JP3818040B2 - 反射体、表示パネル、および反射体の製造方法 - Google Patents

反射体、表示パネル、および反射体の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶パネル、プラズマディスプレー等に用いる反射体あるいは反射層の構造と反射体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
反射型の表示装置として、液晶層を透過した光を反射型の電極を用いて再び液晶層の方向に反射させ、所望の画像を表示する反射型の液晶パネルなどが知られている。この反射型の電極の表面(反射面)には、周囲からの光を画像を表示する方向に効率良く反射するために、複数のおわん型あるいはボール型など略点対称で微細な球面形状の凹状または凸状のパターンが配置されている。さらに、これら凹状または凸状のパターンはほぼランダムになるように配置され、表示した画像に筋やモアレが生じないようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このような反射型の液晶パネルは、携帯電話機などに搭載されており、表示のカラー化が進む中で、さらに明るいものが要求されている。したがって、反射型の表示パネルおよびそれに用いられる反射型の電極などの反射体において、反射効率を向上し、光の利用効率を良くすることが重要である。
【0004】
反射体を形成する際に、大小の凹状または凸状の反射形状を複数およびランダムに配置すると、各々の反射形状の間に平面があると、この部分に入射した光が所望の反射方向に配光しないため、光の利用効率が低下する。したがって、平面となる隙間をできるだけ無くすように重複を許して、反射形状を配置することが望ましい。
【0005】
しかしながら、反射形状が重なる部分(重複部分)では、従来のエッチングで反射形状を作ると、単純にそれぞれの反射形状が合成されたものとなり、オリジナルの反射形状の形が損なわれてしまう。このため、所望の光の利用効率を得ることができない。すなわち、図16にX−Z面で見た様子を示すように、破線の式Z=F(X)で示される曲面の反射形状61と、一点鎖線の式Z=F’(X)で示される曲面の反射形状62とが重複してエッチングされると、実線69で示したような形状が反射面として形成される。この形状69では、反射形状61および62の重複部分64では、それぞれの式で表される曲面が合成された量だけエッチングされるので、所望の曲率の反射形状61あるいは62の面は実現されず、緩やかな曲率の小さな平面に近い面になってしまう。したがって、その重複部分64に入射した光は、平面の場合と同様に、所望の方向に配光しないため、光の利用効率が低下する。
【0006】
このように、反射形状が重複する部分では、光の利用効率が低下するので、各々の反射形状が重複しないことが望ましい。しかし、重複を許さないと、各々の反射形状の間が平面となるので、光の利用効率を向上できない。したがって、単に反射形状を密に配置しても、光の利用効率を向上することはできず、光の利用効率の高い反射パネルおよび反射体を提供することが難しい。
【0007】
そこで、本発明では、反射体に形成される反射形状の重複を許しながら、各々の反射形状が損なわれるのを最小限にし、所望の方向に配光される光を増やし、光の利用効率の高い反射体およびその製造方法を提供することを目的としている。さらに、本発明では、量産性があり、より光の利用効率の高い反射体および反射パネル、さらにそれらの製造方法を提供することも目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
このため、本発明では、所望の放射角に設定された各々の反射形状の重複部分に境界線を設定し、この境界線までは各々の反射形状を独立して保持することで、反射形状が損なわれるのを最小限とし、光の利用効率の高い反射面(反射体)を形成できるようにしている。
【0009】
すなわち本発明の反射体は、凹状または凸状の複数の反射形状が配置されている反射面を有する反射体であって、前記複数の反射形状は、互いにほぼ相似し且つ複数の大きさを有する複数の形状からなり、前記複数の反射形状は前記反射面に対する縦方向と横方向とで異なる曲率を有する曲面からなり、前記複数の反射形状は前記縦方向と横方向の向きを変えずに、且つ前記反射形状同士は当該反射形状の一部が重なって配置され、
前記反射形状同士が重なった部分には境界線が設定され、前記重なって配置された一の前記反射形状と他の前記反射形状が重なる部分は、前記境界線より前記一の反射形状の側が当該一の反射形状で形成され、前記他の反射形状の側が当該他の反射形状で形成されていることを特徴とする。
このため、本発明の反射体では、反射形状の重複を許して密な配置にすると共に、その重複した部分でも光を所望の方向に配光することができる。したがって、反射形状が密に配置されるので、光の利用効率を阻害する平面の部分が少なく、重複した部分でも光の利用効率を高くできる反射体を本発明により提供できる。このため、この反射体を反射層として採用し、液晶層などの透過型の表示層を透過した光を表示層の方向に反射する反射層として採用でき、光の利用効率が高く、さらに、明るい表示パネルを提供できる。
また、前記反射形状は前記反射面に対する縦方向と横方向とで異なる曲率を有する曲面からなっているため、縦方向と横方向とで配光性能が異なり、縦方向と横方向に均等に広がっていた(発散していた)光を所望の方向に向けることができる。したがって、反射体の用途に応じた配光性能とすることができ、光の利用効率をより一層高めることができる。
【0010】
重複した各々の反射形状を区切る境界線としては、第1および第2の反射形状の面が交わる交線を採用することができる。これにより、この交線までそれぞれの反射形状の面を保持でき、反射形状を構成する面の比率を最大にできる。したがって、基本形状に従った面の密度が最大で、最も光の利用効率の高い反射体および反射パネルを実現できる。
【0011】
境界線としては、第1および第2の反射形状を平面に投影した第1および第2の輪郭の交点を結ぶ線、すなわちこれらの交点を直線補間した線を用いることも可能である。この手法では、境界線の算出が簡単であり、重複した部分の曲面を表現するデータを容易に、迅速に作成することができる。
【0012】
さらに、ランダムに反射形状を配置する際に、第1および第2の反射形状が重複する部分は、それ以上の重なりを禁止して反射形状を配置することが望ましい。反射形状を3重以上に配置しても良いが、重複した部分は何れかの一方の反射形状の面を採用することで、そこに入射した光を所望の方向に配光できるので、それ以上に重複した面である第3の反射形状の面を設ける必要がない。第3の反射形状を同一座標に配置することによって、重複する部分の形状を選択するデータを増やす必要はなく、3重以上にすると、単にデータを区切る処理が増えて、面倒であり、処理に時間がかかってしまう。
【0014】
さらに、同一の方向でも、その方向の形状を非対称にし、すなわち、平均的な面の傾きを変えることにより、特定の方向にさらに反射光を配光して利用効率を上げることができる。
【0015】
また、多面または曲面で構成される場合は、基本形状を縦方向の一方を向いた面の平均的な傾きまたは平均曲率が、縦方向の他方を向いた面の平均的な傾きまたは平均曲率よりも小さく設けることが望ましい。さらに、この基本形状において、縦方向の一方を向いた面は、この反射体を使用するときに斜め上方または光源に近い方向を向く面であり、他方を向いた面は、斜め下方または光源から遠い方向を向く面とすることができる。
【0016】
このような反射体(反射層)を製造する際に、凹凸に対応する位置が2値にパターニングされたマスク等を利用したフォトリソグラフィー技術では、重複したところは、重ねてエッチングされるため、図16に示したような形状になってしまう。そこで、本発明においては、透過率変調マスク(グレイマスク)を用いて、さらに、透過率変調マスクを形成する空間分布データを作成する際に、上述したように、重なり部分の境界線を区切りに、それぞれの反射形状を独立して採用し、各々の反射形状が損なわれないようにしている。
【0017】
すなわち本発明の反射体の製造方法は、凹状または凸状の複数の反射形状が部分的な重複を許して配置されている反射面を有する反射体の製造方法であって、前記凹状または凸状を表現する空間分布データを作成する工程を有し、当該工程では前記複数の反射形状として、互いにほぼ相似し且つ複数の大きさを有する複数の形状とを作成し前記複数の反射形状のうちの第1の反射形状の中心座標を作成し、第2の反射形状、さらに所望の数の第nの反射形状まで、各々の反射形状の中心座標を作成し、前記反射形状間の隙間に任意の反射形状が他の反射形状と部分的に重なって配置されるように、当該任意の反射形状の中心座標を作成し、前記反射形状同士が重なった部分には境界線が設定され、前記重なって配置する一の前記反射形状と他の前記反射形状が重なる部分では、前記境界線より前記一の反射形状の側は当該一の反射形状を表現するデータが採用され、前記他の反射形状の側は当該他の反射形状を表現するデータが採用され、前記工程に続き、前記空間分布データに基づき透過率が変化した透過率変調マスクを製造する工程と、当該透過率変調マスクにより感光性材料を露光して該感光性材料を立体加工する工程と、立体加工された前記感光性材料の表面に沿った前記反射面を形成する工程とを有することを特徴とする。
【0018】
透過率変調マスク、いわゆるグレイマスクは、多値で場所角の露光量またはエッチング量を制御することができるので、複雑な曲面であっても製造することができ、本発明のように曲面の途中の境界線で曲率が大きく変わる凹凸でも、製造できる。また、球形以外の縦方向と横方向とが異なる反射形状を備えた反射体または反射層も、上記と同様にグレイマスクであれば、所望の形状を製造できる。
【0019】
また、反射面を形成する工程としては、立体加工された感光性材料の表面に反射膜を製膜する工程、あるいは、反射性材料からなる反射体の表面を立体加工された感光性材料を通してエッチングする工程を採用することができ、上記のような光を特定の方向に効率良く反射することにより光の利用効率を上げることができる反射体および反射層、さらには表示パネルを簡単に、生産性が良い方法で製造できる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。図1に、本発明の反射体を用いた液晶パネルが搭載された端末機器として携帯電話機を例に示してある。本例の携帯電話機1は、データが表示される表示パネルとして反射型の液晶パネル10が採用されており、明るい場所では、上方からの自然光または照明光70を光源として画像を表示できる。したがって、液晶パネルのバックライトを省略あるいはバックライトを必要とする時間を減らすことができるので薄型で省電力タイプの携帯電話機となっている。
【0021】
このため、本例の液晶パネル10は、液晶層(セル)12と反射電極となる層(反射体)20が積層された構成になっている。なお、以降では、透明電極、カラーフィルタなどの公知のカラー液晶パネルを構成する他の層についての説明は省略するが、これらのカラー液晶パネルを構成する他の層を有するカラー液晶パネルも本発明に含まれる。
【0022】
本例の反射層20は、アルミニウム製で、微細な複数の凹凸が配置された反射面21を備え、液晶セル12を透過した外部からの光71が反射面21で反射し、再び液晶セル12の方向に出射光72を出力するようになっている。その結果、本例の液晶パネル10では、外光により液晶セル12に表示された所望の画像をユーザ90は見ることができる。液晶パネルとしては、明るく、色再現性が良い表示性能が高いものが常に要求されており、バックライトを設けて光量を確保しているがほとんどである。本例の液晶パネル10においては、反射層20の反射方向を適切に制御することにより光の利用効率を向上し、バックライトを用いずに低消費電力でありながら表示性能が高く、明るい液晶パネルを提供可能にしている。
【0023】
図2に本例の反射層20の反射面21の一部を拡大して示してある。本例の反射層20の反射面21には、縦方向と横方向とで形状の異なる凹面状の複数の微細な反射形状28がほぼランダムに配置されている。これらの反射形状28は、縦方向(Y軸方向)および横方向(X軸方向)のサイズが数ミクロンから数10ミクロンのオーダの微細な形状であり、図2にX軸方向で示した集合の左端の形状を基本形状26とすると、その基本形状26に対して相似形の、すなわち、基本形状26と同一またはミクロンオーダで拡大または縮小された形の様々なサイズの反射形状28が縦方向Yおよび横方向Xの向きは変えずにランダムに、そしてほぼ隙間がないように配置されている。これらの反射形状28は、アレイ状に2次元方向に整列させることも可能であるが、ランダムに配置することにより液晶パネル10で表示される画像におけるモアレや筋の発生を防げる。そして、隣接する第1および第2の反射形状28aおよび28bを、部分的に重なるように配置することで、隙間の少ない密な配置にしている。そして、隙間(平坦な部分)に照射され、ユーザ90の方向に配光されない光を少なくできるようにしている。
【0024】
このため、本例の反射面21では、部分的に反射形状28aおよび28bが重複する部分(領域)41では、境界線43が設定されており、この境界線43までは、それぞれ第1の反射形状28aおよび第2の反射形状28bを保持するように形成されている。この結果、基本形状26に基づいた反射形状28の原型が損なわれるのを最小限に留めることができる。したがって、これらの反射形状28で構成される反射面21を所望の反射角の範囲を実現でき、光の利用効率の高い反射体20を提供できる。
【0025】
図3のグラフを参照して、さらに詳しく、境界線43の設定および重複部分41の処理を説明する。本図では、X−Y面が反射面21でその法線方向をZ方向としたときにX−Z面で見た、各々の反射形状28aおよび28bの形状を示してある。この例では、第1の反射形状28aがZ=F(X)で与えられ、隣接し部分的に重複する第2の反射形状28bがZ=F’(X)で与えられている。
【0026】
図3に示した例では、第1および第2の反射形状28aおよび28bの重複部分41において、反射形状28aおよび28bが重なる交線Kが境界線43に設定されている。したがって、断面X−Zで見たときは、交線Kを構成する交点K1が曲線Z=F(X)と、Z=F’(X)の交わる点となる。したがって、この交線Kを境界線43として、第1の反射形状28aの側(図では左側)は、第1の反射形状28aの形状(Z=F(X))のみで形成される。一方、第2の反射形状28bの側(図では右側)は、第2の反射形状28bの形状(Z=F’(X))のみで形成されている。
【0027】
図4に、X−Y面で見た様子を示すように、重複部分41において、全て上記の同様の処理を行うことにより、境界線43まで各々の反射形状28aおよび28bを保持した反射面21が形成されている。したがって、本例の反射体20では、反射形状28aおよび28bなどの重複部分41の発生を許して配置されており、さらに、その重複部分41では、境界線43を設定し、この境界線43までは、独立していた各々の反射形状28aおよび28bが保持される。これにより、反射体20に所望の反射形状28を高密度で配置することができ、反射体20の反射面全体を反射形状28、またはその一部の形状として、損なわれる部分を最小限とした反射面21を形成できる。
【0028】
すなわち、図16に示した方法では、重複部分64で、各々の反射形状61および62が単に加算されているので、平面化するのに対し、本例においては、重複部分41では、反射形状28をほとんど変形させることなく維持できる。したがって、反射面21の全体をもれなく用途に応じた所望の範囲に設定でき、反射角の形状またはその一部として利用できるので、光を所望の方向に配光でき、光の利用効率の高い反射体20を提供できる。このように、本例の反射体20は、反射形状28の重複を許して密な配置にしても、その重複部分41でも光を所望の方向に配光できる。したがって、反射形状28が密に配置して、平面の部分を少なくでき、さらに重複部分41でも配光性能を維持できるので、光の利用効率の高い反射体20を提供できる。
【0029】
図1に示した携帯電話機1などの携帯型の装置の表示パネル10は、パーソナルユースの表示装置なので、同時に表示パネルを見る機会のある人間が限定される。このため、本例の反射体20を採用することにより、限定された方向に光を配光させて、反射型でも、明るい表示を行うことができる。すなわち、本例では基本形状26が、横方向Xの視野角はそれほど必要ないことを考慮して、横方向Xの側面(反射面)21xの勾配を縦方向Yの側面に比べて大きくしてあり、そのような性能を相似形の反射形状28で実現しているので、その反射形状28が密に配置された反射面21を備えた反射体20を本例では提供できる。したがって、反射体20を表示パネルの反射面(反射層)とすることにより、反射光72がユーザの眼90の方向に向けて配光し水平方向の利用度を増すことにより、ユーザ90に届く光量を大きくでき、明るい画面を表示することができる。
【0030】
なお、重複部分41を処理するための境界線としては、図5および図6に示すように、反射形状28aおよび反射形状28bが反射面21に投影された第1の輪郭29aと第2の輪郭29bとの交点L1と交点L2とを結ぶ線Lを採用することも可能である。図5は、図3と同様にX−Z面で重複部分41を示す図であり、図6は、図4と同様にX−Y面で重複部分41示した図である。本例においては、第1および第2の反射形状28aおよび28bの重複部分41で、反射形状を区分けする境界線44に、第1および第2の反射形状28aおよび28bを平面(X−Y面)に投影した第1および第2の輪郭29aおよび29bの交点L1およびL2を結び直線補間した線Lを設定する。この直線の境界線44を区切りに、各々の輪郭線29aおよび29bと境界線44で囲まれた領域は、所定の曲面45に従わせるものである。したがって、本例でも、境界線44までは反射形状28aまたは28bで反射面21を形成できる。このため、複数の反射形状を密な配置を可能とし、各々の反射形状の端部を重ねた部分も含めて、各々の反射形状をできる限り保持することができる。したがって、光の利用効率の高い反射体20を提供できる。
【0031】
また、図4および図5に示した境界線44は、その算出が簡単であり、重複部分41の面を表現するデータを容易に、迅速に作成できる。反面、境界線44で第1の反射形状28aと第2の反射形状28bとが一致しないので、光の反射に寄与し難い面45が現れる。したがって、最大限に反射形状を保持し、反射形状の配光性能を最大限に生かすという点では、図3および図4に示したように交線Kを境界線43にすることが望ましい。
【0032】
さらに、このように重複部分41を各々の反射形状28aおよび28bが残るように形成することは、2値のマスクを用いては不可能である。すなわち、2枚のマスクを用いて、重複した部分をエッチングすると、図16に示したように重ねてエッチングされ、所望の曲率を備えた反射面21を実現できない。
【0033】
そこで、本例では、1枚のグレイマスクを用いて反射体20に反射形状28を形成する。図7および図8に、そのフロチャートを示し、さらに図9に、製造工程の概要を模式的な図で示している。図9(a)に示すように、グレイマスク85は、透過率が線形または非線形に多階層制御されたマスクであり、このグレイマスク85を通して露光することにより、加工対象であるフォトレジストなどの感光体の露光強度を自由に変えることができる。したがって、レジストなどの感光性の構造層を断面が所定の角度あるいは形状になるように加工できる。このグレイマスク85は、感光性ガラス等に電子ビームあるいはレーザビームを階調制御しながら照射することにより作成できる。
【0034】
グレイマスク85を用いて、反射形状28の重複を許した反射面21を加工するためには、まず、図7に示すように、基本形状26を決定し、その相似形を発生させ、縦方向Yおよび横方向Xを合わせてランダムに配置することにより反射体20の反射面21の凹凸を表現する空間分布データを作成する(ステップ91)。
【0035】
この工程をさらに詳しく説明すると、図8に示すように、先ず、ステップ101で、予めシミュレーションを行い、用途に応じた所望の反射特性(放射角度)となる形状で、後のプロセスの加工特性が良好となる形状を定め、仕様の決定を行う。この仕様に基づいて、ステップ102で、基本形状26を作成する。ステップ103で、基本形状26を基にした大小および相似形の反射形状28を形成する。
【0036】
これらの反射形状28を、ステップ104でランダムに配置する。先ず、ステップ105で、用意された最大のサイズとなる第1の反射形状の中心座標をランダムに決定する。続いて、ステップ106で、サイズの大きい方から順番に、2番目の大きさの反射形状、3番目の大きさ、さらにn(所望の数)番目まで大きさと、サイズの異なる反射形状の中心が重ならないように、ランダムに配置する。したがって、この段階では、反射形状が重複することはない。
【0037】
最後に、ステップ107で、残された隙間(平面)に、適当な大きさの反射形状を周囲の反射形状との重複を許して配置する。これにより、隙間の面積、すなわち、反射面21において凹みとならず平坦となる面積を最小にするように処理される。本例では、これらのステップ105〜107に示した手順により、複数の反射形状28をランダムに配置することにより、3重以上の重複は生じないようにしている。2重になった部分(重複部分)41は、上述したように何れかの一方の反射形状28aまたは28bの面を採用することで、そこに入射した光を所望の方向に配光できる。このため、それ以上に、すなわち3重以上に重複した部分を設ける必要がないからである。また、重複部分41の反射形状を選択するデータが必要以上に増えず、すなわち、3重以上の重なりを許した際に生じる単にデータを区切る処理を増さずに、迅速に処理することが可能である。
【0038】
このように反射形状28の配置が決まると、ステップ108で、反射形状の配置に基づきグレイマスク85の空間分布データが計算されるが、この際に、重複部分41では、上述したように境界線43を自動的に設定して重複部分41のデータを選択する。すなわち、この重複部分41に、第1および第2の反射形状28aおよび28bの交線Kを境界線43として、この境界線43により第1の反射形状の側は、第1の反射形状を表現するデータのみがグレイマスク85を形成する空間分布データとして採用される。一方、境界線43の第2の反射形状の側は、第2の反射形状を表現するデータのみがグレイマスク85を形成する空間分布データとして採用される。
【0039】
このようにして、所望の反射形状28を最大限に活かした空間分布データが作成されると、図7のステップ92に戻り、作成された空間分布データに基づき感光性ガラスに電子ビームを照射するなどの方法により透過率が所望の分布で変化したグレイマスク(透過率変調マスク)85を作成する。そして、図9(a)に示すように、シリコン基板81の上に形成された感光性材料(レジスト)の層82をグレイマスク85を通して露光する。さらに、図9(b)に示すように、露光されたレジスト層82を現像することにより所望の立体構造体82aを加工する(ステップ93)。本例のグレイマスク85は、透過率の低い部分を黒線で示してある。
【0040】
さらに、図9(c)に示すように、この立体構造体(レジスト層)82aの表面に沿ってアルミニウムなどの反射特性の高い素材の層83を蒸着などの方法により形成する。これにより、所望の形状のアルミニウム製の反射層(反射体)20を製造することができる(ステップ94)。
【0041】
このようなグレイマスク85を用いることで、半導体製造技術として量産が可能で歩留まりも高いフォトリソグラフィー技術を用いて、重複部分41が境界線43まで何れかの反射形状28aまたは28bに沿った反射層21を製造できる。そして、上述した本発明にかかる微細で複雑な立体構造を備えた反射層(反射体)20を、設計どおりに簡単に低コストで歩留まり良く製造できる。したがって、上記で説明した反射層20および液晶パネル10を、高い品質で、さらに低コストで量産することが可能となる。
【0042】
なお、図9(c)では、ステップ94で示した方法の代わりに、エッチングにより反射体20を形成することも可能である。すなわち、所望の立体形状に加工されたレジスト層82aを介してエッチングすることにより、レジスト層82の下地層であるアルミニウムの層86にレジスト層82の立体形状82aを転写することが可能であり、同様に本例の反射体20を形成することができる。この方法でも、上記と同様に重複部分41は、所望の反射形状28aおよび28bの何れかが表われるように反射面21を製造でき、光の利用効率の高い反射面21を提供できる。
【0043】
反射体20に形成される基本形状26は、半球状などの対称な形状であっても良いが、本例では、表示パネル20の利用形態に応じた半球状と異なる基本形状を採用している。先ず、図1に示したものは、縦方向Yと横方向Xとで配光性能がことなり、発散していた光を所望の、ユーザ90の方向に向けて、光の利用効率の向上を図ったものである。図10(a)および(b)に、この反射体20を基本形状26の部分で横方向Xおよび縦方向Yで切断した様子を示してある。本例の基本形状26は、反射面21が凹んだ凹形状であり、横方向Xの曲面21xと、縦方向Yの曲面21yの曲率が異なった縦方向Xと横方向Yとで形状が異なる凹形状である。本例の基本形状26では、横方向Xの曲面21xの平均曲率半径Rxが、縦方向Yの曲面21yの平均曲率半径Ryより小さくなっており、縦方向Yの曲面21yに比べ、横方向Xの曲面21xの曲率が大きく、曲面21xの方が勾配が大きい。
【0044】
したがって、図11(a)に示すように、縦方向Yに対し横方向Xの勾配が大きく、曲率半径Rxの小さな基本形状26で周囲から集まる光71を反射すると、反射された光(光束)72の断面は、縦方向Yに対し横方向Xが広い楕円形になり、横方向Xの利用度が上がる。このため、この基本形状26に相似する反射形状28が反射面21に配列された反射層20を採用した本例の液晶パネル10においては、縦方向Yに対して、横方向Xに反射される光72が横方向X、すなわち、縦方向Yを鉛直方向とすると左右の水平方向に発散する割合を大きくし、液晶パネル10の正面(反射層20の法線方向)の、すなわちユーザの眼90に入る光を多くできる。
【0045】
図11(b)に比較例とし、平坦な反射面97である液晶パネル98における光路を模式的に示してある。この図から分かるように、反射面97が平坦の場合には、横方向からの入射光71は、反射されると光72のようになり、図に示す正面方向にはそれほど配光されず利用効率が悪い。したがって、液晶パネル10の正面(反射層20の法線方向)の側のユーザ90では明るい画面が得られない。
【0046】
これに対して、上記の図11(a)に示した本例のように、反射面21の基本形状26を凹状とし、さらに、この反射面21の曲面21xおよび21yの曲率半径を小さくすることで、すなわち、曲率を大きくすることで反射する光72を図に示す方向に発散できる。このため、平坦な面97では、ユーザ90に届かず、すなわち見えなかった光が、見えるようになるので利用効率を向上でき、明るい画面が得られる。
【0047】
したがって、曲率半径の小さな、すなわち、曲率を大きな凹状の反射面21を備えた液晶パネル10では、ユーザ90の側が正面となるように携帯電話機1に取付けた際に、ユーザ90に向けて出射される光72の水平方向の利用度を増しやすく、ユーザ90に届く光量を大きくすることができる。
【0048】
携帯電話機1などの携帯型の装置を考えた場合、これらはパーソナルユースであり、同時に表示パネルを見る機会のある人間は1人にほぼ限定され、また、1人に限定しても機能が阻害されることはない。したがって、携帯電話機1あるいはその他の携帯用機器に用いる液晶パネル10では、ユーザが手で携帯電話機1を持ったときの左右の方向、すなわち、横方向Xの視野角はそれほど必要なく、本例のように、横方向Xの側面(反射面)21xの勾配を大きくすることにより、反射された出射光72をできるだけ正面に向け、輝度を上げることができる。
【0049】
このように、反射層20の反射面21に設けられた反射形状28の横方向の反射面21xおよび縦方向の21yをそれぞれの方向に適した形状とし、さらに、本例では、重複を許しても各々の反射形状が損なわれるのを最小限にしているので、反射形状28を密な配置にでき、所望の方向に配光される光を増やすことができる。このため、携帯用機器1の液晶パネル10としては性能を落とすことなく正面側(反射層20の法線方向で、ユーザ90に向いた側)の有効な光束を増加することが可能であり、反射型の液晶パネル10における光の利用効率を向上させることができる。したがって、バックライトを省いて省電力化できると共に、明るく、色再現性の良く、見やすい液晶パネル10を提供できる。
【0050】
上記の例では、凹状の反射形状を採用した例を示してあるが、横方向Xの反射面21xの勾配を縦方向Yの反射面21yの勾配より大きくすることにより反射光72の横方向Xの広がりを大きくすることができるので、凸状の反射形状を採用することも可能である。図12には、凸形状の反射形状38を採用した例を示してある。さらに、反射型の液晶パネル10を携帯電話機1などの手持ちのポータブルな機器に用いる場合には、携帯電話機1を手で持って使うので、図12に模式的に示すように、液晶パネル10が傾いた状態で用いられる。このため、液晶パネル10の上方、すなわち、反射層20の縦方向Yの上方に光源70が位置し、上方からの入射光71を水平方向あるいは若干上方に位置するユーザの眼90の方向に反射することが望ましい。さらに、ユーザが携帯電話機1などを把持したときの手と顔の位置関係より、ユーザの眼90は液晶パネル10を覗き込むような高さになるので、反射光72の向きは、斜め上方になることが望ましい。逆に、縦方向Yの他方(下方)側には光源がなく、また、ユーザ自身により光が遮蔽されるので、縦方向Yの下方からは光が殆ど反射面21に到達しない。また、ほとんどのケースでは、携帯電話機1を顔の上方に持つことはないので、液晶パネル10から下方に光を反射する必要はない。
【0051】
したがって、本例においては、縦方向Yの上下の形状も意図的に変えた基本形状36を採用することにより、反射光72の縦方向Yの分布も最適化し、さらに光の利用効率を向上するようにしている。図13に、本例の反射層20の反射面21の一部を拡大して示してある。本例の反射層20も反射面21にミクロンあるいは数10ミクロンオーダのサイズの反射形状38がランダムに配置されており、これらの反射形状38は、図13の左端の形状を基準形状36としたときに、この基本形状36とほぼ相似な形状になっている。そして、重さなる部分41では、境界線43を境に何れか一方の反射形状38が残るようになっている。
【0052】
この基本形状36は、正面、すなわち横方向Xおよび縦方向Yに対して直交する方向(Z方向)にユーザ90の側に突き出た凸状で、縦方向Yの上方が狭く下方が広く、上側に比べて下側が膨らんだドロップ型(涙型)になっている。さらに、図15に断面を用いて示すように、本例の基本形状36は、縦方向Yの上下が非対称な凸状に形成されている。すなわち、本例の基本形状36のY軸方向の反射面21yは、上側を向いた曲面21yuの平均曲率半径Ryuが、下側を向いた曲面21ydの平均曲率半径Rydよりも大きく形成されており、縦方向Yの上方を向いた面21yuの平均的な傾きθ1が、下方を向いた面21ydの平均的な傾きθ2より小さくなっている。
【0053】
したがって、上側を向いた面21yuの方が下側を向いた面21ydに比べて緩やかな曲面となり、基本形状36の中で、上方を向いた面21yuの表面積が占める比率(割合)が大きくなる。縦方向Yの面21yのうち、上方を向いた面21yuは上方から入射された光71を斜め上方のユーザの眼90の方向に反射するのに適した面であり、上方に向いた面21yuの面積を広くすることにより上方からの入射光71を有効にユーザの眼90の方向に反射できる。このように縦方向Yの形状を上下において非対称とすることで、上方からの入射光71を眼90の方向に当たり易くなった基本形状36に相似する反射形状38を、縦方向Yは揃えて反射面21にランダムに配置することにより、上方からの入射光71を上方側の眼90の角度に効率的に反射でき、眼90の方向に出射光72を集束できる。したがって、本例の液晶パネル10を搭載した携帯電話機1を手で持ったときに、出射光72を正面のユーザ90の側に効率良く配光することができ、光の利用効率が高く、さらに明るくカラー画像の綺麗な液晶パネル10およびそれを搭載した携帯電話機1などの携帯端末を提供できる。
【0054】
また、図13に示すように、基本形状36は、凸状であることを除くと、図2に示した凹状の基本形状26と同様に、横方向Xの反射面21xの平均曲率半径Rxが、縦方向Yの反射面21yの平均曲率半径Ryよりも小さくなるように形成されている。したがって、図12に示すように、反射面21から反射される光束72は縦方向Yに対し横方向Xの発散度が高く、横方向Xの光が眼に入る率が向上されている。したがって、曲率半径の小さな(曲率の大きな)凹状の反射面21を備えた、すなわち、本例の涙滴型の基本形状36に相似する反射形状38を備えた反射層20を採用した液晶パネル10では、縦方向Yおよび横方向Xの光の利用効率が向上されており、反射型でありながら非常に明るい液晶パネルとすることができる。
【0055】
また、この基本形状36を基とした反射形状38も、図2に示した反射形状28と同様に、重複部分41は、いずれか一方の形状が残るようにしているので、重なりを許して密な配置とすることが可能であり、この点でも光の利用効率を向上できるようになっている。
【0056】
このように、反射層20の基本形状の縦方向および横方向の形状を対称にするのではなく、上述したような考え方にしたがって携帯端末の利用状態を考慮して意図的に変えることで、携帯端末に使用されたときの液晶パネルにおける光の利用効率を上げることができる。上記では、曲面を用いて基本形状および反射形状を構成した例を説明しているが、同じ思想に基づいた形状は上記に限定されるものではない。図2に示した基本形状26は凹状であるが凸状であっても良く、逆に、図12に示した基本形状36は凸状であるが凹状であっても良い。さらに、曲面の代わりに平面を組み合わせた、すなわち多面により基本形状および反射形状を構成することも可能である。この場合も同様に、反射光72の縦方向Yの分布も最適化し、さらに光の利用効率を向上するようにし、さらに、重複部分41では、同様に境界線43を定め、この境界線43までは各々の独立した反射形状38を保持することにより、重なりを許して蜜に配置でき、光の利用効率を向上することができる。
【0057】
なお、上記では携帯電話機1に用いる例を説明しているが、これに限らず、反射体も、用途に応じては、正球面のように対称な形状で反射形状を形成しても良い。その場合にも同様に、所望の配光性能に応じては縦および横方向を備えた反射形状(基本形状)を設定し、この設定を重複部分でもオリジナルに近似した面を実現でき、光の利用効率の高い反射体および反射パネルを提供できる。
【0058】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明では、反射型の液晶パネルなどの反射電極となる反射層あるいは反射体に形成される凹状または凸状の反射形状をランダムに密に配置する際に、反射形状の重複を許し、その部分に境界線を定めて、その境界線を境に何れか一方の反射形状のみが表われるようにしている。したがって、最大限に反射形状の密度を上げることができると共に、所望の放射形状で覆われた反射面を実現できる。このため、反射された光を効率良く、所望の方向に配光できる反射体および表示パネルを提供でき、光の利用効率が高く、明るい表示パネルを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る反射層(反射体)を用いた反射型の液晶パネルを備えた携帯電話機の概要を示す図である。
【図2】図1に示した本発明に係る反射層の概要を示す斜視図である。
【図3】本発明に係る反射形状の境界線の設定方法およびを重複する部分の処理方法を示すグラフ(X−Z面)である。
【図4】図4に示した反射形状の概要をX―Y面で見た様子を模式的に示す図である。
【図5】図4に示した例と異なる反射形状の境界線の設定方法および重複する部分の処理方法を示すグラフ(X−Z面)である。
【図6】図5に示した反射形状の概要をX−Y面で見た様子を模式的に示す図である。
【図7】本発明に係る反射体(反射層)の製造工程を示す図である。
【図8】図7に示した空間データを作成する工程のさらに詳しい手順を示す図である。
【図9】図7に示す製造工程の概要を模式的に示す図である。
【図10】図2に示した反射層の基本形状を示す図である。図10(a)は、横方向(X軸方向)から見た様子を示す断面図であり、図10(b)は、縦方向(Y軸方向)から見た様子を示す断面図である。
【図11】図11(a)は、図10(a)に示した横方向から見た反射形状における光路を示す図である。図11(b)は、図11(a)の比較図であり、平坦な面の反射面(反射形状)における光路を示す図である。
【図12】異なる基本形状に基づく反射層を用いた液晶パネルを備えた携帯電話機の概要を模式的に示す図である。
【図13】図12に示した反射層の概要を示す斜視図である。
【図14】図13に示した反射層の基本形状を示す図であり、縦方向(Y軸方向)から見た様子を示す断面図である。
【図15】図13に示した反射層の基本形状を示す図であり、横方向(X軸方向)から見た様子を示す断面図である。
【図16】反射形状の重複する部分を、それぞれ加算する処理方法を示すグラフ(X―Z面)である。
【符号の説明】
1 携帯電話機
10 液晶パネル、12 液晶セル
20 反射体(反射層)
21 反射面
26、36 基本形状
28a 第1の反射形状
28b 第2の反射形状
29a 第1の反射形状の輪郭、29b 第2の反射形状の輪郭
41 重複部分
43、44 境界線
70 光源、71 入射光(照明光)、72 出射光(反射光)
81 基板、82 レジスト層、85 グレイマスク
90 ユーザ

Claims (16)

  1. 凹状または凸状の複数の反射形状が配置されている反射面を有する反射体であって、
    前記複数の反射形状は、互いにほぼ相似し且つ複数の大きさを有する複数の形状からなり、
    前記複数の反射形状は前記反射面に対する縦方向と横方向とで異なる曲率を有する曲面からなり、
    前記複数の反射形状は前記縦方向と横方向の向きを変えずに、且つ前記反射形状同士は当該反射形状の一部が重なって配置され、
    前記反射形状同士が重なった部分には境界線が設定され、
    前記重なって配置された一の前記反射形状と他の前記反射形状が重なる部分は、前記境界線より前記一の反射形状の側が当該一の反射形状で形成され、前記他の反射形状の側が当該他の反射形状で形成されていることを特徴とする反射体。
  2. 請求項1において、前記境界線は、前記一の反射形状および前記他の反射形状の交線であることを特徴とする反射体。
  3. 請求項1において、前記境界線は、前記一の反射形状および前記他の反射形状を平面に投影した、前記一の反射形状および前記他の反射形状の輪郭の交点を結ぶ線であることを特徴とする反射体。
  4. 請求項1乃至3のいずれかにおいて、前記反射形状は前記縦方向が非対称であることを特徴とする反射体。
  5. 請求項4において、前記反射形状は、縦方向の一方を向いた面の平均的な傾きまたは平均曲率が、縦方向の他方を向いた面の平均的な傾きまたは平均曲率よりも小さく、
    前記縦方向の一方を向いた面は、該反射体を使用するときに斜め上方または光源に近い方向を向く面であり、前記他方を向いた面は、斜め下方または光源から遠い方向を向く面である反射体。
  6. 凹状または凸状の複数の反射形状が配置されている反射面を有する反射層を有し、
    前記反射形状は、互いにほぼ相似し且つ複数の大きさを有する複数の形状とからなり、
    前記複数の反射形状は前記反射面に対する縦方向と横方向とで異なる曲率を有する曲面からなり、
    前記複数の反射形状は前記縦方向と横方向の向きを変えずに、且つ前記反射形状同士は当該反射形状の一部が重なって配置され、
    前記反射形状同士が重なった部分には境界線が設定され、
    前記重なって配置された一の前記反射形状と他の前記反射形状が重なる部分は、前記境界線より前記一の反射形状の側が当該一の反射形状で形成され、前記他の反射形状の側が当該他の反射形状で形成されている
    ことを特徴とする表示パネル。
  7. 請求項6において、前記境界線は、前記一の反射形状および前記他の反射形状の交線であることを特徴とする表示パネル。
  8. 請求項6において、前記境界線は、前記一の反射形状および前記他の反射形状を平面に投影した、前記一の反射形状および前記他の反射形状の輪郭の交点を結ぶ線であることを特徴とする表示パネル。
  9. 請求項6乃至8において、前記反射形状は縦方向が非対称であることを特徴とする表示パネル。
  10. 請求項9において、前記反射形状は、縦方向の一方を向いた面の平均的な傾きまたは平均曲率が、縦方向の他方を向いた面の平均的な傾きまたは平均曲率よりも小さく、前記縦方向の一方を向いた面は、該反射体を使用するときに斜め上方または光源に近い方向を向く面であり、前記他方を向いた面は、斜め下方または光源から遠い方向を向く面であることを特徴とする表示パネル。
  11. 凹状または凸状の複数の反射形状が部分的な重複を許して配置されている反射面を有する反射体の製造方法であって、
    前記凹状または凸状を表現する空間分布データを作成する工程を有し、
    当該工程では前記複数の反射形状として、互いにほぼ相似し且つ複数の大きさを有する複数の形状とを作成し
    前記複数の反射形状のうちの第1の反射形状の中心座標を作成し、第2の反射形状、さらに所望の数の第nの反射形状まで、各々の反射形状の中心座標を作成し、
    前記反射形状間の隙間に任意の反射形状が他の反射形状と部分的に重なって配置されるように、当該任意の反射形状の中心座標を作成し、
    前記反射形状同士が重なった部分には境界線が設定され、
    前記重なって配置する一の前記反射形状と他の前記反射形状が重なる部分では、前記境界線より前記一の反射形状の側は当該一の反射形状を表現するデータが採用され、前記他の反射形状の側は当該他の反射形状を表現するデータが採用され、
    前記工程に続き、
    前記空間分布データに基づき透過率が変化した透過率変調マスクを製造する工程と、
    当該透過率変調マスクにより感光性材料を露光して該感光性材料を立体加工する工程と、
    立体加工された前記感光性材料の表面に沿った前記反射面を形成する工程と
    を有することを特徴とする反射体の製造方法。
  12. 凹状または凸状の複数の反射形状が部分的な重複を許して配置されている反射面を有する反射体の製造方法であって、
    前記凹状または凸状を表現する空間分布データを作成する工程を有し、
    当該工程では前記反射形状として、互いにほぼ相似し且つ複数の大きさを有する複数の形状とを作成し
    前記複数の反射形状のうちの第1の反射形状の中心座標を作成し、第2の反射形状、さらに所望の数の第nの反射形状まで、各々の反射形状が重なって配置されないように当該各々の反射形状の中心座標を作成し、
    前記反射形状間の隙間に任意の反射形状が他の反射形状に部分的に重なって配置されるように、当該任意の反射形状の中心座標を作成し、
    前記反射形状同士が重なった部分には境界線が設定され、
    前記重なって配置する一の前記反射形状と他の前記反射形状が重なる部分では、前記境界線より前記一の反射形状の側は当該一の反射形状を表現するデータが採用され、前記他の反射形状の側は当該他の反射形状を表現するデータが採用され、
    前記工程に続き、
    前記空間分布データに基づき透過率が変化した透過率変調マスクを製造する工程と、
    当該透過率変調マスクにより感光性材料を露光して該感光性材料を立体加工する工程と、
    立体加工された前記感光性材料の表面に沿った前記反射面を形成する工程と
    を有することを特徴とする反射体の製造方法。
  13. 請求項11または12において、
    前記境界線は前記一の反射形状および前記他の反射形状の交線であることを特徴とする反射体の製造方法。
  14. 請求項11または12において、
    前記境界線は、前記一の反射形状および前記他の反射形状を平面に投影した、前記一の反射形状および前記他の反射形状の輪郭の交点を結ぶ線であることを特徴とする反射体の製造方法。
  15. 請求項11乃至14のいずれかにおいて、前記反射面を形成する工程では、前記立体加工された感光性材料の表面に反射膜を製膜することを特徴とする反射体の製造方法。
  16. 請求項11乃至14のいずれかにおいて、前記反射面を形成する工程では、反射性材料からなる前記反射体の表面を前記立体加工された感光性材料を通してエッチングすることを特徴とする反射体の製造方法。
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