JP3817016B2 - ジェット推進ボート - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、2サイクルエンジンで駆動されるジェット推進器により水を加圧して噴出させて船体を推進させるジェット推進ボートに関し、特に、2サイクルエンジンに備えられた排気制御バルブの駆動機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
ジェット推進ボートとしては、例えば特開昭62−35013号公報や実開平5−27270号公報に記載されるように、乗員が鞍型の座席部に跨って乗船する形式の小型船舶がある。このような鞍乗り式のジェット推進ボートはその機敏な操舵感や機動性から、レジャーボートや救助艇として用いられている。
また、ジェット推進ボートに用いられるジェット推進器としては、例えば特開昭62−59194号公報や特開平5−246385号公報に記載されるように、エンジンによって回転駆動されるインペラを有し、インペラの回転によって船外から吸入した水を船外へ加圧して噴出することにより船体を推進させるものが知られている。なお、前者に記載されるジェット推進器では、インペラの下流部から加圧された水を採取して、当該水をエンジンの冷却水として供給しており、また、後者に記載されるジェット推進器では、インペラの下流部から加圧された水を採取して、当該水をインペラ軸受部の冷却として供給している。
【0003】
また、2サイクルエンジンは、構造が比較的単純である等といったことから、小型にして高出力を得ることができるエンジンとして知られている。このような2サイクルエンジンについて、例えば特開昭56−56915号公報や特開昭56−60817号公報に記載されるように、排気ポートの上縁付近の排気通路内壁に排気タイミングを変える排気制御バルブを設け、エンジンの高速運転時には排気制御バルブを開けて排気タイミングを早めて掃気を促進させ、エンジンの低速運転時には排気制御バルブを閉め気味として排気タイミングを遅らせて新気の吹き抜けを防止し、エンジンの出力及び燃費の向上を図ったものが知られている。なお、本公報に記載される2サイクルエンジンでは、エンジン回転数に対応して上昇するエンジン冷却水の圧力で排気制御バルブを駆動し、エンジンの排気タイミングを変更している。
【0004】
また、特開平7−71279号公報や特開平7−180556号公報に記載されるように、排気ポートの上縁付近の排気通路内壁に排気ポートを開閉する排気制御バルブを設け、2サイクルエンジンの低速・低負荷運転時には、排気制御バルブで排気ポートを略全閉とすることにより、気筒内圧力を適正に制御して燃焼室内に残留した既燃ガスの熱エネルギーにより燃焼室内の新気を活性化させ、自己着火燃焼させる活性熱雰囲気燃焼を行わせ、エンジンの燃費の向上及び排気ガスの浄化を実現したものが知られている。すなわち、車速及び負荷に対応することとなるエンジン回転数及びスロットル開度を検出し、この検出値に基づいてエンジンの出力を割り出し、これによって排気制御バルブをサーボモータ等で駆動して、エンジンの高速・高負荷運転時には排気制御バルブを開いて排気開口率を増大させ、エンジンの低速・低負荷運転時には排気制御バルブを閉めて排気開口を閉塞させている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
機敏な操舵感や機動性等が要求されるジェット推進ボートでは、小型にして高出力を得ることができる2サイクルエンジンを搭載することが望まれている。そして、この2サイクルエンジンとしては、燃費向上や排気ガスの浄化を実現するために排気制御バルブを設けることが望まれている。
このような要求に対して、排気制御バルブの駆動をエンジン回転数やスロットル開度に基づいてサーボモータで行う場合には、センサや電気制御系の部品が増加して、コストが増大してしまうとともに構造が複雑且つ大型なものとなってしまう。特に、ジェット推進ボートでは所期の機動性等を実現するためにエンジンを初めとしたパワーユニットをコンパクトに船体内に収容することが求められるが、このように排気制御バルブの駆動機構が大型化してしまう手法はジェット推進ボート本来の性能を損なってしまうという問題があった。
【0006】
また、上記のようにサーボモータで駆動する手法に代えて、エンジン冷却水の圧力で排気制御バルブを駆動する手法を用いれば電気制御系部品の増加を回避して、パワーユニットを船体内にコンパクトに収容することができる。しかしながら、陸上を走行する車両ではエンジン出力と車速とがほぼ比例するが、水上を走行するジェット推進ボートにあっては、エンジン回転数に基づいて割り出すエンジン出力に対して船速はかなり遅れて追従することとなってしまう。このため、単にエンジン回転数から船速を割り出して排気制御バルブを駆動する場合には、低速・低負荷時であるにも拘わらず排気開口率を増大させてエンジンを過剰出力の状態としてしまう等といった問題があった。
【0007】
更にまた、ジェット推進ボートは海や湖沼等で用いられるが、船外から取り入れた水をシリンダ機構等の水圧アクチュエータに導き、当該アクチュエータで排気制御バルブを駆動する場合には、アクチュエータ内に水中に混在する藻や塵等が詰まって作動不良を起こしてしまわないようにする必要もあった。
更にまた、多気筒の2サイクルエンジンを搭載する場合には、ジェット推進ボートの所期の機動性等を実現するために、排気制御バルブの駆動機構をできるだけコンパクトにする必要もあった。
【0008】
本発明は上記従来の事情に鑑みなされたもので、より正確な船速に基づいて排気制御バルブを駆動制御し、所期の性能向上を実現するジェット推進ボートを提供することを目的とする。
また、本発明は上記に加え、排気制御バルブを駆動する水圧アクチュエータの作動不良を防止することを目的とする。
また、本発明は上記に加え、多気筒の2サイクルエンジンに対してコンパクトな排気制御バルブ駆動機構を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るジェット推進ボートでは、2サイクルエンジンによってジェット推進器を駆動し、吸入した水をジェット推進器から噴出することにより船体を推進させる。そして、エンジンの排気ポート近傍にはエンジンの運転状況に応じて排気開口率を変更させる排気制御バルブを設け、この排気制御バルブを駆動する機構として、ジェット推進器から噴出される水により動作して排気制御バルブを開閉駆動する水圧アクチュエータを設けている。
すなわち、サーボモータ等の電気制御系部品の増設を要せずとも、ジェット推進ボートに搭載された2サイクルエンジンの排気制御バルブを駆動することができる。そして、ジェット推進器から噴出される水の勢いはエンジン回転数に較べてより正確に出力を表しており、この水圧に応じて排気制御バルブを開閉駆動することにより、エンジンの過剰出力等を招くことなく排気制御バルブによる最適な排気制御が実現される。
【0010】
なお、本発明を活性熱雰囲気燃焼を行わせる2サイクルエンジンに適用する場合には、排気制御バルブを略全閉状態に付勢しておき、水圧アクチュエータをジェット推進器から噴出される水圧に応じて排気制御バルブを開く方向に機能させればよい。また、本発明は、活性熱雰囲気燃焼ではなく、上記したように単に排気タイミングを変更させる2サイクルエンジンにも適用することが可能である。
【0011】
また、本発明に係るジェット推進ボートでは、排気制御バルブを駆動する水圧アクチュエータを、ジェット推進器から導いた水を取り込む流入口及び当該水を排出する流出口を有したシリンダと、シリンダ内に摺動自在に収容されたピストンと、ピストンを前記導かれた水に抗して付勢するリターンスプリングと、を備えた構成としている。そして、活性熱雰囲気燃焼に適用する場合には、ピストンに連結された排気制御バルブをリターンスプリングによって排気制御バルブを略全閉させる方向へ付勢しておき、ジェット推進器から導いた水をシリンダ内に流通させて当該水圧によりピストンを移動させることにより、排気制御バルブを開方向へ駆動する。
すなわち、ジェット推進器から導かれた水はシリンダ内を常に流通しており、船外から取り込んだ水を用いても水中の藻等がシリンダ内に詰まってしまうことがなく、当該シリンダ機構の動作状態が常に良好に維持される。
【0012】
また、本発明に係るジェット推進ボートでは、複数のシリンダを並列に配した多気筒の2サイクルエンジンを搭載している。そして、各気筒の排気ポート近傍に設けられた排気制御バルブを共通の枢軸に取り付けて揺動可能とし、前記水圧アクチュエータにより当該共通の枢軸を回転駆動することにより排気制御バルブを開閉駆動する。
すなわち、1つの水圧アクチュエータによって全ての排気制御バルブを駆動し、排気制御バルブの駆動機構が各気筒間で共用化されることによりコンパクト化されている。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態に係るジェット推進ボートを図面を参照して説明する。
図1には本実施形態に係る鞍乗り式のジェット推進ボートをその一部を破断して示し、図2にはそのA−A矢視断面の構造を示してある。
図示のように、船体1には、その略中央部に操舵ハンドル2が設けられ、この操舵ハンドル2の後部に鞍型の座席部3が設けられている。すなわち、乗員は座席部3上に跨って着座し(なお、図2に示すように乗員はステップ部に足を載せた状態となる。)、操舵ハンドル2を操作することにより、当該ジェット推進ボートを操縦する。
船体1は強化プラスチック(FRP)等から形成されたロアハルパネル4とアッパーハルパネル5とを上下から接合させた構造であり、内部に空間6が形成された浮力体構造となっている。なお、アッパーハルパネル5の座席部3の側部にあたる部分はステップ部7に形成され、空間6のステップ部7の下方にあたる部分には浮力体フロート8が充填されている。
【0014】
船体1内の空間6にはエンジン9等から成るパワーユニットが納められており、良好な操舵感を得るための船体重心位置や船体の後端部に設けられるジェット推進器10との配置関係等から、エンジン9は座席部3の下部に形成されている空間6に配設されている。
ジェット推進器10は、船底に開口した取水口11から船体後端に開口したジェットノズル12に至る流路を形成して、当該流路内にインペラ13を回転自在に収容し、このインペラ13をドライブシャフト14を介してエンジン9のアウトプットシャフト15に接続した構造である。なお、図1中に示す、16はドライブシャフト14を水密性をもって回転自在に支持するシール部材である。
したがって、エンジン9によりインペラ13が回転駆動されると、取水口11から取り入れられた水がジェットノズル12から勢いよく噴出され、これによって船体1が前方へ推進される。
【0015】
このジェット推進器10を更に詳細に説明すると、図3に示すように、インペラ13を筒形のインペラハウジング17内に軸受18を介して回転自在に収容し、このインペラハウジング17の後端に内径を絞ったジェットノズル12を接続してある。すなわち、インペラハウジング17は取水口11から取り入れられた水をジェットノズル12から噴出させるための流路を構成している。
また、ジェットノズル12の後端には垂直な枢軸ピン19を介してステアリングノズル20が左右に揺動可能に取り付けられており、このステアリングノズル20は図外のワイヤ機構を介して操舵ハンドル2に連結されている。すなわち、操舵ハンドル2の操作に応じてステアリングノズル20を左右に回動変位させることにより、噴出水の方向を変更してジェット推進ボートの進行方向を左右に変更することができる。
【0016】
また、ステアリングノズル20には椀形のリバーサー21が上下に揺動可能に設けられており、このリバーサー21を乗員の操作により下方に回動変位させてステアリングノズル20に正対させると、ステアリングノズル20から噴出された水の流れをリバーサー21によりほぼ180度反転させて、ジェット推進ボートを後進させることができる。
また、噴出水流の圧力が最も高まるジェットノズル12の細径部には取水孔22が形成されており、インペラ13の回転によって加圧された水の一部が取水孔22から取り入れられる。この取水孔22から取り入れられる水量は噴出水の流量(すなわち、ほぼ船速)に比例することとなるため、後述するように排気制御バルブの駆動制御に利用され、更には、エンジン冷却等にも利用される。
【0017】
上記したエンジン9は3つの気筒をクランクシャフトに対して並列に配した2サイクルエンジンであり、クランクシャフトを船体1の前後方向へ延設させて、座席部3の下部に形成される断面略逆錐形の空間6内に各気筒のシリンダ軸線を船底中央の逆錐形の頂部に指向する態勢で配設されている。
エンジン9は、クランクケース23の上方にシリンダブロック24とシリンダヘッド25とが順次重ねて一体に結合されており、クランクケース23をエンジンハンガ26に取り付け、エンジンハンガ26をマウンティングブロック27を介してロアハルパネル4に形成されたボス28に取り付けることにより、船体1に取り付けられている。
【0018】
エンジン9のシリンダブロック24に形成された3つのシリンダ孔29にはそれぞれピストン30が摺動自在に嵌装されており、各ピストン30はクランクシャフト31にコネクティングロッド32を介して連結されている。したがって、ピストン30の昇降に伴ってクランクシャフト31が回転駆動され、この回転駆動力がアウトプットシャフト15から出力されてインペラ13が回転駆動される。
【0019】
シリンダブロック24の一方の側面(図2中の左側面)には各気筒に対応して吸気ポート33が設けられており、これら吸気ポート33内にはそれぞれリードバルブ34が設けられている。各吸気ポート33には吸気パイプ35を介してそれぞれ気化器36が接続されており、気化器36の上流にはエアークリーナ37が接続されている。なお、気化器36には燃料タンク38からの燃料が供給されるようになっている。
したがって、操舵ハンドル2に付設されたスロットルレバー(図示せず)を操作することによりスロットルバルブの開度が調整され、エアークリーナ37からの空気に気化器36で燃料が混合され、当該混合気がリードバルブ34及び吸気パイプ33を介してクランクケース23内に供給される。
【0020】
シリンダブロック24の他方の側面(図2中の右側面)には各気筒に対応して排気ポート39が設けられており、これら排気ポート39内にはそれぞれ排気制御バルブ40が設けられている。これら排気制御バルブ40はシリンダ孔内に臨む排気開口の近くに揺動可能に設けられており、後述する水圧アクチュエータによって船速に応じて揺動駆動される。すなわち、船艇の運転状況に応じた最適な排気開口率となるように排気制御バルブ40が排気ポート39の開口面積を制御し、低速・低負荷運転時に排気ポート39を閉塞させて活性熱雰囲気燃焼を行わせ、燃費の向上や排気の清浄化を実現する。
【0021】
各排気ポート39は排気マニホルド41に接続されており、この排気マニホルド41を介して排気チャンバ42に集合接続されている。また、排気チャンバ42は船体後端部に設けられたサイレンサ(図示せず)に接続されており、排気ポート39からの排気が排気マニホルド41、排気チャンバ42、サイレンサを介して図外の排気口から船体1の外部へ排出されるようになっている。
なお、本実施形態では、排気マニホルド41は船体1の前方側(図1中の左方)へ向けて開口し、排気チャンバ42は先端がこの開口に接続されている。そして、排気チャンバ42は上方へ曲折された後に後方に延設されてサイレンサに接続されている。
【0022】
エンジン9を横断面で表す図4に詳示するように、上記した排気制御バルブ40は、略扇形の一対の板状部43の先端を横断面円弧状の弁板部44で連結した形状であり、シリンダブロック24の排気ポート上縁部に形成された縦断面円弧状の凹部24aに納められている。シリンダブロック24と排気マニホルド41との間には排気制御バルブの支持ブラケット45が介装固定されており、この支持ブラケット45には各排気ポート39を排気マニホルド41に連通させる通孔46が形成されている。支持ブラケット45は気筒間に亘って延在する枢軸47を回転自在に支持しており、この枢軸に各排気制御バルブの板状部41の基端部がビス48により取り付け固定されている。
したがって、各排気制御バルブ40を共通して支持する枢軸47をその軸線を中心として回転させることにより、これら排気制御バルブ40を開閉させて排気ポート39の開口率を略全閉から全開の間で変化させることができる。
【0023】
なお、図2に示すように、排気ポート39から延びる排気通路を排気マニホルド41へ向けて下方に曲折して形成して、排気ポート39の上縁部を迂回するようにしたため、上記のように排気ポート39の延在方向を横切る方向に枢軸47を配設することが可能となっている。そして、これによって、枢軸47の共通化が可能となり、排気制御バルブ40の支持構造が単純化してエンジン9の組立作業の容易化等が図られている。
また、図4に示すように、排気マニホルド41には冷却水を流通させるウオータジャケット49が形成され、シリンダブロック24にも当該ウオータジャケット49にパイプ50を介して連通して冷却水を流通させるウオータジャケット51が形成されている。
【0024】
また、各シリンダ孔29の上部には5つの掃気ポート52が形成されており、各掃気ポート52はシリンダブロック24を縦方向に貫く掃気通路53を介してクランクケース23内に連通している。
したがって、クランクケース23内に供給された混合気がピストン30の下降によって圧縮され、掃気通路53及び掃気ポート52を介してシリンダ内の燃焼室に圧送されるといった2サイクルエンジンにおける掃気動作が行われる。
【0025】
図4及び図5に示すように、シリンダブロック24の外側壁には水圧アクチュエータとしてのシリンダ装置55が取り付けられており、このシリンダ装置55のピストンロッド56はその先端で排気制御バルブの枢軸47に連結されている。
シリンダ装置55は、シリンダ本体57内にダイアフラム58を介してピストン59を摺動自在に収容し、このピストン59にシリンダ本体57から突出するピストンロッド56を取り付けたものである。
【0026】
そして、シリンダ本体57にはピストン59の受圧面が臨む圧力室60に流体を供給する流入ポート61と、圧力室60から流体を排出する流出ポート62とが形成されており、また、圧力室60からの水圧に抗する方向へピストン59を常に付勢するリターンスプリング63が設けられている。したがって、圧力室60に或る一定以上の水圧がかかると、ピストン59はリターンスプリング63に抗して移動し、ピストンロッド56を突出させる一方、当該水圧が或る一定未満に減少するとリターンスプリング63による復帰力でピストンロッド56を引込める動作を行う。
なお、本実施形態では、流入ポート61から供給された流体を圧力室60を通して流出ポート62から排出するようにしており、当該流体中に藻や塵等が混入していた場合にあってもこれら塵等が即座に排出されるため、シリンダ装置55の作動不良を来すことはない。
【0027】
ピストンロッド56の先端には側方へ突出したピン64が設けられている一方、枢軸47の端部には長孔65が形成されたレバー66が取り付け固定されている。ピストンロッドのピン64はレバーの長孔65内に係合しており、ピストンロッド56の移動によってレバー64と共に枢軸47が回転するようになっている。
すなわち、圧力室60に或る一定以上の水圧がかかってピストンロッド56が突出すると、レバー66が図5中の時計回り方向に回転して排気制御バルブ40が排気ポート39を100%の開口率にする一方、当該水圧が或る一定未満に減少してピストンロッド56が引込むと、レバー66が図5中の反時計回り方向に回転して排気制御バルブ40が排気ポート39を略全閉にする。
【0028】
図6に示すように、シリンダ装置55の圧力室60にはジェット推進器10の取水孔22から取り入れられた加圧水流が供給され、インペラ13の回転数が上昇して当該水流の圧力が上昇することにより、排気制御バルブ40が開方向へ駆動されて排気ポート39を100%の開口率にする。すなわち、インペラ13の回転数があまり高くない状態(すなわち、低速・低負荷時運転の状態)では、圧力室60に導かれる水流の圧力があまり高くはならず、リターンスプリング63の付勢力によって排気制御バルブ40が閉方向へ駆動され、排気ポート39を略全閉にして活性熱雰囲気燃焼の状態にする。
【0029】
ここで、本実施形態では、ジェット推進器10から取り入れられた加圧水流の一部は排気マニホルド41を介してエンジン9へ冷却水として供給され、エンジン9から排出された冷却水はサーモケース67を介して、船体1に設けられた排水口68から船外へ排水される。更にまた、本実施形態では、ジェット推進器10から取り入れられた加圧水流の一部は排気チャンバ42内に排水されて排気チャンバの冷却にも利用され、当該水は排気チャンバ42から排気と共に船外へ排水される。
【0030】
なお、図1中において、70は燃料タンク38に燃料を供給するためのフューエルリッドであり、71は潤滑オイルのタンクである。そして、本実施形態の2サイクルエンジン9は分離給油方式であり、エンジン9の先端部に設けられたオイルポンプ72をクランクシャフト31の回転で駆動することにより、潤滑油タンク71からエンジン9の各所に潤滑オイルを給油する。
【0031】
上記構成のジェット推進ボートは、ステップ7に足を乗せて座席部3に跨って着座した乗員が操舵ハンドル2を操作することにより操縦される。そして、船艇では容易に得ることができる水圧を利用して排気制御バルブ40を駆動する構造としたため、船体1内の限られた大きさの空間6に収容されるパワーユニットをコンパクトなものとすることができ、ジェット推進ボートに所期の機動性等を発揮させることができる。
【0032】
そして、低速・低負荷時を除く通常の運転状態では、排気制御バルブ40はジェット推進器10から導かれる加圧水流によって排気ポート39を全開状態としている。すなわち、エンジン9が吸気ポート33からクランクケース23内に供給された混合気をピストン30の下降に伴って掃気ポート52から燃焼室内に供給し、ピストン30の上昇によって混合気を圧縮して点火プラグにより点火燃焼させ、再びピストン30の下降によって既燃ガスを排気ポート33から排気するとともに掃気を行うといった通常の2サイクル行程を繰り返し行い、インペラ13を高速回転させて所定値以上の水圧でシリンダ装置55に加圧水を供給する。
【0033】
これに対して、インペラ13の回転速度が低速となる、或いは、アイドリング運転状態となる低速・低負荷運転の状態では、シリンダ装置55には所定値以上の水圧の加圧水は供給されない。このため、排気制御バルブ40が排気ポート39を略全閉状態とし、エンジン9に活性熱雰囲気燃焼で運転を維持させる。
すなわち、ジェット推進ボートの船速が或る値以下となると、エンジン9が過剰出力状態となってしまうことなく活性熱雰囲気燃焼状態に即座に切り換えられ、低速・低負荷運転における燃費の向上及び排気の浄化が実現される。
【0034】
なお、上記した実施形態では鞍乗り式小型船舶を示したが、本発明では船舶の形式に特に限定はない。
また、本発明は、気筒数を問わず排気制御バルブを備えた2サイクルエンジンに広く適用することができる。
また、上記した実施形態では水圧アクチュエータをシリンダ装置として示したが、本発明では水圧を排気制御バルブの開閉駆動力に変換し得るアクチュエータであればその形式に特に限定はない。
【0035】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によると、ジェット推進器から供給される水圧を利用して2サイクルエンジンの排気制御バルブを開閉駆動するようにしたため、排気制御バルブに係る駆動機構をコンパクト且つ低コストにて実現してジェット推進ボートに所期の性能を実現しつつ、正確な船速に基づいた排気制御バルブの開閉制御を行って、燃費向上や排気ガスの浄化を実現することができる。
また、本発明によると、ジェット推進器から供給される水を水圧アクチュエータ内を流通させるようにしたため、排気制御バルブを駆動する水圧アクチュエータの作動不良を防止することができる。
また、本発明によると、多気筒の2サイクルエンジンに対して、各排気制御バルブを共通の枢軸に取り付けて駆動するようにしたため、排気制御バルブの駆動機構をコンパクト且つ低コストにて実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るジェット推進ボートを一部破断して示す側面図である。
【図2】図1中のA−A矢視断面図である。
【図3】本発明の一実施形態に係るジェット推進器を示す断面側面図である。
【図4】本発明の一実施形態に係るエンジンを横断面して示す平面図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る水圧アクチュエータを示す断面側面図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る加圧水の供給系統を示す図面である。
【符号の説明】
1・・・船体、 9・・・2サイクルエンジン、 10・・・ジェット推進器、
22・・取水孔、 29・・・シリンダ孔、 39・・・排気ポート、
40・・・排気制御バルブ、 47・・・枢軸、
55・・・シリンダ装置(水圧アクチュエータ)、
56・・・ピストンロッド、 57・・・シリンダ本体、
59・・・ピストン、 61・・・流入ポート(流入口)、
62・・・流入ポート(流入口)、 63・・・リターンスプリング、
Claims (3)
- 2サイクルエンジンによってジェット推進器を駆動し、吸入した水をジェット推進器から噴出することにより船体を推進させるジェット推進ボートにおいて、
エンジンの運転状況に応じて排気開口率を変更させる排気制御バルブをエンジンの排気ポート近傍に設けるとともに、前記ジェット推進器から噴出される水により動作して該排気制御バルブを開閉駆動する水圧アクチュエータを設けたことを特徴とするジェット推進ボート。 - 請求項1に記載のジェット推進ボートにおいて、
前記水圧アクチュエータは、前記ジェット推進器から導いた水を取り込む流入口と当該水を排出する流出口とを有したシリンダと、シリンダ内に摺動自在に収容されたピストンと、ピストンを前記導かれた水に抗して付勢するリターンスプリングと、を備え、
前記ジェット推進器から導いた水をシリンダ内に流通させて当該水圧によりピストンを移動させることにより、当該ピストンに連結された排気制御バルブを開閉駆動することを特徴とするジェット推進ボート。 - 請求項1又は請求項2に記載のジェット推進ボートにおいて、
前記エンジンは複数のシリンダを並列に配した多気筒エンジンであり、各気筒の排気ポート近傍に設けられた排気制御バルブを共通の枢軸に取り付けて揺動可能とし、前記水圧アクチュエータにより当該共通の枢軸を回転駆動することにより排気制御バルブを開閉駆動することを特徴とするジェット推進ボート。
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