JP3817180B2 - 反射防止膜、反射防止フィルムおよび画像表示装置 - Google Patents

反射防止膜、反射防止フィルムおよび画像表示装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、反射防止膜ならびにそれを用いた反射防止フィルムおよび表示装置(特に液晶表示装置)に関する。
【0002】
【従来の技術】
反射防止膜は一般に、外光の反射によるコントラスト低下や像の映り込みを防止するために、光学干渉の原理を用いて反射率を低減するように光学製品などの表面に設置され、特に良好な視認性を求められる陰極管表示装置(CRT)、プラズマディスプレイパネル(PDP)や液晶表示装置(LCD)のような画像表示装置において、その表示面の最表面に配置される。
【0003】
このような反射防止膜は、高屈折率層の上に適切な膜厚の低屈折率層を形成することにより作製できる。低屈折率層素材としては反射防止性能の観点からできる限り屈折率の低い素材が望まれ、同時にディスプレイの最表面に用いられるため高い耐擦傷性が要求される。また低い反射率性能を発現するために膜厚の均一性も重要であり、塗布型材料においては、塗布性、レベリング性も重要なファクターになる。
【0004】
厚さ100nm前後の薄膜において高い耐擦傷性を実現するためには、皮膜自体の強度、および下層への密着性を高めることが重要である。材料の屈折率を下げる手段としては、▲1▼フッ素原子を導入する、▲2▼密度を下げる(空隙を導入する)という手段があるがいずれも皮膜強度および密着性が損なわれ耐擦傷性が低下する方向である。
【0005】
低屈折率性を保ちながら耐擦傷性を大きく向上させる手段として表面への滑り性付与が有効である。滑り性付与に対してはフッ素の導入、シリコーンの導入等の手法が有効であり、これらの手段は表面張力を下げるために他の目的であるレベリング性付与にも効果が期待できる。低屈折率層に含フッ素ポリマーを用いる場合にはそれ自体でも滑り性を有しているが、溶剤可溶化するために炭化水素系共重合成分を50%程度導入した側鎖の短いフッ素系材料単独では十分な滑り性が得られず、シリコーン化合物と組み合わせることが従来より行なわれてきた。
【0006】
低屈折率層素材に対して少量のシリコーン化合物を添加することにより、滑り性発現効果および耐擦傷性改良効果は顕著に現れる。また、滑り性に加えて撥水性、防汚性等の効果も発現する。しかし一方で、低屈折率層素材との相溶性(皮膜の透明性)、経時あるいは高温条件下でのブリードアウト、接触媒体へのシリコーン成分の転写、これらに伴う性能の劣化、製造ラインの汚染等さまざまな問題があった。特に反射防止膜においては、相溶性不足によるヘイズ発生は光学性能を悪化させるため大きな問題である。また塗布後の膜を巻き取った際に、膜の裏面にシリコーンが付着することがその後の加工工程に支障をきたすため大きな問題になっている。すなわち、シリコーン部位のみ効果的に表面に偏析させて、シリコーンに結合した残りの部位は低屈折率層皮膜中に効果的にアンカリングさせる技術が求められている。
【0007】
この問題に対して特開平11−189621号、同11−228631号、特開2000−313709号公報にはシリコーンマクロアゾ開始剤を用いてポリシロキサンブロック共重合成分を導入した含フッ素オレフィン共重合体およびその反射防止膜用途への適用が記載されている。該手法により皮膜の均一性、耐久性は大幅に向上するが、残存開始剤あるいは開始剤種同志のラジカルカップリングによって生成した成分を完全に除去することが難しく、強制条件下での接触媒体へのシリコーン転写性は完全には押さえることができていない。ポリマー中へのより均質な導入が必要と考えられる。
【0008】
シリコーン成分を含フッ素共重合体にグラフトさせる手法としては、特開昭56−28219号にはエポキシ基を含有する含フッ素オレフィン共重合体とアミノ基含有ポリシロキサンとの高分子反応について記載されており、特開平2−251555号、同2−308806号、同6−322053号にシリコンマクロマーと含フッ素オレフィンの共重合体に関して記載されているが、反射防止膜用途への適用に関しては記載がない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、第1に大量生産に適した塗布型の反射防止膜を提供することであり、第2に反射率が低く、耐擦傷性に優れた反射防止膜を提供することであり、第3に耐久性、耐候性に優れた反射防止膜を提供することであり、第4に被接触媒体に対するシリコン成分の転写が起こらない反射防止膜を提供することにあり、第5に反射が防止されたフィルムまたは画像表示装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の課題は、以下に示す(1)〜(9)の本発明によって達成された。
(1)側鎖に下記一般式1で表わされるポリシロキサン繰り返し単位を含んでなる重合体グラフト部位を有し、かつ、主鎖にフッ素原子を含むポリマーを含有する低屈折率層を有することを特徴とする反射防止膜。
【0011】
【化2】
Figure 0003817180
【0012】
一般式1中、R,Rは同一であっても異なっていても良く、アルキル基またはアリール基を表わす。pは10〜500の整数を表わす。
(2)(1)項に記載の含フッ素ポリマーがパーフルオロオレフィン、架橋反応に関与し得る官能基を含有するビニル単量体、および下記一般式2〜5で表わされるいずれかのポリシロキサン含有ビニル単量体の共重合体よりなる含フッ素共重合体であることを特徴とする(1)項記載の反射防止膜。
【0013】
【化3】
Figure 0003817180
【0014】
【化4】
Figure 0003817180
【0015】
【化5】
Figure 0003817180
【0016】
【化6】
Figure 0003817180
【0017】
一般式2〜5においてR,Rおよびpは一般式1と同じ意味を表す。R〜Rは水素原子または1価の有機基を表わし、Rは水素原子またはメチル基を表わし、Lは炭素数1〜20の連結基を表わす。
(3)(1)項記載の含フッ素ポリマーが下記一般式6で表わされることを特徴とする(1)項記載の反射防止膜。
【0018】
【化7】
Figure 0003817180
【0019】
一般式6中、Rfは炭素数1〜5のパーフルオロアルキル基を表わし、Rfは炭素数1〜30の直鎖、分岐または脂環構造を有する含フッ素アルキル基を表わし、エーテル結合を有していても良く、Aは架橋反応に関与し得る反応性基を少なくとも1つ以上含有する構成成分を表わし、Bは任意の構成成分を表わし、Lは連結基を表わし、nは0または1を表わし、nが0の場合はポリマー主鎖とポリシロキサン鎖が直接結合していることを意味し、R〜Rおよびpは一般式2と同じ意味を表わし、a〜dはそれぞれ各構成成分のモル分率(%)を表わし、それぞれ55<a+b<95、5<a<70、5<b<90、5<c<45、0≦d<40の関係を満たす値を表わし、eはポリシロキサンを含有する重合単位の質量分率(%)を表わし、0.01<e<20の関係を満たす値を表わす。
(4)一般式6で表わされる含フッ素ポリマーにおいて、繰り返し単位−B−のモル分率を示すdが零であることを特徴とする(1)項記載の反射防止膜。
(5)前記低屈折率層が硬化剤を含有することを特徴とする(1)〜(4)項記載の反射防止膜。
(6)前記低屈折率層が平均粒径5〜50nmのシリカ微粒子を含有することを特徴とする(1)〜(5)項記載の反射防止膜。
(7)前記低屈折率層と支持体との間に、無機微粒子を含有する高屈折率層を有することを特徴とする(1)〜(6)項記載の反射防止膜。
(8)(1)〜(7)項記載の反射防止膜を透明基材上に配置したことを特徴とする反射防止フィルム。
(9)(1)〜(7)項記載の反射防止膜または(8)項記載の反射防止フィルムを配置したことを特徴とする画像表示装置。
一般式1〜6の単量体または繰り返し単位の重合形態はランダム重合体としての態様もありうる。
本発明の反射防止膜は、低屈折率層のみからなる単層構成でもよく、また、中・高低屈折率層、ハードコート層などと積層した多層構成であってもよい。この反射防止膜は、前もって反射防止フィルムを形成してから画像表示装置に配置してもよく、また、画像表示装置などに直接(その場で)形成し配置してもよい。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の反射防止膜に関して説明する。
[反射防止膜の層構成]
本発明の反射防止膜の代表的な層構成を図1を参照しながら説明する。
【0021】
図1は、好ましい反射防止膜の好ましい層構成を示す断面模式図である。図1の(a)に示す態様は、透明支持体4、ハードコート層3、高屈折率層2、そして低屈折率層1の順序の層構成を有する。(a)のように、高屈折率層2と低屈折率層1とを有する反射防止膜では、特開昭59−50401号公報に記載されているように、高屈折率層が下記式(I)、低屈折率層が下記式(II)をそれぞれ満足することが好ましい。
【0022】
【数1】
Figure 0003817180
【0023】
式中、mは正の整数(一般に1、2または3)であり、nは高屈折率層の屈折率であり、そして、dは高屈折率層の層厚(nm)である。
【0024】
【数2】
Figure 0003817180
【0025】
式中、nは正の奇数(一般に1)であり、nは低屈折率層の屈折率であり、そして、dは低屈折率層の層厚(nm)である。
高屈折率層の屈折率n1は、一般に透明フィルムより少なくとも0.05高く、そして、低屈折率層の屈折率n2は、一般に高屈折率層の屈折率より少なくとも0.1低くかつ透明フィルムより少なくとも0.05低い。更に、高屈折率層の屈折率n1は、一般に1.57〜2.40の範囲にある。
【0026】
図1の(b)に示す態様は、透明支持体(4)、ハードコート層(3)、中屈折率層(5)、高屈折率層(2)、そして低屈折率層(1)の順序の層構成を有する。(b)のように、中屈折率層(5)、高屈折率層(2)と低屈折率層(1)とを有する反射防止膜では、特開昭59−50401号公報に記載されているように、中屈折率層が下記式(III)、高屈折率層が下記式(IV)、低屈折率層が下記式(V)をそれぞれ満足することが好ましい。
【0027】
【数3】
Figure 0003817180
【0028】
式中、hは正の整数(一般に1、2または3)であり、nは中屈折率層の屈折率であり、そして、dは中屈折率層の層厚(nm)である。
【0029】
【数4】
Figure 0003817180
【0030】
式中、jは正の整数(一般に1、2または3)であり、nは高屈折率層の屈折率であり、そして、dは高屈折率層の層厚(nm)である。
【0031】
【数5】
Figure 0003817180
【0032】
式中、kは正の奇数(一般に1)であり、nは低屈折率層の屈折率であり、そして、dは低屈折率層の層厚(nm)である。
【0033】
中屈折率層の屈折率n3は、一般に1.5〜1.7の範囲にあり、高屈折率層の屈折率n4は、一般に1.7〜2.2の範囲にある。
【0034】
また、式(I)〜(V)中のλは光線の波長であり、可視領域の反射防止層として用いる場合のλは380〜680nmの範囲の値であり、それ以外に可視光線以外にも可視領域近傍の紫外線、赤外線に対しても有効である。ここで記載した高屈折率、中屈折率、低屈折率とは層相互の相対的な屈折率の高低をいう。例えば中屈折率層は高屈折率層に添加する高屈折率無機微粒子の含率をかえるなどの方法で作製される。
以上の層構成を有する本発明の反射防止膜において少なくとも、本発明に従い改良された低屈折率層を用いる。
【0035】
[低屈折率層]
低屈折率層は図1の(a)(b)に示すごとく高屈折率層の上層に配置される。低屈折率層の上側が反射防止膜の表面である。
低屈折率層の屈折率は、好ましくは1.20〜1.49であり、1.20〜1.45であることがより好ましく、1.20〜1.43であることが特に好ましい。
低屈折率層の厚さは、50〜400nmであることが好ましく、50〜200nmであることがさらに好ましい。低屈折率層のヘイズは、3%以下であることが好ましく、2%以下であることがさらに好ましく、1%以下であることが最も好ましい。具体的な低屈折率層の強度は、1kg荷重の鉛筆硬度試験でH以上であることが好ましく、2H以上であることがさらに好ましく、3H以上であることが最も好ましい。
【0036】
本発明において低屈折率層は、側鎖に一般式1で表わされるポリシロキサン部位を含む重合単位を有し、かつ、主鎖にフッ素原子を有する、グラフトポリマーを含有する組成物を高屈折率層上に塗設、硬化させることによって形成される。
【0037】
一般式1中、R,Rは同一であっても異なっていても良く、アルキル基またはアリール基を表わす。アルキル基としては炭素数1〜4が好ましく、例としてメチル基、トリフルオロメチル基、エチル基等が挙げられる。アリール基としては炭素数6〜20が好ましく、例としてフェニル基、ナフチル基が挙げられる。これらの中でもメチル基およびフェニル基が好ましく、特に好ましくはメチル基である。
pは10〜500の整数を表わし、好ましくは50〜300であり、特に好ましくは100〜250の場合である。
【0038】
側鎖に一般式1であらわされるポリシロキサン構造を有するポリマーは、例えばJ.Appl.Polym.Sci.2000,78,1955、特開昭56−28219号公報等に記載のごとく、エポキシ基、水酸基、カルボキシル、酸無水物基等の反応性基を有するポリマーに対して、相対する反応性基(例えばエポキシ基、酸無水物基に対してアミノ基、メルカプト基、カルボキシル基、水酸基等)を片末端に有するポリシロキサンを高分子反応によって導入する方法、ポリシロキサン含有シリコンマクロマーを重合させる方法によって合成されるが、本発明ではシリコンマクロマーの重合によって導入する方法が特に好ましい。
【0039】
シリコンマクロマーとしては、含フッ素オレフィンとの共重合が可能な重合性基を有しているものであれば良く、好ましくは一般式2〜5のいずれかで表わされる構造である。
一般式2〜5においてR,R,pは一般式1と同じ意味を表す。R〜Rはそれぞれ同じであっても異なっても良く、置換または無置換の1価の有機基または水素原子を表わし、好ましくは炭素数1〜10のアルキル基(例えばメチル基、エチル基、オクチル基等)、炭素数1〜10のアルコキシ基(例えばメトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基等)、炭素数6から20のアリール基(例えばフェニル基、ナフチル基等)を表わし、特に好ましくは炭素数1〜5のアルキル基である。Rは水素原子またはメチル基を表わす。Lは炭素数1〜20の任意の連結基を表わし、置換または無置換の直鎖、分岐または脂環式のアルキレン基、または置換または無置換のアリーレン基が挙げられるが、好ましくは、炭素数1〜20の無置換の直鎖アルキレン基であり、特に好ましくはエチレン基またはプロピレン基である。これらの化合物は例えば特開平6−322053号記載の方法で合成される。
【0040】
これらの中でも本発明では特に含フッ素オレフィンとの共重合性の観点から一般式3または4で表わされる構造のものが好ましい。
上記のポリシロキサン部位はグラフト共重合体中の0.01〜20質量%を占めることが好ましく、より好ましくは0.1〜10質量%の場合であり、特に好ましくは、0.5〜5%の場合である。
【0041】
以下に本発明に有用な側鎖にポリシロキサン部位を含む重合体グラフト部位の重合単位の好ましい例を示すが本発明はこれらに限定されるものではない。
【0042】
【化8】
Figure 0003817180
【0043】
【化9】
Figure 0003817180
【0044】
【化10】
Figure 0003817180
【0045】
【化11】
Figure 0003817180
【0046】
【化12】
Figure 0003817180
【0047】
【化13】
Figure 0003817180
【0048】
【化14】
Figure 0003817180
【0049】
本発明の低屈折率層を構成する含フッ素ポリマーは、主鎖にフッ素原子を含むものであれば特に制限はないが、好ましくは、パーフルオロオレフィンとビニルエーテル類またはビニルエステル類のランダム共重合体である。架橋反応反応性基を含有していることが好ましい。
【0050】
パーフルオロオレフィンとしては、炭素数3〜7のものが好ましく、重合反応性の観点からはパーフルオロプロピレンまたはパーフルオロブチレンが好ましく、入手性の観点からパーフルオロプロピレンであることが特に好ましい。
【0051】
ポリマー中のパーフルオロオレフィンの含率は5〜70mol%である。素材の低屈折率化のためにはパーフルオロオレフィンの導入率を高めることが望まれるが、重合反応性の点で一般的な溶液系ラジカル重合反応では50〜70mol%程度の導入が限界でありこれ以上は困難である。本発明においては、該含率は30%〜60mol%であることが好ましく、40〜55mol%であることが特に好ましい。
【0052】
本発明では低屈折率化のために下記M1で表わされる含フッ素ビニルエーテルを共重合することが好ましい。これらの共重合成分は、5〜90mol%の共範囲で重合体中に導入されていて良いが、好ましくは5〜50mol%であり、特に好ましくは10〜30mol%の場合である。
【0053】
【化15】
Figure 0003817180
【0054】
M1中Rfは炭素数1〜30の含フッ素アルキル基を表わし、好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜15の含フッ素アルキル基であり、直鎖(例えば-CF2CF3,-CH2(CF2)4H,-CH2(CF2)8CF3,-CH2CH2(CF2)4H等)であっても、分岐構造(例えばCH(CF3)2,CH2CF(CF3)2,CH(CH3)CF2CF3,CH(CH3)(CF2)5CF2H等)を有していても良く、また脂環式構造(好ましくは5員環または6員環、例えばパーフルオロシクロへキシル基、パーフルオロシクロペンチル基またはこれらで置換されたアルキル基等)を有していても良く、エーテル結合(例えばCH2OCH2CF2CF3,CH2CH2OCH2C4F8H,CH2CH2OCH2CH2C8F17,CH2CH2OCF2CF2OCF2CF2H等)を有していても良い。
【0055】
M1で表わされる上記単量体は、例えば、Macromolecules,32(21),7122(1999)、特開平2−721号等に記載のごとくビニロキシアルキルスルフォネート、ビニロキシアルキルクロライド等の離脱基置換アルキルビニルエーテル類に対して、塩基触媒存在下含フッ素アルコールを作用させる方法、国際出願特許第9205135号記載のごとく含フッ素アルコールとブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類をパラジウム触媒存在下混合してビニル基の交換を行う方法、米国特許第3420793号記載のごとく含フッ素ケトンとジブロモエタンをフッ化カリウム触媒存在化で反応させた後アルカリ触媒により脱HBr反応を行う方法等により合成することができる。
【0056】
以下にM1で表わされる構成成分の好ましい例を示す。
【0057】
【化16】
Figure 0003817180
【0058】
【化17】
Figure 0003817180
【0059】
【化18】
Figure 0003817180
【0060】
【化19】
Figure 0003817180
【0061】
【化20】
Figure 0003817180
【0062】
【化21】
Figure 0003817180
【0063】
本発明では反射防止膜を形成する組成物中のポリマーが架橋反応に関与し得る反応性基を含有する重合単位を有することが好ましい。架橋反応に関与し得る反応性基としては例えば、活性水素原子を有する基(たとえば水酸基、アミノ基、カルバモイル基、メルカプト基、β―ケトエステル基、ヒドロシリル基、シラノール基等)、カチオン重合可能な基(エポキシ基、オキセタニル基、オキサゾリル基、ビニルオキシ基等)、酸無水物、ラジカル種による付加または重合が可能な不飽和2重結合を有する基(アクリロイル基、メタクリロイル基、アリル基等)、加水分解性シリル基(例えばアルコキシシリル基、アシルオキシシリル基等)、求核剤によって置換され得る基(活性ハロゲン原子、スルホン酸エステル等)等が挙げられる。
【0064】
これらのうちで不飽和2重結合を有する基は水酸基を有するポリマーを合成した後、(メタ)アクリル酸クロライド等の酸ハライド、(メタ)アクリル酸無水物等の酸無水物を作用させる等の方法で導入しても良く、3―クロロプロピオン酸エステル部位を有するビニルモノマーを重合させた後で脱塩化水素を行う等の定法によって形成しても良い。
また同様に他の官能基もモノマー段階から導入されていても良いし、水酸基等の反応性基を有するポリマーを合成後に導入しても良い。
【0065】
上記の架橋反応性基の中で、好ましくは水酸基、エポキシ基、(メタ)アクリロイル基または加水分解性シリル基である。
これらの架橋反応性基を有する共重合成分の導入量は、5〜60mol%の範囲であり、5〜45mol%の範囲であることが好ましく、10〜40mol%の範囲であることが特に好ましい。
以下に架橋反応に関与し得る重合単位の好ましい例を示すが本発明はこれらに限定されるものではない。
【0066】
【化22】
Figure 0003817180
【0067】
【化23】
Figure 0003817180
【0068】
【化24】
Figure 0003817180
【0069】
【化25】
Figure 0003817180
【0070】
上記以外の共重合成分としては、硬度、基材への密着性、溶剤への溶解性、透明性等種々の観点から適宜選択することができる。
【0071】
例えば、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、シクロへキシルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル等のビニルエーテル類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、シクロヘキサンカルボン酸ビニル等のビニルエステル類を例として挙げることができる。
これらの共重合成分の導入量は、0〜50mol%の範囲であり、5〜45mol%の範囲であることが好ましく、10〜40mol%の範囲であることが特に好ましい。
【0072】
本発明で特に好ましいポリマーの形態は一般式6で表わされる形態である。
一般式6においてはRfは炭素数1〜5のパーフルオロアルキル基をわす。-CFCF(Rf)−で表わされる部位を構成するモノマーに付いては、パーフルオロオレフィンの例として上記した説明があてはまる。一般式6中Rfは炭素数1〜30の含フッ素アルキル基を表わし、好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜15の含フッ素アルキル基であり、含フッ素ビニルエーテルの例として上記した説明が当てはまる。A,Bはそれぞれ架橋反応性基を有する構成単位、および任意の構成単位を表わし、上記で説明した通りである。R〜Rはそれぞれ一般式2〜5の説明で上記した通りである。nは0または1でありn=0の場合主鎖とポリシロキサン鎖は直結していることを表わし(好ましいモノマー単位は上記一般式5にて説明した)、n=1の場合主鎖とポリシロキサン鎖はLによって連結している。Lは任意の連結基であり、炭素数1〜21の連結基であることが好ましく、より好ましくは、ポリマー鎖側を*で表わすと *―COO−(L)−、*―O―(L)−、*−OCO−(L)−なる連結であり、Lについては一般式2〜5の説明で上記した通りである。
【0073】
a〜dはそれぞれ各構成成分のモル分率(%)を表わし、それぞれ55<a+b<95(好ましくは60<a+b<90、より好ましくは65<a+b<75)、5<a<70(好ましくは30<a<60、より好ましくは40<a<55)、5<b<90(好ましくは5<b<50、より好ましくは10<b<30)、5<c<45(好ましくは10<c<40、より好ましくは20<c<40)、0<d<40(好ましくは5<d<30、より好ましくは10<d<20)の関係を満たし、eはポリシロキサンを含有する質量分率(%)を表わし、0.01<e<20(好ましくは0.1<e<10、より好ましくは0.5<e<5)の関係を満たす値を表わす。
【0074】
表1および表2に本発明で有用なポリマーの具体例を示すが本発明はこれらに限定されるものではない。
なお、表1、2には重合単位の組み合わせとして表記する。 シリコーンを含む重合単位を除いた成分の中のモル分率および、シリコーンを含む重合単位の質量分率を示す。
【0075】
【表1】
Figure 0003817180
【0076】
【表2】
Figure 0003817180
【0077】
本発明に用いられる一般式1で表される含フッ素ポリマーの合成は種々の重合方法、例えば溶液重合、沈澱重合、懸濁重合、沈殿重合、塊状重合、乳化重合によって行なうことができる。またこの際回分式、半連続式、連続式等の公知の操作で合成することができる。
【0078】
重合の開始方法はラジカル開始剤を用いる方法、光または放射線を照射する方法等がある。これらの重合方法、重合の開始方法は、例えば鶴田禎二「高分子合成方法」改定版(日刊工業新聞社刊、1971)や大津隆行、木下雅悦共著「高分子合成の実験法」化学同人、昭和47年刊、124〜154頁に記載されている。
【0079】
上記重合方法のうち、特にラジカル開始剤を用いた溶液重合法が好ましい。溶液重合法で用いられる溶剤は、例えば酢酸エチル、酢酸ブチル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ベンゼン、トルエン、アセトニトリル、塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロエタン、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノールのような種々の有機溶剤の単独あるいは2種以上の混合物でも良いし、水との混合溶媒としても良い。
【0080】
重合温度は生成するポリマーの分子量、開始剤の種類などと関連して設定する必要があり0℃以下から100℃以上まで可能であるが、50〜100℃の範囲で重合を行なうことが好ましい。
【0081】
シリコンマクロマーの共重合反応性が悪い場合には適宜モノマーを滴下または分割して添加しても良い。
【0082】
反応圧力は、適宜選定可能であるが、通常は、1〜100kg/cm2、特に、1〜30kg/cm2程度が望ましい。反応時間は、5〜30時間程度である。
【0083】
得られたポリマーの再沈殿溶媒としては、イソプロパノール、ヘキサン、メタノール等が好ましい。
【0084】
本発明の低屈折率層形成組成物には適宜硬化触媒、あるいは硬化剤等が配合されても良く公知のものを使用することができる。これらは、一般式1で表わされるポリマー中の架橋反応性部位の硬化反応性に応じて選択される。この組成物は通常、液の形態をとる。
【0085】
例えば一般式1のポリマーが加水分解性シリル基を硬化反応性部位として含有する場合には、ゾルゲル反応の触媒として公知の酸あるいは塩基触媒を配合することができ、例えば塩酸、硫酸、硝酸などの無機ブレンステッド酸類、シュウ酸、酢酸、ギ酸、メタンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸などの有機ブレンステッド酸類、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジオクテート、トリイソプロポキシアルミニウム、テトラブトキシジルコニウム等のルイス酸類、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニアなどの無機塩基類、トリエチルアミン、ピリジン、テトラメチルエチレンジアミンなどの有機塩基類などを挙げることができるが、特に酸触媒が好ましく、中でもパラトルエンスルホン酸等の有機ブレンステッド酸類またはジブチル錫ジラウレート等のルイス酸類が好ましい。
【0086】
これらの硬化触媒の添加量は触媒の種類、硬化反応性部位の違いによってまちまちであるが、一般的には低屈折率層形成組成物全固形分に対して0.1〜15質量%程度が好ましく、より好ましくは0.5〜5質量%程度である。
【0087】
また、低屈折率層形成組成物の保存安定性の観点から光の作用によって酸あるいは塩基等の硬化促進剤発生する化合物を使用しても良い。これらの化合物を使用する場合には、活性エネルギー線の照射によって皮膜の硬化が可能になる。
【0088】
光の作用により酸を発生する化合物としては、例えば有機エレクトロニクス材料研究会(ぶんしん出版)編「イメージング用有機材料」p187〜198、特開平10−282644号等に種々の例が記載されておりこれら公知の化合物を使用することができる。具体的には、RSO (Rはアルキル基、アリール基を表す)、AsF6 、SbF6 、PF6 、BF 等をカウンターイオンとするジアゾニウム塩、アンモニウム塩、ホスホニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、セレノニウム塩、アルソニウム塩等の各種オニウム塩、トリハロメチル基が置換したオキサジアゾール誘導体やS−トリアジン誘導体等の有機ハロゲン化物、有機酸のo−ニトロベンジルエステル、ベンゾインエステル、イミノエステル、ジスルホン化合物等が挙げられ、好ましくは、オニウム塩類、特に好ましくはスルホニウム塩、ヨードニウム塩類である。光の作用で塩基を発生する化合物も公知のものを使用することができ、具体的にはニトロベンジルカルバメート類、ジニトロベンジルカルバメート類等を挙げることができる。
【0089】
本発明では特に光の作用により酸を発生する化合物を用いることが好ましい。このような化合物としてはスルホン酸ベンゾインエステル等を挙げることができる。これらの光の作用により、酸あるいは塩基を発生する化合物と併用して増感色素も好ましく用いることができる。本発明の光の作用によって硬化反応を促進する化合物の添加量としては、低屈折率層形成組成物中の全固形分に対して0.1〜15%が好ましく、より好ましくは0.5〜5%である。
【0090】
さらに硬化を促進する目的で脱水剤を使用しても良い。脱水剤としては、例えば、カルボン酸オルトエステル(オルト蟻酸メチル、オルト蟻酸エチル、オルト酢酸メチル等)、あるいは酸無水物(無水酢酸等)等を挙げることができる。
【0091】
また、この際特開昭61−258852号等に記載のごとく有機シリケート(各種アルコキシシラン加水分解部分縮合物)等を硬化剤として併用しても良い。これらの硬化剤を使用する場合には、上記含フッ素共重合体100部当り、0.5〜300質量部程度の添加量が好ましく、特に、含フッ素共重合体100部当り、5.0〜100質量部程度の添加量とすることが好ましい
【0092】
一方硬化反応性部位が水酸基等の活性水素を有する基である場合には硬化剤を配合することが好ましく、かかる硬化剤としては、例えばポリイソシアネート系、アミノプラスト、多塩基酸またはその無水物などを挙げることができる。
【0093】
ポリイソシアネート系としては、m−キシリレンジイソシアネート、トルエン−2,4−ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどのポリイソシアネート化合物、メチルシリルトリイソシアネートなどのシリルイソシアネート化合物、およびこれらイソシアネート化合物の部分縮合物、多量体や、多価アルコール、低分子量ポリエステル皮膜などとの付加物、イソシアネート基をフェノールなどのブロック化剤でブロックしたブロックポリイソシアネート化合物などが挙げられる。
【0094】
アミノプラストとしては、メラミン皮膜、グアナミン皮膜、尿素皮膜などが採用される。中でもメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどの低級アルコールの1種または2種以上により少なくとも部分的にエーテル化されたメチロールメラミン(例えばヘキサメチルエーテル化メチロールメラミン、ヘキサブチルエーテル化メチロールメラミン、メチルブチル混合エーテル化メチロールメラミン、メチルエーテル化メチロールメラミン、ブチルエーテル化メチロールメラミン等)、あるいはこれらの縮合物などが挙げられる。
【0095】
多塩基酸またはその無水物としては、ピロメリット酸、無水ピロメリット酸、トリメリット酸、無水トリメリット酸、フタル酸、無水フタル酸などの芳香族多価カルボン酸またはその無水物やマレイン酸、無水マレイン酸、コハク酸、無水コハク酸などの脂肪族多価カルボン酸またはその無水物などが例示される。
【0096】
本発明において、各成分の配合量は適宜選定することが可能であるが、上記含フッ素共重合体100質量部当り、硬化剤が0.5〜300質量部程度の量が好ましく、特に、含フッ素共重合体100質量部当り、硬化剤を5.0〜100質量部程度とすることが好ましい。
また含フッ素ポリマーとこれらの硬化剤をあらかじめ部分的に縮合させても良い。
【0097】
上記の硬化剤とともに硬化反応を促進させるため、必要に応じて適宜硬化促進触媒を用いることができる。これらの例としては、加水分解性シリル基の硬化触媒として前記した塩基または酸触媒を挙げることができ、また前記したとおり光の作用によってこれらの触媒を生成する化合物も好ましく使用することができる。これらの添加量の好ましい範囲も加水分解性シリル基の硬化触媒として前記した範囲と同様である。
【0098】
ポリマーの架橋反応性部位がカチオン重合可能な基(エポキシ基、オキセタニル基、オキサゾリル基、ビニルオキシ基等)を有する場合にも硬化触媒として上記同様の酸触媒を添加することができる。
【0099】
この際特に他の硬化剤を併用しなくても良いが、これらのカチオン重合性基と反応可能な多官能化合物(例えば、ピロメリット酸、トリメリット酸、フタル酸、マレイン酸、コハク酸等の多塩基、上記カチオン重合性基を一分子中に複数有する化合物)を硬化剤として併用することもできる。
【0100】
これらの硬化剤を添加する場合、上記含フッ素共重合体100質量部当り、0.5〜300質量部程度の添加量が好ましく、特に、含フッ素共重合体100質量部当り、5.0〜100質量部程度の添加量が好ましい。
【0101】
一方、ポリマーの架橋反応性部位がラジカル重合可能な不飽和2重結合(アクリロイル基、メタクリロイル基等)を有する場合にはラジカル重合開始剤を添加することが好ましい。
ラジカル重合開始剤としては熱の作用によりラジカルを発生するもの、あるいは光の作用によりラジカルを発生するもののいずれの形態も可能である。
【0102】
熱の作用によりラジカル重合を開始する化合物としては、有機あるいは無機過酸化物、有機アゾ及びジアゾ化合物等を用いることができる。
具体的には、有機過酸化物として過酸化ベンゾイル、過酸化ハロゲンベンゾイル、過酸化ラウロイル、過酸化アセチル、過酸化ジブチル、クメンヒドロぺルオキシド、ブチルヒドロぺルオキシド、無機過酸化物として、過酸化水素、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム等、アゾ化合物として2−アゾービスーイソブチロニトリル、2−アゾービスープロピオニトリル、2−アゾ−ビスーシクロヘキサンジニトリル等、ジアゾ化合物としてジアゾアミノベンゼン、p−ニトロベンゼンジアゾニウム等を挙げることができる。
【0103】
光の作用によりラジカル重合を開始する化合物を使用する場合は、活性エネルギー線の照射によって皮膜の硬化が行われる。
このような光ラジカル重合開始剤の例としては、アセトフェノン類、ベンゾイン類、ベンゾフェノン類、ホスフィンオキシド類、ケタール類、アントラキノン類、チオキサントン類、アゾ化合物、過酸化物類、2,3−ジアルキルジオン化合物類、ジスルフィド化合物類、フルオロアミン化合物類や芳香族スルホニウム類がある。アセトフェノン類の例には、2,2−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアセトフェノン、1−ヒドロキシジメチルフェニルケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−4−メチルチオ−2−モルフォリノプロピオフェノンおよび2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノンが含まれる。ベンゾイン類の例には、ベンゾインベンゼンスルホン酸エステル、ベンゾイントルエンスルホン酸エステル、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテルおよびベンゾインイソプロピルエーテルが含まれる。ベンゾフェノン類の例には、ベンゾフェノン、2,4−ジクロロベンゾフェノン、4,4−ジクロロベンゾフェノンおよびp−クロロベンゾフェノンが含まれる。ホスフィンオキシド類の例には、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシドが含まれる。これらの光ラジカル重合開始剤と併用して増感色素も好ましく用いることができる。
【0104】
熱または光の作用によってラジカル重合を開始する化合物の添加量としては、炭素―炭素二重結合の重合が開始する量であれば良いが、一般的には低屈折率層形成組成物中の全固形分に対して0.1〜15%が好ましく、より好ましくは0.5〜5%である。
【0105】
上記したように、上記一般式1で表わされる化合物がラジカル重合可能な不飽和2重結合を有する場合には、他の硬化剤を併用しなくても良いが、硬化剤としてこれらの不飽和結合と反応し得る多官能の不飽和モノマー(例えば、ジペンタエリスロトールヘキサ(メタ)アクリレート等、多価のアルコールから誘導される(メタ)アクリレートモノマー)を添加しても良い。
【0106】
これらの硬化剤を添加する場合も他の硬化剤と同様に、上記含フッ素共重合体100質量部当り、0.5〜300質量部程度の添加量が好ましく、特に、含フッ素共重合体100質量部当り、5.0〜100質量部程度の添加量が好ましい。
【0107】
本発明の低屈折率層形成組成物は、通常一般式1で表わされるポリマーを適当な溶剤に溶解して作製される。この際ポリマーの濃度は、用途に応じて適宜選択されるが一般的には0.01〜60質量%程度であり、好ましくは0.5〜50質量%、特に好ましくは1%〜20質量%程度である。
【0108】
上記溶剤としては、一般式1で表わされるポリマーを含む組成物が沈殿を生じることなく、均一に溶解または分散されるものであれば特に制限はなく2種類以上の溶剤を併用することもできる。好ましい例としては、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等)、エステル類(酢酸エチル、酢酸ブチル等)、エーテル類(テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等)、アルコール類(メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、エチレングリコール、等)、芳香族炭化水素類(トルエン、キシレン等)、水などを挙げることができる。
【0109】
本発明の低屈折率層形成組成物にはさらに膜強度あるいは塗布性の改良のためにコロイダルシリカを添加しても良い。このようなコロイダルシリカとしては、粒子径は5〜50nmのものが用いられるが、好ましくは、5〜30nmのものであり、特に好ましくは、粒子径8〜20nmのものである。このようなコロイダルシリカは、例えばI.M.Thomas著,Appl.Opt.25,1481(1986)等に記載の手法に順じて、テトラアルコキシシランを原料としてアンモニア水等の触媒を用いて加水分解・重縮合することにより調整することができる。また市販のものでは、日産化学工業(株)製スノーテックスIPA−ST、同MEK−ST、日本エアロジル(株)製AEROSIL300、同AEROSIL130、 同AEROSIL50(いずれも商品名)等を利用することもできる。
【0110】
コロイダルシリカの添加量は、低屈折率層塗膜硬化後の全固形分の5〜95質量%の範囲であり、好ましくは10〜70質量%、特に好ましくは、20〜60質量%の場合である。
【0111】
その他低屈折率層、低屈折率層形成組成物には各種シランカップリング剤、界面活性剤、増粘剤、レベリング剤などの添加剤を必要に応じて適宜添加しても良い。
【0112】
[高・中屈折率層]
本発明の反射防止膜が、多層膜の態様をとる場合、一般に、低屈折率層は、低屈折率層より高い屈折率を有する少なくとも一層の層(即ち、前記の高屈折率層、中屈折率層)と共に用いられる。
【0113】
上記低屈折率層より高い屈折率を有する層を形成するための有機材料としては、熱可塑性皮膜(例、ポリスチレン、ポリスチレン共重合体、ポリカーボネート、ポリスチレン以外の芳香環、複素環、脂環式環状基を有するポリマー、またはフッ素以外のハロゲン基を有するポリマー);熱低屈折率層形成組成物(例、メラミン皮膜、フェノール皮膜、またはエポキシ皮膜などを硬化剤とする皮膜組成物);ウレタン形成性組成物(例、脂環式または芳香族イソシアネートおよびポリオールの組み合わせ);およびラジカル重合性組成物(上記の化合物(ポリマー等)に二重結合を導入することにより、ラジカル硬化を可能にした変性皮膜またはプレポリマーを含む組成物)などを挙げることができる。高い皮膜形成性を有する材料が好ましい。上記より高い屈折率を有する層は、有機材料中に分散した無機系微粒子も使用することができる。上記に使用される有機材料としては、一般に無機系微粒子が高屈折率を有するため有機材料単独で用いられる場合よりも低屈折率のものも用いることができる。そのような材料として、上記に述べた有機材料の他、アクリル系を含むビニル系共重合体、ポリエステル、アルキド皮膜、繊維素系重合体、ウレタン皮膜およびこれらを硬化せしめる各種の硬化剤、硬化性官能基を有する組成物など、透明性があり無機系微粒子を安定に分散せしめる各種の有機材料を挙げることができる。
【0114】
さらに有機置換されたケイ素系化合物をこれに含めることができる。これらのケイ素系化合物は下記一般式で表される化合物、あるいはその加水分解生成物である。
:RmRn SiZ(4-m-n)(ここでR及びRは、それぞれアルキル基、アルケニル基、アリル基、またはハロゲン、エポキシ、アミノ、メルカプト、メタクリロイルまたはシアノで置換された炭化水素基を表し、Zは、アルコキシル基、アルコキシアルコキシル基、ハロゲン原子〜アシルオキシ基から選ばれた加水分解可能な基を表し、m+nが1または2である条件下で、m及びnはそれぞれ0、1または2である。)
【0115】
これらに分散される無機系微粒子の好ましい無機化合物としては、アルミニウム、チタニウム、ジルコニウム、アンチモンなどの金属元素の酸化物を挙げることができる。これらの化合物は、微粒子状で、即ち粉末または水および/またはその他の溶媒中へのコロイド状分散体として、市販されている。これらをさらに上記の有機材料または有機ケイ素化合物中に混合分散して使用する。
【0116】
上記より高い屈折率を有する層を形成する材料として、被膜形成性で溶剤に分散し得るか、それ自身が液状である無機系材料(例、各種元素のアルコキシド、有機酸の塩、配位性化合物と結合した配位化合物(例、キレート化合物)、無機ポリマー)を挙げることができる。これらの好適な例としては、チタンテトラエトキシド、チタンテトラ−i−プロポキシド、チタンテトラ−n−プロポキシド、チタンテトラ−n−ブトキシド、チタンテトラ−sec −ブトキシド、チタンテトラ−tert−ブトキシド、アルミニウムトリエトキシド、アルミニウムトリ−i−プロポキシド、アルミニウムトリブトキシド、アンチモントリエトキシド、アンチモントリブトキシド、ジルコニウムテトラエトキシド、ジルコニウムテトラ−i−プロポキシド、ジルコニウムテトラ−n−プロポキシド、ジルコニウムテトラ−n−ブトキシド、ジルコニウムテトラ−sec −ブトキシド及びジルコニウムテトラ−tert−ブトキシドなどの金属アルコレート化合物;ジイソプロポキシチタニウムビス(アセチルアセトネート)、ジブトキシチタニウムビス(アセチルアセトネート)、ジエトキシチタニウムビス(アセチルアセトネート)、ビス(アセチルアセトンジルコニウム)、アルミニウムアセチルアセトネート、アルミニウムジ−n−ブトキシドモノエチルアセトアセテート、アルミニウムジ−i−プロポキシドモノメチルアセトアセテート及びトリ−n−ブトキシドジルコニウムモノエチルアセトアセテートなどのキレート化合物;さらには炭素ジルコニルアンモニウムあるいはジルコニウムを主成分とする無機ポリマーなどを挙げることができる。上記に述べた他に、屈折率が比較的低いが上記の化合物と併用できるものとしてとくに各種のアルキルシリケート類もしくはその加水分解物、微粒子状シリカとくにコロイド状に分散したシリカゲルも使用することができる。
【0117】
高屈折率層の屈折率は、一般に1.70〜2.20である。屈折率は、アッベ屈折率計を用いる測定や、層表面からの光の反射率からの見積もりにより求めることができる。高屈折率層の厚さは、5nm〜10μmであることが好ましく、10nm〜1μmであることがさらに好ましく、30nm〜0.5μmであることが最も好ましい。高屈折率層のヘイズは、5%以下であることが好ましく、3%以下であることがさらに好ましく、1%以下であることが最も好ましい。具体的な高屈折率層の強度は、1kg荷重の鉛筆硬度でH以上であることが好ましく、2H以上であることがさらに好ましく、3H以上であることが最も好ましい。
【0118】
中屈折率層の屈折率は、低屈折率層の屈折率と高屈折率層の屈折率との間の値となるように調整する。中屈折率層の屈折率は、1.50〜1.70であることが好ましい。
高屈折率層に無機微粒子とポリマーを用い、中屈折率層は、高屈折率層よりも屈折率を低めに調節して形成することが特に好ましい。中屈折率層のヘイズは、3%以下であることが好ましい。
【0119】
[その他の層]
反射防止膜には、さらに、ハードコート層、防湿層、帯電防止層、下塗り層や保護層を設けてもよい。ハードコート層は、透明支持体に耐傷性を付与するために設ける。ハードコート層は、透明支持体とその上の層との接着を強化する機能も有する。ハードコート層は、アクリル系ポリマー、ウレタン系ポリマー、エポキシ系ポリマー、シリコン系ポリマーやシリカ系化合物を用いて形成することができる。顔料をハードコート層に添加してよい。アクリル系ポリマーは、多官能アクリレートモノマー(例、ポリオールアクリレート、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート)の重合反応により合成することが好ましい。ウレタン系ポリマーの例には、メラミンポリウレタンが含まれる。シリコン系ポリマーとしては、シラン化合物(例、テトラアルコキシシラン、アルキルトリアルコキシシラン)と反応性基(例、エポキシ、メタクリル)を有するシランカップリング剤との共加水分解物が好ましく用いられる。二種類以上のポリマーを組み合わせて用いてもよい。シリカ系化合物としては、コロイダルシリカが好ましく用いられる。ハードコート層の強度は、1kg荷重の鉛筆硬度で、H以上である好ましく、2H以上であることがさらに好ましく、3H以上であることが最も好ましい。透明支持体の上には、ハードコート層に加えて、接着層、シールド層、滑り層や帯電防止層を設けてもよい。シールド層は、電磁波や赤外線を遮蔽するために設けられる。
【0120】
[透明支持体]
反射防止膜をCRT画像表示面やレンズ表面に直接設ける場合を除き、反射防止膜は透明支持体(透明基材)を有することが好ましい。透明支持体としては、ガラス板よりもプラスチックフイルムの方が好ましい。プラスチックフイルムの材料の例には、セルロースエステル(例、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、プロピオニルセルロース、ブチリルセルロース、アセチルプロピオニルセルロース、ニトロセルロース)、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエステル(例、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリエチレン−1,2−ジフェノキシエタン−4,4’−ジカルボキシレート、ポリブチレンテレフタレート)、ポリスチレン(例、シンジオタクチックポリスチレン)、ポリオレフィン(例、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリメチルペンテン)、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリメチルメタクリレートおよびポリエーテルケトンが含まれる。トリアセチルセルロース、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレートおよびポリエチレンナフタレートが好ましい。透明支持体の光透過率は、80%以上であることが好ましく、86%以上であることがさらに好ましい。透明支持体のヘイズは、2.0%以下であることが好ましく、1.0%以下であることがさらに好ましい。透明支持体の屈折率は、1.4〜1.7であることが好ましい。透明支持体には、赤外線吸収剤あるいは紫外線吸収剤を添加してもよい。赤外線吸収剤の添加量は、透明支持体の0.01〜20質量%であることが好ましく、0.05〜10質量%であることがさらに好ましい。滑り剤として、不活性無機化合物の粒子を透明支持体に添加してもよい。無機化合物の例には、SiO2、TiO2、BaSO4、CaCO3、タルクおよびカオリンが含まれる。透明支持体に、表面処理を実施してもよい。
表面処理の例には、薬品処理、機械的処理、コロナ放電処理、火焔処理、紫外線照射処理、高周波処理、グロー放電処理、活性プラズマ処理、レーザー処理、混酸処理およびオゾン酸化処理が含まれる。グロー放電処理、紫外線照射処理、コロナ放電処理および火焔処理が好ましく、グロー放電処理と紫外線処理がさらに好ましい。
【0121】
[反射防止膜の形成]
反射防止膜が、単層又は前記のように多層の構成をとる場合は、各層は、ディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法やエクストルージョンコート法(米国特許2681294号明細書記載)により、塗布により形成することができる。二層以上を同時に塗布してもよい。同時塗布の方法については、米国特許2761791号、同2941898号、同3508947号、同3526528号の各明細書および原崎勇次著、コーティング工学、253頁、朝倉書店(1973)に記載がある。反射防止膜の反射率は低いほど好ましい。具体的には450〜650nmの波長領域での平均反射率が2%以下であることが好ましく、1%以下であることがさらに好ましく、0.7%以下であることが最も好ましい。反射防止膜(下記のアンチグレア機能がない場合)のヘイズは、3%以下であることが好ましく、1%以下であることがさらに好ましく、0.5%以下であることが最も好ましい。反射防止膜の強度は、1kg荷重の鉛筆硬度で、H以上である好ましく、2H以上であることがさらに好ましく、3H以上であることが最も好ましい。反射防止膜は、外光を散乱させるアンチグレア機能を有していてもよい。アンチグレア機能は、反射防止膜の表面に凹凸を形成することにより得られる。微粒子を使用した低屈折率層では、微粒子により反射防止膜の表面に凹凸が形成できる。微粒子により得られるアンチグレア機能では不充分な場合は、低屈折率層、高屈折率層、中屈折率層あるいはハードコート層に比較的大きな粒子(粒径:50nm〜2μm)を少量(0.1〜50質量%)添加してもよい。反射防止膜がアンチグレア機能を有する場合、反射防止膜のヘイズは、3〜30%であることが好ましく、5〜20%であることがさらに好ましく、7〜20%であることが最も好ましい。反射防止膜は、液晶表示装置(LCD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)や陰極管表示装置(CRT)のような画像表示装置に適用する。反射防止膜は、高屈折率層が画像表示装置の画像表示面側になるように配置する。反射防止膜が透明支持体を有する場合は、透明支持体側を画像表示装置の画像表示面に接着する。反射防止膜は、さらに、ケースカバー、光学用レンズ、眼鏡用レンズ、ウインドウシールド、ライトカバーやヘルメットシールドにも利用できる。
【0122】
【実施例】
以下に実施例に基づき本発明についてさらに詳細に説明するが本発明はこれらに限定されるものではない。
【0123】
[合成例]
P6の合成
M1−(1)[2-(1H,1H,5H−パーフルオロペンチルオキシ)エチルビニルエーテル]の合成
1H,1H−パーフルオロペンタノ-ルの100gおよび硫酸水素テトラーn−ブチルアンモニウム20gを混合したところに、69gの水酸化ナトリウムを100mlの水に溶解した水酸化ナトリウム水溶液を加え室温で30分間撹拌した。さらに、クロロエチルビニルエーテルの183.8gおよびトルエン150mlを加え80℃で5時間加熱撹拌した。
反応液に酢酸エチルを加え水洗し、有機層を抽出、硫酸マグネシウムにて乾燥後、減圧下溶媒を留去した。更に減圧蒸留により生成することにより標記含フッ素ビニルエーテルの100gを得た(沸点73〜76℃、1064Pa)。
【0124】
2)P6の合成
内容量100mlのステンレス製撹拌機付オートクレーブに酢酸エチル40ml、およびM1−(1)の7.84g、A−(7)に対応する単量体10.48g、S−(1)に対応する単量体0.19gおよび過酸化ジラウロイル0.52gを仕込み、系内を脱気して窒素ガスで置換した。さらにヘキサフルオロプロピレン(HFP)21.5gをオートクレーブ中に導入して65℃まで昇温した。オートクレーブ内の温度が65℃に達した時点の圧力は5.4kg/cmであった。該温度を保持し2時間、4時間、6時間後にそれぞれS−(1)に対応する単量体0.19gを酢酸エチル2mlに溶解した液を窒素ガス圧を利用して添加した。さらに4時間反応を続け、圧力が3.2kg/cmに達した時点で加熱をやめ放冷した。室温まで内温が下がった時点で未反応のモノマーを追い出し、オートクレーブを開放して反応液を取り出した。反応液を大過剰のイソプロパノールに投入した。得られたポリマーを少量の酢酸エチルに溶解して2回再沈殿を行うことによって残存モノマーを完全に除去した。該ポリマーを減圧下乾燥させることによりP6を得た。得られたポリマーの屈折率は1.40であった。また、ポリマー収量は8.7gであった。
本発明に有用な他のポリマーも同様にして合成される。
【0125】
3)比較化合物1の合成
比較化合物1;HFP/M1−(1)/A−7/=50/10/40(モル比)をP6と同様の合成法にてS−(1)に対応する単量体を添加しないことによって合成した。
【0126】
4)比較化合物2の合成
S−(1)に対応する単量体を添加しないこと以外は、上記P−6合成と同様の条件において、特開平11−189621号公報記載のマクロアゾ開始剤(和光純薬製VPS-1001(商品名))を0.8g加え重合を行なうことにより、シリコンブロック共重合体部位が2質量%導入された比較化合物2を得た。
比較化合物2; HFP/M1−(1)/A−7/=50/10/40(モル比)/VPS−1001(2質量%)
【0127】
[実施例1]
(低屈折率層素材塗布液の調製)
下記表3に示す各成分を混合し、メチルイソブチルケトンに溶解した後、孔径1μmのポリプロピレン製フィルターでろ過して、低屈折率層用塗布液を調製した。
また表中、コロイダルシリカは日産化学工業(株)製MEK−ST(商品名)を表わす。
サイメル303(商品名)は三井サイテック(株)性メチロール化メラミンを表わす。
タケネートD110(商品名)は武田薬品工業(株)性イソシアネート系硬化剤を表わす。
DEX314(商品名)はナガセ化成工業(株)製エポキシ系硬化剤を表わす。
UV1は下記光酸発生剤を表わし、UV2は下記光ラジカル開始剤を表わし、それぞれ固形分に対して2質量%添加した。パラトルエンスルホン酸を用いる場合には固形分に対して6質量%添加した。
【0128】
【化26】
Figure 0003817180
【0129】
【化27】
Figure 0003817180
【0130】
表3中の( )内は各成分の質量部を表わす。
【0131】
【表3】
Figure 0003817180
【0132】
(二酸化チタン分散物の調製)
コア/シェル構造の二酸化チタン微粒子(TTO-55B(商品名)、シェル材料;アルミナ粒子全体の9質量%、石原産業(株)製)30質量部、市販のアニオン性モノマー(PM−21(商品名)、日本化薬(株)製)4.5質量部、市販のカチオン性モノマー(DMAEA(商品名)、(株)興人)0.3質量部およびシクロヘキサノン65.2質量部を、サンドグラインダーミルにより分散し、質量平均径53nmの二酸化チタン分散物を調製した。
【0133】
(中屈折率層用塗布液の調製)
上記二酸化チタン分散物49.60gに、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA(商品名)、日本化薬(株)製)を18.08g、光重合開始剤(イルガキュア907(商品名)、チバガイギー社製)を0.920g、光増感剤(カヤキュアーDETX(商品名)、日本化薬(株)製)を0.307gおよびメチルエチルケトンを230.0gおよびシクロヘキサノンを500g添加して撹拌した。孔径0.4μmのポリプロピレン製フィルターで濾過して中屈折率層の塗布液を調製した。
【0134】
(高屈折率層用塗布液の調製)
上記二酸化チタン分散物110.0gに、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA、日本化薬(株)製)を6.29g、光重合開始剤(イルガキュア907、チバガイギー社製)を0.520g、光増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製)を0.173gおよびメチルエチルケトンを230.0gおよびシクロヘキサノンを460.0g添加して撹拌した。孔径0.4μmのポリプロピレン製フィルターで濾過して高屈折率層の塗布液を調製した。
【0135】
(ハードコート層用塗布液の調製)
ペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(DPHA(商品名)、日本化薬(株)製)125gおよびウレタンアクリレートオリゴマー(UV−6300B(商品名)、日本合成化学工業(株)製)125gを、439gの工業用変性エタノールに溶解した。得られた溶液に、光重合開始剤(イルガキュア907(商品名)、チバ−ガイギー社製)7.5gおよび光増感剤(カヤキュア−DETX(商品名)、日本化薬(株)製)5.0gを49gのメチルエチルケトンに溶解した溶液を加えた。混合物を撹拌した後、1ミクロンメッシュのフィルターでろ過してハードコート層の塗布液を調製した。
【0136】
(反射防止膜の作製)
厚さ80μmのトリアセチルセルロースフイルム(TAC−DU、富士写真フィルム(株)製)上に、上記のハードコート層用塗布液をバーコーターを用いて塗布した。90℃で乾燥した後、紫外線を照射して塗布層を硬化させ、厚さ6μmのハードコート層を形成した。
ハードコート層の上に、上記中屈折率層用塗布液をバーコーターを用いて塗布した。60℃で乾燥した後、紫外線を照射して塗布層を硬化させ、中屈折率層(屈折率1.70、膜厚70nm、TTB−55B、21体積%)を形成した。中屈折率層の上に、上記の高屈折率層用塗布液をバーコーターを用いて塗布した。60℃で乾燥した後、紫外線を照射して塗布層を硬化させ、高屈折率層(屈折率1.95、膜厚75nm、TTB−55B、51体積%)を形成した。高屈折率層の上に層の上に、上記表3に示した低屈折率層用塗布液(本発明Ln1〜10および比較例Ln20,21)をバーコーターを用いて硬化後の膜厚が85nmとなるように塗布した。Ln1,2は塗布後120℃で10分間加熱し、Ln3〜Ln12に関しては塗布後窒素雰囲気下で紫外線を照射した後、120℃で10分間加熱し、その後室温まで放冷して低屈折率層を形成し、反射防止膜を作製した。
【0137】
(反射防止膜の評価)
こうして得られた第1〜4層を塗設した膜(本発明1〜10、比較例11〜12)について、下記性能評価を実施した。
【0138】
(1)平均反射率
分光光度計(日本分光(株)製)を用いて、380〜780nmの波長領域において、入射角5°における分光反射率を測定した。結果には450〜650nmの鏡面平均反射率を用いた。
【0139】
(2)鉛筆硬度評価
反射防止膜を温度25℃、湿度60%RHで2時間調湿した後、JIS K 5400に記載の鉛筆硬度評価を行った。
【0140】
(3)耐傷性試験
膜表面をスチールウール#0000を用いて、200gの荷重下で10回擦った後に、傷のつくレベルを確認した。判定は次の基準に従った。
全くつかない :○
細かい傷がつく:△
傷が著しい :×
【0141】
(4)密着性評価
碁盤目―セロテープ(登録商標)剥離試験をJISK5400に準拠して行った。100分割した桝目の内の剥がれずに残った数(x)をx/100の形で表記した。
【0142】
(5)動摩擦係数の測定
試料を25℃、相対湿度60%の条件で2時間調湿した後、動摩擦測定機(商品名 HEIDON−14)で、直径5mmのステンレス剛球を用い、荷重0.98N、速度60cm/分で測定した。
【0143】
(6)被接触媒体へのすべり成分の転写性試験
80μmのトリアセチルセルロースフイルム(TD80UF(商品名)、富士写真フィルム(株)製)と上記サンプルを貼り合わせ2kg/m2の荷重をかけて25℃で24時間放置した後、TACベース表面に転写したSiの量をESCAを用いて測定し、Si/Cの面積比を指標とした。なお転写試験前のベース表面のSi/C値は0であった。
【0144】
得られた結果を表4に示す。
【0145】
【表4】
Figure 0003817180
【0146】
本実施例から明らかなように、本発明の反射防止膜は広い波長領域で、非常に低い表面反射率、かつ十分に強靱な膜強度を有し、基板への密着性にも優れていることがわかる。また、比較例2に比べても同等の添加量で動摩擦係数が低くなり耐傷性に優れる。また皮膜表面のレベリング性に優れるため反射率も低くなる。さらに被接触媒体へのシリコーン成分の転写量も低いことが分る。
【0147】
[反射防止膜を設置した表示装置の作成]
上記で作成した実施例1〜10、比較例1〜2の反射防止膜を日本電気株式会社より入手したパーソナルコンピューターPC9821NS/340W(商品名)の液晶ディスプレイ表面に貼り付け、表面装置サンプルを作成し、その表面反射による風景映り込み程度を目視にて評価した。本発明の実施例1〜10の反射防止膜を設置した表示装置は周囲の風景映り込みが殆どなく、快適な視認性を示しかつ充分な表面強度を有するものであったのに対し、比較例1〜2の膜を設置した表示装置は周囲の映り込みは低減できるものの表面強度にも劣るものであった。
【0148】
【発明の効果】
本発明の反射防止膜は、反射防止性能が高く、耐傷性にも優れ、被接触媒体へシリコーン成分の転写性が低い。この反射防止膜を用いた偏光板及び液晶表示装置は、外光の映り込みが十分に防止されているうえ、耐傷性も高いという優れた性質を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の反射防止膜が複合膜の場合の層構成を示す断面模式図であり、(a)は4層構成、(b)は5層構成の例を示す。
【符号の説明】
1 低屈折率層
2 高屈折率層
3 ハードコート層
4 透明支持体
5 中屈折率層

Claims (3)

  1. 側鎖に下記一般式1で表わされるポリシロキサン繰り返し単位を含んでなる重合体グラフト部位を有し、かつ、主鎖にフッ素原子を含むポリマーを含有する低屈折率層を有することを特徴とする反射防止膜。
    Figure 0003817180
    一般式1中、R,Rは同一であっても異なっていても良く、アルキル基またはアリール基を表わす。pは10〜500の整数を表わす。
  2. 請求項1記載の反射防止膜を透明基材上に配置したことを特徴とする反射防止フィルム。
  3. 請求項1記載の反射防止膜を配置したことを特徴とする画像表示装置。
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