JP3817121B2 - 半導体基板 - Google Patents
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【発明の属する技術分野】
本発明は、低誘電率、低誘電正接が要求されるクロック周波数が500MHzを超える電子機器部品に対応でき、かつ絶縁性を必要とする部位に用いられる材料に関し、特に、加工性に優れた高分子から形成されることを特徴とする低誘電率絶縁膜の形成方法、及び該低誘電率絶縁膜を層間絶縁膜として形成する工程を有する半導体回路基板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体集積回路においては集積度の増加及び素子密度の向上に伴い、特に素子の多層化への要求が高まっている。また、半導体装置の微細化、低消費電力化および高速化等の要求に伴い、半導体素子の高周波数化も進んでいる。半導体集積回路の配線では、信号伝播速度は配線抵抗と配線間の寄生容量によって決定されるが、デバイスの高集積化により配線幅、配線間隔は狭くなり、配線抵抗の上昇と配線容量の増大のため信号伝搬速度が低下し配線遅延を引き起こすことが問題視されている。
配線遅延を小さくするためには、配線の低抵抗化とともに絶縁膜の低誘電率化が有効な手段といわれ、高周波数化に伴う誘電損失の増大による電力ロスを防ぐためにも、絶縁膜材料の低誘電率化、低誘電正接化が要求されている。また、これらのほかにも、前記電子機器部品用材料に対する要求として、耐熱性、放熱性、耐湿性、低応力、加工の容易さなどが要求されている。
従来から半導体集積回路の絶縁樹脂として広く用いられてきたエポキシ樹脂は、高周波数領域での誘電特性が悪く、高周波数用樹脂として満足な特性が得られていなかった。
【0003】
近年では、二酸化珪素(SiO2 )、窒化珪素(SiN)、燐珪酸ガラス(PSG)、およびSiOF材料や、Si−Hを含むSiO2 ベースの無機材料か、あるいはポリアリール樹脂、ポリイミド樹脂、フッ素添加ポリイミド樹脂やフッ素系樹脂などの有機系高分子材料が用いられてきた。
これらの層間絶縁膜は、一般にCVD法などの気相成長法、または塗布液を用いて絶縁膜を形成する塗布法によって基板上に作製されているが、CVD法などの気相成長法では得られるシリカ系(SiO2 )被膜の比誘電率はSiOF系膜の3. 5が限界と言われており、アルコキシシランの部分加水分解物からなるシリカ系被膜形成用塗布液では、比誘電率2. 5の被膜が得られるものの、被塗布面との密着性が悪いという欠点があった。さらにSiOF膜では吸湿性が高く、そのため誘電率が経時変化して上昇するという問題もあった。また、近年配線の低抵抗化を行うために従来のアルミニウム系配線に代えて銅配線の使用が検討されているが、SiO2 系の無機絶縁膜は通電時に銅が絶縁膜中を拡散してリーク不良が生じるという欠点があった。
【0004】
一方、ポリアリール樹脂、フッ素添加ポリイミド樹脂やフッ素系樹脂などのCVD被膜やこれらの塗布液を用いて形成される被膜は、比誘電率が2前後と優れているが、被塗布面との密着性や、微細加工に用いるレジスト材料との密着性も悪く、耐薬品性、耐酸素プラズマ性に劣るなどの欠点があった。これら有機高分子膜では、銅拡散が生じないことが知られているが、ガラス転移温度が200〜350℃と低くて耐熱性に難があり、熱膨張率も大きいことから、配線にダメージを与えることが問題となっていた。さらにフッ素含有樹脂材料は、他材料との密着性が悪く、配線脇に空隙を生じ易く、この配線脇空隙は、多層配線を形成するためのビアホール開口時に位置ずれが生じた際、配線層間のショートを招く恐れがあった。
以上のように、高速デバイスを実現するために不可欠な低抵抗配線と低誘電率絶縁層の形成という点からは、諸要求特性を十分にバランス良く満たす材料は未だ得られていない。
【0005】
これらを解決しようとする方法として、本発明のように固体表面近傍における重合方法に関しては特願平4−140134号公報及び特願平5−238572号公報に記載があるが、いずれも基板表面に露出した単結晶表面を利用して高分子化合物をエピタキシャル成長させることを特徴としているが、重合の起点は基板表面近傍であり、基板表面上ではない。従って、上記方法においては、基板表面と生成した絶縁膜との密着性が必ずしも十分でないという課題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はかかる事情に鑑み、誘電率が低く、銅拡散がなく、耐薬品性、耐酸素プラズマ性が良好で、微細な配線加工が可能である上に、基板との密着性が優れた絶縁膜層の形成方法ならびに上記方法により製造された高速で信頼性の高い回路基板を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明では、配線基盤上に重合反応に関与する官能基を導入する前工程処理後にエピタキシャルにポリマーを形成せしめ、ポリマーの密度制御を行うという手段により目的の低誘電絶縁層形成を達成するものである。
さらに具体的には、請求項1記載の発明は、基板表面にグラフトもしくは吸着された、基板表面にグラフトもしくは吸着された分子に化学的に結合された、又は基板表面内部もしくは基板表面上に形成された塗膜層に含有された、A)重合反応開始性の官能基、B)重合連鎖移動性の官能基、C)重合性の官能基の内少なくとも一つの官能基を有する化合物を基点に、基板表面上でモノマーを重合せしめ低誘電率の層間絶縁膜層を形成する工程を含む半導体基板の製造方法である。
【0008】
請求項2記載の発明は、重合反応が、リビングラジカル重合、リビングカチオン重合、リビングアニオン重合、イニファーター重合、グループトランスファー重合からなる群より選ばれる少なくとも一種類の重合反応である請求項1に記載の半導体基板の製造方法である。
【0009】
請求項3記載の発明は、モノマーが、(メタ)アクリル酸エステル、ビニルエステル、芳香族ビニル、ビニルエーテル、環状エーテルモノマーからなる群より選ばれる少なくとも一種類のモノマーを含有する組成物である請求項1、2の何れか1項に記載の半導体基板の製造方法である。
【0010】
請求項4記載の発明は、基板表面上における、少なくとも連続する段階での重合においては、異なるモノマー組成物を用いて多段階に重合せしめる請求項1〜3の何れか1項に記載の半導体基板の製造方法である。
【0011】
請求項5記載の発明は、請求項1〜4の何れか1項に記載の層間絶縁膜層が半導体基板に形成された後に、さらにフッ素化合物を用いてプラズマ処理せしめる半導体基板の製造方法である。
【0012】
請求項6記載の発明は、請求項1〜5の何れか1項に記載の半導体基板の製造方法によって作製され、ポリマーの末端が基板材料表面に化学的に結合された官能基に化学的に結合されている半導体基板である。
【0013】
請求項7記載の発明は、層間絶縁膜層の嵩密度が0.1〜0.9kg/Lである請求項1〜5の何れか1項に記載の製造法によって作製された半導体基板である。
【0014】
請求項8記載の発明は、請求項4又は5に記載の製造方法によって作成され、基板の厚み方向に対して、嵩密度が異なる層間絶縁膜層が複数積層された多層積層構造を有する半導体基板である。
【0015】
請求項9記載の発明は、請求項4又は5に記載の製造方法によって作製され、ポリマーが、異種モノマーからなるブロック構造を有する半導体基板である。
【0016】
請求項10記載の発明は、請求項4又は5に記載の製造方法によって作成され、ポリマーが、分子鎖の一部に分岐構造を有する半導体基板である。
【0017】
請求項11記載の発明は、請求項1〜5の何れか1項に記載の製造方法によって作製され、ポリマーの側鎖及び/または末端に反応性の官能基を有する半導体基板である。
【0018】
請求項12記載の発明は、層間絶縁膜の比誘電率(k)が2.8未満である請求6〜11の何れか1項に記載の半導体基板である。
【0019】
また、基板に対して、強い相互作用をもってポリマー末端を意図的に櫛形に結合するポリマーを形成するために厚み方向での熱伝達性を高度に維持することが出来る。
【0020】
本発明の重合は、重合反応によりポリマーに取り込まれる官能基を導入した半導体基板表面上で行われ、重合に先立って導入される官能基の基板表面上での密度制御が可能であるために、重合により生成する層間絶縁膜層の密度を厳密に制御できる。
上記半導体基板表面に官能基を導入する方法としては、たとえば、気相又は液相で上記基板を処理することにより行われる。この際に、導入される官能基の基板表面上での密度制御は、気相又は液相中の官能基を含有する化合物の濃度を調整することにより容易に行える。
【0021】
上記基板表面上での重合方法としては、ビニル重合反応が一般的であるので、基板表面上に導入される官能基としては、例えば、ビニル重合反応開始性官能基、ビニル重合連鎖移動性の官能基、ビニル重合性の官能基等が挙げられる。
【0022】
上記重合反応開始性官能基としては、例えば、パーオキサイド基、アゾジアミド基、ヒドロキシルパーオキサイド基;金属触媒との複合で重合開始性のラジカルを発生する水酸基、チオール基;光及び/又は熱等により乖離しラジカル重合能を有する沃素、塩素臭素等のハロゲン化合物、チオカーバメート基等が挙げられる。
【0023】
上記重合連鎖移動性の官能基としては、例えば、チオール基、ジサルファイド基、沃素、塩素、臭素等のハロゲン基等が挙げられる。
【0024】
上記重合性の官能基としては特に限定されないが、例えば、ビニル基、又はα及び/又はβ位に置換基を有するビニル基、即ち、(メタ)アクリル基、アリル基、アルケニル基、ノルボルネン化合物等が挙げらる。
【0025】
上記官能基を有する化合物は基板表面と親和性を有する官能基を含有することにより、基板表面に容易にグラフト又は吸着されたり、基板表面内部又は基板表面上に形成された塗膜層に含有され易くなり、重合によって生成したポリマーからなる良好な層間絶縁膜が形成される。上記基板表面と親和性を有する官能基としては、例えば、式(1)で表されるシリル基、イソシアネート基、エポキシ基、グリシジル基、アミノ基、イミダゾリン基等が挙げられる。
【0026】
【化1】
【0027】
上記重合方法としては、ビニル重合に適用される一般的な重合法が挙げられるが、各種重合方法の中でもリビングラジカル重合、リビングカチオン重合、リビングアニオン重合、イニファーター重合、グループトランスファー重合等の成長反応以外の副反応が起こりにくいリビング重合法が好適に用いられる。リビング重合法を用いることにより、分子鎖長のそろったポリマーや異種モノマーからなるブロック構造を有するポリマーが形成され、絶縁層の表面を平滑にしたり、層間絶縁膜の密度制御が容易となる。
【0028】
上記重合に用いられるモノマーとしては、特に限定されないが、(メタ)アクリル酸エステル、ビニルエステル、芳香族ビニル、ビニルエーテル、環状エーテルモノマー等のリビング重合可能なモノマーが好適に用いられ、絶縁性、耐熱性等の各種要求性能に応じて適宜選択して用いられる。
【0029】
上記モノマー中には、少量の他のモノマーを併用することも可能であり、例えば重合開始能とビニル基等の重合性の官能基をともに有するモノマーを一部併用することにより、ポリマーの一部に分岐構造を導入したり、ポリマーの末端や側鎖、もしくは末端と側鎖の両方に反応性の官能基を設けることにより、各層ごとの密度を調節したり、積層される次の界面との密着性や分子間の空隙構造の安定化や、官能基を利用してポリマー末端を強い相互作用をもって意図的に櫛形に結合するポリマーを形成せしめて厚み方向での熱伝達性を高度に維持したり、分子鎖の一部に分岐鎖を導入したり、架橋構造を導入することが可能になり、嵩密度を調整したり、耐熱性、力学的強度の向上が可能となる。
【0030】
更にリビング重合方法を用いることによりモノマー組成を変えて多段重合を行うことが容易なので、各層毎にモノマー組成を変えて膜厚方向での層間絶縁膜の組成が異なる多層構造にすることにより、接着性、密度、耐熱性、電気特性等のコントロールができ、各種性能のバランスのとれた優れた層間絶縁膜を容易に形成することができる。
例えば、基板表面では、基板との親和性の高いモノマー組成とすることにより厚み方向に配向したポリマーが一部屈曲し界面接着性を改善でき、表面層においては、フッ素化処理が容易なポリマー構造とすることも可能である。
又、基板表面では単官能モノマーを重合し、その後に多官能モノマーを重合させれば、絶縁層表面の密度を高め、平滑化が可能である。
更には、基板近傍では高密度とし、中間層において低密度とし、表面層を高密度とするといった3層構造を取ることにより基板表面との密着性が高く、また、誘電率の低い絶縁膜層形成が可能である。
【0031】
上記基板表面での重合により層間絶縁膜を形成せしめた後に、フッ素化合物を用いてプラズマ処理せしめることにより、ポリマー層のアルキル基中の水素をフッ素置換して膜の低誘電率化や耐熱性、放熱性を向上することが出来る。
【0032】
上記重合反応は、重合反応によりポリマーに取り込まれる官能基を導入した半導体基板表面上で行われるので基板に対する密着性は優れているが、形成されたポリマー層中の非グラフト性ポリマーを溶剤で洗浄除去したり、モノマー組成物中に多官能モノマーを一部含有させることにより、更に密着力や膜の強度を向上させることができる。
【0033】
上記層間絶縁膜の嵩密度は、0.1 kg/L〜0.9kg/Lが好ましい。層間絶縁膜層の嵩密度が0.9kg/Lを越えると誘電率の低減が困難となり、嵩密度が0.1 kg/L未満となると膜の力学的強度が低下し、該膜上にさらに他の膜を積層するのが困難となるとともに、放熱性が低下し易くなってしまう。
【0034】
上記層間絶縁膜の比誘電率(k)は2. 8未満が好ましく、更に好ましくは2. 5未満である。非誘電率が2. 8以上になると配線遅延の低減効果が減少することがある。
【0035】
【実施例】
以下に実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例にのみ限定されるものではない。
実施例1
< 111> 面をもつシリコンウェハーを1cm×1cmの大きさにカットし、エタノール、イオン交換水でそれぞれ10分間超音波洗浄した。次にフッ酸で10秒間処理して表面の酸化層を除き、イオン交換水で洗浄した。これを濃硝酸により室温下で1時間処理し、さらにイオン交換水で洗浄してシリコンウェーハー表面上に親水基を導入した。このようにして表面に親水基を導入したシリコンウェハーに、3−アミノプロピルトリエトキシシランの蒸気を20時間接触させ、表面にアミノ基を導入した。次に2−ブロモイソブチル酸を反応させ、ウェーハー表面にブロモ基を導入した。ブロモ基を導入したシリコンウェハーを、フラスコに入れ、ウェハーを完全に浸すようにメチルメタクリレートモノマー10gを入れ、続いて塩化第1銅0.12g、4,4’−ビピリジル0.6gを加えた。次にフラスコの内容物を液体窒素で凍結させ減圧脱気した後室温に戻すという操作を3回行い、充分に脱気した後、フラスコに窒素を導入し、シールした。これを130℃のオイルバスに入れて4時間加熱し、重合を進行させた。重合終了後、ウェハーをメタノール、イオン交換水で洗浄し、50℃のオーブンで10時間真空乾燥した。
【0036】
(表面フッ素化処理)
次に、平行平板型のプラズマ発生装置を用いて、RFが13.56MHz、パワーが300Wの条件にて、上記で得られたウェーハーの表面を6フッ化プロピレンガスを用いたフッ素プラズマ処理を行った。
【0037】
(表面層の誘電率測定)
シリコンウェハーに代えてAlを蒸着した基板上に、上記と同様の方法で、PMMA層を形成した後にフッ素プラズマ処理を行った。この膜上に銀ペーストを塗布し、Al下地層との間で誘電率を測定したところ、周波数1MHzで誘電率は2.4であった。
【0038】
(表面層の基板密着性評価)
上記シリコンウェーハー上のフッ素プラズマ処理PMMA層に対して、JISD‐0202に準じてクロスカット碁盤目試験を行い、試験前後の表面の組成変化をESCA(Electoron Spectoroscopy for Chemical Analysis )を用いて調べたところ変化は認められず、剥がれは全く見られなかった。
【0039】
実施例2
実施例1記載の方法に従って表面に親水基を導入したシリコンウェハーに、ブロモプロピルトリメトキシシランの蒸気を20時間接触させ、表面にブロモ基を導入した。このシリコンウェハーを200mlフラスコに入れ、アルゴンで3回置換し、ナトリウム/カリウム合金で乾燥し、蒸留したTHFで洗浄し、さらにTHFをウェハーが完全に浸るように加えた。これを0℃に冷却し、ジーtert−ブチルビフェニルリチウムを加え、ブロモ基をリチオ化した。次にカルシウムハライドを加え乾燥後、蒸留し、さらにモレキュラーシーブにより乾燥したスチレンモノマー2gを加えて重合を開始した。3時間重合させた後、重合溶液の一部を取り出し、反応液中の未反応モノマーを、ガスクロマトグラフィーで測定したところ検出出来ず、重合転化率は、ほぼ100%であることが確認された。重合終了後、ウェハーをメタノール、イオン交換水で洗浄し、50℃のオーブンで10時間真空乾燥した。このウェハーを用いて実施例1と同様にフッ素プラズマ処理を行った。
【0040】
シリコンウェハーに代えてAlを蒸着した基板上に、上記と同様の方法で、ポリスチレン層を形成した後にフッ素プラズマ処理を行った。この膜上に銀ペーストを塗布し、Al下地層との間で誘電率を測定したところ、周波数1MHzで誘電率は2.3であった。上記シリコンウェーハー上のフッ素プラズマ処理ポリスチレン層に対して、実施例1と同様にクロスカット碁盤目試験を行ったが剥がれは全く見られなかった。
【0041】
実施例3
実施例1記載の方法に従って、表面に親水基を導入したシリコンウェハーに、3−アミノプロピルトリエトキシシランの蒸気を20時間接触させ、表面にアミノ基を導入した。次に2−ブロモイソブチル酸を反応させ、ウェーハー表面にブロモ基を導入した。ブロモ基を導入したシリコンウェハーを、フラスコに入れ、ウェハーを完全に浸すようにメチルメタクリレートモノマー10gを入れ、続いて塩化第1銅0.12g、4,4’−ビピリジル0.6gを加えた。次にフラスコの内容物を液体窒素で凍結させ減圧脱気した後室温に戻すという操作を3回行い、充分に脱気した後、フラスコに窒素を導入し、シールした。これを130℃のオイルバスに入れて4時間加熱し、重合を進行させた。次に重合溶液を室温まで冷却し、真空乾燥にてモノマーを系内から除いてテトラメチロールメタンテトラアクリレート(商品名ATMMT;新中村化学(株)社製)20gを加えて、再度130℃に加熱し、1時間重合を行った。重合終了後、ウェハーをメタノール、イオン交換水で洗浄し、50℃のオーブンで10時間真空乾燥した。このウェハーに対して、実施例1に従って表面にフッ素プラズマ処理を行った。
【0042】
シリコンウェハーに代えてAlを蒸着した基板上に、上記と同様の方法で、ポリメチルメタクリレート層を形成した後にフッ素プラズマ処理を行った。この膜上に銀ペーストを塗布し、Al下地層との間で誘電率を測定したところ、周波数1MHzで誘電率は2.2であった。上記シリコンウェーハー上のフッ素プラズマ処理PMMA層に対して、実施例1と同様にクロスカット碁盤目試験を行ったが剥がれは全く見られなかった。
【0043】
実施例4
実施例1記載の方法に従って、表面に親水基を導入したシリコンウェハーに、3−アミノプロピルトリエトキシシランの蒸気を20時間接触させ、表面にアミノ基を導入した。次に2−ブロモイソブチル酸を反応させ、ウェーハー表面にブロモ基を導入した。ブロモ基を導入したシリコンウェハーを、フラスコに入れ、ウェハーを完全に浸すようにメチルメタクリレートモノマー10gを入れ、続いて塩化第1銅0.12g、4,4’−ビピリジル0.6gを加えた。次にフラスコの内容物を液体窒素で凍結させ減圧脱気した後室温に戻すという操作を3回行い、充分に脱気した後、フラスコに窒素を導入し、シールした。これを130℃のオイルバスに入れて4時間加熱し、重合を進行させた。次に重合溶液を室温まで冷却し、真空乾燥にてモノマーを系内から除いてパーフルオロヘキシルメタクリレート20gを加えて、再度130℃に加熱し、1時間重合を行った。重合終了後、ウェハーをメタノール、イオン交換水で洗浄し、50℃のオーブンで10時間真空乾燥した。
【0044】
シリコンウェハーに代えてAlを蒸着した基板上に、上記と同様の方法で、ポリマー層を形成した後にフッ素プラズマ処理を行った。この膜上に銀ペーストを塗布し、Al下地層との間で誘電率を測定したところ、周波数1MHzで誘電率は2.2であった。上記シリコンウェーハー上のフッ素プラズマ処理ポリマー層に対して、実施例1と同様にクロスカット碁盤目試験を行ったが剥がれは全く見られなかった。
【0045】
【発明の効果】
本発明の低誘電率絶縁膜層を有する半導体基板の製造方法は上記の方法によるので誘電率が低く、銅拡散がなく、耐薬品性、耐酸素プラズマ性が良好で、微細な配線加工が可能である上に、基板との密着性が優れた絶縁膜層が容易に形成でき、得られた低誘電率絶縁膜層は誘電特性、導体層密着性、耐熱性に優れており、信頼性の高い絶縁膜材料として各種各様の電子部品へ広く使用することが可能である。このような材料を利用することで、例えば集積回路(IC)、大規模集積回路(LSI)等の高集積度の半導体集積回路を含む高速回路基板の提供が可能となる。特にクロック周波数が500MHzを超えるような高周波数下で使用される電子機器部品に適用し、層間に用いる絶縁性樹脂として好適である。
Claims (5)
- 基板材料と、前記基板材料上に形成されたポリマーからなる層間絶縁膜層とからなる半導体基板であって、前記層間絶縁膜層を構成するポリマーの一方の末端と前記基板材料とは化学的に結合されていることを特徴とする半導体基板。
- 前記ポリマーがリビング重合により形成されたことを特徴とする請求項1記載の半導体基板。
- 基板材料と、前記基板材料の表面に形成されたポリマーからなる層間絶縁膜層とからなる半導体基板であって、
前記層間絶縁膜層は、前記基板材料の近傍に形成された単官能モノマーをリビング重合させてなる低密度層と、引き続き多官能モノマーを重合させて形成した表面近傍の高密度層とからなる2層構造を有し、
前記単官能モノマーをリビング重合させてなるポリマーの一方の末端と多官能モノマーを重合させてなるポリマーの一方の末端とは化学的に結合されており、かつ、前記単官能モノマーをリビング重合させてなるポリマーの他方の末端と基板材料とは化学的に結合されている
ことを特徴とする半導体基板。 - 基板材料と、前記基板材料の表面に形成されたポリマーからなる層間絶縁膜層とからなる半導体基板であって、
前記層間絶縁膜層は、前記基板材料の近傍に形成されたリビング重合により形成されたポリマーからなる高密度層と、引き続き単官能モノマーをリビング重合させてなる低密度層と、引き続き多官能モノマーを重合させて形成した表面近傍の高密度層とからなる3層構造を有し、
前記単官能モノマーをリビング重合させてなるポリマーの末端は、それぞれの高密度層を形成するポリマーの一方の末端と化学的に結合されており、かつ、前記基板近傍の高密度層を形成するポリマーの他方の末端と基板材料とは化学的に結合されている
ことを特徴とする半導体基板。 - 層間絶縁膜の比誘電率(k)は、2.8未満であることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の半導体基板。
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