュタリ信号伝送システムの全体構成を示すブロック図である。図14において、送信装置10側のトリビュタリ10−1〜10−Mは、コード付加部11−1〜11−Mによって識別コードおよびフレーム識別情報が付加されたトリビュタリ信号に誤り訂正符号を付加する誤り訂正符号付加部100−1〜100−Mを有し、受信装置20側のトリビュタリ20−1〜20−Mのコード識別部121−1〜121−Mは、入力されたトリビュタリ信号に付加されている誤り訂正符号を用いてトリビュタリ信号の誤り訂正を行う。その他の構成は、実施の形態1に示したトリビュタリ信号伝送システムと同じ構成である。
【0074】
図14において、誤り訂正符号付加部100−1〜100−Mは、各コード付加部11−1〜11−Mから出力されたトリビュタリ信号に対して誤り訂正符号をフレームの一定位相に付加し、多重部12に出力する。たとえば、図17に示したフレーム構成をもつトリビュタリ信号S1として多重部12に出力する。多重部12に入力され、誤り訂正符号が付加されたトリビュタリ信号S1は、多重化される。多重部12によって多重化された多重化信号S2は、電気光変換部13によって光信号である伝送信号S3に変換され、伝送路1を介して受信装置20に送信される。
【0075】
受信装置20に入力された伝送信号S3は、光電気変換部24に入力され、電気信号の多重化信号S4に変換出力される。分離部23は、多重化信号S4をM個の多重分離信号S5に多重分離する。分配部22は、多重分離信号S5を各トリビュタリ20−1〜20−Mに対して、それぞれ対応するトリビュタリ信号S6として分配出力する。コード識別部121−1〜121−Mは、入力されたトリビュタリ信号S6−1〜S6−Mを出力するとともに、各トリビュタリ信号S6−1〜S6−Mの識別コードを抽出し、この識別コードと、予め各トリビュタリ20−1〜20−Mに設定される識別コードとの位相差である位相差情報S8を分配部22に出力する。分配部22は、位相差情報S8をもとに各多重分離信号S5をシフトして、各トリビュタリ信号S6−1〜S6−Mがそれぞれ対応する正規のトリビュタリ20−1〜20−Mに分配出力されるように制御する。
【0076】
図15は、コード識別部121−1内のコード抽出部141の構成を示すブロック図である。図15において、フレーム識別部51には、誤り訂正部110に入力されるトリビュタリ信号S6−1および誤り訂正部110から出力され、誤り訂正部110によって誤り訂正されたトリビュタリ信号S6’−1が入力される。フレーム識別部51は、トリビュタリ信号S6−1,S6’−1内のフレーム識別情報を検出し、フレーム位相である位相情報S41を誤り訂正部110およびコード取り出し部S52に出力する。
【0077】
誤り訂正部110は、フレーム識別部51から入力される位相情報S41をもとに、フレーム内の一定位相に付加された誤り訂正符号を抽出し、この抽出した誤り訂正符号を用いて、入力されるトリビュタリ信号S6−1の誤り訂正処理を行い、誤り訂正したトリビュタリ信号S6’−1を出力するとともに、コード取り出し部52に出力する。コード取り出し部52は、位相情報S41をもとに、誤り訂正されたトリビュタリ信号S6’−1から識別コードS52を抽出して出力する。なお、カウントシフト制御部53は、実施の形態1で説明したように、シフト数S7をもとにフレーム識別部51のフレーム周期カウンタ値FCをシフトさせ、分配部22による方路切替に伴うフレーム同期外れがないように制御する。
【0078】
フレーム識別部51は、フレーム同期が確立している状態では、誤り訂正部110から出力され、誤り訂正されたトリビュタリ信号S6’−1内のフレーム識別情報を用いて、フレーム識別情報の確認動作を行い、位相情報S41を出力する。また、フレーム識別部51は、フレーム同期が確立していない状態では、コード抽出部141に入力されるトリビュタリ信号S6−1内のフレーム識別情報を用いて、フレーム識別情報の確認動作を行い、位相情報S41を出力する。
【0079】
すなわち、実施の形態5では、フレーム識別部51が、フレーム同期が確立している状態では、誤り訂正部110から出力され、誤り訂正されたトリビュタリ信号S6’−1内のフレーム識別情報を用いて、フレーム識別情報の確認動作を行う点が、実施の形態1と異なる。
【0080】
この実施の形態5では、伝送路1等における伝送路誤りによるフレーム識別情報の誤りが、誤り訂正部110によって訂正されるため、実施の形態1に比して、一層フレーム同期外れが発生し難くなることになる。
【0081】
なお、フレーム識別部51は、フレーム同期を確立する過程での保護期間においても、1回目のフレーム識別情報の検出後から、誤り訂正後のトリビュタリ信号S6’−1内のフレーム識別情報を、フレーム識別情報の確認動作に用いるようにしてもよい。
【0082】
この実施の形態5によれば、伝送路誤り等が発生している状態であっても、誤り訂正されたトリビュタリ信号を用いることができるので、一層、フレーム同期外れが生じなくなる。
【0083】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、各コード識別手段のフレーム識別手段が、自トリビュタリに入力されたトリビュタリ信号内のフレーム識別情報をもとにトリビュタリ信号のフレーム周期をカウントしてフレーム位相を識別し、コード抽出手段が、該フレーム位相をもとに、入力されたトリビュタリ信号の識別コードを抽出し、位相差識別手段がこの抽出した識別コードと自トリビュタリの識別コードとの位相差を認識し、該位相差を位相差情報として分配手段に出力する。分配手段の位相差判定手段が、各トリビュタリ信号の現分配状態と各トリビュタリに対応する各トリビュタリ信号の正規分配状態との位相差を前記位相差識別手段からの前記位相差情報をもとに判定し、シフト制御手段が、前記位相差判定手段が判定した位相差に対応するシフト数を求め、各トリビュタリ信号の分配先を該シフト数分、シフトさせる指示を行い、方路設定手段が、前記シフト制御手段の指示によって各トリビュタリ信号の分配先をシフトし、シフト数転送手段が、前記シフト数を前記コード抽出手段に転送し、前記コード抽出手段のカウントシフト制御手段が、前記シフト数転送手段から転送されたシフト数をもとに前記フレーム識別手段がカウントするフレーム周期をシフトさせ、前記方路設定手段が各トリビュタリ信号の分配先をシフトした場合に生じる、各トリビュタリ信号のビットずれによるフレーム同期外れをなくすようにしているので、方路設定手段が各トリビュタリ信号の分配先をシフトさせた場合であっても、シフト後、直ちに正常なトリビュタリ信号を受信することができるという効果を奏する。
【0084】
つぎの発明によれば、コード抽出手段内の直並列変換手段が、入力されたトリビュタリ信号を並列信号に変換して出力するとともに、フレーム識別手段が、前記直並列変換手段によって並列展開されたトリビュタリ信号内のフレーム識別情報をもとにフレーム周期をカウントしてフレーム位相を識別し、コード抽出手段がこのフレーム位相をもとに、入力されたトリビュタリ信号の識別コードを抽出する。直並列変換シフト手段には、シフト数転送手段からシフト数が転送され、直並列変換シフト手段は、このシフト数をもとに自トリビュタリに入力されるトリビュタリ信号のビットずれを求め、前記直並列変換手段による並列展開動作の周期をシフトさせ、入力されたトリビュタリ信号のビットずれによるフレーム同期外れをなくすようにしているので、方路設定手段が各トリビュタリ信号の分配先をシフトさせた場合であっても、シフト後、直ちに正常なトリビュタリ信号を受信することができるとともに、直並列変換手段によって入力されたトリビュタリ信号を並列信号に変換して出力するようにしているので、高速なトリビュタリ信号に対してもフレーム同期外れをなくすことができ、シフト後、直ちに正常なトリビュタリ信号を受信することができるという効果を奏する。
【0085】
つぎの発明によれば、前記コード抽出手段内の直並列変換手段が、入力されたトリビュタリ信号を並列信号に変換して出力するとともに、フレーム識別手段が、前記直並列変換手段によって並列展開されたトリビュタリ信号内のフレーム識別情報をもとにフレーム周期をカウントしてフレーム位相を識別し、コード抽出手段がこのフレーム位相をもとに、入力されたトリビュタリ信号の識別コードを抽出する。ビットシフト制御手段には、シフト数転送手段からシフト数が転送され、ビットシフト制御手段は、このシフト数をもとに自トリビュタリに入力されるトリビュタリ信号のビットずれを求め、前記直並列変換手段によって並列展開されたトリビュタリ信号の並列ビット順序をシフトさせ、入力されたトリビュタリ信号のビットずれによるフレーム同期外れをなくすようにしているので、方路設定手段が各トリビュタリ信号の分配先をシフトさせた場合であっても、シフト後、直ちに正常なトリビュタリ信号を高安定性および高信頼性をもって受信することができるとともに、直並列変換手段によって入力されたトリビュタリ信号を並列信号に変換して出力するようにしているので、高速なトリビュタリ信号に対してもフレーム同期外れをなくすことができ、シフト後、直ちに正常なトリビュタリ信号を受信することができるという効果を奏する。
【0086】
つぎの発明によれば、コード抽出手段内の直並列変換手段が、入力された並列のトリビュタリ信号をさらに並列展開して出力するとともに、フレーム識別手段が、前記直並列変換手段によって並列展開されたトリビュタリ信号内のフレーム識別情報をもとにフレーム周期をカウントしてフレーム位相を識別し、コード抽出手段がこのフレーム位相をもとに、並列展開されたトリビュタリ信号内の識別コードを抽出する。直並列変換シフト手段およびビットシフト制御手段には、シフト数転送手段からシフト数が転送され、直並列変換シフト手段が、このシフト数をもとに前記直並列変換手段による並列展開動作の周期をシフトさせ、前記ビットシフト制御手段が、前記直並列変換手段によって並列展開出力されたトリビュタリ信号の並列ビット順序をシフトさせ、入力された並列のトリビュタリ信号のビットずれによるフレーム同期外れをなくすようにしているので、方路設定手段が各トリビュタリ信号の分配先をシフトさせた場合であっても、シフト後、直ちに正常なトリビュタリ信号を受信することができるとともに、並列のトリビュタリ信号をさらに並列展開するようにしているので、一層、高速なトリビュタリ信号に対してもフレーム同期外れをなくすことができ、シフト後、直ちに正常なトリビュタリ信号を受信することができるという効果を奏する。
【0087】
この発明によれば、コード識別手段の位相管理手段が、分配手段に出力する位相差情報の出力タイミングを調整する。すなわち、シフト制御手段が方路設定手段にシフト数を指示するタイミングおよびシフト数転送手段がシフト数を転送するタイミングを調整し、入力されたトリビュタリ信号のフレーム位相の中心付近でフレーム周期の補正を行えるようするので、フレーム同期保護の保護段数が「1」であっても、フレーム同期外れが生じないという効果を奏する。
【0088】
つぎの発明によれば、フレーム識別手段が、フレーム同期の識別が確立している場合、誤り訂正手段によって誤り訂正されたトリビュタリ信号内のフレーム識別情報をもとにフレーム同期の認識を行い、フレーム同期の識別が確立していない場合、誤り訂正手段に入力される誤り訂正前のトリビュタリ信号内のフレーム識別情報をもとにフレーム同期の認識を行うようにしているので、伝送路誤り等が生じた場合であっても、フレーム同期外れを極力生じないようにすることができ、一層、高い安定性と信頼性とをもってトリビュタリ信号を伝送することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1であるトリビュタリ信号伝送システムの全体構成を示すブロック図である。
【図2】 図1に示したトリビュタリ信号伝送システムにおける分配部の構成を示すブロック図である。
【図3】 図1に示したトリビュタリ信号伝送システムにおけるコード識別部の構成を示すブロック図である。
【図4】 図3に示したコード識別部内のコード抽出部の構成を示すブロック図である。
【図5】 図2に示した方路設定部によるトリビュタリ信号のシフト処理を示すタイミングチャートである。
【図6】 図4に示したカウントシフト制御部によるフレーム同期の補正処理を示すタイミングチャートである。
【図7】 この発明の実施の形態2であるトリビュタリ信号伝送システムにおけるコード抽出部の構成を示すブロック図である。
【図8】 図6に示したSPシフト制御部によるフレーム同期の補正処理を示すタイミングチャートである。
【図9】 この発明の実施の形態3であるトリビュタリ信号伝送システムにおけるコード識別部の構成を示すブロック図である。
【図10】 図9に示したコード抽出部の構成を示すブロック図である。
【図11】 図10に示したビットシフト制御部によるフレーム同期の補正処理を示すタイミングチャートである。
【図12】 この発明の実施の形態4であるトリビュタリ信号伝送システムにおけるコード識別部の構成を示すブロック図である。
【図13】 図12に示したSPシフト制御部およびビットシフト制御部によるフレーム同期の補正処理を示すタイミングチャートである。
【図14】 この発明の実施の形態5であるトリビュタリ信号伝送システムの全体構成を示すブロック図である。
【図15】 図14に示したコード識別部内のコード抽出部の構成を示すブロック図である。
【図16】 従来におけるトリビュタリ信号伝送システムの全体構成を示すブロック図である。
【図17】 図16に示したトリビュタリ信号伝送システムが用いる各トリビュタリ信号のフレームフォーマットを示す図である。
【図18】 分配部によるトリビュタリ信号の分配制御を行う従来のトリビュタリ信号伝送システムの全体構成を示すブロック図である。
【図19】 図18に示したコード識別部の構成を示すブロック図である。
【図20】 図19に示したコード抽出部の構成を示すブロック図である。
【図21】 図18に示した分配部の構成を示すブロック図である。
【図22】 図18に示した分配部によるトリビュタリ信号の分配制御を示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
1 伝送路、10 送信装置、10−1〜10−M,20−1〜20−M トリビュタリ、11−1〜11−M コード付加部、12 多重部、13 電気光変換部、21−1〜21−M,121−1〜121−M コード識別部、22 分配部、23 分離部、24 光電気変換部、31 方路設定部、32 シフト数制御部、33 位相差判定部、34 シフト数転送部、41,61,81,91,141 コード抽出部、42−1〜42−M コード一致検出部、43 位相差識別部、51 フレーム識別部、52 コード取り出し部、53 カウントシフト制御部、62 直並列変換部、63 SPシフト制御部、72 位相管理部、82 ビットシフト制御部、100−1〜100−M 誤り訂正符号付加部、110 誤り訂正部、S1,S6 トリビュタリ信号、S2,S4 多重化信号、S3 伝送信号、S5 多重分離信号、S7,S32 シフト数、S8 位相差情報、S31 判定位相差、S52 識別コード、S41 位相情報。
Claims (6)
- 予め設定されたトリビュタリ順序に従って、各トリビュタリ毎に設定された識別コードと各トリビュタリに共通のフレーム識別情報とが付加された各トリビュタリ信号を多重化し、この多重化した信号を送信装置側から受信装置側に送信し、受信装置側が、前記多重化された信号を多重分離し、分配手段が該多重分離した各トリビュタリ信号を分配して各トリビュタリに転送し、各トリビュタリが、コード識別手段によって、入力されたトリビュタリ信号から識別コードを抽出し、該識別コードと自トリビュタリの識別コードとの位相差を検出し、前記分配手段が該位相差をもとに各トリビュタリ信号がそれぞれ対応するトリビュタリに転送されるように切替制御し、前記送信装置の各トリビュタリが送信する各トリビュタリ信号を前記受信装置内の対応する各トリビュタリに伝送するトリビュタリ信号伝送システムにおいて、
各前記コード識別手段は、
入力されたトリビュタリ信号内のフレーム識別情報をもとにフレーム周期をカウントしてフレーム位相を識別するフレーム識別手段を有し、該フレーム位相をもとに、入力されたトリビュタリ信号の識別コードを抽出するコード抽出手段と、
抽出した識別コードと自トリビュタリの識別コードとの位相差を認識し、該位相差を位相差情報として前記分配手段に出力する位相差識別手段と、
を備え、
前記分配手段は、
各トリビュタリ信号の現分配状態と各トリビュタリに対応する各トリビュタリ信号の正規分配状態との位相差を前記位相差識別手段からの前記位相差情報をもとに判定する位相差判定手段と、
前記位相差判定手段が判定した位相差に対応するシフト数を求め、各トリビュタリ信号の分配先を該シフト数分、シフトさせる指示を行うシフト制御手段と、
前記シフト制御手段の指示によって各トリビュタリ信号の分配先をシフトする方路設定手段と、
前記シフト数を前記コード抽出手段に転送するシフト数転送手段と、
を備え、
前記コード抽出手段は、
前記シフト数転送手段から転送されたシフト数をもとに前記フレーム識別手段がカウントするフレーム周期をシフトさせるカウントシフト制御手段を備えたことを特徴とするトリビュタリ信号伝送システム。 - 前記コード抽出手段は、
入力されたトリビュタリ信号を並列信号に変換する直並列変換手段と、
前記直並列変換手段によって並列展開されたトリビュタリ信号内のフレーム識別情報をもとにフレーム周期をカウントしてフレーム位相を識別するフレーム識別手段と、
前記直並列変換手段による並列展開動作の周期をシフトさせる直並列変換シフト制御手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載のトリビュタリ信号伝送システム。 - 前記コード抽出手段は、
入力されたトリビュタリ信号を並列信号に変換する直並列変換手段と、
前記直並列変換手段によって並列展開されたトリビュタリ信号内のフレーム識別情報をもとにフレーム周期をカウントしてフレーム位相を識別するフレーム識別手段と、
前記直並列変換手段によって並列展開されたトリビュタリ信号の並列ビット順序をシフトさせるビットシフト制御手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載のトリビュタリ信号伝送システム。 - 前記分配手段に入力される多重分離されたトリビュタリ信号は、並列信号であり、
前記コード抽出手段は、
入力された並列のトリビュタリ信号をさらに並列展開する直並列変換手段と、
前記直並列変換手段によって並列展開されたトリビュタリ信号内のフレーム識別情報をもとにフレーム周期をカウントしてフレーム位相を識別するフレーム識別手段と、
前記直並列変換手段による並列展開動作の周期をシフトさせる直並列変換シフト制御手段と、
前記直並列変換手段によって並列展開出力されたトリビュタリ信号の並列ビット順序をシフトさせるビットシフト制御手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載のトリビュタリ信号伝送システム。 - 前記コード識別手段は、前記分配手段に出力する位相差情報の出力タイミングを調整する位相管理手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載のトリビュタリ信号伝送システム。
- 前記送信装置は、各トリビュタリ信号のフレーム内に誤り訂正符号を付加する誤り訂正付加手段をさらに備え、
前記受信装置は、各トリビュタリ信号のフレーム内の誤り訂正符号をもとに該トリビュタリ信号の誤り訂正を行う誤り訂正手段をさらに備え、
前記フレーム識別手段は、
フレーム同期の識別が確立している場合、前記誤り訂正手段によって誤り訂正されたトリビュタリ信号内のフレーム識別情報をもとにフレーム同期の認識を行い、フレーム同期の識別が確立していない場合、前記誤り訂正手段に入力される誤り訂正前のトリビュタリ信号内のフレーム識別情報をもとにフレーム同期の認識を行うことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載のトリビュタリ信号伝送システム。
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