JP3818767B2 - 粉末成形機及び粉末成形体の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、成形によって得られた粉末成形体の高さ選別を粉末成形と同時に行うことができる粉末成形機及び粉末成形体の製造方法に関し、例えば、キセノン放電管のインナーリードに固着される陰極を製造する場合に用いて好適な粉末成形機及び粉末成形体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近時、粉末を成形し、焼結して各種電子材料、例えば電子放出材料や磁性材料を作製することが行われている。
【0003】
粉末を成形する方法としては、様々な方法があるが、陰極などの小さい部材を成形するには、例えば以下に示すような方法で作製するのが好適である。即ち、例えばリング状の陰極を作製する場合を想定すると、まず、下パンチを所定位置で固定させて、ダイの内周面と下パンチの上端面でキャビティをつくり、該キャビティ内に粉末を充填する。次に、キャビティ内に充填された粉末に対して下方から上方に向かってコアピンを挿入し、この状態から上パンチで前記粉末を加圧する。これによって、粉末が圧縮押圧されて1つの粉末成形体が完成する。この後、粉末成形体を焼結することによって例えば陰極が作製されることになる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述のような粉末成形においては、ダイの内周面によって粉末成形体の外径が決定され、コアピンの外径によって粉末成形体の内径が決定され、上パンチの加圧力によって粉末成形体の高さが決定されることになる。
【0005】
前記下パンチや前記ダイの位置決め固定は、非常に精度よく行うことができるため、粉末成形体の外径及び内径のロット毎のばらつきはほとんどない。一方、粉末成形体の高さについては、陰極などの場合、小さい容積を低圧で成形する必要があるため、キャビティへの粉末の充填量により左右される。また、この粉末の充填量は、フィーダ内の粉末の充填状態により、時間の経過と共に必ず変化することから、本ケースのような場合、高さのばらつきが生ずることは避けられない。
【0006】
粉末成形体の高さに大きなばらつきがあると、後工程への粉末成形体の供給過程においてトラブルが発生しやすく、製造ラインの自動化を図る上で不都合となる可能性が高い。
【0007】
そこで、頻繁に粉末成形体の高さを測定し、上パンチ又は下パンチの加圧力を調整しながら成形機を稼働させる、もしくはキャビティの深さを調整して粉末の充填度を調整することによって、粉末成形体の高さをなるべく一定になるようにするか、粉末成形体の高さに応じて全数を選別するという方法が考えられる。
【0008】
しかし、前者の方法にしても、後者の方法にしても、粉末成形体を数個毎あるいは1つずつというように頻繁に高さを測定しなければならず、しかも、高さ測定装置という粉末成形機とは関連のない別の装置で測定しなければならないため、粉末成形体の測定装置への着脱、計測に時間がかかり、多くの人手と工数がかかるという問題がある。
【0009】
本発明はこのような課題を考慮してなされたものであり、粉末成形と高さ選別を同時に行うことができ、粉末成形体を使用した電子部品の製造ラインの自動化を効率よく図ることができる粉末成形機及び粉末成形体の製造方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る粉末成形機は、粉末をパンチの押圧によって成形して筒状の粉末成形体を得る粉末成形機において、粉末が充填されるキャビティを有し、前記粉末成形体の外径を決めるダイと、前記キャビティに挿入され、軸方向に中空部を有するパンチ部と、前記パンチ部の中空部を挿通し、前記粉末成形体の内径を決めるコアピンとを有する下パンチと、前記ダイを保持し、少なくとも前記下パンチを収容したダイホルダと、前記ダイの前記キャビティに挿入される上パンチと、前記ダイホルダの上面を摺動して前記ダイの前記キャビティに粉末を供給するフィーダと、前記上パンチによる成形時に該上パンチが受ける反力を計測する計測手段とを有し、前記下パンチを駆動して前記パンチ部を前記キャビティに挿入し、前記フィーダを駆動して前記ダイの前記キャビティに粉末を充填し、前記下パンチを駆動して前記コアピンを前記キャビティに挿通し、前記フィーダを後退させた後、前記上パンチを前記キャビティに挿入して、前記キャビティに充填されている粉末を前記上パンチと前記下パンチとで加圧して粉末成形体を作製するように制御し、前記上パンチで前記キャビティ内の粉末を押圧する際に、前記計測手段にて計測された反力に基づいて前記粉末成形体の高さ選別を行うことを特徴とする。
【0012】
これにより、粉末は、パンチの押圧によって圧縮されて所定の形状を有する粉末成形体となるが、このパンチの押圧時に、粉末成形体はパンチから加圧力を受けることになる。この加圧力を測定することにより、粉末成形体の高さを間接的に計測することが可能となる。従って、前記加圧力に基づいて粉末成形体を高さを基準として選別することができる。
【0013】
このように、本発明によれば、粉末成形と高さ選別を同時に行うことができ、粉末成形体を使用した電子部品の製造ラインの自動化を効率よく図ることができる。
【0014】
そして、前記粉末成形体が受ける加圧力の測定は、前記パンチが成形時に受ける反力を測定することで行うことができる。即ち、前記パンチの押圧時に、パンチも粉末から反力を受けることになる。この反力は粉末成形体が受ける加圧力に相当し、この反力は、成形後の粉末成形体の高さにほぼ比例するという関係がある。従って、この反力を測定することにより、粉末成形体の高さを間接的に計測することが可能となる。従って、前記反力に基づいて粉末成形体を高さを基準として選別することができる。
【0015】
また、本発明に係る粉末成形体の製造方法は、粉末が充填されるキャビティを有し、作製される筒状の粉末成形体の外形を決めるダイと、前記キャビティに挿入され、軸方向に中空部を有するパンチ部と、該パンチ部の中空部を挿通し、前記粉末成形体の内径を決めるコアピンとを有する下パンチと、前記ダイを保持し、少なくとも前記下パンチを収容したダイホルダと、前記ダイの前記キャビティに挿入される上パンチと、前記ダイホルダの上面を摺動して前記ダイの前記キャビティに粉末を供給するフィーダと、前記上パンチによる成形時に該上パンチが受ける反力を計測する計測手段とを有する粉末成形機を使用して粉末成形体を作製する粉末成形体の製造方法であって、前記下パンチを駆動して前記パンチ部を前記キャビティに挿入し、前記フィーダを駆動して前記ダイの前記キャビティに粉末を充填し、前記下パンチを駆動して前記コアピンを前記キャビティに挿通し、前記フィーダを後退させた後、前記上パンチを前記キャビティに挿入して、前記キャビティに充填されている粉末を前記上パンチと前記下パンチとで加圧して粉末成形体を作製し、前記上パンチで前記キャビティ内の粉末を押圧する際に、前記計測手段にて計測された反力に基づいて前記粉末成形体の高さ選別を行うことを特徴とする。
【0017】
このように、本発明によれば、粉末成形と高さ選別を同時に行うことができ、粉末成形体を使用した電子部品の製造ラインの自動化を効率よく図ることができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る粉末成形機及び粉末成形体の製造方法を例えばキセノン放電管に組み込まれる陰極を製造するための粉末成形機に適用した実施の形態例(以下、単に実施の形態に係る粉末成形機と記す)を図1〜図6を参照しながら説明する。
【0028】
本実施の形態に係る粉末成形機10は、図1に示すように、鉛直方向に立ち上がる支持台12と、粉末成形を行うための上パンチ14及び下パンチ16(図2参照)と、下パンチ16を上下方向に移動駆動するための下パンチ駆動機構18と、上パンチ14の先端を下パンチ16の先端に対して接近/離反する方向に移動駆動する上パンチ駆動機構20と、上パンチ14を支持する上部ラム22を有して構成されている。
【0029】
支持台12の正面側には、上部ラム22を上下移動可能に支持するための第1及び第2の案内部材24及び26と、下パンチ16等が収められたダイホルダ28が固定されている。
【0030】
図2に示すように、下パンチ16及び下パンチ駆動機構18は前記ダイホルダ28内に設けられ、該ダイホルダ28の上面にはキャビティ30の周面を規定するための平面ほぼリング状のダイ32が組み込まれている。
【0031】
ダイホルダ28の上部には、内径がダイ32の外径とほぼ同じか僅かに大とされた凹部34を有し、該凹部34の底部中央には、下パンチ16における支持部16aの外径よりも大とされた貫通孔36が設けられている。凹部34の深さは、ダイ32の高さとほぼ同じとされている。ダイ32は内径が貫通孔36の径よりも小で、かつ、下パンチ16におけるパンチ部16bの外径とほぼ同じか僅かに大とされている。また、下パンチ16は、その中心に軸方向に貫通する中空部(図示せず)を有する。この中空部は、粉末成形体の内径を決定するためのコアピン38が挿通されるようになっている。
【0032】
そして、前記下パンチ16は下パンチ駆動機構18にて上下方向に移動され、コアピン38は、前記下パンチ駆動機構18とは別の駆動機構(コアピン駆動機構40)にて上下方向に移動されるようになっている。
【0033】
一方、上部ラム22は、図2に示すように、中心に軸方向に貫通する中空部50を有する円筒状の例えば金属製のラム本体52と、該ラム本体52の上部に例えばねじ込みによって固定される円筒状のラムヘッド54とを有して構成されている。ラム本体52は、その外周面のうち、軸方向ほぼ中央部分に、ある範囲にわたってネジ56が切られ、それ以外の部分(上端部58及び下端部60)は共に滑らかな面とされている。
【0034】
図1に示すように、支持台12に固定された第1の案内部材24は、全体としてリング状の形状を有し、ラム本体52の上端部58の径とほぼ同じか僅かに大とされた貫通孔62を有する。また、第2の案内部材26は、前記第1の案内部材24と同様に、全体としてリング状の形状を有し、ラム本体52の下端部60の径とほぼ同じか僅かに大とされた貫通孔64を有する。
【0035】
ラムヘッド54には、該ラムヘッド54の下部にねじ込まれたラム本体52をガイドするためのアーム66が水平方向に突出するように一体に形成され、該アーム66の端部には内部にスライドボール軸受け68が取り付けられた軸用止め輪70が設けられている。前記スライドボール軸受け68には、支持台12に直立して設けられたガイド軸72が挿通されるようになっている。
【0036】
ラム本体52のネジ56が切られた部分には、上パンチ14の加圧力を調整するための2つの加圧調整用割ナット(第1及び第2の割ナット80及び82)が取り付けられ、これら第1及び第2の割ナット80及び82の間に、上下駆動レバー84の先端部86が位置するようになっている。
【0037】
上下駆動レバー84は、支軸88を中心に上下方向に揺動するようになっており、その先端部86における各割ナット80及び82と当たる部分には、衝撃をやわらげるため及び摩耗用の交換部品としての緩衝材90が取り付けられてる。
【0038】
そして、上下駆動レバー84が既知の駆動源(モータ)によって上下に揺動すると、まず、上下駆動レバー84の上方への変位駆動によって、第1の割ナット80が上方に押圧変位され、このときのラムガイドアーム66におけるスライドボール軸受け68のガイド軸72による案内と、ラム本体52の上下端部の第1及び第2の案内部材24及び26による案内によって、前記ラム本体52は、高精度に鉛直方向に沿って上方に移動することになる。
【0039】
反対に、上下駆動レバー84が下方に変位駆動すると、第2の割ナット82が下方に押圧変位され、前記ラム本体52は、高精度に鉛直方向に沿って下方に移動する。
【0040】
即ち、前記上下駆動レバー84と第1及び第2の割ナット80及び82にて上パンチ駆動機構20が構成されることになる。
【0041】
一方、図3に示すように、ラム本体52の中空部50内には、鉛直方向に沿って下方に延在する連結棒100が配され、該連結棒100の上部には例えば円盤状の支持板102がねじ込まれている。
【0042】
また、支持板102の上部にはロードセル104が設置され、該ロードセル104の上部には前記ラムヘッド54の上部開口を閉塞するように円盤状のロードセルホルダ106が設置されて、ロードセル104及びラムヘッド54とそれぞれボルト108及び110を介して固定されている。
【0043】
前記連結棒100の先端(下端)には、上パンチホルダ112がボルト114を介して固着され、ラム本体52の下端と上パンチホルダ112との間には薄いウレタンゴム116が取り付けられている。
【0044】
前記上パンチホルダ112は、前記連結棒100の下端に固着される上部材112Aと該上部材112Aの下面にボルト締めによって固着される下部材112Bとを有して構成される。下部材112Bの下面中央部分には下方に突出する円柱部118が一体に設けられ、該円柱部118の下面に上パンチ14がボルト締めによって固着されている。
【0045】
上パンチ14には、下パンチ16の中空部(図示せず)に上下移動自在に取り付けられたコアピン38の先端部分が挿入される逃げ用の孔120が設けられ、前記上パンチホルダ112における前記円柱部118の側面から前記孔120に向かってエアー導入孔122が設けられている。このエアー導入孔122を通じてエアーを逃げ用の孔120に送り込むことにより、逃げ用の孔120への粉末のつまりは有効に防止されることになる。
【0046】
また、この粉末成形機10は、例えば図4Aに模式的に示すように、テーブル130を構成するダイホルダ28の上面を摺動してダイ32のキャビティ30に粉末を供給するためのフィーダ132と、該フィーダ132を移動駆動するフィーダ駆動機構134を有する。
【0047】
フィーダ132は、粉末136が供給される例えばアクリル製の粉末ガイド138と、該粉末ガイド138がねじ止めされ、該粉末ガイド138に供給された粉末136が下方に落ちるように開口部140aが設けられた例えば真鍮からなる部材140を有する。フィーダ駆動機構134は、部材140をテーブル130の上面に沿って摺動させて、粉末ガイド138の下面開口をパンチ位置から離れた位置(初期位置)とパンチ位置を含む位置との間を行き来するように往復運動させるように構成されている。
【0048】
本実施の形態に係る粉末成形機10は、基本的には以上のように構成されるものであり、次にその作用効果について図4A〜図5Cを参照しながら説明する。
【0049】
まず、図4Aに示すように、前回のサイクルで成形された粉末成形体150は、下パンチ16による押し上げによって、その全体がテーブル130上に露出した状態とされる。このとき、下パンチ16は上死点に達した状態になっている。
【0050】
次に、図4Bに示すように、フィーダ駆動機構134による駆動によって、フィーダ132がダイ32に向かって水平に移動される。このフィーダ132の水平移動によって、部材140の先頭部分が粉末成形体150をテーブル130の外に押し出し、該粉末成形体150は、シュート152を通して図示しない回収箱内に収容される。
【0051】
前記フィーダ132の移動に伴って粉末ガイド138の下面開口がダイ32のキャビティ30を含む位置に到達した時点で、下パンチ駆動機構18とコアピン駆動機構40(図2参照)の駆動により、下パンチ16とコアピン38はほぼ同時に下方に移動される。
【0052】
前記下パンチ16とコアピン38の下方移動によって、ダイ32に粉末136が充填されるべきキャビティ30が形成されていくことになるが、下パンチ16の上端位置が所定位置、即ち、ダイ32のキャビティ30の深さが所定の充填深さLとなった時点で下パンチ16とコアピン38の下方移動が停止される。
【0053】
前記下パンチ16の下方移動と共にフィーダ132における粉末ガイド138内の粉末136がキャビティ30内に充填されていくことになる。
【0054】
次に、図4Cに示すように、フィーダ132に振動を付与して、キャビティ30内への粉末136の充填を促進させる。次に、図5Aに示すように、コアピン駆動機構40(図2参照)を通じてコアピン38のみを上方に移動させる。図5Bに示すように、コアピン38の上端がテーブル130の上面とほぼ一致した段階で、フィーダ駆動機構134を通じてフィーダ132を初期位置に移動させる。
【0055】
そして、図5Cに示すように、上パンチ駆動機構20(図2参照)を通じてラム本体52を下方に移動させて、キャビティ30内に充填されている粉末136を上パンチ14と下パンチ16とで加圧する。キャビティ30内に充填された粉末136は、前記上パンチ14及び下パンチ16の加圧によって圧縮されて所定の形状を有する粉末成形体150となる。
【0056】
この場合、作製された粉末成形体150の外径は、ダイ32の内径で決定され、粉末成形体150の内径はコアピン38の外径で決定され、粉末成形体150の高さは、粉末136の充填率で決定されることになる。
【0057】
ところで、上パンチ14で粉末136を押圧する際、上パンチ14も粉末136から反力を受けることになる。この反力は、粉末136が受ける加圧力に相当するため、以後の説明では、上パンチ14が受ける反力を加圧力と記す。
【0058】
従って、加圧時の粉末136の高さ(即ち、粉末成形体150の高さ)に応じて加圧時における上パンチ14の下端位置が変わることになり、この下端位置が上方に位置するほど、連結棒100を介して支持板102(図3参照)に加わる力が増加することとなる。
【0059】
粉末成形体150の高さは、上述したように、キャビティ30内に投入された粉末136の充填量が多いほどその高さが大きくなる。この粉末成形体150の高さが大きくなるほど、上パンチ14が支持板102を押す力が増し、ロードセル104で計測される値が増えることになる。即ち、図3に示す少なくとも連結棒100、支持板102及びロードセル104は、上パンチ14と下パンチ16による粉末136の成形時に上パンチ14が受ける加圧力を測定するための機構(加圧力検出機構)を構成することになる。
【0060】
ここで、1つの実験例を示す。この実験例は、図1〜図3に示す粉末成形機10において、径が1.5mm、充填深さLが5.2mmのキャビティ30内にNi粉末を充填して粉末成形し、作製された粉末成形体150のうち、高さが1.3〜1.55mmの範囲内にあるものをサンプルとして、各サンプルの粉末成形時におけるロードセル104の計測値と高さとの関係をプロットした。なお、ロードセル104の取付け時の初期値は5.8kgfとしており、必ず僅かに負荷をかけるようにしている。次に、空打ちで0kgfになるように、ロードセル104の表示計をリセットして調整する。
【0061】
前記実験例の結果を図6に示す。この結果から、作製された粉末成形体150の高さとロードセル104の計測値との間に明確な比例関係が得られていることがわかる。
【0062】
このように、本実施の形態に係る粉末成形機10においては、粉末成形体150の高さが大きくなるに従ってロードセル104で計測される値が大きくなるため、ロードセル104での計測値に基づいて粉末成形体150の高さ選別を容易に行うことが可能となる。
【0063】
特に、前記粉末成形によって得られる粉末成形体150の高さと前記上パンチ14が受ける加圧力との特性上、ほぼ比例関係にある部分を使用して前記粉末成形体150の高さ選別を行うことが好ましい。図6の実験結果からみると、例えば次工程に送るべき粉末成形体150の高さを1.3〜1.5mmの範囲内にしたい場合は、ロードセル104の出力が15〜35kgfの範囲内のものを採用し、それ以外のものをNGとして排除すればよい。
【0064】
また、作製される粉末成形体150の高さが1.3〜1.5mmの範囲内に入るように、例えば第1及び第2の割ナット80及び82の配置位置を変更したり、あるいは重さの異なる割ナットを取り付ける等により、上パンチ14による加圧力を調整する、又は、キャビティ30の深さを調整して粉末136の充填量を調整するようにしてもよい。この場合、次工程に送るべき粉末成形体150の個数が増加し、結果的にキセノン放電管の歩留まりを高めることができる。
【0065】
なお、この発明に係る粉末成形機及び粉末成形体の製造方法は、上述の実施の形態に限らず、この発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもちろんである。
【0066】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る粉末成形機及び粉末成形体の製造方法によれば、粉末成形と高さ選別を同時に行うことができ、粉末成形体を使用した電子部品の製造ラインの自動化を効率よく図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係る粉末成形機の構成を示す側面図である。
【図2】本実施の形態に係る粉末成形機の構成を一部破断して示す正面図である。
【図3】本実施の形態に係る粉末成形機の加圧力検出機構の構成を一部省略して示す断面図である。
【図4】図4Aは前回成形された粉末成形体を下パンチで押し上げた段階を示す工程経過図であり、図4Bはフィーダをパンチ位置まで移動させた後に下パンチ及びコアピンを下方に移動させてキャビティを形成した段階を示す工程経過図であり、図4Cはキャビティ内に粉末を充填させた段階を示す工程経過図である。
【図5】図5Aはコアピンを上方に移動させた段階を示す工程経過図であり、図5Bはフィーダを初期位置に戻した段階を示す工程経過図であり、図5Cは上パンチと下パンチとで粉末を加圧して粉末成形体を作製した段階を示す工程経過図である。
【図6】作製された粉末成形体の高さとロードセルの計測値(加圧力)との関係を示す特性図である。
【符号の説明】
10…粉末成形機 14…上パンチ
16…下パンチ 22…上部ラム
28…ダイホルダ 30…キャビティ
32…ダイ 38…コアピン
52…ラム本体 54…ラムヘッド
84…上下駆動レバー 100…連結棒
102…支持板 104…ロードセル
112…上パンチホルダ 130…テーブル
132…フィーダ 136…粉末
150…粉末成形体
Claims (5)
- 粉末をパンチの押圧によって成形して筒状の粉末成形体を得る粉末成形機において、
粉末が充填されるキャビティを有し、前記粉末成形体の外径を決めるダイと、
前記キャビティに挿入され、軸方向に中空部を有するパンチ部と、前記パンチ部の中空部を挿通し、前記粉末成形体の内径を決めるコアピンとを有する下パンチと、
前記ダイを保持し、少なくとも前記下パンチを収容したダイホルダと、
前記ダイの前記キャビティに挿入される上パンチと、
前記ダイホルダの上面を摺動して前記ダイの前記キャビティに粉末を供給するフィーダと、
前記上パンチによる成形時に該上パンチが受ける反力を計測する計測手段とを有し、
前記下パンチを駆動して前記パンチ部を前記キャビティに挿入し、前記フィーダを駆動して前記ダイの前記キャビティに粉末を充填し、前記下パンチを駆動して前記コアピンを前記キャビティに挿通し、前記フィーダを後退させた後、前記上パンチを前記キャビティに挿入して、前記キャビティに充填されている粉末を前記上パンチと前記下パンチとで加圧して粉末成形体を作製するように制御し、
前記上パンチで前記キャビティ内の粉末を押圧する際に、前記計測手段にて計測された反力に基づいて前記粉末成形体の高さ選別を行うことを特徴とする粉末成形機。 - 請求項1記載の粉末成形機において、
前記上パンチは、前記コアピンの先端部分が挿入される孔と、前記上パンチを保持する上パンチホルダの側面に設けられ、前記孔に連通するエアー導入孔とを有することを特徴とする粉末成形機。 - 請求項1又は2記載の粉末成形機において、
前記フィーダは、前記粉末が供給される粉末ガイドと、該粉末ガイドに供給された前記粉末が下方に落ちるように開口部とを有することを特徴とする粉末成形機。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載の粉末成形機において、
前記フィーダに振動を付与する手段を有することを特徴とする粉末成形機。 - 粉末が充填されるキャビティを有し、作製される筒状の粉末成形体の外形を決めるダイと、
前記キャビティに挿入され、軸方向に中空部を有するパンチ部と、該パンチ部の中空部を挿通し、前記粉末成形体の内径を決めるコアピンとを有する下パンチと、
前記ダイを保持し、少なくとも前記下パンチを収容したダイホルダと、
前記ダイの前記キャビティに挿入される上パンチと、
前記ダイホルダの上面を摺動して前記ダイの前記キャビティに粉末を供給するフィーダと、
前記上パンチによる成形時に該上パンチが受ける反力を計測する計測手段とを有する粉末成形機を使用して粉末成形体を作製する粉末成形体の製造方法であって、
前記下パンチを駆動して前記パンチ部を前記キャビティに挿入し、
前記フィーダを駆動して前記ダイの前記キャビティに粉末を充填し、
前記下パンチを駆動して前記コアピンを前記キャビティに挿通し、
前記フィーダを後退させた後、前記上パンチを前記キャビティに挿入して、前記キャビティに充填されている粉末を前記上パンチと前記下パンチとで加圧して粉末成形体を作製し、
前記上パンチで前記キャビティ内の粉末を押圧する際に、前記計測手段にて計測された反力に基づいて前記粉末成形体の高さ選別を行うことを特徴とする粉末成形体の製造方法。
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