JP3817771B2 - 合成石英ガラス基板の研磨方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、合成石英ガラス基板の表面を高平坦に研磨するための研磨方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
フォトマスク用ガラス基板、磁気ディスク用ガラス基板またはシリコン半導体ウェハーは高い平坦性が要求されるため、鋳鉄定盤等を使用したラップ研磨装置の改良または装置運転方法の工夫により研磨面圧と相対的運動速度の均一化を図って基板の平坦度を高め、かつ、そのあとに行うポリシュ研磨の研磨量を極力少なくすることによりその要求に対処してきた。すなわち、長時間のポリシュは被研磨物の平坦度を劣化させる。この劣化をある程度抑制させるために、シリコン半導体ウェハー等では研磨定盤を温度制御するなどの方法を採ってきたが、必ずしも十分とはいえなかった。
【0003】
また、研磨パッド表面に“目切り”と呼ぶ溝を格子状に形成して研磨砥粒液を被研磨表面に極力均一に供給することで研磨を均一化する方法が採られているが、この目切りを施こした研磨パッドで研磨を行うと、目切りのピッチに相当する細かな起伏が被研磨物の表面に形成されるという問題があり、特に仕上げ研磨の段階ではこの方法を採用することはできなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、従来技術が有していた前述の欠点の解消にある。すなわち、合成石英ガラス基板の平坦度劣化を極力抑制することができるポリシュ研磨方法を新規に提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は前述の課題を解決すべくなされたものであり、軟質ウレタンパッドを貼り付けた互いに異なる方向に回転する一対の研磨定盤と、前記一対の研磨定盤の間に挟まれたキャリヤとの各々が回転運動することにより、キャリヤに挿入された合成石英ガラス基板の表裏両面を同時に研磨する研磨方法において、研磨定盤の前記合成石英ガラス基板と接するパッド表面に、内周近傍から外周近傍にかけて連続した幅50mm以下の扇状の凹部が複数本形成されており、前記凹部の間隔に当たる凸部の幅が研磨定盤外周において前記合成石英ガラス基板の外形寸法の長辺または長径の3分の2以下であり、前記凹部の深さが0.1mm以上であり、前記軟質ウレタンパッド表面において、ある半径における円周長さaに対する凸部の長さbの累計n・b(ここでnは凸部の数)の比n・b/a=cが、外周側ほど小さく、かつ、外周側のcの値を両研磨定盤間で異ならしめ、キャリヤの回転方向と逆に回転する研磨定盤が、同方向に回転する研磨定盤よりも、研磨定盤外周側での軟質ウレタンパッドと前記合成石英ガラス基板の接触時間が少なくなるように研磨することを特徴とする研磨方法である。
【0006】
【0007】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の一実施例に係る研磨定盤の一部分の斜視図であり、1は研磨定盤、4はパッド、2はパッドの凸部(肉厚部)、3はパッドの凹部(肉薄部)、である。
【0008】
本発明の研磨装置としては、ホフマン型の両面研磨機などが使用できる。
本発明におけるキャリヤとしては、ステンレス鋼シート、ポリイミド樹脂シート、ガラス繊維積層エポキシ樹脂シートなどが使用できる。
【0009】
本発明におけるパッドとしては、軟質の発泡ポリウレタンを使用する。
【0010】
本発明では、パッドの表面が凸部および凹部を備えている。この凸部、凹部は、それぞれパッドの肉厚部、肉薄部を対応させることができる。この凸部、凹部を形成させる方法としては、パッドを貼る研磨定盤の表面に機械加工で凹部を形成する方法、研磨定盤の表面に所定寸法に裁断したプラスチックシートを貼り付けて凹部を形成する方法(この場合、凹部すなわちパッドの肉薄部の厚さは0mmということになる)、裏面層を部分的に除去したパッドを使用する方法、表面層を加熱加圧加工することにより凹部を形成したパッドを使用する方法、所定寸法に裁断したパッドを複数枚使用する方法などがある。
【0011】
形成する帯状または扇状の凹部の幅および深さは、研磨スラリーの流れを良くするために、幅は1mm以上とするのが好ましく、深さは0.1mm以上とする。さらに、研磨定盤内外周間での前記合成石英ガラス基板とパッドとの相対速度の差によってもたらされる研磨量偏差を低減させるために、外周側の凹部の幅を内周側よりも広くすることが望ましい。しかし、幅を広くしすぎると研磨速度を低下させたり、前記合成石英ガラス基板の滑らかな摺動運動の妨げとなるため、幅は50mm以下とする。
【0012】
凸部の幅は、研磨定盤外周において合成石英ガラス基板の外形寸法の長辺または長径の3分の2以下とすることが、ポリシュ研磨中の平坦度劣化を抑制するために必要である。
【0013】
ホフマン型の両面研磨機などにおいては、通常、上下の研磨定盤を逆方向に回転させるが、そのため、キャリヤの回転方向と逆に回転する研磨定盤側の研磨は、研磨定盤の内外周間での前記合成石英ガラス基板とパッドとの相対速度の差が増す条件下で行われることになる。この影響を少なくするために、キャリヤの回転方向と逆に回転する研磨定盤については、同方向に回転する研磨定盤よりも、研磨定盤外周側でのパッドと前記合成石英ガラス基板の接触時間が少なくなるように、外周側の凸部の幅を狭くしたり、凹部の本数を増やしたりすることが、さらに望ましい。すなわち、パッド表面において、ある半径における円周長さaに対する凸部の長さbの累計n・b(ここでnは凸部の数)の比n・b/a=cが、外周側ほど小さく、かつ、外周側のcの値が両研磨定盤間で異なっていることが好ましい。
【0014】
本発明において、パッド表面に存在する凹部は、研磨スラリーを前記合成石英ガラス基板に均一に供給する役割を果たす。一般に、パッド表面の凹凸は研磨量の局所的偏差を生じさせるが、この凹部を、研磨定盤の内周近傍から外周近傍にかけて連続して設けることにより、その偏差を増幅させることなく平均化させることができる。それは、キャリヤの自転による前記合成石英ガラス基板−パッド間の相対速度を研磨定盤の回転による前記合成石英ガラス基板−パッド間の相対速度に比べて十分小さくしたときに実現できる。なお、キャリヤと研磨定盤の回転速度をこのような条件に設定することは何ら支障はないものと考えられる。
【0015】
また、本発明において、研磨定盤の所定半径における実質的研磨時間が、凸部の幅と凸部の本数との積を任意に設定することにより変えることができるため、研磨定盤の内外周間で生じる研磨偏差を抑制することができる。
【0016】
【実施例】
以下に本発明の実施例および比較例を説明する。
【0017】
[実施例1]
研磨定盤の外径が1325mmの4ウェイ式ホフマン型両面研磨機を使用し、152×152×6.4mmの合成石英ガラス基板を5枚のキャリヤに3枚ずつ合計15枚挿入し、研磨を行った。
【0018】
厚さ0.5mmの硬質PVCシートを幅15mmの短冊状に切断し、上下定盤の表面に放射状にそれぞれ90本の短冊を両面テープにて貼り付け固定することにより研磨定盤表面に幅2〜31mmの凹部を形成した。その上に、裏面に不織布層を有する軟質の発泡ポリウレタンから成る研磨パッドを貼り付けた。
【0019】
研磨圧は、全加圧力をパッド凸部が前記合成石英ガラス基板と接触する面積で除した値で表して80g/cm2 とした。上定盤、下定盤の回転数は、それぞれ15rpmと−45rpm(ここで−符号は反時計回りを表すこととする)とし、キャリヤ公転数、自転数は、それぞれ−15rpmと3rpmとした。酸化セリウムを純水に懸濁させた研磨スラリーを供給しながら、40分間研磨を行った。
【0020】
その結果、研磨前後の各々のガラス基板の平坦度変化は平均0.3μm、最大でも1.5μmであり、しかも、表面粗さRa が0.2nmの、平滑でウネリのない鏡面を得た。
【0021】
[比較例1]
研磨定盤表面に凹部を形成しない他は実施例1と同一条件にて研磨を行ったところ、研磨前後の各々のガラス基板の平坦度変化は平均1.2μm、最大で8μmであった。表面粗さRa は0.2nmであった。
【0022】
[実施例2]
厚さ0.5mmの硬質PVCシートを幅15mmの短冊状に切断し、下定盤の表面に放射状に90本の短冊を両面テープにて貼り付け固定することにより下定盤表面に幅2〜31mmの凹部を形成し、上定盤については、同じPVCシートを短辺15mm、長辺30mm、高さ418mmの台形状に切断したものを90本作り、上定盤の表面に放射状に両面テープにて貼り付け固定することにより上定盤表面に幅2〜16mmの凹部を形成した。
【0023】
これらの定盤を用いて実施例1と同様に研磨を行った。その結果、研磨前後の各々のガラス基板の平坦度変化は平均0.2μm、最大でも0.8μmであり、表面粗さRa が0.2nmの、平滑でウネリのない鏡面を得た。
【0024】
【発明の効果】
本発明は、ポリシュ研磨で生じる平坦度の劣化を抑制させることができるため、次のような効果を有する。(1)平坦度の高い、表面が滑らかな合成石英ガラス基板が製造できる。(2)傷や汚れなどの表面欠陥が生じて再度研磨をする場合も、平坦度を劣化させずに再生研磨ができる。(3)平坦度劣化がほとんど生じないため、硬質発泡ポリウレタン等による研磨による再生研磨が省略でき、そのため、素材歩留まりが向上する。(4)平坦度不良が減り、歩留りが向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る研磨定盤の一部分の斜視図
【符号の説明】
1:研磨定盤
2:凸部
3:凹部
4:パッド
Claims (1)
- 軟質ウレタンパッドを貼り付けた互いに異なる方向に回転する一対の研磨定盤と、前記一対の研磨定盤の間に挟まれたキャリヤとの各々が回転運動することにより、キャリヤに挿入された合成石英ガラス基板の表裏両面を同時に研磨する研磨方法において、
研磨定盤の前記合成石英ガラス基板と接するパッド表面に、内周近傍から外周近傍にかけて連続した幅50mm以下の扇状の凹部が複数本形成されており、
前記凹部の間隔に当たる凸部の幅が研磨定盤外周において前記合成石英ガラス基板の外形寸法の長辺または長径の3分の2以下であり、
前記凹部の深さが0.1mm以上であり、
前記軟質ウレタンパッド表面において、ある半径における円周長さaに対する凸部の長さbの累計n・b(ここでnは凸部の数)の比n・b/a=cが、外周側ほど小さく、かつ、外周側のcの値を両研磨定盤間で異ならしめ、
キャリヤの回転方向と逆に回転する研磨定盤が、同方向に回転する研磨定盤よりも、研磨定盤外周側での軟質ウレタンパッドと前記合成石英ガラス基板の接触時間が少なくなるように研磨することを特徴とする研磨方法。
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