JP2006117958A - 多孔質膜、その製造方法及び物品 - Google Patents
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Abstract
【課題】低誘電率で耐吸湿性に優れ、機械的特性にも優れる多孔質膜の製造法を提供すること。
【解決手段】アルコキシシランの部分加水分解縮合物と樹脂とを含む複合材の膜を、その樹脂の熱分解開始温度以上の温度で熱処理する多孔質膜の製造法であって、アルコキシシランの部分加水分解縮合物のゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により求めた標準ポリスチレン換算重量平均分子量が500〜10000であり、アルコキシシランの部分加水分解縮合物が一般式(I)
【化1】
(式中R1およびR2は同一または相異なる非加水分解性基、R3はアルキル基、mおよびnはm=n=0を満たす整数)で表されるアルコキシシランの部分加水分解縮合物を含むことを特徴とする多孔質膜の製造法。
【選択図】なし
【解決手段】アルコキシシランの部分加水分解縮合物と樹脂とを含む複合材の膜を、その樹脂の熱分解開始温度以上の温度で熱処理する多孔質膜の製造法であって、アルコキシシランの部分加水分解縮合物のゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により求めた標準ポリスチレン換算重量平均分子量が500〜10000であり、アルコキシシランの部分加水分解縮合物が一般式(I)
【化1】
(式中R1およびR2は同一または相異なる非加水分解性基、R3はアルキル基、mおよびnはm=n=0を満たす整数)で表されるアルコキシシランの部分加水分解縮合物を含むことを特徴とする多孔質膜の製造法。
【選択図】なし
Description
本発明は、低誘電性で、耐吸湿性に優れ、特に半導体素子用の塗膜として有用な多孔質膜、その製造法及びその多孔質膜を有する半導体装置等の物品に関する。
近年、半導体素子または多層配線板の微細化、高集積化、高密度化が進むにつれて、信号伝搬遅延時間の短縮に寄与する誘電率の低い絶縁材料が求められている。半導体素子バッファコート膜、半導体素子パッシベーション膜、半導体素子層間絶縁膜、半導体素子α線遮蔽膜、または多層配線板層間絶縁膜として現在広く使われているのは、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜、ポリイミド樹脂などであるが、比誘電率εはそれぞれ4〜5、7〜9、3.5〜4程度であり、3以下であるような材料が切望されている。
特に、フッ素樹脂は、低誘電率であるだけでなく、高耐熱性、高耐薬品性などの優れた特性を有するために、開発が盛んである。一般に脂肪族系のフッ素樹脂は溶剤に不溶であるためにコーティングによる均一な薄膜形成は困難であったが、特開昭63−238111、特開昭63−260932、米国特許4754009に見られるように特殊な含フッ素溶剤に溶解する主鎖に脂肪族環構造を有するフッ素樹脂(比誘電率ε:2.0〜2.1)が開発されている。その他にも特開平2−48579、特開平7−76644に見られるように、カルボン酸基またはスルホン酸基を分子内に有するフッ素樹脂が、アルコールなどの溶剤に溶解することが知られている。
また、その他の低誘電率フッ素樹脂として、特開昭60−104129、特開平3−282874などに記載されている含フッ素ポリイミド樹脂(ε:2.2〜2.8)、米国特許5115082などに記載されている含フッ素ポリ(アリ−レンエーテル)樹脂(ε:2.4〜2.6)、米国特許5364917などに記載されているパーフルオロシクロブタン環含有樹脂(ε:2.4〜2.5)、および米国特許5405677などに記載されている含フッ素芳香族系樹脂(ε:2.1〜2.5)などが開発されている。
しかし、これらフッ素樹脂は一般に、ガラス転移温度が50〜250℃程度であり、特に高温域において機械的に柔らかい、すなわち弾性率が小さく、線膨張係数αが50〜100ppm/℃程度と大きい。半導体素子または多層配線板は、配線金属(線膨張係数α:20ppm/℃程度)や他の無機系絶縁膜(α:0.5〜5ppm/℃程度)との複合体であり、その製造工程および実装工程において、200〜450℃の高温に曝される。したがって、フッ素樹脂の低いガラス転移温度、高温域での小さい弾性率、および高い線膨張係数は、素子または配線板の信頼性低下を防止する観点から、フッ素樹脂が本用途へ適用される際の大きな妨げとなっていた。
このようなフッ素樹脂の特性の改善のために、フッ素樹脂等の低誘電性樹脂とアルコキシシランの部分縮合物からなる複合材が提案されている(特開平9−143420号公報参照)。この複合材は低誘電性でしかも機械的特性に優れるが、さらに誘電性をひくくすることが望まれる。
一方、低誘電率材料としては、多孔質膜が有力である。このような多孔質膜は、特開平8−162450号公報、特開平8−59362号公報に示されるような、ポリシロキサン溶液を塗布しゲル化したものを乾燥させて製造することができ、また、特公平6−12790号公報に示されるようなポリスチレンまたはポリエチレンを含む有機ポリシロキサン系塗布溶液を塗布し、次いで得られた塗膜を熱処理して製造することができる。
しかし、特開平8−162450号公報及び特開平8−59362号公報に示される方法は、溶液を塗布後ゲル化、乾燥という工程を必要とするが、工程が複雑であるため一定の膜質を得るのは困難である。また、特公平6−12790号公報に示される方法の場合、塗布膜を形成する過程で層分離による樹脂の凝集が起こりやすく、孔の径のばらつきが大きくなるため、この場合も一定の膜質を得るのが難しいという問題がある。また、多孔質膜は本質的に吸湿が大きいという問題がある。
請求項1〜9に記載の発明は、低誘電率で耐吸湿性に優れ、機械的特性にも優れる多孔質膜の製造法を提供するものである。請求項10に記載の発明は、低誘電率で耐吸湿性に優れ、機械的特性にも優れる多孔質膜を提供するものである。請求項11〜12に記載の発明は、低誘電率で耐吸湿性に優れ、機械的特性にも優れる多孔質膜を有し、そのために信頼性の高い半導体素子等の物品を提供するものである。
本発明は、アルコキシシランの部分加水分解縮合物と樹脂とを含む複合材の膜を、その樹脂の熱分解開始温度以上の温度で熱処理する多孔質膜の製造法であって、アルコキシシランの部分加水分解縮合物のゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により求めた標準ポリスチレン換算重量平均分子量が500〜10000であり、アルコキシシランの部分加水分解縮合物が一般式(I)
(式中R1およびR2は同一または相異なる非加水分解性基、R3はアルキル基、mおよびnはm=n=0を満たす整数)で表されるアルコキシシランの部分加水分解縮合物を含むことを特徴とする多孔質膜の製造法に関する。本発明は、また、アルコキシシランの部分加水分解縮合物と樹脂とを含み均一に相溶した複合材の膜を、その樹脂の熱分解開始温度以上の温度で熱処理する多孔質膜の製造法であって、アルコキシシランの部分加水分解縮合物のゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により求めた標準ポリスチレン換算重量平均分子量が500〜10000であり、アルコキシシランの部分加水分解縮合物が上記一般式(I)で表されるアルコキシシランの部分加水分解縮合物を含むことを特徴とする多孔質膜の製造法に関する。本発明は、また、この多孔質膜の製造法において、樹脂が官能基を分子内に有し、かつ溶剤に可溶な樹脂である多孔質膜の製造法に関する。本発明は、また、この多孔質膜の製造法において、樹脂100重量部に対してアルコキシシランの部分加水分解縮合物の割合が25〜400重量部である多孔質膜の製造法に関する。
(式中R1およびR2は同一または相異なる非加水分解性基、R3はアルキル基、mおよびnはm=n=0を満たす整数)で表されるアルコキシシランの部分加水分解縮合物を含むことを特徴とする多孔質膜の製造法に関する。本発明は、また、アルコキシシランの部分加水分解縮合物と樹脂とを含み均一に相溶した複合材の膜を、その樹脂の熱分解開始温度以上の温度で熱処理する多孔質膜の製造法であって、アルコキシシランの部分加水分解縮合物のゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により求めた標準ポリスチレン換算重量平均分子量が500〜10000であり、アルコキシシランの部分加水分解縮合物が上記一般式(I)で表されるアルコキシシランの部分加水分解縮合物を含むことを特徴とする多孔質膜の製造法に関する。本発明は、また、この多孔質膜の製造法において、樹脂が官能基を分子内に有し、かつ溶剤に可溶な樹脂である多孔質膜の製造法に関する。本発明は、また、この多孔質膜の製造法において、樹脂100重量部に対してアルコキシシランの部分加水分解縮合物の割合が25〜400重量部である多孔質膜の製造法に関する。
本発明は、また、これらの多孔質膜の製造法において、複合材がさらにカップリング剤を含むものである多孔質膜の製造法に関する。本発明は、また、この多孔質膜の製造法において、複合材が樹脂とアルコキシシランの部分加水分解縮合物がカップリング剤を介して架橋した反応物を含むものである多孔質膜の製造法に関する。本発明は、また、これらの多孔質膜の製造法において、樹脂の官能基が、アルコキシシランの部分加水分解縮合物またはカップリング剤と架橋反応しうる基である多孔質膜の製造法に関する。本発明は、また、これらの多孔質膜の製造法において、樹脂が、官能基を分子内に有しかつ主鎖に含フッ素脂肪族環構造または含フッ素脂肪族構造を有するフッ素樹脂である多孔質膜の製造法に関する。本発明は、また、これらの多孔質膜の製造法において、アルコキシシランの部分加水分解縮合物がテトラアルコキシシランの部分加水分解縮合物および含フッ素アルコキシシランの部分加水分解縮合物から選ばれる少なくとも1種である多孔質膜の製造法に関する。
本発明は、また、前記のいずれかの多孔質膜の製造法により得られる多孔質膜に関する。本発明は、また、前記のいずかの多孔質膜を有する物品に関する。本発明は、また、これらの多孔質膜を有する物品において、多孔質膜を、半導体素子バッファコート膜、半導体素子パッシベーション膜、半導体素子層間絶縁膜、半導体素子α線遮蔽膜または多層配線板層間絶縁膜として有する物品に関する。
請求項1〜9に記載の方法により、低誘電率で耐吸湿性に優れ、機械的特性にも優れる多孔質膜が得られる。請求項10に記載の多孔質膜は、低誘電率で耐吸湿性に優れ、機械的特性にも優れる。請求項11〜12に記載の物品は、低誘電率で耐吸湿性に優れ、機械的特性にも優れる多孔質膜を有し、そのために信頼性の高い半導体素子等の物品が得られる
まず、本発明における複合材について説明する。本発明における複合材は、アルコキシシランの部分加水分解縮合物と樹脂を含む。この複合材を塗布し、乾燥することにより、アルコキシシランの部分加水分解縮合物の硬化物と樹脂とが均一に複合された膜が得られる。アルコキシシランの部分加水分解縮合物の硬化物と樹脂とは、少なくとも一部分が直接に、または後述のカップリング剤を介して、化学反応または水素結合により架橋反応又は相互作用していることが好ましい。
本発明における樹脂(以下、樹脂(a)という)は、分子中に官能基を有するものが好ましく、その官能基としてはは、アルコキシシランの部分加水分解縮合物(以下、部分加水分解縮合物(b)という)または後述のカップリング剤と架橋反応しうる基であることが好ましい。
樹脂(a)分子中の官能基としては、カルボン酸エステル基、カルボン酸アミド基などのカルボン酸誘導体基、スルホン酸エステル基、スルホン酸アミド基などのスルホン酸誘導体基、水酸基、カルボキシル基、スルホン酸基、ニトリル基、マレイミド基、アミノ基、アルコキシシリル基およびシラノール基などが例示される。
本発明における部分加水分解縮合物(b)との相溶性の観点より、樹脂(a)分子中の官能基の割合は、樹脂(a)1グラムあたり1マイクロモル以上であることが好ましい。より好ましい樹脂(a)中の官能基の割合は、樹脂(a)1グラムあたり1〜10,000マイクロモルであり、さらに好ましくは1〜3,000マイクロモルである。
これらの官能基が、溶液中で部分加水分解縮合物(b)または後述のカップリング剤と相互作用または反応することにより、均一な溶液が得られ、その結果として均一な塗膜が得られると考えられる。部分加水分解縮合物(b)との相溶性の観点より、樹脂(a)分子中の官能基としては、水酸基またはカルボキシル基が好ましい。
樹脂(a)は、前記官能基を有し、比誘電率が低いものが好ましい。本発明の複合材により形成された塗膜の比誘電率を3以下にするには、樹脂(a)の比誘電率は3以下である必要があり、さらには2.8以下であることが望ましい。また、200℃以上の温度において、本発明の複合材により形成された塗膜の弾性率は、樹脂(a)の弾性率以上となるものが好ましい。樹脂(a)の重量平均分子量は、特に限定されないが、3,000〜1000,000、特には5,000〜500,000、が好ましい。樹脂(a)がフッ素樹脂の場合、フッ素含有量は40〜75重量%、特には50〜70重量%、が好ましい。
このような樹脂として、以下の(1)〜(4)等のフッ素樹脂、(5)フッ素不含樹脂などが挙げられる。
(1)官能基を分子内に有し、かつ主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有するフッ素樹脂。
(2)官能基を分子内に有し、かつ主鎖に含フッ素脂肪族構造を有するフッ素樹脂。
(3)官能基を分子内に有する含フッ素縮合系樹脂。
(4)上記(1)〜(3)以外のフッ素樹脂で官能基を分子内に有するもの。
(1)官能基を分子内に有し、かつ主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有するフッ素樹脂。
(2)官能基を分子内に有し、かつ主鎖に含フッ素脂肪族構造を有するフッ素樹脂。
(3)官能基を分子内に有する含フッ素縮合系樹脂。
(4)上記(1)〜(3)以外のフッ素樹脂で官能基を分子内に有するもの。
(1)のフッ素樹脂としては、2つ以上の重合性二重結合を有する含フッ素モノマーを環化重合して得られるものや、含フッ素脂肪族環構造を有するモノマーを重合して得られる主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有するフッ素樹脂に官能基を導入したものが挙げられる。
主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有するとは、脂肪族環を構成する炭素原子の1以上が主鎖を構成する炭素連鎖中の炭素原子であり、かつ脂肪族環を構成する炭素原子の少なくとも一部にフッ素原子またはフッ素含有基が結合している構造を有していることを意味する。
2つ以上の重合性二重結合を有する含フッ素モノマーとしては、下記の式(e)、式(f)、式(g)または式(h)で表されるものが例示される。ただし、式(e)〜式(h)中のT1〜T12、Y1〜Y10、Z1〜Z8およびW1〜W8は、それぞれ独立にFまたはCF3である。
含フッ素脂肪族環構造を有するモノマーとしては、下記の式(i)、式(j)または式(k)で表されるものが例示される。ただし、式(i)〜式(k)中のX1〜X6はそれぞれ独立にFまたはCF3であり、R4〜R9はそれぞれ独立にF、CnF2n+1、またはCnF2n+1−pHpOqであり、ここでnは1〜5の整数、pは0〜5の整数、qは0〜2の整数であり、また、R4とR5、R6とR7、R8とR9が連結して環を形成していてもよい。
2つ以上の重合性二重結合を有する含フッ素モノマーを環化重合して得られる主鎖に脂肪族環構造を有するフッ素樹脂は、特開昭63−238111、特開昭63−238115、特開平7−316235などにて公知である。すなわち、ペルフルオロ(アリルビニルエーテル)、ペルフルオロ(ブテニルビニルエーテル)、ペルフルオロ(ビスビニルオキシメタン)などのモノマーを単独重合、またはこれらのモノマーとラジカル重合性モノマーを共重合して得られるフッ素樹脂である。
ラジカル重合性モノマーとしては、エチレンなどのオレフィン類、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレンなどのペルフルオロオレフィン類およびペルフルオロ(ブチルビニルエーテル)などのペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)類などから選ばれる1種以上が挙げられる。
また、含フッ素脂肪族環構造を有するモノマーを重合して得られる主鎖に脂肪族環構造を有するフッ素樹脂は、特公昭63−18964、特開平7−70107などにて公知である。すなわち、ペルフルオロ(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール)、2,2,4−トリフルオロ−5−トリフルオロメトキシ−1,3−ジオキソールなどの含フッ素環構造を有するモノマーを単独重合、または、これらのモノマーと上記ラジカル重合性モノマーを共重合して得られるフッ素樹脂である。
また、ペルフルオロ(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール)、2,2,4−トリフルオロ−5−トリフルオロメトキシ−1,3−ジオキソールなどの含フッ素脂肪族環構造を有するモノマーとペルフルオロ(アリルビニルエーテル)、ペルフルオロ(ブテニルビニルエーテル)、ペルフルオロ(ビスビニルオキシメタン)などの2つ以上の重合性二重結合を有する含フッ素モノマーを共重合して得られるフッ素樹脂でもよい。
主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有するフッ素樹脂は、フッ素樹脂の繰り返し単位中に含フッ素脂肪族環構造を20〜100モル%含有するものが透明性、機械的特性などの面から好ましい。
上記フッ素樹脂(1)における官能基の導入方法としては、以下の1)〜11)の方法が好ましい。
1)分子内にカルボキシル基などの官能基、またはこれらの前駆体基、例えばアシル基を有する開始剤または連鎖移動剤の存在下で重合を行うことにより、フッ素樹脂の末端基にカルボキシル基を導入する方法。
2)分子内にスルホン酸などの官能基、またはこれらの前駆体基を有する開始剤または連鎖移動剤の存在下で重合を行うことにより、フッ素樹脂の末端にスルホン酸基を導入する方法。
1)分子内にカルボキシル基などの官能基、またはこれらの前駆体基、例えばアシル基を有する開始剤または連鎖移動剤の存在下で重合を行うことにより、フッ素樹脂の末端基にカルボキシル基を導入する方法。
2)分子内にスルホン酸などの官能基、またはこれらの前駆体基を有する開始剤または連鎖移動剤の存在下で重合を行うことにより、フッ素樹脂の末端にスルホン酸基を導入する方法。
3)酸素存在下にてフッ素樹脂を高温処理することにより、フッ素樹脂の側鎖、または末端を酸化分解させ、ついでこれを水処理してカルボキシル基を導入する方法。
4)メチル ペルフルオロ(5−オキサ−6−ヘプテノエート)などのカルボン酸誘導体基を有するモノマーを共重合させてフッ素樹脂の側鎖にカルボン酸誘導体基を導入する方法。
5)ペルフルオロ(3,5−ジオキサ−4−メチル−7−オクテンスルフィニル)フルオリドなどのスルホン酸誘導体基を有するモノマーを共重合させてフッ素樹脂の側鎖にスルホン酸誘導体基を導入する方法。
4)メチル ペルフルオロ(5−オキサ−6−ヘプテノエート)などのカルボン酸誘導体基を有するモノマーを共重合させてフッ素樹脂の側鎖にカルボン酸誘導体基を導入する方法。
5)ペルフルオロ(3,5−ジオキサ−4−メチル−7−オクテンスルフィニル)フルオリドなどのスルホン酸誘導体基を有するモノマーを共重合させてフッ素樹脂の側鎖にスルホン酸誘導体基を導入する方法。
6)カルボン酸誘導体基を加水分解してカルボキシル基に、カルボン酸誘導体基を還元して水酸基に、カルボン酸誘導体基とアミン類を反応させてカルボン酸アミド基に変換する方法。
7)カルボキシル基を還元して水酸基に、カルボキシル基とアミン類を反応させてカルボン酸アミド基に変換する方法。
8)カルボン酸誘導体基にアンモニアを反応させ、さらに脱水反応を行うことによりニトリル基に変換する方法。
7)カルボキシル基を還元して水酸基に、カルボキシル基とアミン類を反応させてカルボン酸アミド基に変換する方法。
8)カルボン酸誘導体基にアンモニアを反応させ、さらに脱水反応を行うことによりニトリル基に変換する方法。
9)スルホン酸誘導体基を加水分解してスルホン酸基に変換する方法。
10)スルホン酸誘導体基またはスルホン酸基に、アミン類を反応させてスルホン酸アミド基に変換する方法。
11)カルボキシル基または水酸基にシランカップリング剤などを反応させてアルコキシシリル基またはシラノール基を導入する方法。
10)スルホン酸誘導体基またはスルホン酸基に、アミン類を反応させてスルホン酸アミド基に変換する方法。
11)カルボキシル基または水酸基にシランカップリング剤などを反応させてアルコキシシリル基またはシラノール基を導入する方法。
次に、フッ素樹脂(2)としては、メチルペルフルオロ(5−オキサ−6−ヘプテノエート)、ペルフルオロ(4,7−ジオキサ−5−メチル−8−ノネノエート)、ペルフルオロ(3,5−ジオキサ−4−メチル−7−オクテンスルフィニル)フルオリド、などのカルボン酸誘導体基またはスルホン酸誘導体基を有するモノマーとテトラフルオロエチレンとの共重合体、または、エチレン、ヘキサフルオロプロピレン、ペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)などから選ばれるモノマーと上記カルボン酸誘導体基またはスルホン酸誘導体基を有するモノマーとテトラフルオロエチレンとの共重合体が挙げられる。
主鎖に含フッ素脂肪族構造を有するとは、主鎖を構成する炭素連鎖中の炭素原子は脂肪族環を構成する炭素原子を含まず、かつ炭素連鎖中の炭素原子の少なくとも一部にフッ素原子またはフッ素含有基が結合している構造を有することを意味する。
これらのフッ素樹脂(2)中のカルボン酸誘導体基またはスルホン酸誘導体基を利用して、前述の官能基の導入方法6)〜11)と同様にしてカルボキシル基、水酸基、カルボン酸アミド基、ニトリル基、スルホン酸アミド基、アルコキシシリル基、シラノール基などを導入できる。
(3)の含フッ素縮合系樹脂としては、特開昭60−104129号公報、特開平3−282874号公報などに記載されている含フッ素ポリイミド樹脂、および米国特許第5115082号明細書などに記載されている含フッ素ポリ(アリーレンエーテル)樹脂などが例示される。
(4)のフッ素樹脂としては、米国特許第5364917号明細書などに記載されているパーフルオロシクロブタン環含有樹脂、および米国特許第5405677号明細書などに記載されている含フッ素芳香族系樹脂などが例示される。
(5)のフッ素不含樹脂としては、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテ樹脂、ビニル樹脂、ポリイミド樹脂、ビニリデン樹脂、ポリキノリン樹脂、Journal of Electronic Materials,pp819,vol.23(1994)などに記載されているポリ(ベンゾシクロブテン)樹脂、エレクトロニクス実装技術pp36,vol.11(1995)などに記載されているアモルファスポリオレフィン樹脂などが例示される。
(3)、(4)及び(5)の樹脂に官能基を導入する方法としては、(1)の樹脂と同様に末端基を利用する方法、官能基含有成分を共重合する方法などが例示できる。
本発明の複合材は、前述の樹脂(a)と一般式(I)で表されるアルコキシシランの部分加水分解縮合物を必須成分とする。
一般式(I)で表されるアルコキシシランにおいて、式中の非加水分解性基としては、入手の容易性から炭素数1〜14の非加水分解性基から選ばれるのが好ましい。非加水分解性基は、前述の樹脂(a)または後述のカップリング剤と架橋反応しうる官能基を有していてもよい。
一般式(I)において、R1とR2が同じ場合は、R1とR2には官能基を有しないものが好ましく、R1とR2が異なる場合は、R1はエポキシ基、アミノ基などの官能基を有するものまたは含フッ素アルキル基であり、R2はR1以外の基であることが好ましい。
前記非加水分解性基としては、γ−グリシドキシプロピル基、γ−アミノプロピル基、アミノフェニル基、N−フェニル−γ−アミノプロピル基などの反応性基を有する有機基、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などのアルキル基、ビニル基などのアルケニル基、フェニル基、トリル基などのアリール基、トリフルオロメチル基、トリフルオロプロピル基、ペンタフルオロブチル基、ノナフルオロヘキシル基、トリデカフルオロオクチル基、ヘプタデカフルオロデシル基、ヘプタデカフルオロウンデシル基などの含フッ素アルキル基などが好ましい
。
。
トリフルオロプロピル基などのフッ素原子と水素原子を有する含フッ素アルキル基は、3,3,3−トリフルオロプロピル基のようにアルキル基末端にペルフルオロアルキル基を有するものが化合物の入手の容易性から好ましい。したがって、後述の含フッ素アルコキシシラン中の含フッ素アルキル基はこのような含フッ素アルキル基から選ぶことが好ましい。
一般式(I)中のR3は部分加水分解のしやすさから、炭素数1〜8のアルキル基が好ましい。さらに好ましくは、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などの炭素数1〜4のアルキル基である。
本発明における部分加水分解縮合物(b)は、式中m=n=0、m+n=1、m+n=2およびm+n=3であるものから選ばれる1種のみからなる部分加水分解縮合物でもよく、これらから選ばれる2種以上からなる部分加水分解縮合物(b)でもよい。
ただし、当然ながらm+n=3であるアルコキシシランは、分子内に加水分解基を1つしか有しておらず、単独では部分加水分解縮合物(b)を形成しえない。したがってm+n=3であるアルコキシシランは、溶液中での部分加水分解縮合物(b)の過剰な反応を抑制するなどの目的で、m=n=0、m+n=1またはm+n=2のアルコキシシランと併用される。m+n=3であるアルコキシシランは、全アルコキシシランに対して10モル%以下であることが望ましい。
m+n=2のアルコキシシラン単独の部分加水分解縮合物(b)は、直鎖状の重合体を形成し、三次元構造を取りえないため、樹脂(a)の高温での機械特性を改良する効果があまりない。したがってm+n=2のアルコキシシランは、m=n=0、m+n=1のアルコキシシランと併用されるのが好ましい。m+n=2であるアルコキシシランは、全アルコキシシランに対して30モル%以下であることが望ましい。
このようなアルコキシシランの好ましい例を以下に示す。これらのアルコキシシランは、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシランなどのテトラアルコキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシランなどのモノアルキルトリアルコキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシランなどのモノアルケニルトリアルコキシシラン、トリフルオロメチルトリメトキシシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、ペンタフルオロブチルトリメトキシシラン、ノナフルオロヘキシルトリメトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリメトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルメチルジメトキシシラン、ヘプタデカフルオロウンデシルトリメトキシシラン、(4−ペルフルオロブチルフェニル)トリメトキシシラン、(4−ペルフルオロヘキシルフェニル)トリメトキシシラン、(4−ペルフルオロオクチルフェニル)トリメトキシシランなどの含フッ素アルコキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシランなどのエポキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシランなどの脂肪族アミノシラン、アミノフェニルトリメトキシシラン、アミノフェニルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシランなどの含芳香環アミノシラン。
これらのアルコキシシラン中で、含フッ素アルコキシシランはフッ素樹脂との相溶性が高く、また、テトラアルコキシシラン類は、加水分解縮合反応が完全に行われれば無機化することから、高温での機械強度の改善に特に適する。
したがって、樹脂(a)としてフッ素樹脂を適用する場合、樹脂(a)との相溶性、高温での機械的強度の改善という点では、両者を混合して用いるのが有効であり、特にはテトラアルコキシシラン類1モルに対し、フルオロアルキルシランが0.2モル以上の割合で含まれる部分加水分解縮合物(b)の割合が、アルキルシランの部分加水分解縮合物(b)の90重量%以上である場合が好適に用いられる。
ここで、含フッ素アルコキシシラン類とは、前述の式で表されるアルコキシシランのR1およびR2から選ばれる1つ以上の基にフッ素原子が結合した化合物を意味する。
アルコキシシランの縮合反応は、周知、公知の方法により行いうる。例えば、アルコキシシランを溶剤および触媒の存在下に水を添加して加水分解縮合反応させる方法がある。この場合、必要に応じて加熱を行ってもよい。触媒としては塩酸、硝酸、硫酸などの無機酸、ギ酸、シュウ酸、酢酸などの有機酸が使用できる。通常、生成物の分子量をゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により求めた標準ポリスチレン換算重量平均分子量で500〜10000の範囲に設定するのが、樹脂(a)との相溶性、後述する溶剤への溶解性の観点から好ましい。ついで必要に応じて系内に存在する水を蒸留などにより除去し、さらに触媒をイオン交換樹脂などで除去してもよい。アルコキシシランの部分加水分解縮合物(b)は、アルコキシシラン類の分子中のアルコキシ基が加水分解され、シラノール水酸基となって縮合反応を起こすことによって生成するが、この場合、アルコキシ基の加水分解は原料となるすべてのアルコキシシランのすべてのアルコキシ基で起こす必要はなく、得られたポリマーの分子中には、アルコキシ基及びシラノール水酸基が残存していることが多い。
本発明において、樹脂(a)とアルコキシシランの部分加水分解縮合物(b)の混合溶液を調製するにあたり、溶剤としてこれらを同時に溶解するものを選択することが重要である。
樹脂(a)が、前述(1)の主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有するフッ素樹脂である場合、例えば特開平7−112126号公報に記載のような、非プロトン性含フッ素溶剤とプロトン性含フッ素溶剤の混合物が例示される。ここで特徴的なことは、主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有するフッ素樹脂は非プロトン性フッ素溶剤には溶解するが、プロトン性含フッ素溶剤には溶解せず、逆に部分加水分解縮合物(b)は、プロトン性含フッ素溶剤には溶解するが、非プロトン性含フッ素溶剤には溶解しない場合があり、したがって混合溶剤にすることにより両者を同時に溶解するという点である。
非プロトン性含フッ素溶剤とは、通常の反応条件下では解離せずプロトンを生じない含フッ素溶剤であり、公知、周知のものが使用できる。ペルフルオロヘキサン、ペルフルオロオクタン、1H,1H,1H,2H,2H−ペルフルオロオクタン[F(CF2)6C2H5]、1H,1H,1H,2H,2H−ペルフルオロデカン[F(CF2)8C2H5]などの含フッ素脂肪族炭化水素類、ペルフルオロデカリン、ペルフルオロシクロヘキサン、ペルフルオロ(1,2−ジメチルシクロブタン)などの含フッ素脂環式炭化水素類、ペルフルオロトリペンチルアミン、ペルフルオロトリブチルアミン、ペルフルオロトリプロピルアミンなどの含フッ素アルキルアミン類、HCF2CF2OCH2CF3などのフルオロエーテル類、ペルフルオロ(2−ブチルテトラヒドロフラン)などの含フッ素環状エーテルが例示される。これらを2種以上混合して使用してもよい。
非プロトン性含フッ素溶剤とプロトン性含フッ素溶剤の混合比は、フッ素樹脂と部分加水分解縮合物との両者が溶解するように選定する。フッ素樹脂中に官能基を有するため、溶液中でのフッ素樹脂と部分加水分解縮合物との相溶性が高く、両者の均一な溶液が得られるのが特徴である。
また、アルコキシシラン類の部分加水分解縮合物が含フッ素アルコキシシラン類の部分加水分解縮合物を含有する場合、その組成によっては非プロトン性含フッ素溶剤に溶解するので、その場合プロトン性含フッ素溶剤の添加は必要ないか、またはごく少量の添加で均一な混合溶液を作成できる。
前述の樹脂が前述(2)の主鎖に含フッ素脂肪族構造を有するフッ素樹脂の場合、特開平2−48579号公報に記載のようなアルコール類、ケトン類、有機酸類、アルデヒド類、アミン類などの親水性有機溶剤と水の混合溶剤、または特開平7−76644号公報に記載のような含酸素炭化水素溶剤および含フッ素化合物溶剤の混合溶剤が例示される。
含酸素炭化水素溶剤としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどのアルコール類、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルなどのエーテル類、ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類が挙げられる。含フッ素化合物溶剤としては、前述の非プロトン性含フッ素溶剤、プロトン性含フッ素溶剤などが挙げられる。
前述の樹脂が前述(3)または(4)の場合、その樹脂に適した公知、周知の溶剤を用いればよく、例えばN−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、キシレン、テトラヒドロフラン、ケトン類、ラクトン類などが例示される。
樹脂と部分加水分解縮合物(b)の混合溶液の調製方法は、結果として均一な溶液が作成できれば特に限定されず、次の(1)〜(3)の方法が例示される。
(1)部分加水分解縮合物(b)の溶液と樹脂の溶液とをあらかじめ別途調製し、両者を混合する方法。この場合、部分加水分解縮合物(b)の溶液は、樹脂の溶液と相溶する溶剤中で直接作成する場合と、樹脂の溶液と相溶しない溶剤中で合成した後に、公知の溶剤置換法により相溶性のある溶剤の溶液とする場合がある。後者は、樹脂の溶液と相溶する溶剤中ではアルコキシシランの加水分解縮合反応が充分に進行しない場合、または縮合物の重合度を制御しにくい場合などに用いられる。
(2)アルコキシシランを、あらかじめ調製した樹脂の溶液に溶解させ、その溶液中で部分加水分解縮合反応を行う方法。
(3)部分加水分解縮合物(b)の溶液をあらかじめ調製し、そこに樹脂を添加して溶解せしめる方法。
樹脂(a)と、部分加水分解縮合物(b)の組成比は、目的に合わせて任意の割合に設定でき、通常、樹脂(a)100重量部に対し部分加水分解縮合物(b)を25〜400重量部とすることが好ましく、樹脂(a)100重量部に対し部分加水分解縮合物(b)を100〜300重量部とすることが特に好ましい。部分加水分解縮合物(b)の割合が少なすぎると、多孔質膜の作製時の熱処理による膜厚の減少が大きくなる。部分加水分解縮合物(b)の割合が多すぎると低誘電性、低吸湿性を損なう恐れがある。
樹脂(a)と部分加水分解縮合物(b)の間で架橋反応が起こる場合の方が、樹脂(a)と部分加水分解縮合物(b)の相溶性が良くなり、塗膜の相分離を抑制されるため、多孔質膜の膜質の均一性がより改善される。樹脂(a)と部分加水分解縮合物(b)の間の架橋反応は、溶液の状態で反応していても、塗膜を形成する過程で反応が起こってもよいが、溶液の状態で一部反応している方が、樹脂(a)と部分加水分解縮合物(b)の相溶性は良くなる。そのため、溶液調整の際に反応が起きるように、必要に応じて溶液を加熱しながら撹拌してもよい。
樹脂(a)と部分加水分解縮合物(b)の間で架橋反応をさせる方法としては、次の(1)または(2)の方法が例示され、(2)の方法がより好ましい。
(1)樹脂(a)の官能基が部分加水分解縮合物(b)と直接架橋反応する方法。
(2)樹脂(a)の官能基と部分加水分解縮合物(b)がカップリング剤を介して架橋反応する方法。
(1)樹脂(a)の官能基が部分加水分解縮合物(b)と直接架橋反応する方法。
(2)樹脂(a)の官能基と部分加水分解縮合物(b)がカップリング剤を介して架橋反応する方法。
本発明における上記カップリング剤とは、加水分解性基[部分加水分解縮合物(b)と反応可能な部位]と非加水分解性基を有するケイ素系化合物、チタン系化合物、アルミニウム系化合物などの化合物であって、かつ樹脂(a)の官能基と反応可能な部位を持つ化合物を意味する。
非加水分解性基は末端の炭素原子でケイ素原子、チタン原子、アルミニウム原子などに結合している。1つ以上の非加水分解性基は、樹脂(a)の官能基と反応可能な部位を有する。
加水分解性基としては、アルコキシ基、アルコキシアルコキシ基、アシルオキシ基、アリールオキシ基、アミノキシ基、アミド基、ケトオキシム基、イソシアネート基、ハロゲン原子などが例示される。好ましくはアルコキシ基、アルコキシアルコキシ基などの1価アルコールの水酸基の水素原子を除いた基である。特にアルコキシ基が好ましく、その炭素数は8個以下、特に1〜4個、が好ましい。
樹脂(a)の官能基と反応可能な部位としては、アミノ基、エポキシ基などが好ましく、これらの基は通常上記非加水分解性基中に有する。
カップリング剤としてはシラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤などが好ましい。このシラン系カップリング剤は、部分加水分解縮合物ではない点で本発明の低誘電率樹脂組成物中の部分加水分解縮合物(b)とは異なる。
(1)の方法の例としては、樹脂(a)の官能基がカルボキシル基で、部分加水分解縮合物(b)としてアミノ基有する場合、または、樹脂(a)の官能基がアルコキシシリル基、シラノール基である場合が示される。
(2)の方法の例としては、樹脂(a)の官能基がカルボキシル基で、カップリング剤としてカルボキシル基と結合可能な官能基を有するシラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤を添加する場合が示される。このようなカップリング剤としてはエポキシシラン類、アミノシラン類などのシラン系カップリング剤が好適であり、さらにはアミノシラン類がカルボキシル基との反応性および結合の耐湿、耐久性の観点から、より好ましい。
アミノシラン類としては、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシランなどの脂肪族アミノシラン類、アミノフェニルトリメトキシシラン、アミノフェニルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシランなどの含芳香環アミノシラン類が例示される。特に、含芳香環アミノシラン類は耐熱性が高く、好適に採用される。
上記(1)および(2)の方法において、アミノシラン類を使用する場合、量が多すぎると液の粘度安定性が低下し、塗膜の電気特性を損なう恐れがあり、塗膜の高温での機械特性も一定量以上添加しても改善されないことから、カルボン酸基1モルに対し、アミノシラン類0.1〜10モルが適当である。
さらに、アミノシラン類を添加すると粘度安定性が低下する場合、溶液中での過剰な反応を抑制し、粘度安定性を向上させるために、アミノ基に変換しうる官能基を有するシラン類を用いてもよい。イミノ基を有するシラン類は、そのままではアミノシラン類として作用せずに、水と反応することによりケトン類とアミノシラン類に分解するので、溶液の水分量を調節することにより、溶液中での過剰な反応を抑制できる。
また、アミノシラン類の有無にかかわらず、樹脂(a)と部分加水分解縮合物(b)の混合溶液は、加水分解縮合物が経時的に縮合反応を起こし、粘度安定性が悪い場合がある。このような場合、液中にテトラメトキシシラン、テトラエトキシシランなどのテトラアルコキシシラン類、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、トリメチルメトキシシランなどのアルキルアルコキシシラン類を共存させておくと改善される傾向にあり、ポットライフ向上の方法として好ましく採用される。
樹脂(a)と部分加水分解縮合物(b)を合計した溶液中での固形分濃度は、それが溶解する範囲で、所望の溶液粘度またはコーティング膜の膜厚などの観点から適宜選択すればよい。例えば膜厚0.1〜5μmのコーティング膜をスピンコート法にて得ようとする場合、一般には固形分濃度を1〜15重量%に設定すればよい。
本発明の複合材には、目的に応じて接着性向上剤、界面活性剤などの添加剤を配合できる。特に樹脂(a)中の官能基、または部分加水分解縮合物(b)のアルコキシシリル基、シラノール基と反応しうる接着性向上剤を添加すると、下地との密着性が向上する、塗膜強度が向上する、などの効果が得られる。
本発明の複合材により物品上に膜を作成する方法としては、溶媒を含む本発明の複合材を物品に塗布した後に、加熱乾燥して溶媒を揮発させる方法が好ましい。この際、下地との充分な密着性を確保するために、下地表面を樹脂(a)の官能基および/または部分加水分解縮合物(b)と反応可能な部位と、下地表面と結合可能な部位を併有する化合物で処理してもよい。
塗布方法としては、スピンコート法、ディッピング法、ポッティング法、ダイコート法、スプレーコート法などが例示され、コーティング対象である物品の形状、必要膜厚などから適宜選択すればよい。本発明における多孔質膜を、半導体素子バッファコート膜、半導体素子パッシベーション膜、半導体素子層間絶縁膜または半導体素子α線遮蔽膜に適用する場合、複合材の膜厚の面内分布の均一性からスピンコート法が好ましい。多層配線板層間絶縁膜に適用する場合、スピンコート法とともに、より高い液歩留りである方法として、ダイコート法が好ましい。
溶媒を揮発させて、複合材の膜を形成するためには、塗布後のベーク工程を要する。ベーク温度は、塗膜厚などにより適宜選択すればよいが、通常50〜450℃である。
塗膜の表面平滑性を確保する、または塗膜の微細スペース埋込性を向上させるなどの目的では、50〜250℃程度の比較的低温でのベーク工程で十分であり、部分加水分解縮合物(b)を充分に硬化させ、未反応のアルコキシシリル基またはシラノール基が残存しないように、複合材の膜を形成するには、好ましくは300〜450℃、より好ましくは320℃〜450℃の比較的高温でのベーク行程が必要であり、これらを組み合わせてもよい。ベーク工程を何段階かに分けて実施することもできる。以上のベーク温度は、樹脂(a)の熱分解開始温度未満とされる。
複合材の膜を形成後、複合材の膜を樹脂(a)の熱分解温度以上で熱処理することにより、樹脂(a)成分が熱分解し、部分加水分解縮合物(b)の硬化物からなる又は部分加水分解縮合物(b)の硬化物を主成分とする多孔質膜が得られる。この熱処理は、複合材の膜を樹脂(a)の熱分解温度以下で十分硬化させた後に行っても、塗布後ホットプレートによる低温のプリベーク後に行ってもよい。また、部分加水分解縮合物(b)がアルキル基、アリール基等の有機基(アルコキシ基、アリールオキシ基を除く)を有する場合には、熱処理温度をその有機基の熱分解温度以下にすることで、得られる多孔質膜の吸湿を特に低減することができる。熱処理時間は特に制限はないが、樹脂(a)の分解によるガスの発生がなくなるまで行うことが特に好ましく、温度を高くすることによりこのための最少時間を短縮することができる。以上のようにして得られる多孔質膜はその誘電率を2.0以下にすることができる。
熱処理前の複合材の膜において、樹脂成分(a)、部分加水分解縮合物(b)及び場合により使用されるカップリング材が均一に相溶していることから、得られる多孔質膜の孔の径はきわめて微細で、ばらつきも小さい。また、複合材の膜の形成方法は従来から用いられている方法を用いることが可能であり、特殊な工程を含まないため一定の膜質を再現性良く得ることが可能である。
部分加水分解縮合物(b)の未反応のアルコキシシリル基またはシラノール基は、それ自体が塗膜の比誘電率を上昇させる原因となり、さらには吸水部位となりうることで水による比誘電率の上昇の原因となるために、多孔質膜中にできるだけ残存しないように前記ベーク行程又は熱処理行程で加熱処理される。
本発明の多孔質膜を、例えば、半導体素子パッシベーション膜または半導体素子層間絶縁膜に適用する場合、ダマシングプロセスと組み合わせて用いることが好ましい。また、本発明の多孔質膜を、例えば、半導体素子パッシベーション膜または半導体素子層間絶縁膜に適用する場合、多孔質膜の下層および/または上層に無機膜が形成される場合がある。無機膜とは、シリコン酸化膜に必要に応じてリンおよび/またはホウ素をドープしたいわゆるPSG膜またはBPSG膜、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜、シリコン酸窒化膜などを意味する。
金属配線と本発明おける多孔質膜との間に無機膜を形成することによって、金属配線側壁で起りやすい剥がれを防止したり、多孔質膜を形成する際、複合材の硬化時に発生する水分の下方への拡散が防止され、デバイス特性劣化を防止できる。450℃以上の熱が加わると金属配線層が変質するために、無機膜はそれ以下の温度で形成できることを要する。
具体的には、化学気相成長(CVD)法、例えば常圧CVD法、プラズマCVD法により形成される膜が好適に採用される。また、上層への無機膜の形成は、本組成物より形成した塗膜を、いわゆるエッチバック法またはCMP(ケミカル・メカニカル・ポリッシング)法によりある程度削ってから行ってもよい。
上層に無機膜を形成する場合、無機膜の組成または形成方法によっては、多孔質膜との密着性が悪い、または無機膜形成時に膜減りするなどダメージを受ける場合が考えられるが、これらを解決するためには以下の(1)または(2)の方法が例示される。
(1)無機膜を多層構造とする方法。シリコン酸化膜をプラズマCVD法により形成しようとする場合、用いるガス組成によっては膜減りが発生するときがある。このような際に、まずシリコン窒化膜または常圧CVD−シリコン酸化膜などの膜減りを引き起こさない無機膜をごく薄く形成し、次いで、これをバリア層としてシリコン酸化膜を形成する方法などが例示される。
(2)予め本発明における多孔質膜をエネルギー線で処理することにより表面を活性化させた後に、無機膜を形成する方法。本方法は、無機膜との界面の密着性を向上させる効果を有する場合がある。エネルギー線処理としては光を含む広義の意味での電磁波の利用による処理、すなわちUV光照射、レーザ光照射、マイクロ波照射、または電子線を利用する処理、すなわち電子線照射、グロー放電処理、コロナ放電処理、プラズマ処理などの処理が例示される。
これらのうち半導体素子の量産工程に対応しうる好適な処理方法としては、UV光照射、レーザ光照射、コロナ放電処理、プラズマ処理が例示される。プラズマ処理は半導体素子に与えるダメージが小さく、望ましい。
プラズマ処理を行う装置としては装置内に所望のガスを導入でき、電場を印加できるものであれば特に限定されず、市販のバレル型、平行平板型のプラズマ発生装置を適宜使用できる。
プラズマ装置へ導入するガスとしては、表面を有効に活性化するものであれば特に限定されず、アルゴン、ヘリウム、窒素、酸素、またはこれらの混合ガスなどが例示される。さらには、有効に本組成物より形成した塗膜の表面を活性化させ、このときに膜減りもほとんどないガスとして、窒素と酸素の混合ガスおよび窒素ガスが好ましく例示される。
半導体素子バッファコート膜、半導体素子パッシベーション膜、半導体素子層間絶縁膜、半導体素子α線遮蔽膜または多層配線板層間絶縁膜に適用する場合、本組成物より形成した塗膜の微細加工を要する場合がある。この場合、前述のエネルギー線処理、特にプラズマ処理は、フォトリソグラフィ用のフォトレジストを塗布する際のはじきの防止に有効である。微細加工方法としては、ウェットエッチング法、ドライエッチング法など公知、周知の方法が適用でき、特にテトラフルオロメタン、ヘキサフルオロエチレン などのフッ素化炭化水素系のガスを用いたプラズマドライエッチング法が好適である。
なお、本発明における半導体素子とは、ダイオード、トランジスタ、化合物半導体、サーミスタ、バリスタ、サイリスタなどの個別半導体、DRAM(ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ)、SRAM(スタティック・ランダム・アクセス・メモリ)、EPROM(イレイザブル・プログラマブル・リード・オンリー・メモリ)、マスクROM(マスク・リード・オンリー・メモリ)、EEPROM(エレクトリカル・イレイザブル・プログラマブル・リード・オンリー・メモリ)、フラッシュメモリなどの記憶素子、マイクロプロセッサ、DSP、ASICなどの理論回路素子、MMIC(モノリシック・マイクロウェーブ集積回路)に代表される化合物半導体などの集積回路素子、混成集積回路(ハイブリッドIC)、発光ダイオード、電荷結合素子などの光電変換素子などを意味する
。
。
本発明における多孔質膜を半導体素子のバッファコート膜、パッシベーション膜、層間絶縁膜、またはα線遮蔽膜として適用することにより、低誘電率、高絶縁耐圧といった優れた電気特性による素子の信号伝搬遅延時間の低減などの高性能化を達成でき、かつ高温域における優れた機械物性による高信頼性化を図れる
。
。
本発明における多層配線板とは、MCMなどの高密度配線板を含む。本発明における多孔質膜を層間絶縁膜として適用することにより、上記と同じく信号伝搬遅延時間の低減などの高性能化と同時に高信頼性化を達成できる。
合成例1
ペルフルオロ(ブテニルビニルエーテル)40g、メチルペルフルオロ(5−オキサ−6−ヘプテノエート)1.6g、イオン交換水150gおよび重合開始剤として
90mgを、内容積200ccの耐圧ガラス製オートクレーブに入れ、系内を3回窒素で置換した後、40℃で24時間懸濁重合を行い、ポリマーを30g得た。
ペルフルオロ(ブテニルビニルエーテル)40g、メチルペルフルオロ(5−オキサ−6−ヘプテノエート)1.6g、イオン交換水150gおよび重合開始剤として
90mgを、内容積200ccの耐圧ガラス製オートクレーブに入れ、系内を3回窒素で置換した後、40℃で24時間懸濁重合を行い、ポリマーを30g得た。
このポリマーの固有粘度[η]は、ペルフルオロ(2−ブチルテトラヒドロフラン)中30℃で0.34dl/gであった。さらに、このポリマーのメチルエステル基を周知の方法で加水分解させ、0.12ミリモル/gポリマーのカルボキシル基を有するポリマー(以下、ポリマーAという)を得た。ポリマーAの比誘電率εは2.1、200℃における弾性率Eは1MPa以下であった。
反応容器中で、テトラメトキシシランを61gおよび
を94g(モル比2:1)メタノール610g中に溶解させ、さらに60%硝酸0.3gと水36gを加えた後に室温で72時間反応させた。次いで、反応液をイオン交換樹脂塔を通過させて硝酸を除去した後、溶媒を
に置換し部分加水分解縮合物の溶液を得た。この溶液の固形分濃度を10重量%に調整した溶液(以下、溶液Bという)を得た。この部分加水分解縮合物の重量平均分子量は1,050(GPCにより求めた標準ポリスチレン換算値)であった。この部分加水分解縮合物をポリシロキサンBという。
を94g(モル比2:1)メタノール610g中に溶解させ、さらに60%硝酸0.3gと水36gを加えた後に室温で72時間反応させた。次いで、反応液をイオン交換樹脂塔を通過させて硝酸を除去した後、溶媒を
に置換し部分加水分解縮合物の溶液を得た。この溶液の固形分濃度を10重量%に調整した溶液(以下、溶液Bという)を得た。この部分加水分解縮合物の重量平均分子量は1,050(GPCにより求めた標準ポリスチレン換算値)であった。この部分加水分解縮合物をポリシロキサンBという。
実施例1
ポリマーA、溶液B、パーフルオロトリブチルアミン、
及びアミノフェニルトリメトキシシランを混合し、40℃で3時間混合して複合材を得た。この複合材において、不揮発分濃度は8重量%とし、ポリマーAとポリシロキサンBの重量比は前者/後者で6/4とし、溶媒の組成はパーフルオロトリブチルアミンが95重量%、
が5重量%となるようにし、アミノフェニルトリメトキシシランの添加量は不揮発分総量に対して1重量%となるようにした。
ポリマーA、溶液B、パーフルオロトリブチルアミン、
及びアミノフェニルトリメトキシシランを混合し、40℃で3時間混合して複合材を得た。この複合材において、不揮発分濃度は8重量%とし、ポリマーAとポリシロキサンBの重量比は前者/後者で6/4とし、溶媒の組成はパーフルオロトリブチルアミンが95重量%、
が5重量%となるようにし、アミノフェニルトリメトキシシランの添加量は不揮発分総量に対して1重量%となるようにした。
この複合材を用いて塗布膜の形成を行った。始めに複合材をシリコンウェハーにスピンコートし、次にホットプレートにより80℃で90秒間及び200℃で90秒間の乾燥を連続して行い、最後に縦型炉により400℃で30分間の硬化を窒素雰囲気中で行った。得られた複合材の膜の屈折率は約1.35で膜厚は8000Å程度であった。また、この膜の誘電率は約2.4であった。
次に、多孔質膜を得るため、縦型炉で窒素雰囲気中420℃の温度下に熱処理を行った。フッ素樹脂の熱分解開始温度は約400℃で、ここで用いた有機ポリシロキサンの含フッ素アルキル基の熱分解開始温度は約450℃であることから、420℃では複合材の膜中のフッ素樹脂の熱分解のみが起こる。熱処理時間を120分間又は240分間とした場合の熱処理直後の誘電率およびこの膜を熱処理後一ヶ月大気中に放置した後の誘電率を表1に示す。
熱処理後の膜厚は、120分間熱処理したものは6000Å、240分間熱処理したものは5000Åで屈折率は1.2〜1.3であった。熱処理による膜厚減少が大きいのは、用いた複合材中の樹脂の比率が60重量%と高いためと考えられる。熱処理後の膜のTDS(Thermal Desorption Spectoroscopy)を測定した結果、熱処理時間が120分間の場合には、フッ素樹脂の熱分解による脱ガスが観察されたが、熱処理時間が240分間の場合には、フッ素樹脂の熱分解による脱ガスは観察されなかった。従って、ここで用いた複合材の膜から樹脂成分を完全に分解した多孔質膜を得るためにはの240分間の熱処理の方がよいことがわかる。熱処理後の膜の断面を電子顕微鏡(SEM)で観察した結果、3万倍の倍率で膜質は均一で、ボイド、クラック等の欠陥は全く見られなかった。また、4万倍の倍率で、口径が100nm以下の孔が観察され、孔の多くは口径が50nm前後であり、その膜が多孔質膜であることが確認された。
Claims (21)
- 樹脂が官能基を分子内に有する、請求項1記載の多孔質膜の製造法。
- 樹脂の官能基が、アルコキシシランの部分加水分解縮合物と架橋反応しうる基である請求項2記載の多孔質膜の製造法。
- 樹脂の官能基が、水酸基又はカルボキシル基である、請求項2記載の多孔質膜の製造法。
- 樹脂の分子中の官能基の割合が樹脂1グラムあたり1〜10,000マイクロモルである、請求項2記載の多孔質膜の製造法。
- 樹脂の分子中の官能基の割合が樹脂1グラムあたり1〜3,000マイクロモルである、請求項2記載の多孔質膜の製造法。
- 樹脂が溶剤に可溶な樹脂である、請求項2記載の多孔質膜の製造法。
- 樹脂100重量部に対してアルコキシシランの部分加水分解縮合物の割合が25〜400重量部である請求項1記載の多孔質膜の製造法。
- アルコキシシランの部分加水分解縮合物がテトラアルコキシシランの部分加水分解縮合物および含フッ素アルコキシシランの部分加水分解縮合物から選ばれる少なくとも1種である請求項1記載の多孔質膜の製造法。
- 請求項1〜9のいずれかに記載の多孔質膜の製造法により得られる多孔質膜。
- 請求項10記載の多孔質膜を有する物品。
- 請求項10記載の多孔質膜を、半導体素子バッファコート膜、半導体素子パッシベーション膜、半導体素子層間絶縁膜、半導体素子α線遮蔽膜または多層配線板層間絶縁膜として有する物品。
- 樹脂が官能基を分子内に有する、請求項13記載の複合材。
- 樹脂の官能基が、アルコキシシランの部分加水分解縮合物と架橋反応しうる基である請求項14記載の複合材。
- 樹脂の官能基が、水酸基又はカルボキシル基である、請求項14記載の複合材。
- 樹脂の分子中の官能基の割合が樹脂1グラムあたり1〜10,000マイクロモルである、請求項14記載の複合材。
- 樹脂の分子中の官能基の割合が樹脂1グラムあたり1〜3,000マイクロモルである、請求項14記載の複合材。
- 樹脂が溶剤に可溶な樹脂である、請求項14記載の複合材。
- 樹脂100重量部に対してアルコキシシランの部分加水分解縮合物の割合が25〜400重量部である請求項13記載の複合材。
- アルコキシシランの部分加水分解縮合物がテトラアルコキシシランの部分加水分解縮合物および含フッ素アルコキシシランの部分加水分解縮合物から選ばれる少なくとも1種である請求項13記載の複合材。
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