JP3816582B2 - デマンド監視装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は電力管理に用いられるデマンド監視装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電力会社と使用電力量を契約した需要家においては、デマンド時間毎の平均使用電力量が契約電力量を超過することを防止するため、電力会社より渡される電力パルスからサンプリング時間毎に予測電力量を演算し、デマンド監視を行っている。
【0003】
図4はかかる従来の電力管理に用いられるデマンド監視装置の主要部を示すブロック構成図である。
図4に示すように電力会社より渡される電力パルスは、電力パルス入力装置1に入力され、この電力パルスを取込んでサンプリング周期設定装置2によって設定されたサンプリング周期毎にパルス電力演算装置3により演算して使用電力量を求め、この使用電力量をもとに予測電力演算装置4によりデマンド開始からの使用電力量の実績値とサンプリング周期内に使用した電力量から予測演算を行って次のサンプリング周期までの予測電力量を求めている。そして、この予測電力演算装置4で求められた予測電力量は現在の使用電力量と共に、現在及び予測電力表示装置5に表示され、また予測電力演算装置4で予測電力量が契約電力量を超過する恐れがあると判断された場合には制御出力装置6により警報等の出力が送出される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このような構成のデマンド監視装置において、パルス電力演算装置3により使用電力量を求める場合、サンプリング周期内の電力量をパルス数に1パルス当りの重みを乗算して求めているが、この1パルス当りの重み(パルスレート)が大きいと数回のサンプリング周期の間パルス入力がなくなり、その後に大きな電力使用量としてパルスが入力されるため、パルスが入力される度に契約電力量を超過する恐れがあると判断され、警報等の制御出力が送出されることがあった。
【0005】
本発明は上記のような問題点を解消するためなされたもので、電力パルスのパルスレートが大きいときでも、不必要な警報等の制御出力の送出を防止でき、且つきめ細かく使用電力量を求めることができるデマンド監視装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記のような目的を達成するため、次のような手段によりデマンド監視装置を構成するものである。
請求項1に対応する発明は、電力会社より渡される電力パルスが入力される電力パルス入力手段と、電力会社と契約する受電電力を越えないように電力量を予測演算するための時間間隔を設定するサンプリング周期設定手段と、このサンプリング周期設定手段によって設定されたサンプリング周期毎に前記電力パルス入力手段より入力される電力パルスの有無を検出し、電力パルスが検出されると前回の電力パルスが検出されてから今回の電力パルスが検出されるまでの経過時間に基づいてパルス入力周期を演算する入力周期演算手段と、この入力周期演算手段によって演算されたパルス入力周期の間に前記電力パルス入力手段から入力されたパルス数に基づいて電力量を演算するパルス電力演算手段と、前記入力周期演算手段によって演算されたパルス入力周期と前記パルス電力演算手段によって演算されたパルス入力周期の間に使用した電力量から予測電力を演算する予測電力演算手段と、この予測電力演算手段によって演算された予測値と現在の電力を表示する現在及び予測電力表示手段と、前記予測電力演算手段により契約電力を超過又は超過する恐れがあると判定されると警報等の制御出力を送出する制御出力手段とを備える構成とする。
【0007】
従って、請求項1に対応する発明のデマンド監視装置にあっては、入力周期演算手段によるサンプリング周期を可変にし、電力会社より渡される電力パルスの入力のないサンプリング周期分は電力パルスの入力があった時点での平均として処理されるので、電力パルスのパルスレートが大きいときでも不必要な警報等の制御出力の送出が防止できる。
【0008】
請求項2に対応する発明は、請求項1記載のデマンド監視装置において、使用電力がアナログ値として入力される電力値入力手段と、この電力値入力手段によって入力された電力値をサンプリング周期設定手段によって設定時間毎に積算処理して電力量を演算する積算電力演算手段と、この積算電力演算手段の予測積算電力から仮の予測電力演算を行う仮予測電力演算手段とを設け、電力パルス入力手段よりサンプリング周期設定手段によって設定された時間間隔に電力パルスが入力されない場合でも、詳細な予測演算を可能とする。
【0009】
従って、請求項2に対応する発明のデマンド監視装置にあっては、電力値入力手段によって電力値を入力し、積算電力演算手段によって使用電力を求め、電力会社より渡される電力パルスの入力がないサンプリング周期分の電力として仮予測電力演算手段により予測演算を行うことにより、必要のない制御出力を抑えると共に、より細かい制御を実現することが可能となる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は本発明によるデマンド監視装置の第1の実施の形態を示すブロック構成図で、図4と同一部分には同一符号を付して説明する。
【0011】
図1において、1は電力会社より渡される電力パルスが入力される電力パルス入力装置、2は電力会社と契約する受電電力を越えないように電力量を予測演算するための時間間隔を設定するサンプリング周期設定装置、7はこのサンプリング周期設定装置2によって設定されたサンプリング周期毎に電力パルス入力装置1より入力される電力パルスの有無を検出して電力パルスが入力されてから次の電力パルスが入力されるまでのパルス入力周期を演算する入力周期演算装置である。
【0012】
また、3はこの入力周期演算装置7によって演算されたパルス入力周期間に電力パルス入力装置1から入力されたパルス数を演算するパルス電力演算装置、4は入力周期演算装置7によって演算されたパルス入力周期とパルス電力演算装置3によってパルス入力周期間に使用した電力量から予測電力量を演算する予測電力演算装置である。
【0013】
さらに、5はこの予測電力演算装置4によって演算された予測値と現在の電力量を表示する現在及び予測電力表示装置、6は予測電力演算装置4により契約電力量を超過する恐れがあると判定されると警報等の制御出力を送出する制御出力装置である。
【0014】
次に上記のように構成されたデマンド監視装置の作用を図2に示すタイムチャートにより説明する。
いま、電力パルス入力装置1に電力会社より渡される電力パルスが入力されているものとする。また、サンプリング周期設定装置2より予め設定されたサンプリング周期(T)でサンプリング信号が出力されているものとする。
【0015】
このとき、入力周期演算装置7はサンプリング周期設定装置2より入力されたサンプリング周期(T)の間に電力パルス入力装置1からパルス入力があるかどうかを検出し、パルス入力の検出がなければ前回検出してからの経過時間を積算する。また、パルス入力を検出すると、パルス電力演算装置3にトリガ信号を出力し、予測電力演算装置4にパルス入力の検出があったときの経過時間であるパルス入力周期T´を予測電力演算装置4に出力する。
【0016】
一方、入力周期演算装置7よりパルス電力演算装置3にトリガ信号が与えられると、このパルス電力演算装置3はパルス入力周期T´の間のパルス数とパルスレートから電力量を演算し、予測電力演算装置4に受け渡す。この予測電力演算装置4では、パルス入力周期T´を従来のサンプリング周期間の電力量と置換え、従来通りの演算で予測演算を行う。
【0017】
このようにして予測電力演算装置4により求められた予測電力量はパルス電力演算装置3により求められた使用電力量と共に、現在及び予測電力表示され、また予測電力演算装置4により予測電力量が契約電力量を超過する恐れがあると判断された場合には制御出力装置6により警報等の出力が送出される。
【0018】
従って、上述した第1の実施の形態によれば、入力される電力パルスによって予測演算の演算周期を可変にしているため、電力パルスのパルスレートが大きいときでも不必要に警報等の制御出力が出されるようなことがなくなる。
【0019】
即ち、図2に示す予測電力量の推移からも分かるように、従来のパルス入力のみの演算では、サンプリング周期Tの間にパルス入力がないときに電力を使用しているのか、使用していないのかかが分からず、次にパルスが入ったときに短時間で大きな電力を使用しているような電力計算になることがあったが、上記第1の実施の形態ではパルス入力がないときは前回の電力値を用いた予測計算を行って、次に電力パルスが入るときまで計算値による予測を行い、電力パルスが入ったときは前回パルスが入った周期からの時間での平均電力を求めて実測値による予測計算に更新するようにしているので、電力パルスのパルスレートが大きいときでも不必要に警報等の制御出力が出されるようなことがなくなる。
【0020】
図3は本発明によるデマンド監視装置の第2の実施の形態を示すブロック構成図であり、図1と同一部分には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる点についてのみ述べる。
【0021】
第2の実施の形態では、図3に示すように入力周期演算装置7より出力されるトリガにより可変されるパルス入力周期T´の間に需要家で使用されている電力を図示しない測定器によりアナログ値として電力値入力装置8に取込んで、この電力値入力装置8より積算電力演算装置9にアナログ値である電力値を入力し、この積算電力演算装置9によりサンプリング周期設定装置2によって設定時間毎に積算処理して電力量を演算し、この積算電力量を仮予測電力演算装置10に入力して予測演算を行うようにしたものである。
【0022】
このような構成のデマンド監視装置において、電力値入力装置8により電力パルスとは別に実際に測定された電力値をアナログデータとして入力し、積算電力演算装置9によってサンプリング周期設定装置2によって設定されたサンプリング周期Tの間積算処理してサンプリング周期内の使用電力量を演算する。この積算電力演算装置9によって演算された使用電力量は、仮予測電力演算装置10により予測電力演算装置4と同様に予測演算される。
【0023】
この場合、予測電力演算装置4は第1の実施の形態で示したように電力会社から渡される電力パルスを元に演算しているため、パルス入力周期毎に演算された結果を正とし、現在及び予測電力表示装置5での表示はパルス入力周期毎に再表示される。
【0024】
このように第2の実施の形態によれば、電力会社から渡される電力パルスが入力されない間は実際に測定されたアナログ値の電力値を使用して予測演算するようにしたので、より細かい制御が可能である。
【0025】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、電力パルスのパルスレートが大きいときでも、不必要な警報等の制御出力の送出を防止でき、且つきめ細かく使用電力値を求めることができるデマンド監視装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるデマンド監視装置の第1の実施の形態を示すブロック構成図。
【図2】同実施の形態における作用を説明するためのタイムチャート。
【図3】本発明によるデマンド監視装置の第2の実施の形態を示すブロック構成図。
【図4】従来のデマンド監視装置の代表例を示すブロック構成図。
【符号の説明】
1……電力パスル入力装置
2……サンプリング周期設定装置
3……パルス電力演算装置
4……予測電力演算装置
5……現在及び予測電力表示装置
6……制御出力装置
7……入力周期演算装置
8……電力値入力装置
9……積算電力演算装置
10……仮予測電力演算装置
Claims (2)
- 電力会社より渡される電力パルスが入力される電力パルス入力手段と、電力会社と契約する受電電力を越えないように電力量を予測演算するための時間間隔を設定するサンプリング周期設定手段と、このサンプリング周期設定手段によって設定されたサンプリング周期毎に前記電力パルス入力手段より入力される電力パルスの有無を検出し、電力パルスが検出されると前回の電力パルスが検出されてから今回の電力パルスが検出されるまでの経過時間に基づいてパルス入力周期を演算する入力周期演算手段と、この入力周期演算手段によって演算されたパルス入力周期の間に前記電力パルス入力手段から入力されたパルス数に基づいて電力量を演算するパルス電力演算手段と、前記入力周期演算手段によって演算されたパルス入力周期と前記パルス電力演算手段によって演算されたパルス入力周期の間に使用した電力量から予測電力を演算する予測電力演算手段と、この予測電力演算手段によって演算された予測値と現在の電力を表示する現在及び予測電力表示手段と、前記予測電力演算手段により契約電力を超過又は超過する恐れがあると判定されると警報等の制御出力を送出する制御出力手段とを備えたことを特徴とするデマンド監視装置。
- 請求項1記載のデマンド監視装置において、使用電力がアナログ値として入力される電力値入力手段と、この電力値入力手段によって入力された電力値をサンプリング周期設定手段によって設定された周期毎に積算処理して電力量を演算する積算電力演算手段と、この積算電力演算手段の予測積算電力から仮の予測電力演算を行う仮予測電力演算手段とを設け、
電力パルス入力手段よりサンプリング周期設定手段によって設定された周期に電力パルスが入力されない場合でも、詳細な予測演算を可能としたことを特徴とするデマンド監視装置。
Priority Applications (1)
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JP16578296A JP3816582B2 (ja) | 1996-06-26 | 1996-06-26 | デマンド監視装置 |
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JP16578296A JP3816582B2 (ja) | 1996-06-26 | 1996-06-26 | デマンド監視装置 |
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Families Citing this family (2)
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- 1996-06-26 JP JP16578296A patent/JP3816582B2/ja not_active Expired - Fee Related
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