JP3817808B2 - 液体処理用カラムおよび液体処理方法 - Google Patents

液体処理用カラムおよび液体処理方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、グラム陰性細菌およびグラム陽性細菌に由来する毒素を除去あるいは解毒することができる液体処理のためのカラムと、該カラムを用いた液体の処理方法に関するものである。特に、血液あるいは血漿中においても双方の毒素について高い除去あるいは解毒性能を有する液体処理のためのカラムは、感染症あるいは敗血症の治療等に有効に用いられる。
【0002】
【従来技術】
人体に毒素活性を示す細菌性毒素は、特に、発熱性毒素として高く問題視されているリポポリサッカライド(LPS)に代表されるグラム陰性細菌に由来する毒素と近年注目されつつあるスーパー抗原に代表されるグラム陽性細菌に由来する毒素から構成される。これら細菌性毒素は、医薬品や人工臓器の充填液、人工透析の透析液中に含まれた場合、患者の発熱等の原因となり、また、重症の場合は患者をショックや致死に至らしめることがある。さらに近年、LPSとスーパー抗原の相互作用によって、毒素活性は劇的に増大することも知られるようになってきた。
【0003】
毒素活性が高く、最も問題視されている毒素の代表格にLPSがある。LPSはグラム陰性細菌の細胞壁の構成成分であるが、安定な物質であり、熱的に無毒化するにも250℃以上の加熱が必要とされる。滅菌操作対象が、熱的に非常に安定な物質であれば、加熱滅菌が可能になるが、通常の医薬品、血液および血液製剤、人工臓器等に混入したLPSについては適応ができない。また、LPSは逆浸透膜や限外濾過膜で濾過することで除去が一応可能となるが、血液や血液製剤、タンパク質製剤等には適応がきわめて困難である。
【0004】
一方、LPSを吸着により医薬品や血液中より除去する方法としては、抗生物質であるポリミキシンBを固定化した繊維や架橋アガロースビーズにヘキサメチレンジイソシアネートを反応させたビーズ(特開平4-114661)あるいはヒスチジンやその誘導体を固定した材料などが知られている。しかし、いずれの吸着体もLPS以外の細菌性毒素に対して吸着性は無いという問題があった。
【0005】
LPS以外にも細菌性の毒素としては黄色ブドウ球菌の外毒素(エンテロトキシンA、B、Cあるいは、トキシックショックシンドロームトキシン−1)等が知られている。黄色ブドウ球菌はグラム陽性細菌に分類される。グラム陽性細菌由来の毒素には、先の黄色ブドウ球菌の外毒素が含まれ、その特徴として分泌型のタンパク質性のものが多い。ウサギに投与することで、発熱だけではなく、下痢や嘔吐、さらに病態が進行するとショックや致死等を引き起こす。
【0006】
これらグラム陽性細菌由来の外毒素については、LPSと異なり、通常の加熱による滅菌操作が可能ではあるが、加熱操作は通常の医薬品や血液等のタンパク質成分を含む製剤を変性させるために、これらに混入している外毒素には適応できない。
【0007】
また、グラム陽性細菌由来の外毒素に対する選択的な吸着材料はこれまで知られておらず、通常の医薬品や血液等のタンパク質成分を含む製剤および血液(そのもの)等に混入すると無毒化することが困難であった。
【0008】
細菌感染においても、グラム陰性細菌単独による感染だけでなくグラム陽性細菌との混合感染例が多く報告されており、このような症例においてはLPSに加えてスーパー抗原等のグラム陽性細菌由来の毒素も血液中に存在することが示唆されている。グラム陰性細菌の感染例におけるLPSの除去についてはポリミキシンB固定化カラムが用いられているが、グラム陽性細菌感染や混合感染例についてのスーパー抗原に代表されるグラム陽性細菌由来の毒素の除去については、毒素の除去あるいは解毒を目的としたカラムがなかったために対応できなかった。LPSとスーパー抗原は毒素活性について相乗効果があるため、片方だけの除去では十分な治療効果をあげることは出来なかった。現在の医療レベルでも、患者が敗血症ショックに陥った場合の救命率は30〜40%程度にとどまっており、その原因のひとつとして、細菌感染例の約40%程度ある混合感染について対応できる治療方法に乏しかったことが指摘されている。
【0009】
このような状況から、混合感染例における双方の細菌由来の毒素について対応できるカラムの開発が希求されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
グラム陰性細菌由来の毒素に対して除去あるいは解毒作用を有する構造とグラム陽性細菌由来の毒素に対して除去あるいは解毒作用を有する構造を組み合わせることで初めて双方の細菌性毒素に対しても対応できるカラムを作製できるが、これまではグラム陰性細菌に対するものしか知られていなかった。しかも、両方の構造を含むようなカラム(製品)を作製するには、それぞれの材料を単純に組み合わせれば良いというわけではなく、材料製造工程、材料の充填行程、特に滅菌行程を考慮した適切な材料の選択が問題であった。例えば、同一の滅菌工程(蒸気滅菌、エチレンオキシドなどのガス滅菌、γ線滅菌等)で双方の構造が活性を維持できないこと、あるいは、双方の構造を同一の担体に付与する場合には、付与する担体構造によっては活性を失う等の問題があった。また、グラム陰性細菌およびグラム陽性細菌由来の毒素に対して除去あるいは解毒作用を維持する構造の組み合わせについては、双方の毒素に対して親和性を有する構造や導入したスペーサー部分の構造との間にイオン結合あるいは水素結合あるいは疎水結合等が形成され、構造の特性が変化するか、または、立体障害が生じるかして、結果、毒素に対する親和性が低下するなどの問題があった。
【0011】
本発明はこれら従来技術の欠点を解消しようとするものであり、LPSに限らずグラム陽性細菌由来の外毒素にも除去あるいは解毒作用を有するカラムと該カラムを用いた液体を処理する方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは鋭意検討した結果、グラム陰性細菌由来の毒素を除去あるいは解毒するような構造とグラム陽性細菌由来の毒素を除去あるいは解毒するような構造の組み合わせを有する液体を処理するカラムを見出し、それらが細菌種に限定されない細菌性毒素を除去あるいは解毒できる効果があることを確認し、本発明に至った。
【0013】
本発明は下記の構成を有する。
【0014】
「(1) グラム陰性菌に由来する毒素とグラム陽性菌に由来する毒素とを、吸着により同時に除去あるいは解毒する構造を同一の材料上に有し、グラム陰性菌に由来する毒素を除去あるいは解毒する材料にポリミキシンBあるいはポリアミノ化合物が含まれ、グラム陽性菌に由来する毒素を除去あるいは解毒する材料に尿素結合またはチオ尿素結合が含まれる材料が充填されてなることを特徴とする液体処理用カラム。
【0015】
(2) 医薬品、人工臓器の充填液または人工透析の透析液を上記の液体処理用カラムに通過させることでグラム陰性菌に由来する毒素とグラム陽性菌に由来する毒素を除去あるいは解毒する液体処理方法。」
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明においては、上記により、医薬品、血液、人工臓器の充填液、人工透析の透析液、血液や尿などの体液由来のタンパク質製剤に混入した細菌種によらない細菌性毒素の簡便な無毒化や、患者の体液処理による感染症や敗血症等の治療が可能な液体を処理するためのカラムを提供することができる。
【0017】
本発明において、グラム陰性細菌由来の毒素およびグラム陽性細菌由来の毒素を除去あるいは解毒するカラム形態には、透過型と吸着型の任意な組み合わせが好適に用いられる。
【0018】
また、酵素や化学反応等によって細菌性毒素の活性部分を分解するような、あるいは、毒素が担体中の官能基と接触することで官能基の一部が活性化して遊離し、そのまま毒素活性部分を被覆するような解毒(毒素活性の中和)型カラムの組み合わせも可能である。上記の解毒型カラムの毒素分解あるいは中和作用に選択性を付与するために、毒素を認識する受容体や結合物質またはそれらの毒素認識部を含む断片構造(例えば、トキシックショックシンドロームトキシン−1に対してMHCクラス2、リポポリサッカライドにはCD14あるいはLBPあるいはBPIなど)、または、毒素を認識する抗体や毒素認識部を含む断片構造や組み換え体にプロテアーゼや補体などの分解性のタンパク質や化学物質をコンジュゲートあるいは組み換え技術によってフュージョン化したものを用いてもよい。
【0019】
カラム形態で言うところの透過型には、限外濾過膜が好適に用いられ、そのなかでも膜形態がチューブラー型、プリーツ型、プレートアンドフレーム型、スパイラル型のものが使われ、好ましくはホローファイバー型が用いられるが特に限定されるものではない。また、膜素材は、セルロース系、酢酸セルロース系、ポリメチルメタクリレート系、ポリスルホン系、ポリアクリロニトリル系、ポリアミド系、ポリビニルアルコール系などが好ましいが、そのなかでも被処理液中の必要成分を非特異吸着しない膜素材がより好ましい。
【0020】
限外濾過膜の分画分子量範囲については、被処理液中の必要成分も透過させるか否かで選択される。例えば、必要成分を限外濾過膜から透過させることで細菌性毒素を除去する場合には、必要成分が少なくとも透過し得る分画分子量範囲であればよく、その上限は数百万ダルトンであるのが好ましい。このような選択が好ましい被処理液としては、血液を除く体液由来のタンパク質成分含有製剤や組み換え体などのタンパク質製剤、多糖類等の医薬品、人工腎臓の充填液、人工透析の透析液等が挙げられる。また、被処理液が血液そのものや血球含有製剤の場合には、人工透析や血漿交換の例に見られるように、必要成分を極力漏洩しない限外濾過膜を用いて該液中の毒素を透過除去する方法が好ましく用いられる。この場合用いられる限外濾過膜の分画分子量範囲は、上限が大きくとも被処理液中の必要成分を極力漏洩しないものであり、少なくともLPSの構成成分である発熱性物質リピドA(分子量約2千ダルトン)を透過除去できるように、2千ダルトン以上であることが好ましい。また特に、感染症あるいは敗血症患者について、血漿分離操作を行わずに体外循環による治療を行うには、血漿タンパク質中のアルブミン(分子量約6万8千ダルトン)の透過率が多くとも5%を越えない分画範囲を有する膜が好ましく、より好ましくはアルブミンの漏洩が認められない膜が用いられる。
【0021】
吸着型には、グラム陰性細菌由来の毒素の場合、毒素の吸着構造にはポリミキシンB等の抗生物質や、架橋性アガロースにヘキサメチレンジイソシアネートを反応させた材料(特開平4−114661)などが用いられる。また、グラム陽性細菌由来の毒素の場合、毒素の吸着構造には尿素結合またはチオ尿素結合含有化合物(特願平7−344204)が用いられる。
【0023】
カラムの充填方法の選択基準としては、例えば、双方の構造が同一の滅菌操作で活性を失わない場合は同一カラムに充填することが好ましく、それによりカラムのプライミングボリュームが抑えられることとカラム操作が簡単になる利点がある。最も好ましくは、同一担体中に双方の構造を付与することであり、カラムのプライミングボリュームが抑えられることとカラム操作が簡便になること以外に、カラム作成の工程がより簡略化できる利点がある。ただし、ある程度の量の毒素をより早く除去あるいは解毒する必要がある場合は、例えば、予め透過型カラムで除去した後に吸着型カラムで除去あるいは解毒するような用法もあり、この場合は吸着型カラムの吸着飽和によるカラム寿命を延ばせることも期待できる。
【0024】
素に対する吸着構造を付与する担体の形態としては、ビーズ、繊維、中空糸、織物等などが可能であるが、特に限定を受るわけではなく、また、織物または繊維の場合には、少なくとも一種類の毒素に対して親和性の高い構造を付与した複数種の繊維を紡糸後組み合わせて、双方の細菌種の毒素に親和性を有する材料を作る方法がより好ましい。そのなかでも最も好ましくは、被処理液との接触面積が最も多くとれ、且つ、流路抵抗の少ない繊維である。
【0025】
また、複合形態のカラム充填物として、中空糸に吸着構造を付与したものが例に挙げられる。この場合、そのカラムは透過型と吸着型を複合したカラムとしても使用が可能となる。そのため毒素は、吸着だけではなく透過あるいは濾過によって効率よく除去される。他にも、異なる形態のものについて、同一カラムに充填可能な場合がある。例えば、特開平8-164202にあるような中空繊維束と繊維状又はシート状の形態を有する基材を用いた反応性材料とが同一カラム内に配置された場合や中空糸と他の充填物を同一カラムに充填する場合があり、この場合も透過型と吸着型が複合したカラムとして使用が可能となる。複合形態中の中空糸には、必ずしも毒素吸着構造が付与されたものを使用しなくてもよい。中空糸以外の充填物は、中空糸の内部または外部に充填可能であり、特に限定を受けない。担体の素材には、特願平7-344204にも示す如く、特に限定はされず、例えば、ナイロン、ポリメチルメタクリレート、ポリスルホン、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリビニルアルコール、ポリテトラフルオロエチレン、ポリアリルアミン、ポリビニルアミン、ポリエチレンイミン等の合成高分子材料や、セルロース、コラーゲン、キチン、キトサン、及びその誘導体を含む天然高分子などの繰り返し単位が好適に用いられる。また、金属、セラミックス、ガラスなどの無機材料を適当な高分子で被覆したものも好適に用いられる。これら材料の組み合わせの中で、毒素の除去速度やカラムの寿命や製造コストを考慮した上で好ましい形態が用いられればよい。
【0026】
また、グラム陰性細菌由来の毒素に対する吸着構造体とグラム陽性細菌由来の毒素に対する吸着構造体を同一の担体に付与してもよく、この場合が充填物の形態としては最も好ましい。この場合の充填物についてより具体的に述べる。グラム陰性細菌由来の毒素と親和性を有する構造としてポリミキシンBを選択した場合には、先ずポリミキシンBが有機溶媒に対して不溶性であるために、固定化担体として水溶液中でも反応できるものを選択しなければならず、例えば、クロルアセトアミドメチル基、N−ヒドロキシスクシンイミド基、アルデヒド基等が好適に用いられる。また、ポリミキシンBは大分子量のポリペプチドであり、グラム陰性細菌由来の毒素と親和性を有するには立体構造を維持しておく必要がある。また、最初にポリミキシンBを固定化すると、立体障害が起こり、次の尿素あるいはチオ尿素結合を含む化合物を効率よく固定化できなくなる。そこで、ポリミキシンBの固定化反応は最後に行うことが好ましい。また、グラム陽性細菌由来の毒素に親和性を有する構造を担体に直接導入すると、後で導入されるポリミキシンBによる立体障害の影響をより強く受け、毒素吸着能が低下するために、適宜スペーサーを導入することが望ましい。吸着構造を付与する際のスペーサーは特に限定はなく、脂肪族化合物、脂環族化合物、芳香族化合物、糖質、多糖類あるいはそれら誘導体が用いられるが、毒素の解毒あるいは除去は水溶液中で行われるために、水溶液中で凝集などを起こさないものを選択することがより好ましい。より具体的には、上記のスペーサー中にアミノ基あるいはイミノ基、エーテル結合、水酸基、アミド結合、尿素あるいはチオ尿素結合、ウレタン結合、カルボキシル基などの極性基を適度に導入することが挙げられるが、特に限定されるものではない。
【0027】
付与される担体の形態は、先に述べた場合と同じく特に限定はされず、ビーズ、繊維、中空糸、織物等が好適に用いられる。担体の素材についても、先に述べた場合と同様に、特に限定はされず、例えば、ナイロン、ポリメチルメタクリレート、ポリスルホン、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリビニルアルコール、ポリテトラフルオロエチレン、ポリアリルアミン、ポリビニルアミン、ポリエチレンイミン等の合成高分子材料や、セルロース、コラーゲン、キチン、キトサン、及びその誘導体を含む天然高分子などの繰り返し単位が好適に用いられる。また、金属、セラミックス、ガラスなどの無機材料を適当な高分子で被覆したものも好適に用いられる。
【0028】
以上の条件による本発明で見出されたカラムは、LPSなどの従来のグラム陰性細菌由来の毒素だけではなく、グラム陽性細菌由来の外毒素も除去あるいは解毒が可能なために、医薬品や人工臓器等の充填液、あるいは血液や尿等の体液中に存在する細菌性毒素の更なる除去や毒素活性の喪失(解毒)が可能となる。人工透析等の体外循環中や該療法施行後に患者の発熱等の容態の悪化が認められる場合、これら細菌性毒素の関与の可能性が示唆されていることからも、本発明によるカラムを組み込むことで患者の容態改善が可能となる。さらには、混合感染に起因する感染症や敗血症を罹患した患者の血液などの体内の毒素の除去や解毒をすることによって、これまで救命率が低かったショック症状を起こした患者の救命率向上に大きな貢献ができる。また、グラム陰性細菌やグラム陽性細菌の単独感染から混合感染への移行が懸念される場合には、それぞれの毒素を除去あるいは解毒する材料の充填比を変えることで、患者の病態に即したカラムの設計が可能となり、病態悪化の防止ができる。他には、血液などの体液中から検出される毒素の量に応じて、カラム充填物の比率を変えることが可能となったために、感染症や敗血症患者の治療にさらに役立つ。
【0029】
以下に実施例を用いて詳細に説明を加えるが、発明の内容が実施例に限定されるものではない。
【0030】
【実施例】
実施例1 反応性ポリスチレン繊維へのポリミキシンBおよび尿素結合含有化合物の導入
50重量比の海成分(46重量比のポリスチレンと4重量比のポリプロピレンの混合物)と50重量比の島成分(ポリプロピレン)とからなる米国特許第4,661,260号明細書に記載の海島型複合繊維(厚さ:2.6デニール、島の数:16)50gを50gのN−メチロール−α−クロロアセトアミド、400gのニトロベンゼン、400gの98%硫酸及び、0.85gのパラホルムアルデヒドからなる混合溶液中に浸し、20℃で1時間反応させた。繊維を反応溶液から取り出し、0℃の氷水5L中に投じて反応を停止させた後、水で洗浄し、次に、繊維に付着しているニトロベンゼンをメタノールで抽出除去した。この繊維を50℃で真空乾燥して、クロロアセトアミドメチル化架橋ポリスチレン繊維(以下AMPSt繊維と略す)71gを得た。
【0031】
エチレンジアミン(以下EDAと略す)1.45gをジメチルホルムアミド(以下DMFと略す。)500mlに溶解した。この溶液に、20gのAMPSt繊維(クロロ含量20mmol相当)を撹拌しつつ加えた。反応は25℃で6時間行った。その後AMPSt繊維をガラスフィルター上でDMF500mlを加えて洗浄した。洗浄後、0.49gのパラクロロフェニルイソシアネートを溶解したDMF150mlの溶液中にAMPSt繊維を3g加えた。反応は25℃で1時間行った。その後、ガラスフィルター上で60mlのDMF及び蒸留水で洗浄した。蒸留水40mlに0.75gのポリミキシンBファイザー(台糖ファイザー株式会社)を溶解させた後、洗浄したAMPSt繊維1gを加えて5時間振とう後、酸化マグネシウム0.15gを添加し、室温で60時間振とうした。最後に、ガラスフィルター上で反応後の繊維を3Lの蒸留水および生理食塩水で洗浄してポリミキシンBおよび尿素結合含有化合物を付与した繊維(繊維A)を得た。
【0032】
続いて、上記で得られたポリミキシンBおよび尿素結合含有化合物導入繊維の細菌性毒素の吸着除去試験を行った。
【0033】
吸着対象の細菌性毒素には、グラム陰性細菌由来のLPSとして、E.coli0111B4Wを、また、グラム陽性細菌由来の外毒素として黄色ブドウ球菌エンテロトキシンBを用いた。吸着試験は牛血清アルブミン5mg/mlを含むリン酸緩衝化生理食塩水(以下PBSと略す)10mlに細菌性毒素の濃度をLPSが10ng/ml、エンテロトキシンBが1ng/mlとなるように添加した溶液中で行い、上記で作製した繊維A1gを添加し、37℃で60分間振とうした。60分間の反応後の溶液中の細菌性毒素の濃度を、LPSはLPS特異的な比濁時間分析法(和光純薬、リムルスESテスト)を用いて、また、エンテロトキシンBは酵素免疫学的方法を用いて測定した。コントロールとしては、未反応のAMPSt繊維(繊維B)を用いた。表1に示すように、ポリミキシンBおよび尿素結合含有化合物導入繊維である繊維AはLPSに限らず、黄色ブドウ球菌外毒素をも吸着し得る、細菌性毒素と親和性を有する材料であることが明らかとなった。
【0034】
【表1】
Figure 0003817808
比較例1 ポリミキシンBまたは尿素結合含有化合物導入繊維の細菌性毒素の吸着除去試験
まず、エチレンジアミン3gをDMF500mlに溶解した。この溶液に、20gの繊維Bを撹拌しつつ加えた。反応は25℃で6時間行った。その後AMPSt繊維をガラスフィルター上でDMF500mlを加えて洗浄した。洗浄後、0.33gのパラクロロフェニルイソシアネートを溶解したDMF50mlの溶液中にAMPSt繊維を1g加えた。反応は25℃で1時間行った。その後、ガラスフィルター上で200mlのDMF及び蒸留水で洗浄して繊維Cを得た。
【0035】
一方、蒸留水400mlに4.8gのポリミキシンBファイザー(台糖ファイザー株式会社)を溶解させた後、洗浄したAMPSt繊維11gを加えて5時間振とう後、酸化マグネシウム1.5gを添加し、室温で60時間振とうした。最後に、ガラスフィルター上で反応後の繊維を25Lの蒸留水および6Lの生理食塩水で洗浄してポリミキシンBおよび尿素結合含有化合物を付与した繊維(繊維D)を得た。
【0036】
繊維CおよびDの細菌性毒素に対する吸着性能を調べるために、実施例2に記載の吸着除去試験を行った。表2に示すように、繊維Cまたは繊維Dは細菌性毒素のうちグラム陰性細菌かグラム陽性細菌由来の毒素の何れか一方に高い親和性を有する材料であった。
【0037】
【表2】
Figure 0003817808
実施例2 透過型および吸着型カラムを用いた細菌性毒素の除去試験
分画分子量が10万ダルトンで膜材質がポリスルホン系の中空糸充填カラム(膜面積約40cm2、ヒト血清アルブミン透過率0.92)と実施例1に記載の繊維Aを充填した吸着型カラム(充填量10g)を用いて、細菌性毒素の除去試験を行った。ヒト血清アルブミン(分子量69,000)5mg/mlを含むリン酸緩衝化生理食塩水(以下PBSと略す)100mlに細菌性毒素の濃度をLPSが1500ng/ml、エンテロトキシンB(分子量28,000)が1ng/mlとなるように添加した溶液を調製して被処理液とした。先ず、中空糸充填カラムにて強制濾過処理を行い、この処理で得られた透過液(LPSが3.2ng/ml、エンテロトキシンBが0.99ng/ml)について、繊維Aを充填した吸着型カラムに流量0.5ml/minになるように通過させた。得られた溶液中の細菌性毒素の濃度は、LPSが0.014ng/ml、エンテロトキシンBが0.51ng/mlであった(ヒト血清アルブミンの回収率87.4%)。
【0038】
従って、中空糸充填のような透過型カラムでは除去できない細菌性毒素についても、さらに吸着型カラムで処理することでより効率の高い細菌性毒素の除去が達成された。特に、毒素除去に用いる限外濾過膜について、エンテロトキシンB等含むグラム陽性菌由来の毒素と似かよった透過率をもつ有用物質を含む被処理液から効率よく毒素を除去できた。
【0039】
比較例2 吸着型カラムのみを用いた細菌性毒素の除去試験
実施例2記載の毒素を含有した被処理液を中空糸充填カラムで強制濾過処理をせずに、吸着型カラム(繊維A10g充填)に同様の条件で通過させ溶出液を得た。溶出液中には、LPSが約1490ng/ml、エンテロトキシンが0.54ng/mlであった(ヒト血清アルブミンの回収率93.2%)。従って、被処理液中に含まれる毒素がカラムの吸着能力に対して極めて多い場合には、1回の吸着型カラムでの処理では除去量が不十分であった(LPSについて)。この場合、限外濾過膜などの透過型カラムの組み込みあるいは吸着型カラムのスケールアップ等を行う必要があった。
【0040】
実施例3 動物を用いた細菌性毒素除去試験
実施例1と同様の実験を生理食塩水中の細菌性毒素に対して行った細菌性毒素溶液(溶液A)2ml(LPSを1μg/mlとトキシックショックシンドロームトキシン−1を10μg/ml含む)と各官能基を導入したAMPSt繊維0.25gとの反応を37℃で60分間行った。はじめに繊維Cと反応させ(溶液B)、さらに同様の条件で反応後の溶液を繊維Dと反応させた(溶液C)。また、同様の条件で、溶液Aと繊維Dを反応させ、LPSを選択的に除去した場合のサンプルも得た(溶液D)。反応後の溶液は家兎に投与した。投与は、浸透圧ポンプ(alza社製)を用いて皮下から徐放により行った。家兎の体温を直腸より測定し、さらに7日間の生存率を調べた。溶液Aでは急激な体温の上昇があり、3日目に全て死亡した。溶液BまたはDでも同様に体温の急激な上昇もしくは下降が認められ、4日目に全て死亡した。しかし、溶液Cでは体温の変化も少なく、全てが生存していた。
【0041】
上記の如く、グラム陽性細菌およびグラム陰性細菌由来の毒素を含む溶液では、双方の毒素に対して吸着除去が可能になって、初めて発熱性および致死活性を解毒することが可能であることが示された。すなわち、細菌種によらない毒素を除去あるいは解毒できる該材料を用いた組み合わせは、双方の菌種に由来する毒素を除去あるいは解毒する場合、特に混合感染等の治療に有効である。
【0042】
【発明の効果】
本発明の細菌性毒素に対する除去あるいは解毒用材料および該材料を用いた除去あるいは解毒方法は、材料の組み合わせによりグラム陰性細菌由来の毒素だけでなく、グラム陽性細菌由来の毒素についても親和性を示し、除去あるいは解毒ができる。特に、双方の細菌由来の毒素が共存する場合、何れか一方の毒素に対して特異性が高い担体も双方の担体を併せて用いることではじめて毒素の解毒が可能であることが動物実験で確認された。また、担体の使用により発熱等の顕著な副作用もなく、この構造もしくは担体の組み合わせは、これまで対応が極めて困難であったグラム陰性およびグラム陽性細菌由来の双方の毒素に対して、同時に除去あるいは解毒ができる材料および方法として提供ができるようになった。
【0043】
つまり、本発明で提示したように双方の毒素に対して親和性を有する構造の活性が維持できるようにそれぞれの構造を適切に組み合わせることで、はじめてグラム陰性もしくはグラム陽性細菌由来の毒素の双方に対しても除去あるいは解毒が可能になり、該材料及び方法は、これまで細菌性毒素の除去が困難であった体液成分を含有する医薬品や組み換え体等を含むタンパク質製剤や多糖類やその他の滅菌操作等について変性し易い医薬品のみならず人工臓器の充填液や人工透析の透析液の細菌性毒素の除去や解毒に有効且つ安価な手段であることが示された。さらに動物実験等の結果でも、これまで有効な治療方法が全く無かった混合感染モデルに対して、初めて効果的な治療手段を提供できる可能性が示された。従って、これまでの良好な結果から上記の適用だけではなく、患者の感染症や敗血症対策、特に救命率の極めて低い混合感染を罹患した場合に唯一有効な手段を提供する事ができた。

Claims (9)

  1. グラム陰性菌に由来する毒素とグラム陽性菌に由来する毒素とを、吸着により同時に除去あるいは解毒する構造を同一の材料上に有し、グラム陰性菌に由来する毒素を除去あるいは解毒する材料にポリミキシンBあるいはポリアミノ化合物が含まれ、グラム陽性菌に由来する毒素を除去あるいは解毒する材料に尿素結合またはチオ尿素結合が含まれる材料が充填されてなることを特徴とする液体処理用カラム。
  2. グラム陰性菌に由来する毒素がリポポリサッカライドであることを特徴とする請求項1記載の液体処理用カラム。
  3. グラム陰性菌あるいはグラム陽性菌に由来する毒素がスーパー抗原であることを特徴とする請求項1記載の液体処理用カラム。
  4. 感染症治療用であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の液体処理用カラム。
  5. 敗血症治療用であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の液体処理用カラム。
  6. グラム陰性菌またはグラム陽性菌由来の毒素を除去あるいは解毒する構造が担体に付与される反応にクロルアセトアミドメチル基が関与することを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の液体処理用カラム。
  7. グラム陰性菌またはグラム陽性菌由来の毒素を除去あるいは解毒する構造を有する担体が、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリメチルメタクリレートおよびそれらの誘導体から選ばれることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の液体処理用カラム。
  8. 医薬品、人工臓器の充填液または人工透析の透析液を請求項1〜またはのいずれかに記載の液体処理用カラムに通過させることによりグラム陰性菌に由来する毒素とグラム陽性菌に由来する毒素とを除去あるいは解毒することを特徴とする液体処理方法。
  9. 医薬品が、血液製剤またはタンパク質製剤であることを特徴とする請求項記載の液体処理方法。
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