JP4784338B2 - 質量流量制御装置 - Google Patents
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ここで一般的な質量流量制御装置の構成について、図13及び図14を参照して説明する。図13はガス配管に介設された従来の質量流量制御装置の一例の概略構成図を示し、図14は質量流量制御装置の流量検出手段を示す回路図である。
このように構成された質量流量制御装置2において、センサ管14にガス流体が流れていない場合には、両抵抗線R1、R4の温度は同じになっていることから、ブリッジ回路は平衡して差動回路32の検出値である電位差は、例えばゼロである。
このため、質量流量制御装置2が設計通りに流量を制御することができるか否かを検証するために定期的、或いは不定期的に流量検定が実施されている。この流量検定の一例は、上記ガス管4に容量が既知の検定用タンクを別途介設し、一定のガス流量を安定的に流した状態からガスの供給を停止し、この後に、上記検定用タンク内に蓄積されていたガスが流れ出る時のガスの圧力変化を、出荷時等の基準となる圧力変化と比較することにより、その正否を判断するようにしている。
本発明は、以上のような問題点に着目し、これを有効に解決すべく創案されたものである。本発明の目的は、検定用タンクを組み込んで装置自体で質量流量の検定動作を行うようにした質量流量制御装置を提供することにある。
本発明の関連技術は、流体を流す流路に、該流路に流れる流体の質量流量を検出して流量信号を出力する質量流量検出手段と、バルブ駆動信号により弁開度を変えることによって質量流量を制御する流量制御弁機構とを介設し、外部から入力される流量設定信号と前記流量信号とに基づいて前記流量制御弁機構を制御する制御手段を設けてなる質量流量制御装置において、前記流路に、該流路を開閉する検定用バルブ部と、所定の容量を有する検定用タンク部と、前記流体の圧力を検出して圧力検出信号を出力する圧力検出手段とをそれぞれ設け、前記検定用バルブと前記検定用タンク部と前記圧力検出手段とを用いて質量流量検定動作を行うように制御する検定制御手段を備えるように構成したことを特徴とする質量流量制御装置である。
また例えば前記検定制御手段は、基準測定時の流体の圧力変化を記憶する基準用データメモリと、検定時の流体の圧力変化を記憶する検定用データメモリとを有する。
また例えば前記検定制御手段には警報手段が接続されており、前記検定制御手段は検定結果が所定の範囲外の時には前記警報手段を駆動させる。
また例えば前記検定制御手段は、前記検定結果に基づいて前記質量流量検出手段を校正する。
また例えば前記検定制御手段には、検定結果を表示する表示手段が接続されている。
また例えば前記流路の出口側には、零点測定の時に該流路を開閉する零点測定用バルブ部が介設されている。
また例えば前記検定用バルブ部と前記零点測定用バルブ部の内の少なくともいずれか一方は、弁口となる流体入口部と流体出口部とを有する流体溜め室と、前記流体入口部に着座して該流体入口部を閉じるために屈曲変形可能になされた全閉用ダイヤフラムと、前記全閉用ダイヤフラムを前記流体入口部に向けて押圧するための押圧手段と、よりなる。
また例えば前記全閉用ダイヤフラムは、平面形状、或いは略球殻の一部の形状になされている。
また例えば前記弁機構は三方弁よりなる。
また例えば前記零点測定用バルブ部は、前記流量制御弁機構に対して対向する位置に配置されている。
また例えば前記検定制御手段は、前記検定用バルブ部と前記零点測定用バルブ部とを完全に閉じることによって前記流路に流れる流体を完全に遮断して零点測定を行なう。
また例えば前記検定用バルブ部は前記流路の最上流側に設けられ、前記零点測定用バルブ部は前記流路の最下流側に設けられる。
また例えば前記検定用バルブ部と前記検定用タンク部と前記圧力検出手段は、前記質量流量検出手段及び前記流量制御弁機構よりも下流側に設けられる。
他の本発明の関連技術は、上記いずれかに記載の質量流量制御装置の検定方法において、検定流量を設定する工程と、流路に検定用の流体を安定的に流す工程と、前記流れる流体の圧力と検定用タンク部の温度とを検出してそれぞれ初期圧力と初期温度とする工程と、検定用バルブ部を閉じて流路を遮断する工程と、前記検定用バルブ部を閉じた後に前記検定用タンク部から流出する流体の圧力変化を測定する工程と、前記測定された圧力変化と予め求められた基準圧力変化特性とに基づいて検定結果を求める工程と、を有することを特徴とする質量流量制御装置の検定方法である。
また例えば前記検定結果が所定の許容範囲外の時には警報手段により警報を発する。
また例えば前記検定結果に基づいて質量流量検出手段を自動的に校正する。
また例えば前記検定結果を求める工程における上部基準圧力と下部基準圧力は予め定められている。
また例えば前記検定流量を設定する工程の前に、前記流路に流れる流体の流れを完全に遮断して零点測定を行なう零点測定工程を行なう。
また例えば前記零点測定工程は前記検出用バルブ部と前記零点測定用バルブ部の内の少なくとも検定用バルブ部を全閉する。
質量流量制御装置自体に検定用バルブ部と検定用タンク部等を設け、この検定用バルブ部を閉じて流体の供給を停止した以降において、上記検定用タンク部から流れ出る流体の圧力変化を検出すると共に、この圧力変化を例えば基準となる基準圧力変化と比較することによって、流れる流体の質量流量を正確に制御できるか否かの検定を行うことができる。このとき、質量流量制御装置本体を検定本体と、質量流量制御本体とに分割して設け、検定用バルブと検定用タンク部は検定本体に設け、質量流量検出手段のうち流量センサと流量制御弁機構は質量流量制御本体にそれぞれ設けるようにしたので、関係機能部品毎に集約することができてデットスペースを極力無くすことができる。また、検定本体と質量流量制御本体とに分けて夫々を組立てることができるので組立工程の合理化が出来る。
<第1実施例>
図1は本発明に係る質量流量制御装置の第1実施例を示すブロック構成図、図2は第1実施例中の各部材の実際の配置状態を示す配置図である。尚、図13及び図14において示した構成部分と同一構成部分については同一符号を付してその説明を省略する。
更には、この検定制御手段48には、検定結果等を表示するための例えば液晶ディスプレイ等よりなる表示手段54及び必要時に音声や光の点滅等によって警報を発する警報手段56がそれぞれ接続されている。
そして、この検定制御手段48は、必要に応じて上記質量流量検出手段8のセンサ回路16に向けて校正信号S10を出力し、校正結果に基づいてこのセンサ回路16を適正に校正できるようになっている。またこの検定制御手段48と上記質量流量制御本体40Aの制御手段18とは必要に応じて連動するようになっている。
まず、この質量流量制御装置40の動作は、実際に半導体製造装置等に向けて処理ガスを流量制御しつつ流す通常動作モードと、質量流量の検定に関する動作を行う検定動作モードの2種類がある。そして、検定動作モードには、基準となる圧力変化特性を得るための基準圧力変化特性用ルーチンと、実際に検定動作を行う本検定用ルーチンとがある。
この検定動作モードの内、基準圧力変化特性用ルーチンは、この装置を工場から出荷する時や、この装置を出荷先のクリーンルーム等に設置した時等に主に行って基準となる圧力変化特性を得るようにしている。また検定用ルーチンは、出荷先のクリーンルーム等において定期的、或いは不定期的に行われて制御流量の精度が高く維持されているか否かの検査が行われる。図3は質量流量制御装置の検定動作モード時の各信号のタイミングチャートを示す図、図4は基準圧力変化特性用ルーチンの各ステップを示すフローチャート、図5は本検定用ルーチンの各ステップを示すフローチャート、図6は基準圧力変化特性用ルーチンと本検定用ルーチンにおける圧力信号の変化の一例を示すグラフである。
この基準圧力変化特性用ルーチンの主たる工程は、圧力変化同士を比較する工程を除いて本検定用ルーチンの動作と略同じである。ここでは流体として例えばN2 ガスを用いる。図1、図3及び図4に示すように、まずこの基準圧力変化特性用ルーチンを開始すると、検定用バルブ部42を開状態とする(ステップS1)。そして、時刻t1(図3(A)参照)において流量設定信号S0を最大の%、例えば100%でフルスケール(5V:ボルト)になるように設定する(ステップS2)。この検定動作モードにおいては、上記流量設定信号S0は、ホストコンピュータではなく、検定制御手段48から制御手段18に向けて出力される。従って、制御手段18は、この検定制御手段48より入力される信号を流量設定信号S0であると見做して通常の流量制御動作を行う。また一般的には、この流量制御信号S0は、0V〜5Vの範囲で変化させることができ、5Vの時が100%のフルスケール(最大流量)となるように予め設定されている。
次に、定期的、或いは不定期的に行われる本検定用ルーチンについて説明する。この本検定用ルーチンは、この質量流量制御装置40をクリーンルームの半導体製造装置等のガス供給ラインに組み込んだまま行われる。また、ここでも流体としてはN2 ガスを用いる。
ここで図6も参照して検定結果である検定精度についての求め方について説明する。図6は弁開度が100%の時の基準圧力変化特性用ルーチンと本検定用ルーチンにおける圧力信号4の変化の一例を示すグラフである。特性曲線X0が弁開度100%の時の基準圧力変化を示し、特性曲線X1が弁開度100%の時の検定圧力変化特性を示し、前述のように両特性曲線は、それぞれ基準用データメモリ52A及び検定用データメモリ52Bに記憶されている。そして、予め定められた圧力範囲、すなわち上限基準圧力P1と下限基準圧力P2との間を各特性曲線X0、X1が通過する時間をそれぞれMΔt及びΔtとする。
H=MΔt/Δt×PO/MPO×(273+MTO)/(273+TO)×100(%)
MTO:基準圧力変化特性用ルーチンにおける初期温度
TO:本検定用ルーチンにおける初期温度
MPO:基準圧力変化特性用ルーチンにおける初期圧力
PO:本検定用ルーチンにおける初期圧力
H=100.135%
すなわち、ここでは出荷当時と同様にガス流量を制御すると、僅かではあるが、0.135%の流量誤差が生ずることを意味する。
このように検定結果が得られたならば、これを記憶すると同時に、この検定結果を出力して例えば表示手段54に表示するなどしてオペレータにその内容を知らせる(ステップS33)。これと同時に必要があれば、この検定結果に基づいて質量流量検出手段8を自動的に校正して正しい質量流量S1を出力するように設定する(ステップS34)。この校正処理は、例えばセンサ回路16の増幅器である差動回路32(図14参照)のゲインを調整することにより行うことができる。
このように、装置自体に検定用バルブ部42と検定用タンク部44等を設け、この検定用バルブ部42を閉じて流体の供給を停止した以降において、上記検定用タンク部44から流れ出る流体の圧力変化を検出すると共に、この圧力変化を例えば基準となる基準圧力変化と比較することによって、流れる流体の質量流量を正確に制御できるか否かの検定を行うことができる。
尚、上記実施例において、弁開度(検定温度の設定値)を10%ずつ変化させて検定動作を行ったが、この数値例に限定されるものではない。また、検出手段46と検出用タンク部44の流路6に対する配列順序を上流側と下流側とで逆に設置するようにしてもよい。更に、ここではタンク本体50に対して流路6の入口50Aと出口50Bとを別々に設けたが、これに限定されず、流路6に対して1本の分岐管を形成し、この分岐管にタンク本体50をT字状に接続するようにしてもよい。
尚、第1実施例において、零点調整を行なう場合には、上記検定用バルブ部42を弁閉状態にして流路6内のガスの流れを停止して安定化した状態において流量信号S1を求め、この値に基づいて零点調整を行なう。
次に本発明に係る質量流量制御装置の第2実施例について説明する。
この第2実施例においては、精度の高い零点調整を行なうことができる機能を付与したものであり、これと同時に装置自体の小型コンパクトを図るようにしたものである。
図7は本発明に係る質量流量制御装置の第2実施例を示すブロック構成図、図8は第2実施例中の各部材の実際の配置状態を示す配置図、図9は流量制御弁と零点測定用バルブ部の取り付け状態を示す模式図、図10は零点測定用バルブ部の全閉用ダイヤフラムを示す断面図、図11は零点測定工程の流れを示すフローチャートである。
尚、図1及び図2に示す構成部分と同一構成部分については同一符号を付してその説明を省略する。ここでは零点測定用バルブ部としては、先の検定用バルブ部42においても用いたアクチュエータレス小型バルブ機構を用いる場合について説明する。
この零点測定工程は、定期的、或いは不定期的に行われるが、特に、図4に示す基準圧力変化特性用ルーチンを実行する直前や、図5に示す本検定用ルーチンを実行する直前に行なうのが好ましい。
図11に示すように、この零点測定工程を行なうには、まず、ここでは流路6の最上流に位置する検定用バルブ部42と流路6の最下流に位置する上記零点測定用バルブ部60とを共に閉じることによって弁閉状態とし、流路6内に流れるガスの流れを完全に遮断してこれを停止させる(S01)。すなわち、センサ管14内のガスの流れを完全に停止させる。この際、流量制御弁機構10の流量制御弁20は開状態に維持しておく(S02)。
上述の場合、図10に示すように、全閉用ダイヤフラム76の半球殻状の曲面部76Aの直径をD、半径R、加圧空気の圧力をP1、流体溜め室64内の圧力をP2とすると、実験の結果、以下に示すような関係式を満足する範囲が、洩れのない全閉状態を維持できることが確認できた。
2<R/D<10 (P1−P2≧0.1MPaの時)
また、上記曲面部76Aの形状は、球殻の一部の形状、例えば半球殻状に形成したが、これに限定されず、楕円殻の一部の形状など、ガスの流れを完全に停止させる全閉状態を実現できるならば、どのような曲面でもよいし、また前述したように全閉用ダイヤフラム76を平面形状にしてもよい。
また装置の設計寸法にもよるが、流量制御弁機構10に対向させて零点測定用バルブ部60を配置するようにしたので、ダイヤフラム22で開閉される弁口24と流体溜め室64の流体入口部68とを連通する連通路66の容積、すなわちガスを流した時に制御することができないデッドボリュームを非常に少なくすることができる。
また上記第2実施例では、零点測定用バルブ部60の押圧手段80として、電磁式三方弁を内蔵したアクチュエータレス小型バルブ機構を用いたが、これに替えて、図12に示す変形例のように、全閉用ダイヤフラム76と接触してこれを、図示せぬ電磁式三方弁の動作によって給排気される加圧空気の圧力で押圧するピストン90を有するピストン式アクチュエータを用いてもよい。
尚、上記零点測定用バルブ部60は、バイパス管12及びセンサ管14を挟んで上記検定用バルブ部42の反対側に設けられることになる。従って、例えば検定用バルブ部42をバイパス管12よりも下流側に設けた場合には、上記零点測定用バルブ部60は、バイパス管12よりも上流側に設けることになる。
6 流路
8 質量流量検出手段
10 流量制御弁機構
12 バイパス管
14 センサ管
16 センサ回路
18 制御手段
20 流量制御弁
28 バルブ駆動回路
40 質量流量制御装置
40A 質量流量制御本体
40B 検定本体
42 検定用バルブ部
44 検定用タンク部
46 圧力検出手段
48 検定制御手段
50 タンク本体
51 温度検出手段
52A 基準用データメモリ
52B 検定用データメモリ
54 表示手段
56 警報手段
60 零点測定用バルブ部
64 流体溜め室
68 流体入口部
70 流体出口部
76 全閉用ダイヤフラム
78 固定部材
80 押圧手段
82 作動空間
84 弁機構
S0 流量設定信号
S1 流量信号
S2 バルブ駆動電圧
S3 タンクバルブ開閉信号
S4 圧力信号
Claims (1)
- 上下方向に長くなされた装置筐体内に、装置本体内に流体を流す流路と、該流路に流れる流体の質量流量を検出して流量信号を出力する質量流量検出手段と、バルブ駆動信号により弁開度を変えることによって質量流量を制御する流量制御弁機構と、外部から入力される流量設定信号と前記流量信号とに基づいて前記流量制御弁機構を制御する制御手段と、前記流路の入口側を開閉する検定用バルブ部と、所定の容量を有する検定用タンク部と、前記流体の圧力を検出して圧力検出信号を出力する圧力検出手段とをそれぞれ設けてなる質量流量制御装置であって、当該装置本体を検定本体と、質量流量制御本体とに分割して設け、
前記検定本体には、前記検定用バルブ部と前記検定用タンク部とを設けると共に前記検定用タンク部の長手方向を前記装置筐体内に上下方向に沿って配置し、
前記質量流量制御本体には、前記質量流量検出手段と前記流量制御弁機構とを設け、前記流量制御弁機構を構成する流量制御弁とアクチュエータとバルブ駆動回路とをこの順序で上下方向へ沿って並べるように配置し、
且つ前記質量流量検出手段を構成するバイパス管とセンサ回路とをこの順序で上下方向に沿って並べて配置すると共に前記制御手段を前記センサ回路の上方に並べて配置し、
前記流路の出口側を開閉する零点測定用バルブ部をさらに有し、当該零点測定用バルブ部は前記質量流量制御本体の前記流量制御弁機構のダイヤフラムと当該零点測定用バルブ部のダイヤフラムとを対向するように弁口と流体入口部を連通して設けたことを特徴とする質量流量制御装置。
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