JP3819934B2 - ニューロキニンaアンタゴニストとしての環状アミド誘導体 - Google Patents

ニューロキニンaアンタゴニストとしての環状アミド誘導体 Download PDF

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Description

本発明は、新規な環状アミド誘導体、より詳細にはニューロキニンとして知られる内因性神経ペプチドであるタキキニンのいずれかの薬理作用に対して、特にニューロキニン2(NK2)受容体において拮抗する、新規な−置換ベンゾ縮合ラクタムに関するものである。これらの新規な環状アミド誘導体は、このような拮抗作用を目的とするいかなる場合にも有用である。たとえばこれらの化合物はNK2受容体が関与する疾患の処置に際して、たとえばぜん息およびそれに関連する状態の処置に際して有用となりうる。本発明はその処置に使用するための、新規な環状アミド誘導体を含有する薬剤組成物、それらの使用方法、ならびに新規な環状アミド誘導体を製造するための方法および中間体をも提供する。
哺乳動物ニューロキニンは、末梢および中枢神経系に見出される一群のペプチド系神経伝達物質を含む。3種類の主要なニューロキニンは、サブスタンスP(SP)、ニューロキニンA(NKA)およびニューロキニンB(NKB)である。少なくともNKAのN−末端延長形もある。これら3種類の主要ニューロキニンに対して少なくとも3種類の受容体が知られている。それらの受容体は、それぞれニューロキニンアゴニストSP、NKAおよびNKBを好むそれらの相対的選択性に基づいて、それぞれニューロキニン1(NK1)、ニューロキニン2(NK2)およびニューロキニン3(NK3)受容体として分類される。末梢においてはSPおよびNKAがC−求心性の感覚性ニューロン、すなわちC−繊維として知られる非ミエリン形成神経終末を特色とするニューロンに局在し、これらのニューロンの選択的な脱分極またはC−繊維の選択的刺激により放出される。C−繊維は気道上皮に位置し、タキキニンはぜん息性疾患(asthmatics)に見られる多くの症状と明らかに平行する激しい作用を生じることが知られている。哺乳動物気道におけるタキキニンの放出または導入の作用には、気管支収縮、微小脈管透過性増大、血管拡張、および肥満細胞活性化が含まれる。このようにタキキニンはぜん息性疾患に見られる病理学的状態および気道過剰反応に関与しており;放出されたタキキニンの作用の遮断はぜん息および関連状態の処置に際して有用となりうる。ペプチド系NK2アンタゴニストが報告されている。たとえばL−659、877として知られる環状ヘキサペプチドが選択的NK2アンタゴニストとして報告されている。非ペプチド系NK2アンタゴニストも、たとえば欧州特許出願公開(EPA)第428434号、同474561号、同512901号、同512902号、および同515240号、ならびに同559538号明細書に報告されている。本発明者らは一連の非ペプチド系NK2アンタゴニストを見出し、これが本発明の基礎である。
本発明によれば、式I(構造式は、ローマ数字で表示される他の構造式と共に、後記実施例の後に提示される)の化合物である本発明の化合物が提供される。式中の
1は、式Ia、Ib、Ic、Id、Ie、If、Ig、Ih、IjおよびIkの基の群から選択される基(Zにおいて結合)であり、その際
式Iaの基(その際Zは窒素を表す)について、RaaはArもしくはHetであり;Rabは水素であり、そしてRacは水素もしくはヒドロキシであり、またはRacはRadおよび既存の炭素−炭素結合と一緒に二重結合を形成するか、またはRacとRadは一緒にジラジカル−(CH2j−を形成し、ここでjは1−5の整数であり;またはRabとRacは一緒にジラジカル−(CH2k−を形成し、ここでkは2−6の整数であり;またはRabとRacは一緒になってオキソもしくは式=N−O−(CH2q−NRaeafのジアルキルアミノアルキルオキシイミノであり、ここでqは整数2または3であり、RaeおよびRafは独立して水素もしくは(1−4C)アルキルであるか、または基NRaeafはピロリジノ、ピペリジノもしくはモルホリノであり;そしてZaは窒素または基CRadであり、ここでRadは水素であるか、またはRadはRacおよび既存の炭素−炭素結合と一緒に二重結合を形成し;
式Ibの基(その際Zは窒素を表す)について、Zbは置換イミノ基RbaNもしくはRbaCH2Nであり、ここでRbaは(3−7C)シクロアルキル、ArまたはHetであり;またはZbはジ置換メチレン基Rbb(CH2p−C−Rbcであり、ここでRbbはArまたはHetであり;pは整数0または1であり;Rbcは水素、ヒドロキシ、(1−4C)アルコキシ、(1−4C)アルカノイルオキシ、COORbd(ここでRbdは水素または(1−3C)アルキルである)、シアノ、NRbebfまたはSRbgであり、ここでRbeおよびRbfは独立して水素、(1−4C)アルキル、(1−4C)ヒドロキシアルキルもしくは(1−4C)アルカノイルであるか、または基NRbebfはピロリジノ、ピペリジノもしくはモルホリノであり;そしてRbgは水素もしくは(1−4C)アルキルであるか;またはRbcはそれが結合している炭素原子およびピペリジン環中の隣接炭素原子と一緒に二重結合を形成し;またはZbはジ置換メチレン基RbhCRbiであり、これはスピロ環式環を形成し、ここでRbhはフェニルであり、これはオルト置換ジラジカルXbによりRbiに連結し、その際フェニルRbhはさらにハロ、(1−3C)アルキル、(1−3C)アルコキシ、ヒドロキシ、(1−3C)アルキルチオ、(1−3C)アルキルスルフィニルおよび(1−3C)アルキルスルホニルから選択される置換基を保有することができ;ジラジカルXbはメチレン、カルボニルまたはスルホニルであり;そしてRbiはオキシまたは式−NRbj−のイミノであり、ここでRbjは水素または(1−3C)アルキルであり;
式Icの基(その際Zは窒素を表す)について、RcaはArもしくはHetであり;そしてZcはオキソ、チオ、スルフィニル、スルホニルまたは式−NRcb−のイミノであり、ここでRcbは(1−3C)アルキルまたはRcccdN−(CH2q−であり、ここでqは整数2または3であり、RccおよびRcdは独立して水素もしくは(1−3C)アルキルであるか、または基RcccdNはピロリジノ、ピペリジノもしくはモルホリノであり;
式Idの基(その際Zはメチンを表す)について、Rdaは水素、(1−6C)アルキル、Ar、Het、α−ヒドロキシベンジル、スチリルまたはRdb−(1−3C)アルキルであり、ここでRdbはアリール、ピリジル、ピリジルチオまたは1−メチル−2−イミダゾリルチオであり、ここでRdaの芳香族の基または部分は1個または2個以上のハロ、ヒドロキシ、(1−4C)アルキルまたは(1−4C)アルコキシ置換基を保有することができ;Xdはオキシまたは−CHRdcであり;Rdcは水素、ヒドロキシ、(1−3C)アルコキシ、(1−4C)アルカノイルオキシ、NRdddeまたは(1−4C)アルカノイルアミノであり;RddおよびRdeは独立して水素もしくは(1−4C)アルキルであるか、または基NRdddeはピロリジノ、ピペリジノもしくはモルホリノであり;pは整数0または1であり;そしてZdは単結合(Rdaが水素であるか、またはpが1である場合を除く)、メチレンまたはカルボニルであり;
式Ieの基(その際Zは窒素を表す)について、Jeは酸素、イオウまたはNReaであり、ここでReaは水素または(1−3C)アルキルであり;Rebは水素、(1−6C)アルキル(これはヒドロキシ置換基および/または1−3個のフルオロ置換基を保有しうる)、(3−6C)アルケニル(ここでビニル炭素は窒素に結合していない)、2−ヒドロキシエチル、(3−7C)シクロアルキル、ArまたはHetであり;Recは水素、(1−6C)アルキル(これはヒドロキシ置換基および/または1−3個のフルオロ置換基を保有しうる)、(3−6C)シクロアルキル、(1−5C)アルコキシ(Jeが酸素である場合のみ)、(3−6C)シクロアルコキシ(Jeが酸素である場合のみ)、または式NRedeeのアミノ基(0−7個の炭素原子を含む)であり、ここでRedおよびReeはそれぞれ独立して水素、(1−5C)アルキルもしくは(3−6C)シクロアルキルであるか、または基NRedeeはピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ、チオモルホリノ(またはそのS−オキシド)もしくはピペラジニル(このピペラジニル基は4−位に(1−3C)アルキル置換基を保有しうる)であり;
式Ifの基(その際Zは窒素を表す)について、Jfは酸素、イオウまたはNRfaであり、ここでRfaは水素または(1−3C)アルキルであり;Lfは二価の炭化水素基であり、その1−位が基Jfを保有する炭素に結合しており、二価の基Lfはトリメチレン、cis−プロペニレン、テトラメチレン、cis−ブテニレン、cis−ブト−3−エニレン、cis,cis−ブタジエニレン、ペンタメチレンおよびcis−ペンテニレンから選択され、この二価の基Lf自身が1個または2個のメチル置換基を保有することができ;
式Igの基(その際Zは窒素を表す)について、Zgは(1−8C)アルキルまたは(3−8C)シクロアルキルであり、これらは以下のものよりなる群から選択される1個または2個以上の置換基を保有することができ:ハロ、(3−6C)シクロアルキル、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、(1−4C)アルコキシ、(1−5C)アルカノイルオキシ、アロイル、ヘテロアロイル、オキソ、イミノ(これは(1−6C)アルキル、(3−6C)シクロアルキル、(1−5C)アルカノイルまたはアロイル置換基を保有しうる)、ヒドロキシイミノ(このヒドロキシイミノは酸素上に(1−4C)アルキルまたはフェニル置換基を保有しうる)、式NRgagbのアミノ基、式NRgcgdのアミノ基、式C(=NRgg)NRgegfのアミジノ基、および式CON(ORgh)Rgiのカルバモイル基;ただしヒドロキシおよびオキソ置換基が一緒になってカルボキシ基を形成する基は除外され、式NRgagbのアミノ基は0−7個の炭素原子を含み、RgaおよびRgbは独立して水素、(1−5C)アルキルもしくは(3−6C)シクロアルキルであるか、または基NRgagbはピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ、チオモルホリノ(またはそのS−オキシド)もしくはピペラジニル(このピペラジニルは4−位に(1−3C)アルキル置換基を保有しうる)であり;そしてRgcは水素または(1−3C)アルキルであり、Rgdは(1−5C)アルカノイル、アロイルもしくはヘテロアロイルであるか;またはRgdは式C(=Jg)NRgegfの基であり、ここでJgは酸素、イオウ、NRggまたはCHRgjであり;アミノ基NRgegfは0−7個の炭素原子を含み、RgeおよびRgfはそれぞれ独立して水素、(1−5C)アルキルもしくは(3−6C)シクロアルキルであるか、または基NRgegfはピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ、チオモルホリノ(またはそのS−オキシド)もしくはピペラジニル(このピペラジニルは4−位に(1−3C)アルキル置換基を保有しうる)であるか、またはRgeは水素もしくは(1−4C)アルキルであり、RgfはRggと一緒になってエチレンもしくはトリメチレン基を形成し;Rggは水素、(1−4C)アルキルであるか、またはRgfと一緒になってエチレンもしくはトリメチレン基を形成し;Rgjはシアノ、ニトロまたはSO2gkであり、Rgkは(1−4C)アルキルまたはフェニルであり;RghおよびRgiは独立して(1−3C)アルキルであり;そしてZg上の置換基であるか、またはZg上の置換により形成される環式基は、炭素上にさらに置換基として1個または2個以上の(1−3C)アルキル基を保有することができ;基Zgの一部であるアリールまたはヘテロアリール基は1個または2個以上のハロ、(1−4C)アルキル、(1−4C)アルコキシ、シアノ、トリフルオロメチルまたはニトロ置換基を保有することができ;
式Ihの基(その際Zは窒素を表す)について、Ghは単結合、二重結合または二価の炭化水素基を表し;JhはGhが二重結合を表す場合は環に単結合により結合した基を表すか、または他の場合は二重結合により結合した基を表し;Mhは異種原子、置換された異種原子、または単結合を表し;Lhは炭化水素基を表し、その1−位がMhに結合しており;Gh、Jh、MhおよびLhの意味は以下のものから選択され:
(a)Ghは単結合であり;Jhはオキソまたはチオキソであり;Mhはオキシ、チオまたはNRhaであり;かつLhはLhaである;
(b)Ghは単結合であり;JhはNRhbであり;MhはNRhaであり;かつLhはLhaである;
(c)Ghは二重結合であり;JhはORha、SRhaまたはNRhchdであり;Mhは窒素であり;かつLhはLhaである;
(d)Ghはメチレンであり、これは1個または2個のメチル置換基を保有することができ;Jhはオキソ、チオまたはNRheであり;Mhはオキシ、チオ、スルフィニル、スルホニルまたはNRhaであり;かつLhはLhbである;
(e)Ghは単結合であり;Jhはオキソ、チオキソまたはNRheであり;Mhは窒素であり;かつLhはLhcである;
(f)Ghはメチンであり、これは(1−3C)アルキル置換基を保有することができ;Jhはオキソ、チオキソまたはNRheであり;Mhは窒素であり;かつLhはLhdである;
(g)Ghはcis−ビニレンであり、これは1個または2個のメチル置換基を保有することができ;Jhはオキソ、チオキソまたはNRheであり;Mhは窒素であり;かつLhはLheである;および
(h)Ghは単結合であり;Jhはオキソまたはチオキソであり;Mhは単結合であり;かつLhはLhfである;これらにおいて
haは水素または(1−3C)アルキルであり;Rhbは水素、(1−3C)アルキル、シアノ、(1−3C)アルキルスルホニルまたはニトロであり;RhcおよびRhdは独立して水素もしくは(1−3C)アルキルであるか、または基NRhchdはピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ、チオモルホリノ(またはそのS−オキシド)もしくはピペラジニル(このピペラジニルは4−位に(1−3C)アルキル置換基を保有しうる)であり;Rheは水素または(1−3C)アルキルであり;Lhaはエチレン、cis−ビニレン、トリメチレンまたはテトラメチレンであり、この基Lha自身が1個または2個のメチル置換基を保有することができ;Lhbはエチレンまたはトリメチレンであり、この基Lhb自身が1個または2個のメチル置換基を保有することができ;Lhcはプロプ−2−エン−1−イリデン−3−イルであり、この基Lhc自身が1個または2個のメチル置換基を保有することができ;Lhdはcis−ビニレンであり、この基Lhd自身が1個または2個のメチル置換基を保有することができ;Lheはメチンであり、この基Lhe自身が(1−3C)アルキル置換基を保有することができ;そしてLhfは4−オキサブタン−1,4−ジイルであり;
式Ijの基(その際Zは窒素を表す)について、Xjは(1−6C)アルキル、−CH2ORja、−CH2SRja、−CH2S(O)Rjg、−CH2S(O)2jg、−CORja、−COORja、−C(=Jja)NRjbjc、−C(Rja)(ORjd)(ORje)、−CH2N(Rja)C(=Jja)Rif、−CH2N(Rja)COORjg、または−CH2N(Rja)C(=Jja)NRjbjcであり;Bjは直接結合であり、かつLjは炭化水素鎖であり、その1−位がBjに結合しており、Ljはトリメチレン、テトラメチレン、cis−1−ブテニレンおよびcis,cis−ブタジエニレンから選択されるか;またはBjはN(Rjh)であり、かつLjはエチレン、トリメチレンおよびcis−ビニレンから選択される炭化水素鎖であるか;またはBjはNであり、かつLjは炭化水素鎖であり、その1−位がBjに結合しており、Ljはcis,cis−プロプ−2−エン−1−イリジン−3−イルであり;JjおよびJjaは独立して酸素またはイオウであり;Rja、RjfおよびRjhは独立して水素または(1−6C)アルキルであり;RjbおよびRjcは独立して水素もしくは(1−6C)アルキルであるか;または基NRjbjcはピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ、チオモルホリノ(またはそのS−オキシド)もしくはピペラジニル(このピペラジニルは4−位に(1−3C)アルキル置換基を保有しうる)であり;RjdおよびRjeは独立して(1−3C)アルキルであるか、または一緒になってエチレンおよびトリメチレンから選択される二価の炭化水素鎖を形成し;Rjgは(1−6C)アルキルであり;そして
式Ikの基(その際Zは窒素を表す)について、Zkは式IIの窒素結合した基であり、式中のE1、E2、E3およびE4は二価の4員鎖(−E1=E2−E3=E4−)を形成し、ここでE1、E2、E3およびE4はそれぞれメチンであるか;またはE1、E2、E3およびE4のうち1個または2個は窒素であり、残りのE1、E2、E3およびE4はメチンであり;さらにメチンであるE1、E2、E3およびE4のうち1個または2個以上はハロ、(1−3C)アルキル、ヒドロキシ、(1−3C)アルコキシ、(1−3C)アルキルチオ、(1−3C)アルキルスルフィニルまたは(1−3C)アルキルスルホニル置換基を保有することができ;基Fk、GkおよびIk(Xk)は以下のものから選択され:
(a)Gkは直接結合であり、Ik(Xk)は式=C(Zk)−を有する基であり、かつFkは−CH=および−N=から選択される基である;
(b)Gkは直接結合であり、Ik(Xk)は式−C(=Jk)−を有する基であり、かつFkは−N(Rkf)−、−CH2−CH2−、−CH=CH−、−CH2−N(Rkf)−および−CH=N−から選択される基である;
(c)Gkは式−CH2−を有する基であり、Ik(Xk)は式−C(=Jk)−を有する基であり、かつFkは−CH2−および−N(Rkf)−から選択される;ならびに
(d)Gkは−CH2−、−CH2−CH2−、−CH=CH−および−N=CH−から選択され、Ik(Xk)は式−C(=Jk)−を有する基であり、かつFkは直接結合である;
ここで
kは酸素またはイオウであり、Zkは−ORka、−SRka、−CORka、−COORka、−C(=Jka)NRkbkcまたは−C(Rka)(ORkd)(ORke)であり;Jkaは酸素またはイオウであり;RkaおよびRkfは独立して水素または(1−6C)アルキルであり;RkbおよびRkcは独立して水素もしくは(1−6C)アルキルであるか;または基NRkbkcはピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ、チオモルホリノ(またはそのS−オキシド)もしくはピペラジニル(このピペラジニルは4−位に(1−3C)アルキル置換基を保有しうる)であり;RkdおよびRkeは独立して(1−3C)アルキルであるか、またはRkdとRkeは一緒になってエチレンまたはトリメチレンを形成し;あるいはZkはフタルイミド、スクシンイミド、マレイミド、グルタルイミド、ならびに3−オキサ−、3−チア−および3−アザグルタルイミドから選択されるイミド基であり、ここでイミド基は1個または2個以上の(1−3C)アルキル置換基を保有することができ、さらにフタルイミドの芳香族部分は1個または2個以上のハロ、ヒドロキシまたは(1−3C)アルコキシ置換基を保有することができ;そして式中の
1について、Arはフェニル基またはオルト縮合した、環原子9、10の二環式炭素環基であり、その際少なくとも1個の環は芳香族であり、この基Arは置換されていないか、またはハロ、シアノ、トリフルオロメチル、(1−4C)アルキル、(1−4C)アルコキシ、メチレンジオキシ、ヒドロキシ、メルカプト、−S(O)nxa、(1−5C)アルカノイル、(1−5C)アルカノイルオキシ、ニトロ、NRxbxc、NRxdxe、C(=NRxf)NRxgxh、CONRxbxcおよびCOORxjから選択される1個または2個以上の置換基を保有することができ、ここでnは整数0、1または2であり;Rxaは(1−6C)アルキル、(3−6C)シクロアルキルまたはフェニル(このフェニルはハロ、トリフルオロメチル、(1−3C)アルキルまたは(1−3C)アルコキシ置換基を保有しうる)であり;基NRxbxcは0−7個の炭素原子を含み、RxbおよびRxcはそれぞれ独立して水素、(1−5C)アルキルもしくは(3−6C)シクロアルキルであるか、または基NRxbxcはピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ、チオモルホリノ(またはそのS−オキシド)もしくはピペラジニル(このピペラジニルは4−位に(1−3C)アルキル置換基を保有しうる)であり;Rxdは水素または(1−4C)アルキルであり、Rxeは(1−5C)アルカノイル、ベンゾイルまたは式C(=Jx)NRxgxhの基であり、ここでJxは酸素、イオウ、NRxfまたはCHRxiであり;Rxfは水素、(1−5C)アルキルであるか、またはRxgと一緒にエチレンまたはトリメチレンジラジカルを形成し、基NRxgxhは0−7個の炭素原子を含み、RxgおよびRxhはそれぞれ独立して水素、(1−5C)アルキルもしくは(3−6C)シクロアルキルであるか、または基NRxgxhはピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ、チオモルホリノ(またはそのS−オキシド)もしくはピペラジニル(このピペラジニルは4−位に(1−3C)アルキル置換基を保有しうる)であり;またはRxgはRxfと一緒にエチレンまたはトリメチレンジラジカルを形成し、Rxhは水素または(1−5C)アルキルであり;Rxiはシアノ、ニトロ、(1−5C)アルキルスルホニルまたはフェニルスルホニルであり;Rxjは水素、(1−5C)アルキルまたはベンジルであり;Hetは、炭素、ならびに酸素、イオウおよび窒素から選択される1−4個の異種原子から構成される5もしくは6個の環原子を含む単環式芳香環、またはプロペニレン、トリメチレン、テトラメチレンもしくはベンゾ−ジラジカルを縮合することによりそれから誘導されたオルト縮合二環式複素環の環炭素原子を介して結合した基(またはその安定なN−オキシド)であり、この基Hetは置換されていないか、または炭素において前記にArにつき定めた置換基1個または2個以上で置換されていてもよく、かつ窒素において(1−3C)アルキルで置換されていてもよく;
2は式IIa、IIb、IIc、IId、IIe、IIfおよびIIgの基の群から選択されるベンゾ縮合ラクタム基であり、これらにおいてJは酸素またはイオウであり;M1はCRFまたはNであり;M2はメチレン、エチレン、cis−ビニレン、カルボニルまたはチオカルボニルであり;M3はメチレン、カルボニル、チオカルボニルまたはスルホニルであり;M4はカルボニル、チオカルボニルまたはスルホニルであり;ただし式IIgの基においてM3およびM4のうち1個、かつ1個のみがスルホニルであり;RAは水素または(1−3C)アルキルであり;基RB、RC、RDおよびREはそれぞれ水素であるか;またはRB、RC、RDおよびREのうち1個または2個以上はハロ、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、(1−3C)アルコキシ、(1−3C)アルキル、(1−3C)アルキルチオ、(1−3C)アルキルスルフィニルおよび(1−3C)アルキルスルホニルから独立して選択される置換基であり、RB、RC、RDおよびREのうち他のものはそれぞれ水素であり;またはRB、RC、RDおよびREのうち2個の隣接基はメチレンジオキシ置換基を形成し、RB、RC、RDおよびREのうち他のものは水素であり;RFは水素、ヒドロキシ、(1−3C)アルコキシまたは(1−3C)アルキルであり;
3は水素または(1−3C)アルキルであり;そして
4はフェニルであり、これはハロ、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、(1−3C)アルコキシ、(1−3C)アルキル、メチレンジオキシ(1−3C)アルコキシカルボニルおよび(1−3C)アルキルチオから独立して選択される置換基1個または2個を保有することができ;またはQ4はチエニル、イミダゾリル、ベンゾ[b]チオフェニルもしくはナフチルであり、これらはいずれもハロ置換基を保有することができ;またはQ4はビフェニリルであり;またはQ4は炭素結合したインドリルであり、これは1−位にベンジル置換基を保有することができる;
あるいは(Zdがカルボニルである場合を除く)Dが示すピペリジノ窒素の(またはZaが窒素である場合にQ1の塩基性ピペラジニル窒素の)N−オキシド;
あるいはその薬剤学的に許容しうる塩;
あるいは(Zdがカルボニルである場合を除く)その第四アンモニウム塩であって、Dが示すピペリジノ窒素(またはZaが窒素である場合にQ1の塩基性ピペラジニル窒素)が四価共有原子価(quadricovalent)アンモニウム窒素であり、その際窒素上の第4基R1が(1−4C)アルキルまたはベンジルであり、かつ付随する対向イオン(counterion)Aが薬剤学的に許容しうるアニオンである塩。
本発明のサブグループは、式IIIの化合物またはその薬剤学的に許容しうる塩であって、式中のQ1aが式Iの化合物につき前記に定めた式Q1の基であり、その際Zが窒素を表し、かつQ2aが式Iの化合物につき前記に定めた式IIaまたはIIbの基である化合物である。
本発明の他のサブグループは、式Iの化合物において、Q4がフェニルであり、これはハロ、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、(1−3C)アルコキシ、(1−3C)アルキルおよびメチレンジオキシから独立して選択される置換基1個または2個を保有することができ;またはQ4がチエニル、イミダゾリル、ベンゾ[b]チオフェニルもしくはナフチルであり、これらはいずれもハロ置換基を保有することができ;またはQ4がビフェニリルであり;またはQ4は炭素結合したインドリルであり、これは1−位にベンジル置換基を保有することができ;あるいは(Zdがカルボニルである場合を除く)Dが示すピペリジノ窒素の(またはZaが窒素である場合にQ1の塩基性ピペラジニル窒素の)N−オキシド;あるいはその薬剤学的に許容しうる塩;あるいは(Zdがカルボニルである場合を除く)その第四アンモニウム塩であって、Dが示すピペリジノ窒素(またはZaが窒素である場合にQ1の塩基性ピペラジニル窒素)が四価共有原子価アンモニウム窒素であり、その際窒素上の第4基R1が(1−4C)アルキルまたはベンジルであり、かつ付随する対向イオンAが薬剤学的に許容しうるアニオンである塩である化合物である。
式I(またはIII)の化合物が1個または2個以上の不斉置換された炭素原子を含み、従ってその化合物が光学活性形、ラセミ形および/またはジアステレオマー形で単離されうることは自明であろう。本発明化合物は互変異性を示す場合がある。本発明化合物は多形性を示す場合もある。本発明はラセミ形、光学活性形、ジアステレオマー形、互変異性形、多形もしくは立体異性形、またはその混合物であって、NK2アンタゴニスト特性を備えたものをいずれも包含すると解すべきであり、光学活性形を製造する方法(たとえばラセミ形の分割によるか、または光学活性である出発物質からの合成による)、および後記の標準試験法によりNK2アンタゴニスト特性を測定する方法は当技術分野で周知である。たとえば特定の形を少なくとも95%、98%または99%鏡像異性体過剰に(enantiomeric exess)含有することを特色とする光学的に純粋な形の式I(またはIII)の化合物を使用することが好ましいであろう。たとえば特定の形を少なくとも95%、98%または99%鏡像異性体過剰に含有することを特色とする、構造式中に*で指示した中心において()−または()−立体配置をもつ形の式I(またはIII)の化合物、またはその特定のジアステレオマーを使用することが好ましいであろう。
本明細書においてRaa、Rab、RA、RB、R1、R2などは基の総称であり、他の意味はない。総称“(1−6C)アルキル”は直鎖および分枝鎖両方のアルキル基を含むが、個々のアルキル基、たとえば“プロピル”という表示は直鎖(“ノルマル”)基のみを含み、分枝鎖異性体、たとえば“イソプロピル”は具体的に述べられることを理解すべきである。同様な取り決めが他の総称、たとえばアルコキシ、アルカノイルなどについても適用される。ハロはフルオロ、クロロ、ブロモまたはヨードである。アリール(より具体的に定めた場合を除く)はフェニル基、または約9−10個の環原子を有するオルト縮合二環式炭素環基であって、少なくとも1つの環が芳香族であるものを表す。ヘテロアリール(より具体的に定めた場合を除く)は、以下のものの環炭素を介して結合した基を包含する:炭素原子からなる5個の環原子ならびに酸素、イオウおよび窒素から選択される1−4個の異種原子を含むか、または炭素原子からなる6個の環原子および1個または2個の窒素原子を含む単環式芳香環、ならびにそれから誘導される、約8−約10個の原子のオルト縮合二環式複素環、特にベンゾ誘導体、またはプロペニレン、トリメチレンもしくはテトラメチレンジラジカルをそれに縮合させることにより誘導されたもの、ならびにその安定なN−オキシド。アロイルはアリールカルボニルである;ヘテロアロイルはヘテロアリールカルボニルである。
薬剤学的に許容しうる塩は、生理学的に許容しうるアニオンを供給する酸により製造されるものである。
前記の式IまたはIIIの化合物につき、基またはその部分(たとえば(1−3C)アルキルについての具体的な意味は(1−3C)アルコキシまたは(1−3C)アルキルスルフィニルのアルキル部分についての具体的な意味を提示する)、置換基および範囲についての具体的な意味を以下に挙げるが、それらは説明のためのものにすぎず、基および置換基につき定義された範囲内の他の定義された意味または他の意味を除外するものではない。
Arについての具体的な意味はフェニルであり、それは置換されていないか、またはクロロ、メチル、メトキシ、ヒドロキシもしくはメチルスルフィニル置換基を保有しうる。Hetについての具体的な意味はフリル、チエニル、2−イミダゾリル、1,3,4−オキサジアゾール−2−イル、ピリジルまたはピリミジニルであり、その環は置換されていないか、またはクロロ、メチル、メトキシ、ヒドロキシ、メチルスルフィニル、メトキシカルボニルもしくはエトキシカルボニル置換基を保有しうる。アリールについての具体的な意味はフェニルである。ヘテロアリールについての具体的な意味はフリル、ピリジルまたはピリミジニルである。ハロについての具体的な意味はクロロまたはブロモである。(1−3C)アルキルについての具体的な意味はメチル、エチル、プロピルまたはイソプロピルであり;(1−4C)アルキルについてはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチルまたは−ブチルであり;(1−5C)アルキルについてはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、−ブチル、ペンチルまたはイソペンチルであり;(1−6C)アルキルについてはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ヘキシルまたはイソヘキシルであり;そして(1−8C)アルキルについてはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、イソペンチル、1−エチルプロピル、ヘキシル、イソヘキシル、1−プロピルブチルまたはオクチルである。(3−6C)シクロアルキルについての具体的な意味はシクロプロピル、シクロペンチルまたはシクロヘキシルであり;(3−7C)シクロアルキルについてはシクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシルまたはシクロヘプチルであり;(3−8C)シクロアルキルについてはシクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルまたはシクロオクチルである。(3−6C)アルケニルについての具体的な意味はアリル、2−ブテニルまたは3−メチル−2−ブテニルである。(1−4C)アルカノイルについての具体的な意味はホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリルまたはイソブチリルであり;そして(1−5C)アルカノイルについての具体的な意味はホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、バレリル、イソバレリルまたはピバロイルである。
Arについてのより具体的な意味はフェニルであり、それは置換されていないか、またはメトキシ、ヒドロキシもしくはメチルスルフィニル置換基を保有しうる。Hetについてのより具体的な意味はピリジルまたはピリミジニルであり、その環は置換されていないか、またはメトキシ、ヒドロキシまたはメチルスルフィニル置換基を保有しうる。ヘテロアリールについてのより具体的な意味はピリジルである。ハロについてのより具体的な意味はクロロである。(1−3C)アルキルについてのより具体的な意味はメチルであり;(1−4C)アルキルについてはメチルまたはエチルであり;(1−5C)アルキルについてはメチル、エチル、プロピルまたはイソプロピルであり;(1−6C)アルキルについてはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチルまたは−ブチルであり;そして(1−8C)アルキルについてはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、1−エチルプロピルまたは1−プロピルブチルである。(3−6C)シクロアルキルについてのより具体的な意味はシクロプロピルまたはシクロペンチルであり;(3−7C)シクロアルキルについてはシクロプロピルまたはシクロペンチルであり;(3−8C)シクロアルキルについてはシクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシルまたはシクロヘプチルである。(3−6C)アルケニルについてのより具体的な意味はアリルである。(1−4C)アルカノイルについてのより具体的な意味はホルミルまたはアセチルであり;そして(1−5C)アルカノイルについてのより具体的な意味はホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリルまたはイソブチリルである。
具体的な一群の化合物は、Je、Jf、Jg、Jj、Jja、JkおよびJkaが酸素であり、Jhがオキソであり;M1がCHまたはNであり;M2がメチレンまたはカルボニルであり;M3がメチレン、カルボニルまたはスルホニルであり;M4がカルボニルまたはスルホニルであり;RAが水素、メチルまたはエチルであり;RB、RC、RDおよびREがそれぞれ水素であるか、またはRB、RC、RDおよびREのうちの1つがメトキシ、水素、メチルチオ、メチルスルフィニルもしくはメチルスルホニルであり、かつRB、RC、RDおよびREのうちの他のものが水素であり;Q3が水素であり、Q4がフェニルであり、これはハロ、トリフルオロメチルおよびメチレンジオキシから選択される1個または2個の置換基を保有することができるものである。
1についての具体的な意味は以下のものである:4−ベンジルピペリジノ、4−(3−メトキシフェニル)ピペリジノ、4−(2−メチルスルフィニルフェニル)ピペリジノ、4−(2−ピリジル)ピペリジノ、4−(3−ピリジル)ピペリジノ、4−(2−メチルスルフィニルピリド−3−イル)ピペリジノ、4−ヒドロキシ−4−フェニルピペリジノ、4−アセトアミド−4−フェニルピペリジノ、4−(−フェニルアセトアミド)ピペリジノ、4−(2−ヒドロキシエチル)ピペリジノ、4−(1−ヒドロキシ−1−プロピルブチル)ピペリジノ、4−(2−オキソピロリジン−1−イル)ピペリジノ、4−(2−オキソピペリジノ)ピペリジノ、4−(2−チオキソピペリジノ)ピペリジノ、4−(2−オキソペルヒドロピリミジン−1−イル)ピペリジノ、4−エトキシカルボニル−4−(2−オキソピペリジノ)ピペリジノ、4−メトキシカルボニル−4−(2−オキソペルヒドロピリミジン−1−イル)ピペリジノ、4−(1−オキソイソインドリン−2−イル)ピペリジノ、4−(2−オキソ−2,3−ジヒドロベンゾイミダゾール−1−イル)ピペリジノまたは4−(2−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロキナゾリン−3−イル)ピペリジノ。
1についてのより具体的な意味は4−(2−メチルスルフィニルフェニル)ピペリジノである。
2についての具体的な意味は、たとえば式IIa、およびIIb、IIcまたはIIgの基、より具体的には式中のJが酸素であり、かつM4がカルボニルのものである。Q2についてのより具体的な意味は式IIaまたはIIbの基、より具体的にはJが酸素であり、M1がCHまたはNであり、かつRAがメチルのものである。
3についての具体的な意味は水素である。
4についての具体的な意味は、たとえば3,4−ジクロロフェニルまたは3,4−メチレンジオキシフェニルである。
1についての具体的な意味はメチルまたはベンジルであり、Aについてはたとえばクロリド、ブロミドまたはメタンスルホネートである。
具体的な一群の式IIIの化合物は、Q1aが式If、IhもしくはIgの基であり、式中のJが酸素であり、かつM1がCHもしくはNであり、その際基および置換基が前記に定めた任意の意味、具体的な意味もしくはより具体的な意味をもつもの;またはその薬剤学的に許容しうる塩である。
さらに具体的な一群の式IまたはIIIの化合物は:
1(またはQ1a)がQ1についての具体的な意味として前記に挙げた意味から選択されるものであり;
2が式IIaであり、式中のJが酸素であり;M1がCHであり;RAが(1−3C)アルキルであり;RB、RC、RDおよびREがそれぞれ水素であるか、またはRCがメトキシであり、RB、RCおよびRDが水素であり;
3が水素であり;かつ
4が3,4−ジクロロフェニルであるもの;
またはその薬剤学的に許容しうる塩である。
この群の化合物のうち、式Iおよび式IIIに*で指示した中心が()−立体配置であり、かつその隣接炭素(2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン部分の3−炭素)が()−立体配置であるものが好ましい。
一般に式IまたはIIIの化合物について、立体化学的特性が前記に定めたものに対応することが好ましいが、()−または()−などの不斉中心の表示は命名に関する配列規則のため個々の分子に応じて異なる可能性がある。
式I(および式III)の具体的な化合物は後記の実施例に記載される。
式I(または式III)の化合物の薬剤学的に許容しうる塩類には、生理学的に許容しうるアニオンを与える強い無機酸または有機酸、たとえば塩酸、硫酸、リン酸、メタンスルホン酸またはパラトルエンスルホン酸を用いて調製されたものが含まれる。
式I(または式III)の化合物は、構造的に類似の複素環式化合物の製造に関して化学技術分野で知られている方法を含む方法により製造しうる。前記式I(または式III)の化合物を製造するためのそれらの方法および中間体は本発明の他の観点として提供され、以下の方法により説明される。その際、其の総称の意味は別途指示しない限り前記に定めたものである:
(a)Zが窒素を表す式I(または式III)の化合物については、式IIIaのピペリジン(式中のQ1aが、前記においてZが窒素を表す式Iの化合物につき定めた式Q1の基である)を式IV(または式IVa)のアルデヒドで還元アルキル化によりアルキル化する。アルキル化は好ましくは一般的な還元アルキル化により、たとえば実施例1の記載に従って、酸触媒によりイミナム塩(imminum salt)をその場で形成したのちアルコール性溶剤中においてナトリウムシアノボロヒドリドで還元することにより実施される。
(b)式IIIaのピペリジンを式V(または式Va)のアルキル化剤(Yは脱離基である)でアルキル化する。Yについての一般的な意味には、たとえばヨーダイド、ブロミド、メタンスルホネート、p−トルエンスルホネート、トリフルオロメタンスルホネートなどが含まれる。この反応は標準的な条件下に、たとえば適切な溶剤中で−20から100℃の範囲、好ましくは0から50℃の範囲の温度で実施しうる。
(c)式I(または式III)の化合物の、△で指示したピペリジノ窒素のN−オキシドについては、式Iの化合物の、△で指示したピペリジノ窒素を一般的な方法で、たとえばメタノール中の過酸化水素、過酢酸、不活性溶剤(たとえばジクロロメタン)中の3−クロロペルオキシ安息香酸、またはアセトン中のジオキサンを用いて酸化する。
(d)式I(または式III)の化合物の、△で指示したピペリジノ窒素の第四アンモニウム塩については、式I(または式III)の化合物の、△で指示したピペリジノ窒素を式R1Yのアルキル化剤でアルキル化するか、または式IIIbのピペリジンを式V(式中のYは脱離基である)のアルキル化剤でアルキル化し、次いで必要であれば対向イオンYを常法により異なる対向イオンAに交換する。Yについての一般的な意味には、前記に挙げたものが含まれる。対向イオンの交換は“A”形の塩基性イオン交換樹脂を用いて行うのが好都合であろう。
(e)Q1が式Idのものである式Iの化合物については、対応する式VIの出発物質の二重結合を常法により還元する。
(f)Q1が式Idのものである式Iの化合物については、式VIaの化合物の窒素を常法により式Rda−(Xdp−Zd−の基で置換する。
(g)スルフィニル基を保有する式I(または式III)の化合物については、スルフィド基を保有する対応する式I(または式III)の化合物のイオウを常法により酸化する。
(h)スルホニル基を保有する式I(または式III)の化合物については、対応する式I(または式III)の化合物のスルフィド基またはスルフィニル基を常法により酸化する。
(i)芳香族ヒドロキシ基を保有する式I(または式III)の化合物については、芳香族アルコキシ基を保有する対応する式I(または式III)の化合物のエーテルを常法により開裂する。
前記方法のすべてまたは一部において所望により保護基を用いることが望ましい場合がある;次いで保護基は最終化合物を形成すべき時点で除去することができる。
次いで前記プロセスのいずれについても、式Iの化合物の薬剤学的に許容しうる塩が必要である場合は、それは式Iの化合物を生理学的に許容しうる対向イオンを与える酸と反応させることにより、または他のいずれかの常法により得られる。
本発明化合物の種々の任意の置換基のうち特定のものは、前記プロセスの前または直後に、標準的な芳香族置換反応により導入するか、または一般的な官能基修飾法により形成することができ、それらが本発明の方法の観点に包含されることも自明であろう。それらの反応および修飾法には、たとえばニトロまたはハロゲノの導入およびニトロの還元が含まれる。それらの方法に関する試薬および反応条件は化学技術分野で周知である。
前記方法に必要な出発物質が市販されていない場合、それらは複素環化学の標準法、構造的に類似する既知化合物の合成と同様な方法(特に前記の欧州特許出願公開明細書およびそれらの関連文献に記載のもの)、および前記方法または実施例に記載した方法と同様な方法から選択される方法で製造することができる。出発物質およびそれらの製造方法は本発明の他の観点である。
反応経路IおよびIIに式IVおよびVの出発物質(または対応する式IVaおよびVaの化合物)の製造についての一般的合成経路を概説する。たとえば式Xのアリール酢酸(式中のR2はヒドロキシである)、対応する式Xのエステル(式中のR2は、たとえばメトキシまたはエトキシである)、または式Xのアミド(たとえばR2が()−または()−4−ベンジル−2−オキソピロリジン−1−イルであるキラルアミド)を式R3CH2Yの化合物[式中のR3は保護された、または潜在性の、ヒドロキシメチル基またはホルミル基、たとえばテトラヒドロピラン−2−イルオキシメチル、ビニルまたはジメトキシメチル(または他のアセタール)であり、Yは前記の脱離基である]でアルキル化して、式XIの置換酸誘導体(またはQ3が水素である式XIIの置換誘導体)を得る。Q3が水素でない式XIIの化合物については、式XIの酸誘導体を式Q3Yのアルキル化剤でさらにアルキル化することができる。あるいは式Xの化合物をまず式Q3Yのアルキル化剤でアルキル化して式XIIIの置換誘導体となし、次いで式R3CH2Yの化合物でアルキル化して、式XIIの置換エステル誘導体を得ることができる。式XIIの中間化合物は常法により、たとえばR2がヒドロキシである式XIIの酸を分割することにより、またはキラルアミンのアミド、たとえば前記のものをアルキル化することにより、*で指示した中心において光学的に純粋な形で製造するのが好都合であり、または好ましいであろう。
次いで式XIIの化合物の基−COR2をベンゾ縮合ラクタム基Q2に変換することができる。Q2が炭素結合基である化合物については、式XIIのカルボニル炭素が構造式中に*で指示した炭素に結合するQ2の炭素となることが好都合である。たとえば式IIaまたはIIbの環系において、Jが酸素であり、かつM1がCHであるものについては、式XIIのエステルまたは対応する式XIIの−メトキシ−−メチルアミドを、二金属化ベンズアミドまたはo−トルアミド、たとえば実施例1−7に記載したリチウム誘導体、または対応するジクロロセリウムもしくはジクロロランタン誘導体と縮合させ、さらに処理して環Q2を形成することができる。単一ジアステレオマーを得るためには、実施例2.cに記載した還元に際してヨウ化亜鉛およびナトリウムシアノボロヒドリドを用いることが好ましいであろう。(実施例2.bで最初に形成されたケトンが可逆的に環化して異性体3−ヒドロキシ−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オンを与える可能性があることは自明であろう。)Q2が窒素結合基である化合物については、式XIIの酸誘導体を式XVIの対応するアミンに変換し、次いでアミンの窒素を基Q2に取り込ませることができる。(式XVIのアミンは、式Q4CH2NO2のニトロ化合物をアルキル化し、次いでニトロ基を還元することによっても製造しうる。)あるいは、特にQ3が水素である場合、Yが前記の脱離基である式XVIIの化合物を用いて式Q2−Hの化合物の脱プロトン化により誘導された(または異なる方法で形成された)アニオンをアルキル化して、直接に式XIVの化合物となすことができる。
式XIVの中間体は、たとえばR3がビニルである化合物の酸化的開裂により、またはR3がジメトキシメチルである場合にはアセタールの加水分解により、基R3をホルミル基に変換することによって、式IV(または式IVa)の出発物質アルデヒドに変換することができる。あるいはR3が保護されたヒドロキシメチルである式XIVの化合物については、このアルコールの脱保護により式XVのアルコールが得られる。式XVのアルコールを酸化して式IV(または式IVa)のアルデヒドとなすか、またはヒドロキシ基を常法により脱離基Yに変換して、式V(または式Va)の出発物質となすことができる。式XVのアルコールを、たとえば実施例1.fに記載された塩化オキサリル、ジメチルスルホキシドおよびトリエチルアミンにより、またはデス−マーチン(Dess−Martin)ペリオジナン(periodinane)(1,1,1−トリアセトキシ−1,1−ジヒドロ−1,2−ベンゾヨードキソール−3(1H)−オン)により酸化して、式IV(または式IVa)のアルデヒドとなすことができる。
式IIIaの出発物質ピペリジンの製造については、一般に1−保護された4−ピペリドンまたは1−保護された4−アミノピペリジンが、常法により必要な置換ピペリジンとなし、次いでピペリジノ窒素を脱保護するのに好都合な出発物質である。チオカルボニル基を含む式IIIaの化合物が必要である場合、それはカルボニル基酸素を含む対応する1−保護ピペリジン中間体から、五硫化リンまたはローソン試薬(Lawesson’s reagent)、すなわち2,4−ビス(4−メトキシフェニル)−1,3−ジチア−2,4−ジホスフェタン−2,4−ジスルフィドで処理し、次いでピペリジノ窒素を脱保護することにより得るのが好都合である。
式IIIbの出発物質ピペリジンは式IIIaのピペリジンから、還元アルキル化して置換基R1を導入することにより得られるか、またはこの化合物は式IIIaのピペリジンの製造と同様な方法で製造することができる。
式VIの出発物質は対応する式VIbのケトンから常法により、たとえば式VIcにおいてRdxおよびRdyが一緒になってトリフェニルホスホルアニリデン基を形成している化合物との縮合により、または式VIcにおいてRdxがジメチルホスホノ基であり、かつRdyが水素である化合物の脱プロトン化により得られたアニオンとの縮合により製造しうる。式VIcの化合物は式Vの化合物から常法により製造しうる。式VIaの出発物質は1−保護された4−ピリドンから同様にして製造し、次いで還元および脱保護することができる。
当業者に自明のとおり、出発物質の製造には多様な順序を採用することができ、合成法および存在する基に関して適切な考えがある場合には、本発明の出発物質および生成物に至る順序を変更することができる。
本発明化合物またはその薬剤学的に許容しうる塩(以下においては、まとめて“本発明化合物”と称する)の有用性は標準的な試験法および臨床研究により証明することができ、これには前記の欧州特許出願公開明細書、たとえば欧州特許出願公開(EPA)第428434または474561号明細書(または米国特許第5,236,921号)に示されたもの、および以下に示すものが含まれる。
ニューロキニンA(NKA)受容体結合アッセイ法(試験法A)
本発明化合物がNK2受容体においてNKAの結合と拮抗する効力は、下記の記載に従って、マウス赤白血病において発現したヒトNK2受容体(MEL)を用いるアッセイ法により証明することができる:Aharony,D.,Little,J.,Thomas,C.,Powell,S.,Berry,D.およびGraham,A.,ハムスターニューロキニンA受容体cDNAの単離および薬理学的特性解明,Molecular Pharmacology,1994,45,9−19。このアッセイ法を最初に用いた際、標準化合物L−659,877につき測定されたIC50は、MELに対する3H−NKA結合に関して30nMであることが認められた。
NK2受容体における結合に関する本発明化合物の選択性は、標準アッセイ法を用いて他の受容体におけるそれの結合を測定することにより、たとえばSPのトリチウム化誘導体をNK1受容体に対して選択的な組織調製物において用いるもの、またはNKBのトリチウム化誘導体をNK3に対して選択的な組織調製物において用いるものにより証明しうる。
モルモットアッセイ法(試験法B)
本発明化合物が肺組織においてアゴニストであるNKAまたは[β−ala8]−NKA(4−10)の作用と拮抗する効力を、下記に従って実施されるモルモット気管における機能アッセイ法により証明することができる。選択されたアゴニストを明細書全体においてAGと称する。
雄モルモットを後頭部の強打により屠殺する。気管を摘出し、余分な組織をトリミングし、2セグメントに分割する。各セグメントを、下記組成(mM)の生理的塩類溶液を入れた水ジャケット付き(37.5℃)組織浴中で、ステンレス鋼あぶみ金具(stirrup)間にリング状に吊るす:NaCl,119;KCl,4.6;CaCl2,1.8;MgCl2,0.5;NaH2PO4,1;NaHCO3,25;グルコース,11;チオルファン,0.001;およびインドメタシン,0.005;95%O2−5%CO2を連続通気。各組織に負荷される初期張力は1gであり、これが他の薬物を投与する前の0.5−1.5時間にわたって維持される。グラス(Grass)ポリグラフ上でグラスFT−03力変換器により収縮応答を測定する。
張力をベースライン水準に戻すために洗浄を伴って30分間ずつ中断しながら、組織を単一濃度のAG(10nM)で反復攻撃する。2回の攻撃後にAGに対する収縮の大きさは一定水準に達し、本発明化合物それぞれを、アゴニストに対する3回目以降の暴露の15分前に組織浴に添加することにより、AGに対する応答の阻害につき試験する。本発明化合物の存在下でのAGに対する収縮応答を、2回目のAG攻撃(本発明化合物の不在下)により得たものと比較する。阻害率%は本発明化合物が統計学的に有意の(p<0.05)収縮低下を生じた時点で測定され、2回目の収縮応答を100%として用いて計算される。
選択された本発明化合物の力価を、試験した各濃度につき標準方程式を用いて見掛け解離定数(KB)を計算することにより評価する:
B=[アンタゴニスト]/(用量比−1)
式中の用量比(dose ratio)=antilog[(AG−logEC50モル濃度(本発明化合物無添加))−(AG−logEC50モル濃度(本発明化合物添加))]である。KB値を負の対数に変換して、−logKB(モル濃度)(すなわちpKB)として表すことができる。この評価につき、一対の気管リングを用いて本発明化合物の存在下および不在下で(30分間のインキュベーション期間)AGに対する完全な濃度応答曲線が得られる。AGの力価は各曲線におけるそれ自身の最大応答水準の50%において判定される。EC50値を負の対数に変換して、−logEC50(モル濃度)として表すことができる。AGに対する最大収縮応答は、AGに対する最大応答を初期平衡化期間後に添加したカルバコール(30μM)により引き起こされる収縮に対する%として表すことにより判定される。化合物がAGに対する最大応答を統計学的に有意に(p<0.05)低下させた時点で、一対の未処理組織におけるカルバコール収縮率%を100%として用いて、阻害率%が計算される。
モルモット腹式呼吸困難(Dyspnea)アッセイ法(試験法C)
NK2受容体におけるNKAアンタゴニストとしての本発明化合物の活性は、実験室動物においてインビボで、たとえばロイコトリエンアンタゴニストの評価のためにスナイダーらによって記載されたルーティンなモルモットエーロゾル試験法の適用によっても証明することができる(Snyder,D.W.,Liberati,N.J.およびMcCarthy,M.M.,ペプチドロイコトリエンアンタゴニストの評価のための、覚醒モルモットエーロゾルモデル,J.Pharmacol.Meth.(1988)19,219)。モルモットが気管支収縮剤アゴニストに頭部のみエーロゾルに暴露されることを保証するために、スナイダーらが先に記載した透明なプラスチックチャンバーを用いて、覚醒モルモット6匹に各操作に際し同時に、アゴニストをエーロゾルにより投与する。タキキニンNK2選択性アゴニストである[β−ala8]−NKA(4−10)、3×10-5M、をデビルビス(Devilbiss)モデル25超音波噴霧器から、チャンバーへ進入する空気流中へ2L/分の速度でエーロゾル化する。
モルモット(275−400g)を実験前ほぼ16時間、絶食させる。[β−ala8]−NKA(4−10)の作用の遮断につき評価すべき化合物、またはそれらの賦形剤(食塩水中の10%PEG400)を、エーロゾルアゴニスト攻撃前の種々の時点で経口投与または静脈内投与する。すべての動物をアトロピン(10mg/kg、腹腔内、45分間の予備処理)、インドメタシン(10mg/kg、腹腔内、30分間の予備処理)、プロプラノロール(5mg/kg、腹腔内、30分間の予備処理)、およびチオルファン(1mg/mlエーロゾル、5分間、15分間の予備処理)で予備処理する。
アゴニストによるエーロゾル攻撃により、呼吸数は最初は増大し、次いで腹筋のわずかな関与の初期徴候を伴って低下する。暴露の継続と共に呼吸数はさらに低下し、腹筋の関与の増大を伴って呼吸はさらに困難になる。明瞭に識別しうる終末点は、モルモットの呼吸パターンが持続的に低速で、深く、かつ緩慢となって、腹筋の著しい関与を示す時点である。エーロゾル攻撃開始からこの終末点までの時間(秒)を、各動物につきストップウォッチで測定する。動物は終末点に達したのち一般に虚脱状態となり、このアゴニスト誘発性呼吸困難から回復しない。アンタゴニストは終末点に達する時間を延長する。動物にアゴニストのエーロゾル投与を最大時間780秒間行う。
薬物処理群と対応する賦形剤処理対照群との差を、単独(unpaired)所見に関するスチューデントt検定により比較する。
本発明化合物の効果を証明する臨床研究は標準法により実施することができる。たとえば本発明化合物がぜん息またはぜん息様状態の症状を予防または治療する効力は、冷気またはアレルゲンの吸入攻撃を採用し、標準的な統計学的分析法により分析された、たとえばFEV1(1秒間の努力呼気肺活量)およびFVC(努力肺活量)等の標準的な肺測定法による評価によって証明することができる。
試験法Aまたは試験法Bにおける本発明化合物の活性の証明はぜん息に限定されず、むしろこれらの試験法は全般的なNKA拮抗の証明を与えることは自明であろう。一般に、試験した本発明化合物は試験法Aにおいて1μMまたはそれよりはるかに低いKiで統計学的に有意の活性を示した。たとえば実施例4に記載した化合物は一般に3.5nMのKiをもつことが認められた。試験法Bにおいては、本発明化合物につき5以上のpKBが一般に測定された。たとえば実施例4に記載した化合物につき7.7のpKBが測定された。試験法AにおいてKi値として測定した本発明化合物の活性と、他のアッセイ法において測定された値、たとえば試験法Bにおいて測定されたpKBとの間に、必ずしも直接的な関係があるわけではないことを留意すべきである。
前記のように、式Iの化合物またはその薬剤学的に許容しうる塩はNKAアンタゴニスト特性をもつ。従ってそれは気管支収縮、微小脈管透過性の増大、血管拡張および肥満細胞の活性化を含むことが知られているNKAの作用のうち少なくとも1つと拮抗する。従って本発明の1つの観点は、式Iの化合物またはその薬剤学的に許容しうる塩を、その処置を必要とするヒトまたは他の哺乳動物において、NKAが関与しており、その作用の拮抗が望まれる疾患の処置、たとえばぜん息または関連する障害の処置に使用する用途である。さらに本発明の他の観点は、式Iの化合物またはその塩を、NKAが関与する疾患の処置のための新規な療法薬の開発に用いる新規な疾患モデルもしくはアッセイ法またはそれらの診断のためのアッセイ法の開発および規格化のための薬理学的基準として使用する用途により提供される。
それらの疾患の処置に使用する場合、本発明化合物は一般に前記式Iの化合物またはその薬剤学的に許容しうる塩、および薬剤学的に許容しうる希釈剤またはキャリヤーを含む適宜な薬剤組成物であって、選択された特定の投与経路に適した組成物として投与される。この組成物が本発明の他の観点として提供される。それは一般的な方法ならびに賦形剤および結合剤を用いて得られ、それは多様な投与形態のいずれであってもよい。それらの形態には、たとえば経口投与のための錠剤、カプセル剤、液剤または懸濁剤;直腸投与のための坐剤;静脈内または筋肉内への注入または注射による投与のための無菌液剤または懸濁剤;吸入による投与のためのエーロゾルまたは噴霧液剤もしくは懸濁剤;あるいは吹入による投与のための薬剤学的に許容しうる固体希釈剤、たとえば乳糖と混和した散剤が含まれる。
経口投与のためには、最高250mg(一般に5−100mg)の式Iの化合物を含有する錠剤またはカプセル剤を使用するのが好都合である。吸入による投与のためには、式Iの化合物はたとえば5−100mgの一日量で、1回量として、または1日2−4回に分割してヒトに投与されるであろう。同様に静脈内または筋肉内注射または注入のためには、最高10%w/w(一般に0.05−5%w/w)の式Iの化合物を含有する無菌の液剤または懸濁剤を使用するのが好都合である。
式Iの化合物の投与量は投与経路および状態の程度ならびに処置される患者の体格および年齢を考慮して、当技術分野で周知の原理に従って必然的に変更されるであろう。しかし一般に式Iの化合物は、温血動物(たとえばヒト)に、たとえば0.01−25mg/kg(通常は0.1−5mg/kg)の用量が受容されるように投与されるであろう。一般に同等な量の、式Iの化合物の薬剤学的に許容しうる塩を使用しうることは理解されるであろう。
本発明を以下の実施例により説明するが、これらは限定ではない。実施例において別途明記しない限り:
(i)温度は摂氏(℃)で提示する;操作は室温または周囲温度、すなわち18−25℃の温度で実施される;
(ii)有機溶液は無水硫酸マグネシウムにより乾燥させた;溶剤の蒸発は回転式蒸発器を用いて減圧下に(600−4000パスカル;4.5−30mmHg)最高60℃の浴温で実施された;
(iii)クロマトグラフィーはシリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィーを意味する;逆相クロマトグラフィーはオクタデシルシラン(ODS)コーティングされた、粒子直径32−74μの、“PREP−40−ODS”(Art 731740−100、ボドマン・ケミカルズ、米国ペンシルベニア州アストン)として知られる支持体上でのクロマトグラフィーを意味する;薄層クロマトグラフィー(TLC)はシリカゲルプレート上で実施された;
(iv)一般に反応の進行はTLCにより追跡され、反応時間は説明のために提示されたにすぎない;
(v)融点は未補正であり、(dec)は分解を示す;提示した融点は記載に従って製造された物質につき得られたものである;ある調製物においては多形現象によって、異なる融点をもつ物質が単離される場合がある;
(vi)最終生成物は満足すべきプロトン核磁気共鳴(NMR)スペクトルを備えていた;
(vii)収率は説明のために提示されるにすぎず、必ずしも入念なプロセス開発により得られる可能性のあるものではない;より多量の材料が必要である場合は製造を反復した;
(viii)NMRデータが提示されている場合は、それは主判定プロトンに関するデルタ値の形であり、溶剤としてペルジューテリオジメチルスルホキシド(DMSO−d6)を用いて300MHzで測定し、内部基準としてのテトラメチルシラン(TMS)に対するppmで提示される;シグナル形状に関する一般的な略号を使用する;ABスペクトルに関しては、直接に観察されたシフトを報告する;結合定数(J)はHzで提示される;Arは、その帰属判定を行う場合、芳香族プロトンを表す;
(ix)化学記号は、それらの通常の意味をもつ;SI単位および記号を使用する;
(X)減圧は絶対圧パスカル(Pa)で提示される;加圧はゲージ圧(バール)として提示される;
(xi)溶剤比は容量:容量(v/v)で提示される;ならびに
(xii)質量スペクトル分析(MS)は電子エネルギー70電子ボルトで電子衝撃(EI)モードにおいて、直接暴露プローブを用いて行われた;イオン化を提示した場合、それは化学イオン化(CI)または高速原子衝撃(FAB)により行われた;m/zに関する値を提示する;一般に親質量を示すイオンのみを報告する。
実施例1.3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(4−ヒドロキシ−4−フェニルピペリジノ)プロピル]−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン塩酸塩
3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1−イソインドール−1−イル)プロピオンアルデヒド(0.112g)の、メタノール(5mL)中における溶液を、4−ヒドロキシ−4−フェニルピペリジン(0.057g)で処理し、酢酸の添加によりpHを6に調整した。ナトリウムシアノボロヒドリド(0.030g)で処理したのち、反応混合物を周囲温度で16時間撹拌し、炭酸水素ナトリウムの飽和溶液で希釈し、ジクロロメタンで抽出した。有機層を乾燥させ、蒸発させて、3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(4−ヒドロキシ−4−フェニルピペリジノ)プロピル]−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オンを泡状物(0.104g)として得た。この物質を下記に従って塩酸塩に変換した。上記生成物を乾燥ジクロロメタン(2mL)に溶解し、エーテル中のHCl(2mL)で処理した。得られた溶液を無水エーテルで希釈し、2時間撹拌し、得られた沈殿を採取して、表題化合物(0.075g)を得た。融点160℃(分解);MS:m/z=509(M+1);NMR:1.79(幅広,2),3.32(s,3),3.75(幅広,1),4.88(m,1),5.44(s,1),6.80-7.95(m,12)。元素分析:C2930Cl222・HCl・0.5H2O:計算値:C,62.76;H,5.81;N,5.13;実測値:C,62.79;H,5.89;N,4.89。
中間体3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1−イソインドール−1−イル)プロピオンアルデヒドは下記に従って合成された:
a.3,4−ジクロロフェニル酢酸エチル。3,4−ジクロロフェニル酢酸(39g)の、エタノール(300mL)中における溶液を、濃硫酸(15mL)で処理し、16時間還流した。反応混合物を室温に冷却し、水およびエーテルで希釈した。有機層を洗浄し(水および飽和炭酸水素ナトリウム溶液)、乾燥させ、蒸発させて、上記エステル(44.27g)を得た。
Figure 0003819934
b.2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−(テトラヒドロピラン−2−イルオキシ)酪酸エチルエステル。3,4−ジクロロフェニル酢酸エチル(23.3g)の、テトラヒドロフラン(50mL)中における溶液を、水素化ナトリウム(油中の60%分散液4.0g)で処理し、懸濁液を室温で1.5時間撹拌した。反応混合物を0℃に冷却し、1−ブロモ−2−(テトラヒドロピラン−2−イルオキシ)エタン(20.9g)の、テトラヒドロフラン(50mL)中における溶液で処理した。周囲温度で16時間撹拌した時点で、反応混合物を飽和塩化アンモニウム溶液、エーテル、塩化ナトリウム溶液および炭酸水素ナトリウム溶液で処理した。有機層を分離し、水層をエーテルで抽出した。有機抽出液を合わせて炭酸水素ナトリウム溶液で洗浄し乾燥させ、蒸発させて、油を得た。ジクロロメタンで溶離するクロマトグラフィーにより上記エーテル(5.87g)を得た。
Figure 0003819934
c.2−[2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−(テトラヒドロピラン−2−イルオキシ)ブチリル]−−メチルベンズアミド。−メチルベンズアミド(0.406g)の、テトラヒドロフラン(10mL)中における溶液を0℃に冷却し、n−ブチルリチウム(2.5M溶液2.4mL)で処理し、得られた黄色溶液を0℃で30分間撹拌した。この期間が終了した時点で、この黄色溶液を窒素下にカニューレにより、2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−(テトラヒドロピラン−2−イルオキシ)酪酸エチルエステル(1.08g)の、テトラヒドロフラン(10mL)中における−78℃の溶液に移した。得られた反応混合物を徐々に室温にまで昇温させた。30分間後に反応混合物を飽和塩化アンモニウム溶液で処理し、エーテルで抽出した。有機層を乾燥させ、蒸発させて、油を得た。ヘキサンおよびイソプロパノール(20:1,9:1)で溶離するクロマトグラフィーにより上記アミド(0.12g)を得た。
Figure 0003819934
d.(1R*,3′R*)−3′−(3,4−ジクロロフェニル)−2−メチル−2,3−ジヒドロ−1−イソインドール−1−スピロ−2′−(テトラヒドロフラン)−3−オン。2−[2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−(テトラヒドロピラン−2−イルオキシ)ブチリル]−−メチルベンズアミド(0.913g)の、メタノール(50mL)中における溶液を、強酸イオン交換樹脂(0.25g)で処理し、得られた懸濁液を60℃に16時間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、ケイソウ土により濾過し、蒸発させた。ヘキサン:酢酸エチル(2:1)で溶離するクロマトグラフィーにより2種類の生成物を得た。より速やかに移動する成分(0.199g)およびより緩慢に移動する成分(0.215g)をプロトン−プロトン結合実験を採用したNMRにより調べ、構造を判定した。より緩慢に移動する異性体(1R*,3′R*)−3′−(3,4−ジクロロフェニル)−2−メチル−2,3−ジヒドロ−1−イソインドール−1−スピロ−2′−(テトラヒドロフラン)−3−オンを、それ以上は特性解明せずに次の工程に用いた。
e.3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−ヒドロキシプロピル]−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン。(1R*,3′R*)−3′−(3,4−ジクロロフェニル)−2−メチル−2,3−ジヒドロ−1−イソインドール−1−スピロ−2′−(テトラヒドロフラン)−3−オン(0.619g)の、メタノール(50mL)中における溶液を、カーボン上10%パラジウム(0.1g)で処理し、大気圧で3時間水素添加した。反応混合物をケイソウ土により濾過し、蒸発させた。酢酸エチルで溶離するクロマトグラフィーにより上記アルコール(0.192g)を得た。
Figure 0003819934
f.3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1−イソインドール−1−イル)プロピオンアルデヒド。塩化オキサリル(0.095g)の、ジクロロメタン(10mL)中における溶液を−78℃に冷却し、ジメチルスルホキシド(0.117g)で処理した。反応混合物を−78℃で2分間撹拌したのち、3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−ヒドロキシプロピル]−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン(0.175g)の、ジクロロメタン(2mL)中における溶液を添加し、撹拌を30分間続けた。ジイソプロピルエチルアミン(0.388g)を添加し、反応混合物を室温に昇温させた。室温において2時間撹拌した時点で反応混合物を水で希釈し、ジクロロメタンで抽出した。有機層を活性ケイ酸マグネシウム(フロリシル,Florisil)に導通し、蒸発させて、上記アルデヒドを油(0.112g)として得た。MS:m/z=348(M+1)。
中間体1−ブロモ−2−(テトラヒドロピラン−2−イルオキシ)エタンは下記に従って製造された。
g.新たに蒸留した2−ブロモエタノール(94.04g)の、ヘキサン(200mL)中における混合物を氷中で冷却し、ジヒドロピラン(75.85g)で徐々に処理した。ジヒドロピランの添加が完了したのち、反応混合物を撹拌しながら30分間にわたって室温にまで昇温させ、次いでさらに1時間撹拌した。大気圧でヘキサンを留去することにより反応混合物を濃縮し、残留する液体を減圧下に蒸留して液体(122g)を得た。
沸点
Figure 0003819934
実施例2.(3R*)−3−[(1R*)−1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(4−ヒドロキシ−4−フェニルピペリジノ)プロピル]−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン塩酸塩。
(3R*)−3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−((1R*)−2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1−イソインドール−1−イル)プロピオンアルデヒド(0.265g)を、実施例1に記載したものと同様な方法で4−ヒドロキシ−4−フェニルピペリジン(0.135g)に結合させた。水で仕上げ処理したのち、生成物をクロマトグラフィーにより精製した。ジクロロメタン:メタノール(20:1)で溶離すると遊離アミン(0.186g)が得られ、これを実施例1の記載に従って対応する塩酸塩に変換して、表題化合物(0.16g)を得た。MS:m/z=509(M+1);NMR:1.78(broad,2),2.09(broad,2),3.25(s,3),3.77(broad,1),4.90(m,1),5.43(s,1),7.14-7.57(m,12)。元素分析:C2930Cl222・HCl・H2O:計算値:C,61.76;H,5.89;N,4.96;実測値:C,62.18;H,5.71;N,4.91。
中間体(3R*)−3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−((1R*)−2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1−イソインドール−1−イル)プロピオンアルデヒドは下記に従って合成された:
a.2−(3,4−ジクロロフェニル)ペント−4−エン酸エチルエステル。水素化ナトリウム(油中の60%分散液4.0g)の、テトラヒドロフラン(25mL)中における懸濁液に、0℃で3,4−ジクロロフェニル酢酸エチル(23.3g)の溶液を添加し、懸濁液を室温で2時間撹拌した。反応混合物を−15℃に冷却し、臭化アリル(12.1g)で処理した。周囲温度で16時間撹拌した時点で、反応混合物を飽和塩化アンモニウム溶液で急冷し、エーテルで希釈した。水層をエーテルで抽出し、有機層を合わせてブラインで洗浄した。有機層を乾燥および蒸発させて、上記アルケン(20.2g)を得た。
Figure 0003819934
b.2−[2−(3,4−ジクロロフェニル)ペント−4−エノイル]−−メチルベンズアミド。−メチルベンズアミド(6.75g)の、テトラヒドロフラン(300mL)中における溶液を、−15℃に冷却し、tert−ブチルリチウム(1.7M溶液59mL)で処理した。得られた鮮明な赤色溶液を−15℃で1時間撹拌し、−78℃に冷却し、2−(3,4−ジクロロフェニル)ペント−4−エン酸エチルエステル(13.65g)の、テトラヒドロフラン(50mL)中における溶液で徐々に処理した。室温にまで昇温させ、1時間撹拌した時点で、反応混合物を飽和塩化アンモニウム溶液で急冷し、エーテルで希釈し、水層をエーテルで抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、乾燥させ、蒸発させた。ヘキサン:酢酸エチル(1:1)で溶離するクロマトグラフィーにより上記アミド(1.3g)を得た。MS:m/z=362(M+1);NMR(CDCl3):1.88(broad,1),2.08(broad,1),2.94(s,3),3.39(m,1),4.85(m,2),5.43(m,1),6.84-7.6(m,7)。
c.(3R*)−3−[(1R*)−1−(3,4−ジクロロフェニル)ブト−3−エニル]−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン。2−[2−(3,4−ジクロロフェニル)ペント−4−エノイル]−−メチルベンズアミド(3.91g)の、トリフルオロ酢酸(100mL)中における溶液を、完全に溶解するまで室温で撹拌し、次いでトリエチルシラン(50mL)で処理した。この反応混合物を16時間還流し、次いで室温に冷却した。蒸発させたのち、残渣を100mLのトルエンおよびメタノールで順次処理し、低沸点物質を減圧下に留去した。残りの残渣を酢酸エチルに溶解し、炭酸水素ナトリウム溶液で処理した。水層を酢酸エチルで抽出し、有機層を合わせて洗浄し(炭酸水素ナトリウム溶液、1N水酸化ナトリウム溶液、炭酸水素ナトリウム溶液、ブライン)、乾燥させ、蒸発させた。ヘキサン:イソプロパノール(9:1)で溶離するクロマトグラフィーにより2種類の化合物を得た。より速やかに移動する成分は上記の置換イソインドロンの(R*,R*)−異性体(0.33g)であった。
Figure 0003819934
d.(3R*)−3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−((1R*)−2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1−イソインドール−1−イル)プロピオンアルデヒド。(3R*)−3−[(1R*)−1−(3,4−ジクロロフェニル)ブト−3−エニル]−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン(0.27g)の、テトラヒドロフラン(9mL)中における溶液を、四酸化オスミウム溶液(水中0.128Mのもの0.3mL)で処理し、次いで過ヨウ素酸ナトリウム溶液(水5mL中0.314g)1mLずつで20分間にわたって処理した。最終添加が終了した時点で反応混合物をさらに10分間撹拌し、水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、乾燥させ、蒸発させて、上記アルデヒド(0.268g)を得た。MS:m/z=348(M+1)。この物質をさらに精製せずに前記工程に用いた。
実施例3.(3R*)−3−[(1S*)−1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(4−ヒドロキシ−4−フェニルピペリジノ)プロピル]−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン塩酸塩。
アルデヒド(3R*)−3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−((1S*)−2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1−イソインドール−1−イル)プロピオンアルデヒド(0.304g)を、実施例1の記載に従って4−ヒドロキシ−4−フェニルピペリジン(0.156g)に結合させた。水で仕上げ処理したのち、生成物をクロマトグラフィーにより精製した。ジクロロメタン:メタノール(20:1)で溶離すると(3R*)−3−[(1S*)−1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(4−ヒドロキシ−4−フェニルピペリジン−1−イル)プロピル]−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン(0.31g)が得られ、これを実施例1に記載したものと同様な方法で塩酸塩に変換した(0.3g)。MS:m/z=509(M+1);NMR:1.82(broad,2),2.9(m,1),3.08(s,3),3.51(broad,2),3.7(broad,1),4.90(m,1),5.47(s,1),6.79-7.96(m,12)。元素分析:C2930Cl222・HCl・0.5H2O:計算値:C,62.77;H,5.81;N,5.04;実測値:C,62.57;H,5.58;N,4.80。
中間体(3R*)−3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−((1S*)−2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1−イソインドール−1−イル)プロピオンアルデヒドは下記に従って合成された:
a.(3R*)−3−[(1S*)−1−(3,4−ジクロロフェニル)ブト−3−エニル]−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン。実施例2.c.において緩慢に移動する方の異性体をクロマトグラフィー分離により単離して、(3R*)−3−[(1S*)−1−(3,4−ジクロロフェニル)ブト−3−エニル]−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン(0.549g)を得た。
Figure 0003819934
b.(3R*)−3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−((1S*)−2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1−イソインドール−1−イル)プロピオンアルデヒド。(3R*)−3−[(1S*)−1−(3,4−ジクロロフェニル)ブト−3−エニル]−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン(0.5g)を、実施例2.d.に記載したものと同様な方法で四酸化オスミウム(水中0.128Mのもの0.55mL)および過ヨウ素酸ナトリウム溶液(0.65g)で処理して粗製物質を得た。これを酢酸エチルを溶離剤として用いるクロマトグラフィーにより精製して、上記(R*,S*)−アルデヒド(0.304g)を得た。MS:m/z=348(M+1)。
実施例4.(−)−(3R/3S)−3−[(1S/1R)−1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(4−ヒドロキシ−4−フェニルピペリジノ)プロピル]−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン塩酸塩。
ラセミ体(3R*)−3−[(1S*)−1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(4−ヒドロキシ−4−フェニルピペリジノ)プロピル]−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン(1.2g)をジクロロメタン(200mL)に懸濁し、1N NaOH(3mL)で処理した。撹拌後にpHは9.0であり、この時点で無水硫酸ナトリウム(35g)を添加した。濾過および蒸発させて遊離塩基(1.04g)を得た。この物質をセルロースODカラムによりヘキサン:エタノール:アセトニトリル(60:40:2)を用いてクロマトグラフィー処理した。より速やかに移動するピークを単離すると油が得られ、これを実施例1に記載したものと同様な方法で塩酸塩に変換して、表題化合物を白色固体(0.35g)として得た。融点185℃(分解);[α]D=−20°(c=1.0,MeOH);MS:m/z=509(M+1);NMR:1.95(d,2,J-14),2.71(broad,2),3.0(broad,3),3.13(s,3),3.64(broad,1),4.71(s,1),6.66(d,1,J=7),6.83(s,1),7.17-7.75(m,10)。元素分析:C2930Cl222・HCl・0.66H2O:計算値:C,62.44;H,5.84;N,5.02;実測値:C,62.21;H,5.72;N,4.97。
実施例5.(+)−(3R/3S)−3−[(1S/1R)−1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(4−ヒドロキシ−4−フェニルピペリジノ)プロピル]−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン塩酸塩。
(3R*)−3−[(1S*)−1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(4−ジヒドロキシ−4−フェニルピペリジノ)プロピル]−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オンのクロマトグラフィー分離に際し緩慢に移動する方のピークを単離して、(+)−異性体を油として得た。この物質を実施例1に記載したものと同様な方法で対応する塩酸塩に変換して、表題化合物(0.345g)を得た。融点185℃(分解);[α]D=+22°(c=1.0,MeOH);MS:m/z=509(M+1);NMR(CDCl3):1.93(d,2,J-12),2.69(broad,2),3.10(broad,3),3.63(broad,1),4.69(s,1),6.65(broad,1),6.83(s,1),7.15-7.71(m,10)。元素分析:C2930Cl222・HCl・0.66H2O:計算値:C,62.44;H,5.84;N,5.02;実測値:C,62.49;H,5.85;N,4.91。
実施例6.3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(4−ヒドロキシ−4−フェニルピペリジノ)プロピル]−2−メチル−2−イソキノリン−1−オン。
3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−オキソプロピル]−2−メチル−2−イソキノリン−1−オン(0.303g)を、実施例1に記載したものと同様な方法で4−ヒドロキシ−4−フェニルピペリジン(0.15g)に結合させた。水で仕上げ処理したのち、生成物をカラムクロマトグラフィーにより精製した。酢酸エチルで溶離し、次いでジクロロメタン:メタノール(9:1)で溶離して、表題化合物を固体として得た。融点100−102℃;MS:m/z=521(M+1);NMR:1.55(t,2,J=12),1.89(m,2),2.10(m,1),2.28(m,5),3.35(s,3),4.46(broad,1),6.90(s,1),7.17-7.71(m,11),8.18(d,1,J=8)。元素分析:C3030Cl222・0.5H2O:計算値:C,67.92;H,5.89;N,5.28;実測値:C,68.22;H,5.86;N,5.16。
中間体3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−オキソプロピル]−2−メチル−2−イソキノリン−1−オンは下記に従って合成された:
a.2−[3−(3,4−ジクロロフェニル)−2−オキソ−5−(テトラヒドロピラン−2−イルオキシ)ペンチル]−−メチルベンズアミド。−メチル−−トルアミド(1.49g)の、テトラヒドロフラン(50mL)中における溶液を、−15℃においてtert−ブチルリチウム(1.7M溶液14mL)で処理した。反応混合物を1時間撹拌し、得られた鮮明な赤色の溶液を−78℃に冷却した。2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−(テトラヒドロピラン−2−イルオキシ)酪酸エチルエステル(3.61g)の、テトラヒドロフラン(10mL)中における溶液を反応混合物に添加し、得られた無色の溶液を1時間にわたって室温にまで昇温させた。反応混合物を飽和塩化アンモニウム溶液で急冷し、次いでエーテルで希釈した。水層をエーテルで抽出し、有機層をブライン洗浄し、乾燥させ、蒸発させると、上記ケトン(5.2g)が得られ、これをさらに精製せずに次ぎの工程に用いた。
b.3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−ヒドロキシプロピル]−2−メチル−2−イソキノリン−1−オン。2−[3−(3,4−ジクロロフェニル)−2−オキソ−5−(テトラヒドロピラン−2−イルオキシ)ペンチル]−−メチルベンズアミドの、メタノール200mL中における溶液を、強酸イオン交換樹脂(0.5g)で処理し、16時間、加熱還流した。反応混合物を室温にまで放冷し、ケイソウ土で濾過し、蒸発させて、粗生成物を得た。ヘキサン:酢酸エチル(1:1)で溶離するクロマトグラフィーにより上記アルコール(1.65g)を得た。
Figure 0003819934
c.3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−オキソプロピル]−2−メチル−2−イソキノリン−1−オン。3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−ヒドロキシプロピル]−2−メチル−2−イソキノリン−1−オン(0.36g)を実施例1.f.に記載したものと同様の方法で酸化して、上記アルデヒド(0.33g)を油として得た。MS:m/z=360(M+1)。この物質をさらに精製せずに前記反応に用いた。
Figure 0003819934
実施例7.3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(4−ヒドロキシ−4−フェニルピペリジノ)プロピル]−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン塩酸塩
3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1−イソインドール−1−イル)プロピオンアルデヒド(0.75g)を実施例1の記載に従って4−ヒドロキシ−4−フェニルピペリジン(0.34g)と結合させた。ジクロロメタン:メタノール(20:1)を溶離剤として用いるクロマトグラフィーののち、遊離アミンを塩酸塩に変換して、表題化合物を白色固体(0.4g)として得た。融点190℃(分解);
Figure 0003819934
元素分析:C2828Cl222・HCl・0.5H2O:計算値:C,62.17;H,5.59;N,5.18;実測値:C,62.01;H,5.54;N,4.98。
中間体3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1−イソインドール−1−イル)プロピオンアルデヒドは下記に従って合成された:
a.tert−ブチルベンズアミド。塩化ベンゾイル(14.0g)の、ジクロロメタン(100mL)中における溶液を、0℃においてtert−ブチルアミン(14.6g)で徐々に処理した。添加が完了したのち、反応混合物を1時間にわたって室温にまで昇温させ、ジクロロメタンで希釈した。炭酸水素ナトリウム溶液による洗浄、乾燥および有機層の蒸発により上記アミドが得られ、これを高温の酢酸エチル(50mL)から結晶化して、固体(11.7g)を得た。
Figure 0003819934
b.2−[2−(3,4−ジクロロフェニル)ペント−4−エノイル]−tert−ブチルベンズアミド。tert−ブチルベンズアミド(5.31g)の、テトラヒドロフラン(200mL)中における溶液を−78℃においてtert−ブチルリチウム(1.7M溶液35.3mL)で処理し、得られた橙色溶液を−78℃で15分間撹拌し、0℃にまで昇温させ、30分間撹拌し、最後に室温にまで昇温させた。得られた黄色溶液をカニューレにより、2−(3,4−ジクロロフェニル)ペント−4−エン酸エチルエステル(8.19g)の、テトラヒドロフラン(100mL)中における−78℃の溶液に移した。得られた反応混合物をリチウム化が行われた容器へ戻し、室温にまで昇温させ、飽和塩化アンモニウム溶液で急冷した。次いで反応混合物をエーテルで希釈し、水層を追加のエーテルで抽出した。有機層を合わせてブラインで洗浄し、乾燥させ、蒸発させて、半固体を得た。MS:m/z=404(M+1)。この物質をさらに精製せずに次ぎの工程に用いた。
c.3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)ブト−3−エニリデン]−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン。2−[2−(3,4−ジクロロフェニル)ペント−4−エノイル]−tert−ブチルベンズアミド(5.12g)のトリフルオロ酢酸(50mL)中における溶液を16時間還流し、次いで蒸発させた。残渣を炭酸水素ナトリウム溶液に懸濁し、酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせて乾燥させ、蒸発させて、粗生成物を得た。ヘキサン:酢酸エチル(4:1,1:1)で溶離するクロマトグラフィーにより、上記アルケンのE−およびZ−異性体の混合物を含有する2画分を得た。この物資をさらに精製せずに次ぎの工程に用いた。
d.3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)ブト−3−エニル]−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン。(E)−および(Z)−3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)ブト−3−エニリデン]−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン混合物(1.69g,実施例7.c.に記載)の、トリクロロ酢酸(30mL)中における溶液を、トリエチルシラン(15mL)で処理し、20時間、加熱還流した。この期間の終了後に反応混合物を蒸発させ、残渣を酢酸エチルに溶解した。有機層を炭酸水素ナトリウムで洗浄し、乾燥させ、蒸発させた。ヘキサン:酢酸エチル(1:1)で溶離するクロマトグラフィーにより、3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)ブト−3−エニル]−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン(0.64g)を得た。
MS:
Figure 0003819934
e.3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1−イソインドール−1−イル)プロピオンアルデヒド。3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)ブト−3−エニル]−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン(0.64g)を実施例2.d.に記載したものと同様な方法で酸化して、対応するアルデヒドとなし、褐色の油(0.75g)を得た。MS:m/z=334(M+1)。このアルデヒドをさらに精製せずに、前記の後続工程に用いた。
実施例8.(3R)−3−[(1S)−1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(4−(2−メチルスルフィニルフェニル)ピペリジノ)プロピル]−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン塩酸塩。
(3S)−3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−[(1R)−2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1−イソインドール−1−イル]プロピオンアルデヒド(0.54g)の、メタノール(10mL)中における溶液を、4−(2−メチルスルフィニルフェニル)ピペリジン(0.61g)で処理し、酢酸およびトリエチルアミンでpHを3に調整した。ナトリウムシアノボロヒドリド(189g)で処理したのち、反応混合物を周囲温度で16時間撹拌し、10%塩酸で酸性化し、15分間撹拌し、次いで炭酸水素ナトリウムの飽和溶液で希釈した。ジクロロメタンで抽出して、有機層を乾燥させ、蒸発させて、粗生成物を得た。この物質を、20:1ジクロロメタン:メタノールを溶離剤として用いるクロマトグラフィーにより精製して、目的とする3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(4−(2−メチルスルフィニルフェニル)ピペリジノ)プロピル]−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン(0.414g)を得た。この物質を下記に従って塩酸塩に変換した。この物質をジクロロメタン(2mL)に溶解し、エーテル(2mL)中の塩酸で処理した。得られた溶液を無水エーテル(80mL)で希釈し、4時間撹拌し、生じた沈殿を採取して表題化合物(0.35g)を得た。融点180−188℃;MS:m/z=555(M+1);
Figure 0003819934
元素分析:C3032C・HCl・H2O:計算値:C,59.07;H,5.78;N,4.59;実測値:C,59.06;H,5.72;N,4.45。
中間体(3S)−3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−[(1R)−2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1−イソインドール−1−イル]プロピオンアルデヒドは、実施例57、サブパートa.−c.に従って製造された。
中間体4−(2−メチルスルフィニルフェニル)ピペリジンは、実施例66、サブパートa.−h.に従って製造された。
実施例9.3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(4−(2−ヒドロキシエチル)ピペリジノ)プロピル]−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン塩酸塩。
3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1−イソインドール−1−イル)プロピオンアルデヒド(0.387g)を、実施例8に記載したものと同様な方法で4−(2−ヒドロキシエチル)ピペリジン(0.13g)と結合させた。反応生成物をクロマトグラフィーにより精製せずに、実施例8の記載に従って対応する塩酸塩に変換して、表題化合物(0.178g)を得た。融点119−125℃(分解);
Figure 0003819934
元素分析:C2530Cl222・HCl:計算値:C,56.19;H,6.03;N,5.24;実測値:C,56.01;H,5.77;N,5.06。
実施例10.3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(4−(3−メトキシフェニル)ピペリジノ)プロピル]−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン塩酸塩。
3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1−イソインドール−1−イル)プロピオンアルデヒド(0.52g)を、実施例8に記載したものと同様な方法で4−(3−メトキシフェニル)ピペリジン(0.41g)と結合させた。反応生成物をクロマトグラフィーにより精製し、実施例8の記載に従って対応する塩酸塩に変換して、表題化合物(0.16g)を得た。融点210−220℃;
Figure 0003819934
元素分析:C3032Cl222・1.5HCl:計算値:C,62.32;H,5.84;N,4.85;実測値:C,62.51;H,5.77;N,4.76。
中間体4−(3−メトキシフェニル)ピペリジンは下記に従って製造された:
a.1−ベンジルオキシカルボニル−4−ヒドロキシ−4−(3−メトキシフェニル)ピペリジン。実施例13、サブパートb.に記載したものと同様な方法を用い、ただし反応を−78℃より高温にせず、アニソールの代わりに3−ブロモアニソールを用いて、上記アルコールを製造した。生成物は出発ピペリドンで汚染されていた(NMRにより示されるように2:1);
Figure 0003819934
この物質をさらに精製せずに次ぎの工程に用いた。
b.1−ベンジルオキシカルボニル−4−(3−メトキシフェニル)ピペリジン。1−ベンジルオキシカルボニル−4−ヒドロキシ−4−(3−メトキシフェニル)ピペリジン(1.79g)を、実施例13、サブパートc.に記載したものと同様な方法で処理した。溶離剤としてヘキサン:酢酸エチル(2:1)を用いて粗生成物をクロマトグラフィー処理して、デス−ヒドロキシ化合物(1.29g)を得た。MS:m/z=326(M+1)。この物質のNMRは複雑であった。この物質をさらに精製せずに次ぎの工程に用いた。
c.4−(3−メトキシフェニル)ピペリジン。1−ベンジルオキシカルボニル−4−(3−メトキシフェニル)ピペリジン(0.42g)の、エタノール(5mL)中における溶液を、カーボン上10%パラジウム(0.04g)で処理し、大気圧で16時間、水素添加した。反応混合物をケイソウ土で濾過し、蒸発させて、4−(3−メトキシフェニル)ピペリジンを淡黄色の油(0.19g)として得た。
Figure 0003819934
この物質をさらに精製せずに次ぎの工程を用いた。
実施例11.3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(4−アセトアミド−4−フェニルピペリジノ)プロピル]−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン塩酸塩。
3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1−イソインドール−1−イル)プロピオンアルデヒド(0.375g)を、実施例8に記載したものと同様な方法で4−アセトアミド−4−フェニルピペリジン(0.28g)と結合させた。反応生成物をクロマトグラフィーにより精製し、実施例8の記載に従って対応する塩酸塩に変換して、表題化合物(0.263g)を得た。融点185−192℃;
Figure 0003819934
元素分析:C3133Cl232・1.5HCl:計算値:C,60.64;H,6.07;N,6.84;実測値:C,60.98;H,5.91;N,6.75。
実施例12.3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(4−(4−ヒドロキシフェニル)ピペリジノ)プロピル]−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン塩酸塩。
3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1−イソインドール−1−イル)プロピオンアルデヒド(0.378g)を、実施例8に記載したものと同様な方法で4−(4−ヒドロキシフェニル)ピペリジン(0.191g)と結合させた。反応生成物をクロマトグラフィーにより精製せずに、実施例8の記載に従って対応する塩酸塩に変換して、表題化合物(0.414g)を得た。融点150−160℃;
Figure 0003819934
元素分析:C2930Cl222・1.0HCl・1.0H2O:計算値:C,61.87;H,5.73;実測値:C,62.13;H,5.94。
中間体4−(4−ヒドロキシフェニル)ピペリジンは、下記に従って製造された:
a.4−ベンジルオキシブロモベンゼン。4−ブロモフェノール(17.3g)の、ジメチルホルムアミド(200mL)中における溶液を炭酸カリウム(15.2g)で処理し、次いで臭化ベンジル(17.1g,11.9mL)で処理した。周囲温度で16時間撹拌したのち、反応混合物を水およびヘキサンで希釈した。水層をヘキサン:エーテル(5:1)で抽出した。有機抽出液を洗浄し(水、1N水酸化ナトリウム、ブライン)、乾燥させ、蒸発させて、上記ブロモベンゼンを白色固体(23.4g)として得た。
Figure 0003819934
この物質をさらに精製せずに次ぎの工程に用いた。
b.1−ベンジルオキシカルボニル−4−ヒドロキシ−4−(4−ベンジルオキシフェニル)ピペリジン。4−ベンジルオキシブロモベンゼン(6.6g)の、テトラヒドロフラン(125mL)中における溶液を−78℃に冷却し、n−ブチルリチウム(ヘキサン中の2.5M溶液10mL)で処理した。−78℃で20分間撹拌したのち、1−ベンジルオキシカルボニル−4−ピペリドン(5.85g)の、テトラヒドロフラン(5mL)中における溶液を添加し、反応混合物を−78℃で1時間撹拌し、次いで0℃で2時間撹拌した。得られた溶液を水(10mL)で処理し、酢酸エチルで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、乾燥させ、蒸発させると粗生成物が得られ、これをヘキサン:イソプロパノール(9:1)を溶離剤としてクロマトグラフィー処理して、2画分(それぞれ1.91および4.05g)を得た。NMRにより示されるように第1画分は上記アルコールと出発ケトンの1:1混合物であり、一方第2画分は上記アルコール(収率39%)であった。
Figure 0003819934
c.1−ベンジルオキシカルボニル−4−(4−ベンジルオキシフェニル)ピペリジン。1−ベンジルオキシカルボニル−4−ヒドロキシ−4−(4−ベンジルオキシフェニル)ピペリジンを実施例13、サブパートc.に記載したものと同様な方法で処理した。得られた生成物を、溶離剤としてヘキサン:酢酸エチル(2:1)を用いてクロマトグラフィー処理して、対応するアルケンで汚染されたデス−ヒドロキシ化合物(3.48g)を得た。MS:m/z=402(M+1)この物質のNMRは複雑であった。この物質をさらに精製せずに次ぎの工程に用いた。
d.4−(4−ヒドロキシフェニル)ピペリジン。1−ベンジルオキシカルボニル−4−(4−ベンジルオキシフェニル)ピペリジン(0.65g)を実施例10、サブパートc.に記載したものと同様な方法で処理して、4−(4−ヒドロキシフェニル)ピペリジンを褐色固体(0.28g)として得た。
Figure 0003819934
この物質をさらに精製せずに次ぎの工程に用いた。
実施例13.3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(4−(2−メトキシフェニル)ピペリジノ)プロピル]−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン塩酸塩。
3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1−イソインドール−1−イル)プロピオンアルデヒド(0.368g)を、実施例8に記載したものと同様な方法で4−(2−メトキシフェニル)ピペリジン(0.203g)と結合させた。反応生成物をクロマトグラフィーにより精製せずに、実施例8の記載に従って対応する塩酸塩に変換して、表題化合物(0.469g)を得た。融点175−182℃;
Figure 0003819934
元素分析:C3032Cl222・1.0HCl・1.5H2O:計算値:C,61.39;H,6.18;N,4.77;実測値:C,61.33;H,6.12;N,4.99。
中間体4−(2−メトキシフェニル)ピペリジンは下記に従って製造された:
a.1−ベンジルオキシカルボニル−4−ピペリドン。4−ピペリドン塩酸塩(11.96g)の、テトラヒドロフラン(150mL)中における懸濁液を0℃に冷却し、クロロ蟻酸ベンジル(14.3mL)で処理した。反応混合物を水酸化ナトリウム水溶液(水76mL中7.84g)67mLで滴加処理し、2時間撹拌した。反応混合物を酢酸エチルで抽出し、有機層を水で洗浄し、乾燥させ、蒸発させて、上記ピペリドンを淡黄色の油(20.58g)として得た。
Figure 0003819934
この物質をさらに精製せずに次ぎの工程に用いた。
b.1−ベンジルオキシカルボニル−4−ヒドロキシ−4−(2−メトキシフェニル)ピペリジン。アニソール(2.19g)の、テトラヒドロフラン(50mL)中における溶液を−78℃に冷却し、tert−ブチルリチウム(ペンタン中の1.7M溶液12mL)で処理した。得られた反応混合物を−15℃に昇温させ、45分間撹拌した。反応混合物を−78℃にまで再冷却し、1−ベンジンオキシカルボニル−4−ピペリドン(4.67g)の、テトラヒドロフラン(5mL)中における溶液で処理した。反応混合物を−15℃にまで昇温させ、1時間撹拌したのち、周囲温度に到達させ、72時間撹拌した。反応混合物を水で希釈し、酢酸エチルで数回抽出した。有機層を合わせて乾燥させ、蒸発させて、粗生成物を得た。ヘキサン:酢酸エチル(2:1)を溶離剤とするクロマトグラフィーにより、前記アルコールと出発物質の混合物(2.98g)を得た。
NMR
Figure 0003819934
この物質をさらに精製せずに次ぎの工程に用いた。
c.1−ベンジルオキシカルボニル−4−(2−メトキシフェニル)ピペリジン。1−ベンジルオキシカルボニル−4−ヒドロキシ−4−(2−メトキシフェニル)ピペリジン(2.59g)の、ジクロロメタン(45mL)中における溶液をトリフルオロ酢酸(8.6g)で処理し、次いでトリエチルシラン(17.5g)で処理した。得られた褐色の反応混合物を5分間撹拌し、次いで炭酸水素ナトリウムの飽和溶液に注入した。炭酸水素ナトリウム溶液をジクロロメタンで抽出した。ジクロロメタン溶液を乾燥させ、蒸発させて、デス−ヒドロキシ化合物(2.1g)を得た。
Figure 0003819934
この物質をさらに精製せずに次ぎの工程に用いた。
d.4−(2−メトキシフェニル)ピペリジン。1−ベンジルオキシカルボニル−4−(2−メトキシフェニル)ピペリジン(0.67g)の、エタノール(10mL)中における溶液を、シクロヘキサン(4.2mL)で処理し、次いでカーボン上10%パラジウム(0.13g)で処理した。2時間、加熱還流したのち、反応混合物を室温にまで冷却させ、エーテルで希釈し、1N塩酸で抽出した。水層を炭酸水素ナトリウムで塩基性となし、ジクロロメタンで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発させて、上記ピペリジン(0.2g)を得た。
Figure 0003819934
この物質をさらに精製せずに次ぎの工程に用いた。
実施例14.3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(4−(2−ヒドロキシフェニル)ピペリジノ)プロピル]−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン塩酸塩。
3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1−イソインドール−1−イル)プロピオンアルデヒド(0.368g)を、実施例8に記載したものと同様な方法で4−(2−メトキシフェニル)ピペリジン(0.177g)と結合させた。反応生成物をクロマトグラフィーにより精製せずに、実施例8の記載に従って対応する塩酸塩に変換して、表題化合物(0.424g)を得た。融点150−160℃;
Figure 0003819934
元素分析:C2929Cl222・1.5HCl・0.5H2O:計算値:C,60.88;H,5.55;N,4.90;実測値:C,61.09;H,5.64;N,4.73。
中間体4−(2−ヒドロキシフェニル)ピペリジンは下記に従って製造された:
a.2−ベンジルオキシブロモベンゼン。2−ブロモフェノール(17.3g)の、ジメチルホルムアミド(200mL)中における溶液を炭酸カリウム(15.2g)で処理し、次いで臭化ベンジル(17.1g,11.9mL)で処理した。室温で3時間撹拌したのち、反応混合物を水およびヘキサンで希釈した。水層をヘキサンで抽出し、有機層を洗浄し(水、1N水酸化ナトリウム、ブライン)、乾燥させ、蒸発させて、生成物を無色の油(22.94g)として得た。この物質を減圧下で分留して、上記ブロモベンゼン(16.52g)を得た。沸点110−145℃(1333Pa);
Figure 0003819934
この物質をさらに精製せずに次ぎの工程に用いた。
b.1−ベンジルオキシカルボニル−4−ヒドロキシ−4−(2−ベンジルオキシフェニル)ピペリジン。実施例12、サブパートb.に記載したものと同様な方法を用い、ただし2−ベンジルオキシブロモベンゼンを使用して、粗製ヒドロキシ化合物を製造した。得られた生成物をヘキサン:イソプロパノール(9:1)を溶離剤としてクロマトグラフィー処理して、上記ヒドロキシ化合物(2.86g)を得た。NMR(CDCl3):2.04(m,4),3.4
Figure 0003819934
c.1−ベンジルオキシカルボニル−4−(2−ベンジルオキシフェニル)ピペリジン。1−ベンジルオキシカルボニル−4−ヒドロキシ−4−(2−ベンジルオキシフェニル)ピペリジンを実施例13、サブパートc.に記載したものと同様な方法で処理した。得られた生成物を、溶離剤としてヘキサン:酢酸エチル(3:1)を用いてクロマトグラフィー処理して、上記ピペリジン(1.67g,不純物で汚染されている)を得た。
Figure 0003819934
この物質をさらに精製せずに次ぎの工程に用いた。
d.4−(2−ヒドロキシフェニル)ピペリジン。1−ベンジルオキシカルボニル−4−(2−ベンジルオキシフェニル)ピペリジンを実施例10、サブパートc.に記載したものと同様な方法で処理して、4−(2−ヒドロキシフェニル)ピペリジンを褐色固体(0.36g)として得た。
Figure 0003819934
この物質をさらに精製せずに次ぎの工程に用いた。
実施例15.3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(4−(2−オキソペルヒドロピリミジン−1−イル)ピペリジノ)プロピル]−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン塩酸塩。
3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1−イソインドール−1−イル)プロピオンアルデヒド(0.333g)を、実施例8に記載したものと同様な方法で4−(2−オキソペルヒドロピリミジン−1−イル)ピペリジン(0.183g)と結合させた。反応生成物をクロマトグラフィーにより精製し、実施例8の記載に従って対応する塩酸塩に変換して、表題化合物(0.424g)を得た。融点160−185℃;
Figure 0003819934
元素分析:C2732Cl242・2.0HCl・0.5H2O:計算値:C,54.28;H,5.90;N,9.37;実測値:C,54.36;H,5.86;N,9.10。
中間体4−(2−オキソペルヒドロピリミジン−1−イル)ピペリジンは実施例16、サブパートe.−h.に従って製造された。
実施例16.3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(4−(2−オキソペルヒドロピリミジン−1−イル)ピペリジノ)プロピル]−6−メトキシ−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン塩酸塩。
3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(5−メトキシ−2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1−イソインドール−1−イル)プロピオンアルデヒド(0.378g)を、実施例8に記載したものと同様な方法で4−(2−オキソペルヒドロピリミジン−1−イル)ピペリジン(0.22g)と結合させて、表題化合物(0.420g)を得た。融点165−175℃(分解);
Figure 0003819934
元素分析:C2834Cl243・1.5HCl・1.5H2O:計算値:C,53.61;H,6.18;N,8.93;実測値:C,53.56;H,6.01;N,8.33。
中間体3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(5−メトキシ−2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1−イソインドール−1−イル)プロピオンアルデヒドは下記に従って製造された:
a.−メチル−2−ブロモ−5−メトキシベンズアミド。2−ブロモ−5−メトキシ安息香酸(50g)の、ジクロロメタン(500mL)中における溶液を氷で冷却し、ジメチルホルムアミド(1mL)で処理し、次いで塩化オキサリル(29mL)で処理した。1時間撹拌した時点で氷浴を取り除き、反応混合物をさらに3時間撹拌し、揮発性物質を蒸発により除去した。残渣をジクロロメタン(500mL)に溶解し、氷で冷却し、40%メチルアミン水溶液で処理した。室温で16時間撹拌した時点で反応混合物を酢酸エチルで希釈し、塩酸で酸性化した。水層を酢酸エチルで抽出し、有機層を炭酸水素ナトリウム溶液で洗浄した。有機層を合わせて乾燥させ、蒸発させて、−メチル−2−ブロモ−5−メトキシベンズアミドを白色結晶質固体(47.54g)として得た。融点154−157℃。
b.3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)ブト−3−エニル]−3−ヒドロキシ−6−メトキシ−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン。−メチル−2−ブロモ−5−メトキシベンズアミド(4.88g)の、テトラヒドロフラン(100mL)中における溶液を−76℃に冷却し、反応混合物の温度が−72℃より低く維持されるように徐々にn−ブチルリチウム(2.5M溶液16mL)で処理した。得られた黄色溶液を−76℃で1時間撹拌した時点で、2−(3,4−ジクロロフェニル)ペント−4−エン酸エチルエステル(5.46g)の、テトラヒドロフラン中における溶液を添加した。反応混合物を−76℃で15分間撹拌し、0℃に昇温させ、その温度で30分間撹拌した。この期間の終了後に10%塩酸水溶液(100mL)を添加し、反応混合物を酢酸エチルで抽出した。水層をさらに300mLの酢酸エチルで抽出し、有機層を炭酸水素ナトリウム溶液で洗浄し、乾燥させ、蒸発させた。得られた物質を酢酸エチル(50mL)と共に還流し、濾過して、3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)ブト−3−エニル]−3−ヒドロキシ−6−メトキシ−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オンを白色固体(1.27g)として得た。
MS:
Figure 0003819934
c.3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)ブト−3−エニル]−6−メトキシ−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン。3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)ブト−3−エニル]−3−ヒドロキシ−6−メトキシ−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン(1.0g)の、ジクロロエタン(100mL)中における溶液を、ナトリウムシアノボロヒドリド(1.28g)およびヨウ化亜鉛(1.22g)で処理した。室温で16時間撹拌したのち、反応混合物を10%塩酸水溶液で処理し、1時間撹拌した。反応混合物を酢酸エチルで抽出し、有機層を洗浄し(亜硫酸ナトリウム水溶液)、乾燥させ、蒸発させて、粗生成物を得た。この物質をヘキサン:イソプロパノール(9:1)を溶離剤として用いるクロマトグラフィーにより精製して、3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)ブト−3−エニル]−6−メトキシ−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン(0.486g)を得た。
Figure 0003819934
d.3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(5−メトキシ−2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1−イソインドール−1−イル)プロピオンアルデヒド。3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)ブト−3−エニル]−6−メトキシ−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン(7.44g)から実施例2、サブパートd.に記載したものと同様な方法で上記アルデヒドを製造した。クロマトグラフィーにより精製して、目的とするアルデヒド(4.52g)を得た。
Figure 0003819934
中間体4−(2−オキソペルヒドロピリミジン−1−イル)ピペリジンは下記に従って製造された:
e.−ベンジルオキシカルボニル−4−ピペリドン。4−ピペリドン塩酸塩(70g)の、飽和炭酸水素ナトリウム1.4L中における溶液を、ジオキサン40mL中のベンジルオキシカルボニルクロリド溶液(75mL)で滴加処理した。反応混合物を一夜撹拌し、酢酸エチルで3回抽出した。有機層を洗浄し(1N塩酸、水、およびブライン)、乾燥させ、蒸発させて、油(96.62g)を得た。
f.1−ベンジルオキシカルボニル−4−(3−アミノプロピルアミノ)ピペリジン。−ベンジルオキシカルボニル−4−ピペリドンおよび1,3−ジアミノプロパン、実施例1に記載したものと同様な方法で還元結合させた。反応混合物を蒸発させ、残渣を1N塩酸に溶解した。濃塩酸を滴加し、ガスの発生が止まるまで撹拌を続けた。酸性の水性混合物をジクロロメタンで洗浄し、10N水酸化ナトリウムでpH10に塩基性化し、ジクロロメタンで抽出した。ジクロロメタン抽出液を乾燥させ、蒸発させて、1−ベンジルオキシカルボニル−4−(3−アミノプロピルアミノ)ピペリジンを粘稠な油として得た。
Figure 0003819934
g.1−ベンジルオキシカルボニル−4−(2−オキソペルヒドロピリミジン−1−イル)ピペリジン。1−ベンジルオキシカルボニル−4−(3−アミノプロピルアミノ)ピペリジン(10.1g)および1,1′−カルボニルジイミダゾール(6.2g)の、クロロホルム(250mL)中における撹拌された溶液を2時間、加熱還流した。混合物を水で洗浄し、分離した有機層を乾燥させ、蒸発させ、ジクロロメタン/メタノール(90:10)を溶離剤として用いてクロマトグラフィー処理して、上記尿素化合物を白色固体(7.4g)として得た。
Figure 0003819934
h.4−(2−オキソペルヒドロピリミジン−1−イル)ピペリジン。1−ベンジルオキシカルボニル−4−(2−オキソペルヒドロピリミジン−1−イル)ピペリジンを実施例66、サブパートhに記載したものと同様な方法でトリフルオロ酢酸により処理した。反応生成物をクロマトグラフィーにより精製して、上記ピペリジンを得た。
実施例17.3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(4−(3−ピリジル)ピペリジノ)プロピル]−6−メトキシ−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン塩酸塩。
3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(5−メトキシ−2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1−イソインドール−1−イル)プロピオンアルデヒド(0.378g)を、実施例8に記載したものと同様な方法で4−(3−ピリジル)ピペリジン(0.162g)と結合させた。反応生成物をクロマトグラフィーにより精製せずに、実施例8の記載に従って対応する塩酸塩に変換して、表題化合物(0.447g)を得た。融点165−220℃(分解);
MS:
Figure 0003819934
元素分析:C2931Cl232・2.0HCl・2.5H2O:計算値:C,54.35;H,5.94;N,6.56;実測値:C,54.36;H,5.75;N,6.01。
実施例18.3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(4−(2−メチルスルフィニルフェニル)ピペリジノ)プロピル]−6−メトキシ−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン塩酸塩。
3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−5−メトキシ−1−イソインドール−1−イル)プロピオンアルデヒド(0.38g)を、実施例8に記載したものと同様な方法で4−(2−メチルスルフィニルフェニル)ピペリジン(0.29g)と結合させた。反応生成物をクロマトグラフィーにより精製し、実施例8の記載に従って対応する塩酸塩に変換して、表題化合物(0.447g)を得た。融点155−178℃(分解);
MS:
Figure 0003819934
元素分析:C3134Cl223S・1.5H2O:計算値:C,59.86;H,5.67;N,4.50;実測値:C,57.05;H,5.64;N,4.19。
中間体3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(5−メトキシ−2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1−イソインドール−1−イル)プロピオンアルデヒドは実施例16、サブパートa.−d.の記載に従って合成された。
中間体4−(2−メチルスルフィニルフェニル)ピペリジンは実施例66、サブパートd.−h.の記載に従って製造された。
実施例19.3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(4−(5−メトキシ−2−メチルスルホニルフェニル)ピペリジノ)プロピル]−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン塩酸塩。
3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(5−メトキシ−2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1−イソインドール−1−イル)プロピオンアルデヒド(0.38g)を、実施例8に記載したものと同様な方法で4−(2−メチルスルホニルフェニル)ピペリジン(0.29g)と結合させた。反応生成物をクロマトグラフィーにより精製し、実施例8の記載に従って対応する塩酸塩に変換して、表題化合物(0.447g)を得た。融点155−178℃(分解);
MS:
Figure 0003819934
元素分析:C3134Cl224S・HCl・0.5H2O:計算値:C,58.36;H,5.53;N,4.39;実測値:C,57.22;H,5.57;N,3.99。
実施例20.3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(4−(2−フルオロ−3−ピリジル)ピペリジノ)プロピル]−6−メトキシ−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン塩酸塩。
3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(5−メトキシ−2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1−イソインドール−1−イル)プロピオンアルデヒド(0.38g)を、実施例8に記載したものと同様な方法で4−(2−フルオロ−3−ピリジル)ピペリジン(0.47g)と結合させた。反応生成物をクロマトグラフィーにより精製し、実施例8の記載に従って対応する塩酸塩に変換して、表題化合物(0.25g)を得た。融点99−148℃(分解);
Figure 0003819934
元素分析:C2830Cl232F・HCl・H2O:計算値:C,58.35;H,5.57;N,7.04;実測値:C,57.99;H,5.47;N,7.18。
実施例21.3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(4−アセトアミド−4−フェニルピペリジノ)プロピル]−6−メトキシ−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン塩酸塩。
3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(5−メトキシ−2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1−イソインドール−1−イル)プロピオンアルデヒド(0.38g)を、実施例8に記載したものと同様な方法で4−アセトアミド−4−フェニルピペリジン(0.29g)と結合させた。反応生成物をクロマトグラフィーにより精製し、実施例8の記載に従って対応する塩酸塩に変換して、表題化合物(0.7g)を得た。融点182−210℃(分解);
Figure 0003819934
元素分析:C3234Cl233・HCl・H2O:計算値:C,60.53;H,6.03;N,6.62;実測値:C,60.47;H,5.93;N,6.43。
中間体3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(5−メトキシ−2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1−イソインドール−1−イル)プロピオンアルデヒドは、前記実施例16の記載に従って合成された。
実施例22.3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(4−(2−メトキシ−3−ピリジル)ピペリジノ)プロピル]−6−メトキシ−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン塩酸塩。
3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(5−メトキシ−2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1−イソインドール−1−イル)プロピオンアルデヒド(0.38g)を、実施例8に記載したものと同様な方法で4−(2−メトキシ−3−ピリジル)ピペリジン(0.60g)と結合させた。反応生成物をクロマトグラフィーにより精製し、実施例8の記載に従って対応する塩酸塩に変換して、目的とする表題化合物(0.26g)を得た。融点135−194℃(分解);
Figure 0003819934
元素分析:C3033Cl233・1.5HCl・0.5H2O:計算値:C,58.29;H,5.79;N,6.80;実測値:C,58.25;H,5.71;N,6.68。
中間体3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(5−メトキシ−2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1−イソインドール−1−イル)プロピオンアルデヒドは、前記実施例16の記載に従って合成された。
実施例23.3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(4−(6−メトキシ−2−メチルチオ−3−ピリジル)ピペリジノ)プロピル]−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン塩酸塩。
3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(5−メトキシ−2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1−イソインドール−1−イル)プロピオンアルデヒド(0.38g)を、実施例8に記載したものと同様な方法で4−(2−メチルチオ−3−ピリジル)ピペリジン(0.23g)と結合させた。反応生成物をクロマトグラフィーにより精製し、実施例8の記載に従って対応する塩酸塩に変換して、表題化合物(0.38g)を得た。融点122−158℃(分解);
Figure 0003819934
元素分析:C3033Cl232S・2.0HCl・1.0H2O:計算値:C,54.47;H,5.64;N,6.35;実測値:C,54.22;H,5.52;N,6.27。
実施例24.3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(4−(2−メチルスルフィニル−3−ピリジル)ピペリジノ)プロピル]−6−メトキシ−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン塩酸塩。
3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(5−メトキシ−2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1−イソインドール−1−イル)プロピオンアルデヒド(0.33g)を、実施例8に記載したものと同様な方法で4−(2−メチルスルフィニル−3−ピリジル)ピペリジン(0.423g)と結合させた。反応生成物をクロマトグラフィーにより精製し、実施例8の記載に従って対応する塩酸塩に変換して、表題化合物(0.26g)を得た。融点120−182℃(分解);
MS:
Figure 0003819934
元素分析:C3033Cl233S・2.0HCl・1.0H2O:計算値:C,53.18;H,5.50;N,6.20;実測値:C,53.39;H,4.49;N,6.53。
中間体3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(5−メトキシ−2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1−イソインドール−1−イル)プロピオンアルデヒドは、前記実施例16の記載に従って合成された。
実施例25.3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(4−ヒドロキシ−4−フェニルピペリジノ)プロピル]−6−メトキシ−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン塩酸塩。
3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(5−メトキシ−2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1−イソインドール−1−イル)プロピオンアルデヒド(0.59g)を、実施例8に記載したものと同様な方法で4−ヒドロキシ−4−フェニルピペリジン(0.27g)と結合させた。反応生成物をクロマトグラフィーにより精製し、実施例8の記載に従って対応する塩酸塩に変換して、表題化合物(0.26g)を得た。融点154−180℃(分解);
Figure 0003819934
元素分析:C3032Cl223・2.0HCl:計算値:C,58.83;H,5.59;N,4.57;実測値:C,58.39;H,5.60;N,4.66。
実施例26.3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(4−メチルアミノカルボニル)−4−(2−オキソピペリジノ)ピペリジノ)プロピル]−2−メチル−2,3−ジヒドロ−6−メトキシイソインドール−1−オン塩酸塩。
3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(5−メトキシ−2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1−イソインドール−1−イル)プロピオンアルデヒド(0.767g)を、実施例8に記載したものと同様な方法で4−(メチルアミノカルボニル)−4−(2−オキソピペリジノ)ピペリジン(0.485g)と結合させた。反応生成物をクロマトグラフィーにより精製せずに、実施例8の記載に従って対応する塩酸塩に変換して、表題化合物(0.714g)を得た。融点180−185℃(分解);
Figure 0003819934
元素分析:C3138Cl244・1.5HCl・0.5H2O:計算値:C,55.97;H,6.14;N,8.02;実測値:C,55.62;H,6.11;N,7.81。
中間体4−(メチルアミノカルボニル)−4−(2−オキソピペリジノ)ピペリジンは下記に従って製造された:
a.8−ベンジル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン。1−ベンジル−4−ピペリドン(100g)を、炭酸アンモニウム(488.5g)およびシアン化ナトリウム(70.0g)の、水(700mL)およびエタノール(700mL)中における機械的に撹拌された懸濁液に一度に添加した。反応混合物を60℃で12時間撹拌した。無機塩類が溶液に次第に溶解し、スピロヒダントイン結晶が生成した。室温に冷却した時点で固体を濾過により採取し、温水(2L)で洗浄し、80%エタノール(2L)から再結晶し、エタノールで洗浄し、50℃の真空オーブン内で乾燥させて、ヒダントイン(122g)を白色固体として得た。
Figure 0003819934
b.4−アミノ−1−ベンジル−4−カルボキシピペリジン。上記ヒダントイン(40.0g)および水酸化リチウム・1水和物(32.4g)の、水(500mL)中における撹拌された溶液を、40時間加熱還流した。混合物を室温に冷却し、濾過して白色沈殿を除去し、濾液を蒸発させた。濃縮液のpHを濃塩酸により12から5に調整し、溶液を蒸発乾固した。残渣をメタノールに懸濁すると、白色沈殿が生成し、これを濾過し、メタノールで洗浄し、風乾して、前記アミン(32.7g)を白色固体として得た。
Figure 0003819934
c.4−アミノ−1−ベンジル−4−エトキシカルボニルピペリジン。塩化チオニル(43.0mL)を、前記アミノ酸(23.0g)の、エタノール(400mL)中における懸濁液に0℃で滴加して、透明な溶液を得た。反応混合物を室温にまで昇温させ、5時間還流し、室温で一夜撹拌した。混合物を蒸発させ、トルエンから2回ストリッピングした。得られた油を水に溶解し、1N水酸化ナトリウムでpH3に調整し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で中和し、ジクロロメタンで抽出した。有機抽出液を乾燥させ、蒸発させて、上記エステル(21.5g)を油として得た。
Figure 0003819934
d.1−ベンジル−4−(5−クロロバレルアミド)−4−エトキシカルボニルピペリジン。ジクロロメタン(50mL)中の5−クロロバレリルクロリド(13.2g)を、上記アミノエステル(20.3g)およびピリジン(13.1mL)の、ジクロロメタン(250mL)中における溶液に0℃で滴加すると、20分以内に濃厚なスラリーが生成した。一夜で室温にまで昇温させたのち、スラリーを炭酸水素ナトリウム水溶液で希釈すると、透明な2層溶液が得られ、これをさらにジクロロメタンで抽出した。有機抽出液を乾燥させ、蒸発させて、淡褐色の半固体となした。この物質をエーテルに懸濁し、濾過して、上記アミド(16.8g)を白色固体として得た。
Figure 0003819934
e.1−ベンジル−4−エトキシカルボニル−4−(2−オキソピペリジノ)ピペリジン。上記アミド(16.8g)の、テトラヒドロフラン(50mL)中における溶液を、テトラヒドロフラン(150mL)中の水素化ナトリウム(2.1g)の懸濁液にカニューレにより装入した。一夜撹拌したのち、反応混合物を水で急冷し、濃縮し(テトラヒドロフランを除去するために)、水で希釈し、ジクロロメタンで抽出した。有機抽出液を合わせて乾燥させ、蒸発させた。粗生成物を、ジクロロメタン:メタノール(97:3,95:5)を溶離剤としてクロマトグラフィー処理して、1−ベンジル−4−エトキシカルボニル−4−(2−オキソピペリジノ)ピペリジン(13.2g)を固体として得た。
Figure 0003819934
f.4−エトキシカルボニル−4−(2−オキソピペリジノ)ピペリジン。1−ベンジル−4−エトキシカルボニル−4−(2−オキソピペリジノ)ピペリジン(12.4g)およびカーボン上20%水酸化パラジウム(2.0g)の、エタノール(150mL)中における溶液を、水素(1バール)下に一夜撹拌した。反応混合物をケイソウ土により濾過し、濾液を蒸発させて、4−エトキシカルボニル−4−(2−オキソピペリジノ)ピペリジン(9.1g)を粘稠な油として得た。
MS:
Figure 0003819934
g.1−ベンジルオキシカルボニル−4−(エトキシカルボニル)−4−(2−オキソピペリジノ)ピペリジン。ジクロロメタン(25mL)中の4−エトキシカルボニル−4−(2−オキソピペリジノ)ピペリジン(9.0g)を、−(ベンジルオキシカルボニルオキシ)スクシンイミド(8.8g)およびトリエチルアミン(5.4mL)の、ジクロロメタン(150mL)中における溶液に添加した。1.5時間後に反応混合物を1.0N塩酸および飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で順次洗浄した。分離した有機層を乾燥させ、蒸発させて、1−ベンジルオキシカルボニル−4−(エトキシカルボニル)−4−(2−オキソピペリジノ)ピペリジン(11.6g)を淡黄色固体として得た。
Figure 0003819934
h.1−ベンジルオキシカルボニル−4−カルボキシ−4−(2−オキソピペリジノ)ピペリジン。1−ベンジルオキシカルボニル−4−エトキシカルボニル−4−(2−オキソピペリジノ)ピペリジン(11.4g)の、テトラヒドロフラン(150mL)、1.0N水酸化ナトリウム(50mL)およびメタノール(透明な溶液を得るのに必要な容量)中における溶液を10時間、加熱還流した。反応混合物を蒸発させ、得られた水溶液を水で希釈し、ジクロロメタンで抽出して未反応の出発物質(3.7g)を回収した。水層を1.0N塩酸でpH3に酸性化し、ジクロロメタンで抽出した。有機抽出液を合わせて水で洗浄し、乾燥させ、蒸発させて、淡黄色固体を得た。この物質をエーテルに懸濁し、濾過して、上記の酸(6.3g)を白色固体として得た。
MS:
Figure 0003819934
i.1−ベンジルオキシカルボニル−4−(メチルアミノカルボニル)−4−(2−オキソペルヒドロピリミジン−1−イル)ピペリジン。1−ベンジルオキシカルボニル−4−カルボキシ−(2−オキソペルヒドロピリミジン−1−イル)ピペリジン(1.45g)、塩酸メチルアミン(0.32g)、4−(ジメチルアミノ)ピリジン(0.59g)、トリエチルアミン(0.67mL)および1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(0.92g)の、ジクロロメタン(20mL)中における溶液を、一夜撹拌した。反応混合物をジクロロメタンで希釈し、1.0N塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および水で順次洗浄した。分離した有機層を乾燥させ、蒸発させて、上記アミド(1.37g)を白色固体として得た。これは精製を必要としなかった。
Figure 0003819934
j.4−(メチルアミノカルボニル)−4−(2−オキソピペリジノ)ピペリジン。1−ベンジルオキシカルボニル−4−(メチルアミノカルボニル)−4−(2−オキソペルヒドロピリミジン−1−イル)ピペリジンを実施例10、サブパートc.のものと同様な方法で処理して、上記ピペリジンを得た。
Figure 0003819934
実施例27.3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(4−(2−オキソピペリジノ)ピペリジノ)プロピル]−6−メトキシ−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン塩酸塩。
3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(5−メトキシ−2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1−イソインドール−1−イル)プロピオンアルデヒド(0.366g)を、実施例8に記載したものと同様な方法で4−(2−オキソピペリジノ)ピペリジン(0.176g)と結合させた。反応生成物をクロマトグラフィーにより精製し、実施例8の記載に従って対応する塩酸塩に変換して、表題化合物(0.158g)を得た。融点154−156℃;
Figure 0003819934
元素分析:C2935Cl233・1.0HCl・1.1H2O:計算値:C,59.95;H,6.24;N,7.23;実測値:C,57.97;H,6.24;N,6.73。
実施例28.3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(4−ヒドロキシ−4−フェニルピペリジノ)プロピル]−7−メトキシ−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン塩酸塩。
3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(4−メトキシ−2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1−イソインドール−1−イル)プロピオンアルデヒド(0.95g)を、実施例8に記載したものと同様な方法で4−ヒドロキシ−4−フェニルピペリジン(0.44g)と結合させた。反応生成物をクロマトグラフィーにより精製し、実施例8の記載に従って対応する塩酸塩に変換して、表題化合物(0.838g)を得た。融点163−185℃;
Figure 0003819934
元素分析:C3032Cl232・1.0HCl・1.0H2O:計算値:C,60.66;H,5.94;N,4.71;実測値:C,60.67;H,5.94;N,4.71。
中間体3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(4−メトキシ−2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1−イソインドール−1−イル)プロピオンアルデヒドは下記に従って合成された:
a.2−メトキシ−−メチルベンズアミド。2−メトキシベンゾイルクロリド(12g)の、テトラヒドロフラン(50mL)中における溶液に、0℃でメチルアミン水溶液(12g)を添加した。15分間撹拌したのち、反応混合物を周囲温度で7日間撹拌し、希釈した(水)。酢酸エチルおよびジクロロメタンで抽出して、有機層を洗浄し(水)、乾燥させ、蒸発させて、油を得た。この物質を減圧下に蒸留して、上記アミドを得た。沸点160℃(225tor);
Figure 0003819934
b.3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)ブト−3−エニル]−3−ヒドロキシ−7−メトキシ−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン。2−メトキシ−−メチルベンズアミド(2.0g)の、テトラヒドロフラン(70mL)中における溶液に、−40℃でペンタン中の1.7M tert−ブチルリチウム溶液14.25mLを添加した。この溶液を−40℃で1時間撹拌し、−30℃に30分間昇温させ、次いで−40℃に再冷却した。2−(3,4−ジクロロフェニル)ペント−4−エン酸エチルエステル(3.3g)の、テトラヒドロフラン(25mL)中における溶液を、反応混合物に添加した。−40℃で15分間撹拌した時点で反応混合物を10℃に昇温させ、塩化アンモニウム水溶液で処理し、希釈し(水)、酢酸エチルで抽出した。有機層を乾燥させ、蒸発させると粗製物質が得られ、これをジクロロメタン:メタノール(30:1)を溶離剤とするクロマトグラフィーにより精製して、上記アルコール(0.78g)を得た。
Figure 0003819934
c.3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)ブト−3−エニル]−7−メトキシ−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン。3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)ブト−3−エニル]−3−ヒドロキシ−7−メトキシ−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン(0.4g)の、トリフルオロ酢酸(0.78mL)中における溶液に、トリエチルシラン(1.6mL)を添加し、反応混合物を16時間、還流下に撹拌した。この期間後に揮発性物質を蒸発させ、残渣をトルエンで処理し、蒸発させた。得られた物質をヘキサン:イソプロパノール(7:1)を溶離剤とするクロマトグラフィーにより精製して、デス−オキシ化合物(0.37g)を得た。
Figure 0003819934
d.3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(4−メトキシ−2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1−イソインドール−1−イル)プロピオンアルデヒド。3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)ブト−3−エニル]−7−メトキシ−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン(0.35g)を実施例2、サブパートd.に記載したものと同様な条件で処理した。得られた物質をクロマトグラフィーにより精製して、上記アルデヒド(0.25g)を得た。
Figure 0003819934
実施例29.3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(4−ヒドロキシ−4−フェニルピペリジノ)プロピル]−5−フルオロ−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン塩酸塩。
3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(6−フルオロ−2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1−イソインドール−1−イル)プロピオンアルデヒド(2.05g)を、実施例8に記載したものと同様な方法で4−ヒドロキシ−4−フェニルピペリジン(1.0g)と結合させた。反応生成物をクロマトグラフィーにより精製し、実施例8の記載に従って対応する塩酸塩に変換して、表題化合物(2.05g)を得た。融点160−205℃;
Figure 0003819934
元素分析:C2929Cl222F・1.0HCl・1.0H2O:計算値:C,59.85;H,5.54;N,4.81;実測値:C,60.15;H,5.39;N,4.81。
中間体3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(6−フルオロ−2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1−イソインドール−1−イル)プロピオンアルデヒドは下記に従って合成された:
a.−メチル−4−フルオロベンズアミド。実施例28、サブパートa.に記載したものと同様な方法を用い、ただし2−メトキシベンゾイルクロリドの代わりに−メチル−4−フルオロベンゾイルクロリドを用いて、上記アミドを製造した。生成物を結晶化により精製して、白色固体(9.56g)を得た。融点117−122℃;MS:m/z=154(M+1)。
b.3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)ブト−3−エニル]−5−フルオロ−3−ヒドロキシ−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン。実施例2、サブパートb.に記載したものと同様な方法を用い、ただし−メチルベンズアミドの代わりに−メチル−4−フルオロベンズアミド(1.53g)を用いた。粗製物質を、ヘキサン:イソプロパノール(10:1)を溶離剤とするクロマトグラフィーにより精製して、得られた物質をヘキサンに懸濁し、濾過して、目的物質を固体(2.31g)として得た。融点144−156℃;
Figure 0003819934
c.3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)ブト−3−エニル]−2−メチル−2,3−ジヒドロ−5−フルオロ−1−イソインドール−1−オン。3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)ブト−3−エニル]−5−フルオロ−3−ヒドロキシ−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン(2.29g)を、実施例2、サブパートc.に記載したものと同様な方法で処理した。粗生成物を、ヘキサン:イソプロパノール(7:1)を溶離剤とするクロマトグラフィーにより精製して、3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)ブト−3−エニル]−2−メチル−2,3−ジヒドロ−5−フルオロ−1−イソインドール−1−オンを固体(2.11g)として得た。
Figure 0003819934
d.3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(6−フルオロ−2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1−イソインドール−1−イル)プロピオンアルデヒド。3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)ブト−3−エニル]−2−メチル−2,3−ジヒドロ−5−フルオロ−1−イソインドール−1−オンを、実施例2、サブパートb.に記載したものと同様な方法で処理して、上記アルデヒド(2.1g)を得た。
Figure 0003819934
実施例30.3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(4−ヒドロキシ−4−フェニルピペリジノ)プロピル]−5−メトキシ−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン塩酸塩。
3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(6−メトキシ−2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1−イソインドール−1−イル)プロピオンアルデヒド(0.59g)を、実施例8に記載したものと同様な方法で4−ヒドロキシ−4−フェニルピペリジン(0.26g)と結合させた。反応生成物をクロマトグラフィーにより精製し、実施例8の記載に従って対応する塩酸塩に変換して、表題化合物(0.418g)を得た。融点145−172℃;
Figure 0003819934
元素分析:C2929Cl222F・1.0HCl・1.0H2O:計算値:C,60.66;H,5.94;N,4.72;実測値:C,60.77;H,5.70;N,4.93。
中間体3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(6−メトキシ−2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1−イソインドール−1−イル)プロピオンアルデヒドは下記に従って合成された:
a.4−メトキシ−−メチルベンズアミド。実施例28、サブパートa.に記載したものと同様な方法を用い、ただし2−メトキシベンゾイルクロリドの代わりに4−メトキシベンゾイルクロリド(10g)を用いて、上記アミド(7.22g)を固体として製造した。融点111−113℃;
Figure 0003819934
b.3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)ブト−3−エニル]−5−フルオロ−3−ヒドロキシ−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン。実施例28、サブパートb.に記載したものと同様な方法を用い、ただし2−メトキシ−−メチルベンズアミドの代わりに4−メトキシ−−メチル−ベンズアミド(1.65g)を用いた。粗生成物を、ヘキサン:イソプロパノール(10:1)を溶離剤とするクロマトグラフィーにより精製して、上記アルコール(0.89g)を得た。
Figure 0003819934
c.3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)ブト−3−エニル]−5−メトキシ−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン。3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)ブト−3−エニル]−5−フルオロ−3−ヒドロキシ−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オンを、実施例2、サブパートc.に記載したものと同様な方法で処理した。粗生成物をヘキサン:イソプロパノール(7:10)を溶離剤とするクロマトグラフィーにより精製して、上記デス−オキシ化合物(1.47g)を得た。
Figure 0003819934
d.3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(6−メトキシ−2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1−イソインドール−1−イル)プロピオンアルデヒド。3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)ブト−3−エニル]−5−メトキシ−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オンを、実施例2、サブパートd.に記載したものと同様な方法で処理して、上記アルデヒド(0.6g)を得た。
Figure 0003819934
実施例31.3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(4−アセトアミド−4−フェニルピペリジノ)プロピル]−7−ヒドロキシ−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン塩酸塩。
3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(4−ヒドロキシ−2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1−イソインドール−1−イル)プロピオンアルデヒド(0.2.0g)を、実施例8に記載したものと同様な方法で4−アセトアミド−4−フェニルピペリジン(0.14g)と結合させた。反応生成物をクロマトグラフィーにより精製し、実施例8の記載に従って対応する塩酸塩に変換して、表題化合物(0.27g)を得た。融点185−205℃;
Figure 0003819934
元素分析:C3133Cl232・1.0HCl・1.5H2O:計算値:C,59.10;H,5.91;N,6.67;実測値:C,59.51;H,5.63;N,6.23。
中間体3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(4−ヒドロキシ−2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1−イソインドール−1−イル)プロピオンアルデヒドは下記に従って合成された:
a.3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)ブト−3−エニル]−7−ヒドロキシ−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン。3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)ブト−3−エニル]−7−メトキシ−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン(1.8g)の、ジクロロメタン(25mL)中における溶液を0℃に冷却し、ジクロロメタン中の1.0M三臭化ホウ素溶液(16.7mL)で処理し、10分間撹拌した。反応混合物を18時間、加熱還流し、室温にまで冷却させ、希釈した(水)。混合物をジクロロメタンで抽出し、ジクロロメタンを洗浄し(ブライン)、乾燥させ、蒸発させた。ジクロロメタン:イソプロパノール(60:1)を用いるクロマトグラフィーにより精製して、上記ヒドロキシ化合物(1.44g)を得た。
Figure 0003819934
b.3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(4−ヒドロキシ−2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1−イソインドール−1−イル)プロピオンアルデヒド。3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)ブト−3−エニル]−2−メチル−2,3−ジヒドロ−7−ヒドロキシ−1−イソインドール−1−オン(1.38g)を、実施例2、サブパートd.に記載したものと同様な方法で処理して、上記アルデヒド(0.2g)を得た。
Figure 0003819934
実施例32.3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(4−(2−オキソピペリジノ)ピペリジノ)プロピル]−7−ヒドロキシ−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン塩酸塩。
3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(4−ヒドロキシ−2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1−イソインドール−1−イル)プロピオンアルデヒド(0.31g)を、実施例8に記載したものと同様な方法で4−(2−オキソピペリジノ)ピペリジン(0.156g)と結合させた。反応生成物をクロマトグラフィーにより精製し、実施例8の記載に従って対応する塩酸塩に変換して、表題化合物(0.378g)を得た。融点230−240℃;
Figure 0003819934
元素分析:C2833Cl233・1.2HCl・1.0H2O:計算値:C,56.73;H,6.16;N,7.09;実測値:C,56.71;H,5.91;N,7.06。
中間体3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(4−ヒドロキシ−2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1−イソインドール−1−イル)プロピオンアルデヒドは、3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)ブト−3−エニル]−7−メトキシ−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン(実施例28、サブパートc.において製造)から、実施例31、サブパートa.−b.に記載したものと同様な経路で合成された。
中間体4−(2−オキソピペリジノ)ピペリジンは、実施例8において国際特許出願公開第94/10146号明細書の記載に従って製造された。
実施例33.3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(4−(2−オキソペルヒドロピリミジン−1−イル)ピペリジノ)プロピル]−7−ヒドロキシ−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン塩酸塩。
3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(4−ヒドロキシ−2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1−イソインドール−1−イル)プロピオンアルデヒド(0.31g)を、実施例8に記載したものと同様な方法で4−(2−オキソペルヒドロピリミジン−1−イル)ピペリジン(0.156g)と結合させた。反応生成物をクロマトグラフィーにより精製し、実施例8の記載に従って対応する塩酸塩に変換して、表題化合物(0.378g)を得た。融点225−240℃;
Figure 0003819934
元素分析:C2732Cl243・1.2HCl・1.0H2O:計算値:C,54.66;H,5.98;N,9.44;実測値:C,54.70;H,5.76;N,9.15。
実施例34.3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(4−(2−オキソペルヒドロピリミジン−1−イル)ピペリジノ)プロピル]−7−イソプロポキシ−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン塩酸塩。
3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(4−イソプロポキシ−2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1−イソインドール−1−イル)プロピオンアルデヒド(0.15g)を、実施例8に記載したものと同様な方法で4−(2−オキソペルヒドロピリミジン−1−イル)ピペリジン(0.068g)と結合させた。反応生成物をクロマトグラフィーにより精製せずに、実施例8の記載に従って対応する塩酸塩に変換して、表題化合物(0.08g)を得た。融点180−200℃(分解);
Figure 0003819934
元素分析:C3038Cl243・1.0HCl・2.0H2O:計算値:C,55.77;H,6.71;N,8.67;実測値:C,55.91;H,6.45;N,8.44。
中間体3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(4−イソプロポキシ−2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1−イソインドール−1−イル)プロピオンアルデヒドは下記に従って合成された:
a.3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)ブト−3−エニル]−7−イソプロポキシ−3−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン。3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)ブト−3−エニル]−7−ヒドロキシ−3−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン(0.3g)(実施例31の記載に従って製造)を実施例42、サブパートa.の記載に従って処理して、粗生成物を得た。ヘキサン:イソプロパノール(2:1)を用いるクロマトグラフィーにより、上記イソプロピルエーテル(0.225g)を得た。
Figure 0003819934
b.3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(4−イソプロポキシ−2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1−イソインドール−1−イル)プロピオンアルデヒド。3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)ブト−3−エニル]−7−イソプロポキシ−3−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン(0.22g)を、実施例2、サブパートd.に記載したものと同様な方法で処理した。クロマトグラフィーにより上記アルデヒド(0.16g)を得た。
Figure 0003819934
実施例35.3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(4−(2−オキソペルヒドロピリミジン−1−イル)ピペリジノ)プロピル]−5−イソプロポキシ−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン塩酸塩。
3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(6−イソプロポキシ−2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1−イソインドール−1−イル)プロピオンアルデヒド(0.50g)を、実施例8に記載したものと同様な方法で4−(2−オキソペルヒドロピリミジン−1−イル)ピペリジン(0.225g)と結合させた。反応生成物をクロマトグラフィーにより精製せずに、実施例8の記載に従って対応する塩酸塩に変換して、表題化合物(0.567g)を得た。融点160−170℃(分解);
Figure 0003819934
元素分析:C3038Cl243・1.0HCl・1.5H2O:計算値:C,56.56;H,6.64;N,8.79;実測値:C,56.49;H,6.40;N,8.78。
中間体3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(6−イソプロポキシ−2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1−イソインドール−1−イル)プロピオンアルデヒドは、3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)ブト−3−エニル]−5−メトキシ−3−メチル−2,3−ジヒドロ−1−イソインドール−1−オン(実施例30、サブパートc.に記載)から、このエーテルを実施例31、サブパートa.の記載に従って処理して、対応するアルコールとなし、次いで実施例42、サブパートa.−b.に記載したものと同様な経路で処理することにより製造された。
実施例36.3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(4−ヒドロキシ−4−フェニルピペリジノ)プロピル]−5−ヒドロキシ−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン塩酸塩。
3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(6−ヒドロキシ−2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1−イソインドール−1−イル)プロピオンアルデヒド(1.0g)を、実施例8に記載したものと同様な方法で4−アセトアミド−4−フェニルピペリジン(0.7g)と結合させた。反応生成物をクロマトグラフィーにより精製し、実施例8の記載に従って対応する塩酸塩に変換して、表題化合物(0.94g)を得た。融点203−223℃;MS:m/z=566(M+1);
Figure 0003819934
中間体3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(6−ヒドロキシ−2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1−イソインドール−1−イル)プロピオンアルデヒドは、3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)ブト−3−エニル]−5−メトキシ−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン(実施例30、サブパートc.に記載)から、実施例31、サブパートa.−b.に記載したものと同様な経路で合成された。
実施例37.3−[1−メチル−1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(4−アセトアミド−4−フェニルピペリジノ)プロピル]−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン塩酸塩。
3−メチル−3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1−イソインドール−1−イル)プロピオンアルデヒド(後記の異性体A)(0.35g)を、実施例8に記載したものと同様な方法で4−アセトアミド−4−フェニルピペリジン(0.25g)と結合させた。反応生成物をクロマトグラフィーにより精製し、実施例8の記載に従って対応する塩酸塩に変換して、表題化合物(0.354g)を得た。融点195−225℃;
Figure 0003819934
元素分析:C3235Cl232・1.0HCl・2.0H2O:計算値:C,60.33;H,6.33;N,6.59;実測値:C,60.09;H,5.97;N,6.28。
中間体3−メチル−3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1−イソインドール−1−イル)プロピオンアルデヒドは下記に従って合成された:
a.3−[1−メチル−1−(3,4−ジクロロフェニル)ブト−3−エニル]−3−ヒドロキシ−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン。
実施例28、サブパートb.に用いたものと同様な方法で、ただし−メチルベンズアミドを2−メトキシ−−メチルベンズアミドの代わりに使用し、かつ2−メチル−2−(3,4−ジクロロフェニル)ペント−4−エン酸エチルエステルを2−(3,4−ジクロロフェニル)ペント−4−エン酸エチルエステルの代わりに使用して、上記アルコールを製造した。
Figure 0003819934
b.3−[1−メチル−1−(3,4−ジクロロフェニル)ブト−3−エニル]−2−メチル−2,3−ジヒドロ−1−イソインドール−1−オン。3−[1−メチル−1−(3,4−ジクロロフェニル)ブト−3−エニル]−3−ヒドロキシ−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オンを、実施例28、サブパートc.に記載したものと同様な方法で処理して、目的生成物を得た。
Figure 0003819934
c.3−メチル−3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1−イソインドール−1−イル)プロピオンアルデヒド。3−[1−メチル−1−(3,4−ジクロロフェニル)ブト−3−エニル]−2−メチル−2,3−ジヒドロ−1−イソインドール−1−オン(1.13g)を実施例2、サブパートd.の記載に従って処理した。クロマトグラフィーにより上記アルデヒドの2種類の異性体を得た。
Figure 0003819934
実施例38.3−[1−メチル−1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(4−アセトアミド−4−フェニルピペリジノ)プロピル]−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン塩酸塩(立体化学)。
3−メチル−3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1−イソインドール−1−イル)プロピオンアルデヒド(異性体B、前記実施例37、サブパートc.の記載に従って製造)(0.52g)を、実施例8に記載したものと同様な方法で4−アセトアミド−4−フェニルピペリジン(0.36g)と結合させた。反応生成物をクロマトグラフィーにより精製し、実施例8の記載に従って対応する塩酸塩に変換して、表題化合物(0.55g)を得た。融点200−228℃;
Figure 0003819934
元素分析:C3235Cl232・1.0HCl・1.0H2O:計算値:C,62.09;H,6.18;N,6.79;実測値:C,62.32;H,6.24;N,6.66。
実施例39.3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(4−(2−オキソペルヒドロピリミジン−1−イル)ピペリジノ)プロピル]−6−ヒドロキシ−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン塩酸塩。
3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(5−ヒドロキシ−2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1−イソインドール−1−イル)プロピオンアルデヒド(0.23g)を、実施例8に記載したものと同様な方法で4−(2−オキソペルヒドロピリミジン−1−イル)ピペリジン(0.136g)と結合させた。反応生成物をクロマトグラフィーにより精製せずに、実施例8の記載に従って対応する塩酸塩に変換して、表題化合物(0.220g)を得た。融点200−210℃;
Figure 0003819934
元素分析:C3235Cl232・1.0HCl・1.5H2O:計算値:C,54.51;H,6.09;N,9.41;実測値:C,54.82;H,5.78;N,9.41。
中間体3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(5−ヒドロキシ−2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1−イソインドール−1−イル)プロピオンアルデヒドは、下記に従って合成された。
a.3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)ブト−3−エニル]−6−ヒドロキシ−3−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン。3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)ブト−3−エニル]−6−メトキシ−3−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン(0.25g,実施例16、サブパートa.−c.の記載に従って製造)を、実施例31、サブパートa.に記載したものと同様な条件で処理した。この物質をトルエンから結晶化して、目的とするアルコール(0.1g)を得た。
Figure 0003819934
b.3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(5−ヒドロキシ−2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1−イソインドール−1−イル)プロピオンアルデヒド。3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)ブト−3−エニル]−6−ヒドロキシ−3−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン(0.6g)を、実施例2、サブパートd.に記載したものと同様な方法で処理した。クロマトグラフィーにより前記アルデヒド(0.4g)を得た。
Figure 0003819934
実施例40.3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(4−(2−オキソペルヒドロピリミジン−1−イル)ピペリジノ)プロピル]−6−(ジメチルアミノ)−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン塩酸塩。
3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−[5−(ジメチルアミノ)−2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1−イソインドール−1−イル]プロピオンアルデヒド(0.2g)を、実施例8に記載したものと同様な方法で4−(2−オキソペルヒドロピリミジン−1−イル)ピペリジン(0.093g)と結合させた。反応生成物をクロマトグラフィーにより精製せずに、実施例8の記載に従って対応する塩酸塩に変換して、表題化合物(0.085g)を得た。
MS:
Figure 0003819934
元素分析:C2937Cl252・2.0HCl・2.0H2O:計算値:C,52.18;H,6.49;N,10.49;実測値:C,51.94;H,6.71;N,10.27。
中間体3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−[5−(ジメチルアミノ)−2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1−イソインドール−1−イル]プロピオンアルデヒドは、下記に従って合成された。
a.−メチル−3−(ジメチルアミノ)ベンズアミド。3−(ジメチルアミノ)安息香酸(25g)を実施例16.aの記載に従って処理した。酢酸エチルを溶離剤とするクロマトグラフィーにより上記アミド(13g)を得た。
Figure 0003819934
b.3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)ブト−3−エニル]−6−(ジメチルアミノ)−3−ヒドロキシ−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン。テトラメチルエチレンジアミン(6.09g)を含有するテトラヒドロフラン(80mL)を−74℃において、反応混合物の温度を−74℃以下に保持しながら、sec−ブチルリチウムの1.3M溶液40.4mLで処理した。添加終了後に−メチル−3−(ジメチルアミノ)ベンズアミド(4.46g)の、テトラヒドロフラン(60mL)中における溶液を、反応混合物の温度を−68℃以下に保持しながら滴加した。添加終了後に反応混合物を−76℃で1.5時間撹拌し、2−(3,4−ジクロロフェニル)ペント−4−エン酸エチルエステル(6.8g)の、テトラヒドロフラン(10mL)中における溶液で処理した。−76℃で10分間撹拌したのち、反応混合物を周囲温度にまで昇温させ、18時間撹拌した。反応混合物を減圧下に半分の容量に濃縮し、pH5となるまで10%塩酸水溶液で処理し、酢酸エチルで希釈した。水層を酢酸エチルで抽出し、有機層を洗浄した(水)。有機層を乾燥させ(無水炭酸カリウム)、蒸発させた。得られた物質をヘキサン:イソプロパノール(9:1)を溶離剤とするクロマトグラフィーにより精製して、上記アルコール(1.04g)を得た。
Figure 0003819934
c.3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)ブト−3−エニル]−6−(ジメチルアミノ)−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン。
3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)ブト−3−エニル]−6−(ジメチルアミノ)−3−ヒドロキシ−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン(1.0g)を、実施例28、サブパートc.に記載したものと同様な方法で処理して、デス−ヒドロキシ化合物(0.3g)を得た。
Figure 0003819934
d.3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−[5−(ジメチルアミノ)−2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1−イソインドール−1−イル]プロピオンアルデヒド。3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)ブト−3−エニル]−6−(ジメチルアミノ)−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン(0.3g)を、実施例2、サブパートd.に記載したものと同様な方法で処理した。クロマトグラフィーにより前記アルデヒド(0.2g)を得た。
Figure 0003819934
実施例41.3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(4−(2−オキソペルヒドロピリミジン−1−イル)ピペリジノ)プロピル]−2−メチル−6−メチルスルホニル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン塩酸塩。
3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(2−メチル−3−オキソ−5−メチルスルホニル−2,3−ジヒドロ−1−イソインドール−1−イル)プロピオンアルデヒド(0.35g)を、実施例8に記載したものと同様な方法で4−(2−オキソペルヒドロピリミジン−1−イル)ピペリジン(0.15g)と結合させた。反応生成物をクロマトグラフィーにより精製せずに、実施例8の記載に従って対応する塩酸塩に変換して、表題化合物(0.1g)を得た。
MS:
Figure 0003819934
元素分析:C2834Cl2424S・2.0H2O:計算値:C,53.14;H,6.08;N,8.89;実測値:C,53.58;H,5.73;N,8.56。
中間体3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(2−メチル−3−オキソ−5−メチルスルホニル−2,3−ジヒドロ−1−イソインドール−1−イル)プロピオンアルデヒドは、下記に従って合成された。
a.−メチル−3−ニトロベンズアミド。3−ニトロ安息香酸(30g)を実施例16、サブパートa.に記載したものと同様な方法で上記アミド(18g)に変換した。
Figure 0003819934
b.−メチル−3−アミノベンズアミド。−メチル−3−ニトロベンズアミド(20g)の、酢酸(500mL)中における溶液をラニーニッケル触媒(水中のスラリー50mL)で処理し、水素圧約103kPa(15psi)で1.5時間水素添加した。この期間後に反応混合物を濾過して触媒を除去し、蒸発させ、残渣をジクロロメタンに溶解した。ジクロロメタン層を炭酸水素ナトリウム溶液で抽出し、水層を炭酸カリウム溶液で塩基性となし、酢酸エチルで2回抽出した。有機層を合わせて無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発させると固体が得られ、これを酢酸エチルから結晶化して上記アミン(12.7g)を得た。融点115−116℃
Figure 0003819934
c.−メチル−3−メチルチオベンズアミド。濃塩酸(12.7mL)を含有する水(50mL)に−メチル−3−アミノベンズアミド(12.7g)を添加し、得られた懸濁液を15分間撹拌し、水(75mL)中の亜硝酸ナトリウム(3/75g)で処理した。反応混合物の温度を5℃より低く維持し、5℃に維持した水(100mL)中のナトリウムチオメトキシド(8.93g)の溶液を添加した。添加が終了した時点で反応混合物を0℃において1時間撹拌し、次いで15℃にまで昇温させた。生じた沈殿を濾過し、洗浄した(水)。真空中で乾燥させ、固体を酢酸エチルから結晶化して、目的とする−メチル−3−メチルチオベンズアミド(10.2g)を得た。MS:m/z=260(M+1);
Figure 0003819934
d.3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)ブト−3−エニル]−3−ヒドロキシ−6−メチルチオ−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン。−メチル−3−メチルチオベンズアミド(6.0g)の、テトラヒドロフラン(150mL)中における溶液を−74℃において、19.3mLの2.5M n−ブチルリチウムで処理した。反応混合物を−76℃で30分間撹拌し、反応混合物の温度を−73℃以下に保持しながら2−(3,4−ジクロロフェニル)ペント−4−エン酸エチルエステル(6.25g)の、テトラヒドロフラン(10mL)中における溶液で滴加処理した。反応混合物を−76℃で35分間撹拌し、次いで0℃にまで昇温させた。反応混合物を10%塩酸水溶液で処理し、酢酸エチルで希釈した。水層を酢酸エチルで抽出し、有機層を洗浄し(炭酸水素ナトリウム)、乾燥させ(無水硫酸ナトリウム)、蒸発させた。酢酸エチルから結晶化して、上記アルコールを得た。
Figure 0003819934
e.3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)ブト−3−エニル]−3−メチル−6−メチルチオ−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン。3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)ブト−3−エニル]−3−ヒドロキシ−6−メチルチオ−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン(1.3g)を、実施例16、サブパートc.に記載したものと同様な方法で処理して、デス−ヒドロキシ化合物(0.5g)を得た。
Figure 0003819934
f.3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(2−メチル−3−オキソ−5−メチルスルホニル−2,3−ジヒドロ−1−イソインドール−1−イル)プロピオンアルデヒド。3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)ブト−3−エニル]−3−メチル−6−メチルチオ−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン(0.5g)を、実施例2、サブパートd.に記載したものと同様な方法で、ただし0.98gの過ヨウ素酸ナトリウムを用いて処理した。クロマトグラフィーにより上記アルデヒド(0.4g)を得た。
Figure 0003819934
実施例42.3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(4−(2−オキソペルヒドロピリミジン−1−イル)ピペリジノ)プロピル]−6−イソプロポキシ−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン塩酸塩。
3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(5−イソプロポキシ−2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1−イソインドール−1−イル)プロピオンアルデヒド(0.3g)を、実施例8に記載したものと同様な方法で4−(2−オキソペルヒドロピリミジン−1−イル)ピペリジン(0.135g)と結合させた。反応生成物をクロマトグラフィーにより精製せずに、実施例8の記載に従って対応する塩酸塩に変換して、表題化合物(0.25g)を得た。融点192−200℃。
Figure 0003819934
元素分析:C3038Cl243・2.0HCl:計算値:C,55.74;H,6.24;N,8.67;実測値:C,56.11;H,6.22;N,8.60。
中間体3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(5−イソプロポキシ−2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1−イソインドール−1−イル)プロピオンアルデヒドは、下記に従って合成された。
a.3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)ブト−3−エニル]−6−イソプロポキシ−3−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン。テトラヒドロフラン中の3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)ブト−3−エニル]−6−ヒドロキシ−3−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン(0.4g)を水素化ナトリウム(0.05g)で処理し、得られた溶液を2−ヨードプロパン(0.8g)で処理した。24時間、加熱還流させたのち、反応混合物を希釈し(水)、酢酸エチルで2回抽出し、有機層を洗浄し(水およびブライン)、乾燥させ、蒸発させた。ヘキサン:イソプロパノール(9:1)を溶離剤とするクロマトグラフィーにより、出発物質で汚染された上記エーテルを得た。この物質を酢酸エチルに溶解し、洗浄し(1N水酸化ナトリウム溶液、水およびブライン)、乾燥させ、蒸発させて、上記エーテル(0.35g)を得た。
Figure 0003819934
b.3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(5−イソプロポキシ−2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1−イソインドール−1−イル)プロピオンアルデヒド。3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)ブト−3−エニル]−6−イソプロポキシ−3−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン(0.55g)を、実施例2、サブパートd.に記載したものと同様な方法で処理した。クロマトグラフィーにより上記アルデヒド(0.3g)を得た。
Figure 0003819934
実施例43.3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(4−(2−オキソペルヒドロピリミジン−1−イル)ピペリジノ)プロピル]−6−エトキシ−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン塩酸塩。
3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(5−エトキシ−2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1−イソインドール−1−イル)プロピオンアルデヒド(0.3g)を、実施例8に記載したものと同様な方法で4−(2−オキソペルヒドロピリミジン−1−イル)ピペリジン(0.135g)と結合させた。反応生成物をクロマトグラフィーにより精製せずに、実施例8の記載に従って対応する塩酸塩に変換して、表題化合物(0.28g)を得た。融点190−200℃。
Figure 0003819934
元素分析:C2936Cl243・2.0HCl・0.5H2O:計算値:C,54.30;H,6.13;N,8.73;実測値:C,54.02;H,6.00;N,8.47。
中間体3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(5−エトキシ−2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1−イソインドール−1−イル)プロピオンアルデヒドは、下記に従って合成された。
a.3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)ブト−3−エニル]−6−エトキシ−3−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン。テトラヒドロフラン(5mL)中の3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)ブト−3−エニル]−6−ヒドロキシ−3−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン(0.4g)を、テトラヒドロフラン(10mL)中の水素化ナトリウム(0.05g)の懸濁液で処理し、30分間還流させ、次いでテトラヒドロフラン(5mL)中のヨウ化エチル(0.2g)で処理した。2時間加熱還流した時点で、追加量のヨウ化エチル(0.2g)を添加し、さらに3時間還流を続けた。反応混合物を希釈し(水)、酢酸エチルで2回抽出し、有機層を洗浄し(水およびブライン)、乾燥させ、蒸発させた。ヘキサン:イソプロパノール(9:1)を溶離剤とするクロマトグラフィーにより、上記エーテル(0.24g)を得た。
Figure 0003819934
b.3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(5−エトキシ−2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1−イソインドール−1−イル)プロピオンアルデヒド。3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)ブト−3−エニル]−6−エトキシ−3−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン(0.389g)を、実施例2、サブパートd.に記載したものと同様な方法で処理した。グロマトグラフィーにより上記アルデヒド(0.3g)を得た。
Figure 0003819934
実施例44.3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(4−(2−オキソペルヒドロピリミジン−1−イル)ピペリジノ)プロピル]−6−アセトキシ−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン塩酸塩。
3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(5−アセトキシ−2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1−イソインドール−1−イル)プロピオンアルデヒド(0.35g)を、実施例8に記載したものと同様な方法で4−(2−オキソペルヒドロピリミジン−1−イル)ピペリジン(0.135g)と結合させた。反応生成物をクロマトグラフィーにより精製せずに、実施例8の記載に従って対応する塩酸塩に変換して、表題化合物(0.25g)を得た。融点190−200℃。
Figure 0003819934
元素分析:C2934Cl244・2.0HCl・1.0H2O:計算値:C,52.42;H,5.76;N,8.43;実測値:C,52.83;H,5.58;N,8.31。
中間体3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(5−アセトキシ−2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1−イソインドール−1−イル)プロピオンアルデヒドは、下記に従って合成された。
a.3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)ブト−3−エニル]−6−アセトキシ−3−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン。テトラヒドロフラン(5mL)中の3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)ブト−3−エニル]−6−ヒドロキシ−3−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン(0.4g)を、テトラヒドロフラン(10mL)中の水素化ナトリウム(0.05g)の懸濁液で処理し、30分間還流させ、テトラヒドロフラン(5mL)中の塩化アセチル(0.13mL)で処理した。室温で5分間撹拌したのち、反応混合物を炭酸水素ナトリウム溶液で希釈し、酢酸エチルで2回抽出し、有機層を洗浄し(水およびブライン)、乾燥させ、蒸発させて、上記アセトキシ化合物(0.4g)を得た。融点155−157℃。
MS:
Figure 0003819934
b.3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(5−アセトキシ−2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1−イソインドール−1−イル)プロピオンアルデヒド。3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)ブト−3−エニル]−6−アセトキシ−3−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン(0.4g)を、実施例2、サブパートd.に記載したものと同様な方法で処理した。クロマトグラフィーにより上記アルデヒド(0.38g)を得た。
Figure 0003819934
実施例45.3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(4−(2−オキソペルヒドロピリミジン−1−イル)ピペリジノ)プロピル]−6−フルオロ−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン塩酸塩。
3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(5−フルオロ−2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1−イソインドール−1−イル)プロピオンアルデヒド(0.27g)を、実施例8に記載したものと同様な方法で4−(2−オキソペルヒドロピリミジン−1−イル)ピペリジン(0.135g)と結合させた。反応生成物をクロマトグラフィーにより精製せずに、実施例8の記載に従って対応する塩酸塩に変換して、表題化合物(0.3g)を得た。融点180−205℃(分解)。
Figure 0003819934
元素分析:C2731Cl244F・2.0HCl:計算値:C,53.48;H,5.49;N,9.24;実測値:C,53.15;H,5.53;N,9.04。
中間体3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(5−フルオロ−2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1−イソインドール−1−イル)プロピオンアルデヒドは、下記に従って合成された。
a.2−ブロモ−5−フルオロ安息香酸。過マンガン酸カリウム(189g)および水酸化ナトリウム(8.3g)を含有する水(1.2L)中の2−ブロモ−5−フルオロトルエン(50g)の懸濁液を6時間還流し、セライトで処理し、濾過した。濾液を酢酸エチルで2回抽出した。水層を濾過し、濃塩酸で酸性化し、生じた沈殿を採取して、上記の酸(16.33g)を得た。MS:m/z=219 ;NMR:7.16(m,2),7.71(m,2)。
b.−メチル−2−ブロモ−5−フルオロベンズアミド。実施例16、サブパートa.に記載したものと同様な方法を用いて2−ブロモ−5−フルオロ安息香酸(18.36g)を上記アミド(14.36g)に変換した。融点105−107℃。
Figure 0003819934
c.3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)ブト−3−エニル]−6−フルオロ−3−ヒドロキシ−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン。−メチル−2−ブロモ−5−フルオロベンズアミド(6.0g)の、テトラヒドロフラン(150mL)中における溶液を−74℃において、19.3mLの2.5M n−ブチルリチウムで処理した。反応混合物を−76℃で30分間撹拌し、反応混合物の温度を−73℃以下に保持しながら2−(3,4−ジクロロフェニル)ペント−4−エン酸エチルエステル(6.25g)の、テトラヒドロフラン(10mL)中における溶液を滴加した。反応混合物を−76℃で35分間撹拌し、次いで0℃にまで昇温させた。反応混合物を10%塩酸水溶液で処理し、酢酸エチルで希釈した。水層を酢酸エチルで抽出し、有機層を洗浄し(炭酸水素ナトリウム)、乾燥させ(無水硫酸ナトリウム)、蒸発させた。酢酸エチルから結晶化して、上記アルコールを得た。
Figure 0003819934
d.3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)ブト−3−エニル]−6−フルオロ−3−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン。3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)ブト−3−エニル]−6−フルオロ−3−ヒドロキシ−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン(2.6g)を、実施例2、サブパートc.に記載したものと同様な方法で処理し、ただし反応混合物を2時間、加熱還流して、デス−ヒドロキシ化合物(0.6g)を得た。
Figure 0003819934
e.3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(5−フルオロ−2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1−イソインドール−1−イル)プロピオンアルデヒド。3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)ブト−3−エニル]−6−フルオロ−3−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン(0.5g)を、実施例2、サブパートd.に記載したものと同様な方法で処理した。クロマトグラフィーにより上記アルデヒド(0.27g)を得た。
Figure 0003819934
実施例46.3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(4−(2−オキソペルヒドロピリミジン−1−イル)ピペリジノ)プロピル]−5−クロロ−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン塩酸塩。
3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(6−クロロ−2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1−イソインドール−1−イル)プロピオンアルデヒド(0.23g)を、実施例8に記載したものと同様な方法で4−(2−オキソペルヒドロピリミジン−1−イル)ピペリジン(0.135g)と結合させた。反応生成物をクロマトグラフィーにより精製せずに、実施例8の記載に従って対応する塩酸塩に変換して、表題化合物(0.19g)を得た。融点220℃。
Figure 0003819934
元素分析:C2731Cl344:計算値:C,52.87;H,5.75;N,9.13;実測値:C,53.27;H,5.64;N,8.85。
中間体3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(6−クロロ−2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1−イソインドール−1−イル)プロピオンアルデヒドは、下記に従って合成された。
a.−メチル−4−クロロベンズアミド。実施例16、サブパートa.に記載したものと同様な方法を用いて2−ブロモ−5−フルオロ安息香酸(23.5g)を上記アミド(15g)に変換した。融点158−159℃。
Figure 0003819934
b.3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)ブト−3−エニル]−5−クロロ−3−ヒドロキシ−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン。
実施例40、サブパートb.に記載したものと同様な方法を用い、ただし−メチル−4−クロロベンズアミドを−メチル−3−(ジメチルアミノ)ベンズアミドの代わりに用いた。ヘキサン:イソプロパノール(9:1)を溶離剤とするクロマトグラフィーにより、上記アルコールを得た。
Figure 0003819934
c.3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)ブト−3−エニル]−5−クロロ−2−メチル−2,3−ジヒドロ−1−イソインドール−1−オン。3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)ブト−3−エニル]−5−クロロ−3−ヒドロキシ−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン(2.6g)を、実施例2、サブパートc.に記載したものと同様な方法で処理し、ただし反応混合物を2時間、加熱還流して、デス−ヒドロキシ化合物(0.6g)を得た。
Figure 0003819934
d.3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(6−クロロ−2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1−イソインドール−1−イル)プロピオンアルデヒド。3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)ブト−3−エニル]−5−クロロ−2−メチル−2,3−ジヒドロ−1−イソインドール−1−オン(0.93g)を、実施例2、サブパートd.に記載したものと同様な方法で処理した。クロマトグラフィーにより上記アルデヒド(0.30g)を得た。
Figure 0003819934
実施例47.3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(4−(2−オキソペルヒドロピリミジン−1−イル)ピペリジノ)プロピル]−4,5,6,7−テトラフルオロ−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン塩酸塩。
3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(4,5,6,7−テトラフルオロ−2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1−イソインドール−1−イル)プロピオンアルデヒド(0.43g)を、実施例8に記載したものと同様な方法で4−(2−オキソペルヒドロピリミジン−1−イル)ピペリジン(0.183g)と結合させた。反応生成物をクロマトグラフィーにより精製せずに、実施例8の記載に従って対応する塩酸塩に変換して、目的とする3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(4−(2−オキソペルヒドロピリミジン−1−イル)ピペリジノ)プロピル]−2−メチル−2,3−ジヒドロ−4,5,6,7−テトラフルオロイソインドール−1−オン塩酸塩(0.465g)を得た。融点220℃。(分解)。
Figure 0003819934
元素分析:C2728Cl2424・1.5HCl・2H2O:計算値:C,47.82;H,4.98;N,8.26;実測値:C,48.15;H,4.73;N,7.99。
中間体3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(4,5,6,7−テトラフルオロ−2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1−イソインドール−1−イル)プロピオンアルデヒドは、下記に従って合成された。
a.−メチル−2,3,4,5−テトラフルオロベンズアミド。実施例16、サブパートa.に記載したものと同様な方法を用い、ただし2,3,4,5−テトラフルオロ安息香酸(15g)を2−ブロモ−5−フルオロ安息香酸の代わりに用いて、上記アミド(7.2g)を得た。融点97−99℃。
Figure 0003819934
b.3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)ブト−3−エニル]−4,5,6,7−テトラフルオロ−3−ヒドロキシ−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン。実施例40、サブパートb.に記載したものと同様な方法を用い、ただし−メチル−2,3,4,5−テトラフルオロベンズアミド(4.14g)を−メチル−3−(ジメチルアミノ)ベンズアミドの代わりに用いた。ヘキサン:イソプロパノールを溶離剤とするクロマトグラフィーにより、上記アルコール(1.092g)を得た。
Figure 0003819934
c.3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)ブト−3−エニル]−4,5,6,7−テトラフルオロ−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン。3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)ブト−3−エニル]−4,5,6,7−テトラフルオロ−3−ヒドロキシ−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン(1.0g)を、実施例2、サブパートc.に記載したものと同様な方法で処理して、デス−ヒドロキシ化合物(0.716g)を得た。
Figure 0003819934
d.3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(4,5,6,7−テトラフルオロ−2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1−イソインドール−1−イル)プロピオンアルデヒド。3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)ブト−3−エニル]−4,5,6,7−テトラフルオロ−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン(0.70g)を、実施例2、サブパートd.に記載したものと同様な方法で処理した。クロマトグラフィーにより上記アルデヒド(0.436g)を得た。MS:m/z=420(M+1)。
実施例48.3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(4−(2−オキソペルヒドロピリミジン−1−イル)ピペリジノ)プロピル]−5−メトキシカルボニル−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン塩酸塩。
3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(6−メトキシカルボニル−2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1−イソインドール−1−イル)プロピオンアルデヒド(0.3g)を、実施例8に記載したものと同様な方法で4−(2−オキソペルヒドロピリミジン−1−イル)ピペリジン(0.135g)と結合させた。反応生成物をクロマトグラフィーにより精製せずに、実施例8の記載に従って対応する塩酸塩に変換して、表題化合物(0.280g)を得た。MS:
Figure 0003819934
元素分析:C2934Cl244・0.5H2O・2.0HCl:計算値:C,53.14;H,5.68;N,8.55;実測値:C,53.34;H,5.57;N,8.56。
中間体3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(6−メトキシカルボニル−2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1−イソインドール−1−イル)プロピオンアルデヒドは、下記に従って合成された。
a.3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)ブト−3−エニル]−5−トリフルオロメチルスルホニル−3−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン。ジクロロメタン中の3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)ブト−3−エニル]−5−ヒドロキシ−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン(1.81g)をトリエチルアミン(0.66g)で処理し、次いで無水トリフルオロメタンスルホニル(2.32g)で処理した。酢酸エチル:ヘキサン(1:1)を溶離剤とするクロマトグラフィーによりトリフルオロメチルスルホニル化合物(0.2.52g)を得た。
Figure 0003819934
b.3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)ブト−3−エニル]−5−メトキシカルボニル−3−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン。メタノール(45mL)を含有するジメチルスルホキシド(60mL)中の3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)ブト−3−エニル]−5−トリフルオロメチルスルホニル−3−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン(2.52g)を、酢酸パラジウム(0.24g)、トリエチルアミン(1.26mL)および1,3−ビス(ジフェニルホスフェノ)プロパン(.42g)で処理し、反応混合物を70℃に加温しながら一酸化炭素ガスを吹き込んだ。反応混合物を一酸化炭素雰囲気下に70℃で16時間撹拌し、次いで300mLの水に注入した。混合物を酢酸エチルで抽出し、乾燥させ(無水硫酸ナトリウム)、蒸発させた。酢酸エチル:ヘキサンを用いるクロマトグラフィーにより上記エステル(0.5g)を得た。
Figure 0003819934
c.3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(6−メトキシカルボニル−2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1−イソインドール−1−イル)プロピオンアルデヒド。3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)ブト−3−エニル]−5−メトキシカルボニル−3−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン(0.5g)を、実施例2、サブパートd.に記載したものと同様な方法で処理した。クロマトグラフィーにより上記アルデヒド(0.3g)を得た。
Figure 0003819934
実施例49.3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(4−(2−オキソペルヒドロピリミジン−1−イル)ピペリジノ)プロピル]−6−メトキシカルボニル−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン塩酸塩。
3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(5−メトキシカルボニル−2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1−イソインドール−1−イル)プロピオンアルデヒド(0.28g)を、実施例8に記載したものと同様な方法で4−(2−オキソペルヒドロピリミジン−1−イル)ピペリジン(0.126g)と結合させた。反応生成物をクロマトグラフィーにより精製せずに、実施例8の記載に従って対応する塩酸塩に変換して、表題化合物(0.370g)を得た。融点185−190℃(分解)。
Figure 0003819934
元素分析:C2934Cl244・1.5H2O・1.0HCl:計算値:C,54.68;H,6.01;N,8.80;実測値:C,54.86;H,5.98;N,8.89。
中間体3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(5−メトキシカルボニル−2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1−イソインドール−1−イル)プロピオンアルデヒドは下記に従って合成された。
a.−メチル−2,5−ジブロモベンズアミド。このアミドは2,5−ジブロモ安息香酸(25g)から、実施例16、サブパートa.に記載したものと同様な方法で製造された(15.8g)。
Figure 0003819934
b.3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)ブト−3−エニル]−6−ブロモ−3−ヒドロキシ−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン。
−メチル−2,5−ジブロモベンズアミド(5.86g)の、テトラヒドロフラン(100mL)中における溶液を−76℃に冷却し、フェニルリチウム(1.8M溶液22.2mL)で処理した。−76℃で2時間撹拌した時点で、2−(3,4−ジクロロフェニル)ペント−4−エン酸エチルエステル(5.46g)の、テトラヒドロフラン中における溶液を添加し、得られた反応混合物を室温にまで昇温させ、1時間撹拌した。この期間後に10%塩酸水溶液を添加し、反応混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層を炭酸水素ナトリウム溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、蒸発させて、粗生成物を得た。この物質を酢酸エチルから結晶化して、上記アルコールを白色固体(2.7g)として得た。融点225−228℃。
Figure 0003819934
c.3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)ブト−3−エニル]−6−ブロモ−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン。3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)ブト−3−エニル]−6−ブロモ−3−ヒドロキシ−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン(2.17g)を、実施例2、サブパートc.に記載したものと同様な方法で処理した。ヘキサン:イソプロパノール(9:1)を溶離剤とするクロマトグラフィーにより、デス−ヒドロキシ化合物(0.75g)を得た。
Figure 0003819934
d.3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)ブト−3−エニル]−6−メトキシカルボニル−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン。3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)ブト−3−エニル]−6−ブロモ−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン(0.212g)の、ジメチルスルホキシド(2mL)とメタノール(3mL)中の溶液をトリエチルアミン(0.168mL)およびPd(1,1′−ビスジフェニルホスフィノ−フェロセン)Cl2(0.146g)で処理した。得られた混合物を一酸化炭素雰囲気下に4時間、60℃に加熱した。この期間後に反応混合物を水で希釈し、エーテルで2回抽出し、有機層を水で洗浄した。有機層を合わせて乾燥させ、蒸発させて、粗生成物を得た。ヘキサン:イソプロパノール(9:1)を溶離剤とするクロマトグラフィーにより、上記エステル(0.105g)を得た。
Figure 0003819934
e.3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(5−メトキシカルボニル−2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1−イソインドール−1−イル)プロピオンアルデヒド。3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)ブト−3−エニル]−6−メトキシカルボニル−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン(0.404g)を実施例2、サブパートd.に記載したものと同様な方法で処理した。クロマトグラフィーにより上記アルデヒド(0.24g)を得た。MS:m/z=406(M+1)。
実施例50.3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(4−(2−オキソペルヒドロピリミジン−1−イル)ピペリジノ)プロピル]−6−ブロモ−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン塩酸塩。
3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(5−ブロモ−2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1−イソインドール−1−イル)プロピオンアルデヒド(0.325g)を、実施例8に記載したものと同様な方法で4−(2−オキソペルヒドロピリミジン−1−イル)ピペリジン(0.139g)と結合させた。反応生成物をクロマトグラフィーにより精製せずに、実施例8の記載に従って対応する塩酸塩に変換して、表題化合物(0.34g)を得た。融点195−205℃(分解)。
Figure 0003819934
元素分析:C2731Cl242Br・0.75H2O・1.0HCl:計算値:C,50.33;H,5.24;N,8.70;実測値:C,50.31;H,5.33;N,8.43。
中間体3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(5−ブロモ−2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1−イソインドール−1−イル)プロピオンアルデヒドは、下記に従って合成された。
a.3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(5−ブロモ−2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1−イソインドール−1−イル)プロピオンアルデヒド。3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)ブト−3−エニル]−6−ブロモ−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン(0.425g、実施例49、サブパートc.)を実施例2、サブパートd.に記載したものと同様な方法で処理した。クロマトグラフィーにより上記アルデヒド(0.326g)を得た。MS:m/z=428(M+1)。
実施例51.3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(4−(2−オキソペルヒドロピリミジン−1−イル)ピペリジノ)プロピル]−6−アミノカルボニル−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン塩酸塩。
3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(5−アミノカルボニル−2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1−イソインドール−1−イル)プロピオンアルデヒド(0.2g)を、実施例8に記載したものと同様な方法で4−(2−オキソペルヒドロピリミジン−1−イル)ピペリジン(0.093g)と結合させた。反応生成物をクロマトグラフィーにより精製せずに、実施例8の記載に従って対応する塩酸塩に変換して、表題化合物(0.19g)を得た。融点240−250℃(分解)。
Figure 0003819934
元素分析:C2731Cl242Br・1.0H2O・1.3HCl・0.2C410O:計算値:C,54.16;H,6.04;N,10.96;実測値:C,54.21;H,5.86;N,10.74。
中間体3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(5−アミノカルボニル−2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1−イソインドール−1−イル)プロピオンアルデヒドは、下記に従って合成された。
a.3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)ブト−3−エニル]−6−カルボキシ−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン。3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)ブト−3−エニル]−6−メトキシカルボニル−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン(0.45g)の、メタノール(10mL)中における溶液を1N水酸化ナトリウム水溶液(2mL)で処理し、1.5時間撹拌した。この期間後に反応混合物を塩酸で酸性化し、酢酸エチルで抽出した。ブラインで洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、有機層を減圧下に濃縮して上記の酸を得た。。
Figure 0003819934
b.3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)ブト−3−エニル]−6−アミノカルボニル−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン。ジクロロメタン(10mL)中の3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)ブト−3−エニル]−6−カルボキシ−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン(0.435g)を氷中で冷却し、ジメチルホルムアミド2滴で処理し、次いで塩酸オキサリル(0.175mL)で処理した。反応混合物を室温にまで昇温させ、16時間撹拌し、蒸発させた。得られた残渣をテトラヒドロフラン(20mL)に溶解し、水酸化アンモニウム水溶液で処理した。1時間撹拌した時点で反応混合物を酢酸エチルで希釈し、洗浄し(ブライン)、乾燥させ、蒸発させた。酢酸エチルから結晶化して、上記アミドを固体(0.307g)として得た。融点>213℃。
Figure 0003819934
c.3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(5−アミノカルボニル−2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1−イソインドール−1−イル)プロピオンアルデヒド。3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)ブト−3−エニル]−6−アミノカルボニル−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン(0.307g)を、実施例2、サブパートd.に記載したものと同様な方法で処理した。クロマトグラフィーにより上記アルデヒド(0.20g)を得た。
Figure 0003819934
実施例52.3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(4−(2−オキソペルヒドロピリミジン−1−イル)ピペリジノ)プロピル]−2,6−ジメチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン・クエン塩。
3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(2,5−ジメチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロイソインドール−1−イル)プロピオンアルデヒド(0.215g)を、実施例8に記載したものと同様な方法で4−(2−オキソペルヒドロピリミジン−1−イル)ピペリジン(0.108g)と結合させた。反応生成物を実施例8の記載に従ってクロマトグラフィーにより精製した。この物質をメタノール中のクエン酸(0.317g)で処理し、減圧下に濃縮することにより、対応するクエン酸塩に変換した。得られた物質をエーテルで摩砕し、濃縮してエーテルを除去して、表題化合物(0.177g)を得た。融点86−88℃。
Figure 0003819934
元素分析:C2834Cl242・0.15H2O・1.2C687・0.1C410O:計算値:C,56.59;H,5.86;N,7.76;実測値:C,55.90;H,6.05;N,6.74。
中間体3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(2,5−ジメチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロイソインドール−1−イル)プロピオンアルデヒドは、下記に従って合成された。
a.−メチル−2−ブロモ−5−メチルベンズアミド。実施例16、サブパートa.に記載したものと同様な方法を用い、ただし酸として2−ブロモ−5−メチル安息香酸を用いて、上記アミドを得た。
b.3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)ブト−3−エニル]−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン。N−メチル−2−ブロモ−5−メチルベンズアミド(5.0g)を実施例16、サブパートb.に記載したものと同様な方法で処理した。ヘキサン:イソプロパノール(9:1)を溶離剤とするクロマトグラフィーにより、上記アルコール(2.17g)を得た。
Figure 0003819934
c.3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)ブト−3−エニル]−2,6−ジメチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン。3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)ブト−3−エニル]−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン(2.10g)を、実施例2、サブパートc.に記載したものと同様な方法で処理した。ヘキサン:イソプロパノール(9:1)を溶離剤とするクロマトグラフィーにより、デス−ヒドロキシ化合物(0.43g)を得た。
Figure 0003819934
d.3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(2,5−ジメチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1−イソインドール−1−イル)プロピオンアルデヒド。3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)ブト−3−エニル]−2,6−ジメチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン(0.43g)を実施例2、サブパートd.に記載したものと同様な方法で処理した。クロマトグラフィーにより上記アルデヒド(0.11g)を得た。
Figure 0003819934
実施例53.3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(4−(2−オキソペルヒドロピリミジン−1−イル)ピペリジノ)プロピル]−7−クロロ−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン塩酸塩。
3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(4−クロロ−2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1−イソインドール−1−イル)プロピオンアルデヒド(0.695g)を、実施例8に記載したものと同様な方法で4−(2−オキソペルヒドロピリミジン−1−イル)ピペリジン(0.31g)と結合させた。反応生成物をクロマトグラフィーにより精製せずに塩酸塩に変換して、表題化合物(0.220g)を得た。融点175−185℃。
Figure 0003819934
元素分析:C2931Cl342・2.5H2O・1.0HCl:計算値:C,53.14;H,5.69;N,8.55;実測値:C,53.13;H,5.67;N,9.51。
中間体3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(4−クロロ−2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1−イソインドール−1−イル)プロピオンアルデヒドは、下記に従って合成された。
a.−メチル−2−クロロベンズアミド。2−クロロ安息香酸を実施例16、サブパートa.に記載したものと同様な方法で処理して、上記アミドを得た。
b.3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)ブト−3−エニル]−3−ヒドロキシ−7−クロロ−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン。
実施例28、サブパートb.に記載したものと同様な方法を用い、ただし温度を−40℃でなく−76℃に維持した。ヘキサン:酢酸エチル(1:1)を溶離剤とするクロマトグラフィーにより、上記アルコール(1.1g)を得た。
Figure 0003819934
c.3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)ブト−3−エニル]−7−クロロ−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン。上記アルコールを、実施例2、サブパートc.に記載したものと同様な方法で処理した。ヘキサン:イソプロパノール(9:1)を用いるクロマトグラフィーにより、デス−ヒドロキシ化合物(0.77g)を得た。
Figure 0003819934
d.3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(4−クロロ−2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1−イソインドール−1−イル)プロピオンアルデヒド。3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)ブト−3−エニル]−7−クロロ−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン(0.65g)を、実施例2、サブパートd.に記載したものと同様な方法で処理した。反応生成物をクロマトグラフィー処理せずに使用した。
Figure 0003819934
実施例54.3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(4−(2−オキソペルヒドロピリミジン−1−イル)ピペリジノ)プロピル]−7−トリフルオロメチル−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン塩酸塩。
3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(4−トリフルオロメチル−2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1−イソインドール−1−イル)プロピオンアルデヒド(0.416g)を、実施例8に記載したものと同様な方法で4−(2−オキソペルヒドロピリミジン−1−イル)ピペリジン(0.183g)と結合させた。反応生成物をクロマトグラフィーにより精製せずに塩酸塩に変換して、表題化合物(0.34g)を得た。融点190−205℃(分解)。
Figure 0003819934
元素分析:C2831Cl2423・1.0H2O・1.0HCl:計算値:C,52.71;H,5.37;N,8.78;実測値:C,52.48;H,5.22;N,8.46。
中間体3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(4−トリフルオロメチル−2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1−イソインドール−1−イル)プロピオンアルデヒドは、下記に従って合成された。
a.−メチル−2−トリフルオロメチルベンズアミド。2−トリフルオロメチルベンゾイルクロリド(50g)の、ジクロロメタン中における溶液を、メチルアミン水溶液(40%溶液100mL)の、ジクロロメタン中における氷冷した懸濁液に添加した。反応混合物を室温で1時間撹拌し、それをジクロロメタンで希釈した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、蒸発させて、目的物質を固体(47.73g)として得た。融点110−112℃。
Figure 0003819934
b.3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)ブト−3−エニル]−3−ヒドロキシ−7−トリフルオロメチル−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン。−メチル−2−トリフルオロメチルベンズアミド(10.15g)を実施例53、サブパートb.に記載したものと同様な方法で処理した。ヘキサン:酢酸エチル(1:1)を溶離剤とするクロマトグラフィーにより、上記アルコール(3.36g)を得た。
Figure 0003819934
c.3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)ブト−3−エニル]−7−トリフルオロメチル−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン。3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)ブト−3−エニル]−3−ヒドロキシ−7−トリフルオロメチル−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オンを、実施例2、サブパートc.に記載したものと同様な方法で処理した。ヘキサン:酢酸エチル(1:1)を溶離剤とするクロマトグラフィーにより、デス−ヒドロキシ化合物(2.2g)を得た。
Figure 0003819934
d.3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(4−トリフルオロメチル−2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1−イソインドール−1−イル)プロピオンアルデヒド。3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)ブト−3−エニル]−7−トリフルオロメチル−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン(2.0g)を、実施例2、サブパートd.に記載したものと同様な方法で処理した。得られた物質(1.7g)をさらに精製することなく次ぎの工程に使用した。
Figure 0003819934
実施例55.3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(4−(2−オキソピペリジノ)−4−(メチルアミノカルボニル)ピペリジノ)プロピル]−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン・クエン酸塩。
3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロキシ-1-イソインドール−1−イル)プロピオンアルデヒド(0.62g)を、実施例8に記載したものと同様な方法で4−(2−オキソピペリジノ)−4−(メチルアミノカルボニル)ピペリジン(0.469g)と結合させた。反応生成物をクロマトグラフィーにより精製し、実施例52の記載に従って対応するクエン酸塩に変換して、表題化合物を得た。
Figure 0003819934
元素分析:C303643Cl2・1.4H2O・1.05C687:計算値:C,54.60;H,5.96;N,7.02;実測値:C,54.60;H,5.94;N,6.84。
中間体3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1−イソインドール−1−イル)プロピオンアルデヒドは、実施例2、サブパートa.−d.の記載に従って合成された。
実施例56.3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(4−ヒドロキシ−4−フェニルピペリジノ)プロピル]−5−ヒドロキシ−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン塩酸塩。
3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(6−ヒドロキシ−2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1−イソインドール−1−イル)プロピオンアルデヒド(1.5g)を、実施例8に記載したものと同様な方法で4−アセトアミド−4−フェニルピペリジン(0.7g)と結合させた。反応生成物をクロマトグラフィーにより精製し、実施例8の記載に従って対応する塩酸塩に変換して、表題化合物(1.26g)を得た。融点212−225℃。
Figure 0003819934
中間体3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(6−ヒドロキシ−2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1−イソインドール−1−イル)プロピオンアルデヒドは、3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)ブト−3−エニル]−5−メトキシ−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン(実施例30、サブパートc.に記載)から、実施例31、サブパートa.−b.に記載したものと同様な経路で合成された。
実施例57.(3R)−3−[(1S)−1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(4−(2−オキソペルヒドロピリミジン−1−イル)ピペリジノ)プロピル]−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン塩酸塩。
(3S)−3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−((1R)−2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1−イソインドール−1−イル)プロピオンアルデヒド(2.09g)を、実施例1に記載したものと同様な方法で4−(2−オキソペルヒドロピリミジン−1−イル)ピペリジン(1.111g)と結合させて、表題化合物(3.31g)を得た。融点170−210℃(分解)。
Figure 0003819934
元素分析:C2732Cl24O・1.5H2O・1.5HCl:計算値:C,54.30;H,6.16;N,9.38;実測値:C,54.33;H,5.92;N,9.19。
中間体(3S)−3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−((1R)−2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1−イソインドール−1−イル)プロピオンアルデヒドは、下記に従って合成された。
a.3−[(1S)−1−(3,4−ジクロロフェニル)ブト−3−エニル]−3−ヒドロキシ−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン。
−メチルベンズアミド(11.49g)の、テトラヒドロフラン中における溶液を−78℃に冷却し、混合物の温度が−65℃を越えないようにしてtert−ブチルリチウム溶液(ペンタン中の1.7M溶液100mL)で処理した。反応混合物を0℃に昇温させ、15分間撹拌した。反応混合物を−78℃に冷却し、無水三塩化ランタン(26.42g、三塩化ランタン・7水和物を真空下で120℃に16時間加熱することにより調製)で処理した。得られた懸濁液を0℃に昇温させ、15分間撹拌した。混合物を−78℃に冷却し、(2S)−2−(3,4−ジクロロフェニル)−−メトキシ−−メチルペント−4−エンアミド(14.36g)の、テトラヒドロフラン(150mL)中における溶液で処理した。混合物を0℃に昇温させ、それが12℃になるまで撹拌し、塩酸水溶液で処理した。混合物をエーテルで抽出し、エーテル層を合わせて洗浄し(ブライン、炭酸水素ナトリウム水溶液)、乾燥させ、蒸発させた。得られた物質を酢酸エチルで処理し、16時間撹拌し、0℃に冷却し、濾過して、目的物質を固体として得た。母液を、ヘキサン:イソプロパノール(9:1)を溶離剤とするクロマトグラフィーにより精製して、3−[(1S)−1−(3,4−ジクロロフェニル)ブト−3−エニル]−3−ヒドロキシ−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン(6.43g)をさらに得た。[α]D=40°(c=1,エタノール);MS:
Figure 0003819934
b.(3R)−3−[(1S)−1−(3,4−ジクロロフェニル)ブト−3−エニル]−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン。3−[(1S)−1−(3,4−ジクロロフェニル)ブト−3−エニル]−3−ヒドロキシ−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン(6.0g)を、実施例16、サブパートc.に記載したものと同様な方法で処理した。ヘキサン:イソプロパノール(9:1)を溶離剤とするクロマトグラフィーにより、(3R)−3−[(1S)−1−(3,4−ジクロロフェニル)ブト−3−エニル]−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン(2.41g)を得た。[α]D=75°(c=1,エタノール);
Figure 0003819934
c.(3S)−3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−[(1R)−2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1−イソインドール−1−イル]プロピオンアルデヒド。(3R)−3−[(1S)−1−(3,4−ジクロロフェニル)ブト−3−エニル]−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン(3.9g)を、実施例2、サブパートd.に記載したものと同様な条件で処理した。ヘキサン:酢酸エチル(1:1)を用いるクロマトグラフィーにより、目的とする(3S)−3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−[(1R)−2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1−イソインドール−1−イル]プロピオンアルデヒド(3.92g)を得た。
Figure 0003819934
中間体(2S)−2−(3,4−ジクロロフェニル)−−メトキシ−−メチルペント−4−エンアミドは、下記に従って合成された。
d.(2S)−2−(3,4−ジクロロフェニル)−−メトキシ−−メチルペント−4−エンアミド。(2S)−2−(3,4−ジクロロフェニル)ペント−4−エン酸(48.8g)の、ジクロロメタン250mL中における溶液を氷中で冷却し、2滴のジメチルホルムアミドで処理し、次いで19.25mLの塩化オキサリルで処理した。反応混合物を16時間にわたって室温にまで昇温させ、減圧下に濃縮した。この物質をジクロロメタン(600mL)に溶解し、0℃に冷却し、−ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩(22.17g)で処理した。得られた懸濁液をトリエチルアミン(53.9mL)で滴加処理した。反応混合物を30分間撹拌し、1N塩酸(200mL)で処理した。有機層を分離し、1N塩酸およびブラインで2回洗浄、乾燥、蒸発して、目的とする(2S)−2−(3,4−ジクロロフェニル)−−メトキシ−−メチルペント−4−エンアミド(53.29g)を得た。[α]D=51°(c=3.35エタノール);
Figure 0003819934
実施例58.(3R)−3−[(1S)−1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(4−(2−メチルスルホニルフェニル)ピペリジノ)プロピル]−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン塩酸塩。
(3S)−3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−((1R)−2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1−イソインドール−1−イル)プロピオンアルデヒド(0.468g)の、メタノール(10mL)中における溶液を、実施例8の記載に従って4−(2−メチルスルホニルフェニル)ピペリジン(0.3g)で処理した。得られた物質をクロマトグラフィーにより精製せずに、塩酸塩に変換して、表題化合物(0.51g)を得た。[α]D=21°(c=1.0,エタノール);融点190−200℃(分解)。
Figure 0003819934
元素分析:C3032Cl222S・HCl・H2O:計算値:C,57.55;H,5.63;N,4.47;実測値:C,57.32;H,5.33;N,4.50。
実施例59.(3R)−3−[(1S)−1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(4−(2−オキソピペリジノ)ピペリジノ)プロピル]−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン塩酸塩。
(3S)−3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−((1R)−2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1−イソインドール−1−イル)プロピオンアルデヒド(0.596g)の溶液を、実施例8の記載に従って4−(2−オキソピペリジノ)ピペリジン(0.311g)で処理した。得られた物質をクロマトグラフィーにより精製せずに塩酸塩に変換して、表題化合物(0.51g)を得た。[α]D=28°(c=1.0,エタノール);融点150−160℃(分解)。
Figure 0003819934
元素分析:C2833Cl232・1.5HCl・H2O:計算値:C,57.27;H,6.26;N,7.16;実測値:C,57.24;H,6.15;N,7.26。
実施例60.3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(4−(2−オキソピペリジノ)ピペリジノ)プロピル]−2−エチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン塩酸塩。
3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(2−エチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1−イソインドール−1−イル)プロピオンアルデヒド(0.476g)の溶液を、実施例8の記載に従って4−(2−オキソピペリジノ)ピペリジン(0.945g)で処理した。得られた物質をクロマトグラフィーにより精製せずに、塩酸塩に変換して、表題化合物(0.51g)を得た。融点135−140℃(分解)。
Figure 0003819934
元素分析:C2935Cl232・HCl・H2O:計算値:C,59.74;H,6.56;N,7.20;実測値:C,59.77;H,6.33;N,6.83。
中間体3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(2−エチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1−イソインドール−1−イル)プロピオンアルデヒドは、下記に従って合成された。
a.−エチルベンズアミド。塩化ベンゾイル(14.06g)の、ジクロロメタン中における溶液を、70%エチルアミン水溶液24.27mLの、ジクロロメタン100mL中における氷冷した懸濁液に添加した。反応混合物を室温で16時間撹拌したのち、5%水酸化ナトリウム水溶液で希釈した。有機層を乾燥させ(無水硫酸ナトリウム)で、蒸発させて、上記アミド(13.86g)を得た。融点62−63℃。
Figure 0003819934
b.3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)ブト−3−エニル]−3−ヒドロキシ−2−エチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン。−エチルベンズアミド(2.235g)の、テトラヒドロフラン(200mL)中における溶液を−76℃に冷却し、反応混合物の温度が−76℃以下に維持されるように徐々にtert−ブチルリチウム(1.7M溶液17.64mL)で処理した。得られた黄色の溶液を−76℃で15分間撹拌し、0℃に昇温させた。得られた溶液を−78℃に冷却し、2−(3,4−ジクロロフェニル)ペント−4−エン酸エチルエステル(4.095g)の、テトラヒドロフラン中における溶液で処理した。反応混合物を−76℃で45分間撹拌し、次いで0℃に昇温させ、その温度で30分間撹拌した。この期間後に飽和塩化アンモニウム溶液(200mL)を添加し、反応混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層を塩化アンモニウム溶液で洗浄し、乾燥させ、蒸発させて、粗生成物を得た。ヘキサン:イソプロパノール(9:1)を用いるクロマトグラフィーにより上記アルコールの2種類の異性体を得た:
Figure 0003819934
c.3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)ブト−3−エニル]−2−エチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン。3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)ブト−3−エニル]−3−ヒドロキシ−2−エチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン(3.1g)を、実施例2、サブパートc.に記載したものと同様な方法で処理して、デス−ヒドロキシ化合物(2.46g)を得た。
Figure 0003819934
d.3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(2−エチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1−イソインドール−1−イル)プロピオンアルデヒド。3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)ブト−3−エニル]−2−エチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン(2.5g)を、実施例2、サブパートd.に記載したものと同様な方法で処理した。クロマトグラフィーにより上記アルデヒド(0.74g)を得た。
Figure 0003819934
実施例61.3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(4−(2−メチルスルフィニルフェニル)ピペリジノ)プロピル]−2−エチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン塩酸塩。
3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(2−エチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1−イソインドール−1−イル)プロピオンアルデヒド(0.24g)および4−(2−メチルスルフィニルフェニル)ピペリジン(0.224g)を実施例1に記載したものと同様な条件で結合させて、表題化合物(0.198g)を得た。融点150℃(分解)。
MS:
Figure 0003819934
元素分析:C3134Cl222S・1.0HCl・0.9H2O:計算値:C,59.83;H,5.96;N,74.50;実測値:C,59.55;H,5.76;N,4.89。
中間体4−(2−メチルスルフィニルフェニル)ピペリジンは、実施例66、サブパートd.−h.の記載に従って製造された。
実施例62.3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(4−(2−オキソペルヒドロピリミジン−1−イル)ピペリジノ)プロピル]−2−エチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン塩酸塩。
3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(2−エチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−イソインドール−1−イル)プロピオンアルデヒド(0.36g)を、実施例8の記載に従って4−(2−オキソペルヒドロピリミジン−1−イル)ピペリジン(0.183g)で処理した。得られた物質をクロマトグラフィーにより精製し、塩酸塩に変換して、表題化合物(0.23g)を得た。融点165−170℃。
MS:
Figure 0003819934
元素分析:C2834Cl242・1.0HCl・1.2H2O:計算値:C,57.23;H,6.41;N,9.53;実測値:C,57.16;H,6.21;N,9.28。
実施例63.3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(4−(2−メチルチオフェニル)ピペリジノ)プロピル]−2−エチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン塩酸塩。
3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(2−エチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1−イソインドール−1−イル)プロピオンアルデヒド(0.724g)を、実施例8に記載したものと同様な方法で4−(2−メチルチオフェニル)ピペリジン(0.414g)と結合させた。反応生成物をクロマトグラフィーにより精製せずに塩酸塩に変換して、表題化合物(0.63g)を得た。融点110−140℃(分解)。
Figure 0003819934
元素分析:C3134Cl22OS・HCl:計算値:C,63.1;H,5.97;N,4.75;実測値:C,62.94;H,5.94;N,4.82。
実施例64.3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(4−(2−メチルスルホニルフェニル)ピペリジノ)プロピル]−2−エチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン塩酸塩。
3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(2−エチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1−イソインドール−1−イル)プロピオンアルデヒド(0.724g)を、実施例8に記載したものと同様な方法で4−(2−メチルスルホニルフェニル)ピペリジン(0.706g)と結合させた。反応生成物をクロマトグラフィーにより精製せずに塩酸塩に変換して、表題化合物(0.64g)を得た。融点168−175℃(分解)。
MS:
Figure 0003819934
元素分析:C3134Cl223S・1.5HCl・1.5H2O:計算値:C,55.79;H,5.82;N,4.20;実測値:C,55.90;H,5.45;N,4.20。
実施例65.3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(4−(2−メチルスルフィニルフェニル)ピペリジノ)プロピル]−2−プロピル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン塩酸塩。
3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(2−プロピル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1−イソインドール−1−イル)プロピオンアルデヒド(0.235g)の溶液を実施例8の記載に従って4−(2−メチルスルフィニルフェニル)ピペリジン(0.236g)で処理した。得られた物質をクロマトグラフィーにより精製し、塩酸塩に変換して、表題化合物(0.09g)を得た。融点78−85℃(分解)。
Figure 0003819934
元素分析:C3236Cl222S・1.0HCl・0.5H2O:計算値:C,61.09;H,6.08;N,4.45;実測値:C,60.78;H,5.68;N,4.67。
中間体3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(2−プロピル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1−イソインドール−1−イル)プロピオンアルデヒドは、下記の記載に従って製造された。
a.−プロピルベンズアミド。塩化ベンゾイル(11.61g)の、ジクロロメタン中における溶液を、プロピルアミン17.73gの、ジクロロメタン100mL中における氷冷した溶液に添加した。反応混合物を室温で16時間撹拌したのち、5%水酸化ナトリウム水溶液で希釈し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。有機層を蒸発させて、粗生成物(14.93g)を得た。この物質を減圧下に蒸留して、目的物質を固体として得た。融点72−74℃。
Figure 0003819934
b.3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)ブト−3−エニル]−3−ヒドロキシ−2−プロピル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン。実施例60サブパートb.に記載したものと同様な方法で、ただし−エチルベンズアミドの代わりに−プロピルベンズアミド(2.44g)を用いて、上記アルコール(3.8g)を製造した。
MS:
Figure 0003819934
c.3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)ブト−3−エニル]−2−プロピル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン。3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)ブト−3−エニル]−3−ヒドロキシ−2−プロピル−2,3−ジヒドロ−1−イソインドール−1−オン(3.68g)を、実施例2、サブパートc.に記載したものと同様な方法で処理して、デス−ヒドロキシ化合物(0.68g)を得た。
Figure 0003819934
d.3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(2−プロピル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1−イソインドール−1−イル)プロピオンアルデヒド。
3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)ブト−3−エニル]−2−プロピル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン(0.65g)を、実施例2、サブパートd.に記載したものと同様な方法で処理した。クロマトグラフィーにより上記アルデヒド(0.256g)を得た。
Figure 0003819934
実施例66.(3R)−3−[(1S)−1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(4−(2−メチルスルフィニルフェニル)ピペリジノ)プロピル]−2−エチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン塩酸塩。
(3S)−3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−[(1R)−2−エチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1−イソインドール−1−イル]プロピオンアルデヒド(0.4g)を、実施例1に記載したものと同様な方法で4−(2−メチルスルフィニルフェニル)ピペリジン(0.36g)と結合させて、表題化合物(0.25g)を得た。融点120−125℃(分解)。
Figure 0003819934
元素分析:C3134Cl222S・HCl・1.5H2O:計算値:C,59.82;H,6.05;N,4.43;実測値:C,58.51;H,6.07;N,4.59。
中間体(3S)−3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−[(1R)−2−エチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1−イソインドール−1−イル]プロピオンアルデヒドは、下記に従って製造された。
a.(3R)−3−[(1S)−1−(3,4−ジクロロフェニル)ブト−3−エニル]−2−エチル−3−ヒドロキシ−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン。実施例57サブパートa.に記載したものと同様な方法で、ただし−メチルベンズアミドの代わりに−エチルベンズアミド(1.79g)を用いて、(3R)−3−[(1S)−1−(3,4−ジクロロフェニル)ブト−3−エニル]−2−エチル−3−ヒドロキシ−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン(0.722g)を製造した。MS:m/z=376(M+1)。
b.(3R)−3−[(1S)−1−(3,4−ジクロロフェニル)ブト−3−エニル]−2−エチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン。(3R)−3−[(1S)−1−(3,4−ジクロロフェニル)ブト−3−エニル]−2−エチル−3−ヒドロキシ−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン(0.32g)を、実施例16、サブパートc.に記載したものと同様な条件で処理して、(3R)−3−[(1S)−1−(3,4−ジクロロフェニル)ブト−3−エニル]−2−エチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン(0.152g)を得た。MS:m/z=360(M+1)。
c.(3S)−3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−[(1R)−2−エチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロイソインドール−1−イル]プロピオンアルデヒド。(3R)−3−[(1S)−1−(3,4−ジクロロフェニル)ブト−3−エニル]−2−エチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン(0.5g)を、実施例2、サブパートd.に記載したものと同様な条件で処理して、上記アルデヒド(0.4g)を得た。
Figure 0003819934
中間体4−(2−メチルスルフィニルフェニル)ピペリジンは下記に従って製造された。
d.1−ベンジルオキシカルボニル−4−ピペリドン。4−ピペリドン塩酸塩(70g)の、飽和炭酸水素ナトリウム溶液1.4L中における溶液を、塩化ベンジルオキシカルボニル(75mL)の、ジオキサン40mL中における溶液で滴加処理した。反応混合物を一夜撹拌し、酢酸エチルで3回抽出した。有機層を洗浄し(1N塩酸、水、およびブライン)、乾燥させ、蒸発させて、油(96.62g)を得た。
e.1−ベンジルオキシカルボニル−4−ヒドロキシ−4−(2−メチルチオフェニル)ピペリジン。マグネシウム削片の懸濁液(無水テトラヒドロフラン100mL中1.5g)を、テトラヒドロフラン(10mL)中のジブロモエタン(11.6g)で処理した。得られた溶液を室温で2時間撹拌した。この溶液を、−70℃に冷却したテトラヒドロフラン(80mL)中の2−ブロモチオアニソール(12.5g)をペンタン中のn−ブチルリチウム(24.6mL,2.5M)で処理し、−70℃で1時間攪拌することにより調製された溶液に添加した。得られた反応混合物を0℃にまで昇温させ、2時間撹拌した。反応混合物を−78℃に冷却し、1−ベンジルオキシカルボニル−4−ピペリドン(14.36g)の、テトラヒドロフラン(25mL)中における溶液で処理した。反応混合物を室温にまで昇温させ、16時間撹拌し、飽和塩化アンモニウム水溶液(120mL)で処理した。有機層を分離し、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせて洗浄し(炭酸水素ナトリウム水溶液)、乾燥させ、蒸発させて、得られた物質を、ヘキサン:酢酸エチルを溶離剤とするクロマトグラフィーにより精製して、1−ベンジルオキシカルボニル−4−ヒドロキシ−4−(2−メチルチオフェニル)ピペリジン(10g)を得た。
MS:
Figure 0003819934
f.1−ベンジルオキシカルボニル−4−(2−メチルチオフェニル)ピペリジン。1−ベンジルオキシカルボニル−4−ヒドロキシ−4−(2−メチルチオフェニル)ピペリジン(10g)の、ジクロロメタン100mL中における溶液を、トリフルオロ酢酸(17mL)およびトリエチルシラン(68mL)で処理した。反応混合物を室温で16時間撹拌し、炭酸水素ナトリウム水溶液(300mL)で処理した。30分間撹拌したのち、有機層を分離し、乾燥させ(無水硫酸ナトリウム)、蒸発させた。得られた物質を、ヘキサン:酢酸エチル(3:1)を溶離剤とするクロマトグラフィーにより精製した。得られた物質を80℃で減圧下に30分間加熱して、1−ベンジルオキシカルボニル−4−(2−メチルチオフェニル)ピペリジンを得た。
MS:
Figure 0003819934
g.1−ベンジルオキシカルボニル−4−(2−メチルスルフィニルフェニル)ピペリジン。1−ベンジルオキシカルボニル−4−(2−メチルチオフェニル)ピペリジン(3.27g)の、クロロホルム(60mL)中における溶液を氷冷し、trans−2−(フェニルスルホニル)−3−フェニルオキサジリジン(2.5g)(Vishwakarma et al.,Org.Syn.,66,203−210)で処理した。反応混合物を1時間にわたって室温にまで昇温させ、溶剤を蒸発させた。酢酸エチル:メタノール(9:1)を溶離剤とするクロマトグラフィーにより、上記スルフィニル化合物(1.71g)を得た。
Figure 0003819934
h.4−(2−メチルスルフィニルフェニル)ピペリジン。1−ベンジルオキシカルボニル−4−(2−メチルスルフィニルフェニル)ピペリジン(1.66g)の、トリフルオロ酢酸8mL中における溶液を、45分間、加熱還流した。反応混合物を蒸発させ、残渣をトルエンで処理した。溶剤を蒸発させ、残渣を追加分のトルエンで処理し、このプロセスを反復した。最終残渣を減圧下に乾燥させ、ジクロロメタン:メタノール:トリエチルアミン(19:1:1)を溶離剤とするクロマトグラフィーにより精製して、上記ピペリジン(0.87g)を得た。
Figure 0003819934
実施例67.(3R)−3−[(1S)−1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(4−((R*)−2−メチルスルフィニルフェニル)ピペリジノ)プロピル]−2−エチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン・クエン酸塩。
(3S)−3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−[(1R)−2−エチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1−イソインドール−1−イル]プロピオンアルデヒド(1.02g)を、実施例1に記載したものと同様な方法で4−((R*)−2−メチルスルフィニルフェニル)ピペリジン(0.94g)と結合させた。反応混合物をジクロロメタン:メタノール(9:1)を溶離剤とするクロマトグラフィーにより精製して、クエン酸塩(1.11g)に変換した。融点96−110℃(分解)。[α]D=4.0°(c=1,エタノール);MS:
Figure 0003819934
元素分析:C3134Cl222S・1.2C687・1.0H2O:計算値:C,56.08;H,5.61;N,3.42;実測値:C,56.06;H,5.22;N,3.57。
中間体4−((R*)−2−メチルスルフィニルフェニル)ピペリジンは、下記に従って製造された。
a.1−ベンジルオキシカルボニル−4−[(R*)−2−メチルスルフィニルフェニル]ピペリジン。(R)−(+)−1,1′−bi−2−ナフトール2.86gの、四塩化炭素(100mL)中における溶液を、チタンテトライソプロポキシド(33mL)で処理し、次いで水(0.39mL)で処理した。2時間撹拌したのち、1−ベンジルオキシカルボニル−4−(2−メチルチオフェニル)ピペリジン(5g,実施例66、サブパートf.の記載に従って製造)の、四塩化炭素(20mL)中における溶液を添加し、次いでtert−ブチルヒドロペルオキシド(8mL)を添加した。得られた反応混合物を16時間撹拌し、酢酸エチルを溶離剤とするクロマトグラフィーにより精製して、高圧液体クロマトグラフィーにより示されるように鏡像異性体の2:1混合物(2g)を得た。この物質を酢酸エチル:ヘキサン混合物から分別結晶化により精製して、単一鏡像異性体を得た。これは高圧液体クロマトグラフィーにより鏡像異性体として少なくとも99%の純度であると判定された。高圧液体クロマトグラフィーはAnalytical CDカラム(4.6×250mM、カタログNo.7195−00,ダイアセル・ケミカル・インダストリーズ・リミテッド、米国ニューヨーク州ニューヨーク)により、エタノールを溶離剤とし、流量0.3mL/分およびUV検出(254nM)を採用して実施された。主鏡像異性体に関する保持時間は16.5分、副鏡像異性体に関する保持時間は17.5分であった。スルホキシド中心の絶対立体配置は決定しなかった。この製造による主鏡像異性体は、1−ベンジルオキシカルボニル−4−[(R*)−2−メチルスルフィニルフェニル]ピペリジン(0.58g)と表示された。[α]D=−98.6°(c=0.73,エタノール);融点137−138℃;
Figure 0003819934
b.4−[(R*)−2−メチルスルフィニルフェニル]ピペリジン。1−ベンジルオキシカルボニル−4−[(R*)−2−メチルスルフィニルフェニル]ピペリジン(0.55g)の、トリフルオロ酢酸(12mL)中における溶液を30分間還流した。反応混合物を蒸発させ、残渣をエーテルで摩砕処理した。得られた物質を減圧下に乾燥させて、上記ピペリジンを吸湿性固体(0.52g)として得た。
Figure 0003819934
あるいは、中間体1−ベンジルオキシカルボニル−4−((R*)−2−メチルスルフィニルフェニル)ピペリジンは、下記に従って製造することができる。
a.−ベンジルオキシカルボニル−4−[(R*)−2−メチルスルフィニルフェニル]ピペリジン。D−酒石酸ジエチル(3.4mL)の、ジクロロメタン(50mL)中における溶液に、チタンテトライソプロポキシド(3.0mL)を添加し、次いで水(0.18mL)を添加した。得られた溶液を30分間激しく撹拌し、−ベンジルオキシカルボニル−4−(2−メチルチオフェニル)ピペリジン(3.41g)で処理し、−15℃に冷却した。反応混合物をtert−ブチルヒドロペルオキシド(2mL)で1分間にわたって滴加処理し、−15℃で40時間撹拌した。水(4mL)を添加し、溶液を1時間激しく撹拌し、ケイソウ土床により濾過した。濾液を5%水酸化ナトリウム水溶液(100mL)と共に1時間撹拌し、ブライン(50mL)で洗浄した。水層をジクロロメタンで抽出し、有機層を合わせて洗浄し(ブライン)、乾燥させ(無水硫酸ナトリウム、蒸発させて、固体生成物を得た。これをジイソプロピルエーテルから結晶化して、−ベンジルオキシカルボニル−4−[(R*)−2−メチルスルフィニルフェニル]ピペリジン(3.0g)を得た。
実施例68.(3R)−3−[(1S)−1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(4−((S*)−2−メチルスルフィニルフェニル)ピペリジノ)プロピル]−2−エチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン・クエン酸塩。
(3S)−3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−[(1R)−2−エチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1−イソインドール−1−イル]プロピオンアルデヒド(0.492g)を、実施例1に記載したものと同様な方法で4−((S*)−2−メチルスルフィニルフェニル)ピペリジン(0.43g)と結合させた。得られた物質をクエン酸塩(0.504g)に変換した。融点163−179℃。[α]D=59°(c=1,エタノール);
Figure 0003819934
元素分析:C3134Cl222S・C687・2.0H2O:計算値:C,55.71;H,5.81;N,3.51;実測値:C,55.76;H,5.60;N,3.51。
中間体4−((S*)−2−メチルスルフィニルフェニル)ピペリジンは、下記に従って製造された。
a.−ベンジルオキシカルボニル−4−[(S*)−2−メチルスルフィニルフェニル]ピペリジン。実施例67、サブパートa.に記載したものと同様な方法で、ただし(R)−(+)−bi−2−ナフトールの代わりに(S)−(−)−bi−2−ナフトールを用いて、−ベンジルオキシカルボニル−4−[(S*)−2−メチルスルフィニルフェニル]ピペリジン(0.6g)を製造した。[α]D=97°(c=1.0,エタノール);
Figure 0003819934
b.4−[(S*−2−メチルスルフィニルフェニル]ピペリジン。実施例67、サブパートb.に記載したものと同様な方法で、−ベンジルオキシカルボニル−4−[(S*)−2−メチルスルフィニルフェニル]ピペリジン(0.575g)を4−[(S*)−2−メチルスルフィニルフェニル]ピペリジン(0.56g)に変換した。
Figure 0003819934
あるいは、中間体−ベンジルオキシカルボニル−4−((S*)−2−メチルスルフィニルフェニル)ピペリジンは、下記に従って製造することができる。
c.−ベンジルオキシカルボニル−4−[(S*)−2−メチルスルフィニルフェニル]ピペリジン。実施例67、サブパートc.に記載したものと同様な方法で、ただしS−酒石酸ジエチルをD−酒石酸ジエチルの代わりに用いて、N-ベンジルオキシカルボニル-4-(2-メチルチオフェニル)ピペリジンを酸化して、N-ベンジルオキシカルボニル-4-[(S*)-2-メチルスルフィニルフェニル]ピペリジンを得た。
実施例69.(3R)−3−[(1S)−1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(4−ピリド−3−イルピペリジノ)プロピル]−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン塩酸塩。
(3S)−3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−[(1R)−2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1−イソインドール−1−イル]プロピオンアルデヒド(0.428g)の溶液を、実施例8の記載に従って4−ピリド−3−イルピペリジン(0.20g)で処理した。得られた物質をクロマトグラフィーにより精製せずに塩酸塩に変換して、表題化合物(0.535g)を得た。[α]D=34°(c=1.0,エタノール);融点170−210℃(分解)。
Figure 0003819934
元素分析:C2829Cl23O・2HCl・H2O:計算値:C,57.45;H,5.68;N,7.18;実測値:C,57.22;H,5.67;N,7.12。
中間体(3S)−3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−[(1R)−2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1−イソインドール−1−イル]プロピオンアルデヒドは、実施例57、サブパートa.−d.に従って製造された。
実施例70.3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(4−ヒドロキシ−4−フェニルピペリジノ)プロピル]−6−クロロ−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン塩酸塩。
3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(5−クロロ−2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1−イソインドール−1−イル)プロピオンアルデヒドを実施例74に記載したものと同様な方法で4−ヒドロキシ−4−フェニルピペリジンと還元的に結合させて、表題化合物を得た。
Figure 0003819934
元素分析:C2929Cl322・0.25H2O:計算値:C,63.51;H,5.42;N,5.11;実測値:C,63.47;H,5.56;N,5.09。
中間体3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(5−クロロ−2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロキシ−1−イソインドール−1−イル)プロピオンアルデヒドは、実施例99、サブパートa.−c.の記載に従って製造された。
実施例71.3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(4−ヒドロキシ−4−フェニルピペリジノ)プロピル]−2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インダゾール
3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1−インダゾール−1−イル)プロピオンアルデヒド(0.6g)を、実施例8に記載したものと同様な方法で4−ヒドロキシ−4−フェニルピペリジン(0.344g)と結合させた。反応生成物をクロマトグラフィーにより精製し、塩酸塩に変換して、表題化合物(0.25g)を得た。融点14−145℃(分解)。
Figure 0003819934
元素分析:C3032Cl22O・1.0H2O・1.0HCl:計算値:C,59.43;H,5.71;N,7.43;実測値:C,60.04;H,5.55;N,7.42。
中間体3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1−インダゾール−1−イル)プロピオンアルデヒドは、下記の記載に従って製造された。
a.2−ニトロ−−メチルベンズアミド。実施例28、サブパートa.に記載したものと同様な方法で、ただし2−ニトロ−ベンゾイルクロリド(9.23g)をo−アニソイルクロリドの代わりに用いて、目的とする2−ニトロ−−メチルベンズアミド(8.26g)を固体として得た。
Figure 0003819934
b.2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1−インダゾール。2−ニトロ−−メチルベンズアミド(8.26g)の、メタノール50mL中における溶液を、100mLの1N水酸化ナトリウム水溶液で処理し、次いで9.8gの亜鉛で処理し、得られた懸濁液を24時間還流した。この期間後に反応混合物を濾過し、残渣を洗浄した(メタノール)。濾液を合わせて蒸発させ、1N塩酸でpH7.0に酸性化し、ジクロロメタンで抽出した。有機層を乾燥させ、蒸発させて、得られた物質を50mLの酢酸エチルに懸濁した。生じた固体を濾過して、上記インダゾール(1.57g)を得た。
Figure 0003819934
c.3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)ブト−3−エニル]−2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1−インダゾール。2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1−インダゾールの、ジメチルホルムアミド20mL中における溶液を、油中の60%水素化ナトリウム分散液0.16gで処理した。得られた懸濁液を1時間撹拌し、1.08gの1−ブロモ−1−(3,4−ジクロロフェニル)ブト−3−エンで処理した。反応混合物を16時間撹拌し、水で希釈し、酢酸エチルで抽出し、有機層を洗浄し(ブライン)、乾燥させ、蒸発させた。酢酸エチル:ヘキサン(1:1)を用いるクロマトグラフィーにより3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)ブト−3−エニル]−2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1−インダゾール(0.769g)を得た。
Figure 0003819934
d.3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1−インダゾール−1−イル)プロピオンアルデヒド。3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)ブト−3−エニル]−2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1−インダゾール(0.95g)を、実施例2、サブパートd.に記載した方法と同様に処理した。このアルデヒドを精製せずに使用した(0.6g)。
Figure 0003819934
中間体1−ブロモ−1−(3,4−ジクロロフェニル)ブト−3−エンは、下記の記載に従って製造された。
e.1−(3,4−ジクロロフェニル)ブト−3−エン−1−オール。 3,4−ジクロロベンズアルデヒド(22.68g)の、テトラヒドロフラン(200mL)中における溶液を、0℃でエーテル中の1Mアリルマグネシウムブロミド溶液130mLで処理した。反応混合物を16時間にわたって室温にまで昇温させ、塩化アンモニウム溶液に注入した。酢酸エチルで抽出し、有機層をブラインで洗浄し、乾燥させ、蒸発させ、得られた物質を、ヘキサン:イソプロパノール(9:1)を溶離剤とするクロマトグラフィーにより精製して、上記アルコール(5.04g)を得た。
Figure 0003819934
f.1−メタンスルホニルオキシ−1−(3,4−ジクロロフェニル)ブト−3−エン。1−(3,4−ジクロロフェニル)ブト−3−エン−1−オールの、ジクロロメタン中における溶液を−5℃に冷却し、トリエチルアミンで処理したのち、メタンスルホニルクロリドで処理した。反応混合物を室温にまで昇温させ、2時間撹拌した。混合物を洗浄し(5%塩酸溶液、炭酸水素ナトリウム溶液)、乾燥させ、蒸発させて、上記メタンスルホニルオキシ化合物を得た。この物質をさらに特性解明せずに、次ぎの工程に使用した。
g.1−ブロモ−1−(3,4−ジクロロフェニル)ブト−3−エン。1−メタンスルホニルオキシ−1−(3,4−ジクロロフェニル)ブト−3−エンの、アセトン中における溶液を臭化リチウムで処理し、16時間、加熱還流した。反応混合物を室温にまで放冷し、蒸発させ、エーテルで希釈し、水で洗浄した。水層をエーテルで抽出し、有機層をブラインで洗浄し、蒸発させて、油を得た。ヘキサンを溶離剤とするクロマトグラフィーにより得られた物質を減圧下に蒸留して、ブロモ化合物を得た。
Figure 0003819934
実施例72.3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(4−ヒドロキシ−4−フェニルピペリジノ)プロピル]−2−イソプロピル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン塩酸塩。
3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(2−イソプロピル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1−イソインドール−1−イル)プロピオンアルデヒド(0.375g)を実施例8に記載したものと同様な方法で4−ヒドロキシ−4−フェニルピペリジン(0.177g)と結合させた。反応生成物をクロマトグラフィーにより精製し、塩酸塩に変換して、表題化合物(0.233g)を得た。融点140℃(分解)。
Figure 0003819934
元素分析:C3134Cl222・1.0H2O・1.0HCl:計算値:C,62.89;H,6.30;N,4.73;実測値:C,63.15;H,6.16;N,4.78。
中間体3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(2−イソプロピル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1−イソインドール−1−イル)プロピオンアルデヒドは、下記の記載に従って製造された。
a.−イソプロピルベンズアミド。実施例28、サブパートa.に記載したものと同様な方法で、ただし塩化ベンゾイル(14.05g)を2−メトキシベンゾイルの代わりに用い、かつイソプロピルアミンをメチルアミンの代わりに用いて、上記アミド(14.2g)を固体として得た。
Figure 0003819934
b.3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)ブト−3−エニル]−2−イソプロピル−3−ヒドロキシ−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン。
実施例2、サブパートb.に記載したものと同様な方法で、ただし−イソプロピルベンズアミド(4.1g)を−メチルベンズアミドの代わりに用い、−40℃を−15℃の代わりに用いた。粗生成物(9.02g)をさらに精製または特性解明せずに、次ぎの工程に使用した。
c.3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)ブト−3−エニル]−2−イソプロピル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン。3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)ブト−3−エニル]−2−イソプロピル−3−ヒドロキシ−2,3−ジヒドロ−1−イソインドール−1−オン(9.02g)を、実施例2、サブパートc.に記載したものと同様な方法で処理した。ヘキサン:酢酸エチル(2:1)を溶離剤とするクロマトグラフィーにより、デス−ヒドロキシ化合物(4.363g)を得た。
Figure 0003819934
d.3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(2−イソプロピル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1−イソインドール−1−イル)プロピオンアルデヒド。3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)ブト−3−エニル]−2−イソプロピル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン(0.374g)を、実施例2、サブパートd.に記載したものと同様な方法で処理した。得られた物質を、さらに精製せずに使用した(0.375g)。MS:m/z=376(M+1)。
実施例73.(3R*)−3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(4−ヒドロキシ−4−フェニルピペリジノ)プロピル]−2−メチルイソキノール−1−オン塩酸塩。
3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(2−メチル−1−オキソ−イソキン−3−イル)プロピオンアルデヒド(2.94g)を、実施例8に記載したものと同様な方法で4−ヒドロキシ−4−フェニルピペリジン(1.35g)と結合させた。得られた物質を、CHIRALCEL ODカラム(5cm内径×50cm、ダイアセル・ケミカル・インダストリーズ・リミテッド、日本)により、
ヘキサン:エタノール:アセトニトリル(60:40:2)を溶離剤とする高圧液体クロマトグラフィーによって、流量54ml/分で処理した。第1異性体(0.47g)を塩酸塩に変換して、(3R*)−3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(4−ヒドロキシ−4−フェニルピペリジノ)プロピル]−2−メチルイソキノール−1−オン塩酸塩(0.42g)を得た。融点193−215℃(分解);[α]D=−80.8°(c=1.0,メタノール);
Figure 0003819934
元素分析:C3030Cl222・1.5H2O・1.0HCl:計算値:C,61.6;H,5.86;N,4.79;実測値:C,61.56;H,5.61;N,4.53。
中間体3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(2−メチル−1−オキソ−イソキン−3−イル)プロピオンアルデヒドは、下記に従って製造された。
a.3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(テトラヒドロピラン−2−イルオキシ)プロピル]3−ヒドロキシ−2−メチル−3,4−ジヒドロイソキノール−1−オン。実施例1、サブパートc.に記載したものと同様な方法で、ただし−メチル−2−メチルベンズアミド(2.99g)を−メチルベンズアミドの代わりに用い、tert−ブチルリチウムをブチルリチウムの代わりに用いて、上記アルコールを製造した。反応生成物(11.59g)をさらに精製または特性解明せずに、直接に次ぎの工程に使用した。
b.3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−ヒドロキシプロピル]−2−メチル−イソキノール−1−オン。3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(テトラヒドロピラン−2−イルオキシ)プロピル]−3−ヒドロキシ−2−メチル−3,4−ジヒドロイソキノール−1−オン(11.59g)を実施例1、サブパートd.g)に記載したものと同様な方法で処理した。反応生成物をヘキサン:酢酸エチル(1:1)を溶離剤とするクロマトグラフィーにより精製して、3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−ヒドロキシプロピル]−2−メチル−イソキノール−1−オン(0.7g)を得た。MS:
Figure 0003819934
c.3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(2−メチル−3−オキソ−イソキン−1−イル)プロピオンアルデヒド。3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−ヒドロキシプロピル]−2−メチル−イソキノール−1−オン(2.74g)を実施例1、サブパートf.に記載したものと同様な方法で酸化した。反応生成物(2.94g)は出発物質で汚染されていたが、直接に次ぎの工程に使用した。
Figure 0003819934
実施例74.3−[1−(3,4−メチレンジオキシフェニル)−3−(4−(2−オキソペルヒドロピリミジン−1−イル)ピペリジノ)プロピル]−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン塩酸塩。
3−(3,4−メチレンジオキシフェニル)−3−(2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロキシ−1−イソインドール−1−イル)プロピオンアルデヒド(0.3g)の、メタノール(4mL)中における溶液を、4−(2−オキソペルヒドロピリミジン−1−イル)ピペリジン(0.183g)および酢酸(0.06mL)で処理した。5分間撹拌したのち、ナトリウムシアノボロヒドリド(0.063g)を添加し、混合物を撹拌した(48時間)。飽和炭酸水素ナトリウム溶液(50mL)の添加により反応を停止し、生成物をジクロロメタン中へ抽出した。有機層を乾燥させ、溶剤を除去して油を得た。この油を、メタノール:ジクロロメタン(15:85)を溶離剤とするクロマトグラフィーにより精製して、純粋な遊離塩基を得た。この物質をメタノール(4mL)に溶解し、無水クエン酸(0.094g)を添加した。溶剤を除去して、表題化合物を白色固体(0.33g)として得た。MS:m/z=491(M+1);
NMR:(選択されたシグナル)
Figure 0003819934
元素分析:C283444・C687・H2O:計算値:C,58.28;H,6.32;N,7.99;実測値:C,58.13;H,6.22;N,7.73。
中間体3−(3,4−メチレンジオキシフェニル)−3−(2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロキシ−1−イソインドール−1−イル)プロピオンアルデヒドは、下記に従って製造された。
a.3,4−メチレンジオキシフェニル酢酸メチルエステル。3,4−メチレンジオキシフェニル酢酸(10g)および濃硫酸(1mL)の、メタノール(139mL)中における溶液を60℃に12時間加熱した。飽和炭酸水素ナトリウム溶液(50mL)の添加により反応を停止し、溶剤を蒸発させた。得られた油を蒸留して(沸点129℃、1トル)、上記エステルを得た。m/z=195(M+1)。
b.2−(3,4−メチレンジオキシフェニル)ペント−4−エン酸メチルエステル。上記エステル(2.05g)の、テトラヒドロフラン(30mL)中における溶液を、−78℃のリチウムビス(トリメチルシリル)アミドの溶液(ヘキサン中の1.0M溶液11.7mL)に添加した。1時間撹拌したのち、臭化アリル(テトラヒドロフラン5mL中1mL)を添加し、溶液を室温にまで昇温させた。飽和塩化アンモニウム溶液の添加により反応を停止し、生成物をエーテル中へ抽出した。エーテル溶液を洗浄し(水)、乾燥させ、蒸発させた。エーテル:ヘキサン(5:95)を用いるクロマトグラフィーにより、2−(3,4−メチレンジオキシフェニル)ペント−4−エン酸メチルエステル(2.0g)を得た。TLC:Rf=0.5,エーテル:ヘキサン(5:95);MS:m/z=235(M+1)。
c.3−[1−(3,4−メチレンジオキシフェニル)ブト−3−エニル]−3−ヒドロキシ−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン。−メチルベンズアミド(3.51g)の、テトラヒドロフラン(70mL)中における−78℃の溶液に、n−ブチルリチウム(ヘキサン中の2.5M溶液21.3mL)を添加し、溶液を0℃に昇温させ、1時間撹拌した。溶液を−78℃に再冷却し、これに2−(3,4−メチレンジオキシフェニル)ペント−4−エン酸メチルエステル(6.0g)の、テトラヒドロフラン(20mL)中における溶液を添加した。溶液を2時間撹拌し、次いで0℃に昇温させた。飽和塩化アンモニウム溶液の添加により反応を停止し、生成物を酢酸エチル中へ抽出した。有機溶液を飽和塩化アンモニウム溶液、水およびブラインで洗浄した。溶液を乾燥させ、溶剤を蒸発させると結晶質物質が得られ、これをエーテルで摩砕処理し、採取し、乾燥させて、上記ヒドロキシ化合物(4.66g)を得た。TLC:Rf=0.4,メタノール:ジクロロメタン(3:97);MS:m/z=338(M+1)。
d.3−[1−(3,4−メチレンジオキシフェニル)ブト−3−エニル]−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン。上記ヒドロキシ化合物(9.2g)の、トリフルオロ酢酸(38mL)中における溶液に、水素化トリエチルシリル(40mL)を添加し、得られた溶液を1時間撹拌した。溶剤を蒸発させ、得られた物質を酢酸エチルで希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム溶液、水およびブラインで洗浄した。有機層を乾燥させ、溶剤を蒸発させた。得られた物質をイソプロパノール/ヘキサン(5:95−10:90)で溶離するクロマトグラフィーにより精製して、デス−ヒドロキシ化合物(4.1g)を得た。TLC:Rf=0.5,メタノール:ジクロロメタン(3:97);MS:m/z=322(M+1)。
e.3−(3,4−メチレンジオキシフェニル)−3−(2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロキシ−1−イソインドール−1−イル)プロピオンアルデヒド。3−[1−(3,4−メチレンジオキシフェニル)ブト−3−エニル]−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン(0.35g)の、テトラヒドロフラン(10mL)および水(5mL)中における溶液に、過ヨウ素酸ナトリウム(0.52g)、四酸化オスミウム(水中の4%溶液0.1mL)を添加し、得られた混合物を3時間撹拌し、3時間撹拌した。反応混合物をセライトにより濾過し、酢酸エチルで希釈し、飽和チオ硫酸ナトリウム溶液、水およびブラインで洗浄した。有機部分を乾燥させ、溶剤を除去し、蒸発させた。酢酸エチルを溶離剤とするクロマトグラフィーにより、上記アルデヒド(0.3g)を得た。TLC:Rf=0.35,酢酸エチル;MS:m/z=324(M+1)。
実施例75−97
実施例74に記載したものと同様な還元結合法を用い、ただし3−(3,4−メチレンジオキシフェニル)−3−(2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロキシ−1−イソインドール−1−イル)プロピオンアルデヒドの代わりに必要なアルデヒドを用い、かつ4−(2−オキソペルヒドロピリミジン−1−イル)ピペリジンの代わりに必要なピペリジンを用いて、式IにおいてQ2が2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1−イソインドール−1−イルであり、Q3が水素であり、かつQ1およびQ4が下記の意味である下記の化合物が製造された。
実施例75. Q1=4−アセトアミド−4−フェニルピペリジノ,Q4=3,4−メチレンジオキシフェニル;MS:m/z=526(M+1);NMR:(選択されたシグナル)
Figure 0003819934
実施例76. Q1=4−(2−オキソペルヒドロピリミジン−1−イル)ピペリジノ,Q4=4−クロロフェニル;MS:m/z=481(M+1);NMR:(選択されたシグナル)
Figure 0003819934
実施例77. Q1=4−アセトアミド−4−フェニルピペリジノ,Q4=4−クロロフェニル;MS:m/z=516(M+1);NMR:(選択されたシグナル)
Figure 0003819934
実施例78. Q1=4−ヒドロキシ−4−フェニルピペリジノ,Q4=4−クロロフェニル;MS:m/z=475(M+1);NMR:(選択されたシグナル)
Figure 0003819934
実施例79. Q1=4−(2−オキソペルヒドロピリミジン−1−イル)ピペリジノ,Q4=4−ブロモフェニル;MS:m/z=525(M+1);NMR:(選択されたシグナル)
Figure 0003819934
実施例80. Q1=4−アセトアミド−4−フェニルピペリジノ,Q4=4−ブロモフェニル;MS:m/z=560(M+1);NMR:(選択されたシグナル)
Figure 0003819934
実施例81. Q1=4−(2−オキソペルヒドロピリミジン−1−イル)ピペリジノ,Q4=4−トリフルオロメチルフェニル;MS:m/z=515(M+1);
Figure 0003819934
実施例82. Q1=4−アセトアミド−4−フェニルピペリジノ,Q4=4−トリフルオロメチルフェニル;MS:m/z=550(M+1);
Figure 0003819934
実施例83. Q1=4−ヒドロキシ−4−フェニルピペリジノ,Q4=4−トリフルオロメチルフェニル;MS:m/z=509(M+1);
Figure 0003819934
実施例84. Q1=4−(2−オキソペルヒドロピリミジン−1−イル)ピペリジノ,Q4=3−クロロフェニル,遊離塩基として単離;MS:m/z=509(M+1);NMR:(選択されたシグナル)
Figure 0003819934
実施例85. Q1=4−アセトアミド−4−フェニルピペリジノ,Q4=3−クロロフェニル;MS:m/z=544(M+1);NMR:(選択されたシグナル)
Figure 0003819934
実施例86. Q1=4−(2−オキソペルヒドロピリミジン−1−イル)ピペリジノ,Q4=3,4−ジフルオロフェニル;MS:m/z=483(M+1);NMR:(選択されたシグナル)
Figure 0003819934
実施例87. Q1=4−アセトアミド−4−フェニルピペリジノ,Q4=3,4−ジフルオロフェニル;MS:m/z=518(M+1);NMR:(選択されたシグナル)
Figure 0003819934
実施例88. Q1=4−アセトアミド−4−フェニルピペリジノ,Q4=4−メトキシフェニル;MS:m/z=512(M+1);NMR:(選択されたシグナル)
Figure 0003819934
実施例89. Q1=4−(2−オキソペルヒドロピリミジン−1−イル)ピペリジノ,Q4=2,4−ジクロロフェニル;MS:m/z=515(M+1);NMR:(選択されたシグナル)
Figure 0003819934
実施例90. Q1=4−アセトアミド−4−フェニルピペリジノ,Q4=2,4−ジクロロフェニル;MS:m/z=550(M+1);NMR:(選択されたシグナル)
Figure 0003819934
実施例91. Q1=4−(2−オキソピペリジノ)ピペリジノ,Q4=4−メトキシカルボニルフェニル;MS;m/z=504(M+1);NMR(選択されたシグナル)
Figure 0003819934
実施例92. Q1=4−(2−オキソペルヒドロピリミジン−1−イル)ピペリジノ,Q4=3−トリフルオロメチルフェニル;
Figure 0003819934
実施例93. Q1=4−アセトアミド−4−フェニルピペリジノ,Q4=3−トリフルオロメチルフェニル;
Figure 0003819934
実施例94. Q1=4−ヒドロキシ−4−フェニルピペリジノ,Q4=3−トリフルオロメチルフェニル;
Figure 0003819934
実施例95. Q1=4−(2−オキソペルヒドロピリミジン−1−イル)ピペリジノ,Q4=3,4−ジメチルフェニル;
Figure 0003819934
実施例96. Q1=4−アセトアミド−4−フェニルピペリジノ,Q4=3,4−ジメチルフェニル;
Figure 0003819934
実施例97. Q1=4−(2−オキソペルヒドロピリミジン−1−イル)ピペリジノ,Q4=4−メトキシフェニル;
Figure 0003819934
実施例75−97の中間体アルデヒドは、実施例74、サブパートa.−e.に記載したものと同様な方法で、実施例74、サブパートa.に用いた3,4−メチレンジオキシフェニル酢酸の代わりに必要な酸を用いて製造された。
実施例98.3−[1−(4−メトキシカルボニルフェニル)−3−(4−(2−オキソペルヒドロピリミジン−1−イル)ピペリジノ)プロピル]−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン塩酸塩。
3−(4−メトキシカルボニルフェニル)−3−(2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1−イソインドール−1−イル)プロピオンアルデヒドおよび4−(2−オキソペルヒドロピリミジン−1−イル)ピペリジンを実施例74に記載したものと同様な方法で還元結合させて、表題化合物を得た。MS:m/z=505(M+1);NMR:(選択されたシグナル)
Figure 0003819934
中間体3−(4−メトキシカルボニルフェニル)−3−(2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1−イソインドール−1−イル)プロピオンアルデヒドは、下記に従って製造された。
a.3−[1−(4−ヒドロキシフェニル)ブト−3−エニル]−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン。3−[1−(4−メトキシフェニル)ブト−3−エニル]−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン(0.56g)の、ジクロロメタン(6mL)中の0℃の溶液に、三臭化ホウ素(1.82mL)を添加し、溶液を室温にまで昇温させ、12時間撹拌した。水の添加により反応を停止し、生成物を酢酸エチル中へ抽出した。有機部分を1N水酸化ナトリウムで洗浄し、水層を分離し、1N HClでpH=5に酸性化した。溶液を酢酸エチルで抽出し、有機部分を乾燥させ、溶剤を蒸発させた。生じた素材を放置すると結晶化して、上記アルコール(0.15g)を白色固体として得た。TLC:Rf=0.25,酢酸エチル:ヘキサン(1:1);MS:m/z=294(M+1)。
b.3−[1−(4−トリフルオロメチルスルホニルオキシフェニル)ブト−3−エニル]−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン。上記アルコール(0.77g)の、ジクロロメタン(25mL)中における溶液に、N−フェニルトリフルオロメタンスルホンイミド(1.22g)、トリエチルアミン(0.47mL)を添加し、反応物を12時間撹拌した。溶剤を蒸発させ、残渣を酢酸エチル:ヘキサン(1:1)で溶離するクロマトグラフィーにより精製して、上記トリフレート(1.0g)を得た。TLC:Rf=0.40,酢酸エチル:ヘキサン(1:1);MS:m/z=426(M+1)。
c.3−[1−(4−メトキシカルボニルフェニル)ブト−3−エニル]−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン。上記トリフレート(0.95g)、ビス(ジフェニルホスフィニル)プロパン(0.2g)、トリエチルアミン(0.8mL)、酢酸パラジウム(0.1g)およびジメチルスルホキシド(10mL)の、メタノール(20mL)中における溶液を一酸化炭素雰囲気下に置き、70℃で12時間加熱した。反応物を酢酸エチルで希釈し、水およびブラインで洗浄した。有機層を乾燥させ、溶剤を蒸発により除去した。生成物を酢酸エチル:ヘキサン(1:1)で溶離するクロマトグラフィーにより精製して、上記メチルエステル(0.37g)を得た。TLC:Rf=0.45,酢酸エチル:ヘキサン(1:1);MS:m/z=336(M+1)。
d.3−(4−メトキシカルボニルフェニル)−3−(2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロキシ−1−イソインドール−1−イル)プロピオンアルデヒド。 3−[1−(4−メトキシカルボニルフェニル)ブト−3−エニル]−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オンを実施例74、サブパートe.に記載したものと同様な方法で処理して、上記アルデヒドを得た。TLC:Rf=0.35,酢酸エチル:ヘキサン(3:1);MS:m/z=338(M+1)。
実施例99.3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(4−(2−オキソペルヒドロピリミジン−1−イル)ピペリジノ)プロピル]−6−クロロ−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン塩酸塩。
3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(5−クロロ−2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロキシ−1−イソインドール−1−イル)プロピオンアルデヒドおよび4−(2−オキソペルヒドロピリミジン−1−イル)ピペリジンを実施例74に記載したものと同様な方法で還元結合させて、表題化合物を得た。MS:m/z=577(M+1);NMR:(選択されたシグナル)
Figure 0003819934
中間体3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(5−クロロ−2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロキシ−1−イソインドール−1−イル)プロピオンアルデヒドは、下記に従って製造された。
a.3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)ブト−3−エニル]−6−クロロ−3−ヒドロキシ−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン。
実施例74、サブパートc.に記載したものと同様な方法で、ただし−メチルベンズアミドの代わりに−メチル−2−ブロモ−5−クロロベンズアミドを用いて、上記アルコールを製造した。TLC:Rf=0.45,ヘキサン:イソプロパノール(90:10);MS:m/z=396(M+1)。
b.3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)ブト−3−エニル]−6−クロロ−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン。上記アルコールを実施例74、サブパートd.に記載したものと同様な方法で処理して、デス−ヒドロキシ化合物を得た。TLC:Rf=0.36,ヘキサン:イソプロパノール(90:10);MS:m/z=380(M+1)。
c.3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(5−クロロ−2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロキシ−1−イソインドール−1−イル)プロピオンアルデヒド。上記デス−ヒドロキシ化合物を実施例74、サブパートe.に記載したものと同様な方法で処理して、上記アルデヒドを得た。TLC:Rf=0.1,ヘキサン:イソプロパノール(90:10);MS:m/z=382(M+1)。
実施例100.3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(4アセトアミド−4−フェニルピペリジノ)プロピル]−6−クロロ−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン塩酸塩。
3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(5−クロロ−2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロキシ−1−イソインドール−1−イル)プロピオンアルデヒドを実施例74に記載したものと同様な方法で4−アセトアミド−4−フェニルピペリジンと還元結合させて、表題化合物を得た。MS:m/z=584(M+1);NMR:(選択されたシグナル)
Figure 0003819934
実施例101.(3R*)−3−[(1S*)−1−(4−ブロモ−3−クロロフェニル)−3−(4−(2−オキソペルヒドロピリミジン−1−イル)ピペリジノ)プロピル]−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オンクエン酸塩。
(3S*)−3−(4−ブロモ−3−クロロフェニル)−3−((1R*)−2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロキシ−1−イソインドール−1−イル)プロピオンアルデヒドおよび4−(2−オキソペルヒドロピリミジン−1−イル)ピペリジンを実施例74に記載したものと同様な方法で還元結合させて、表題化合物を白色固体として得た。融点105℃(分解);TLC溶剤(遊離塩基)9:1ジクロロメタン:メタノール:Rf=0.44;NMR:(選択されたシグナル)
Figure 0003819934
a.2−(4−ブロモ−3−クロロフェニル)ペント−4−エン酸メチルエステル。実施例74、サブパートb.に記載したものと同様な方法で、ただし3,4−メチレンジオキシフェニル酢酸メチルエステルの代わりに4−ブロモ−3−クロロフェニル酢酸メチルエステル(O.K.Behensら、米国特許第2,479,295号(1949))を用いて、上記ビニル化合物を製造した。ヘキサン:エチルエーテル(濃度勾配100:0−95:5)を溶離剤とするクロマトグラフィーにより黄色の油を得た。TLC(95:5ヘキサン:エチルエーテル)
Figure 0003819934
b.(3*)−3−[(1*)−1−(4−ブロモ−3−クロロフェニル)ブト−3−エニル]−3−ヒドロキシ−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン。実施例74、サブパートc.に記載したものと同様な方法で上記アルコールを製造した。ヘキサン:エチルエーテル(9:1)、次いでヘキサン:イソプロパノール(93:7)、次いでヘキサン:イソプロパノール(9:1)を用いるクロマトグラフィーにより、目的とするsyn−鏡像異性体が得られ、これは(3*)−3−[(1*)−1−(4−ブロモ−3−クロロフェニル)ブト−3−エニル]−3−ヒドロキシ−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オンと表示された。粘稠な固体。TLC:(溶剤、ヘキサン:イソプロパノール9:1);Rf=0.26;NMRにより3:1のsyn:anti混合物であることが示された;MS:m/z=408(M+1)。anti−鏡像異性体はRf=0.31を示した(溶剤、ヘキサン:イソプロパノール9:1)。
c.(3R*)−3−[(1S*)−1−(4−ブロモ−3−クロロフェニル)ブト−3−エニル]−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン。
上記アルコールを実施例74、サブパートd.に記載したものと同様な方法で処理して、デス−ヒドロキシ化合物を得た。ヘキサン:イソプロパノール(9:1)を溶離剤とするクロマトグラフィーにより、syn−化合物を粘稠な黄色の油として得た。TLC:(9:1ヘキサン:イソプロパノール),
Figure 0003819934
d.(3S*)−3−(4−ブロモ−3−クロロフェニル)−3−((1R*)−2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロキシ−1H−イソインドール−1−イル)プロピオンアルデヒド。上記デス−ヒドロキシ化合物を実施例74、サブパートe.に記載したものと同様な方法で処理して、上記アルデヒドを得た。ヘキサン:イソプロパノール(9:1)を溶離剤とするクロマトグラフィーにより、粘稠な固体を得た。TLC:(9:1ヘキサン:イソプロパノール),
Figure 0003819934
実施例102.(3R*)−3−[(1S*)−1−(4−ブロモ−3−クロロフェニル)−3−(4−(2−オキソピペリジノ)ピペリジノ)プロピル]−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オンクエン酸塩。
(3S*)−3−(4−ブロモ−3−クロロフェニル)−3−((1R*)−2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロキシ−1−イソインドール−1−イル)プロピオンアルデヒドおよび4−(2−オキソピペリジノ)ピペリジンを実施例74に記載したものと同様な方法で還元結合させて、表題化合物を白色固体として得た。融点115−120℃(分解);NMR:(選択されたシグナル)
Figure 0003819934
実施例103.(3R*)−3−[(1S*)−1−(4−ブロモ−3−クロロフェニル)−3−(4−(2−オキソピペリジノ)−4−(メチルアミノカルボニル)ピペリジノ)プロピル]−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オンクエン酸塩。
(3S*)−3−(4−ブロモ−3−クロロフェニル)−3−((1R*)−2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロキシ−1−イソインドール−1−イル)プロピオンアルデヒドおよび4−(2−オキソピペリジノ)−4−(メチルアミノカルボニル)ピペリジンを実施例74に記載したものと同様な方法で還元結合させて、表題化合物を白色固体として得た。融点130−135℃(分解);NMR:(選択されたシグナル)
Figure 0003819934
実施例104.(3R*)−3−[(1S*)−1−(4−ビフェニル)−3−(4−(2−オキソペルヒドロピリミジン−1−イル)ピペリジノ)プロピル]−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オンクエン酸塩。
激しく撹拌された(3R*)−3−[(1S*)−1−(4−ブロモフェニル)−3−(4−(2−オキソペルヒドロピリミジン−1−イル)ピペリジノ)プロピル]−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン(0.50g,実施例79)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.03g)、2M炭酸水素ナトリウム水溶液(1.5mL)およびトルエン(3mL)の混合物に、少量の95%エタノール中のフェニル硼酸(0.13g)溶液を添加した。撹拌された混合物を90−95℃に6時間加熱し、冷却し、水に注入し、酢酸エチルで抽出した。有機層を乾燥させ、蒸発させた。ジクロロメタン:メタノール(濃度勾配95:5−90:10)を溶離剤とするクロマトグラフィーにより遊離塩基の表題化合物(0.22g)を得た。クエン酸塩をメタノール中で調製し、溶剤を蒸発させ、残渣をエチルエーテルで摩砕処理し、エーテルを留去し、この処理を反復して表題化合物0.20g(28%)を得た。融点150℃(分解);NMR:(選択されたシグナル)
Figure 0003819934
実施例105.(3R*)−3−[(1S*)−1−(4−メチルチオフェニル)−3−(4−(2−オキソペルヒドロピリミジン−1−イル)ピペリジノ)プロピル]−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オンクエン酸塩。
撹拌された(3R*)−3−[(1S*)−1−(4−ブロモフェニル)−3−(4−(2−オキソペルヒドロピリミジン−1−イル)ピペリジノ)プロピル]−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン(0.5,実施例79)、ナトリウムチオメトキシド(0.11g)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.04g)およびn−ブタノール(5mL)の混合物を一夜加熱還流した。冷却した混合物をセライトパッドにより吸引濾過し、濾液を水で処理し、酢酸エチルで抽出した。有機層を乾燥させ、蒸発させた。ジクロロメタン:メタノール(濃度勾配95:5−90:10)を溶離剤とするクロマトグラフィーにより遊離塩基の表題化合物(0.13g)を淡黄褐色固体として得た。クエン酸塩をメタノール中で調製し、溶剤を蒸発させ、残渣をエチルエーテルで摩砕処理し、エーテルを留去し、この処理を反復して表題化合物(0.14g)を黄褐色固体として得た。融点140℃(分解)。NMRは若干の異性化が起こったことを示した;(選択されたシグナル)
Figure 0003819934
実施例106.(3S*)−3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(4−ヒドロキシ−4−フェニルピペリジノ)プロピル]−2−メチルイソキノール−1−オン塩酸塩。
実施例73g)においてキラルODカラムから溶出した第2の異性体を塩酸塩に変換して、目的とする(3S*)−3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(4−ヒドロキシ−4−フェニルピペリジノ)プロピル]−2−メチルイソキノール−1−オン塩酸塩(0.41g)を得た。融点193−215℃(分解);[α]D=80(c=1.0,メタノール);
Figure 0003819934
一般に式XVIIIの化合物の鏡像異性体混合物をクロマトグラフィーにより分離して、反応経路IIIに示す式XIXのsyn−鏡像異性体と式XXのanti−鏡像異性体を得ることができる。式XIXおよびXXの中間体を、syn−またはanti−立体化学的特性を保守した式Iの化合物に変換することができる。一般に式IにおいてQ2が式IIaであり、式中のM1が−CH−である化合物については、syn−鏡像異性体が好ましい。前記実施例において、実施例9−27、31−36、39−46、48−55、60−65、70、および74−105の化合物はsyn−鏡像異性体として製造され、実施例56の化合物はanti−鏡像異性体として製造され、実施例28−30、47および72の化合物はsyn−およびanti鏡像異性体の混合物として製造された。
Figure 0003819934
Figure 0003819934
Figure 0003819934
Figure 0003819934
Figure 0003819934
Figure 0003819934
Figure 0003819934
Figure 0003819934
Figure 0003819934
Figure 0003819934

Claims (9)

  1. 式Iの化合物:
    Figure 0003819934
    [式中
    1は、Q1が4−ベンジルピペリジノ、4−(3−メトキシフェニル)ピペリジノ、4−(2−メチルスルフィニルフェニル)ピペリジノ、4−(2−ピリジル)ピペリジノ、4−(3−ピリジル)ピペリジノ、4−(2−メチルスルフィニルピリド−3−イル)ピペリジノ、4−ヒドロキシ−4−フェニルピペリジノ、4−アセトアミド−4−フェニルピペリジノ、4−(−フェニルアセトアミド)ピペリジノ、4−(2−ヒドロキシエチル)ピペリジノ、4−(1−ヒドロキシ−1−プロピルブチル)ピペリジノ、4−(2−オキソピロリジン−1−イル)ピペリジノ、4−(2−オキソピペリジノ)ピペリジノ、4−(2−チオキソピペリジノ)ピペリジノ、4−(2−オキソペルヒドロピリミジン−1−イル)ピペリジノ、4−エトキシカルボニル−4−(2−オキソピペリジノ)ピペリジノ、4−メトキシカルボニル−4−(2−オキソペルヒドロピリミジン−1−イル)ピペリジノ、4−(1−オキソイソインドリン−2−イル)ピペリジノ、4−(2−オキソ−2,3−ジヒドロベンゾイミダゾール−1−イル)ピペリジノまたは4−(2−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロキナゾリン−3−イル)ピペリジノであり;
    2は式IIaまたはIIb
    Figure 0003819934
    のベンゾ縮合ラクタム基であり:これらにおいてJは酸素またはイオウであり;M1はCRFまたはNであり;RAは水素または(1−3C)アルキルであり;基RB、RC、RDおよびREはそれぞれ水素であるか;またはRB、RC、RDおよびREのうち1個もしくは2個以上はハロ、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、(1−3C)アルコキシ、(1−3C)アルキル、(1−3C)アルキルチオ、(1−3C)アルキルスルフィニルおよび(1−3C)アルキルスルホニルから独立して選択される置換基であり、RB、RC、RDおよびREのうち他のものはそれぞれ水素であり;またはRB、RC、RDおよびREのうち2個の隣接基はメチレンジオキシ置換基を形成し、RB、RC、RDおよびREのうち他のものは水素であり;RFは水素、ヒドロキシ、(1−3C)アルコキシまたは(1−3C)アルキルであり;
    3は水素または(1−3C)アルキルであり;そして
    4はフェニルであり、これはハロ、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、(1−3C)アルコキシ、(1−3C)アルキル、メチレンジオキシ(1−3C)アルコキシカルボニルおよび(1−3C)アルキルチオから独立して選択される置換基1個または2個を保有することができ;またはQ4はチエニル、イミダゾリル、ベンゾ[b]チオフェニルもしくはナフチルであり、これらはいずれもハロ置換基を保有することができ;またはQ4はビフェニリルであり;またはQ4は炭素結合したインドリルであり、これは1−位にベンジル置換基を保有することができる];
    あるいはピペリジノ窒素のN−オキシド;
    あるいはその薬剤学的に許容しうる塩;
    あるいはその第四アンモニウム塩であって、ピペリジノ窒素が四価共有原子価アンモニウム窒素であり、その際窒素上の第4基R1が(1−4C)アルキルまたはベンジルであり、かつ付随する対向イオンAが薬剤学的に許容しうるアニオンである塩。
  2. 請求項1に記載の化合物において、
    4がフェニルであり、これはハロ、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、(1−3C)アルコキシ、(1−3C)アルキルおよびメチレンジオキシから独立して選択される置換基1個または2個を保有することができ;またはQ4がチエニル、イミダゾリル、ベンゾ[b]チオフェニルもしくはナフチルであり、これらはいずれもハロ置換基を保有することができ;またはQ4がビフェニリルであり;またはQ4が炭素結合したインドリルであり、これは1−位にベンジル置換基を保有することができる化合物;
    あるいはピペリジノ窒素のN−オキシド;
    あるいはその薬剤学的に許容しうる塩;
    あるいはその第四アンモニウム塩であって、ピペリジノ窒素が四価共有原子価アンモニウム窒素であり、その際窒素上の第4基R1が(1−4C)アルキルまたはベンジルであり、かつ付随する対向イオンAが薬剤学的に許容しうるアニオンである塩。
  3. 請求項1に記載の化合物において、式IIIの化合物:
    Figure 0003819934
    [式中のQ1aは式Iの化合物につき請求項1に定義した式Q1の基であり、かつQ2aは式Iの化合物につき請求項1に定義した式IIaまたはIIbの基である];
    あるいはピペリジノ窒素のN−オキシド;
    あるいはその薬剤学的に許容しうる塩;
    あるいはその第四アンモニウム塩であって、ピペリジノ窒素が四価共有原子価アンモニウム窒素であり、その際窒素上の第4基R1が(1−4C)アルキルまたはベンジルであり、かつ付随する対向イオンAが薬剤学的に許容しうるアニオンである塩。
  4. 請求項1、2、3のいずれかに記載の化合物において、Q2が式IIa:
    Figure 0003819934
    [式中
    Jが酸素であり;M1がCHであり;RAが(1−3C)アルキルであり;
    B、RC、RDおよびREがそれぞれ水素であるか、またはRCがメトキシであり、RB、RCおよびRDが水素であり;
    3が水素であり;かつ
    4が3,4−ジクロロフェニルである]である化合物;
    あるいはピペリジノ窒素のN−オキシド;
    あるいはその薬剤学的に許容しうる塩;
    あるいはその第四アンモニウム塩であって、ピペリジノ窒素が四価共有原子価アンモニウム窒素であり、その際窒素上の第4基R1が(1−4C)アルキルまたはベンジルであり、かつ付随する対向イオンAが薬剤学的に許容しうるアニオンである塩。
  5. 請求項1に記載の化合物において、
    (3R)−3−[(1S)−1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(4−(2−オキソペルヒドロピリミジン−1−イル)ピペリジノ)プロピル]−2−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン;
    3−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−[4−(2−メチルスルフィニルフェニル)ピペリジノ)プロピル]−2−エチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン;
    (3R)−3−[(1S)−1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(4−(2−メチルスルフィニルフェニル)ピペリジノ)プロピル]−2−エチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン;
    (3R)−3−[(1S)−1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(4−((R*)−2−メチルスルフィニルフェニル)ピペリジノ)プロピル]−2−エチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン;または
    (3R)−3−[(1S)−1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(4−((S*)−2−メチルスルフィニルフェニル)ピペリジノ)プロピル]−2−エチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン
    である化合物;
    あるいはピペリジノ窒素のN−オキシド;
    あるいはその薬剤学的に許容しうる塩;
    あるいはその第四アンモニウム塩であって、ピペリジノ窒素が四価共有原子価アンモニウム窒素であり、その際窒素上の第4基R1が(1−4C)アルキルまたはベンジルであり、かつ付随する対向イオンAが薬剤学的に許容しうるアニオンである塩。
  6. 請求項1に記載の化合物において、(3R)−3−[(1S)−1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(4−((R*)−2−メチルスルフィニルフェニル)ピペリジノ)プロピル]−2−エチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オンである化合物;
    またはその薬剤学的に許容しうる塩。
  7. 請求項1に記載の化合物において、(3R)−3−[(1S)−1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(4−((S*)−2−メチルスルフィニルフェニル)ピペリジノ)プロピル]−2−エチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オンである化合物;
    またはその薬剤学的に許容しうる塩。
  8. 請求項1−7のいずれか1項に記載の式Iの化合物;
    あるいはピペリジノ窒素のN−オキシド;
    あるいはその薬剤学的に許容しうる塩;
    あるいはその第四アンモニウム塩であって、ピペリジノ窒素が四価共有原子価アンモニウム窒素であり、その際窒素上の第4基R1が(1−4C)アルキルまたはベンジルであり、かつ付随する対向イオンAが薬剤学的に許容しうるアニオンである塩;
    および薬剤学的に許容しうる希釈剤またはキャリヤーを含む、NK2受容体が関与する疾患の処置のための薬剤組成物。
  9. 請求項1−7のいずれか1項に記載の式Iの化合物;
    あるいはピペリジノ窒素のN−オキシド;
    あるいはその薬剤学的に許容しうる塩;
    あるいはその第四アンモニウム塩であって、ピペリジノ窒素が四価共有原子価アンモニウム窒素であり、その際窒素上の第4基R1が(1−4C)アルキルまたはベンジルであり、かつ付随する対向イオンAが薬剤学的に許容しうるアニオンである塩の製造方法であって:
    (a)式I(または式III)の化合物については、式IIIaのピペリジン(式中のQ1aが、前記において式Iの化合物につき定めた定義される式Q1の基である):
    Figure 0003819934
    を式IV(または式IVa)のアルデヒドで還元アルキル化によりアルキル化する:
    Figure 0003819934
    (b)式IIIaのピペリジンを式V(または式Va)のアルキル化剤(Yは脱離基である)でアルキル化する:
    Figure 0003819934
    Figure 0003819934
    (c)式I(または式III)の化合物のピペリジノ窒素のN−オキシドについては、式Iの化合物のピペリジノ窒素を酸化する;または
    (d)式I(または式III)の化合物のピペリジノ窒素の第四アンモニウム塩については、式I(または式III)の化合物のピペリジノ窒素を式R1Yのアルキル化剤でアルキル化するか、または式IIIbのピペリジン:
    Figure 0003819934
    を式V(式中のYは脱離基である)のアルキル化剤でアルキル化する;
    を特徴とする方法。
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