JP3818564B2 - プリンタ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、デジタル化された画像データに基づいて被写体画像のハードコピーを得るプリンタ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
CCDイメージセンサなどにより光学的な被写体画像を電気的な撮像信号に変換し、さらにデジタル変換して得られた画像データをメモリに保存するようにした携帯型の電子スチルカメラが普及している。メモリに記憶した画像データは、適宜に読み出され、カメラボディに組み込まれた液晶(LCD)表示パネルのほか、CRTモニタやパーソナルコンピュータなどの外部機器を利用して被写界画像を再生することができる。
【0003】
また、画像データの記憶に用いられている内蔵型のメモリには、一般にフラッシュメモリと称される高速アクセスが可能なDRAMが用いられ、画像データの消去,書き換えが可能である。したがって、不要になった画像データの消去や新たな画像データへの更新なども簡便に行うことができ、電子スチルカメラは記憶媒体を繰り返し使用することができるという写真カメラにはない特長を有している。また、画像データの記憶には、前記フラッシュメモリあるいはハードディスクなどの内蔵型のメモリだけでなく、着脱式のメモリカードやフレキシブル磁気シートなどの利用も可能である。
【0004】
一方、ビデオプリンタを利用することによって、フラッシュメモリ等に記憶した画像データに基づいて被写体画像のハードコピーを得ることも可能となっている。ビデオプリンタには、レーザプリンタ、感熱転写プリンタ、インクジェットプリンタなどがある。従来から用いられているこれらのビデオプリンタはいずれも据え置き型のもので、ハードコピーを作成する際には、電子スチルカメラのフラッシュメモリから読み出した画像データをこれらのプリンタに転送し、あるいはメモリカードや磁気シートなどの記憶媒体から画像データをプリンタに転送してプリントを行っている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
電子スチルカメラは数十コマ程度の画像データを繰り返し使用可能なメモリに保存しておくことができ、画像データを適宜に読み出して簡便に画像を再生することはできるものの、プリンタが据え置き型のものであるため、出先で撮像したときにその場でハードコピーが得にくいという難点がある。これは、従来のプリンタが熱エネルギーを多大に消費するため大電力の電源を必要とすることや、プリンタそのものの構造上、簡便に携帯できる程度にまで小型化できないことが理由である。
【0006】
本発明は上記事情を考慮してなされたもので、小型化が可能で、かつ、濃度むら及び色むらの発生を抑えることが可能なプリンタ装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のプリンタ装置は、主走査方向に多数の有機発光素子を並べてなる有機発光素子アレイを、複数の色分だけ副走査方向に並べて構成された発光ヘッドを備え、この発光ヘッドに対して感光材料を副走査方向に相対的に移動させながら、デジタル化された1ラインごとの画像データに基づいて、前記感光材料の感光面を前記複数の色で露光するプリンタ装置であって、前記発光ヘッドと前記感光材料との相対速度を検出する速度検出手段と、この速度検出手段によって検出された相対速度に応じて前記発光ヘッドの発光タイミングを制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、画像データに応じて決まる前記発光ヘッドの発光時間を、一定数に分割して、前記相対速度に応じて決まる1プリントサイクルに均等に分散させるものである。なお、前記速度検出手段は、前記感光材料上に副走査方向に沿って一定ピッチでマークが配置されてなる速度検出用トラックに対して赤外線を投光する投光器と、この反射光を受光する受光器と、この受光器の検出信号に基づいて前記相対速度を求める信号処理回路とからなることが好ましい。
【0008】
また、発光ヘッドは、発光スペクトルのピーク波長が380〜500nm、500〜600nm、及び600〜740nmの少なくとも3種類の有機発光素子アレイを備える構成にする。この場合、3種類の有機発光素子アレイは、それぞれの発光スペクトルのピーク波長が互いに少なくとも50nm離れるようにするのが好ましい。また、ピーク波長が500〜600nmの有機発光素子アレイは、発光スペクトルの半値幅を80nm以下にすることが望ましい。
【0009】
また、本発明のプリンタ装置を、被写体画像を撮像して撮像信号を出力するイメージセンサと、撮像信号をデジタル変換した画像データを記憶するメモリとを備えた電子スチルカメラに内蔵し、メモリから読み出された画像データに基づいて、前記感光材料に被写体画像を露光することが好ましい。
【0010】
また、前記感光材料として、感光面に展開される現像液を内包した現像液ポッドを有するインスタントフイルムを使用し、展開ローラによって、前記現像液ポッドの現像液を前記感光面に展開させて現像転写を行うことが好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】
図2は、本発明のプリンタ装置を内蔵した電子スチルカメラの正面側の外観を示す斜視図である。電子スチルカメラ10は薄型箱状に形成されており、カメラボディ11内に、撮像部とプリンタ部とが配置されている。そして、カメラボディ11には電池室を兼ねたグリップ部12が設けられている。グリップ部12は正面から見て左側に配置されており、内部に電池13(図4参照)が収納されている。
【0012】
カメラボディ11の正面中央部には撮影レンズ14が設けられている。この撮影レンズ14の背後には、CCDイメージセンサを含む撮像部15(図1参照)が設けられている。また、撮影レンズ14の近くにはAE受光部16が設けられている。このAE受光部16からの被写体輝度信号は図示しないAE調節部に送られ、ここで、撮影に際して周知のように自動露光調節がされる。また、グリップ部12の近くでその上部にはシャッタボタン17が設けられている。シャッタボタン17を押すと撮影レンズ14を通して一回の撮像が行われる。なお、必要に応じて、ストロボ発光部や、オートフォーカス装置、ズームレンズ等を設けてもよい。
【0013】
図3に示すように、カメラボディ11の裏面にはパック装填蓋23が設けられている。パック装填蓋23は、ボディ11の下部にヒンジ部24を介して開閉自在に取り付けられている。このパック装填蓋23は通常は閉じ位置にロックされており、図1に示すように、フイルムパック25を装填したり取り出したりするときに、スライドつまみ26を操作することにより開放される。パック装填蓋23の上方で右側にはカウンタ窓27が設けられており、このカウンタ窓27には、インスタントフイルム28の使用枚数が表示される。
【0014】
パック装填蓋23には、液晶表示パネル(LCDパネル)21と操作パネル22とが配置されている。LCDパネル21は、撮影レンズ14を通して撮像される被写体画像をリアルタイムで表示し、いわゆる電子ビューファインダーを構成している。操作パネル22には、撮像/再生のモード切替えキー,コマ選択キー,プリントスタートキー,画像データの消去ボタン,外部機器との間で画像データの入出力を行うための切替えキーなどが設けられている。
【0015】
フイルムパック25は、プラスチック製ケース29と、これに積層して収納される例えば10枚のモノシートタイプのインスタントフイルム28とから構成されており、図示しないバネ板により最上層のインスタントフイルム28がケース29の露光開口29aに位置するように付勢されている。
【0016】
インスタントフイルム28は、本出願人などにより商品化されてすでに広く普及しており、感光シート、受像シート、及び現像処理液を内包したポッド、余剰の現像液を吸収するトラップ部を基本的な構成要素としている。そして、感光シートに露光を与えることによって光化学的に潜像を形成した後、この感光シートと受像シートとを重ね合わせ、その両者間に現像処理液を展開しながら両シートを加圧することによって受像シートにポジ画像が転写される。
【0017】
カメラボディ11内には、フイルムパック25の露光開口29aに位置したインスタントフイルム28にフルカラー画像を記録するプリンタ部30が配置されている。プリンタ部30は、マルチ発光ヘッド31と、フイルム送り出し部32とから構成されており、フイルム送り出し部32によるインスタントフイルム28の送り出しに同期させてマルチ発光ヘッド31を駆動することにより、1回のスキャニングでフルカラー画像がインスタントフイルム28に記録される。
【0018】
更に、このフイルム送りで、展開ローラ33により現像液ポッド28a内の現像液が展開され、現像転写される。この現像転写済みのインスタントフイルム28は、カメラボディ11の上面に配置されたスリット状の排出口35から排出される。展開ローラ33による現像処理液の展開が行われると、その1分〜数分程度の間にインスタントフイルム28上にポジ画像が得られる。
【0019】
図4に示すように、フイルム送り出し部32は、1対の展開ローラ33とその駆動機構34とから構成されている。展開ローラ33及びその駆動機構34は、例えば特開平4−194832号公報などに記載されたように、従来のインスタントカメラに用いられているものと同じでよく、その機能も全く同一である。すなわち、これらは展開モータ36の駆動によりフイルムパック25の中から露光済みのインスタントフイルム28を送り出し、また送り出しながら現像処理液の展開を行うために用いられる。
【0020】
周知のように、駆動機構34はクロー爪及びその移動機構を含む。クロー爪は、展開モータ36の駆動により作動して露光済みのインスタントフイルム28の下端を上方に押し出し、インスタントフイルム28の上端を一対の展開ローラ33の間に送り込む。この時点で展開ローラ33は回転しているから、以後は展開ローラ33によってインスタントフイルム28が上方へと搬送される。
【0021】
展開ローラ33は2本1組で構成され、これらを対向して配置したものであり、図示しないコイルバネの付勢によりインスタントフイルム28を挟んだ状態で回転し、インスタントフイルム28を排出口へ送り出す。インスタントフイルム28の上端部分には周知のように現像処理液を内包したポッド28aが設けられているので、この部分が展開ローラ33を通過することで、ポッド28aが破れて、現像処理液が感光シートと受像シートとの間に展開される。
【0022】
図5に示すように、マルチ発光ヘッド31は、その長手方向(矢印Mで示す主走査方向)がインスタントフイルム28の搬送方向(矢印Sで示す副走査方向)に対して直交するように、フイルムパック25の露光開口29aの上端近くに配置されている。なお、図5中の符号29bは、露光済みのインスタントフイルム28をフイルムパック25の外に送り出すときに前記クロー爪が入り込む切り欠きを示す。
【0023】
図6に、マルチ発光ヘッド31の断面を示す。マルチ発光ヘッド31は、ケース40内に有機発光素子アレイユニット41と微小レンズアレイ(セルフォックレンズ群、あるいは微小レンズ群などで形成される)42とを配置して構成される。有機発光素子アレイユニット41は、発光スペクトルのピーク波長が600〜740nmである赤色(R)領域有機発光素子アレイ43と、発光スペクトルのピーク波長が500〜600nmである緑色(G)領域有機発光素子アレイ44と、発光スペクトルのピーク波長が380〜500nmである青色(B)領域有機発光素子アレイ45とから構成されている。有機発光素子アレイ43〜45は、インスタントフイルム28の幅方向(主走査方向)に長く構成され、インスタントフイルム28の送り方向(副走査方向)に並べて設けられている。
【0024】
図7に示すように、有機発光素子アレイ43〜45は、それぞれ微小な有機発光素子43a,44a,45aを主走査方向に一列に整列させて構成されている。そして、有機発光素子43a,44a,45aは、個々がプリントを行うときの1画素に対応しており、記録する画素に応じてその発光輝度及び発光時間が制御される。
【0025】
微小レンズアレイ42は、画素ごとのプリント光が他の画素位置まで広がることを防止する。また、微小レンズアレイ42は、R,G,Bの各光をインスタントフイルム28の感光面上に1ラインで合焦させるように、中央部のG光用セルフォックレンズ42bに対して、両側のR光用及びB光用のセルフォックレンズ42a,42cを傾斜して配置してある。
【0026】
なお、有機発光素子の指向性が高い場合には、微小レンズアレイ42を除去することもできる。また、有機発光素子アレイ43〜45から微小レンズアレイ42までの光路中に、必要に応じてバンドパスフィルターを設けてもよい。バンドパスフィルターは、有機発光素子の発光スペクトルの半値幅を小さくして、インスタントフイルム28への露光時の分光混色を低減させ、得られる画像の色再現性を高めるのに有効である。
【0027】
本発明では、3種類の有機発光素子アレイ43〜45に対応させて、少なくとも3種類の有機発光素子(有機EL素子という場合もある)を用いる。3種類の有機発光素子は、発光スペクトルのピーク波長が600nm〜740nm(便宜上、R光領域と称す)、500nm〜600nm(G光領域)、及び380nm〜500nm(B光領域)であり、610nm〜720nm、510nm〜590nm、及び400nm〜490nmとするのがより好ましい。また、上記3種類の有機発光素子は、それぞれの発光スペクトルのピーク波長が、互いに少なくとも50nm離れていることが色分離上望ましい。
【0028】
また、スペクトルの半値幅は、中央領域であるピーク波長500nm〜600nmの素子では重要で、80nm以下とするのが好ましい。ピーク波長が380nm〜500nm、600nm〜740nmの各素子についてはこの限りではなく、ピーク波長が、例えば410nmであれば半値幅は150nmでも使用できるし、また、例えば680nmであれば半値幅は150nmでも使用できる。
【0029】
本発明の有機発光素子に使用する陽極材料としては、透明基板上に酸化錫、酸化錫インジウム(ITO)、酸化亜鉛インジウムなどの透明電極(陽極)を設け、その上に発光層を含む少なくとも1層の有機化合物層(膜厚は有機化合物層トータルで10nm〜1μmであることが望ましい)を設置し、さらにこの上に、Mg−Ag、Al、Li−Al、Caなどの陰極を設置した構成のものがよい。また、基板(この場合は、透明である必要はない)上に上記陰極をまず設け、その上に発光層を含む少なくとも1層の有機化合物層を設置し、さらにこの上に上記透明電極を設置した構成のものでもよい。後者の場合、一般の電気回路基板に用いられているガラスファイバーやセラミックス入りのコンポジット材を使用してもよい。
【0030】
有機化合物を含む素子の具体的な構成としては、陽極/ホール輸送層/発光層/陰極、陽極/発光層/電子輸送層/陰極、陽極/ホール輸送層/発光層/電子輸送層/陰極、陽極/発光層/陰極などが挙げられる(逆の構成でもよい)。また、発光層、ホール輸送層、電子輸送層を複数層設けたり、ホール注入層や電子注入層を設けてもよい。図8に、有機発光素子の一般的な層構成例を示す。
【0031】
なお、有機発光素子として使用する陽極材料の構成としては、上記の構成に加えて、陽極とホール輸送層(ホール輸送層を設けないときは発光層)との間に、陽極に接するように導電性高分子層を設置してもよい。この層を設置することにより、駆動電圧がほとんど上昇することなく、有機化合物層の膜厚を大きくすることができ、輝度ムラやショートが改善される。
【0032】
導電性高分子としては、WO−98/05187等に記載のポリアニリン誘導体、ポリチオフェン誘導体、及びポリピロール誘導体が好ましい。これらの誘導体は、プロトン酸(例えば、樟脳スルホン酸、p−トルエンスルホン酸、スチレンスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸等)と混合した状態で使用することができる。また、これらの誘導体は、必要に応じて他の高分子(例えば、ポリメチルメタクリレート(PMMA)や、ポリ−N−ビニルカルバゾール(PVCz)等)と混合して使用することもできる。なお、導電性高分子層の表面抵抗は10000Ω/□以下が望ましい。また、導電性高分子層の膜厚は10nm〜1000nmが好ましく、特に20nm〜200nmが望ましい。
【0033】
本発明の有機発光素子に使用できる発光層としては、電子輸送性発光層であっても、ホール輸送性発光層であってもよい。発光層は、少なくとも一種の発光材料を含有する。
【0034】
発光材料としては、励起されて蛍光を発することのできるものであればよく、特に限定するものではない。例えば、オキシノイド化合物、ペリレン化合物、クマリン化合物、アザクマリン化合物、オキサゾール化合物、オキサジアゾール化合物、ペリノン化合物、ピロロピロール化合物、ナフタレン化合物、アントラセン化合物、フルオレン化合物、フルオランテン化合物、テトラセン化合物、ピレン化合物、コロネン化合物、キノロン化合物及びアザキノロン化合物、ピラゾリン誘導体及びピラゾロン誘導体、ローダミン化合物、クリセン化合物、フェナントレン化合物、シクロペンタジエン化合物、スチルベン化合物、ジフェニルキノン化合物、スチリル化合物、ジスチリルベンゼン化合物、ブタジエン化合物、ジシアノメチレンピラン化合物、ジシアノメチレンチオピラン化合物、フルオレセイン化合物、ピリリウム化合物、チアピリリウム化合物、セレナピリリウム化合物、テルロピリリウム化合物、芳香族アルダジエン化合物、オリゴフェニレン化合物、キサンテン化合物及びチオキサンテン化合物、シアニン化合物、アクリジン化合物、アクリドン化合物、キノリン化合物、8−ヒドロキシキノリン化合物の金属錯体、ベンゾキノリノールベリリウム錯体、2,2’−ビピリジン化合物の金属錯体、シッフ塩とIII族金属との錯体、オキサジアゾール化合物の金属錯体、希土類錯体等が用いられる。
【0035】
これらの発光材料は、単独で用いても、複数を併用してもよい。また、キャリア輸送性の高分子中に分子分散させるか、あるいは低分子キャリア輸送剤と発光材料をキャリア輸送性のない高分子中に分子分散させて使用してもよい。
【0036】
また、高分子発光材料を用いることも好ましい。高分子発光材料としては、ポリ−p−フェニレンビニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体、ポリチオフェン誘導体等のπ共役系の他、低分子色素とテトラフェニルジアミンやトリフェニルアミンを主鎖や側鎖に導入したポリマー等が挙げられる。また、高分子発光材料と低分子発光材料とを混合して使用することもできる。
【0037】
なお、電子輸送性の高分子とは、電子受容性基を側鎖あるいは主鎖中に有する高分子をいい、ホール輸送性の高分子とは、電子供与性基を側鎖あるいは主鎖中に有する高分子をいう。また、キャリア輸送性のない高分子とは、ポリメチルメタクリレートやポリメチルアクリレート、ポリスチレン、ポリカーボネートのような電気的に不活性な高分子をいう。さらに、キャリア輸送性のないときに使用する低分子キャリア輸送剤とは、電子輸送性(電子受容性)又はホール輸送性(電子供与性)の低分子材料をいう。
【0038】
電子輸送性化合物としては、オキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、トリアジン誘導体、ニトロ置換フルオレノン誘導体、チオピランジオキサイド誘導体、ジフェニルキノン誘導体、ペリレンテトラカルボキシル誘導体、アントラキノジメタン誘導体、フレオレニリデンメタン誘導体、アントロン誘導体、ペリノン誘導体、オキシン誘導体、キノリン錯体誘導体等の化合物が挙げられる。
【0039】
ホール輸送性化合物としては、ポリ−N−ビニルカルバゾールやポリフェニレンビニレン誘導体、ポリフェニレン、ポリチオフェン、ポリメチルフェニルシラン、ポリアニリンなどの高分子や、トリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体及びピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、オキサゾール誘導体、カルバゾール誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、フタロシアニン等のポリフィリン誘導体、芳香族第三級アミン化合物及びスチリルアミン化合物、ブタジエン化合物、ベンジジン誘導体、ポリスチレン誘導体、トリフェニルメタン誘導体、テトラフェニルベンジン誘導体、スターバーストポリアミン誘導体などを使用することができる。
【0040】
ホール輸送層、電子輸送層、発光層、及び導電性高分子層などの有機化合物層は、真空蒸着法、スパッタ法、ディッピング法、スピンコーティング法、キャスチング法、バーコート法、ロールコート法等、公知の方法を用いて形成することができる。また、溶媒を使い分けることにより多層塗布も可能である。
【0041】
電子輸送層の上には、前述の陰極を設ける。陰極は、電子輸送層上に0.01〜10nm程度の薄層からなる酸化アルミニウムやフッ化リチウムの層を挟んで設けるようにしてもよい。また、陰極の表面(有機化合物層と反対側)に、湿気や空気を遮断するための保護層を形成してもよい。この目的の保護層については、例えば特開平7−85974号等に記載されている。さらに、陰極は、ガラスやポリ(クロロトリフルオロエチレン)シートを用いて封止することが望ましい。この中に乾燥剤や撥水性のフッ素系不活性液体等を挿入してもよい。
【0042】
透明電極(陽極)や陰極などの無機物の層は、真空蒸着法、スパッタ法、イオンプレーティング法などの公知の方法で形成できる。
【0043】
図9の(A)〜(C)に、R光領域用,G光領域用,及びB光領域用の有機発光素子の構成例を示す。なお、図中( )内に示した数字は、各層の膜厚を表す(単位はnm)。また、図中の化合物、▲1▼DCJ、▲2▼MEH−PPV、▲3▼Alq、▲4▼TPD、▲5▼DPNBiは、以下のとおりである。
▲1▼ DCJ:
4−(ジシアノメチレン)−2−メチル−6−ユロリデイルビニレン
−4H−ピラン
▲2▼ MEH−PPV:
ポリ(2−メトキシ−5−2’−エチルヘキシロキシ)−1,4−フェニレンビニレン
▲3▼ Alq : キノリノールアルミニウム錯体
▲4▼ TPD:
N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)
(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミン
▲5▼ DPNBi:
4,4’−ビス(2,2−ジフェニルビニル)ビフェニル
【0044】
本発明では、上述のような構成の有機EL素子の他に、微小光共振器構造(マイクロキャビティ)を有する有機EL素子が、発光スペクトルの半値幅が小さく、かつ指向性に優れている点で好ましい。微小光共振器構造を有する有機EL素子については、例えば「月刊ディスプレイ '98 10月号別冊」の『有機ELディスプレイ』(テクノタイムズ社発行)の第105頁に記載されている。ここでは、基板として透明基板を用い、この上に、誘電体ミラー、透明電極(陽極)、発光層を含む少なくとも1層の有機化合物層、及び金属ミラーの役割を有する背面電極(陰極)を順に設け、誘電体ミラーと背面電極との間で微小光共振器を形成している。誘電体ミラーは、通常1/4波長のSiO2 とTiO2 とを交互に積層したものである。透明電極(ITOなど)と誘電体ミラーとの間にSiO2 スペーサーを導入して膜厚を調整してもよい。
【0045】
本発明では、透明基板として、通常のガラス基板の他にプラスチック基板を使用することができる。プラスチック基板としては、耐熱性、寸法安定性、耐溶剤性、電気絶縁性、加工性、低通気性、低吸湿性に優れていることが必要である。このような材料としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、アリルジグリコールカーボネート、ポリイミド等が挙げられる。これらの基板の表面、あるいは電極と反対面(裏面とする)には、透湿防止層(ガスバリア層)を設置するのが好ましい。透湿防止層としては、窒化珪素や酸化珪素などの無機物が好ましく、例えば高周波スパッタリング法などにより成膜できる。さらに、必要に応じて、ハードコート層やアンダーコート層を設けてもよい。
【0046】
電極(特に透明電極)のパターニングは、フォトリソグラフィーなどによる化学的エッチングで行うこともできるし、レーザーなどを用いて物理的にエッチングすることもできる。また、マスクを重ねて真空蒸着やスパッタなどを行ってもよい。
【0047】
本発明では、有機発光素子は単一の画素でも使用できるが、発光色別に複数列設けられたドットアレイとして使用するのが好ましい。各発光色は1ラインでも、複数のラインになっていてもよい。また、1画素のサイズは、10〜500μm、好ましくは50〜300μmである。
【0048】
本実施形態では、有機発光素子の1画素の大きさを90μm×90μmとし、これを10μm間隔で並べて有機発光素子アレイを構成した。また、各有機発光素子アレイの配置間隔を100μmとした。なお、有機発光素子の1画素の大きさは、プリントする画面の大きさや、前述した各種加工方法に依存する加工適性に応じて設定されるものである。
【0049】
上記構成の電子スチルカメラでは、インスタントフイルム28の排出送りにより副走査方向へのスキャニングを行うため、排出送り速度が変動すると露光量や露光密度が変動して濃度むらや色むらが発生する。実際のプリントにおいては、フイルム送り開始から終了までの間でフイルム送り速度が種々の要因で変化する。例えば、フイルムパックのフイルム出口に配置された遮光フラップを通過する際、現像液ポッドを破裂させる際、現像液の展開の際、余剰現像液を吸収するトラップ部の乗り越えの際などの機構的要因や、電池の消耗程度等によって、フイルム送り速度が変動する。これらの送り量変動に起因する濃度むらを無くすために、速度センサ50と速度補正演算部51とが設けてある(図10参照)。
【0050】
速度センサ50は、インスタントフイルム28に転がり接触するローラと、このローラに設けたパルスエンコーダと、信号処理回路とから構成されている。信号処理回路は、パルスの検出間隔を基準クロックに基づき測定することにより、インスタントフイルム28の送り速度を検出する。この送り速度信号は、図10に示すように、システムコントローラ52を介して速度補正演算部51に送られる。
【0051】
速度補正演算部51では、先ず、速度センサ50からのインスタントフイルム28の送り速度に基づき発光タイミングを制御するデータを作成し、速度変動にも関わらず画像データに対応した所望の濃度となるようにする。具体的には、発光タイミングを制御するデータを作成し、これをヘッドドライバ39に送る。
【0052】
例えば、図11(A)に示すように、インスタントフイルム28の送り速度Vaが(B)に示す送り速度Vbのように低下したとき(Vb<Va)には、1ラインを記録するための時間(1プリントサイクル時間)PTがPTa<PTbのように長くなる。したがって、これに応じて、画素濃度に対応する露光量としての発光時間を1プリントサイクル中に分散させるようにする。
【0053】
1プリントサイクル時間PTは、画素の濃度に応じて有機発光素子を発光させる総発光時間T1(=Σt1)と、発光することのない総休止時間T2(=Σt2)とから構成される。総発光時間T1は、1プリントサイクルで偏ることのないように、ほぼ同じ分割発光時間t1に分けられ、これらが分割休止時間t2で分散される。総発光時間T1は、記録する画素の最大濃度と最小濃度との間で変化する。
【0054】
そして、休止間隔t2がフイルム送り速度の変動に伴い変化し、フイルム送り速度が低下すると、(B)に示すように分割休止時間t2b(>t2a)が大きくなる。また、逆にフイルム送り速度が高くなると、(A)に示すように分割休止時間t2aが小さくなる。したがって、ヘッドドライバ39を介して各有機発光素子が上記のような制御タイミングで発光されるため、速度変動に関わらず、記録される画素の長さや濃度が変動することがなくなる。
【0055】
図10に電子スチルカメラ10の電気的構成の概略を示す。撮影レンズ14の背後にCCDイメージセンサ55が位置しており、撮影レンズ14のピント合わせによりCCDイメージセンサ55の光電面には被写体画像が結像される。CCDドライバ60の駆動により、CCDイメージセンサ55は光学的な被写体画像を電気的な撮像信号に変換して出力する。
【0056】
CCDイメージセンサ55の光電面にはR,G,Bの微小なマイクロカラーフィルタがマトリクス状に配列され、色ごとにシリアルに出力される撮像信号はアンプ61で適当なレベルに増幅された後、A/Dコンバータ62によってデジタル変換される。なお、周知のようにCCDドライバ60の駆動及びA/Dコンバータ62のサンプリングタイミングとの間には同期がとられている。
【0057】
A/Dコンバータ62は撮像信号をデジタル変換して画像データを生成し、これを順次に画像データ処理回路63に入力する。画像データ処理回路63は、入力されてくる画像データに対してホワイトバランス調節、ガンマ補正などの信号処理を行う。画像データ処理回路63は、さらに処理済みの画像データを基に、NTSC方式のコンポジット信号に対応した映像信号を生成し、これをD/Aコンバータ64,アンプ65を経て映像信号用の出力端子66に出力する。
【0058】
したがって、出力端子66に家庭用のテレビジョンを接続すれば、CCDイメージセンサ55で撮像される連続的な画像を観察することができる。アンプ65からの映像信号はLCDドライバ67にも入力される。LCDドライバ67はLCDパネル21を駆動するから、LCDパネル21には被写体画像が連続的に表示されるようになり、LCDパネル21は電子ビューファインダとして利用される。
【0059】
システムコントローラ52は、上記画像データ処理回路63を含め、この電子スチルカメラの電気的な作動を全体的に管理している。システムコントローラ52はI/Oポート68により操作パネル22のキー操作入力部69や外部接続端子群70からの信号を監視し、入力信号に応じた信号処理を行う。
【0060】
フラッシュメモリ71は高速でアクセスが可能なDRAM(Dynamic Random Access Memory)で構成され、画像データ処理回路63から得られた画像データを1画面ごとに記憶し、例えば50画面分の画像データを記憶できる記憶容量をもつ。装飾データメモリ72には、被写体画像を取り囲む画面枠の形状や模様を様々な形態に変える装飾データが予め書き込まれている。
【0061】
なお、この装飾データメモリ72に、被写体画像の一部にキャラクタ,マーク,文字,メッセージなどを合成することができるようなデータを用意しておいてもよい。再生モード時には、フラッシュメモリ71及び装飾データメモリ72から読み出したデータを画像データ処理回路63に転送することによって、これらの画像を合成してLCDパネル21に表示させることができる。
【0062】
ヘッドドライバ39は、システムコントローラ52の指令によりマルチ発光ヘッド31の各有機発光素子アレイ43〜45を駆動する。各有機発光素子アレイ43〜45には、さらにラインメモリ74から画像データが送られるようになっており、この画像データは各有機発光素子アレイ43〜45を構成している有機発光素子の個々の発光時間の制御に用いられる。EEPROM75には、電子スチルカメラ10を所定のシーケンスにしたがって作動させたときに、システムコントローラ52によって参照される各種の調整データが予め格納されている。
【0063】
これらの調整データは、電子スチルカメラ10の組み立て完了後の検査工程で一台ごとに調節される。こうした調整データには、例えばプリントを行うときの色ごとの補正データなどがある。モータドライバ76は、システムコントローラ52の管理下で展開モータ36の駆動制御を行う。
【0064】
次に、図12のフローチャートを参照しながら本実施形態の電子スチルカメラ10の作用について説明する有機発光素子アレイを構成した。また、各有機発光素子アレイの配置間隔を100μmとした。なお、有機発光素子の1画素の大きさは、プリントする画面の大きさや、前述した各種加工方法に依存する加工適性に応じて設定されるものである。
【0065】
上記構成の電子スチルカメラでは、インスタントフイルム28の排出送りにより副走査方向へのスキャニングを行うため、排出送り速度が変動すると露光量や露光密度が変動して濃度むらや色むらが発生する。実際のプリントにおいては、LCDパネル21に表示されていた被写体画像の画像データがフラッシュメモリ71に書き込まれる。撮像モードで使用を繰り返すことにより、フラッシュメモリ71には最大で50画面分の静止画像に関する画像データを記憶させることができる。なお、フラッシュメモリ71の記憶容量に応じて、記憶できる画面数を増減させることができる。
【0066】
フラッシュメモリ71で記憶可能な画面数の撮像を行った後であっても、適宜のコマの画像データを消去すれば新たな撮像で得た画像データを記憶させることができる。これらの処理は、操作パネル22からのキー入力で行うことができ、また外部接続端子群70の出力端子に他の記憶媒体を接続しておけば、外部記憶媒体に新たな撮像で得た画像データを記憶させたり、フラッシュメモリ71から読み出した画像データを転送して記憶させることもできる。
【0067】
再生モード下では、操作パネル22からのキー入力により、フラッシュメモリ71の中から任意の画像データを選択すれば、その画像データが画像データ処理回路63,D/Aコンバータ64,アンプ65を経てLCDドライバ67に供給され、LCDパネル21に画像表示が行われる。また、操作パネル22からのキー入力により、装飾フレームの選択操作が行われているときには、フラッシュメモリ71から読み出された画像データのほかに、装飾データメモリ72から読み出された装飾フレームデータも画像データ処理回路63に転送され、LCDパネル21には被写体画像のほかに装飾フレームも合成して表示される。
【0068】
被写体画像の選択、そして必要に応じて装飾フレームの選択を行った後にプリントキーを操作すると、システムコントローラ52はプリントを開始する。先ず、フラッシュメモリ71にアクセスして、その時点でLCDパネル21に表示されている画像に関する画像データのうち、R,G、Bの各色に相当する画像データを順次に読み出し、これを各色毎のラインメモリ74に転送する。
【0069】
また、モータドライバ76を介して展開モータ36を回転させる。この展開モータ36の回転により、クロー爪によるインスタントフイルム28の送り出しが行われるとともに、展開ローラ33が回転される。クロー爪で押し出されたインスタントフイルム28の上端が一対の展開ローラ33間に入り込み、以後は展開ローラ33の回転によってインスタントフイルム28が搬送され、同時にポッド28aが破れて現像処理液の展開が行われる。クロー爪は、その移動ストロークの終端まで移動すると元の位置に戻って停止する。
【0070】
このように、インスタントフイルム28は、先ずクロー爪による展開ローラ33への送り出しと、この送り出し後の展開ローラ33の回転による送り出しとにより、排出口35から排出される。そして、この排出による送り出しに同期させて有機発光素子アレイ43〜45が駆動される。
【0071】
また、速度センサ50によりインスタントフイルム28の送り速度が検知され、この送り速度信号に基づき速度補正演算部51は有機発光素子アレイ43〜45の発光時間制御データを速度変化に応じて求め、これをヘッドドライバ39に送る。ヘッドドライバ39は、補正された発光時間制御データに基づき有機発光素子アレイ43〜45を駆動する。
【0072】
例えば、速度が低下するとこれに対応して、図11(B)に示すように、分割発光時間t1の間隔である分割休止時間t2bが長くされる。また、速度が速まるとこれに対応して、(A)に示すように、分割休止時間t2aが短くされる。したがって、速度変動が発生しても、1ライン当たりの露光量及び露光密度はほぼ常に一定したものとなり、濃度むらや色むらの発生が抑えられる。以下、同じようにして、インスタントフイルム28の送りに同期して、各ラインの各色画像データが読みだされ、フルカラー画像が1回のインスタントフイルムの送りで露光される。
【0073】
展開ローラ33で搬送されたインスタントフイルム28は、カメラボディ11の排出口35から排出される。1分〜数分経過すると、被写体画像がポジ画像として受像シートに定着され、プリントキーを操作した時点でLCDパネル21に表示されていた被写体画像をハードコピーとして得ることができる。もちろん、装飾フレームが選択されている場合には、装飾フレームで囲まれた内部に被写体画像がプリントされることになる。
【0074】
上記のように、インスタントフイルム28を記録媒体として利用し、光プリンタで画像のハードコピーが作成できるようにすると、サーマルプリンタのように熱エネルギーを要せずに低電力でカラープリントを行うことが可能となり、携帯可能なカメラボディ11に収容できる程度の電源電池でも充分に実用できる。したがって、撮像したその場で簡単に画像のハードコピーが得られるようになる。また、外部接続端子から画像データを入力してこれをプリントすることも可能であるから、同時に携帯型のプリンタとしても利用することができる。
【0075】
しかも、有機発光素子が非常に薄いフイルム状に形成され、厚みを要する回路基板を用いることがないので、微小LED発光体からなる従来の発光素子アレイに比較して、全体の厚さを薄くすることができる。また、LCDや蛍光表示管のように分光のための色フィルターを設ける必要もないので、これを内蔵する電子スチルカメラの小型化、特に薄型化に寄与することができる。
【0076】
また、有機発光素子は、発光面の全面において光量が均一になるので、これを並べて構成される有機発光素子アレイの全域において光量分布が一定し、画面全域にわたって色むらのない良好な画像形成が可能となる。さらに、有機発光素子は、発色を始めるまでの速度が微小LCDに比較して圧倒的に速いので、プリント速度を速くすることが可能である。
【0077】
なお、上記実施形態では、各色のセルフォックレンズ42a〜42cを傾斜して配置して微小レンズアレイ42を構成し、これを用いて1ラインに合焦させるようにしたが、この代わりに、図13に示すように、各色のセルフォックレンズ90a〜90cを平面上に並べてなるレンズアレイ90を用いて、各色毎の3ラインとして感光面に合焦させてもよい。この実施形態では、各記録ラインに対応する画像データを各有機発光素子アレイに送り、色ずれのないようにフルカラー画像を記録する。なお、図中の符号91は有機発光素子アレイユニットを、また符号92,93はミラーを示している。
【0078】
また、有機発光素子アレイユニット41,91における各画素毎の露光量の制御は、発光時間の制御の外に、発光量を変化させて行ってもよく、更には、発光量と発光時間との組み合わせで制御してもよい。
【0079】
また、上記実施形態では、インスタントフイルム28の排出速度の検出を転接ローラを用いて検出しているが、その他の速度検出方法を用いて排出速度のむらを検出してもよい。例えば図14に示すように、インスタントフイルム97に、微小な一定ピッチでバー96aを配置した速度検出用トラック96を記録しておき、各バー96aの検出タイミングから排出速度を求めてもよい。この場合には、感光面に露光を与えることがないように、例えば投光器98として赤外線発光器を用い、これの反射光を赤外線受光器99により検出する。そして、この検出信号に基づき信号処理回路100により、各バー96aの検出タイミングからフイルム送り速度を求める。
【0080】
なお、速度検出用トラック96に用いるマークはバー96aに限定されることなく、その他のマークを用いてもよい。また、インスタントフイルムに磁気テープ層を形成し、これに磁気的マークを記録しておき、これを磁気記録ヘッドで読み取ることにより、送り速度を検出してもよい。
【0081】
上記実施形態では、クロー爪及び展開ローラ33によってインスタントフイルム28の排出時にフルカラー画像を記録したが、展開ローラ33による排出のみを用いて、フルカラー画像を記録してもよい。この場合には、展開ローラ33にくわえ込まれた後に、マルチ発光ヘッドを駆動して、フルカラー画像を記録する。そして、展開された現像液の影響を受けることがない範囲で有機発光素子アレイユニットを展開ローラ33の近くに配置し、クロー爪による排出時には記録を開始することなく、展開ローラ33による排出時にフルカラー画像の記録を開始する。
【0082】
また、上記実施形態では、マルチ発光ヘッドを固定して設け、インスタントフイルムの搬送中に3色の画像が同時に露光されるようにしたが、マルチ発光ヘッドを副走査方向に移動自在に設け、インスタントフイルム上を一定速度で移動させながら画像を露光するようにしてもよい。また、この場合、複数色の画像を同時に露光する他に、マルチ発光ヘッドを露光する色の数と同じ回数だけ移動させて、1色ずつ画像を露光するようにしてもよい。これらの方法によれば、前述したフイルム送り速度を変動させる機構的要因が排除され、インスタントフイルムとマルチ発光ヘッドとの相対速度が安定して、濃度むらの発生をより確実に抑えることができる。
【0083】
上記実施形態は、静止画像を撮像する電子スチルカメラに本発明のプリンタ装置を内蔵させたものであるが、本発明のプリンタ装置は、動画像を撮像するデジタルビデオカメラに内蔵させてもよい。この場合には、動画像の中からプリント対象画像を選択して、これをハードコピーするとよい。また、電子スチルカメラにプリンタを内蔵させたが、これは電子スチルカメラに着脱自在に取り付けてもよい。
【0084】
上記実施形態では、カメラに内蔵されたプリンタに本発明を実施したが、プリンタ単体に対しても本発明を適用することができる。この場合においても、プリンタの小型化、特に薄型化を図ることができ、携帯に好適なプリンタを構成することができる。
【0085】
上記実施形態は、インスタントフイルムを使用したものであるが、これ以外の感光性プリントペーパー、もしくは感光性フイルムを使用する機器を、本発明の有機発光素子を用いて構成することもできる。
【0086】
また、図15に示すように、本発明のマルチ発光ヘッド31を、撮影レンズ101を備えた通常のインスタントカメラ102のフイルムパック103と展開ローラ104との間に配置して、上記のようにフイルムの送り出しの際にフイルム送りに同期させてデジタルプリントを行うようにしてもよい。この場合にも、フイルムの送り速度の変動を検出する速度センサ105を設け、この速度センサ105に基づき発光タイミングを制御し、速度変動による濃度むらなどの発生を抑える。この場合には、通常のインスタントカメラ102として撮影する外に、他の電子カメラ等で撮像した画像に基づきデジタルプリントが可能になる。更には、このデジタルプリント部を有するインスタントカメラ102に、被写体画像を撮像して撮像信号を出力するイメージセンサ、前記撮像信号をデジタル変換した画像データを記憶するメモリを有する電子撮像部を一体的又は分離可能に設けてもよい。
【0087】
【発明の効果】
以上のように、本発明のプリンタ装置によれば、発光ヘッドとして、多数の有機発光素子を主走査方向に並べたマルチ発光ヘッドを用いたので、サーマルプリンタのように熱エネルギーを要せずに低電力でカラープリントを行うことが可能となる。しかも、有機発光素子は非常に薄いフイルム状に形成されるので、回路基板を必要とする微小LED発光体を用いた発光ヘッドに比較して、全体の厚さを薄く構成することができる。また、LCDや蛍光表示管のように分光のための色フィルターを設ける必要もないので、プリンタ全体の小型化、特に薄型化を図ることができる。したがって、このプリンタ装置をカメラに内蔵させることが可能となり、撮像したその場で簡単に画像のハードコピーを得ることができる。
【0088】
また、有機発光素子は、発光面の全面において光量が均一になるので、これを並べて構成される有機発光素子アレイの全域において光量分布が一定し、画面全域にわたって色むらのない良好な画像形成が可能となる。さらに、有機発光素子は、発色,発光を始めるまでの速度が微小LCDに比較して圧倒的に速いので、プリント速度を速くすることができる。
【0089】
また、有機発光素子は、光量を制御することができるので、発光ヘッドと感光材料との相対速度に応じて有機発光素子の発光量又は発光時間を調節することで、濃度むらや色むらの発生を抑え、色再現性の良好なハードコピーを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプリンタ装置を内蔵した電子スチルカメラの要部を示す縦断面図である。
【図2】図1の電子スチルカメラを前側から見た状態を示す斜視図である。
【図3】図1の電子スチルカメラを後側から見た状態を示す斜視図である。
【図4】カメラボディ内の各機構部のレイアウトを示す説明図である。
【図5】プリント部の概略を示す斜視図である。
【図6】マルチ発光ヘッドの構成を示す断面図である。
【図7】有機発光素子アレイの構成を示す説明図である。
【図8】有機発光素子の構成の一例を示す説明図である。
【図9】有機発光素子の層構成を示す説明図であり、(A)はR光領域用、(B)はG光領域用、(C)はB光領域用の有機発光素子を示す。
【図10】電子スチルカメラの電気的構成を示すブロック図である。
【図11】インスタントフイルムの送り速度の変動による有機発光素子アレイの発光タイミングを示す説明図である。
【図12】電子スチルカメラの処理の流れを示すフローチャートである。
【図13】マルチ発光ヘッドの他の構成例を示す縦断面図である。
【図14】速度検出用トラックを用いて速度変動を検出する他の実施形態の要部を示す概略図である。
【図15】インスタントカメラにプリント部を配置した他の実施形態を示す要部の縦断面図である。
【符号の説明】
10 電子スチルカメラ
11 カメラボディ
14 撮影レンズ
15 撮像部
17 シャッタボタン
25 フイルムパック
28,97 インスタントフイルム
30 プリンタ部
31 マルチ発光ヘッド
32 送り出し部
33,104 展開ローラ
35 フイルム排出口
41,91 有機発光素子アレイユニット
42 微小レンズアレイ
50,105 速度センサ
51 発光時間補正部
96 速度検出用トラック
96a バー

Claims (7)

  1. 主走査方向に多数の有機発光素子を並べてなる有機発光素子アレイを、複数の色分だけ副走査方向に並べて構成された発光ヘッドを備え、この発光ヘッドに対して感光材料を副走査方向に相対的に移動させながら、デジタル化された1ラインごとの画像データに基づいて、前記感光材料の感光面を前記複数の色で露光するプリンタ装置において、
    前記発光ヘッドと前記感光材料との相対速度を検出する速度検出手段と、この速度検出手段によって検出された相対速度に応じて前記発光ヘッドの発光タイミングを制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、画像データに応じて決まる前記発光ヘッドの発光時間を、一定数に分割して、前記相対速度に応じて決まる1プリントサイクルに均等に分散させることを特徴とするプリンタ装置。
  2. 前記速度検出手段は、前記感光材料上に副走査方向に沿って一定ピッチでマークが配置されてなる速度検出用トラックに対して赤外線を投光する投光器と、この反射光を受光する受光器と、この受光器の検出信号に基づいて前記相対速度を求める信号処理回路とからなることを特徴とする請求項1記載のプリンタ装置。
  3. 前記発光ヘッドは、発光スペクトルのピーク波長が380〜500nm、500〜600nm、及び600〜740nmの少なくとも3種類の有機発光素子アレイを備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載のプリンタ装置。
  4. 前記3種類の有機発光素子アレイは、それぞれの発光スペクトルのピーク波長が互いに少なくとも50nm離れていることを特徴とする請求項記載のプリンタ装置。
  5. ピーク波長が500〜600nmである前記有機発光素子アレイは、発光スペクトルの半値幅が80nm以下であることを特徴とする請求項3又は4に記載のプリンタ装置。
  6. 被写体画像を撮像して撮像信号を出力するイメージセンサと、前記撮像信号をデジタル変換した画像データを記憶するメモリとを備えた電子スチルカメラに内蔵され、前記メモリから読み出された画像データに基づいて、前記感光材料に被写体画像を露光することを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のプリンタ装置。
  7. 前記感光材料として、感光面に展開される現像液を内包した現像液ポッドを有するインスタントフイルムを使用し、展開ローラによって、前記現像液ポッドの現像液を前記感光面に展開させて現像転写を行うことを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載のプリンタ装置。
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