JP4784338B2 - 質量流量制御装置 - Google Patents

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本発明は、ガス等の比較的小流量の流体の質量流量を計測する質量流量制御装置に係り、特に質量流量制御の精度の検定を行うことができる質量流量制御装置に関する。
一般に、半導体集積回路等の半導体製品等を製造するためには、半導体ウエハ等に対して例えばCVD成膜やエッチング操作等が種々の半導体製造装置において繰り返し行われるが、この場合に微量の処理ガスの供給量を精度良く制御する必要から例えばマスフローコントローラのような質量流量制御装置が用いられている(例えば特許文献1〜10)。
ここで一般的な質量流量制御装置の構成について、図13及び図14を参照して説明する。図13はガス配管に介設された従来の質量流量制御装置の一例の概略構成図を示し、図14は質量流量制御装置の流量検出手段を示す回路図である。
図示するように、この質量流量制御装置2は、液体や気体等の流体を流す流体通路、例えばガス管4の途中に介設されて、この質量流量を制御するようになっている。尚、このガス管4の一端に接続される半導体製造装置内は例えば真空引きされている。この質量流量制御装置2は、例えばステンレススチール等により成形された流路6を有しており、この両端が上記ガス管4に接続される。この質量流量制御装置2は流路6の前段側に位置する質量流量検出手段8と後段側に位置する流量制御弁機構10とよりなる。
まず、上記質量流量検出手段8は、上記流路6のガス流体の流れ方向の上流側に設けられて複数のバイパス管を束ねてなるバイパス群12を有している。上記バイパス群12の両端側には、これを迂回するようにセンサ管14が接続されており、これにバイパス群12と比較して小量のガス流体を一定の比率で流し得るようになっている。すなわち、このセンサ管14には全ガス流量に対して一定の比率の一部のガスを常に流すようになっている。このセンサ管14には直列に接続された制御用の一対の抵抗線R1、R4が巻回されており、これに接続されたセンサ回路16により質量流量値を示す流量信号S1を出力するようになっている。
この流量信号S1は、例えばマイクロコンピュータ等よりなる制御手段18へ導入されて、上記流量信号S1に基づいて現在流れているガスの質量流量が求められると共に、その質量流量が外部より入力される流量設定信号S0で表される質量流量に一致するように、上記流量制御弁機構10を制御することになる。この流量制御弁機構10は、上記流路6の下流側に設けられた流量制御弁20を有しており、この流量制御弁20はガス流体の質量流量を直接的に制御するための弁体として例えば金属板製の屈曲可能になされたダイヤフラム22を有している。
そして、このダイヤフラム22を弁口24に向けて適宜屈曲変形させて移動させることによって、上記弁口24の弁開度を任意に制御し得るようになっている。そして、このダイヤフラム22の上面は、例えば積層圧電素子(ピエゾ素子)よりなるアクチュエータ26の下端部に接続されており、これにより、その弁開度が上記したように調整できるようになっている。このアクチュエータ26は、上記制御手段18からの駆動信号を受けてバルブ駆動回路28が出力するバルブ駆動電圧S2により動作する。また弁口24の出口側にはソニックノズル29が設けられており、ガス流の入口側圧力がこの流量制御弁20を流れる質量流量に比例するように設定している。尚、上記アクチュエータ26として積層圧電素子に替えて電磁式のアクチュエータを用いる場合もある。
上記抵抗線R1、R4とセンサ回路16との関係は、図14に示されている。すなわち、上記抵抗線R1、R4の直列接続に対して、2つの基準抵抗R2、R3の直列接続回路が並列に接続されて、いわゆるブリッジ回路を形成している。そして、このブリッジ回路に、一定の電流を流すための定電流源30が接続されている。また、上記抵抗線R1、R4同士の接続点と上記基準抵抗R2、R3同士の接続点とを入力側に接続して差動回路32が設けられており、上記両接続点の電位差を求めて、この電位差を流量信号S1として出力するようになっている。
ここで、上記抵抗線R1、R4は、温度に応じてその抵抗値が変化する素材よりなっており、ガスの流れ方向の上流側に抵抗線R1が巻回され、下流側に抵抗線R4が巻回されている。また、基準抵抗R2、R3は略一定の温度に維持されているものとする。
このように構成された質量流量制御装置2において、センサ管14にガス流体が流れていない場合には、両抵抗線R1、R4の温度は同じになっていることから、ブリッジ回路は平衡して差動回路32の検出値である電位差は、例えばゼロである。
ここで、センサ管14にガス流体が質量流量Qで流れると仮定すると、このガス流体は上流側に位置する抵抗線R1の発熱によって温められてその状態で下流側の抵抗線R4が巻回されている位置まで流れることになり、この結果、熱の移動が生じて抵抗線R1、R4間に温度差、すなわち両抵抗線R1、R4間の抵抗値に差が生じて、この時発生する電位差はガスの質量流量に略比例することになる。従って、この流量信号S1に所定のゲインをかけることによってその時に流れているガスの質量流量を求めることができる。また、この検出されたガスの質量流量が、流量設定信号S0(実際は電圧値)で表される質量流量と一致するように、例えばPID制御法により上記流量制御弁20の弁開度が制御されることになる。
ところで、この種の質量流量制御装置2にあっては、流量設定信号が示す質量流量(以下、単に「流量」とも称す)に対して実際に流量制御弁20に流れる流量(以下、「実流量」とも称す)が精度良く一致することが必要であるが、供給ガス圧が変化した場合や、装置自体が経年変化した場合などには、装置の納入当初と同じバルブ駆動電圧を印加しても流れるガスの実流量が僅かに異なる場合が発生する。
このため、質量流量制御装置2が設計通りに流量を制御することができるか否かを検証するために定期的、或いは不定期的に流量検定が実施されている。この流量検定の一例は、上記ガス管4に容量が既知の検定用タンクを別途介設し、一定のガス流量を安定的に流した状態からガスの供給を停止し、この後に、上記検定用タンク内に蓄積されていたガスが流れ出る時のガスの圧力変化を、出荷時等の基準となる圧力変化と比較することにより、その正否を判断するようにしている。
特開平6−119059号公報 特開平7−078296号公報 特開平7−134052号公報 特開平7−281760号公報 特開平7−306084号公報 特開平11−223538号公報 特開2004−20306号公報 米国特許第6450200号明細書 特開平8−185229号公報 特開平11−154022号公報
ところで、上記したような流量検定方法を行うためには、質量流量制御装置に検定用タンクを別途取り付ける必要があるばかりか、取り付け用の配管類も敷設しなければならない。このため、流量検定を実施するための作業が煩雑になるのみならず、ガスを使用する半導体製造装置も長時間に亘って止めなければならない、といった問題があった。
本発明は、以上のような問題点に着目し、これを有効に解決すべく創案されたものである。本発明の目的は、検定用タンクを組み込んで装置自体で質量流量の検定動作を行うようにした質量流量制御装置を提供することにある。
請求項1に係る発明は、上下方向に長くなされた装置筐体内に、装置本体内に流体を流す流路と、該流路に流れる流体の質量流量を検出して流量信号を出力する質量流量検出手段と、バルブ駆動信号により弁開度を変えることによって質量流量を制御する流量制御弁機構と、外部から入力される流量設定信号と前記流量信号とに基づいて前記流量制御弁機構を制御する制御手段と、前記流路の入口側を開閉する検定用バルブ部と、所定の容量を有する検定用タンク部と、前記流体の圧力を検出して圧力検出信号を出力する圧力検出手段とをそれぞれ設けてなる質量流量制御装置であって、当該装置本体を検定本体と、質量流量制御本体とに分割して設け、前記検定本体には、前記検定用バルブ部と前記検定用タンク部とを設けると共に前記検定用タンク部の長手方向を前記装置筐体内に上下方向に沿って配置し、前記質量流量制御本体には、前記質量流量検出手段と前記流量制御弁機構とを設け、前記流量制御弁機構を構成する流量制御弁とアクチュエータとバルブ駆動回路とをこの順序で上下方向へ沿って並べるように配置し、且つ前記質量流量検出手段を構成するバイパス管とセンサ回路とをこの順序で上下方向に沿って並べて配置すると共に前記制御手段を前記センサ回路の上方に並べて配置し、前記流路の出口側を開閉する零点測定用バルブ部をさらに有し、当該零点測定用バルブ部は前記質量流量制御本体の前記流量制御弁機構のダイヤフラムと当該零点測定用バルブ部のダイヤフラムとを対向するように弁口と流体入口部を連通して設けたことを特徴とする質量流量制御装置である。
本発明の関連技術は、流体を流す流路に、該流路に流れる流体の質量流量を検出して流量信号を出力する質量流量検出手段と、バルブ駆動信号により弁開度を変えることによって質量流量を制御する流量制御弁機構とを介設し、外部から入力される流量設定信号と前記流量信号とに基づいて前記流量制御弁機構を制御する制御手段を設けてなる質量流量制御装置において、前記流路に、該流路を開閉する検定用バルブ部と、所定の容量を有する検定用タンク部と、前記流体の圧力を検出して圧力検出信号を出力する圧力検出手段とをそれぞれ設け、前記検定用バルブと前記検定用タンク部と前記圧力検出手段とを用いて質量流量検定動作を行うように制御する検定制御手段を備えるように構成したことを特徴とする質量流量制御装置である。
このように、装置自体に検定用バルブ部と検定用タンク部等を設け、この検定用バルブ部を閉じて流体の供給を停止した以降において、上記検定用タンク部から流れ出る流体の圧力変化を検出すると共に、この圧力変化を例えば基準となる基準圧力変化と比較することによって、流れる流体の質量流量を正確に制御できるか否かの検定を行うことができる。
この場合、例えば前記検定用タンク部の近傍には、温度検出を行う温度検出手段が設けられている。
また例えば前記検定制御手段は、基準測定時の流体の圧力変化を記憶する基準用データメモリと、検定時の流体の圧力変化を記憶する検定用データメモリとを有する。
また例えば前記検定制御手段には警報手段が接続されており、前記検定制御手段は検定結果が所定の範囲外の時には前記警報手段を駆動させる。
また例えば前記検定制御手段は、前記検定結果に基づいて前記質量流量検出手段を校正する。
また例えば前記検定用タンク部は、前記流路の途中に介設されている。
また例えば前記検定制御手段には、検定結果を表示する表示手段が接続されている。
また例えば前記流路の出口側には、零点測定の時に該流路を開閉する零点測定用バルブ部が介設されている。
また例えば前記検定用バルブ部と前記零点測定用バルブ部は、前記質量流量制御手段を挟んで互いに反対側に設けられる。
また例えば前記検定用バルブ部と前記零点測定用バルブ部の内の少なくともいずれか一方は、弁口となる流体入口部と流体出口部とを有する流体溜め室と、前記流体入口部に着座して該流体入口部を閉じるために屈曲変形可能になされた全閉用ダイヤフラムと、前記全閉用ダイヤフラムを前記流体入口部に向けて押圧するための押圧手段と、よりなる。
また例えば前記全閉用ダイヤフラムは、平面形状、或いは略球殻の一部の形状になされている。
また例えば前記押圧手段は、前記全閉用ダイヤフラムを挟んで前記流体溜め室とは反対側に設けられた作動空間と、前記作動空間内へ加圧気体を給排することができる弁機構と、よりなる。
また例えば前記弁機構は三方弁よりなる。
また例えば前記零点測定用バルブ部は、前記流量制御弁機構に対して対向する位置に配置されている。
また例えば前記検定制御手段は、前記検定用バルブ部と前記零点測定用バルブ部とを完全に閉じることによって前記流路に流れる流体を完全に遮断して零点測定を行なう。
また例えば前記検定用バルブ部と前記検定用タンク部と前記圧力検出手段は、前記質量流量検出手段及び前記流量制御弁機構よりも上流側に設けられる。
また例えば前記検定用バルブ部は前記流路の最上流側に設けられ、前記零点測定用バルブ部は前記流路の最下流側に設けられる。
また例えば前記検定用バルブ部と前記検定用タンク部と前記圧力検出手段は、前記質量流量検出手段及び前記流量制御弁機構よりも下流側に設けられる。
また例えば前記検定用バルブ部と前記検定用タンク部と前記圧力検出手段の内、前記検定用バルブは最上流側に位置されている。
他の本発明の関連技術は、上記いずれかに記載の質量流量制御装置の検定方法において、検定流量を設定する工程と、流路に検定用の流体を安定的に流す工程と、前記流れる流体の圧力と検定用タンク部の温度とを検出してそれぞれ初期圧力と初期温度とする工程と、検定用バルブ部を閉じて流路を遮断する工程と、前記検定用バルブ部を閉じた後に前記検定用タンク部から流出する流体の圧力変化を測定する工程と、前記測定された圧力変化と予め求められた基準圧力変化特性とに基づいて検定結果を求める工程と、を有することを特徴とする質量流量制御装置の検定方法である。
この場合、例えば前記検定結果を表示手段に表示する。
また例えば前記検定結果が所定の許容範囲外の時には警報手段により警報を発する。
また例えば前記検定結果に基づいて質量流量検出手段を自動的に校正する。
また例えば前記検定結果を求める工程における上部基準圧力と下部基準圧力は予め定められている。
また例えば前記検定流量を種々変更する。
また例えば前記検定流量を設定する工程の前に、前記流路に流れる流体の流れを完全に遮断して零点測定を行なう零点測定工程を行なう。
また例えば前記零点測定工程は前記検出用バルブ部と前記零点測定用バルブ部の内の少なくとも検定用バルブ部を全閉する。
本発明の質量流量制御装置によれば、次のように優れた作用効果を発揮することができる。
質量流量制御装置自体に検定用バルブ部と検定用タンク部等を設け、この検定用バルブ部を閉じて流体の供給を停止した以降において、上記検定用タンク部から流れ出る流体の圧力変化を検出すると共に、この圧力変化を例えば基準となる基準圧力変化と比較することによって、流れる流体の質量流量を正確に制御できるか否かの検定を行うことができる。このとき、質量流量制御装置本体を検定本体と、質量流量制御本体とに分割して設け、検定用バルブと検定用タンク部は検定本体に設け、質量流量検出手段のうち流量センサと流量制御弁機構は質量流量制御本体にそれぞれ設けるようにしたので、関係機能部品毎に集約することができてデットスペースを極力無くすことができる。また、検定本体と質量流量制御本体とに分けて夫々を組立てることができるので組立工程の合理化が出来る。
以下に、本発明に係る質量流量制御装置の一実施例を添付図面に基づいて詳述する。
<第1実施例>
図1は本発明に係る質量流量制御装置の第1実施例を示すブロック構成図、図2は第1実施例中の各部材の実際の配置状態を示す配置図である。尚、図13及び図14において示した構成部分と同一構成部分については同一符号を付してその説明を省略する。
図示するように、この質量流量制御装置40は、液体や気体等の流体を流す流体通路、例えばガス管4の途中に介設されて、この質量流量(以下、単に「流量」とも称す)を制御するようになっている。尚、このガス管4の一端に接続される半導体製造装置内は例えば真空引きされている。この質量流量制御装置40は、質量流量制御本体40Aと、本発明の特徴とする質量流量の検定を行う検定本体40Bとよりなる。具体的には、この質量流量制御装置40は、例えばステンレススチール等により成形された流路6を有しており、この流体入口6Aが上記ガス管4の上流側に接続され、流体出口6Bがガス管4の下流側に接続される。
上記質量流量制御本体40Aは、ここでは図13を参照して説明した従来装置と全く同じ構造となっており、例えば質量流量検出手段8、流量制御弁機構10及び例えばマイクロコンピュータ等よりなる制御手段18を備えている。上記質量流量検出手段8は、バイパス管12、センサ管14、センサ回路16等を有しており、ここで検出した流量信号S1を上記制御手段18に向けて出力するようになっている。上記流量制御弁機構10は、流量制御弁20、これを駆動するアクチュエータ26、このアクチュエータ26に向けてバルブ駆動電圧S2を出力するバルブ駆動回路28等を有している。そして、上記制御手段18は、これへ例えばホストコンピュータ等の外部より入力される流量設定信号S0で示される流量と上記流量信号S1で示される流量とが一致するように上記流量制御弁20の弁開度を例えばPID制御法で制御し得るようになっている。尚、図示例では、上記流量制御弁機構10は上記質量流量検出手段8の下流側に設定されているが、これを上記質量流量検出手段8の上流側に位置させるようにしてもよい。
一方、図示例では上記検定本体40Bは、上記質量流量制御本体40Aの上流側に設置されている。この検定本体40Bは、上記流路6に、この流路6を開閉する検定用バルブ部42と、所定の容量を有する検定用タンク部44と、流体である上記ガスの圧力を検出して圧力検出信号を出力する圧力検出手段46と、上記検定用バルブ部42と上記検定用タンク部44と上記圧力検出手段46とを用いて質量流量検定動作を行うように制御する例えばマイクロコンピュータ等よりなる検定制御手段48とを共に備えている。
具体的には、上記検定用バルブ部42は例えば空圧バルブよりなり、検定本体40Bの中で流路6の最上流側に設けられて、上記検定制御手段48からの指令であるタンクバルブ開閉信号S3により開閉されてこの流路6を必要に応じて遮断できるようになっている。上記検定用バルブ部42を構成する空圧バルブとしては、例えば三方弁と全閉用ダイヤフラムとを内蔵したアクチュエータレス小型バルブ機構を用いることができる。
このアクチュエータレス小型バルブ機構は、作動空気入口43(図2参照)より導入される作動空気により全閉用ダイヤフラムを屈曲させて弁口の全開状態と完全にシールされた全閉状態とを選択的に実現するものであり、図2中においては、装置筐体45に形成した取り付け凹部47に着脱可能に設けられている。このアクチュエータレス小型バルブ機構の構成については、後述する第2実施例で用いる零点測定用バルブ部の説明の際に説明する。また上記圧力検出手段46は例えばキャパマノメータよりなり、上記流路6内のガスの圧力を検出してこの検出値を圧力信号S4として上記検出制御手段48に向けて出力し得るようになっている。

また上記検定用タンク部44は、例えばステンレススチール等よりなるタンク本体50よりなり、上記検定用バルブ部42と圧力検出手段46との間に設けられている。このタンク本体50は所定の流量、例えば40cm 程度の容量に設定されており、この流路6の途中に介設されてタンク本体50の底部にガスの入口50Aと出口50Bとが設けられ、流れるガスが必ずこのタンク本体50内を通過するようになっている。また上記タンク本体50の近傍、すなわちここではタンク本体50の天井部の上面には、温度検出手段51として例えば白金温度センサが取り付けられており、ここで検出した温度を示す信号を上記検定制御手段48へ入力できるようになっている。
また上記検定制御手段48には、流量の検定動作を行う時のガス流の基準となる圧力変化(基準圧力変化)を記憶する基準用データメモリ52Aと、流量の検定動作を行う時に取得したガス流の圧力変化を記憶する検定用データメモリ52Bとが接続されている。
更には、この検定制御手段48には、検定結果等を表示するための例えば液晶ディスプレイ等よりなる表示手段54及び必要時に音声や光の点滅等によって警報を発する警報手段56がそれぞれ接続されている。
そして、この検定制御手段48は、必要に応じて上記質量流量検出手段8のセンサ回路16に向けて校正信号S10を出力し、校正結果に基づいてこのセンサ回路16を適正に校正できるようになっている。またこの検定制御手段48と上記質量流量制御本体40Aの制御手段18とは必要に応じて連動するようになっている。
次に以上のように構成された本発明の質量流量制御装置の動作について説明する。
まず、この質量流量制御装置40の動作は、実際に半導体製造装置等に向けて処理ガスを流量制御しつつ流す通常動作モードと、質量流量の検定に関する動作を行う検定動作モードの2種類がある。そして、検定動作モードには、基準となる圧力変化特性を得るための基準圧力変化特性用ルーチンと、実際に検定動作を行う本検定用ルーチンとがある。
まず、通常動作モードについて簡単に説明する。これには、先に図13及び図14を参照して説明した動作と同じであり、この場合には検定本体40B側の動作は休止状態となっている。すなわち、上記質量流量制御本体40Aの制御手段18は、これへ例えばホストコンピュータ等の外部より入力される流量設定信号S0で示される流量と上記流量信号S1で示される流量とが一致するように上記流量制御弁20の弁開度を例えばPID制御法で制御し続けることになる。これにより下流側の半導体製造装置等には、必要とする質量流量の処理ガスが供給されることになる。
次に検定動作モードについて説明する。
この検定動作モードの内、基準圧力変化特性用ルーチンは、この装置を工場から出荷する時や、この装置を出荷先のクリーンルーム等に設置した時等に主に行って基準となる圧力変化特性を得るようにしている。また検定用ルーチンは、出荷先のクリーンルーム等において定期的、或いは不定期的に行われて制御流量の精度が高く維持されているか否かの検査が行われる。図3は質量流量制御装置の検定動作モード時の各信号のタイミングチャートを示す図、図4は基準圧力変化特性用ルーチンの各ステップを示すフローチャート、図5は本検定用ルーチンの各ステップを示すフローチャート、図6は基準圧力変化特性用ルーチンと本検定用ルーチンにおける圧力信号の変化の一例を示すグラフである。
本発明方法における本検定用ルーチンは、検定流量を設定する工程と、流路6に検定用の流体(ガス)を安定的に流す工程と、上記流れる流体の圧力と検定用タンク部44の温度とを検出してそれぞれ初期圧力と初期温度とする工程と、検定用バルブ部42を閉じて流路6を遮断する工程と、上記検定用バルブ部42を閉じた後に上記検定用タンク部44から流出する流体の圧力変化を測定する工程と、上記測定された圧力変化と予め求められた基準圧力変化特性とに基づいて検定結果を求める工程と、により主に構成されるが、まず、上記基準圧力変化特性を求める基準圧力変化特性用ルーチンについて説明する。
<基準圧力変化特性用ルーチン>
この基準圧力変化特性用ルーチンの主たる工程は、圧力変化同士を比較する工程を除いて本検定用ルーチンの動作と略同じである。ここでは流体として例えばN ガスを用いる。図1、図3及び図4に示すように、まずこの基準圧力変化特性用ルーチンを開始すると、検定用バルブ部42を開状態とする(ステップS1)。そして、時刻t1(図3(A)参照)において流量設定信号S0を最大の%、例えば100%でフルスケール(5V:ボルト)になるように設定する(ステップS2)。この検定動作モードにおいては、上記流量設定信号S0は、ホストコンピュータではなく、検定制御手段48から制御手段18に向けて出力される。従って、制御手段18は、この検定制御手段48より入力される信号を流量設定信号S0であると見做して通常の流量制御動作を行う。また一般的には、この流量制御信号S0は、0V〜5Vの範囲で変化させることができ、5Vの時が100%のフルスケール(最大流量)となるように予め設定されている。
このように、流量制御信号S0として5Vが設定されると、制御手段18はバルブ駆動回路28を介してバルブ駆動電圧S2(図3(C)参照)を出力し、上記流量制御信号S0に見合った弁開度となるように流量制御弁20を制御する。これにより、N ガスは下流側に流れ始めるので、その時の質量流量が質量流量検出手段8に検出され、その検出された質量流量が流量信号S1(図3(D)参照)として上記制御手段18に入力される。そして、この流量信号S1と流量設定信号S0とが一致するように弁開度が前述のようにPID制御法で制御される。この時、圧力検出手段46でもガス流の圧力が検出されており、この圧力信号S4(図3(E)参照)が検定制御手段48へ入力されている。
このようにしてガス流の流量を安定化させるために、所定の時間、例えば6秒程度経過したならば(ステップS3)、時刻t2でその時のバルブ駆動電圧S2をその時の電圧値に固定することにより弁開度を固定する(ステップS4)。そして、このようにバルブ駆動電圧S2を固定して数秒経過したならば、その時の圧力検出手段46からのガス流の圧力と温度検出手段51からのタンク温度とを記憶し、それぞれ初期圧力MPO及び初期温度MTOとする(ステップS5)。
このように初期圧力と初期温度とを測定して記憶したならば、直ちに時刻t3においてタンクバルブ開閉信号S3をバルブが閉となるように出力し(図3(B)参照)、検定用バルブ部42を閉状態に切り替える(ステップS6)。これにより、流路6が遮断されてガス供給源からのN ガスの供給が断たれるが、検定用タンク部44のタンク本体50内にはN ガスが十分に充填されて所定の圧力になっているので、このタンク本体50に充填されていたN ガスが下流側に流れ出し、この結果、図3(D)及び図3(E)に示すように流量信号S1及び圧力信号S4が共に時間の経過と共に減少するような特性曲線を描くことになる。尚、この際、ガス管4の下流側は継続して真空引きされており、また流量制御弁20の弁開度は、ステップS2で設定された検定流量、ここでは100%を維持している。
そして、この時のガス流の圧力の変化は、例えば1msec毎に時々刻々測定されており(ステップS7)、この時の圧力変化特性が得られる。このガス圧力の測定は、このガス圧力が予め定められた下限値になるまで継続して行い、時刻t4で下限値になったならば、ガスの流れを停止する(ステップS8)。そして、上記操作で得られた圧力変化データを基準圧力変化特性として基準用データメモリ52Aに記憶しておく(ステップS9)。このようにして、設定流量として弁開度100%の基準圧力変化特性が得られることになる。
このような基準圧力変化特性は、複数種類の弁開度について取得する必要があり、例えば弁開度を10%ずつ変化させてその都度、基準圧力変化特性を取得する必要がある。そこで、例えば弁開度10%が下限と仮定すると、検定流量の設定が下限でない場合には(ステップS10のNO)、検定流量の設定を所定の%、例えば10%減少させ、ここでは例えば90%に設定する(ステップS11)。そして、上記したステップS3〜S9を弁開度が下限になるまで繰り返し行う。このようにして、弁開度が10%ずつ異なる基準圧力変化特性が得られてこのデータが基準用データメモリ52Aに全て記憶されることになり、これにより、基準圧力変化特性用ルーチンを終了する。
<本検定用ルーチン>
次に、定期的、或いは不定期的に行われる本検定用ルーチンについて説明する。この本検定用ルーチンは、この質量流量制御装置40をクリーンルームの半導体製造装置等のガス供給ラインに組み込んだまま行われる。また、ここでも流体としてはN ガスを用いる。
図5に示すフローチャートにおいて、ステップS21〜S31までは、取得した圧力変化データの名称を変えている点を除いて図4に示すフローチャートのステップS1〜S11までと全く同様である。すなわち、図1、図3及び図5に示すように、まずこの本検定用ルーチンを開始すると、検定用バルブ部42を開状態とする(ステップS21)。そして、時刻t1(図3(A)参照)において流量設定信号S0を最大の%、例えば100%でフルスケール(5V:ボルト)になるように設定する(ステップS22)。この検定動作モードにおいては、上記流量設定信号S0は、ホストコンピュータではなく、検定制御手段48から制御手段18に向けて出力される。従って、制御手段18は、この検定制御手段48より入力される信号を流量設定信号S0であると見做して通常の流量制御動作を行う。また前述したように一般的には、この流量制御信号S0は、0V〜5Vの範囲で変化させることができ、5Vの時が100%のフルスケール(最大流量)となるように予め設定されている。
このように、流量制御信号S0として5Vが設定されると、制御手段18はバルブ駆動回路28を介してバルブ駆動電圧S2(図3(C)参照)を出力し、上記流量制御信号S0に見合った弁開度となるように流量制御弁20を制御する。これにより、N ガスは下流側に流れ始めるので、その時の質量流量が質量流量検出手段8に検出され、その検出された質量流量が流量信号S1(図3(D)参照)として上記制御手段18に入力される。そして、この流量信号S1と流量設定信号S0とが一致するように弁開度が前述のようにPID制御法で制御される。この時、圧力検出手段46でもガス流の圧力が検出されており、この圧力信号S4(図3(E)参照)が検定制御手段48へ入力されている。
このようにしてガス流の流量を安定化させるために、所定の時間、例えば6秒程度経過したならば(ステップS23)、時刻t2でその時のバルブ駆動電圧S2をその時の電圧値に固定することにより弁開度を固定する(ステップS24)。そして、このようにバルブ駆動電圧S2を固定して数秒経過したならば、その時の圧力検出手段46からのガス流の圧力と温度検出手段51からのタンク温度とを記憶し、それぞれ初期圧力PO及び初期温度TOとする(ステップS25)。
このように初期圧力と初期温度とを測定して記憶したならば、直ちに時刻t3においてタンクバルブ開閉信号S3をバルブが閉となるように出力し(図3(B)参照)、検定用バルブ部42を閉状態に切り替える(ステップS26)。これにより、流路6が遮断されてガス供給源からのN ガスの供給が断たれるが、検定用タンク部44のタンク本体50内にはN ガスが十分に充填されて所定の圧力になっているので、このタンク本体50に充填されていたN ガスが下流側に流れ出し、この結果、図3(D)及び図3(E)に示すように流量信号S1及び圧力信号S4が共に時間の経過と共に減少するような特性曲線を描くことになる。尚、この際、ガス管4の下流側は継続して真空引きされており、また流量制御弁20の弁開度は、ステップS22で設定された検定流量、ここでは100%を維持している。
そして、この時のガス流の圧力の変化は、例えば1msec毎に時々刻々測定されており(ステップS27)、この時の圧力変化特性が得られる。このガス圧力の測定は、このガス圧力が予め定められた下限値になるまで継続して行い、時刻t4で下限値になったならば、ガスの流れを停止する(ステップS28)。そして、上記操作で得られた圧力変化データを検定圧力変化特性として検定用データメモリ52Bに記憶しておく(ステップS29)。このようにして、設定流量として弁開度100%の検定圧力変化特性が得られることになる。
このような検定圧力変化特性は、基準圧力変化特性の場合と同様に複数種類の弁開度について取得する必要があり、例えば弁開度を10%ずつ変化させてその都度、検定圧力変化特性を取得する必要がある。そこで、例えば弁開度10%が下限と仮定すると、検定流量の設定が下限でない場合には(ステップS30のNO)、検定流量の設定を所定の%、例えば10%減少させ、ここでは例えば90%に設定する(ステップS31)。そして、上記したステップS23〜S29を弁開度が下限になるまで繰り返し行う。このようにして、弁開度が10%ずつ異なる検定圧力変化特性が得られてこのデータが検定用データメモリ52Bに全て記憶されることになる。
このように検定圧力変化特性が得られたならば、弁開度毎(検定流量の設定値毎)に基準圧力変化特性と比較し、検定処理を行う(ステップS32)。
ここで図6も参照して検定結果である検定精度についての求め方について説明する。図6は弁開度が100%の時の基準圧力変化特性用ルーチンと本検定用ルーチンにおける圧力信号4の変化の一例を示すグラフである。特性曲線X0が弁開度100%の時の基準圧力変化を示し、特性曲線X1が弁開度100%の時の検定圧力変化特性を示し、前述のように両特性曲線は、それぞれ基準用データメモリ52A及び検定用データメモリ52Bに記憶されている。そして、予め定められた圧力範囲、すなわち上限基準圧力P1と下限基準圧力P2との間を各特性曲線X0、X1が通過する時間をそれぞれMΔt及びΔtとする。
この時、検定結果Hは下記の数式で表される。
H=MΔt/Δt×PO/MPO×(273+MTO)/(273+TO)×100(%)
MTO:基準圧力変化特性用ルーチンにおける初期温度
TO:本検定用ルーチンにおける初期温度
MPO:基準圧力変化特性用ルーチンにおける初期圧力
PO:本検定用ルーチンにおける初期圧力
ここでMΔt=17640msec、Δt=11420msec、MPO=0.4003210MPa(メガパスカル)、PO=0.2589058MPa、MTO=25.4℃、TO=24.7℃とそれぞれ仮定すると、上記数式より検定精度Hは次のようになる。
H=100.135%
すなわち、ここでは出荷当時と同様にガス流量を制御すると、僅かではあるが、0.135%の流量誤差が生ずることを意味する。
そして、上記したような検定処理を各弁開度毎に行って、弁開度毎の検定精度Hを求めることになる(ステップS32)。
このように検定結果が得られたならば、これを記憶すると同時に、この検定結果を出力して例えば表示手段54に表示するなどしてオペレータにその内容を知らせる(ステップS33)。これと同時に必要があれば、この検定結果に基づいて質量流量検出手段8を自動的に校正して正しい質量流量S1を出力するように設定する(ステップS34)。この校正処理は、例えばセンサ回路16の増幅器である差動回路32(図14参照)のゲインを調整することにより行うことができる。
また必要ならば、上記検定精度を予め設定された所定の許容範囲と比較し、検定精度がこの許容範囲以上に大きい時には警報手段56を駆動するなどしてオペレータに注意を喚起させるようにしてもよい。そして上記のように自動校正が終了したならば、本検定用ルーチンを終了することになる。
このように、装置自体に検定用バルブ部42と検定用タンク部44等を設け、この検定用バルブ部42を閉じて流体の供給を停止した以降において、上記検定用タンク部44から流れ出る流体の圧力変化を検出すると共に、この圧力変化を例えば基準となる基準圧力変化と比較することによって、流れる流体の質量流量を正確に制御できるか否かの検定を行うことができる。
また質量流量制御装置40を半導体製造装置のガス供給系等に組み込んだまま上記検定動作を行うことができるので、検定動作を極めて短時間で行うことができ、その分、半導体製造装置等の稼働率を向上させることができる。
尚、上記実施例において、弁開度(検定温度の設定値)を10%ずつ変化させて検定動作を行ったが、この数値例に限定されるものではない。また、検出手段46と検出用タンク部44の流路6に対する配列順序を上流側と下流側とで逆に設置するようにしてもよい。更に、ここではタンク本体50に対して流路6の入口50Aと出口50Bとを別々に設けたが、これに限定されず、流路6に対して1本の分岐管を形成し、この分岐管にタンク本体50をT字状に接続するようにしてもよい。
また本実施例で説明したような各種処理は、デジタル処理で行ってもよく、アナログ処理で行ってもよい。特にデジタル処理で行う場合には、各種のデータを取り込むサンプリング周波数によってはデータが離散的になる場合が生ずるが、この場合には、データを最下位の桁側から丸め込むことにより、例えば図6に示すグラフにおいて圧力データ等の一致点を見い出すことができる。
尚、第1実施例において、零点調整を行なう場合には、上記検定用バルブ部42を弁閉状態にして流路6内のガスの流れを停止して安定化した状態において流量信号S1を求め、この値に基づいて零点調整を行なう。
<第2実施例>
次に本発明に係る質量流量制御装置の第2実施例について説明する。
この第2実施例においては、精度の高い零点調整を行なうことができる機能を付与したものであり、これと同時に装置自体の小型コンパクトを図るようにしたものである。
この種の質量流量制御装置では、経時変化により流量検出の零点が僅かずつではあるがずれることは避けられないので、定期的、或いは不定期的に零点調整が行われるが、零点調整時にはその精度を高めるために装置内部の流体(ガス、液体を含む)の流れを完全に停止させることが望ましい。この場合、ダイヤフラムを用いた流量制御弁20に関しては、これを閉弁状態にしてもその特性上、流体の流れを完全には遮断することは困難であり、非常に僅かではあるが、極々微小量なリークが生ずることは避けられなかった。この微小量のリークは、半導体製造プロセスにおける設計ルールがそれ程厳しくない場合には、特に問題はなかったが、更なる微細化、薄膜化、及び高集積化の要請によって設計ルールがより厳しくなると、上記極々微小量なリークが無視し得なくなった。
この第2実施例においては、極々微小量なリークを完全になくすために、小型コンパクトな零点測定用バルブ部を設けるようにしている。この点について、以下に詳述する。
図7は本発明に係る質量流量制御装置の第2実施例を示すブロック構成図、図8は第2実施例中の各部材の実際の配置状態を示す配置図、図9は流量制御弁と零点測定用バルブ部の取り付け状態を示す模式図、図10は零点測定用バルブ部の全閉用ダイヤフラムを示す断面図、図11は零点測定工程の流れを示すフローチャートである。
尚、図1及び図2に示す構成部分と同一構成部分については同一符号を付してその説明を省略する。ここでは零点測定用バルブ部としては、先の検定用バルブ部42においても用いたアクチュエータレス小型バルブ機構を用いる場合について説明する。
図7及び図8にも示すように、この零点測定用バルブ部60は、流路6の最下流側に設けられ、流体出口6Aの直前に位置される。具体的には、質量流量制御装置の装置筐体45の下面側(図8中において)に取り付け凹部62を設け、この取り付け凹部62内に上記零点測定用バルブ部60を液密、或いは気密に取り付けるようになっている。この取り付け凹部62は、上記流量制御弁機構10のダイヤフラム22に対して対向する位置に配置されている。
図9に示すように、上記取り付け凹部62の奥には、装置筐体45を更に奥深く削り取ることにより流体溜め室64が形成されている。この流体溜め室64の天井の中央部は、図9において下方向へ少し突状に形成されており、この部分に上記流量制御弁機構10側の弁口24と連通するようにして連通路66が形成されて、弁口24を流れたガスがこの流体溜め室64内へ流入できるようになっている。従って、上記流体溜め室64に関して、この連通路66の下端開口部が弁口となる流体入口部68として機能することになる。また、この流体溜め室64には、ガスが流れ出る流体出口部70が設けられており、この流体出口部70は、流路72を介して流体出口6B側へ連通されている。
そして、上記弁口となる流体入口部68の周囲には、例えばOリング等よりなるリング状の弾性シール部材74が下方へ部分的に突出させて設けられており、後述するように弁閉状態の時に、この弁口となる流体入口部68を完全に液密に、或いは気密に閉じてガスの流れを完全に遮断できるようになっている。上記流体溜め室64の下方を区画するようにして、屈曲変形可能になされた金属製の全閉用ダイヤフラム76が設けられている。この全閉用ダイヤフラム6は、その中心部に下方向へ凸状に曲面状に成形された曲面部76Aを有しており、その周辺部が、この取り付け凹部62に密接状態で嵌装させた固定部材78により押し付けられて固定されている。この固定部材78は、図示しないネジ等により締め付け固定される。
ここで上記曲面部76Aは、略球殻の一部、具体的には半球殻状よりも更に平面に近い球殻の一部となるような形状になされている。尚、この全閉用ダイヤフラム6に曲面部76Aを設けないで、平面形状となるように形成してもよい。そして、上記固定部材78には、上記全閉用ダイヤフラム76を上記流体入口部68に向けて押圧して弁口として機能するこの流体入口部68を閉じるための押圧手段80が設けられている。この押圧手段80は、上記固定部材78の上面を凹部状に成形することによって、上記全閉用ダイヤフラム76を挟んで流体溜め室64とは反対側(図9中では下方側)に設けられた作動空間82と、この作動空間82内へ加圧気体、例えば加圧空気を給排することができる弁機構84とにより構成されている。この弁機構84を駆動することにより、上記作動空間82内へ必要に応じて加圧気体を給排できるようになっており、加圧気体を供給した時に上記曲面部76Aを有す全閉用ダイヤフラム76を屈曲変形させて流体入口部68を全閉できるようなっている。
従って、作動空間82に加圧気体を供給していない通常時には上記気体入口部68は全開状態となっており、ノーマリオープン形の開閉弁となっている。上記弁機構84は、例えば電磁式の三方弁よりなり、この電磁三方弁を上記固定部材78に内蔵させることによって、全体の小型化及びコンパクト化を図るようになっている。この場合、上記固定部材78の周囲と取り付け凹部62の内面との間には、Oリング等よりなるシール部材86が介設されており、図示せぬ、ねじにより接続されており、上記作動空間82内の加圧空気が外部へ洩れないようにしている。このように弁機構84として電磁式三方弁を用いることによって、この三方弁の1方に常時加わる加圧空気を、作動空間82内へ必要に応じて給排させることができる。上記加圧空気は作動空気入口85から導入される。そして、このように弁機構84として電磁式三方弁を用いることによって、零点測定用バルブ部60として小型コンパクトなアクチュエータレス小型バルブ機構とすることができる。尚、この零点測定用バルブ部60は、検定制御手段48によりその動作が制御される。
次に、このように構成した零点測定用バルブ部60を用いて行われる流量センサの零点測定工程について説明する。
この零点測定工程は、定期的、或いは不定期的に行われるが、特に、図4に示す基準圧力変化特性用ルーチンを実行する直前や、図5に示す本検定用ルーチンを実行する直前に行なうのが好ましい。
図11に示すように、この零点測定工程を行なうには、まず、ここでは流路6の最上流に位置する検定用バルブ部42と流路6の最下流に位置する上記零点測定用バルブ部60とを共に閉じることによって弁閉状態とし、流路6内に流れるガスの流れを完全に遮断してこれを停止させる(S01)。すなわち、センサ管14内のガスの流れを完全に停止させる。この際、流量制御弁機構10の流量制御弁20は開状態に維持しておく(S02)。
このような状態にして、所定時間が経過して流路6内、特にセンサ管14内のガスの流れが完全に停止して安定状態になったならば(S03)、その時のセンサ回路16の流量信号S1を検出し、この時の検出値をゼロ点のズレ量として制御手段18の図示しないメモリに記憶する(S04)。換言すれば、これにより検定制御手段48や制御手段18内の測定系(流量センサ)を電気的に”流路ゼロ”として設定(オフセット調整)することになる。この場合、上述したように、零点測定用バルブ部60は、ガス(流体)の洩れを完全に遮断することができるので、精度の高い零点測定を行なうことができる。尚、ここでは、まだ零点調整は行わないで上記したズレ量を記憶したままにしておき、最終的に本検定用ルーチンで自動的に、或いはオペレータの指示により、零点調整を行なうようにする。すなわち、図5に示す本検定用ルーチンのS34にて、上記零点ズレ量と本検定用ルーチンで求めた流量ズレ量とを自動的に校正することにより、零点調整を行なうと共に流量ずれ調整を行なう。この場合、自動校正を行わないで測定結果の各ズレ量を表示するようにし、必要な場合にはオペレータがこれを見て指示することにより校正を行なうようにしてもよい。
図11へ戻って、S04にて流量信号S1の値を記憶したならば、流量制御弁20を通常の制御状態へ移行させ(S05)、そして、検定用バルブ部42及び零点測定用バルブ部60を共に開状態にする(S06)。そして、次に、基準圧力変化特性用ルーチンの場合は図4のS2へ移行し(S1は除く)、本検定用ルーチンの場合は図5のS22へ移行(S21は除く)する(S07)。
上述の場合、図10に示すように、全閉用ダイヤフラム76の半球殻状の曲面部76Aの直径をD、半径R、加圧空気の圧力をP1、流体溜め室64内の圧力をP2とすると、実験の結果、以下に示すような関係式を満足する範囲が、洩れのない全閉状態を維持できることが確認できた。
2<R/D<10 (P1−P2≧0.1MPaの時)
また、上記曲面部76Aの形状は、球殻の一部の形状、例えば半球殻状に形成したが、これに限定されず、楕円殻の一部の形状など、ガスの流れを完全に停止させる全閉状態を実現できるならば、どのような曲面でもよいし、また前述したように全閉用ダイヤフラム76を平面形状にしてもよい。
また、弁機構84として電磁式の三方弁を用いてこれを内蔵したアクチュエータレス小型バルブ機構を零点測定バルブ部60として用いているので、小型コンパクト化及び省スペース化を実現することができる。
また装置の設計寸法にもよるが、流量制御弁機構10に対向させて零点測定用バルブ部60を配置するようにしたので、ダイヤフラム22で開閉される弁口24と流体溜め室64の流体入口部68とを連通する連通路66の容積、すなわちガスを流した時に制御することができないデッドボリュームを非常に少なくすることができる。
また前述のように、このようなアクチュエータレス小型バルブ機構は、図2に示す検定用バルブ部42に対しても適用することができる。
また上記第2実施例では、零点測定用バルブ部60の押圧手段80として、電磁式三方弁を内蔵したアクチュエータレス小型バルブ機構を用いたが、これに替えて、図12に示す変形例のように、全閉用ダイヤフラム76と接触してこれを、図示せぬ電磁式三方弁の動作によって給排気される加圧空気の圧力で押圧するピストン90を有するピストン式アクチュエータを用いてもよい。
尚、上記零点測定用バルブ部60は、バイパス管12及びセンサ管14を挟んで上記検定用バルブ部42の反対側に設けられることになる。従って、例えば検定用バルブ部42をバイパス管12よりも下流側に設けた場合には、上記零点測定用バルブ部60は、バイパス管12よりも上流側に設けることになる。

本発明に係る質量流量制御装置の第1実施例を示すブロック構成図である。 第1実施例中の各部材の実際の配置状態を示す配置図である。 質量流量制御装置の検定動作モード時の各信号のタイミングチャートを示す図である。 基準圧力変化特性用ルーチンの各ステップを示すフローチャートである。 本検定用ルーチンの各ステップを示すフローチャートである。 基準圧力変化特性用ルーチンと本検定用ルーチンにおける圧力信号の変化の一例を示すグラフである。 本発明に係る質量流量制御装置の第2実施例を示すブロック構成図である。 第2実施例中の各部材の実際の配置状態を示す配置図である。 流量制御弁と零点測定用バルブ部の取り付け状態を示す模式図である。 零点測定用バルブ部の全閉用ダイヤフラムを示す断面図である。 零点測定工程の流れを示すフローチャートである。 ピストンを有するピストン式アクチュエータを示す図である。 ガス配管に介設された従来の質量流量制御装置の一例を示す概略構成図である。 質量流量制御装置の流量検出手段を示す回路図である。
符号の説明
4 ガス管(流体通路)
6 流路
8 質量流量検出手段
10 流量制御弁機構
12 バイパス管
14 センサ管
16 センサ回路
18 制御手段
20 流量制御弁
28 バルブ駆動回路
40 質量流量制御装置
40A 質量流量制御本体
40B 検定本体
42 検定用バルブ部
44 検定用タンク部
46 圧力検出手段
48 検定制御手段
50 タンク本体
51 温度検出手段
52A 基準用データメモリ
52B 検定用データメモリ
54 表示手段
56 警報手段
60 零点測定用バルブ部
64 流体溜め室
68 流体入口部
70 流体出口部
76 全閉用ダイヤフラム
78 固定部材
80 押圧手段
82 作動空間
84 弁機構
S0 流量設定信号
S1 流量信号
S2 バルブ駆動電圧
S3 タンクバルブ開閉信号
S4 圧力信号

Claims (1)

  1. 上下方向に長くなされた装置筐体内に、装置本体内に流体を流す流路と、該流路に流れる流体の質量流量を検出して流量信号を出力する質量流量検出手段と、バルブ駆動信号により弁開度を変えることによって質量流量を制御する流量制御弁機構と、外部から入力される流量設定信号と前記流量信号とに基づいて前記流量制御弁機構を制御する制御手段と、前記流路の入口側を開閉する検定用バルブ部と、所定の容量を有する検定用タンク部と、前記流体の圧力を検出して圧力検出信号を出力する圧力検出手段とをそれぞれ設けてなる質量流量制御装置であって、当該装置本体を検定本体と、質量流量制御本体とに分割して設け、
    前記検定本体には、前記検定用バルブ部と前記検定用タンク部とを設けると共に前記検定用タンク部の長手方向を前記装置筐体内に上下方向に沿って配置し、
    前記質量流量制御本体には、前記質量流量検出手段と前記流量制御弁機構とを設け、前記流量制御弁機構を構成する流量制御弁とアクチュエータとバルブ駆動回路とをこの順序で上下方向へ沿って並べるように配置し、
    且つ前記質量流量検出手段を構成するバイパス管とセンサ回路とをこの順序で上下方向に沿って並べて配置すると共に前記制御手段を前記センサ回路の上方に並べて配置し、
    前記流路の出口側を開閉する零点測定用バルブ部をさらに有し、当該零点測定用バルブ部は前記質量流量制御本体の前記流量制御弁機構のダイヤフラムと当該零点測定用バルブ部のダイヤフラムとを対向するように弁口と流体入口部を連通して設けたことを特徴とする質量流量制御装置。
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