JP3817235B2 - 捕水剤及び有機el素子 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機EL素子に関するものであり、非発光部であるダークスポットの発生及び成長を抑制する捕水剤の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に有機EL素子(有機エレクトロルミネッセンス素子)は、蛍光性有機化合物を含む薄膜である有機EL層を陽極と陰極との間に挟んだ積層体の発光部構造を有し、前記蛍光性有機化合物を含むは薄膜に正孔(ホール)及び電子を注入して再結合させることにより励起子(エキシトン)を生成させ、この励起子が失活する際の光の放出(蛍光・燐光)を利用する自発光素子である。
【0003】
ところで、上記有機EL素子の最大の課題は発光部の寿命の改善である。寿命が短い原因として、ダークスポットと呼ばれる非発光ドットの発生がある。この非発光ドットは点灯経過時間とともに成長し、次第に非発光面積が大きくなり、発光部の発光輝度は低下していく。そして、前記非発光部の直径が数10μm以上に成長すると目視でも確認できるようになり、ここで製品としての寿命が尽きることとなる。このダークスポットが発生する主原因としては、有機EL素子を構成している有機EL層が密封容器内の水分や酸素と反応して部分的にダークスポットが発生・成長する現象が知られている。
【0004】
そこで、有機EL素子を配設する密封容器内に水分を極力少なくすることが必要であり、特に発光部に使用する有機材料に水分が無い状態に精製処理することが重要である。また、密封容器内に水分が残ることがないように、基板上に発光部を成膜する時に用いる真空チャンバーの内部や、発光部を形成した基板の上面に発光部を覆って封止キャップを取り付ける素子の封止作業等の製作工程において、容器内の水分を極力取り除く様に工夫し、ドライプロセスで有機EL素子の製造が行われている。しかしながら、それでも製造工程から水分を完全に取り去ることができずダークスポットの発生及び成長が皆無にならないのが現状である。
【0005】
このように、有機EL素子の最大の課題は、容器内の水分を完全に無くすことによりダークスポットを根絶するか、または小さなダークスポットを成長させないことにより、素子としての長寿命化を図ることである。その対策として、市販されている有機EL素子では、容器内に別途乾燥手段である無機系の乾燥剤を設けて封止することで前記問題点の改善を図っている。係る技術は、本発明に関連するものであり、下記の特許文献1示すように公知の技術分野である。
【0006】
さらに、従来の無機系の乾燥手段が粉末であるための問題点を改良して、水分と反応性の高い有機金属系化合物を膜状にして捕水層を形成し、化学反応を利用して効果的に水分を捕水し、酸素等を含有しないで、有機EL周辺部におけるダークスポットの発生及び成長を抑えることができる捕水手段を作業性よく形成する技術は、下記の特許文献2として開示してある。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−267138号公報
【0008】
【特許文献2】
特開2002−33187号公報
【0009】
図2は有機EL素子の封止構造を示した部分断面図である。図2に示すように、ガラス等で生成されているガラス基板上52に、互いに対向する陽極電極55、陰極電極56と、陽極電極55と陰極電極56との間に有機EL素子51の有機発光層54が狭持された構造を有している。ここでは、封止キャップ53に凹部59を設け、ここに捕水剤57である酸化バリウム(BaO)の粉末を入れ、粉が管内に飛散しないように水分透過性のテープ60で固定する。ここで、封止管内は乾燥した窒素で満たされており、外部からの水分の侵入を防ぐためにエポキシ樹脂を用いた接着剤58基板と封止管を固定している。
【0010】
また図3に示すように、ガラス基板72上に設けた、互いに対向する陽極電極75、陰極電極76間に有機EL素子71の有機EL発光層74が狭持された発光部の構造を有している。前記有機発光層74には、ホール注入層74a、ホール輸送層74b、発光層兼電子輸送層74cの3層の積層構造となっている。また、前記有機発光層74がガラス基板72と封止キャップ73とシール部78からなる気密容器内に設けられるとともに, 気密容器内には捕水剤層77を設け、前記有機EL材料の有機EL発光層74を水分による汚染から防止している。前記捕水剤層77は有機金属錯体化合物の薄膜で構成され、前記有機金属錯体化合物は化学式(化2)(化3)(化4)で示される。
【0011】
【化2】
Figure 0003817235
【0012】
【化3】
Figure 0003817235
【0013】
【化4】
Figure 0003817235
【0014】
前記化学式(化2)(化3)(化4)で示される有機金属錯体化合物は有機溶剤に可溶で実装時には液状であり、それをガラス表面をサンドブラスタ等の加工機器を用いてザグリ加工した平面ガラス板からなる封止キャップ73の内側全面に塗布し、厚さ10μmの捕水剤層77としていた。これは、粉末の捕水剤を利用する場合と比較して、テープ60不要で封止キャップ73に凹部を形成する必要がなく、有機EL素子全体の厚みを薄くすることができる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の捕水剤である酸化バリウム(BaO)は劇物であるため、作業環境や市場に出てからの取り扱い等の問題が生じる。また、酸化バリウムは、粉末であるため封入する際に飛散したりして利便性が良くない。捕水剤が粉末状であったため、捕水剤を封入する封入スペースを別途設けなければならないため素子全体が厚くなるという問題があった。従来の膜状捕水剤は、その膜形成プロセスおいて溶媒を加熱により除去する必要があるため時間がかかるという問題がある。また、この膜状捕水剤に使用する乾燥システムは、装置が大掛かりになるため作製場所内の設置スペースが大きくなり作業の効率性が悪くなるという問題がある。
【0016】
そこで、本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、ダークスポットの発生及び成長を抑制し、光重合プロセスにて乾燥加工が容易に行なえる捕水剤と、この捕水剤を乾燥手段として設けた有機EL素子を提供することを提供することを目的としている。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1の発明に係る捕水剤は、前記化学式(化1)で示される化合物を主成分とすることを特徴とする
【0018】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の捕水剤において、前記化学式(化1)で示される化合物の置換基Rが少なくとも2種類以上であることを特徴とする
【0019】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の捕水剤において、前記化学式(化1)で示される化合物の置換基Rが2種類であることを特徴とする
【0020】
請求項4記載の発明は、請求項1記載の捕水剤において、前記化学式(化1)で示される化合物の置換基Rが3種類であることを特徴とする
【0021】
請求項5記載の発明は、請求項1乃至4記載の捕水剤において、化合物が互いに又は他の化合物と脱水反応によりエーテル結合していることを特徴とする
【0022】
請求項6記載の感光性捕水剤の発明は、請求項1乃至5記載の捕水剤の少なくとも一種類以上と感光剤により、乾燥工程を紫外線照射で行なえることを特徴とする
【0023】
請求項7記載の熱重合性捕水剤の発明は、請求項1乃至5記載の捕水剤の少なくとも一種類以上と熱重合性素材により,乾燥工程を加熱により行なえることを特徴とする
【0024】
請求項8記載の発明は、少なくとも一方が透明である一対の電極間に有機化合物からなる正孔注入層、正孔輸送層、発光層が積層された有機EL発光部と、前記有機EL発光部を封止する気密容器と、前記気密容器内に設けられた捕水剤を有する有機EL素子において、前記捕水剤が請求項1乃至5記載の捕水剤で構成されていることを特徴とする。
【0025】
【発明の実施の形態】
図1は本発明による有機EL素子の実施の形態を示す側断面図である。
【0026】
図1に示すように、有機EL素子1は、絶縁性及び透光性を有する矩形状の板ガラスをガラス基板2としている。このガラス基板2の内側表面上には、透明性を有する導電材料により陽極5がパターン形成されている。前記透明性を有する導電材料として、例えばITO膜は、例えば真空蒸着法、スパッタ法等のPVD(Physical Vapor Deposition)法によりガラス基板2の全面に成膜される。その後、フォトリソグラフィ法の手段により所望の形状にパターニングされ、陽極5を形成する。前記陽極5の一部は、引き出し電極としてのガラス基板2の端部まで引き出されて不図示の駆動回路に接続される。
【0027】
陽極5の上面には、例えば、分子線蒸着法、抵抗加熱法等のPVD法により、有機化合物材料の薄膜による有機EL層4が積層されている。図1の例における有機EL層4は、陽極5の上に数10nmの膜厚で形成された銅フタロシアニン(CuPc)からなるホール注入層4aと、該ホール注入層4aの上面に数10nmの膜厚で成膜されたBis((N−(1−naphtyl−n−phenyl))benzidine(αーNPD)からなるホール輸送層4bと、該ホール輸送層4bの上面に数10nmの膜厚で成膜されたトリス(8−キノリノラト)アルミニウム(Alq3 )からなる発光層兼電子輸送層4cの3層構造からなる。そして前記陽極5、有機EL層4及び後述する陰極6との5層構造からなる積層体により、発光部が形成されている。
【0028】
前記陰極6は図1に示すように、有機EL層4(詳しくはAlq3 からなる発光層兼電子輸送層4c)の上面に金属薄膜により形成されている。前記金属薄膜の材料は例えばAl、Li、Mg、In等の仕事関数の小さい金属材料単体やAl−Li、Mg−Ag等の仕事関数の小さい合金である。前記陰極6の膜厚は、例えば数10nm〜数100nm(好ましくは50nm〜200nm)の薄膜で形成される。陰極の一部は、ガラス基板2の端部まで引き出されて引き出し電極として不図示の駆動回路に接続される。
【0029】
一方、前記ガラス基板2に対面して矩形状の板ガラスからなる封止キャップ3を用意する。この封止キャップ3の外周部には、例えば紫外線硬化型接着剤等によるシール部が後述の封止工程で形成される。該シール部を残してその内側の封止キャップ3の内面には捕水剤層7が配設される。
【0030】
本発明に係る有機金属錯体化合物の捕水剤によれば、塗布にあたって使用可能な溶媒は炭化水素系の有機溶媒に限られない。従って、スクリーン印刷法で被着する場合は、有機溶剤としてブチルカルビトール、テルピネオール等に溶解させることができる。バインダーとしてはエチルセルロースやヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース系のポリマーが使用できる。又、ポリメタクリレート、ポリアクリルレートなどもポリマーとして使用できる。
【0031】
スクリーン印刷法以外の塗膜形成方法としては、スピンナ一法、スプレー法、ディスペンサー法、インクジェット法、ドクターブレード法、オフセット印刷法等がある。
【0032】
また、乾燥手段としては、オーブン、真空オーブン、ホットプレート、遠赤外線ベルト炉などがある。通常これらの乾燥手段は、乾燥窒素雰囲気中で行われる。
【0033】
封止工程は、水分を極力取り除いた不活性ガス(例えばドライ窒素)やドライエアによるドライ雰囲気において、矩形状の封止キャップ3の外周に例えば紫外線硬化樹脂による接着剤が封止部材8として塗布され、ガラス基板2と封止キャップ3が封止部材8により密封固着される。この封止キャップ3により、陽極5、有機EL層4及び陰極6が保護される。
【0034】
次に、本願発明に係る(化1)に示す有機金属錯体化合物について本願発明者等が見出した捕水作用について説明する。
本願発明に係る(化1)に示す有機金属錯体化合物は、置換反応により水分子を捕水する。即ち、有機EL容器内の水分が当該有機金属錯体化合物と反応し、結果として水分子が反応して水酸化物を形成し、捕水が行なわれる。本願発明者等は、(化1)に示す有機金属錯体化合物がかかる捕水作用を有しており、これが有機EL素子の捕水剤としての用途において十分な効果を示すものと初めて認識したものである。そして最近では膜状で透明なものや、作製時のタクト時間の短縮が望まれる中、これらの有機金属錯体化合物をさらに詳しく調査する中で、従来の捕水剤の置換基に二重結合を導入し、光重合や熱重合させることで捕水能力が同等以上で、且つ、透明でタクトタイムの短縮を実現できる有機金属錯体化合物を見出したのである。
【0035】
以下に(化1)に示す有機金属錯体化合物の置換基Rの一例を示すが、(化1)の有機金属錯体化合物の置換基Rはこれらのみに限られるものではない。
式中、R1,R2,R3はそれぞれ独立に水素、炭素数1個以上のアルキル基、アリール基、シクロアルキル基、アシル基、アルコキシド基、複素環基を示す。あるいはそれぞれの基の水素の少なくとも一部をハロゲン元素で置換した物でもよい。またR1,R2,R3のそれぞれが連結されていても良い。また、ポリマーでも良い。
【0036】
Rは、炭素数1個以上のアルキル基、アルケニル基、アリール基、シクロアルキル基、複素環基、アシル基を示す。アルキル基は置換もしくは未置換のものであるが、具体例としてはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基、ヘンイコシル基、ドコシル等とあるが好ましくは炭素数が8以上のものが良い。置換若しくは未置換基の具体例として以下に示すものが好適である。またこれらのオリゴマー、ポリマーでも良い。アルケニル基はビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキシセニル基等であるが、好ましくは炭素数が8以上置換若しくは未置換基の具体例として以下に示すものが好適である。またこれらのオリゴマー、ポリマーでも良い。
【0037】
アリール基は置換もしくは未置換のもので、具体例としては、フェニル基、トリル基、4−シアノフェニル基、ビフェニル基、o,m,p−テルフェニル基、ナフチル基、アントラニル基、フェナントレニル基、フルオレニル基、9−フェニルアントラニル基、9,10ージフェニルアントラニル基、ピレニル基等がありが好ましくは炭素数が8以上のものが良い。またこれらのオリゴマー、ポリマーでも良い。
【0038】
置換もしくは未置換のアルコキシ基の具体例としては、メトキシ基、n−ブトキシ基、tertーブトキシ基、トリクロロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基等でありが好ましくは炭素数が8以上のものが良い。またこれらのオリゴマー、ポリマーでも良い。
【0039】
置換もしくは未置換のシクロアルキル基の具体例としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボナン基、アダマンタン基、4ーメチルシクロヘキシル基、4−シアノシクロヘキシル基等であり好ましくは炭素数が8以上のものが良い。またこれらのオリゴマー、ポリマーでも良い。
【0040】
置換もしくは未置換の複素環基の具体例としては、ピロール基、ピロリン基、ピラゾール基、ピラゾリン基、イミダゾール基、トリアゾール基、ピリジン基、ピリダジン基、ピリミジン基、ピラジン基、トリアジン基、インドール基、ベンズイミダゾール基、プリン基、キノリン基、イソキノリン基、シノリン基、キノキサリン基、ベンゾキノリン基、フルオレノン基、ジシアノフルオレノン基、カルバゾール基、オキサゾール基、オキサジアゾール基、チアゾール基、チアジアゾール基、ベンゾオキサゾール基、ベンゾチアゾール基、ベンゾトリアゾール基、ビスベンゾオキサゾール基、ビスベンゾチアゾール基、ビスベンゾイミダゾール基等がある。またこれらのオリゴマー、ポリマーでも良い。
【0041】
置換もしくは未置換のアシル基の具体例としては、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、バレリル基、イソバレリル基、ピバロイル基、ラウロイル基、ミリストイル基、パルミトイル基、ステアロイル基、オキサリル基、マロニル基、スクシニル基、グルタリル基、アジポイル基、ピメロイル基、スベロイル基、アゼラオイル基、セバコイル基、アクリロイル基、プロピオロイル基、メタクリロイル基、クロトノイル基、イソクロトノイル基、オレオイル基、エライドイル基、マレオイル基、フマロイル基、シトラコノイル基、メサコノイル基、カンホロイル基、ベンゾイル基、フタロイル基、イソフタロイル基、テレフタロイル基、ナフトイル基、トルオイル基、ヒドロアトロポイル基、アトロポイル基、シンナモイル基、フロイル基、テノイル基、ニコチノイル基、イソニコチノイル基、グリコロイル基、ラクトイル基、グリセロイル基、タルトロノイル基、マロイル基、タルタロイル基、トロポイル基、ベンジロイル基、サリチロイル基、アニソイル基、バニロイル基、ベラトロイル基、ピペロニロイル基、プロトカテクオイル基、ガロイル基、グリオキシロイル基、ピルボイル基、アセトアセチル基、メソオキサリル基、メソオキサロ基、オキサルアセチル基、オキサルアセト基、レブリノイル基これらのアシル基にフッソ、塩素、臭素、ヨウ素などが置換しても良い。好ましくはアシル基の炭素は8 以上良い。またこれらのオリゴマー、ポリマーでも良い。
【0042】
前記アシル基の具体例としては、ホルミル基、アセチル基、プロピオル基、イソプチリル基、バレリル基、イソバレリル基、ピバロイル基、ラウロイル基、ミリストイル基、パルミトイル基、ステアロイル基、オキサリル基、マロニル基、スクシニル基、ダルタリル基、ポイル基、ピメロイル基、スベロイル基、アゼラオイル基、セバコイル基、アクリロイル基、プロピオロイル基、メタクリロイル基、クロトノイル基、イソクロトノイル基、オレオイル基、エライドイル基、マレオイル基、フマアロイル基、シトラコノイル基、メサコノイル基、カンホロイル基、ベンゾイル基、フタロイル基、イソフタロイル基、テレフタロイル基、ナフトイル基、トルオイル基、ヒドロアトロポイル基、アトロポイル基、シンナモイル基、フロイル基、テノイル基、ニコチノイル基、イソニコチノイル基、グリコロイル基、ラクトイル基、グリセロイル基、タルトロノイル基、マロイル基、タルタロイル基、トロポイル基、ゼンジロイル基、サルチロイル基、アニソイル基、バニロイル基、ベラトロイル基、ピペロニロイル基、プロトカクテオイル基、ガロイル基、グリオキシロイル基、ピルボイル基、アセトアセチル基、メソオキサリル基、メソオキサロ基、オキサルアセチル基、オキサルアセト基、レブリノイル基、又はこれらのアシル基にフッ素、塩素、臭素、ヨウ素などが置換しても良い。
【0043】
【実施例】
次に本発明の実施例と比較例を挙げさらに具体的に説明する。
1.実施例1
実施例1に係る化合物を化学式(化5)と化学反応式(化6)に示す。
【0044】
【化5】
Figure 0003817235
【0045】
【化6】
Figure 0003817235
【0046】
化学式(化5)で示す化合物は以下のように合成を行なう。
16gの水と60gのイソプロパノールを蒸発させた後、120℃まで加熱する。80℃に保温したフラスコに204gのアルミニウムイソプロポキシドと60gのイソプロパノールを入れて激しく攪拌する。そこに蒸発させたイソプロパノールと水をゆっくり加える。反応溶液は徐々にスラリー状になる。さらに、200℃に加熱してイソプロパノールを除去すると、乾いた白い粉末になる。最終的には収量100gのCyclic isopropoxy aluminum oxide trimerを得た。
【0047】
この化合物(化5)を用いて化学式(化7)の合成する。化学式(化7)で示す化合物の合成は以下の通りに行なう。この合成では、C、C間の二重結合の形成を行なう。
【0048】
【化7】
Figure 0003817235
【0049】
トルエンを200g秤量し、三つ首フラスコに入れる。反応は窒素気流中で行なう。次に得られたCyclic isopropoxy aluminum oxide trimerの3.06gを秤量しフラスコに加える。また、無水マレイン酸を2.94g秤量しフラスコに加える。この溶液を室温で激しく2時間攪拌する。次に、エバポレーターで溶媒のトルエンを除去する。得られた生成物は3gであった。
【0050】
以下に上述した生成物を用いて捕水剤を生成する工程を(1−a)、(1−b)としてそれぞれ説明する。
【0051】
(1−a)
この得られた生成物を用いて、感光性樹脂を作製する。作製方法は以下の通りに行なう。
【0052】
得られた生成物3gに2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)を1.9g加えて攪拌する。更に、ポリエチレングリコールジメタクリレートを1g加える。そして開始剤として日本化薬(株)DETX_Sを0.03gとトリエタノールアミンを0.07g加えて攪拌する。この作業は、窒素気流下にて行なう。溶液が均一になるまで十分攪拌を行なう。得られた溶液をディスペンサーに注入した。
【0053】
次に、この感光性樹脂を有機EL素子に使用する際の作製手順を記載する。使用する有機EL素子の1例として、図1に示した有機EL素子を用いて説明する。
【0054】
この有機EL素子1は、矩形の板ガラスによるガラス基板2と、このガラス基板2に対面して設けたガラスの封止キャップ3がシール部の接着剤8により封止され密封容器を形成している。この密封容器の一部分であるガラス基板2の上には、透明性を有する導電材料として、ITO膜による陽極5を200nm、スパッタ法により全面に成膜した。更にフォトリソグラフィ法により所望の形状にパターニングして陽極5を形成した。電極としての前記陽極5の一部は、ガラス基板2の端部まで引き出されて引き出し電極として不図示の駆動回路に接続している。
【0055】
前記ITO膜付きガラス基板を洗浄、乾燥後、真空蒸着装置にセットして10-6torrの真空度に排気した後、ホール注入層4aとして20nmの膜厚で銅フタロシアニン(CuPc)を前記陽極5の上面に蒸着形成する。さらに、前記ホール注入層4aの上面にホール輸送層4bとして30nmの膜厚でBis(N−(1−naphtyl−n−phenyl)benzidine(α−NPD)を成膜して積層する。次に、発光層兼電子輸送層4cとして50nmの膜厚でトリス(8−キノリノラト)アルミニウム(Alq3 )を成膜積層する。さらに、上部電極(陰極)としてAl−Li合金を共蒸着法により200nmの膜厚で積層して形成する。前記陰極の一部は、ガラス基板2の端部まで引き出されて不図示の駆動回路に接続される。
【0056】
次に、真空を解除し乾燥窒素中で封止を行なう。乾燥窒素雰囲気下でザグリ加工ガラス基板にディスペンサーで得られた感光性樹脂を塗布する。次に、塗布膜を紫外線ランプで100mW/cm2 の露出量照射して硬化させた。その後,オーブンで100℃まで加熱し、素子内の水分を吸着させた。
【0057】
この有機EL素子の発光状態を顕微鏡を用いて観察した後、85℃・85%の高温高湿度雰囲気に入れ、捕水効果の確認を行った。100時間経過後、素子を取出し同様に発光状態を顕微鏡を用いて観察した。その結果、非発光部(ダークスポット)の成長は見られず、この材料が捕水剤として十分機能していることが確認できた。
【0058】
次に、得られた生成物を用いて熱硬化性樹脂を作製した。作製方法は以下の通りに行なう。
【0059】
得られた生成物3gに2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)を1.97g加えて攪拌する。更に、ポリエチレングリコールジメタクリレートを1g加える。そして熱重合開始剤として日本油脂(株)のパーオクタOを0.03g加えて攪拌する。攪拌は、窒素気流下にて行なう。溶液が均一になるまで十分攪拌を行なう。
【0060】
(1−b)
次に、この熱硬化性樹脂を有機EL素子に使用する際の作製手順を記載する。使用する有機EL素子の1例として、図1に示した有機EL素子を用いて説明する。
【0061】
この有機EL素子1は、矩形の板ガラスによるガラス基板2と、このガラス基板2に対面して設けたガラスの封止キャップ3がシール部の接着剤8により封止され密封容器を形成している。この密封容器の一部分であるガラス基板2の上には、透明性を有する導電材料として、ITO膜による陽極5を200nm、スパッタ法により全面に成膜した。更にフォトリソグラフィ法により所望の形状にパターニングして陽極5を形成した。電極としての前記陽極5の一部は、ガラス基板2の端部まで引き出されて引き出し電極として不図示の駆動回路に接続している。
【0062】
前記ITO膜付きガラス基板を洗浄、乾燥後、真空蒸着装置にセットして10-6torrの真空度に排気した後、ホール注入層4aとして20nmの膜厚で銅フタロシアニン(CuPc)を前記陽極5の上面に蒸着形成する。さらに、前記ホール注入層4aの上面にホール輸送層4bとして30nmの膜厚でBis(N−(1−naphtyl−n−phenyl)benzidine(α−NPD)を成膜して積層する。次に、発光層兼電子輸送層4cとして50nmの膜厚でトリス(8−キノリノラト)アルミニウム(Alq3 )を成膜積層する。さらに、上部電極(陰極)としてAl−Li合金を共蒸着法により200nmの膜厚で積層して形成する。前記陰極の一部は、ガラス基板2の端部まで引き出されて不図示の駆動回路に接続される。
【0063】
次に、真空を解除し乾燥窒素中で封止を行なう。乾燥窒素雰囲気下でザグリ加工ガラス基板にディスペンサーで得られた熱硬化性樹脂を塗布する。次に、塗布膜をホットプレート上に載せて90℃で10分加熱して硬化させた。封止ガラスの周囲に紫外線硬化型のエポキシ接着剤を塗布し、素子基板と張り合わせ紫外線を照射して硬化させた。その後、オーブンで100℃まで加熱し素子内の水分を吸着させた。
【0064】
この有機EL素子の発光状態を顕微鏡を用いて観察した後、85℃・85%の高温高湿度雰囲気に入れ、捕水効果の確認を行った。100時間経過後、素子を取出し同様に発光状態を顕微鏡を用いて観察した。その結果、非発光部(ダークスポット)の成長は見られず、この材料が捕水剤として十分機能していることが確認できた。
【0065】
図1に示すように、有機EL素子1の封止キャップ3は板ガラスの平板状であるが、これに限定するものではなく、外周のシール部が凸出して捕水手段を形成する部分が凹部になっている容器状の封止キャップの構造でもよい。また、これらの化合物を用いた捕水剤の使用例としては、ガラス基板に塗布するだけでなく、封止キャップを固着する前に有機EL素子に無害な溶媒で液状にした捕水剤を充填させた後、密封するようにしてもよい。捕水剤が透明であるため、捕水剤の封入箇所を限定する必要が無い。
【0066】
上述した実施例1記載の有機金属錯体化合物は、製造する過程の最終段階にて溶媒を減圧条件下のもと、化合物の温度を通常は180℃前後で乾燥させる。しかし、乾燥温度を200℃以上にして乾燥させる場合もある。この乾燥工程時に、上述した実施例の化合物が脱水反応を起こすことがある。このとき、実施例の置換基同士がエーテル結合することにより、置換基同士が結合することがある。このような場合でも、上述した化合物と比較しても捕水能力が落ちることは無く同等以上の捕水効果が期待できる。また、上述した実施例1記載の化合物同士やそれ以外の化合物を混合して使用する場合、互いの相乗効果により実施例の化合物単体で使用して効果と同様かそれ以上の捕水能力が得られることもある。
【0067】
また、環状構造の周りに配位子が多く結合している置換基を結合することにより、化合物自体が捕水するとともに置換基による化合物の疎水効果を上げることができる。これにより、水分を素子自体に接近した場合に疎水効果により水分を近づきにくくする効果が得られる。
【0068】
実施例1記載の有機金属錯体化合物は人体に対して無害であるため、有機EL素子を作製する上での利便性が向上することになる。また有機EL素子に限らずとも、例えばプラズマディスプレイ、太陽電池や電子ペーパ−等の密閉構造を有し水分を嫌う様々な電子デバイスにも使用することができる。
【0069】
上述した光重合開始剤は、実施例のものに限らずビニルモノマーの光重合開始剤として一般的に知られている各種のものが使用できる。アセトフェノン系、ベンゾインエーテル系、ベンゾフェノン系、チオキサントン系、アミン系等がある。例えば、チバガイギ−社のイルガキュア(R)907 2−メチル1〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モリフォリオプロパンー1オン、イルガキュア(R)369 2−ベンジルー2−ジメチルアミノー1−(4ーモルフォリノフェニル)ーブタノン−1、日本化薬(株)のチオキサントン系開始剤DETX2,4−ジエチルチオキサントンがある。
【0070】
また、光重合促進剤を光重合開始剤と併用することで、ラジカル重合反応の反応速度を高めるために添加する。窒素雰囲気で行なう場合には、問題無いが、酸素が存在すると活性化酸素とラジカルが反応してしまい重合反応が停止してしまう問題がある。光重合促進剤として、アミン類を用いると活性化酸素と反応して、トラップする働きもある。例としては、トリエタノールアミンやビス・ジエチルベンゾフェノン等の3級アミンが使用される。
【0071】
また、モノマーやプレモノマーも感光性組成物として用いることができる。具体的には、アクリル系モノマーとしてエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコール(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロ−ルプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンモノベンゾエートジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ノニルフェノールエチレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレート。
トリメチルプロパンモノオクトエートジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールモノオクトエートトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンモノカプリレートジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールモノカプリレートトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンモノラウレートジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールモノラウレートトリ(メタ)アクリレートなどがある。
【0072】
また、重合性プレポリマーも使用可能である。重合性プレポリマーは、ビスフェノールA型エポキシ樹脂に(メタ)アクリル酸、場合によりヤシ油脂肪酸等の長鎖脂肪酸をエステル化させて得たエポキシ(メタ)アクリレートである。或いは、その長鎖脂肪酸変性物、水酸基を有するエポキシ(メタ)アクリレートに二塩基酸無水物、四塩基酸ジ無水物、無水トリメリット酸を付加して得たカルボキシル基を有するエポキシ(メタ)アクリレートの如きエポキシ(メタ)アクリレート及びその変性物を用いても良い。
【0073】
また、特に感光性組成物に印刷適性や、増粘性、レペリング性、基板との密着性を付与するために、ポリマー(樹脂)を加える事も可能である。皮膜形成性樹脂としては、アルキッド樹脂、変性アルキッド樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ケトン樹脂、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテル樹脂、石油樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、マレイン酸樹脂、クロン樹脂、フェノキシ樹脂、セルロース系樹脂。上記の変性アルキッド樹脂としては、油変性アルキッド樹脂、ロジン変性アルキッド樹脂、マレイン化ロジン変性アルキッド樹脂、ロジンアルコール変性アルキッド樹脂、フェノール樹脂変性アルキッド樹脂、エポキシ樹脂変性アルキッド樹脂、アミノ樹脂変性アルキッド樹脂、シリコン樹脂変性アルキッド樹脂、スチレン変性アルキッド樹脂、ビニルトル変性アルキッド樹脂、アクリル変性アルキッド樹脂、ポリアミド樹脂変性アルキッド樹脂、ポリイミド樹脂変性アルキッド樹脂、ウレタン変性アルキッド樹脂等が挙げられる。
【0074】
上記変性アルキッド樹脂に反応させるべき有機金属錯体化合物としては、例えば、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Zn、Cd、Sc、Al、Ti、Zr、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Ce等の金属アルコラートがある。また、これらの金属を中心原子としβ一ジケトン系化合物又はβ−ケトエステル系化合物を配位子とする分子内錯化合物、これらの金属をアルコキシ化すると共にこれら金属を中心原子としβ−ジケトン系化合物又はβ−ケトエステル系化合物を配位子とする分子内錯化合物が挙げられる。
【0075】
上記金属アルコラート又は分子内錯化合物におけるアルコキシル基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基が挙げられる。配位子としては、β−ジケトン系化合物としてアセチルアセトン、トリフルオロアセチルアセトン、ベンゾイルアセトン、ベンゾイルトリフルオロアセトン、ジベンゾイルメタン或いはテノイルアセトン等である。β−ケトエステル系化合物としては、アセト酢酸エステル、ベンゾイル酢酸エステル、2 −カルボアルコキシシクロヘキサノン、サリチル酸エステル等のβ位にカルボニル基を有するケトカルボン酸エステル並びにその異性体であるエノール型化合物等が挙げられる。
【0076】
上記の変性アルキッド樹脂と有機金属錯体化合物は、変性アルキッド樹脂100重量部に対して有機金属錯体化合物0.1〜10重量部とし90℃〜120℃で0.5〜2時間加熱することにより反応させる。また、変性アルキッド樹脂以外にも水酸基を持つ樹脂例えばエチルセルロースやヒドロキシプロピルセルロース等も、上記の金属アルコラート等と予め反応させておく方が望ましい。
【0077】
また有機溶剤は、粘度調整用の希釈剤として有機溶剤を使用しても良い。有機溶剤を使用した場合は、溶液を基板等に塗布した後に、乾燥させて溶剤を除いてから(プリベーク)、光重合や熱重合反応を行なう。使用する溶剤は、感光性樹脂と相溶性の良いものを選択する。また、塗布方法に応じて溶剤の沸点を選ぶ。例えば、スピンコートやスプレーコート等では、沸点が100℃程度のものが望ましい。スクリーン印刷等では、200℃程度のものが良い。また人体に悪影響を及ぼさない溶剤が望ましい。熱重合禁止剤は、保存安定性を向上させるために加えても良い。例えば、重合禁止剤としてハイドロキノンやハイドロキノンモノメチルエーテルを加えても良い。熱重合反応の場合は、光重合開始剤の代わりに100℃程度の加熱によりラジカルが発生するものを使用することが望ましい。例えば、3 ,3 ,4 ,4 −テトラ(tert−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン(BTTB)を使用することができる。
【0078】
2.比較例
2−1.比較例1
捕水手段を設けない点において相違するが、その他の点は実施例1乃至3と同様な構造である有機EL素子を形成した。
真空状態で作製しているので、真空を解除し乾燥窒素中で封止を行なった。封止キャップの内には捕水剤を一切入れなかった。封止キャップの周囲に紫外線硬化型のエポキシ接着剤を塗布し、素子基板と張り合わせ、紫外線を照射して硬化させた。
この有機EL素子の発光状態を顕微鏡を用いて観察した後、8 5℃・8 5%の高温高湿度雰囲気に入れ、加速寿命試験で捕水効果の確認を行った。100時間経過後、素子を取り出し同様に発光状態を顕微鏡を用いて観察した。その結果、、非発光部(ダークスポット)は大きくすでに50μm以上に成長しており顕微鏡を使わない目視でも観察できるほどであった。
【0079】
2−2.比較例2
比較例として、イットリウム(Y)を中心金属に持つ化合物(化8)を合成した。
【0080】
【化8】
Figure 0003817235
【0081】
この化合物(化8)を捕水剤として用いて、有機EL素子を作製した。捕水剤が相違するが、その他の点は実施例1と同様な構造である有機EL素子を形成した。
真空状態で作製しているので、真空を解除し乾燥窒素中で封止を行なった。先程作製した化合物の50wt%トルエン溶液を封止用ガラスの内容に塗布し、乾燥させた。乾燥後、封止ガラスの周囲に紫外線硬化型のエポキシ接着剤を塗布し、素子基板と張り合わせ、紫外線を照射して硬化させた。その後、オーブンで100℃まで加熱し、素子内の水分を吸着させた。
この有機EL素子の発光状態を顕微鏡を用いて観察した後、85℃・85%の高温高湿度雰囲気に入れ、捕水効果の確認を行なった。100時間経過後、素子を取出し同様に発光状態を顕微鏡を用いて観察した。その結果、非発光部(ダークスポット)は、25μm程度まで成長しており、この素材が捕水剤として働いているものの、本発明捕水剤の方が捕水能力が高く、効果が大きいことが証明された。
【0082】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明によれば、捕水剤の構造内に二重結合を有する有機化合物を含むことにより、従来の熱乾燥型の捕水剤よりも処理時間が短縮でき、また、装置が小型化できるため設置スペースも小さくなり作業の効率が良くなる。また、捕水剤は透明であるため、有機EL素子に限定しなくとも様々な用途に応じて使用することができる。これにより産業上大きな効果を奏する。
【0083】
捕水剤と紫外線硬化型の接着剤を組み合わせることにより、乾燥工程が従来よりも短時間に行なえる。また、乾燥に要する設備や作業工程が等が必要最小限に抑えることができ、イニシャルコストとランニングコストを低くすることができる。
【0084】
この捕水剤は、二重結合を有することで捕水能力が従来のものに比べて向上し、ダークスポットの成長の抑制する効果を奏する。よって、有機EL素子の保存寿命と駆動寿命を大きく改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による実施の形態を示す有機EL素子の側断面図。
【図2】従来例を示す有機EL素子の側断面図。
【図3】従来例を示す有機EL素子の側断面図。
【符号の説明】
1,51,71…有機EL素子
2,52,72…ガラス基板
3,53,73…封止キャップ
4,54,74…有機EL層
5,55,75…陽極
6,56,76…陰極
7,57,77…捕水手段
8,58,78…接着剤
59…凹部
60…シール

Claims (8)

  1. 下記化学式(化1)で示される化合物を含有することを特徴とする捕水剤。
    Figure 0003817235
    (式中R,R’は、それぞれ独立に不飽和結合を少なくとも一つ含み、且つ、水素、炭素数1個以上のアルキル基、アリール基、シクロアルキル基、アルコキシド基、アシル基、複素環基のいずれかの置換基か、又は、前記各基の水素の少なくとも一部をハロゲン元素で置換した置換基であり、中心金属Mは配位数が6の金属である。)
  2. 上記化学式(化1)で示される化合物の置換基Rが少なくとも2種類以上であることを特徴とする請求項1記載の捕水剤。
  3. 上記化学式(化1)で示される化合物の置換基Rが2種類であることを特徴とする請求項1記載の捕水剤。
  4. 上記化学式(化1)で示される化合物の置換基Rが3種類であることを特徴とする請求項1記載の捕水剤。
  5. 請求項1乃至4記載の化合物が互いに又は他の化合物と脱水反応によりエーテル結合していることを特徴とする捕水剤。
  6. 請求項1乃至5記載の捕水剤の少なくとも一種類以上と感光剤を混和させることにより、乾燥工程を紫外線照射で行なえることを特徴とする感光性捕水剤。
  7. 請求項1乃至5記載の捕水剤と少なくとも一種類以上と熱重合性素材を混和させることにより,乾燥工程を加熱により行なえることを特徴とする熱重合性捕水剤。
  8. 少なくとも一方が透明である一対の電極間に有機化合物からなる正孔注入層、正孔輸送層、発光層が積層された有機EL発光部と、
    前記有機EL発光部を封止する気密容器と、
    前記気密容器内に設けられた捕水剤を有する有機EL素子において、
    前記捕水剤が請求項6乃至7記載の捕水剤で構成されていることを特徴とする有機EL素子。
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