JP3816365B2 - 差動式分布型熱感知器の試験装置 - Google Patents

差動式分布型熱感知器の試験装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、警戒区域の室内等に敷設された空気管内部の空気圧の変化によって火災の発生を感知する差動式分布型熱感知器(以下、単に「熱感知器」という)の試験装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図6は、従来の熱感知器の構成図である。
この熱感知器は、比較的広い部屋等の火災を検出するもので、部屋の天井等に張られた空気管1Aと、この空気管1Aの内部の空気圧の上昇に基づいて火災の発生を判定して発報信号OUTを出力する熱感知ユニット1Bとで構成されている。
【0003】
熱感知ユニット1Bは、コック部2、ダイヤフラム3、及び接点4,5を備えている。コック部2は、試験調整時に空気の通路を切り替えるための切替弁2aを有すると共に、空気管1Aを接続するための空気管接続孔P1,P2、ダイヤフラム3を接続するためのダイヤフラム接続孔F、試験用の空気を注入するための試験孔T、及び緩慢な温度変化に対して空気管1A内の空気圧を大気圧に合わせるためのリーク孔Lが設けられている。そして、切替弁2aの位置によって、各孔の間の空気の通路が切り替えられるようになっている。尚、図中のコック部2は、切替弁2aが通常監視位置にあって、空気管接続孔P1,P2、ダイヤフラム接続孔F、及びリーク孔Lが内部で接続された状態を示している。
【0004】
ダイヤフラム3は、弾力性のある薄い金属板で作られたもので、火災等の発生で空気管1A内部の空気が急激に膨脹したときに、その位置が変位するようになったものである。ダイヤフラム3の中央部には接点4が設けられ、この接点4に対向して調整可能な固定接点5が配置されている。
【0005】
熱感知器は、火災の発生を早期に感知して通報することによって被害を最小限に抑えるためのものであり、その確実な感知動作を保証するために規定値が定められている。そして、その規定値を満たすように、定期点検が義務付けられている。
【0006】
図7(i)〜(iv)は、図6の熱感知器の試験方法を示す説明図である。定期点検等において、次の(i)〜(iv)のような試験が行われる。
(i) ポンプ試験
コック部2の切替弁2aをポンプ試験位置に切り替え、空気管接続孔P1、ダイヤフラム接続孔F、及びリーク孔Lの間の内部通路を構成すると共に、空気管接続孔P2及び試験孔Tの間の内部通路を構成する。また、空気管接続孔P1,P2に空気管1Aの両端を接続すると共に、試験孔Tに注射器等の試験ポンプTPを接続する。この状態で試験ポンプTPから試験孔Tに作動空気圧に相当する空気を注入し、これによって、ダイヤフラム3が変位して接点4,5がオンとなるまでの作動時間と、復旧するまでの復旧時間を測定する。これらの時間が所定時間範囲内であれば正常、所定時間範囲外であれば異常と判断し、異常箇所を調査する。
【0007】
(ii) 流通試験
切替弁2aの位置を流通試験位置(ポンプ試験位置と同じ)に設定し、空気管接続孔P2及び試験孔Tの間の内部通路を構成する。空気管接続孔P2に空気管1Aの一端を接続すると共に、試験孔Tに試験ポンプTPを接続する。また、空気管1Aの他端に、マノメータ等の圧力計Mを接続する。この状態で試験ポンプTPから試験孔Tに所定の空気を注入し、空気管1Aに接続された圧力計Mで所定の圧力が安定して測定できれば、この空気管1Aから空気が漏れていないことになる。次にコック部2を開き、注入した所定の圧力の1/2になるまでの時間を測定し、所定時間範囲内であるかどうかを確認する。もしも所定時間範囲外であれば、空気管のどこかで目詰まりが発生している可能性があるので、その箇所を調査する。
【0008】
(iii) ダイヤフラム試験
コック部2の切替弁2aをダイヤフラム試験位置に切り替え、空気管接続孔P1及びダイヤフラム接続孔Fの間の内部通路を構成する。空気管接続孔P1に、試験ポンプTPと圧力計Mを接続する。この状態で試験ポンプTPから空気管接続孔P1に徐々に空気を注入し、ダイヤフラム3が変位して接点4,5がオンとなるときの空気圧を圧力計Mで測定する。測定値が所定範囲外の場合は、現場での調整は困難なので、感知ユニット器本体を交換する。
【0009】
(iv) リーク試験
切替弁2aの位置をリーク試験位置(ダイヤフラム試験位置と同じ)に設定し、空気管接続孔P2及びリーク孔Lの間の内部通路を構成する。空気管接続孔P2に、試験ポンプTPと圧力計Mを接続する。この状態で試験ポンプTPから空気管接続孔P2に空気を注入し、リーク孔Lから空気が漏れて圧力が低下する速度を測定する。そして、規定の速度で圧力が低下するように、リーク孔Lの漏れ具合を調整する。
【0010】
前述した各試験によって規定の状態に調整された熱感知器の空気管1A内の空気圧は、その敷設された部屋の温度の変化に応じて変化する。気温の変化や冷暖房等のように室温の変化が緩慢であれば、コック部2のリーク孔Lを通して少量の空気が空気管1Aに出入りする。これにより、空気管1A内の空気圧が大気圧と釣り合いを保ち、ダイヤフラム3は所定の位置に保持され、接点4,5はオフの状態に保たれる。一方、火災が発生した場合には、周囲の急激な温度上昇に伴って、空気管1A内の空気がリーク孔Lから漏れる以上に急激に膨脹し、ダイヤフラム3を押し上げて接点4,5がオンとなる。そして、接点4,5の情報は発報信号OUTとして図示しない受信機に伝えられる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の熱感知器では、次のような課題があった。
平常の気温変化等による空気管1A内部の圧力変化と火災発生時の圧力変化とを確実に識別するために、コック部2のリーク孔Lの漏れ具合の調整は、極めて厳密に行う必要がある。しかも、この調整には注射器等の試験ポンプTPや、マノメータ等の圧力計Mを用いて、一定の圧力上昇率で空気を注入する必要がある。このため、作業には熟練を要すると共にその作業時間も長くなっていた。
【0012】
本発明は、前記従来技術が持っていた課題を解決し、熱感知器の試験を簡単に行うことができる試験装置を提供するものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、請求項1に記載の本発明は、警戒区域に沿って敷設され周囲温度に対応して内部の空気圧が変化する密閉された空気管を備え、前記空気管内の空気圧を所定の周期で読み取ることにより火災の発生を判定する差動式分布型熱感知器を試験する試験装置において、前記空気管に試験用の空気を注入するための圧力注入部と、該注入された空気の圧力を測定するための圧力測定部と、前記圧力測定部に接続された圧力センサからの出力を読み取り、前記空気管内の試験用空気が所定の圧力上昇率となるように、前記圧力注入部に接続された圧力供給手段をフィードバック制御させる制御部と、を備えたことを特徴とする。
【0014】
この発明によれば、以上のように熱感知器の試験装置を構成したので、試験装置の空気圧供給手段から、例えば熱感知器の試験接続部の注入口を介して、この熱感知器の空気管に試験用の空気が所定の圧力上昇率で加えられる。
【0015】
また、請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載の本発明において、前記空気管の長さの情報を設定するための設定操作部を設け、前記制御部は、前記設定操作部で設定された空気管の長さに応じて前記圧力上昇率を決定し、該決定した圧力上昇率となるように、前記圧力注入部に接続された圧力供給手段をフィードバック制御すること、を特徴とする。
【0026】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態を示す熱感知器と試験装置の構成図であり、図2は、図1の試験装置の外観図である。
この熱感知器は、比較的広い部屋等の火災を検出するもので、警戒区域の部屋の天井等に沿って敷設された空気管1と、この空気管1を接続すると共に、試験時には試験装置を接続するための接続部10を有している。空気管1は、例えば内径が1.4mm、外径が2mm程度で、総延長20m〜100mの銅管であり、その両端が接続部10に接続されている。
【0027】
接続部10には、空気管1の一端を接続するための試験孔11と、この空気管1の他端を接続するための貫通孔12が設けられている。試験孔11は、試験調整時に空気管1へ空気を注入したり、この注入した空気圧を測定するためのもので、試験装置を接続して空気を注入するための注入口13と空気圧を測定するための測定口14に接続されている。注入口13と測定口14は、通常の運用時には、図示しないキャップで密閉されるようになっている。接続部10の貫通孔12の他端には、圧力センサ21が接続されている。
【0028】
圧力センサ21は、例えば、感圧膜で仕切られた2つの空気室を有し、一方の空気室に貫通孔12を介して空気管1内の空気圧が加えられ、他方の空気室には大気圧が加えられるようになったものである。また、感圧膜は、例えば単結晶シリコン基板上に4個のストレイン・ゲージ抵抗を形成したもので、この単結晶シリコン基板に圧力が加えられたときに、抵抗値が増加する抵抗同士と減少する抵抗同士を、それぞれ対向する辺となるようにブリッジ接続したものである。そして、ブリッジ回路の入力側に一定の電圧を印加することにより、加えられた圧力に対応する電圧(圧力信号)が、このブリッジ回路の出力側から出力されるようになっている。
【0029】
圧力センサ21の出力側は、増幅器22を介してアナログ・ディジタル変換器(以下、「ADC」という)23に接続され、このADC23の出力側が温度変化検出部24に接続されている。
【0030】
温度変化検出部24は、例えばマイクロプロセッサ等で構成され、ADC23から出力されるディジタル値を所定の周期(例えば、5秒)で読み取って、所定の圧力データに変換すると共に、前回読み取った圧力データとの差を温度変化信号として出力するものである。温度変化検出部24の出力側には、火災判定部25が接続されている。
【0031】
火災判定部25は、例えば温度変化検出部24と同一のマイクロプロセッサ等で構成され、この温度変化検出部24から与えられた温度変化信号に基づいて火災の発生を判定するものである。即ち、火災判定部25は、温度変化信号が一定時間継続(例えば、3回連続)して一定値(例えば、10℃/分相当)を越えた時に、火災が発生したと判定するものである。火災判定部25は、火災の発生を判定すると図示しない接点を閉じ、コネクタ26を介して発報信号OUTを出力するようになっている。
【0032】
また、ADC23と火災判定部25の出力側には、それぞれコネクタ27,28が接続され、これらのコネクタ27,28から、圧力センサ21で検出した圧力と火災判定部25の判定結果が出力されるようになっている。
【0033】
一方、試験装置は、熱感知器の接続部10に対応した接続部30を備えている。接続部30は、接続部10側の注入口13と測定口14に挿入するための、圧力注入部31と圧力測定部32の突起を有している。
【0034】
圧力注入部31の中心には、内側にねじが切られて所定の容積を有する調整室33が設けられている。調整室33のねじ部は、気密性を保つように、例えばグリース等が塗布された調整ねじ34と、この調整ねじ34の先端に取り付けられたパッキング35で密閉されている。また、調整室33にはコック部36が接続され、空気抜きレバー37の操作によって、空気管1内の圧力を大気圧に合わせることができるようになっている。
【0035】
圧力測定部32の中心には貫通孔38が設けられ、この貫通孔38の他端に圧力センサ41が接続されている。圧力センサ41は、熱感知器の圧力センサ21と同様に、感圧膜を用いたものである。圧力センサ41の出力側は、増幅器42を介してADC43に接続され、このADC43の出力側が制御部44に接続されている。
【0036】
制御部44には、更に、熱感知器側のコネクタ27,28から、圧力センサ21で検出した圧力と火災判定部25の判定結果を受信するためのコネクタ45が接続されている。更に、制御部44には、操作部46、時間表示部47、圧力表示部48、試験結果表示部49、及び電動ドライバ50が接続されている。
【0037】
操作部46は、制御部44に対して、ポンプ試験/流通試験等の試験種別を設定するためのスイッチ、空気管の長さを設定するダイヤル、及び試験の開始/停止を指示するためのスタート/ストップ・ボタン等を備えている。
【0038】
時間表示部47は、試験開始からの経過時間を表示するものである。圧力表示部48は、試験装置側の圧力センサ41で検出した空気管1内の空気圧のほか、熱感知器側の圧力センサ21で検出された空気圧を表示するものである。試験結果表示部49は、総合的に判定された熱感知器の良否の判定結果を表示するものである。
【0039】
また、電動ドライバ50は、制御部44から与えられる制御信号に基づいて回転するモータ、このモータの回転を減速する減速ギア、減速ギアの回転を伝えるドライバビット等で構成され、このドライバビットを介して調整ねじ34を、調整室33にねじ込むためのものである。
【0040】
制御部44は、操作部46によって設定された空気管1の長さに基づいて、この空気管1に対する適切な圧力上昇率を決定し、決定した圧力上昇率が得られるように電動ドライバ50の速度を制御すると共に、圧力センサ21,41で検出された空気圧と火災判定部25の判定結果の信号を監視して、熱感知器の良否の判定するものである。制御部44は、マイクロプロセッサ及び制御用プログラムを格納したメモリ等で構成されている。
【0041】
次に、図1及び図2の試験装置の動作を、ポンプ試験(1)及び流通試験(2)に分けて説明する。
(1) ポンプ試験
試験開始に先立って、試験装置の接続部30の圧力注入部31と圧力測定部32を、熱感知器の接続部10の注入口13と測定口14に挿入する。また、試験装置のコネクタ45を、熱感知器のコネクタ27,28に接続する。更に、空気抜きレバー37がCLOSE(閉)の位置にあることを確認する。
【0042】
次に、操作部46の試験種別設定スイッチを「ポンプ試験」に切り替え、空気管長設定ダイヤルを実際に敷設されている空気管1の概略の長さ(例えば、20m)に合わせる。以上の準備作業が完了した後、操作部46のスタート/ストップ・ボタンを押すことにより試験開始の指示を入力する。これにより、制御部44の制御に基づいてポンプ試験が開始される。
【0043】
まず、制御部44によって、試験開始からの経過時間の測定が開始され、時間表示部47に経過時間の表示が行われる。これと共に、空気管長設定ダイヤルで設定された空気管1の長さに基づいて、この空気管1に対する適切な圧力上昇率が決定され、制御部44から電動ドライバ50に対して、所定の速度で駆動するための制御信号が与えられる。これにより、電動ドライバ50が駆動され、調整ねじ34が所定の速度で、調整室33にねじ込まれる。
【0044】
調整ねじ34がねじ込まれると、調整室33内の空気は、圧力注入部31から熱感知器の注入口13を介して試験孔11に押し出される。試験孔11には測定口14が接続されているので、この試験孔11の空気圧は、圧力測定部32及び貫通孔38を介して圧力センサ41に伝えられる。圧力センサ41で検出された空気圧は、増幅器42で増幅され、ADC43でディジタル信号に変換されて、制御部44に与えられる。制御部44では、ADC43から与えられるディジタル信号の増加率が圧力上昇率(mmHO/min)に換算され、圧力表示部48に表示される。
【0045】
また、算出された圧力上昇率が、最初に決定された適切な圧力上昇率となるように、電動ドライバ50に対する制御信号が微調整される。このようなフィードバックにより、試験孔11の空気圧は、ほぼ一定の圧力上昇率で上昇する。
【0046】
一方、試験孔11には空気管1が接続されており、この空気管1内の空気圧も上昇する。空気管1内の空気圧は、貫通孔12を介して圧力センサ21にも伝えられる。圧力センサ21で検出された空気圧は、増幅器22で増幅され、ADC23でディジタル信号に変換されて制御部44に与えられる。制御部44では、ADC23から与えられるディジタル信号の増加率が圧力上昇率(mmHO/min)に換算され、圧力センサ41で検出された圧力上昇率と共に、圧力表示部48に表示される。
【0047】
圧力センサ21で検出された圧力上昇率と、圧力センサ41で検出された圧力上昇率は比較され、これらの値が大きく離れている場合は、空気管1の目詰まりや圧力センサ21の故障等が考えられるので、試験結果表示部49にNG(不良)のランプが点灯される。2つの圧力上昇率がほぼ一致していれば、試験結果は表示されず、試験は継続される。
【0048】
一定時間が経過して熱感知器の火災判定部25から、コネクタ28を介して火災発生の判定結果が出力されると、制御部44では経過時間の計測が停止される。そして、制御部44において、試験開始から火災発生判定までの時間が、規定時間内であるか否かが判定される。規定時間内であれば、試験結果表示部49にOK(良)のランプが点灯され、それ以外の場合は、NG(不良)のランプが点灯される。試験結果の表示後は、過剰な圧力が空気管1に注入されないように電動ドライバ50が停止される。
試験終了後は、空気抜きレバー37をOPEN(開)にして、空気管1内部の圧力を大気圧に戻す。
【0049】
(2) 流通試験
試験開始に先立って、試験装置の接続部30の圧力注入部31と圧力測定部32を、熱感知器の接続部10の注入口13と測定口14に挿入する。また、試験装置のコネクタ45を、熱感知器のコネクタ27,28に接続する。更に、空気抜きレバー37がCLOSE(閉)の位置にあることを確認する。
【0050】
次に、操作部46の試験種別設定スイッチを「流通試験」に切り替え、空気管長設定ダイヤルを実際に敷設されている空気管1の概略の長さ(例えば、20m)に合わせる。以上の準備作業が完了した後、操作部46のスタート/ストップ・ボタンを押すことにより試験開始の指示を入力する。これにより、制御部44の制御に基づいてポンプ試験が開始される。
【0051】
制御部44によって、空気管長設定ダイヤルで設定された空気管1の長さに基づいて、この空気管1に対する適切な圧力上昇率が決定され、制御部44から電動ドライバ50に対して、所定の速度で駆動するための制御信号が与えられる。これにより、電動ドライバ50が駆動されて調整ねじ34が所定の速度で、調整室33にねじ込まれる。
【0052】
調整ねじ34がねじ込まれると、調整室33内の空気は、圧力注入部31から熱感知器の注入口13を介して試験孔11に押し出される。試験孔11には測定口14が接続されているので、この試験孔11の空気圧は、圧力測定部32及び貫通孔38を介して圧力センサ41に伝えられる。圧力センサ41で検出された空気圧は、増幅器42で増幅され、ADC43でディジタル信号に変換されて、制御部44に与えられる。制御部44では、ADC43から与えられるディジタル信号が圧力(mmHO)に換算され、圧力表示部48に表示される。
【0053】
圧力センサ21で検出された圧力が所定の圧力に到達すると、電動ドライバ50が停止され、空気管1内の圧力上昇は停止する。
ここで、オペレータは空気管1内の圧力が所定の圧力に到達したことを確認し、空気抜きレバー37をOPEN(開)にする。これにより、時間測定が開始され、時間表示部47に空気抜きを開始してからの経過時間が表示される。
【0054】
空気管1内の空気圧は、圧力センサ21によって監視され、この圧力が空気抜きを開始したときの圧力の1/2に減少するまでの時間が測定される。そして、制御部44において、空気抜きの開始から1/2に圧力が減少するまでの時間が、規定時間内であるか否かが判定される。規定時間内であれば、試験結果表示部49にOK(良)のランプが点灯され、それ以外の場合は、NG(不良)のランプが点灯される。
【0055】
以上のように、この第1の実施形態の試験装置は、調整ねじ34を調整室33にねじ込むことによって熱感知器の空気管1内の空気圧を上昇させると共に、その空気圧を測定することができる接続部30と、この調整ねじ34をねじ込むための電動ドライバ50を有している。これにより、熱感知器の試験を簡単に行うことができるという利点がある。
【0056】
(第2の実施形態)
図3は、本発明の第2の実施形態を示す試験装置の構成図であり、図1中の要素と共通の要素には共通の符号が付されている。
この試験装置は、図1の試験装置の接続部30と電動ドライバ50に代えて、構造の異なる接続部30Aと試験ポンプ60を設けたものである。
【0057】
接続部30Aは、図1中の接続部30と同様に、熱感知器側の接続部10に接続するための圧力注入部31と圧力測定部32の突起を有している。
【0058】
圧力注入部31の中心には貫通孔39が設けられ、この貫通孔39が試験ポンプ60に接続されるようになっている。また、貫通孔39には、コック部36が接続され、空気抜きレバー37の操作によって大気圧に合わせることができるようになっている。一方、圧力測定部32の中心には貫通孔38が設けられ、この貫通孔38の他端に圧力センサ41が接続されている。
【0059】
試験ポンプ60は、制御部44からの制御信号に従って、貫通孔39に加える空気圧を上昇させるためのものである。試験ポンプ60は、例えばシリンダとピストンを備え、このピストンをモータの回転運動を直線運動に変換する駆動機構で動かすことによって、シリンダ内の空気圧を制御するように構成されている。その他の構成は、図1の試験装置と同様である。
【0060】
このような試験装置では、空気管1に与える空気圧の増加を試験ポンプ60を使用して行うもので、試験の動作そのものは、調整室33と調整ねじ34及び電動ドライバ50を使用した第1の実施形態と同様であり、同様の利点がある。
【0061】
(第3の実施形態)
図4は、本発明の第3の実施形態を示す試験装置の構成図であり、図1中の要素と共通の要素には共通の符号が付されている。
この試験装置は、図1の試験装置の接続部30と電動ドライバ50に代えて、構造の異なる接続部30Bとソレノイド70を設けたものである。
【0062】
接続部30Bは、図1中の接続部30と同様に、熱感知器側の接続部10に接続するための圧力注入部31と圧力測定部32の突起を有している。
【0063】
圧力注入部31の中心にはシリンダ状の調整室33Bが設けられ、この調整室33Bの内部に挿入されたピストンの位置によって、圧力注入部31から試験孔11に加えられる空気圧が制御されるようになっている。また、調整室33Bには、コック部36が接続され、空気抜きレバー37の操作によって大気圧に合わせることができるようになっている。一方、圧力測定部32の中心には貫通孔38が設けられ、この貫通孔38の他端に圧力センサ41が接続されている。
【0064】
ソレノイド70は、空芯型のコイル71の中心部に直線的に摺動可能な可動鉄心72を挿入したもので、コイル71に電流を流すことにより、コイル中心部に磁界が発生し、可動鉄心72が吸引されるものである。例えば、コイル71に流す電流をパルス幅変調することによって、磁界の強度を制御し、これによって可動鉄心72の位置が制御できるようになっている。
【0065】
可動鉄心72の先端にはパッキング73が固定され、これが接続部30の調整室33Bに挿入されて、ピストンとして動作するようになっている。その他の構成は、図1の試験装置と同様である。
【0066】
このような試験装置では、空気管1に与える空気圧の増加をソレノイド70と、これに連動したピストンとシリンダを使用して行うもので、試験の動作そのものは、調整室33と調整ねじ34及び電動ドライバ50を使用した第1の実施形態と同様であり、同様の利点がある。
【0067】
(第4の実施形態)
図5は、本発明の第4の実施形態を示す熱感知器と試験装置の構成図であり、図1中の要素と共通の要素には共通の符号が付されている。
この熱感知器は、図1の熱感知器の接続部10に代えて、構造の異なる接続部10Aを設けたものである。一方、試験装置は、熱感知器側の接続部10Aに対応させるために、図1の試験装置の接続部30に代えて、構造の異なる接続部30Cを設けたものである。
【0068】
接続部10Aには、空気管1の一端を接続するための試験孔11と、この空気管1の他端を接続するための貫通孔12が設けられている。試験孔11は、試験調整時に空気管1へ空気を注入するためのもので、試験装置を接続して空気を注入するための注入口13に接続されている。この注入口13は、通常の運用時には、図示しないキャップで密閉されるようになっている。
【0069】
一方、接続部30Cは、接続部10A側の注入口13に挿入するための、突起状の圧力注入部31を有している。圧力注入部31の中心には、内側にねじが切られて所定の容積を有する調整室33が設けられている。調整室33のねじ部は、気密性を保つようにグリース等が塗布された調整ねじ34と、この調整ねじ34の先端に取り付けられたパッキング35で密閉されている。また、調整室33にはコック部36が接続され、空気抜きレバー37の操作によって、空気管1内の圧力を大気圧に合わせることができるようになっている。更に、調整室33の圧力は、接続部30Cの本体に設けられた圧力測定孔40を介して、圧力センサ41に伝えられるようになっている。その他の構成は、図1と同様である。
【0070】
このような熱感知器の試験では、試験に先立って、試験装置の接続部30Cの圧力注入部31を、熱感知器の接続部10Aの注入口13に挿入する。また、試験装置のコネクタ45を、熱感知器のコネクタ27,28に接続する。その後の操作は、第1の実施形態と同様である。
【0071】
接続部30Cの調整室33に加えられた空気の圧力は、第1の実施形態とは異なり、圧力測定孔40を介して圧力センサ41に直接伝えられる。その他の動作は、第1の実施形態と同様であり、同様の利点が得られる。
【0072】
更に、この第4の実施形態では、熱感知器の接続部10Aと試験装置の接続部30Cを、1箇所(即ち、注入口13と圧力注入部31)で接続するようにしている。これにより、接続部10A,30Cの構造が簡素化されると共に、寸法精度も緩和することができるという利点がある。
【0073】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されず、種々の変形が可能である。この変形例としては、例えば、次のようなものがある。
(a) 接続部30の圧力注入部31及び圧力測定部32の形状は、図1や図2等に図示したものに限定されず、熱感知器側の接続部10の注入口13及び測定口14の形状に合わせる必要がある。
【0074】
(b) 試験装置の外観は、図2に例示したものに限定されない。
【0075】
(c) 図5の熱感知器の接続部10Aに対応して、図3及び図4の試験装置の接続部30A,30Bを、図5の試験装置の接続部30Cに準じた構造にすることができる。
【0076】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、簡単に熱感知器に接続して、この熱感知器の動作を試験することができる。特に、制御部は圧力検出部で検出された圧力信号を監視することにより、注入口に試験用の空気を所定の圧力上昇率で加えるようにしている。これにより、常に最適な一定の圧力上昇率が保持され、より正確な試験結果を得ることができる。
【0077】
また、本発明によれば、最適な圧力上昇率が設定され、試験時間が短縮されると共に、正確な試験結果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す熱感知器と試験装置の構成図である。
【図2】図1の試験装置の外観図である。
【図3】本発明の第2の実施形態を示す試験装置の構成図である。
【図4】本発明の第3の実施形態を示す試験装置の構成図である。
【図5】本発明の第4の実施形態を示す熱感知器と試験装置の構成図である。
【図6】従来の熱感知器の構成図である。
【図7】図6の熱感知器の試験方法を示す説明図である。
【符号の説明】
1 空気管
10,30 接続部
13 注入口
14 測定口
21,41 圧力センサ
22,42 増幅器
23,43 ADC(アナログ・ディジタル変換器)
31 圧力注入部
32 圧力測定部
33 調整室
34 調整ねじ
44 制御部
46 操作部
47 時間表示部
48 圧力表示部
49 試験結果表示部
50 電動ドライバ
60 試験ポンプ
70 ソレノイド

Claims (2)

  1. 警戒区域に沿って敷設され周囲温度に対応して内部の空気圧が変化する密閉された空気管を備え、
    前記空気管内の空気圧を所定の周期で読み取ることにより火災の発生を判定する差動式分布型熱感知器を試験する試験装置において、
    前記空気管に試験用の空気を注入するための圧力注入部と、
    該注入された空気の圧力を測定するための圧力測定部と、
    前記圧力測定部に接続された圧力センサからの出力を読み取り、前記空気管内の試験用空気が所定の圧力上昇率となるように、前記圧力注入部に接続された圧力供給手段をフィードバック制御させる制御部と、
    を備えたことを特徴とする差動式分布型熱感知器の試験装置。
  2. 前記空気管の長さの情報を設定するための設定操作部を設け、
    前記制御部は、前記設定操作部で設定された空気管の長さに応じて前記圧力上昇率を決定し、該決定した圧力上昇率となるように、前記圧力注入部に接続された圧力供給手段をフィードバック制御すること、
    を特徴とする請求項1に記載の差動式分布型熱感知器の試験装置。
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