JPH05168154A - デマンド監視装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 本発明は、電力サンプリング周期毎に電力デ
ータのアナログ値を入力するアナログ入力処理機能と、
現在電力値とアナログ値とを入力し、単位電力量パルス
の絶対数によって現在電力値又はアナログ値のいずれか
を現在電力算出処理機能に引き渡す選択回路と、を備え
たデマンド監視装置である。 【効果】 本発明により、電力消費の少ない時間帯でも
精度が高く、効率の良いデマンド監視制御が可能であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、制御用計算機を用いた
デマンド監視装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】デマンド監視装置とは、例えば１５分・
３０分・６０分などのデマンド周期内で１分ごとに、受
電電力が負荷の使用状況により契約電力を超過すること
の無いように、絶えず予測監視し、超過する恐れがある
時または、超過したときには警報を出力しオペレータに
注意を促すものであり、従来技術では、電力量（ＷＨ）
パルスのみによって、デマンド監視を行っていた。そし
て、デマンド周期は３０分を使用しているが、これは、
電力会社との契約そのものが３０分に使用される電力量
（ＷＨ）に基づいたものだからであるし（例えば契約電
力が５０００ＫＷだとすると、３０分間に使用してよい
契約電力量は２５００ＫＷＨとなる）、また、世間に出
回っている安価なデマンド監視装置が入力信号を電力量
パルスのみにすることによって、外線接続コストを含め
て価格を抑えているからである。

【０００３】しかし、電力消費が多い時間帯なら良い
が、電力消費が少ない時間帯には次のような問題が発生
する。

【０００４】例えば、電力量パルスが“１０ＫＷ／Ｐ”
（１パルス当たり１０ＫＷＨ）で、契約電力が５０００
ＫＷで、契約電力の６％しか消費しない時間帯について
説明する。

【０００５】契約電力の１００％を消費していたとする
と、１時間に５０００ＫＷＨで、デマンド周期（３０分
間）に２５００ＫＷＨ消費し、よって２５０パルスが発
生することになり、デマンド監視周期（１分間）に８．
３パルスの割合となる。

【０００６】契約電力の６％しか消費していなかったと
すると、１時間に３００ＫＷＨで、デマンド周期（３０
分間）に１５０ＫＷＨ消費し、よって１５パルスが発生
することになり、デマンド監視周期（１分間）に０．５
パルスの割合（すなわち２分に１パルスしか発生しな
い）となる。

【０００７】図５はこのような電力消費の少ない時間帯
におけるデマンド監視の例である。

【０００８】図５において、パルス積算時間（Δｔ）を
６０秒、パルス入力からデマンド監視までの時間（Δｔ
ａとΔｔｂ）を１秒として説明する。

【０００９】デマンドスタートＤＳ（ｔ＝０）において
は、デマンド監視自体無意味であるし現在電力Ｗｔの算
出も意味がない。

【００１０】ｔ＝１においては、Δｔ間に発生したパル
スは０、よってΔＴ＝０（算出不能のため）、Ｗｔ＝０
となる。

【００１１】ｔ＝２においては、Δｔ間に発生したパル
スは１（Ｐ１）、よってΔＴ＝１１９、Ｗｔ＝３００と
なる。

【００１２】ｔ＝３においては、Δｔ間に発生したパル
スは０、よってΔＴ＝０（算出不能のため）、Ｗｔ＝０
となる。

【００１３】ｔ＝４においては、Δｔ間に発生したパル
スは１（Ｐ２）、よってΔＴ＝１２０秒、Ｗｔ＝３００
となる。

【００１４】以降ｔ＝１の場合とｔ＝２の場合の状況
が、交互に発生する。つまり（ｔ＝０の場合を除く）、
０ＫＷ→３００ＫＷ→０ＫＷ→３００ＫＷ………と現在
電力Ｗｔの演算結果がブレてしまうことになる。

【００１５】しかし、このような状況は、中小ビルにお
ける深夜の消費電力状況や工場の休業時間中の種皮電力
状況にほかならない。すなわち、第６図は、１０ＫＷＨ
／Ｐの重みを持ったパルスが、２分に１発発生するとい
う、５０００ＫＷの契約電力で６％の３００ＫＷ消費し
ている状況なのである。

【００１６】

【発明が解決しようとする課題】このように、その契約
電力に比べて極端に少ない電力消費時間帯においては、
実際の状況と異なった、状態で監視してしまう状況が発
生する。

【００１７】もっとも消費電力が少ないことは、とりも
なおさず、デマンド監視の警報が出力されることのない
状況なので、デマンド監視機能そのものへの悪影響はな
いのであるが、安価なデマンド監視装置でなく、高価な
制御用計算機を用いて、デマンド監視機能を実装してＣ
ＲＴへ表示している場合には、０ＫＷ→３００ＫＷ→０
ＫＷ→３００ＫＷ………という現在電力Ｗｔのブレは、
ユーザのメーカに対する不信感を生じさせてしまうこと
にもなりかねず、解消したい問題である。

【００１８】本発明は、受電点の電力量（ＷＨ）パルス
だけでなく電力（Ｗ）をも使用することによって、その
契約電力に比べて極端に少ない電力消費時間帯において
も、実際の状況と同じ状況を監視できるデマンド監視装
置を提供することを目的としている。

【００１９】

【課題を解決するための手段】本発明は、単位電力量パ
ルスを入力し計数処理するパルス入力処理機能と、パル
ス積算時間内に入力される単位電力量パルスの数から移
動平均値を求めて現在電力値を算出する現在電力算出処
理機能と、デマンド監視開始から予め定めた時間帯に入
力される単位電力量パルスの積算値を用いて使用電力量
を算出する使用電力量算出処理機能と、デマンド周期か
ら予め定めた時間帯を差し引いて残り時間を算出する残
り時間算出処理機能と、残り時間と契約電力量とから残
り時間中に使用可能な電力を算出する使用可能電力算出
処理機能と、残り時間中に調整すべき電力を算出する調
整電力算出処理機能と、デマンド周期の完了時におけ需
要電力を予測する予測需要電力算出処理機能と、電力サ
ンプリング周期毎に電力データのアナログ値を入力する
アナログ入力処理機能と、現在電力値とアナログ値とを
入力し、単位電力量パルスの絶対数によって現在電力値
又は前記アナログ値のいずれかを現在電力算出処理機能
に引き渡す選択回路と、を具備してなるデマンド監視装
置である。

【００２０】

【作用】本発明のデマンド監視装置においては、単位電
力量パルスを入力して計数処理し、パルス積算時間内に
入力される単位電力量パルスの数から移動平均値を求め
て現在電力値を算出し、デマンド監視開始から予め定め
た時間帯に入力される単位電力量パルスの積算値を用い
て使用電力量を算出し、デマンド周期から予め定めた時
間帯を差し引いて残り時間を算出し、残り時間と契約電
力量とから残り時間中に使用可能な電力を算出し、残り
時間中に調整すべき電力を算出し、デマンド周期の完了
時における需要電力を予測し、電力サンプリング周期毎
に電力データのアナログ値を入力し、現在電力値とアナ
ログ値とを入力し、単位電力量パルスの絶対数によって
現在電力値又はアナログ値のいずれかを現在電力算出処
理機能に引き渡す。

【００２１】

【実施例】次に本発明の一実施例を説明する。図１は、
単位電力量パルスを入力し計数処理するパルス入力処理
部１１と、パルス積算時間内に入力される単位電力量パ
ルスの数から移動平均値を求めて現在電力値を算出する
現在電力算出処理部１２と、デマンド監視開始から予め
定めた時間帯に入力される単位電力量パルスの積算値を
用いて使用電力量を算出する使用電力量算出処理部１３
と、デマンド周期から予め定めた時間帯を差し引いて残
り時間を算出する残り時間算出処理部１４と、残り時間
と契約電力量とから残り時間中に使用可能な電力を算出
する使用可能電力算出処理部１５と、残り時間中に調整
すべき電力を算出する調整電力算出処理部１６と、デマ
ンド周期の完了時における需要電力を予測する予測需要
電力算出処理部１７と、電力サンプリング周期毎に電力
データのアナログ値を入力するアナログ入力処理部２１
と、現在電力値とアナログ値とを入力し、単位電力量パ
ルスの絶対数によって現在電力値又はアナログ値のいず
れかを現在電力算出処理部１２に引き渡す選択回路１２
ａと、を具備してなるデマンド監視装置であり、制御用
計算機を用いた監視装置において、その契約電力に比べ
て極端に少ない電力消費時間帯においても、その状況を
正しく監視するために、データとして電力量（ＷＨ）パ
ルスだけでなく電力（Ｗ）を使用することを特徴とする
デマンド監視装置で、電力消費の多いときは電力量デー
タ（ＷＨ）を、電力消費の少ないときは電力データ
（Ｗ）を、自動的に切り換えて現在電力（Ｗｔ）算出に
使用する機能を実装するものである。

【００２２】第２図は、かかるデマンド監視装置の動作
原理説明図であり、デマンド周期終了時点（３０分経過
時）で予測される電力使用量Ｗ’ｄ（１／２Ｗｄ）を契
約電力分の電力量Ｗ’ｓ（１／２Ｗｓ）に制御するため
には、残り時間ｔｒの間に、現在電力Ｗｔを調整しなけ
ればならない。

【００２３】デマンドスタートからｔ分経過した時点よ
り遡ることのパルス積算時間Δｔ間に入力される受電点
の単位電力量パルスの数から求めた現在電力をＷｔ、残
り時間に使用可能な平均使用可能電力をＷｒとすると、
調整電力Ｗｃは次の式で表される。

【００２４】 調整電力Ｗｃ＝現在電力Ｗｔ−使用可能電力Ｗｒ この調整電力Ｗｃが正の時は、契約電力を超過する恐れ
があるため、警報を出力する。（もっともＷｃが正でも
頻繁なる警報出力を防ぐ目的で、不感帯などの条件を持
たせる場合が一般的である）次に、現在電力Ｗｔとは、
パルス積算時間Δｔ内に入力される単位電力量パルスの
数から移動平均で求めるものである。

【００２５】図３は、現在電力の算出方法を示すための
説明図であり、パルス積算時間Δｔ内に発生したパルス
数を基本とし、できるだけ正確な現在電力Ｗｔを求める
ためにΔｔの開始前に発生したパルスまでの時間Δｔａ
とΔｔの終了前に発生したパルスまでの時間Δｔｂを加
味した移動平均を行っている。

【００２６】 ΔＴ＝Δｔ＋Δｔａ−Δｔｂ ［秒］ Ｗｔ＝ｎ０×Ｐ０／ΔＴ×３６００［Ｗ］ ここでΔｔａはΔｔの開始前に発生したパルスまでの時
間、ΔｔｂはΔｔの終了前に発生したパルスまでの時
間、ｎは受電点の単位パルス数、Ｐ０は受電点の単位電
力量である。

【００２７】例えば、第３図でΔｔ＝１２０秒、ｐ０＝
１０ＫＷＨとするとＷｔ＝４×１０／１２０×３６００
＝１２００ＫＷとなる。

【００２８】尚、図３において、Ａはパルス積算チェッ
クポイント、Ｂはデマンド監視時点パルス積算チェック
ポイントであり、現在電力は、パルス積算時間Δｔ内に
入力されるパルス量から求め、パルス間隔に合わせて設
定するが、この値が小さいと現在電力の変化がパルス間
隔に対して敏感になり、大きくすると鈍くなるので、負
荷の変動が激しい場合はこの値を適度に大きくすること
により平均化され、警報の多発を防ぐことができる。

【００２９】また、使用電力量Ｐｔとは、デマンド監視
開始（すなわち０分）からｔ分までの間に使用された電
力量であり、その間に入力される単位電力量パルスの数
から求める。即ち、受電点の単位パルス数をｎ受電点の
単位電力量をＰｏとすると Ｐｔ＝ｎ×Ｐｏで求められる。

【００３０】残り時間ｔｒとは、デマンド周期終了まで
の残り時間である。

【００３１】ｔｒ＝３０−ｔ 使用可能電力Ｗｒとは、デマンド周期終了時に契約電力
を１００％使用するための電力であり、Ｐｒを残り電力
量（＝Ｗｓ／２−Ｐｔ）とすると Ｗｒ＝（２×Ｐｒ）／（２×ｔｒ／６０） ＝Ｐｒ／ｔｒ×６０である。

【００３２】調整電力Ｗｃとは、残り時間で契約電力量
にするための調整すべき電力である。

【００３３】Ｗｃ＝Ｗｔ−Ｗｒ 予測需要電力Ｗｄとは、デマンド周期完了時における電
力の予測値で、契約電力から調整電力と調整電力と残り
時間率だけずれた値となる。

【００３４】 Ｗｄ＝Ｗｓ＋Ｗｃ×（２×ｔｒ／６０） ＝Ｗｓ＋Ｗｃ／３０×ｔｒ 図１において、受電点の電力量メータから制御用計算機
１のパルス入力処理部１１へ入力する。パルス入力処理
部１１は、パルスの入力ごとに処理し、パルス積算時間
内（すなわち次デマンド監視周期から遡ることのΔｔ内
かの判定による）かどうかによって、パルス積算時間内
のパルスのカウントを更新する。

【００３５】またΔｔａ・Δｔｂを算出するための短周
期カウンターを０にリセットする。短周期カウンター
は、別のプログラムで、例えば１００ｍ秒ごとに１ずつ
カウントアップするものとし、次の処理で使用する。こ
の更新周期が短いほど、ΔＴが正確になり引いてはＷｔ
が正確になる。

【００３６】そして、次からの処理は、デマンド監視周
期ごと、すなわち１分ごとに行う。

【００３７】次に、現在電力算出処理部１２において、
前のパルス入力処理部１１で求めた、パルス積算時間Δ
ｔ内のパルス数と、短周期カウンターによって求めたΔ
Ｔ、とによって現在電力Ｗｔを算出する。

【００３８】ΔＴを求めるための、ΔｔａとΔｔｂの算
出手順は、パルス入力されるまで更新される短周期カウ
ンターの値を、現在電力算出処理部１２において、デマ
ンド監視周期（１分）ごとに、前回値をΔｔａとし今回
値をΔｔｂとすることによって求めるものである。

【００３９】次に、使用電力量算出処理部１３におい
て、デマンド監視スタートから経過時間ｔまでに発生し
たパルス数から使用電力量Ｐｔを算出する。

【００４０】次に、残り時間算出処理部１４において、
デマンド監視周期完了までの残り時間ｔｒを算出する。

【００４１】次に、使用可能電力算出処理部１５におい
て、残り時間ｔｒと残り時間ｔｒに使用できる電力量か
ら使用可能電力Ｗｒを算出する。

【００４２】次に、調整電力算出処理部１６において、
現在電力Ｗｔと使用可能電力Ｗｒから調整電力Ｗｃを算
出する。

【００４３】次に、予測需要電力算出処理部１７におい
て、デマンド周期完了時点（すなわち残り時間ｔｒ＝
０）における電力値、すなわち予測需要電力Ｗｄを算出
する。この値は、図２のようなグラフをＣＲＴのような
表示装置に表示するために必要なものである。

【００４４】最後に、判定＆警報出力処理部１８で、調
整電力Ｗｃが正かどうかによって、警報を出力するかど
うか判定し、出力すべきと判定したなら出力する。もっ
とも調整電力Ｗｃが正でも頻繁なる警報出力を防ぐ目的
で、不感帯などの条件を持たせる場合が一般的である。

【００４５】アナログ入力処理部１２は、電力（Ｗ）サ
ンプリング周期ごと（例えば１秒：設定値として、オペ
レータに解放する）に、電力データを入力し内部に蓄え
る。そして、現在電力算出処理部１２で、パルス数の多
い少ないによって、電力量データを使用するか、電力デ
ータを使用するか判断して、現在電力Ｗｔを算出する。

【００４６】次に、図１に示した現在電力算出処理部１
２のプログラムについて、その一例を図のフローチャー
トに従って説明する。

【００４７】図４の“パルス積算時間中のパルス数を取
り込み”処理４１においては、パルス入力処理部１１で
算出しているパルス積算時間（Δｔ）中の発生パルス数
を取り込む。

【００４８】“パルス頻度は高いか”判定処理４２にお
いては、上記で求めたパルス数と、算出方法切り換え用
パルス数（パルス積算時間Δｔ内に何パルス以上発生し
ないと電力データによって現在電力を算出するか決定す
るためのデータ：設定値としてオペレータに解放する）
との比較によって、電力量データによって現在電力Ｗｔ
を算出するか、電力Ｗによって現在電力Ｗｔを算出する
か判定する。

【００４９】４３は“ΔＴ算出”処理、４４は“現在電
力（Ｗｔ）算出”処理である。

【００５０】“ΣＷとサンプル数算出”処理４５におい
ては、アナログ入力処理部２１でそのサンプリング周期
に従ってサンプリングされた、電力データに基づいて、
センサー異常を起こしていない電力データの合計ΣＷと
その個数（サンプル数）を算出する。

【００５１】“現在電力（Ｗｔ）算出”処理４６におい
ては、上記で求めた合計ΣＷとサンプル数から現在電力
を算出する。（Ｗｔ＝ΣＷ／（サンプル数）

【００５２】

【発明の効果】本発明のデマンド監視装置によれば、そ
の契約電力に比べて極端に少ない電力消費時間帯におい
ても、その状況を正しく監視するために、現在電力算出
データとして電力量ＷＨと電力Ｗを自動的に切り換えて
使用することによって、精度の高いデマンド監視装置を
提供できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示すデマンド監視処理のブ
ロック構成図である。

【図２】デマンド監視機能の動作原理の説明図である。

【図３】電力量パルスから現在電力を求める際に使用す
るΔＴを算出する説明図である。

【図４】現在電力算出処理部のフローチャート説明図で
ある。

【図５】従来のデマンド監視装置の現在電力算出の説明
図である。

【符号の説明】

１１ パルス入力処理部 １２ 現在電力算出処理部 １２ａ 選択回路 １３ 使用電力量算出処理部 １４ 残り時間算出処理部 １５ 使用可能電力算出処理部 １６ 調整電力算出処理部 １７ 予測需要電力算出処理部 ２１ アナログ入力処理部

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 単位電力量パルスを入力し計数処理する
   パルス入力処理機能と、パルス積算時間内に入力される
   前記単位電力量パルスの数から移動平均値を求めて現在
   電力値を算出する現在電力算出処理機能と、デマンド監
   視開始から予め定めた時間帯に入力される前記単位電力
   量パルスの積算値を用いて使用電力量を算出する使用電
   力量算出処理機能と、デマンド周期から前記予め定めた
   時間帯を差し引いて残り時間を算出する残り時間算出処
   理機能と、前記残り時間と契約電力量とから前記残り時
   間中に使用可能な電力を算出する使用可能電力算出処理
   機能と、前記残り時間中に調整すべき電力を算出する調
   整電力算出処理機能と、前記デマンド周期の完了時にお
   ける需要電力を予測する予測需要電力算出処理機能と、
   電力サンプリング周期毎に電力データのアナログ値を入
   力するアナログ入力処理機能と、前記現在電力値と前記
   アナログ値とを入力し、前記単位電力量パルスの絶対数
   によって前記現在電力値又は前記アナログ値のいずれか
   を前記現在電力算出処理機能に引き渡す選択回路と、を
   具備してなるデマンド監視装置。