JP3819808B2 - パソコン入力システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ネットワークや特別なプログラム又は特別なマイコン制御装置等を使用しないで、CPU(中央演算処理装置)、RAM及びROM等の記憶手段並びに入出力インターフェイス(I/O)を備えるパソコン機器に接続されるキーボード、マウス、ディスプレイをメカニカル、即ちハード的に切替えながら、複数のパソコン入力者が同一あるいは別の画面を見ながら、コンピュータへの入力作業が可能なパソコン入力システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、医療分野においては、カルテ公開や電子化の潮流が迫ってきており、パソコン(パーソナルコンピュータ)内に患者の診療データを記載する電子カルテが普及しはじめている。このような電子カルテなどの入力作業においては、医師等のメイン入力者がレセプト(形式的情報を含む)の部分も含めた電子カルテの全ての入力作業を行っていたのでは、診療に時間がかかりすぎる。特に、パソコンの入力作業に習熟していない医師等がパソコンの入力作業を行おうとすると、患者一人分のパソコン入力に数十分を要することになる。そこで、クラークや医療秘書などのアシスタント(以下、単に「アシスタント」という)を横におき、リモート操作ソフト等を利用して、例えば医師側のメイン入力者のパソコンを操作して、医師とアシスタントが同一画面で作業を行う方法や、医師側のパソコンとは別にもう1台別のパソコンを使用し、医師側がパソコンの入力を完了した後にその患者カルテを終了し、もう1台のパソコンからその患者カルテを立ち上げ、医師が入力したデータを基にして更にアシスタント入力者が補助的な入力を行う方法が行われている。
また、以上のような2人でパソコン入力を行う方法として、医師側のメイン入力者のパソコンにアシスタント入力者がリモート操作ソフトを用いてパソコン入力作業を行ったり、マイコンを使った付属装置を用いて疑似入力信号を送り、1台のパソコン本体を2人以上で使用して入力介助する方法も知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、リモート操作ソフトを用いてパソコンの入力作業を行ったり、マイコンを使って疑似入力信号を送る方法では、医師がパソコンに患者のカルテの入力を終了した後はそのパソコンが一時的にアシスタント入力者に占領され、医師がそのパソコンを使用して別の患者のカルテを見ることができないという問題があるほか、既に入力が終了した患者カルテに追加の記載事項などを医師が入力する場合には、アシスタント側の仕事が中断されるという問題がある。
更には、前記したリモート操作ソフトを用いる方法では、作業を行うディスプレイの画面が狭くなったり、画面の解像度が落ちたり、更には接続切替えに時間がかかる等の問題がある。
【0004】
勿論、一つのパソコン本体のキーボードやマウスの入力端子に、並列に医師側のキーボード及びマウスと、アシスタント側のキーボード及びマウスを接続する方法もあるが、医師側とアシスタント側が同時にキーボードやマウスを使用すると、動作しなかったり、あるいはパソコンが停止してしまうという問題がある。
医師側とアシスタント側の両方にそれぞれパソコンを配置する方法では、医師側が患者カルテの入力が済んだパソコンを終了した上で、アシスタント側のパソコンで医師側が入力した患者カルテを立ち上げて補助的な入力をすることになるので、その間に時間ロスが発生するという問題がある。更に、アシスタントが患者カルテに対して疑義があった場合には、一旦アシスタント側のパソコンを終了した上で医師側のパソコンの作業も中断し、医師側のパソコンで疑義が生じた患者カルテを立ち上げる必要があるという問題がある。
【0005】
このような問題は、医師とアシスタントとの両者がパソコン入力を行う場合だけでなく、工場、会社、場合によっては家庭においても2人の者が同時にパソコンに入力を行おうとする場合に共通に発生する問題であった。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、特別なソフト等は使用せず、本来あるパソコンの機能を活用して、2人の作業者が2台のパソコンの入力作業を行えるパソコン入力システムを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記目的に沿う本発明に係るパソコン入力システムは、内部又は外部に画像出力を2分する画像出力分配器を備え、キーボード及びマウスについてそれぞれ同時に入力可能な種類A及び種類Bの入力端子を備えた2台のパソコン機器と、前記種類Aのキーボード及びマウス並びに1のディスプレイからなる第1の外部接続機器と、前記種類Bのキーボード及びマウス並びに1のディスプレイからなり、前記第1の外部接続機器とは別位置に配置された第2の外部接続機器と、前記第1の外部接続機器が接続される前記パソコン機器を選択する第1の切替え器と、前記第2の外部接続機器が接続される前記パソコン機器を選択する第2の切替え器とを有し、前記第1、第2の切替え器を独立に切り換えて、対応する前記第1、第2の外部接続機器のそれぞれが、前記2台のパソコン機器のいずれか1を選択して接続可能となって、
前記キーボード及びマウスの種類A、種類Bの入力端子は、それぞれPS/2ポート及びUSBの接続端子である。
【0007】
ここで、使用するパソコン機器には、周知のCPU、RAM、ROM、及びI/Oを有し、そのコンピュータオペレーティングシステム(OS、基本システム)には、マイクロソフト社の「ウインドウズ95、98、Me、2000、XP(商標名)」が使用されているのが好ましいが、他のコンピュータシステム(例えば、マック、ユニックス(商品名)等)を使用することもできる。
画像出力分配器は、一つのパソコン機器の画像出力を並列に分けることができるものをいい、例えば、切替え器やパソコン機器に複数のビデオRAMを取付けて分配する機器があり、これらはパソコン機器の内部に一体的に収納されている場合の他、外部に配置されている場合も含む。
この発明に係るパソコン入力システムにおいては、第1、第2の外部接続機器が接続されるパソコン機器を、2台のパソコン機器から選択することができる。第1、第2の外部接続機器を介してパソコンの入力を行うパソコン入力者は、他の作業者がいずれのパソコン機器についての仕事をしているか否かに係わらず、任意にパソコン機器を選んでパソコンの入力を行うことができる。従って、第1、第2の外部接続機器を同一のパソコン機器に接続した場合には、2人のパソコン入力者が、それぞれキーボードとマウスを使用して一つのパソコン機器を共用して作業を行うことができる。
【0008】
また、2つのパソコン機器に同一又は異なるデータを入れておき、第1、第2の外部接続機器から必要に応じて切り換えて使用できる。
更には、キーボード及びマウスのA、B2種類の入力端子は、PS/2ポート(Personal System/2 Port)及びUSB(Universal Serial Bus)であるので、市販のパソコンをそのまま利用して本発明のパソコン入力システムを構成することが可能となる。PS/2ポートとはPC互換機でのキーボード及びマウスのインターフェース(又はそのコネクタ)をいう。USBとは1995年に、米インテル社、米マイクロソフト社等の7社が共同で発表したパソコン用のシリアルインターフェイスをいう。
【0009】
なお、OSをウインドウズ(商標)とするパソコンにおいては、入力装置であるキーボードとマウス及びディスプレイを並行して使用可能とするには、PS/2ポート入力の機器では困難であり、USB入力の機器と組合わせることによって可能である。ここで、USB入力のそれぞれの2つのキーボードとマウスを一つのパソコンに接続することによって、理論的には入力を行うことも可能であるが、実際には動作が不安定であり、途中でパソコンの動作が止まってしまい、パソコン自体の再起動を必要とする場合もあり、電子カルテの入力にあっては、パソコンを再起動するとその前に入力したデータが消えてしまうこともあり、あってはならないことである。
また、例えば、病院等において医師等のメイン入力者とアシスタント入力者が別々の作業を行うためには、ソフトに依らずメカニカル(ハード的)に切替えを行うのが最良と考えられる。ここで、PS/2ポートとVGA(VIDEO GRAPHICS ARRAY)切替え器並びにUSBとVGA切替え器を併用して使用すれば(図2参照)、入力システムだけでなく、画像出力であるVGA画像も瞬時に切替え可能である。また、このようなPS/2ポートとVGA切替え器やUSBとVGA切替え器を有する切替え装置には、接続されているキーボードからの特別な入力信号(例えば、「Ctrl」キーを2回連続押し)を検知して、ハード的に入力を切り換えることもできる。
【0010】
【発明の実施の形態】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
ここに、図1は本発明の一実施の形態に係るパソコン入力システムのブロック図、図2(A)、(B)はそれぞれ第1、第2の切替え器の内部配線を示す説明図である。
【0011】
図1に示すように、本発明の一実施の形態に係るパソコン入力システム10は、2台のパソコン機器11、12を有している。パソコン機器11、12はそれぞれパソコン本体13、14と、パソコン本体13、14からの画像出力を2分する画像出力分配器15、16とを有している。パソコン本体13、14は市販のもの、例えばOSがウインドウズ(商標)タイプのもの等を使用できるが、内部にキーボード及びマウス接続用のPS/2ポート(種類Aの入力端子の一例)とUSB接続端子(種類Bの入力端子の一例)を有するものを使用するのが好ましい。
なお、この実施の形態では、パソコン本体13には、ディスプレイの出力端子13a、キーボード及びマウス用のPS/2ポートの出力端子13b、13c、及びUSBの接続端子13dが設けられ、パソコン本体14には、ディスプレイの出力端子14a、キーボード及びマウス用のPS/2ポートの出力端子14b、14c、及びUSBの接続端子14dがそれぞれ設けられている。
【0012】
画像出力分配器15、16は、パソコン本体13、14からの画像出力を2分割できるものであればよく、内部に信号の減衰を防止するための増幅装置を設けているものであってもよいし、一般に市販されているビデオRAMボードを2枚用意し、これらをパソコン本体13、14にそれぞれ取付けてもよい。この画像出力分配器15、16はパソコン本体13、14の内部に設けてもよいし、外付けであってもよい。
【0013】
また、パソコン入力システム10には、パソコン機器11、12に接続される第1、第2の切替え器17、18を備えている。図2(A)に示すように、第1の切替え器17には、パソコン本体13からの画像出力とパソコン本体14からの画像出力を切り換える切替え部19と、パソコン本体13からの2つのPS/2ポートとパソコン本体14からの2つのPS/2ポートと切り換える切替え部20、21が設けられている。これらの切替え部19〜21は連動して切替えられ、第1の切替え器17の出力側の端子22〜24に接続されているディスプレイ25、PS/2接続のキーボード26及びPS/2接続のマウス27を、パソコン本体13とパソコン本体14とのいずれか一方に切替えて接続できるようになっている。ここで、ディスプレイ25、PS/2接続のキーボード26及びPS/2接続のマウス27が第1の外部接続機器を構成する。
【0014】
また、図2(B)に示すように、第2の切替え器18には、パソコン本体13からの画像出力とパソコン本体14からの画像出力を切り換える切替え部28と、パソコン本体13からのUSB端子とパソコン本体14からUSB端子を切り換える切替え部29が設けられている。USBの切替え部29の出力側はキーボードとマウス用に2つのUSBの出力端子30、31を有している。これらの切替え部28、29は連動して切替えられ、第2の切替え器18の出力側の端子32に接続されているディスプレイ33、出力端子30、31に接続されているUSB接続のキーボード34及びUSB接続のマウス35を、パソコン本体13とパソコン本体14とのいずれか一方に切替えて接続できるようになっている。ここで、ディスプレイ33、USB接続のキーボード34及びUSB接続のマウス35が第2の外部接続機器を構成する。
なお、図2(A)、(B)においては、理解を容易にするため各切替え部19〜21及び28、29を有接点式のスイッチで示しているが、無接点式(半導体式)のスイッチであってもよい。これらの切替えは、キーボード26、34やマウス27、35に組み込んでもよく、更には別に設けてもよい。なお、各切替え部19〜21及び28、29の動作は、前記のようにキーボードからの特別な入力を検知して切り換えてもよいし、別にスイッチを設けて切り換えてもよい。
【0015】
従って、以上の構成となったパソコン入力システム10においては、例えば、病院の医師等のメイン入力者側に第1の外部接続機器を構成するディスプレイ25、キーボード26及びマウス27を配置する。そして、アシスタント入力者に第2の外部接続機器を構成するディスプレイ33、キーボード34及びマウス35を配置し、それぞれのパソコン機器11、12の電源をオンにする。
今、パソコン本体13にある電子カルテに入力を行う場合には、メイン入力者が第1の切替え器17をパソコン機器11側に切替えて、ディスプレイ25を見ながら、キーボード26及びマウス27を用いてパソコン本体13にデータ入力を行う。この場合、アシスタント入力者も第2の切替え器18をパソコン機器11側に切り換えて、パソコン本体13の入力状況をディスプレイ33を通じて見ることができる。そして、メイン入力者が入力を間違えた場合あるいはメイン入力者の入力が不足する場合には、自分のキーボード34及びマウス35を用いてパソコン本体13に入力を行うことができる。
【0016】
この場合、メイン入力者はPS/2ポートに接続されるキーボード26及びマウス27を用い、アシスタント入力者はUSB端子に接続されるキーボード34及びマウス35を用いるので、パソコン本体13が動作停止(フリーズ)等の障害を起こすことなく、安定に作業を行える。
また、アシスタント入力者は必要な場合には、第2の切替え器18をパソコン機器12側に切り換えて、パソコン本体14への入力をも行うことができる。また、メイン入力者は必要によって第1の切替え器17を切り換えてパソコン本体14の入力を任意に行うこともできる。
【0017】
【0018】
【発明の効果】
請求項1記載の発明は以上のように、内部又は外部に画像出力を2分する画像出力分配器を備え、キーボード及びマウスについてそれぞれ同時に入力可能な種類A及び種類Bの入力端子を備えた2台のパソコン機器と、種類Aのキーボード及びマウス並びに1のディスプレイからなる第1の外部接続機器と、種類Bのキーボード及びマウス並びに1のディスプレイからなり、第1の外部接続機器とは別位置に配置された第2の外部接続機器と、第1の外部接続機器が接続されるパソコン機器を選択する第1の切替え器と、第2の外部接続機器が接続されるパソコン機器を選択する第2の切替え器とを有し、第1、第2の切替え器を独立に切り換えて、対応する第1、第2の外部接続機器のそれぞれが、2台のパソコン機器のいずれか1を選択して接続可能となっているので、2人のパソコン入力者が同時に同一の又は場合によっては異なるパソコン機器に、外部接続機器を接続して作業を行える。
この場合、キーボード及びマウスのA、B2種類の入力端子は、PS/2ポート及びUSBの接続端子であるので、市販のパソコンを利用してシステムを組むことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係るパソコン入力システムのブロック図である。
【図2】(A)、(B)はそれぞれ第1、第2の切替え器の内部配線を示す説明図である。
【符号の説明】
10:パソコン入力システム、11、12:パソコン機器、13:パソコン本体、13a、13b、13c:出力端子、13d:接続端子、14:パソコン本体、14a、14b、14c:出力端子、14d:接続端子、15、16:画像出力分配器、17:第1の切替え器、18:第2の切替え器、19〜21:切替え部、22〜24:端子、25:ディスプレイ、26:ギーボード、27:マウス、28、29:切替え部、30、31:出力端子、32:端子、33:ディスプレイ、34:キーボード、35:マウス
Claims (1)
- 内部又は外部に画像出力を2分する画像出力分配器を備え、キーボード及びマウスについてそれぞれ同時に入力可能な種類A及び種類Bの入力端子を備えた2台のパソコン機器と、
前記種類Aのキーボード及びマウス並びに1のディスプレイからなる第1の外部接続機器と、
前記種類Bのキーボード及びマウス並びに1のディスプレイからなり、前記第1の外部接続機器とは別位置に配置された第2の外部接続機器と、
前記第1の外部接続機器が接続される前記パソコン機器を選択する第1の切替え器と、
前記第2の外部接続機器が接続される前記パソコン機器を選択する第2の切替え器とを有し、
前記第1、第2の切替え器を独立に切り換えて、対応する前記第1、第2の外部接続機器のそれぞれが、前記2台のパソコン機器のいずれか1を選択して接続可能となって、
前記キーボード及びマウスの種類A、種類Bの入力端子は、それぞれPS/2ポート及びUSBの接続端子であることを特徴とするパソコン入力システム。
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