JP3815867B2 - シーソ操作型電気部品のクリック機構 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、クリック(節度)感触を伴って回動ノブがシーソ操作するシーソ操作型電気部品のクリック機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば自動車のワイパーとウオッシャーの操作用スイッチ装置として、実開昭57−170230号公報に記載されているように、回動ノブのシーソ操作によってワイパー作動とウオッシャー作動を選択的に行なうようにしたものが知られている。かかる従来のスイッチ装置は、ハウジングにシーソ操作可能に支承された回動ノブと、回動ノブを複数のロック位置に保持するクリック機構と、回動ノブのシーソ動作に伴って駆動されるスライド体とを備えており、スライド体にはハウジング側に設けられた固定接点と接離する可動接点が取り付けられている。前記クリック機構は、ハウジングの内底面に形成されたカム面と、回動ノブにスプリングを介して保持されたボールとで構成されており、ボールはスプリングによってカム面に弾性付勢されている。
【0003】
このように構成されたスイッチ装置にあって、外部から回動ノブの一端を押圧してシーソ動作させると、回動ノブに連動してボールがカム面の谷部から山部を乗り越えて隣の谷部へ移行するため、回動ノブは当該位置に安定的に保持され、その際にクリック感触が生起される。また、この回動ノブのシーソ動作に伴ってスライド体が水平方向へ駆動されるため、スライド体に設けられた可動接点が固定接点と接離し、接点の切り換え動作が行われる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前述した従来のスイッチ装置では、固定側部材であるハウジングの内底面に形成されたカム面を回動ノブに保持されたボールが摺動するため、カム面の谷部と山部の角度を急峻にすると、回動ノブを保持するロック力は高められるが、回動ノブをシーソ動作させるのに大きな操作力を必要とし、その反対に、カム面の谷部と山部の角度をなだらかにすると、回動ノブを軽い操作力でシーソ動作できるが、ロック力が低下して回動ノブを安定的に保持できなくなる。つまり、回動ノブのロック力を高めることと操作力を低下させることとが相反する関係にあるため、両者を共に満足させることはできず、現状は回動ノブのロック力を高めるために操作力を大きくせざるを得ず、操作感触に優れたクリック機構を実現することができなかった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、回動ノブに回転部材を回転駆動する駆動レバーを設け、回転部材には、回転部材のカム面と第2の支点との間で駆動レバーの先端と係合する受部を形成し、ハウジングに複数の固定接点を有する基板を固定し、回転部材にこれら固定接点と接離可能な可動接点を設けることする。このように回転部材の回転角度を拡大でき、また、回動ノブの一定回転角度に対するカム面の回転量を拡大できるため、限られたスペースの中で回転部材への接点配置の自由度を高めることができると共に所望のクリック感触を得ることができるる。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明によるシーソ操作型電気部品のクリック機構では、ハウジングの第1の支点を中心として外部からシーソ操作可能に支承された回動ノブと、クリック溝が形成されたカム面を有し、前記ハウジング内の第2の支点を中心として回転可能に支承された回転部材と、前記回動ノブに往復移動可能に保持された駆動体を前記カム面に弾性付勢するスプリングとを備え、前記回動ノブに前記回転部材を回転駆動する駆動レバーを設け、前記回転部材には、前記回転部材の前記カム面と前記第2の支点との間で前記駆動レバーの先端と係合する受部を形成し、前記ハウジングに複数の固定接点を有する基板を固定し、前記回転部材にこれら固定接点と接離可能な可動接点を設けた。
【0008】
前記回転部材はクリック部材としてのみ機能させても良いが、前記ハウジングに複数の固定接点を有する基板を固定し、前記回転部材にこれら固定接点と接離可能な可動接点を設けると、回動ノブのシーソ動作に連動して接点の切り換え動作を行なうことができるのみならず、狭い空間内で回転部材を大きく回転させられるため、各接点を配置する自由度を高めることができる。
【0009】
【実施例】
実施例について図面を参照して説明すると、図1はシーソ操作型スイッチ装置の要部を示す分解斜視図、図2は該スイッチ装置の平面図、図3は該スイッチ装置の側断面図、図4は該スイッチ装置の動作説明図である。
【0010】
図1〜図3に示すように、円筒状のケーシング1にホルダ2が圧入固定されており、これらケーシング1とホルダ2によってハウジングが構成されている。ケーシング1の基端部は図示せぬ自動車のコラム側に揺動可能に取り付けられており、ホルダ2にキャップ3が被せられている。ホルダ2の先端に第1の支点となる半円状の凹部2aが形成され、ホルダ2の内部に第2の支点となる突起2bが形成されている。ホルダ2の凹部2aに回動ノブ4の支軸4aが支承されており、回動ノブ4は凹部2aを中心としてホルダ2にシーソ動作可能に支持され、爪片4bによってホルダ2からの脱落が防止されている。回動ノブ4はキャップ3の開口端から外部へ露出する操作面4cを有し、操作面4cの裏面中央に駆動レバー4dと筒部4eが突出形成されている。駆動レバー4dの先端は円形で筒部4eより突出しており、筒部4eの内部にコイルスプリング5を介して駆動体であるボール6が往復移動可能に保持されている。
【0011】
ホルダ2の突起2bに回転部材7の軸孔7aが挿入されており、回転部材7を覆うようにプリント基板8がホルダ2に固定されている。回転部材7の軸孔7aと反対側にはカム面7bが形成されており、回転部材7は突起2bを中心としてホルダ2に回転可能に支持されている。カム面7bの谷部と山部はなだらかに連続しており、このカム面7bにコイルスプリング5からの付勢力を受けてボール6が圧接されている。回転部材7の片面に一対の受部7cが突出形成されており、回動ノブ4から突出する駆動レバー4dの先端がこれら受部7cの間に挿入されている。また、回転部材7の他面に可動接点9が取り付けられており、可動接点9はプリント基板8に設けられた複数の固定接点10に接離可能に圧接されている。
【0012】
次に、このように構成されたスイッチ装置の動作を主として図4に基づいて説明すると、回動ノブ4が図4(a)に示す中立位置にある場合、ボール6は凹部2aと突起2bを結ぶ直線上でカム面7bの谷部に圧接されており、回動ノブ4は中立位置に安定的に保持されている。また、可動接点9はコモン接点を除く固定接点10と離間してスイッチオフであり、ワイパーが作動されない停止状態に維持されている。
【0013】
図4(a)に示す中立位置で例えば操作面4cの左端を押圧すると、図4(b)に示すように、回動ノブ4は凹部2aを中心に反時計回り方向へシーソ動作し、この回転力が駆動レバー4dと受部7cの係合部分を介して回転部材7に伝達されるため、回転部材7は突起2bを中心に時計回り方向へ回転する。これに伴ってボール6はカム面7b上を転動して左側の山部を乗り越え、山部の斜面に圧接して回転部材7を時計回り方向へ付勢するため、回動ノブ4は図4(b)に示す第1のロック位置に保持される。その際、カム面7bの谷部と山部がなだらかに連続しているため、回動ノブ4を軽い操作力で第1のロック位置までシーソ動作することができ、しかも、カム面7bが回動ノブ4と反対方向へ回転する回転部材7に形成されているため、回動ノブ4を第1のロック位置に安定的に保持することができる。同時に、回転部材7の回転に連動して可動接点9がプリント基板8上を摺動し、コモン接点と特定の固定接点10を短絡してスイッチオンとなるため、例えばワイパーが通常の速さで作動される。
【0014】
これとは逆に、図4(a)に示す中立位置で例えば操作面4cの右端を押圧すると、図4(c)に示すように、回動ノブ4は凹部2aを中心に時計回り方向へシーソ動作し、回転部材7は突起2bを中心に反時計回り方向へ回転する。これに伴ってボール6はカム面7bの右側の山部を転動し、この間で可動接点9がコモン接点と別の固定接点10を短絡してスイッチオンとなるため、例えばワイパーが1回だけ作動される。この場合、ボール6はカム面7bの右側の山部を乗り越えていないため、操作面4cへの押圧力を除去すると、回動ノブ4は図4(a)に示す中立位置に自動復帰する。
【0015】
図4(c)に示す位置から操作面4cの右端をさらに押圧すると、ボール6はカム面7bの右側の山部を乗り越え、山部の斜面に圧接して回転部材7を反時計回り方向へ付勢するため、回動ノブ4は図4(d)に示す第2のロック位置に保持され、この間で可動接点9がコモン接点とさらに別の固定接点10を短絡してスイッチオンとなるため、例えばワイパーが間欠的に作動される。この場合もカム面7bの谷部と山部はなだらかに連続しているため、回動ノブ4を軽い操作力で第2のロック位置までシーソ動作することができ、回動ノブ4を第2のロック位置に安定的に保持することができる。
【0016】
なお、上記実施例では、回転部材7の回転量を可動接点9と固定接点10を用いた接点の切り換え動作によって検出するスイッチ装置について説明したが、固定接点10の代わりに抵抗体を用い、回転部材7の回転量を抵抗値変化として検出しても良く、回転部材7の回転量を発光素子と受光素子を用いて光学的に検出することも可能である。
【0017】
また、上記実施例では、駆動レバー4dと回転部材7の係合部が第1の支点と第2の支点の間にある場合を説明したが、該係合部が第1の支点から見て第2の支点の向こう側にあっても良い。この場合、係合部の第1の支点からの距離が長くなるため、回動ノブの動きが上記実施例より大きくなり、回転部材を大きく動かすことが可能となる。
【0018】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したような形態で実施され、以下に記載されるような効果を奏する。
【0019】
回動ノブに回転部材を回転駆動する駆動レバーを設け、回転部材には、回転部材のカム面と第2の支点との間で駆動レバーの先端と係合する受部を形成し、ハウジングに複数の固定接点を有する基板を固定し、回転部材にこれら固定接点と接離可能な可動接点を設けたため、回転部材の回転角度を拡大でき、また、回動ノブの一定回転角度に対するカム面の回転量を拡大できるため、限られたスペースの中で回転部材への接点配置の自由度を高めることができると共に所望のクリック感触を得ることができるので、小型でクリック感触に優れたシーソ操作型電気部品に好適なクリック機構を提供できる。また、カム面の回転範囲が拡大してカム山ピッチを拡大できるため、たとえシーソー操作型電気部品を小型化しても求めるフィーリング感を創出できる。
【0020】
また、前記ハウジングに複数の固定接点を有する基板を固定し、前記回転部材にこれら固定接点と接離可能な可動接点を設けると、回動ノブのシーソ動作に連動して接点の切り換え動作を行なうことができるのみならず、狭い空間内で回転部材を大きく回転させられるため、各接点を配置する自由度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例に係かるシーソ操作型スイッチ装置の要部を示す分解斜視図である。
【図2】該スイッチ装置の平面図である。
【図3】該スイッチ装置の側断面図である。
【図4】該スイッチ装置の動作説明図である。
【符号の説明】
1 ケーシング
2 ホルダ
2a 凹部
2b 突起
4 回動ノブ
4a 支軸
4c 操作面
4d 駆動レバー
5 コイルスプリング
6 ボール
7 回転部材
7a 軸孔
7b カム面
7c 受部
8 プリント基板
9 可動接点
10 固定接点
Claims (5)
- ハウジングの第1の支点を中心として外部からシーソ操作可能に支承された回動ノブと、
クリック溝が形成されたカム面を有し、前記ハウジング内の第2の支点を中心として回転可能に支承された回転部材と、
前記回動ノブに往復移動可能に保持された駆動体を前記カム面に弾性付勢するスプリングとを備え、
前記回動ノブに前記回転部材を回転駆動する駆動レバーを設け、
前記回転部材には、前記回転部材の前記カム面と前記第2の支点との間で前記駆動レバーの先端と係合する受部を形成し、
前記ハウジングに複数の固定接点を有する基板を固定し、前記回転部材にこれら固定接点と接離可能な可動接点を設けたことを特徴とするシーソ操作型電気部品のクリック機構。 - 請求項1の記載において、前記駆動レバーの先端は、前記回転部材のカム面が形成された面とは別の面に設けた前記受部と係合することを特徴とするシーソ操作型電気部品のクリック機構。
- 請求項2の記載において、前記受部が前記回転部材の一面に突出形成されることを特徴とするシーソ操作型電気部品のクリック機構。
- 請求項3の記載において、可動接点が前記回転部材の他面に形成され、固定接点を有する基板を他面に対向させて配置することを特徴とするシーソ操作型電気部品のクリック機構。
- 請求項2〜4のうちいずれか1項に記載において、前記駆動レバーの先端は円形であることを特徴とするシーソ操作型電気部品のクリック機構。
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JP27462097A JP3815867B2 (ja) | 1997-10-07 | 1997-10-07 | シーソ操作型電気部品のクリック機構 |
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