JP2015046329A - 有機el素子および水分捕獲フィルム - Google Patents

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新井 隆之
Takayuki Arai
隆之 新井
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Abstract

【課題】有機発光層への水分の影響を効率良く排除できる水分捕獲フィルムを提供し、有機EL素子を提供する。【解決手段】有機EL素子100は、基板22と、その上に形成された有機EL層10と、封止部材24とを有する。有機EL層10の上に、封止部材24と離間するように、(A)エポキシ樹脂、(B)式(1)の化合物および式(2)の化合物の一方、並びに(C)酸発生剤を含有する水分捕獲体形成用組成物から形成された水分捕獲フィルム30を配置する。式(1)と式(2)中、Mはホウ素原子、アルミニウム原子、ケイ素原子、ガリウム原子、チタン原子、ジルコニウム原子、インジウム原子またはタリウム原子である。【選択図】図1

Description

本発明は、有機EL素子および水分捕獲フィルムに関する。
近年、盛んに開発が進められている電子デバイスの一つに有機EL素子がある。有機EL素子は、陽極/有機材料からなる有機発光層/陰極からなる積層構造を基本の構造とする簡素なデバイスであり、明るい発光が得られる発光素子であるが、有機発光層が水分の影響を受けやすいという課題を有している。
すなわち、有機EL素子は、駆動期間の長期化に伴って、素子内に侵入した水分の影響を受け、所謂ダークスポットの形成が懸念されるほか、輝度や発光効率等の発光特性が徐々に低下する懸念を有している。
そこで、有機EL素子は、有機発光層を大気から遮断する封止構造が不可欠とされ、金属製またはガラス製の封止部材と、有機発光層の形成された基板とを、適当なシール材を用いて張り合わせ、基板と封止部材との間に形成された封止空間内に有機発光層を封止する技術が検討されてきた。
そして、有機EL素子は、水分の影響をより有効に排除するため、乾燥剤を利用する技術が検討されている。例えば、有機発光層が封止される上述の封止空間内の、陽極および陰極と離間する位置に、五酸化二リン粒子のような乾燥手段を配置し、低湿度環境を保つ技術が知られ、乾燥手段を備えた有機EL素子が提案されている(例えば、特許文献1を参照。)。
特開平03−261091号公報
しかしながら、乾燥剤として知られた五酸化二リン粒子等を乾燥手段に用い、封止空間内で、有機発光層を挟持する陽極および陰極と離間するよう配置する従来技術では、有機発光層への水分の影響を十分に排除することは難しかった。
そこで、有機EL素子においては、有機発光層が封止される封止空間内の水分の除去を効率良く行うことができる水分捕獲技術およびそれに対応した有機EL素子が求められている。
そして、有機発光層への水分の影響を効率良く排除できる有機EL素子が求められている。
本発明は、以上のような問題に鑑みてなされたものである。すなわち、本発明の目的は、有機発光層への水分の影響を効率良く排除できる有機EL素子を提供することにある。
また、本発明の目的は、有機EL素子の有機発光層への水分の影響を効率良く排除できる水分捕獲フィルムを提供することにある。
本発明の他の目的および利点は、以下の記載から明らかとなるであろう。
本発明の第1の態様は、基板と、その基板上に形成された有機EL層と、その有機EL層を封止する封止部材とを有する有機EL素子であって、
有機EL層の上に、封止部材と離間するように、
(A)エポキシ樹脂、
(B)下記式(1)で示される化合物および下記式(2)で示される化合物のうちの少なくとも一方の化合物、並びに
(C)酸発生剤
を含有してなる水分捕獲体形成用組成物を用いて形成された水分捕獲フィルムを配置したことを特徴とする有機EL素子に関する。
Figure 2015046329
(式(1)中、Mは、ホウ素原子、アルミニウム原子、ケイ素原子、ガリウム原子、チタン原子、ジルコニウム原子、インジウム原子およびタリウム原子のうちのいずれかである。Rは、炭素数6〜30の飽和脂肪族炭化水素基、炭素数2〜30の不飽和脂肪族炭化水素基、炭素数6〜30の脂環式炭化水素基、下記式(3)で表される基および下記式(4)で表される基のうちのいずれかである。nは、1〜4の整数である。nが2以上の場合、複数のRは同一でも異なっていてもよい。)
Figure 2015046329
(式(2)中、MおよびRは、式(1)と同義である。mは重合度を示す1以上の整数である。)
Figure 2015046329
(式(3)中、Rは、炭素数1〜3のアルキル基、ビニル基、(メタ)アクリロイル基およびグリシジル基のうちのいずれかである。aは、1〜20の整数である。
式(4)中、Rは、炭素数1〜3のアルキル基、ビニル基、(メタ)アクリロイル基およびグリシジル基のうちのいずれかである。bは、1〜20の整数である。)
本発明の第1の態様において、有機EL層は、有機材料からなる有機発光層が、互いに対向する一対の電極の間に挟持されてなる構造を有することが好ましい。
本発明の第1の態様において、上記式(1)および上記式(2)のRが、炭素数6〜30の飽和脂肪族炭化水素基、炭素数2〜30の不飽和脂肪族炭化水素基および炭素数6〜30の脂環式炭化水素基のうちのいずれかであることが好ましい。
本発明の第1の態様において、上記式(1)および上記式(2)のRが、上記式(3)で表される基および上記式(4)で表される基のうちのいずれかであることが好ましい。
本発明の第1の態様において、上記式(1)および上記式(2)におけるMが、アルミニウム原子であることが好ましい。
本発明の第2の態様は、
(A)エポキシ樹脂、
(B)下記式(1)で示される化合物および下記式(2)で示される化合物のうちの少なくとも一方の化合物、並びに
(C)酸発生剤
を含有してなる水分捕獲体形成用組成物を用いて形成された水分捕獲フィルムであって、
基板と、その基板上に形成された有機EL層と、その有機EL層を封止する封止部材とを有する有機EL素子のその有機EL層の上に、その封止部材と離間するように配置され、有機EL素子用に用いられることを特徴とする水分捕獲フィルムに関する。
Figure 2015046329
(式(1)中、Mは、ホウ素原子、アルミニウム原子、ケイ素原子、ガリウム原子、チタン原子、ジルコニウム原子、インジウム原子およびタリウム原子のうちのいずれかである。Rは、炭素数6〜30の飽和脂肪族炭化水素基、炭素数2〜30の不飽和脂肪族炭化水素基、炭素数6〜30の脂環式炭化水素基、下記式(3)で表される基および下記式(4)で表される基のうちのいずれかである。nは、1〜4の整数である。nが2以上の場合、複数のRは同一でも異なっていてもよい。)
Figure 2015046329
(式(2)中、MおよびRは、式(1)と同義である。mは重合度を示す1以上の整数である。)
Figure 2015046329
(式(3)中、Rは、炭素数1〜3のアルキル基、ビニル基、(メタ)アクリロイル基およびグリシジル基のうちのいずれかである。aは、1〜20の整数である。
式(4)中、Rは、炭素数1〜3のアルキル基、ビニル基、(メタ)アクリロイル基およびグリシジル基のうちのいずれかである。bは、1〜20の整数である。)
本発明の第2の態様において、上記式(1)および上記式(2)のRが、炭素数6〜30の飽和脂肪族炭化水素基、炭素数2〜30の不飽和脂肪族炭化水素基および炭素数6〜30の脂環式炭化水素基のうちのいずれかであることが好ましい。
本発明の第2の態様において、上記式(1)および上記式(2)のRが、上記式(3)で表される基および上記式(4)で表される基のうちのいずれかであることが好ましい。
本発明の第2の態様において、上記式(1)および上記式(2)におけるMが、アルミニウム原子であることが好ましい。
本発明の第1の態様によれば、有機発光層への水分の影響を効率良く排除できる有機EL素子を提供することができる。
本発明の第2の態様によれば、有機EL素子の有機発光層への水分の影響を効率良く排除できる水分捕獲フィルムを提供することができる。
本発明の実施形態の有機EL素子の第1例を模式的に示す断面図である。 本発明の実施形態の有機EL素子の第2例を模式的に示す断面図である。 本発明の実施形態の有機EL素子の第3例を模式的に示す断面図である。 本発明の実施形態の有機EL素子の第4例を模式的に示す断面図である。
以下、本発明の実施形態の有機EL素子およびその構成に用いられる発明の実施形態の水分捕獲フィルムについて、適宜図面を用いながら説明する。
<有機EL素子>
図1は、本発明の実施形態の有機EL素子の第1例を模式的に示す断面図である。
図1に示す、本発明の実施形態の有機EL素子の第1例である有機EL素子100は、基板22と、基板22上に形成された有機EL層10と、基板22上の有機EL層10を封止する封止部材24とを有する。封止部材24は、周辺部分に設けられたシール材26によって基板22に固定されるとともに、基板22との間に形成された封止空間内に有機EL層10を収納する。そして、封止部材24は、有機EL層10を外気から遮断するようにし、有機EL層10を封止する。
そしてさらに、有機EL素子100は、有機EL層10と封止部材24との間の封止空間内であって、有機EL層10の上に、有機EL層10と面接触し封止部材24と離間するように、後述する本発明の実施形態の水分捕獲体形成用組成物を用いて形成された本発明の実施形態の水分捕獲フィルム30を配置する。水分捕獲フィルム30は、封止部材24の内面と離間して配置されるとともに、有機EL層10の封止部材24側の面を覆うように配置される。本発明の実施形態の水分捕獲フィルム30について、その組成や形成方法は、後に詳述する。
有機EL素子100の基板22としては、優れた可視光透過率を有して酸素透過率および水分透過率の低い基板が用いられ、例えば、ガラス基板や透明樹脂基板等が挙げられる。基板22の構成材料としては、PET(ポリエチレンテレフタレート)やPEN(ポリエチレンナフタレート)、PI(ポリイミド)等の透明樹脂や無アルカリガラス等のガラス等を用いることができる。
有機EL素子100の有機EL層10は、構造の詳細を省略するが、有機材料からなる有機発光層(図示されない)が、互いに対向する陽極(図示されない)と陰極(図示されない)の間に挟持されてなる構造を基本構造とし、後述するように多様な構造をとりうる。
有機発光層は、有機材料である発光材料、すなわち、有機発光材料を含有する。有機発光層に含まれる有機発光材料は低分子有機発光材料であっても、高分子有機発光材料であってもよい。例えば、Alq、BeBq等の基材母体にキナクリドンやクマリンをドープした材料を用いることができる。また、インクジェット法による有機発光材料の塗布法を用いる場合には、それに好適な高分子有機発光材料であることが好ましい。高分子有機発光材料としては、例えば、ポリフェニレンビニレンおよびその誘導体、ポリアセチレン(Poly acetylene)およびその誘導体、ポリフェニレン(Poly phenylene)およびその誘導体、ポリパラフェニレンエチレン(Poly para phenylene ethylene)およびその誘導体、ポリ3−ヘキシルチオフェン(Poly 3−hexyl thiophene(P3HT))およびその誘導体、ポリフルオレン(Poly fluorene (PF))およびその誘導体等を選択して用いることができる。
有機EL層10の陽極および陰極は、それぞれ導電性の材料からなる。陽極の材料としては、ITO(Indium Tin Oxide)やIZO(Indium Zinc Oxide)、酸化スズ等が選択される。
尚、有機EL層10においては、陽極と有機発光層との間に、正孔注入層および/または中間層が配置されていてもよい。陽極と有機発光層との間に、正孔注入層および中間層が配置される場合、陽極上に正孔注入層が配置され、正孔注入層上に中間層が配置され、そして中間層上に有機発光層が配置される。また、陽極から有機発光層へ効率的に正孔を輸送できる限り、正孔注入層および中間層は省略されてもよい。
有機EL層10の陰極の材料としては、ITO、IZOおよび酸化スズ等を選択することができる。また、例えば、バリウム(Ba)、酸化バリウム(BaO)、アルミニウム(Al)およびAlを含む合金等を選択することも可能である。
尚、有機EL層10においては、陰極と有機発光層との間に、例えば、バリウム(Ba)、フッ化リチウム(LiF)等からなる電子注入層が配置されていてもよい。
封止部材24としては、酸素透過率および水分透過率の低い部材が用いられ、例えば、ガラスや樹脂等からなる部材が挙げられる。封止部材24の構成材料としては、基板22と同様に、PET(ポリエチレンテレフタレート)やPEN(ポリエチレンナフタレート)、PI(ポリイミド)等の樹脂や無アルカリガラス等のガラス等を挙げることができる。また、封止部材24には、金属材料からなるものを用いることも可能である。
有機EL素子100のシール材26としては、接着性の樹脂材料が用いられ、熱硬化性または光硬化性の樹脂材料を構成部材として選択することができる。
上述の熱硬化性の樹脂材料としては、例えば、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、アリルエステル、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド、および、ウレタン樹脂等を挙げることができる。
上述の光硬化性の樹脂材料としては、例えば、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド、および、ウレタン樹脂等を挙げることができる。
以上の構造を有する本発明の実施形態の有機EL素子の第1例である有機EL素子100は、後に詳述する本発明の実施形態の水分捕獲フィルム30を有することで、有機EL層10の収納された封止空間内の水分を除去することができる。そして、本発明の実施形態の水分捕獲フィルム30は、長期間に亘って水分を吸収することができ、水分に起因する有機EL素子100の劣化を抑制することができる。すなわち、本実施形態の水分捕獲フィルム30は、有機EL素子100の有機EL層10に含まれる有機発光層への水分の影響を効率良く排除できる。
したがって、有機EL素子100は、例えば、高信頼の有機EL照明装置や有機EL表示素子等を構成することができる。
また、本発明の実施形態の有機EL素子の第1例である有機EL素子100は、図1に示したように、基板22と封止部材24との間に形成された封止空間内に有機EL層10と水分捕獲フィルム30とが配置され、水分捕獲フィルム30と封止部材24との間等の封止空間内に隙間が形成されている。しかし、本発明においては、上述の隙間を、シール材を用いて埋めて、封止空間内に隙間を形成しないようにすることも可能である。
図2は、本発明の実施形態の有機EL素子の第2例を模式的に示す断面図である。
図2に示す、本発明の実施形態の有機EL素子の第2例である有機EL素子200は、シール材126の構造が、対応する図1の有機EL素子100のシール材26と異なる以外、有機EL素子100と同様の構造を有する。したがって、図2に示す有機EL素子200において、上述した図1の有機EL素子100と共通する構成要素については同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
図2に示す有機EL素子200は、有機EL層10と封止部材24との間の封止空間内であって、有機EL層10の上に、有機EL層10と面接触し封止部材24と離間するように、本発明の実施形態の水分捕獲フィルム30を配置する。
そして、有機EL素子200は、図1に示した有機EL素子100のシール材26に対応するシール材126が、基板22と封止部材24との間の全域に設けられている。シール材126は、封止部材24と基板22との間を固定するとともに、基板22と封止部材24との間に形成された封止空間を隙間なく埋めている。このような構造とすることで、シール材126は、基板22上に形成された有機EL層10と水分捕獲フィルム30とを保護することができる。その結果、有機EL素子200の信頼性能を向上させることができる。
以上の構造を有する本発明の実施形態の有機EL素子の第2例である有機EL素子200は、後に詳述する本発明の実施形態の水分捕獲フィルム30を有することで、有機EL層10の収納された封止空間内の水分を除去することができる。そして、本発明の実施形態の水分捕獲フィルム30は、長期間に亘って水分を吸収することができ、水分に起因する有機EL素子200の劣化を抑制することができる。すなわち、本実施形態の水分捕獲フィルム30は、有機EL素子200の有機EL層10に含まれる有機発光層への水分の影響を効率良く排除できる。
したがって、有機EL素子200は、例えば、高信頼の有機EL照明装置や有機EL表示素子等を構成することができる。
また、図1に示した本発明の実施形態の有機EL素子の第1例である有機EL素子100は、有機EL層10の上に直接に水分捕獲フィルム30が設けられているが、本発明においては、そのような構造に限られるわけではない。例えば、水分捕獲フィルム30を適当な支持材で支持し、その支持材とともに、水分捕獲フィルム30を有機EL層10の上に配置することも可能である。
尚、支持材とともに水分捕獲フィルム30を有機EL層10の上に配置する構造の場合、その支持材が有機EL層10と面接触する構造でもよく、また、後述する粘着剤を介して、その支持材が、有機EL層10の面上に配置される構造でもよい。
図3は、本発明の実施形態の有機EL素子の第3例を模式的に示す断面図である。
図3に示す、本発明の実施形態の有機EL素子の第3例である有機EL素子300は、水分捕獲フィルム230の配置構造が、図1の有機EL素子100の対応する水分捕獲フィルム30と異なる以外、有機EL素子100と同様の構造を有する。したがって、図3に示す有機EL素子300において、上述した図1の有機EL素子100と共通する構成要素については同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
図3に示す、本発明の実施形態の有機EL素子の第3例である有機EL素子300において、水分捕獲フィルム230は一対の支持材231、232により挟持されている。そして、有機EL素子300では、一対の支持材231、232により挟持された水分捕獲フィルム230が、有機EL層10の上に配置されている。
すなわち、図3に示す有機EL素子300は、有機EL層10と封止部材24との間の封止空間内であって、有機EL層10の上に、有機EL層10と面接触し封止部材24と離間するように、一対の支持材231、232により挟持された本発明の実施形態の水分捕獲フィルム230を配置する。
尚、本発明において、支持材とともに水分捕獲フィルム230を有機EL層10の上に配置する構造の場合、有機EL層10を挟持する一対の支持材231、232の一方が有機EL層10と面接触する構造でもよく、また、後述する粘着剤を介して、その支持材231、232の一方が、有機EL層10の面上に配置される構造でもよい。
図3の有機EL素子300において、水分捕獲フィルム230は、図1に示した有機EL素子100の水分捕獲フィルム30と同様のものであり、後述する本発明の実施形態の水分捕獲体形成用組成物を用いて形成される。
そして、水分捕獲フィルム230を支持する一対の支持材231、232としては、いずれも基板22と同様の、例えば、ガラス基板や透明樹脂基板等を用いることができる。すなわち、支持材231、232の構成材料としては、PET(ポリエチレンテレフタレート)やPEN(ポリエチレンナフタレート)、PI(ポリイミド)等の透明樹脂や無アルカリガラス等のガラス等を用いることができる。
一対の支持材231、232で挟持されて支持された水分捕獲フィルム230は、例えば、公知の粘着剤(図示されない)を利用して、有機EL層10上に配置することができる。図3に示す有機EL素子300においては、水分捕獲フィルム230を支持する一対の支持材231、232のうちの支持材232が、粘着剤を介して有機EL層10上に配置される。
水分捕獲フィルム230の支持材232を有機EL層10上に配置するための粘着剤は、熱や溶剤の助けを必要とせず、指による押圧等のごく低い圧力で他の被着体に被着できる材料であり、上述したように公知のものを利用できる。例えば、粘着剤としては、ゴム系、アクリル系、シリコーン系等の材料を用いることができる。
尚、例えば、一対の支持材231、232で挟持されてなる水分捕獲フィルム230を、より強固に有機EL層10上に固定しようとする場合、粘着剤としては、硬化型の粘着剤を使用することができる。好ましい硬化型の粘着剤としては、例えば、ウレタン系粘着剤、エポキシ系粘着剤、水生高分子−イソシアネート系粘着剤、熱硬化型アクリル粘着剤等を挙げることができる。
以上の構造を有する本発明の実施形態の有機EL素子の第3例である有機EL素子300は、後に詳述する本発明の実施形態の水分捕獲フィルム230を有することで、有機EL層10の収納された封止空間内の水分を除去することができる。そして、有機EL素子300は、水分捕獲フィルム230が一対の支持材231、232に挟持されて、有機EL層10の上に配置される構造を有することにより、水分捕獲フィルム230の有機EL層10からの剥離等を抑えて、水分捕獲フィルム230の信頼性を向上することができる。
その結果、有機EL素子300において、水分捕獲フィルム230は、長期間に亘って水分を吸収することができ、水分に起因する有機EL素子300の劣化を抑制することができる。すなわち、本実施形態の水分捕獲フィルム230は、有機EL素子300の有機EL層10に含まれる有機発光層への水分の影響を効率良く排除できる。
したがって、有機EL素子300は、例えば、高信頼の有機EL照明装置や有機EL表示素子等を構成することができる。
また、図1に示した本発明の実施形態の有機EL素子の第3例の有機EL素子300においては、シール材26の構造を、図2に示した有機EL素子200のシール材126と同様の構造とすることも可能である。
図4は、本発明の実施形態の有機EL素子の第4例を模式的に示す断面図である。
図4に示す、本発明の実施形態の有機EL素子の第4例である有機EL素子400は、シール材326の構造が、対応する図3の有機EL素子300のシール材26と異なる以外、有機EL素子300と同様の構造を有する。したがって、図4に示す有機EL素子400において、上述した図3の有機EL素子300と共通する構成要素については同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
図4に示す有機EL素子400は、有機EL層10と封止部材24との間の封止空間内であって、有機EL層10の上に、有機EL層10と面接触し封止部材24と離間するように、一対の支持材231、232で挟持された本発明の実施形態の水分捕獲フィルム230を配置する。
そして、図4に示す有機EL素子400は、図3に示した有機EL素子300のシール材26に対応するシール材326が、基板22と封止部材24との間の全域に設けられている。シール材326は、封止部材24と基板22との間を固定するとともに、基板22と封止部材24との間に形成された封止空間を隙間なく埋めている。このようにすることで、シール材326は、基板22上に形成された有機EL層10と水分捕獲フィルム230とを保護することができる。その結果、有機EL素子400の信頼性能を向上させることができる。
以上の構造を有する本発明の実施形態の有機EL素子の第4例である有機EL素子400は、後に詳述する本発明の実施形態の水分捕獲フィルム230を有することで、有機EL層10の収納された封止空間内の水分を除去することができる。そして、本発明の実施形態の水分捕獲フィルム230は、優れた信頼性を備え、長期間に亘って水分を吸収することができ、水分に起因する有機EL素子400の劣化を抑制することができる。すなわち、本実施形態の水分捕獲フィルム230は、有機EL素子400の有機EL層10に含まれる有機発光層への水分の影響を効率良く排除できる。
したがって、有機EL素子400は、例えば、高信頼の有機EL照明装置や有機EL表示素子等を構成することができる。
以上のように、本発明の実施形態である有機EL素子においては、本発明の実施形態の水分捕獲フィルムが主要な構成要素となる。そこで次に、本発明の実施形態の水分捕獲フィルムおよびその形成について説明する。
<水分捕獲フィルム>
本発明の実施形態の水分捕獲フィルムは、上述した本発明の実施形態の有機EL素子の構成に用いられ、主要な構成要素をなす。そして、本発明の実施形態の水分捕獲フィルムは、適用される有機EL素子内の水分を効率良く除去し、有機EL素子の有機発光層への水分の影響を効率良く排除できる。
本発明の実施形態の水分捕獲フィルムは、本発明の実施形態の水分捕獲体形成用組成物を用いて形成することができる。したがって、以下で、本発明の実施形態の水分捕獲体形成用組成物について説明する。
(水分捕獲体形成用組成物)
本発明の実施形態の水分捕獲体形成用組成物は、(A)エポキシ樹脂(以下、単に、(A)成分とも言うことがある。)、(B)下記式(1)で示される化合物および下記式(2)で示される化合物のうちの少なくとも一方の化合物(以下、適宜、(B)化合物、または、単に、(B)成分とも言うことがある。)、並びに、(C)酸発生剤(以下、単に、(C)成分とも言うことがある。)を含有して構成される。
Figure 2015046329
(式(1)中、Mは、ホウ素原子、アルミニウム原子、ケイ素原子、ガリウム原子、チタン原子、ジルコニウム原子、インジウム原子およびタリウム原子のうちのいずれかである。Rは、炭素数6〜30の飽和脂肪族炭化水素基、炭素数2〜30の不飽和脂肪族炭化水素基、炭素数6〜30の脂環式炭化水素基、下記式(3)で表される基および下記式(4)で表される基のうちのいずれかである。nは、1〜4の整数である。nが2以上の場合、複数のRは同一でも異なっていてもよい。)
Figure 2015046329
(式(2)中、MおよびRは、式(1)と同義である。mは重合度を示す1以上の整数である。)
Figure 2015046329
(式(3)中、Rは、炭素数1〜3のアルキル基、ビニル基、(メタ)アクリロイル基およびグリシジル基のうちのいずれかである。aは、1〜20の整数である。
式(4)中、Rは、炭素数1〜3のアルキル基、ビニル基、(メタ)アクリロイル基およびグリシジル基のうちのいずれかである。bは、1〜20の整数である。)
以下、本発明の実施形態の水分捕獲体形成用組成物に含有される成分について、詳述する。
[(A)エポキシ樹脂]
本発明の実施形態の水分捕獲体形成用組成物に含有される(A)エポキシ樹脂は、水分捕獲体形成用組成物に硬化性を付与して強度を高める成分である。(A)エポキシ樹脂は、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するものであって、それ自体が室温で液状をなすという条件を満たせば、分子構造、分子量等は特に限定されず、公知のエポキシ樹脂を全て用いることができる。
この(A)成分としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂;脂環式エポキシ樹脂;フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂;トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、トリフェノールプロパン型エポキシ樹脂等のトリフェノールアルカン型エポキシ樹脂;フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、シクロペンタジエン型エポキシ樹脂等が挙げられる。
以上の(A)エポキシ樹脂は、1種単独で、または、2種以上を組み合わせて使用することができる。
上記した(A)エポキシ樹脂の中で、特に、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂が好ましい。さらに、下記構造で示されるエポキシ樹脂も好ましく使用することができる。
Figure 2015046329
また、この(A)エポキシ樹脂中に含まれる全塩素含有量は、1500ppm以下、特に1000ppm以下であることが望ましい。また、(A)エポキシ樹脂を50質量%含む水中における100℃×20時間の条件で抽出された塩素イオンの量が、10ppm以下であることが望ましい。上述の全塩素含有量および前記抽出塩素イオンの量が、10ppm以下であれば、耐湿性が良好となり、優れた信頼性を示すことができる。
[(B)化合物]
本発明の実施形態の水分捕獲体形成用組成物に含有される(B)化合物は、水分捕獲体形成用組成物に含有されて水分捕獲剤として機能する成分である。水分捕獲剤は、例えば、それを構成する化合物が水分と反応して加水分解等を起こし、その結果、系内の水分を消費するものである。本発明の実施形態の水分捕獲体形成用組成物は、(B)化合物を含有することにより、水分の消費が可能な水分捕獲体を形成することができる。そして、本実施形態の水分捕獲体形成用組成物が、有機EL素子の水分捕獲フィルムの形成に用いられた場合、その水分捕獲フィルムは、有機EL素子内の水分を低減または除去することができる。
(B)化合物である下記式(1)で示される化合物は、上述のように、水分捕獲剤として機能する。そして、下記式(1)で示される化合物は、水分を捕獲した状態であっても、例えば、低分子アルコール等のような揮発性の高い分解生成物を生じ難い。その結果、下記式(1)で示される化合物を含有する水分捕獲体形成用組成物が、例えば、有機EL素子の水分捕獲フィルムの形成に用いられたとしても、分解生成物が付着して、有機EL素子にダークスポットを発生させる懸念が少ない。
Figure 2015046329
(式(1)中、Mは、ホウ素原子、アルミニウム原子、ケイ素原子、ガリウム原子、チタン原子、ジルコニウム原子、インジウム原子およびタリウム原子のうちのいずれかである。Rは、炭素数6〜30の飽和脂肪族炭化水素基、炭素数2〜30の不飽和脂肪族炭化水素基、炭素数6〜30の脂環式炭化水素基、下記式(3)で表される基および下記式(4)で表される基のうちのいずれかである。nは、1〜4の整数である。nが2以上の場合、複数のRは同一でも異なっていてもよい。)
Figure 2015046329
(式(3)中、Rは、炭素数1〜3のアルキル基、ビニル基、(メタ)アクリロイル基およびグリシジル基のうちのいずれかである。aは、1〜20の整数である。
式(4)中、Rは、炭素数1〜3のアルキル基、ビニル基、(メタ)アクリロイル基およびグリシジル基のうちのいずれかである。bは、1〜20の整数である。)
水分捕獲剤として機能する上記式(1)の化合物において、Mとしては、アルミニウム原子が好ましい。Mがアルミニウム原子である場合、上記式(1)で示される化合物は、より優れた水分捕獲性を有することができる。
上記式(1)で示される化合物において、上記式(1)のRで表される炭素数6〜30の飽和脂肪族炭化水素基としては、例えば、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基等の直鎖状のアルキル基;i−ヘキシル基、i−ヘプチル基、i−オクチル基、i−ノニル基等の分岐状のアルキル基等が挙げられる。
上記式(1)で示される化合物において、上記式(1)のRで表される炭素数2〜30の不飽和脂肪族炭化水素基としては、例えば、ビニル基、1−プロぺニル基、アリル基、イソプロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、3,7,11,15−テトラメチル−2−ヘキサデセニル基等の直鎖または分岐状のアルケニル基等が挙げられる。これらの中で、3,7,11,15−テトラメチル−2−ヘキサデセニル基が好ましい。
上記式(1)で示される化合物において、上記式(1)のRで表される炭素数6〜30の脂環式炭化水素基としては、例えば、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロデシル基、メチルシクロヘキシル基、エチルシクロヘキシル基等の単環式シクロアルキル基;シクロヘキセニル基、シクロヘプテニル基、シクロオクテニル基、シクロデセニル基、シクロペンタジエニル基、シクロヘキサジエニル基、シクロオクタジエニル基、シクロデカジエニル基等の単環式シクロアルケニル基;ビシクロ[2.2.1]ヘプチル基、ビシクロ[2.2.2]オクチル基、トリシクロ[5.2.1.02,6]デシル基、トリシクロ[3.3.1.13,7]デシル基、テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデシル基、ノルボルニル基、アダマンチル基等の多環式シクロアルキル基等が挙げられる。
上記式(1)で示される化合物において、上記式(3)のRで表される炭素数1〜3のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基等の直鎖状のアルキル基;i−プロピル基等の分岐状のアルキル基等が挙げられる。これらの中で、炭素数1〜3の直鎖状のアルキル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
上記式(1)で示される化合物において、上記式(4)のRで表される炭素数1〜3のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基等の直鎖状のアルキル基;i−プロピル基等の分岐状のアルキル基等が挙げられる。これらの中で、炭素数1〜3の直鎖状のアルキル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
上記式(1)で示される化合物において、上記式(1)のRは、炭素数6〜30の飽和脂肪族炭化水素基、炭素数2〜30の不飽和脂肪族炭化水素基および炭素数6〜30の脂環式炭化水素基のうちのいずれかとすることができる。
また、上記式(1)で示される化合物において、上記式(1)のRは、上記式(3)で表される基および上記式(4)で表される基のうちのいずれかとすることができる。
上記式(1)で示される化合物の具体例としては、例えば、下記式(A−1)〜(A−11)で表される化合物等が挙げられる。
Figure 2015046329
上記式(1)で示される化合物の具体例の中では、特に、上記式(A−1)〜上記式(A−4)で表される化合物が好ましい。
上記式(1)で示される化合物の合成方法としては、例えば、上記式(A−1)で表される化合物を例にとって説明すると、アルミニウムトリイソプロポキシドを溶媒に仕込み、これにエチレングリコールモノメチルエーテルを加えて加熱することで上記式(A−1)により表される化合物を合成することができる。また、上記式(A−1)で表される化合物以外の化合物については、上述のアルミニウムトリイソプロポキシドおよびエチレングリコールモノメチルエーテルを適宜対応する化合物に置き換えることで合成することができる。
次に、(B)化合物である下記式(2)で示される化合物は、加水分解をすることで水分を捕獲して消費し、水分捕獲剤として機能する。そして、下記式(2)で示される化合物は、水分を捕獲した状態であっても、例えば、低分子アルコール等のような揮発性の高い分解生成物を生じ難い。その結果、下記式(2)で示される化合物を含有する水分捕獲体形成用組成物が、例えば、有機EL素子の形成に用いられたとしても、分解生成物が付着して、有機EL素子にダークスポットを発生させる懸念が少ない。
Figure 2015046329
(式(2)中、MおよびRは、式(1)と同義である。すなわち、Mは、ホウ素原子、アルミニウム原子、ケイ素原子、ガリウム原子、チタン原子、ジルコニウム原子、インジウム原子およびタリウム原子のうちのいずれかである。Rは、炭素数6〜30の飽和脂肪族炭化水素基、炭素数2〜30の不飽和脂肪族炭化水素基、炭素数6〜30の脂環式炭化水素基、上記式(3)で表される基および上記式(4)で表される基のうちのいずれかである。mは重合度を示す1以上の整数である。mが2以上の場合、複数のRは同一でも異なっていてもよい。)
上記式(2)で示される化合物において、上記式(2)のMとしては、アルミニウム原子であることが好ましい。Mがアルミニウム原子である場合、上記式(2)で示される化合物は、より優れた水分捕獲性を有することができる。
上記式(2)で示される化合物において、上記式(2)のRで表される炭素数6〜30の飽和脂肪族炭化水素基としては、例えば、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基等の直鎖状のアルキル基;i−ヘキシル基、i−ヘプチル基、i−オクチル基、i−ノニル基等の分岐状のアルキル基等が挙げられる。
上記式(2)で示される化合物において、上記式(2)のRで表される炭素数2〜30の不飽和脂肪族炭化水素基としては、例えば、ビニル基、1−プロぺニル基、アリル基、イソプロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、3,7,11,15−テトラメチル−2−ヘキサデセニル基等の直鎖または分岐状のアルケニル基等が挙げられる。これらの中で、3,7,11,15−テトラメチル−2−ヘキサデセニル基が好ましい。
上記式(2)で示される化合物において、上記式(2)のRで表される炭素数6〜30の脂環式炭化水素基としては、例えば、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロデシル基、メチルシクロヘキシル基、エチルシクロヘキシル基等の単環式シクロアルキル基;シクロヘキセニル基、シクロヘプテニル基、シクロオクテニル基、シクロデセニル基、シクロペンタジエニル基、シクロヘキサジエニル基、シクロオクタジエニル基、シクロデカジエニル基等の単環式シクロアルケニル基;ビシクロ[2.2.1]ヘプチル基、ビシクロ[2.2.2]オクチル基、トリシクロ[5.2.1.02,6]デシル基、トリシクロ[3.3.1.13,7]デシル基、テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデシル基、ノルボルニル基、アダマンチル基等の多環式シクロアルキル基等が挙げられる。
上記式(2)で示される化合物において、上記式(3)のRで表される炭素数1〜3のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基等の直鎖状のアルキル基;i−プロピル基等の分岐状のアルキル基等が挙げられる。これらの中で、炭素数1〜3の直鎖状のアルキル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
上記式(2)で示される化合物において、上記式(4)のRで表される炭素数1〜3のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基等の直鎖状のアルキル基;i−プロピル基等の分岐状のアルキル基等が挙げられる。これらの中で、炭素数1〜3の直鎖状のアルキル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
上記式(2)で示される化合物において、上記式(2)のRは、炭素数6〜30の飽和脂肪族炭化水素基、炭素数2〜30の不飽和脂肪族炭化水素基および炭素数6〜30の脂環式炭化水素基のうちのいずれかとすることができる。
また、上記式(2)で示される化合物において、上記式(2)のRは、上記式(3)で表される基および上記式(4)で表される基のうちのいずれかとすることができる。
またさらに、上記式(2)で示される化合物において、上記式(2)のRは、アリール基、複素環基、または、アシル基とすることも可能である。
上記式(2)で示される化合物において、上記式(2)のRで表されるアリール基としては、置換もしくは未置換のもので、具体例としては、フェニル基、トリル基、4−シアノフェニル基、ビフェニル基、o,m,p−テルフェニル基、ナフチル基、アントラニル基、フェナントレニル基、フルオレニル基、9−フェニルアントラニル基、9,10−ジフェニルアントラニル基、ピレニル基等が挙げられる。特に、炭素数が8以上のものが好ましく、またこれらのオリゴマー、ポリマーでも良い。
上記式(2)で示される化合物において、上記式(2)のRで表される複素環基としては、置換もしくは未置換のもので、具体例としては、ピロール基、ピロリン基、ピラゾール基、ピラゾリン基、イミダゾール基、トリアゾール基、ピリジン基、ピリダジン基、ピリミジン基、ピラジン基、トリアジン基、インドール基、ベンズイミダゾール基、プリン基、キノリン基、イソキノリン基、シノリン基、キノキサリン基、ベンゾキノリン基、フルオレノン基、ジシアノフルオレノン基、カルバゾール基、オキサゾール基、オキサジアゾール基、チアゾール基、チアジアゾール基、ベンゾオキサゾール基、ベンゾチアゾール基、ベンゾトリアゾール基、ビスベンゾオキサゾール基、ビスベンゾチアゾール基、ビスベンゾイミダゾール基等が挙げられる。またこれらのオリゴマー、ポリマーでも良い。
上記式(2)で示される化合物において、上記式(2)のRで表されるアシル基としては、置換もしくは未置換のもので、具体例としては、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、バレリル基、イソバレリル基、ピバロイル基、ラウロイル基、ミリストイル基、パルミトイル基、ステアロイル基、オキサリル基、マロニル基、スクシニル基、グルタリル基、アジポイル基、ピメロイル基、スベロイル基、アゼラオイル基、セバコイル基、アクリロイル基、プロピオロイル基、メタクリロイル基、クロトノイル基、イソクロトノイル基、オレオイル基、エライドイル基、マレオイル基、フマロイル基、シトラコノイル基、メサコノイル基、カンホロイル基、ベンゾイル基、フタロイル基、イソフタロイル基、テレフタロイル基、ナフトイル基、トルオイル基、ヒドロアトロポイル基、アトロポイル基、シンナモイル基、フロイル基、テノイル基、ニコチノイル基、イソニコチノイル基、グリコロイル基、ラクトイル基、グリセロイル基、タルトロノイル基、マロイル基、タルタロイル基、トロポイル基、ベンジロイル基、サリチロイル基、アニソイル基、バニロイル基、ベラトロイル基、ピペロニロイル基、プロトカテクオイル基、ガロイル基、グリオキシロイル基、ピルボイル基、アセトアセチル基、メソオキサリル基、メソオキサロ基、オキサルアセチル基、オキサルアセト基、レブリノイル基等が挙げられる。また、これらのアシル基にフッ素、塩素、臭素、ヨウ素等が置換しても良い。特に、炭素数が8以上のものが好ましく、またこれらのオリゴマー、ポリマーでも良い。
上記式(2)で示される化合物の好ましい具体例としては、例えば、下記式(A−12)〜(A−14)で表される化合物等が挙げられる。
Figure 2015046329
本実施形態の水分捕獲体形成用組成物における(B)化合物の含有量としては、0.1質量%〜50質量%が好ましく、1質量%〜40質量%がより好ましく、2質量%〜30質量%がさらに好ましい。(B)化合物の含有量を上記範囲とすることで、水分捕獲体形成用組成物に含有された(B)化合物は水分捕獲剤として効果的に機能することができる。
[(C)酸発生剤]
本発明の実施形態の水分捕獲体形成用組成物は、(A)成分および(B)成分とともに、(C)成分である(C)酸発生剤を含有する。(C)酸発生剤は、光や熱等の刺激を受けて酸を発生させる材料であるが、本実施形態の(C)酸発生剤としては、カチオン系光重合開始剤として使用されるものの選択が特に好ましい。以下で、(C)成分として特に好ましいカチオン系光重合開始剤(以下、(C)カチオン系光重合開始剤と言うことがある。)について説明する。
本発明の実施形態の水分捕獲体形成用組成物に含有される(C)カチオン系光重合開始剤は、光の照射を受けて樹脂の重合を開始させる機能を有する材料である。(C)カチオン系光重合開始剤は、(A)エポキシ樹脂とともに用いられて、本発明の実施形態の水分捕獲体形成用組成物に硬化性を付与して強度を高める成分となる。
この(C)カチオン系光重合開始剤は、光によって酸を発生させ、樹脂の重合を開始させる機能を有すれば特に限定はなく、いずれでも使用することができる。
(C)カチオン系光重合開始剤の好ましい例としては、下記式(5)で表される構造を有するオニウム塩を挙げることができる。このオニウム塩は、光反応し、ルイス酸を放出する化合物である。
Figure 2015046329
(式(5)中、カチオンはオニウムイオンである。Yは、S、Se、Te、P、As、Sb、Bi、O、I、Br、ClまたはNを示す。R11、R12、R13およびR14は、同一または異なる有機基を示す。c、d、eおよびfはそれぞれ0〜3の整数であって、(c+d+e+f)はYの価数に等しい。)
ここで、上記式(5)のオニウム塩において、R11〜R14の有機基としては、例えば、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基等のアリール基、炭素数1〜18のアルキル基によりモノおよびポリ置換されたアリール基、フェノキシフェニル基、チオフェニルフェニル基等が例示される。
上記式(5)のオニウム塩において、Maは、ハロゲン化物錯体{MaXq+p}の中心原子を構成する金属またはメタロイドであり、例えば、B、P、As、Sb、Fe、Sn、Bi、Al、Ca、In、Ti、Zn、Sc、V、Cr、Mn、Co等である。Xは、例えば、F、Cl、Br等のハロゲン原子であり、pはハロゲン化物錯体イオンの正味の電荷であり、qはMaの原子価である。
上記式(5)において、オニウムイオンの具体例としては、ジフェニルヨードニウム、4−メトキシジフェニルヨードニウム、ビス(4−メチルフェニル)ヨードニウム、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウム、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウム、トリフェニルスルフォニウム、ジフェニル−4−チオフェノキシフェニルスルホニウム、ビス{4−(ジフェニルスルフォニオ)−フェニル}スルフィド、ビス{4−(ジ(4−(2−ヒドロキシエチル)フェニル)スルフォニオ)−フェニル}スルフィド、η−2,4−(シクロペンタジフェニル){1,2,3,4,5,6−η−(メチルエチル)ベンゼン}−鉄(1+)等が挙げられる。
上記式(5)において、陰イオンの具体例としては、テトラフルオロボレート、ヘキサフルオロホスフェート、ヘキサフルオロアンチモネート、ヘキサフルオロアルセネート、ヘキサクロロアンチモネート等が挙げられる。
これらの(C)カチオン系光重合開始剤は、1種単独で、または、2 種以上を組み合わせて使用することができる。
本実施形態の水分捕獲体形成用組成物において(C)酸発生剤としてカチオン系光重合開始剤が含有される場合、その含有量としては、(A)エポキシ樹脂100質量部に対して0.1質量部〜10質量部が好ましく、1質量部〜3質量部がより好ましい。(C)カチオン系光重合開始剤の使用量が0.1質量部より少ない量であると硬化性が低下する場合があり、10質量部を超えると硬化性に優れるが、水分捕獲体形成用組成物の保存性が低下する場合がある。
[その他の任意成分]
本発明の実施形態の水分捕獲体形成用組成物は、上記(A)〜(C)の各成分に加えて、必要に応じて他の任意成分を含有することができる。
その他の任意成分としては、例えば、硬化後の水分捕獲体形成用組成物、すなわち、水分捕獲フィルムの応力を緩和させるために、シリコーンゴム、シリコーンオイル、液状のポリブタジエンゴム等を含有することができる。
また、その他の任意成分としては、接着性向上用のシランカップリング剤、カーボンブラック等の顔料、染料、酸化防止剤、その他の添加剤等を配合することができる。
上記シランカップリング剤としては、公知のものを使用することができ、例えば、KBM403(信越化学工業社製)等が挙げられる。
(水分捕獲体形成用組成物の調製)
本発明の実施形態の水分捕獲体形成用組成物は、(A)エポキシ樹脂、(B)上記式(1)で示される化合物および上記式(2)で示される化合物のうちの少なくとも一方の化合物、並びに、(C)酸発生剤、そしてさらに、必要に応じてその他任意成分を所定の割合で混合することにより調製できる。
このようにして調製された本発明の実施形態の水分捕獲体形成用組成物は、水分捕獲機能を有する水分捕獲フィルムの形成に好適に用いることができ、特に、上述した有機EL素子用に用いることができる。
(水分捕獲フィルムの形成)
本発明の実施形態の水分捕獲フィルムは、上述した本発明の実施形態の水分捕獲体形成用組成物から形成される。
本実施形態の水分捕獲フィルムは、本発明の実施形態の水分捕獲体形成用組成物から形成されるため、適用される有機EL素子内の水分を効率良く除去することができる。
そして、本実施形態の水分捕獲フィルムは、水分を捕獲した状態であっても、低分子アルコール等のような揮発性の高い分解生成物を生じ難く、有機EL素子に用いられた場合、有機EL層への上記分解生成物の付着によるダークスポットの発生を抑制することができる。
本実施形態の水分捕獲フィルムの形成方法としては、上述した本発明の実施形態の水分捕獲体形成用組成物を用い、例えば、ガラス等の基板上に形成された有機EL層の上に塗膜を形成した後、この塗膜を放射線照射する方法、加熱する方法、または、放射線照射および加熱をする方法により硬化させて形成する方法等が挙げられる。
また、ガラス基板等の支持材により支持された水分捕獲フィルムを形成する場合は、本発明の実施形態の水分捕獲体形成用組成物を用い、支持材に塗膜を形成した後、この塗膜を放射線照射する方法、加熱する方法、または、放射線照射および加熱をする方法により硬化させて形成する方法等が挙げられる。
上述の放射線としては、水分捕獲体形成用組成物の塗膜を硬化できれば特に限定されないが、UV(紫外)光が好ましい。加熱温度としては、30℃〜200℃が好ましく、50℃〜150℃がより好ましい。加熱時間としては、1分間〜24時間が好ましく、10分間〜5時間がより好ましい。
以下、実施例に基づき本発明の実施形態を詳述するが、この実施例によって本発明が限定的に解釈されるものではない。
<水分捕獲体形成用組成物の調製>
実施例および比較例で使用した各成分の詳細を下記に示す。
[A]エポキシ樹脂([A]成分)
AA−1 : jER(登録商標) 152(三菱化学社製)
AA−2 : jER(登録商標) 828(三菱化学社製)
[B]上記式(1)または上記式(2)で示される化合物([B]成分)
B−1 :上記式(A−13)で示される化合物
B−2 :上記式(A−2)で示される化合物
[C]光カチオン重合開始剤([C]成分)
C−1:CPI(登録商標)−210S(サンアプロ社製)
[実施例1]
[A]成分のエポキシ樹脂として(AA−1)85質量部、[B]成分として(B−1)13質量部、[C]成分の光カチオン重合開始剤として(C−1)1質量部を容器に量り取り、遊星式攪拌機(あわとり練太郎(登録商標)、シンキー社)を用いて十分に混合した。その後、真空下にて脱泡を行い、水分捕獲体形成用組成物を製造した。
[実施例2〜実施例5および比較例1〜比較例2〕
各成分を表1に示す種類、配合量とした以外は実施例1と同様に操作して水分捕獲体形成用組成物を製造した。
<水分捕獲体フィルムの形成>
実施例1〜実施例5および比較例1〜比較例2で作製した水分捕獲体形成用組成物を、隙間寸法135μmのバーコーター(E−789、ヨシミツ精機社)を用いてPETフィルム(厚さ100μm、三菱化学ポリエステルフィルム社、T100−50)上に、塗布速度2cm/secにて塗布し、100μmの塗布膜を形成した(膜厚はミツトヨ社、デプスゲージ547−251で測定した)。得られた塗布膜に対し、キヤノン社PLA(登録商標)−501F露光機(超高圧水銀ランプ)を用い、積算照射量が30000J/mとなるように露光を行った後、クリーンオーブン内にて80℃で1時間加熱することにより、PETフィルム上に硬化物として水分捕獲体フィルムを形成した。
<水分捕獲体フィルムの評価>
実施例1〜実施例5および比較例1〜比較例2で得られた各水分捕獲体形成用組成物を硬化させて得られた水分捕獲体フィルムを用い、その接着性を評価した。評価結果は、使用した各水分捕獲体形成用組成物の組成とともに下記表1にまとめて示す。すなわち、評価対象の水分捕獲フィルムが、例えば、実施例1の水分捕獲体形成用組成物を用いて形成されたものである場合、実施例1の水分捕獲体形成用組成物の成分組成とともに、対応する欄に評価結果を記載した。
[接着性]
ガラス基板を25mm×75mmにカットし、十字状に交差させたガラス片の中央に実施例1〜実施例5および比較例1〜比較例2で製造した各水分捕獲体形成用組成物(一方のガラス片に膜厚100μmで塗布)をそれぞれ挟んだ。キヤノン社PLA(登録商標)−501F露光機(超高圧水銀ランプ)を用い、積算照射量が30000J/mとなるように露光を行った後、クリーンオーブン内にて80℃で1時間加熱することにより硬化させ、上下に剥離した。この時、剥離速度は150mm/minとして、あらかじめ測定した接着剤塗布面積で最大荷重を除して接着力(単位:MPa)とした。
<有機EL素子の製造>
縦横25mmのガラスに膜厚15nmのITOが幅2mmのパターンで形成されたガラス基板(旭硝子社)に、正孔注入材料としてポリ(3,4)エチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンサルフォネイト(PEDOT/PSS)を含有する正孔注入層形成用塗液を3000rpmで50秒間スピンコートを行い膜厚50nmの正孔注入層を形成した後、高純度窒素中、200℃で10分間加熱・乾燥を行った。ここで、正孔注入層形成用塗液としては、PEDOT/PSSを純水に固形分0.1質量%で溶解したものを用いた。正孔注入層を形成した後、発光材料ポリフルオレン誘導体の1.0質量%溶液を2000rpmで50秒間スピンコートを行い、膜厚70nmの発光層を形成した後、60℃で10分間焼成した。次に、発光層上に10−5Paの圧力条件下、0.1nm/secの蒸着速度でLiFを10nm、0.1nm/secの蒸着速度でCaを20nm積層し、その上に20nm/secの蒸着速度でAlを100nm積層し陰極を形成して、有機EL層を製造した。
次いで、ガラス基板上に形成された有機EL層の上に、実施例1〜実施例5および比較例1〜比較例2で作製した水分捕獲体形成用組成物を、隙間寸法135μmのバーコーター(E−789、ヨシミツ精機社)を用いて、塗布速度2cm/secにて塗布し、100μmの塗布膜を形成した(膜厚はミツトヨ社、デプスゲージ547−251で測定した)。得られた塗布膜に対し、キヤノン社PLA(登録商標)−501F露光機(超高圧水銀ランプ)を用い、積算照射量が30000J/mとなるように露光を行った後、クリーンオーブン内にて80℃で1時間加熱することにより、ガラス基板上の有機EL層の上に硬化物として水分捕獲体フィルムを形成した。
次いで、得られた成膜済みガラス基板周辺部に、シール材用硬化組成物を、塗布厚みがスペーサの粒径よりも概ね50μm〜250μm大きくなるようにディスペンサー等で塗布した。次いで、有機EL層等が成膜済みガラス基板へ対向ガラス基板を真空張り合わせ装置を用いて貼り合わせ、超高圧水銀灯(365nmにおける強度が100mW)を用いて30秒間紫外光を照射後、80℃で30分間加熱し硬化した。以上のようにして、有機EL素子を製造した。
<有機EL素子の評価>
これらの有機EL素子について以下の方法により耐湿性を評価した。評価結果は表1に示す。尚、有機EL素子の評価結果は、評価対象の各有機EL素子が有する水分捕獲フィルムが、例えば、実施例1の水分捕獲体形成用組成物を用いて形成されたものである場合、表1の実施例1の対応する欄に記載した。すなわち、有機EL素子の評価結果は、対応する水分捕獲体形成用組成物の成分組成および水分捕獲フィルムの評価結果とともに示した。
[耐湿性試験]
得られた有機EL素子を85℃、85RH%の条件下にて500時間通電したときに発生したダークスポットの有機EL素子の表面積に占める割合(%)を測定した。この割合が5%以下の場合、耐湿性が良好である(ダークスポットの発生が抑制されている)と判断した。
Figure 2015046329
本発明は、有機EL素子内の水分を低減する水分捕獲フィルムを提供することができる。そのため、本発明は、長時間駆動されてもダークスポットの発生を抑制できる有機EL照明や有機EL表示素子等の有機EL素子を提供することができる。したがって、本発明は、高い信頼性が求められるTVや携帯情報機器に好適に使用することができる。
10 有機EL層
22 基板
24 封止部材
26、126、326 シール材
30、230 水分捕獲フィルム
100、200、300、400 有機EL素子
231、232 支持材

Claims (9)

  1. 基板と、該基板上に形成された有機EL層と、該有機EL層を封止する封止部材とを有する有機EL素子であって、
    前記有機EL層の上に、前記封止部材と離間するように、
    (A)エポキシ樹脂、
    (B)下記式(1)で示される化合物および下記式(2)で示される化合物のうちの少なくとも一方の化合物、並びに
    (C)酸発生剤
    を含有してなる水分捕獲体形成用組成物を用いて形成された水分捕獲フィルムを配置したことを特徴とする有機EL素子。
    Figure 2015046329
    (式(1)中、Mは、ホウ素原子、アルミニウム原子、ケイ素原子、ガリウム原子、チタン原子、ジルコニウム原子、インジウム原子およびタリウム原子のうちのいずれかである。Rは、炭素数6〜30の飽和脂肪族炭化水素基、炭素数2〜30の不飽和脂肪族炭化水素基、炭素数6〜30の脂環式炭化水素基、下記式(3)で表される基および下記式(4)で表される基のうちのいずれかである。nは、1〜4の整数である。nが2以上の場合、複数のRは同一でも異なっていてもよい。)
    Figure 2015046329
    (式(2)中、MおよびRは、式(1)と同義である。mは重合度を示す1以上の整数である。)
    Figure 2015046329
    (式(3)中、Rは、炭素数1〜3のアルキル基、ビニル基、(メタ)アクリロイル基およびグリシジル基のうちのいずれかである。aは、1〜20の整数である。
    式(4)中、Rは、炭素数1〜3のアルキル基、ビニル基、(メタ)アクリロイル基およびグリシジル基のうちのいずれかである。bは、1〜20の整数である。)
  2. 前記有機EL層は、有機材料からなる有機発光層が、互いに対向する一対の電極の間に挟持されてなる構造を有することを特徴とする請求項1に記載の有機EL素子。
  3. 上記式(1)および上記式(2)のRが、炭素数6〜30の飽和脂肪族炭化水素基、炭素数2〜30の不飽和脂肪族炭化水素基および炭素数6〜30の脂環式炭化水素基のうちのいずれかであることを特徴とする請求項1または2に記載の有機EL素子。
  4. 上記式(1)および上記式(2)のRが、上記式(3)で表される基および上記式(4)で表される基のうちのいずれかであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機EL素子。
  5. 上記式(1)および上記式(2)におけるMが、アルミニウム原子であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機EL素子。
  6. (A)エポキシ樹脂、
    (B)下記式(1)で示される化合物および下記式(2)で示される化合物のうちの少なくとも一方の化合物、並びに
    (C)酸発生剤
    を含有してなる水分捕獲体形成用組成物を用いて形成された水分捕獲フィルムであって、
    基板と、該基板上に形成された有機EL層と、該有機EL層を封止する封止部材とを有する有機EL素子の該有機EL層の上に、該封止部材と離間するように配置され、有機EL素子用に用いられることを特徴とする水分捕獲フィルム。
    Figure 2015046329
    (式(1)中、Mは、ホウ素原子、アルミニウム原子、ケイ素原子、ガリウム原子、チタン原子、ジルコニウム原子、インジウム原子およびタリウム原子のうちのいずれかである。Rは、炭素数6〜30の飽和脂肪族炭化水素基、炭素数2〜30の不飽和脂肪族炭化水素基、炭素数6〜30の脂環式炭化水素基、下記式(3)で表される基および下記式(4)で表される基のうちのいずれかである。nは、1〜4の整数である。nが2以上の場合、複数のRは同一でも異なっていてもよい。)
    Figure 2015046329
    (式(2)中、MおよびRは、式(1)と同義である。mは重合度を示す1以上の整数である。)
    Figure 2015046329
    (式(3)中、Rは、炭素数1〜3のアルキル基、ビニル基、(メタ)アクリロイル基およびグリシジル基のうちのいずれかである。aは、1〜20の整数である。
    式(4)中、Rは、炭素数1〜3のアルキル基、ビニル基、(メタ)アクリロイル基およびグリシジル基のうちのいずれかである。bは、1〜20の整数である。)
  7. 上記式(1)および上記式(2)のRが、炭素数6〜30の飽和脂肪族炭化水素基、炭素数2〜30の不飽和脂肪族炭化水素基および炭素数6〜30の脂環式炭化水素基のうちのいずれかであることを特徴とする請求項6に記載の水分捕獲フィルム。
  8. 上記式(1)および上記式(2)のRが、上記式(3)で表される基および上記式(4)で表される基のうちのいずれかであることを特徴とする請求項6または7に記載の水分捕獲フィルム。
  9. 上記式(1)および上記式(2)におけるMが、アルミニウム原子であることを特徴とする請求項6〜8のいずれか1項に記載の水分捕獲フィルム。
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