JP3814858B2 - 筒内直接噴射式内燃機関の制御装置 - Google Patents

筒内直接噴射式内燃機関の制御装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車等の内燃機関の制御装置に関し、特に、燃料を高圧で気筒内に直接噴射する直噴用インジェクタを備えた筒内直接噴射式内燃機関の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
筒内直接噴射式内燃機関では、始動時に機関が確実に始動するように、燃料の微粒化を考えて、燃料圧力(以下、燃圧という)が高くなってから供給することが望ましい。このため、従来、燃費や効率をも考慮して、機械駆動式の高圧燃料ポンプを用いて高い燃圧を発生している。
【0003】
しかし、機関始動時にはこの高圧燃料ポンプが負荷となり、機関回転数の上昇が遅れ、ひいては燃圧の上昇も遅れてしまうため、燃圧が十分に上昇するのを待ってから燃料供給を行うのでは、結果的に機関の始動が遅くなってしまう場合がある。また、始動を速くするために燃圧が不足したまま燃料供給を早めすぎると、運転条件によっては燃料供給量が不足して燃焼不良や失火を生じ、排気や始動性の悪化につながる場合もある。
【0004】
このような不都合を回避するため、特開平4-311637号公報には、直噴用インジェクタを備えた内燃機関において、始動時の機関回転数が所定値よりも低い場合には、圧縮行程末期に燃料の供給を開始して、噴射した燃料が点火栓回りで成層となるようにし、また、機関回転数が所定値よりも高い場合には、排気弁が閉弁する頃に燃料供給を行って、燃焼室内に均一混合気を形成するようにして燃焼させる技術が開示されている。これは、排気や始動性を悪化させることなく機関回転数の急速な上昇を実現しようとするものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の筒内直接噴射式内燃機関の制御装置にあっては、機関始動時の回転数にのみ着目しており、燃料供給量や燃圧の状態は考慮されておらず、始動時最初の燃料供給は常に所定のサイクルで開始されている。
このため、燃料供給開始のサイクルを早めに設定してある場合、燃圧が低いと供給量が不足し、燃焼不良や失火により排気を悪化させる可能性があり、逆に、燃料供給開始のサイクルを遅めに設定している場合には、温度が高く素早い始動が可能であるような良い条件の場合でも機関の始動に必要以上の時間がかかってしまうという問題点があった。
【0006】
本発明は、このような従来の問題点に鑑み、機関始動時の回転数、燃料供給量、燃料ポンプの燃圧上昇特性、燃圧検出値、燃温検出値等に基づき、そのときの運転状態に応じて燃料供給開始のサイクルを可変に制御し、最適なサイクルから燃料の供給を開始することのできる筒内直接噴射式内燃機関の制御装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
このため、本発明は、低温時のように、始動時に多量の燃料を供給する必要があり、かつ機関回転数が低く燃圧の上昇が遅いような条件では、燃圧が十分に上昇するのを待って燃料供給を行うことにより、排気や始動性の悪化を防止することを基本としている。一方、高温時のように、始動時に少量の燃料供給で済み、かつ機関回転数が高く燃圧の上昇が速いような条件では、比較的早いサイクルで燃料供給を開始することにより、機関の素早い始動を実現する。
【0008】
具体的には、請求項1に係る発明では、直噴用インジェクタにより気筒内に直接燃料を高圧で噴射供給する筒内直接噴射式内燃機関の制御装置において、図1に示すように、機関の運転状態を検出する運転状態検出手段Aと、機関始動時の燃料供給量を算出する燃料供給量演算手段Bと、前記運転状態検出手段の検出結果と前記燃料供給量演算手段の算出結果とに基づき、始動時に要求される燃料圧力の下限値を算出する燃圧下限値演算手段Cと、前記運転状態検出手段の検出結果と、前記燃料供給量演算手段の算出結果とに基づいて燃料供給を行った場合の燃料圧力の変化を推定する燃圧推定手段Dと、前記燃圧下限値演算手段の算出結果と前記燃圧推定手段の推定結果とに基づき、始動時に燃料供給を開始する気筒を判断する燃料供給開始気筒判断手段Eと、を含んで構成されることを特徴とする。
【0009】
また、請求項2に係る発明では、前記燃圧推定手段Dは、燃料供給を行う前に、燃料供給による燃料圧力の変化をあらかじめ推定することを特徴とする。
また、請求項3に係る発明では、前記燃圧推定手段Dは、前記運転状態検出手段Aで検出したクランク角と、前記燃料供給量演算手段Bで算出した燃料供給量と、既知の燃料ポンプの特性とから、燃料供給後の燃圧の変化を推定するものであることを特徴とする。
【0010】
また、請求項4に係る発明では、前記所定の燃料ポンプ特性は、クランク角に対応した燃料ポンプの燃圧上昇特性であることを特徴とする。
また、請求項5に係る発明では、前記燃圧推定手段は、クランク角センサが 180 ° CA 毎に出力するレファレンス信号毎に、燃圧の推移を推定するものであって、前回の燃圧推定値の最終値を初期値として前回の燃圧推定値に基づき推定される燃圧と、前記推定された燃圧と前記燃料供給量とから算出した燃料供給時間に基づき求められる燃圧低下量とから、燃圧の推移を推定することを特徴とする。
また、請求項6に係る発明では、始動後の最初の燃圧推定時には、前記初期値は、始動時のクランク角と、予め記憶された燃料ポンプの燃圧上昇特性により求められることを特徴とする。
また、請求項7に係る発明では、前記運転状態検出手段Aは、前記内燃機関に設置されたクランク角センサにより、機関のクランク角を検出し、これに基づいて機関の回転数を算出するものであることを特徴とする。
また、請求項8に係る発明では、前記燃料供給量演算手段Bは、機関の冷却水温度に基づいて、所定のテーブルから機関始動時の燃料供給量を決定するものであることを特徴とする。
また、請求項9に係る発明では、前記燃圧下限値演算手段Cは、燃料供給が可能なクランク角区間と前記運転状態検出手段で検出した機関回転数とに基づいて算出される燃料供給が可能な最大時間と、前記燃料供給量演算手段Bで算出された燃料供給量とから、前記最大時間内で前記燃料供給量を供給し終えるために必要な燃圧の下限値を所定のテーブルから算出するものであることを特徴とする。
【0011】
また、請求項 10に係る発明では、前記燃圧下限値演算手段Cは、燃圧下限値の最低値を制限するリミッタを設け、前記算出した燃圧の下限値を補正する燃圧下限値補正手段を含んで構成されることを特徴とする。
【0012】
また、請求項 11に係る発明では、前記内燃機関は燃料圧力を検出する燃圧センサを備える一方、前記燃圧推定手段Dは、前記運転状態検出手段Aで検出したクランク角と、前記燃料供給量演算手段Bで算出した燃料供給量と、既知の燃料ポンプの特性と、前記燃圧センサの出力とから、燃圧の変化を推定するものであることを特徴とする。
【0013】
また、請求項 12に係る発明では、前記内燃機関は燃料温度を検出する燃温センサを備える一方、前記燃圧推定手段Dは、前記運転状態検出手段Aで検出したクランク角と、前記燃料供給量演算手段Bで算出した燃料供給量と、既知の燃料ポンプの特性と、前記燃温センサの出力とから、燃圧の変化を推定するものであることを特徴とする。
【0014】
また、請求項 13に係る発明では、前記燃料供給開始気筒判断手段Eは、前記燃圧推定手段Dにより算出された前記燃料供給後の燃圧の推定値と、前記燃圧下限値演算手段Cにより算出された前記燃圧下限値とを比較し、前記燃圧推定値が前記燃圧下限値以上の場合には燃料供給タイミングが訪れている気筒に燃料供給を行い、前記燃圧推定値が前記燃圧下限値よりも小さくなる場合には燃料供給を行わず、次の燃料供給タイミングで同様の処理を行って燃料供給を開始する気筒を決定するものであることを特徴とする。
【0015】
また、請求項 14に係る発明では、機関の始動後、所定期間が経過したら本制御を終了することを特徴とする。
【0016】
【発明の効果】
本発明では、機関始動時の回転数、燃料供給量、燃料ポンプの特性による燃圧の上昇特性、燃圧検出値、燃温検出値等を用いて、そのときの運転状態に応じて燃料供給開始のサイクルを可変に制御する構成としている。これにより、低温時のように始動時に多量の燃料を供給する必要があり、かつ機関回転数が低く、燃圧の上昇が遅いような条件では、燃圧が十分に上昇するのを待って燃料供給を行うことにより排気の悪化を防止できるという効果がある。また、高温時のように始動時に少量の燃料供給で済み、かつ機関回転数が高く燃圧の上昇が速いような条件では、比較的早いサイクルで燃料供給を開始して機関の素早い始動を実現することにより、燃焼の悪化あるいは失火を生じることによる排気の悪化や、始動性の悪化を防止することができるという効果が得られる。
【0017】
すなわち、請求項1,2に係る発明によれば、筒内直接噴射式内燃機関で始動時の燃料供給開始タイミングを判断し、燃焼の悪化や失火による排気の悪化や、始動の遅れを防止できるという効果がある。
また、請求項3〜請求項6に係る発明によれば、予めわかっている燃料ポンプの特性から燃圧の変化を推定するため、容易に精度よく燃圧を推定することができるという効果がある。
また、請求項7に係る発明によれば、機関の運転状態を容易かつ正確に検出することができ、これに基づき的確な制御を行うことができるという効果がある。
【0018】
また、請求項8に係る発明によれば、始動時の燃料供給量を容易に算出できるという効果がある。
また、請求項9に係る発明によれば、当該燃料供給量と機関回転数とに基づき最適な燃圧下限値を演算するため、始動時の燃料供給量や機関回転数が異なる場合でも、排気や始動性が悪化するのを防止できるという効果がある。
【0019】
また、請求項 10に係る発明によれば、燃圧下限値の最低値を制限して補正を行う構成としたため、燃料供給量が少なく、機関回転数が遅いような場合でも、燃料の微粒化が不十分となることにより排気や始動性が悪化することを防止できるという効果がある。
【0020】
また、請求項 11に係る発明によれば、燃圧センサの出力値を用いて、次回以降に燃料供給タイミングが訪れる気筒に燃料供給を行った場合の燃圧の変化を推定することにより、さらに正確に燃圧を推定することができるという効果がある。
また、請求項 12に係る発明によれば、燃温の違いにより燃料性状が変化し、燃料ポンプの燃圧上昇特性が変化する場合でも、燃圧を精度良く推定することができるという効果がある。
【0021】
また、請求項 13に係る発明によれば、燃料供給後の燃圧が燃圧下限値を下回らないようにすることにより、燃料供給を良好かつ確実に行うことができるという効果がある。
また、請求項 14に係る発明によれば、本制御の実行を始動後の所定期間に限定しているため、始動後の通常運転中に誤って本制御による燃料供給の停止が行われることを防止できるという効果がある。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図2は、本発明の一実施例を示す直接噴射式内燃機関の断面図である。機関1では、スロットルバルブ2、サージタンク3、吸気マニホールド4および吸気バルブ5を介して吸気が行われ、直噴用インジェクタ6より燃焼室7に直接燃料が噴射供給される。また、点火プラグ8は、点火のための電極を燃焼室7内に臨ませて設けられている。
【0023】
機関1の運転状態を検出する手段として、スロットルバルブ2の上流に設けられて吸入空気量を計測するエアフローメータ9、機関1のクランク角位置を計測する図示しないクランク角センサ(図示せず)、等が設けてある。クランク角センサはクランク軸あるいはこれと連動して回転するカム軸に直接あるいはギアを介して間接的に接続され、クランク角位置(クランク角度)や、機関1の回転数を算出する。
【0024】
また、供給燃料の燃圧を検出する燃圧センサ10を備え、空燃比は直噴用インジェクタ6により燃料噴射量を調整することにより制御する。この他、エンジンの冷却水温を計測する水温センサ11や、排気中の酸素濃度を計測するO2 センサ12等を備えている。
外部との情報の入出力、種々の演算は、図3に示されるマイクロコンピュータを中心とする回路で実現される。入力ポート13には、前述のエアフローメータ9をはじめとした各種センサが接続されており、それらの情報が入力される。A/D変換器14では、入力ポート13を介して各種センサから得られた信号のうち、アナログ信号がコンピュータで扱えるようにA/D変換される。そして、CPU15は入力データに基づき所定の演算を実行し、その結果は出力ポート16から外部の機器を駆動・制御するための信号として出力される。
【0025】
また、ROM17は後述する制御プログラムや各種データ等をあらかじめ記憶し、RAM18はプログラム実行中に一時的に情報の記憶を行うものである。
前述した従来の筒内直接噴射式内燃機関では、始動時の燃料供給量は水温等に基づいて決定されるが、燃料供給を開始するサイクルは一般に固定されている。また、筒内直接噴射式内燃機関では、短時間に燃料を微粒化して供給するために燃料を高圧にする必要があり、燃費や効率を考慮してカム軸等で駆動する機械式の高圧燃料ポンプを用いている。
【0026】
よって、燃料を供給して機関を始動するためには、まず、ポンプが高圧の燃料を吐出する必要がある。また、ポンプが回転して高圧の燃料を吐出するためには、機関が所定速度で回転していなければならない。
ここで、バッテリの電圧が低い等の理由により始動時の機関の回転数が低く、しかも、低温時であるために多めの燃料を供給しなければならない場合には、低い燃圧で多量の燃料を供給しようとするため、結果的に燃圧がさらに低下し、供給量や燃料の微粒化が不十分となる。これにより、始動時の燃焼が悪化し、最悪の場合には失火を生じて、排気や始動性の悪化につながる場合がある。
【0027】
いま、筒内直接噴射式内燃機関において、始動時に吸気行程で燃料噴射を行う場合を考える。一般に、吸気バルブおよび排気バルブの開閉タイミングは、図4のように設定されている。
ここで、吸気行程の初期には排気バルブが開いており、燃料供給を行うと燃料はそのまま排気される可能性があるために燃料供給はできない。また、吸気行程前半も、ピストンがあまり下がっておらず、燃料供給を行うと燃料がピストンに付着して霧化が不十分となり排気を悪化させる可能性がある。一方、吸気バルブが閉じる直前に燃料供給を行うと、ピストンが上昇を開始し、混合気が吸気ポート側へ押し戻されてしまう可能性がある。よって、燃料供給を行うクランク角は、図4の「燃料供給可能区間」のような範囲を選択することが望ましい。
【0028】
一般に、燃料供給量は、燃料供給雰囲気圧力(この場合、筒内圧力)と燃圧との差圧と、燃料供給時間との積で決定される。ここで、始動時の筒内圧力はほぼ大気圧であることから、燃料供給量Ti が一定の場合、燃圧Pfuelと燃料供給時間Tpulse との関係は図5のようになる。また、その時の機関回転数Nと、図4の燃料供給可能区間とから、燃料供給が可能な時間の上限値T1 が算出でき、燃料供給量をTi1とすると、図5の関係により、そのときに燃料供給量Ti1を供給するのに必要な燃圧の下限値P1 が求められる。
【0029】
また、機関回転数Nが低く、燃料供給時間を長くとれる場合であっても、燃圧はいくら低くてもよいわけではなく、供給燃料を微粒化するのに最低限必要な燃圧がある。そこで、これを考慮する場合には、図5から求めた燃圧下限値にさらに補正を行う必要がある。あるいは、図5に示すように、あらかじめ燃圧下限値の下限リミッタを設けてもよい。
【0030】
図6は、筒内への燃料供給を行わない場合の、燃料ポンプによる始動時の燃圧上昇特性を示したものであり、時間の経過とともに順調に燃圧が上昇している。しかし、実際には、燃料供給を行うと燃圧の低下が生じ、前述の燃圧下限値P1 を下回った場合には、燃料供給量が不足することになる。
以下に、4気筒の筒内直接噴射式内燃機関において、機関2回転につき燃料ポンプが4回の吐出を行うものを用いた場合を例に説明する。すべて、バッテリの状態、始動時のクランキング回転数および燃料供給時間の上限値T1 は同一とする。また、図5を参照し、高温時の燃料供給量をTi1とし(燃圧下限値はP1 )、低温時の燃料供給量をTi2(燃圧下限値はP2 )とする。直噴であるにもかかわらず温度によって始動時の燃料供給量が異なるのは、例えば低温時は供給燃料がシリンダからクランクケースに掻き落とされる量が多いために燃焼に必要な量以上の燃料を供給しなければならないのに対し、高温時はクランクケースへかき落とされる燃料はほとんどないため、燃焼に必要な量のみを供給すればよいからである。また、温度によって空気密度が異なるため必要な燃料量が異なることも理由としてあげられる。
【0031】
高温で燃料供給量が相対的に少ないTi1の場合は、図7に示すように最初に吸気行程をむかえる気筒(#1気筒)から燃料噴射パルスを出力しても、燃圧Pfuelはそれほど大きく低下せず、#1気筒が初爆を生じる前でも燃圧下限値P1 を下回ることはなく、以降の気筒(#3〜)への燃料供給も順調に行われるため、回転数Nは速やかに上昇し目標回転数へ到達する。
【0032】
これに対し、低温で燃料供給量が比較的多いTi2の場合には、図8に示すように、最初に吸気行程をむかえる気筒(#1気筒)に燃料供給を行うと燃圧が低下して燃圧下限値P2 を下回ってしまい、#1気筒が初爆を生じるまでの各気筒(#3、#4気筒)の燃料供給量が不足してしまう場合がある。その結果、初爆が生じてもそれらの気筒(#1、#3、#4気筒)の燃料供給量が不足しているため燃焼は悪化し、回転数の上昇も遅く、始動性が悪くなり、同時に排気も悪化する。
【0033】
しかし、このような場合、#1気筒に燃料供給を行う前に、燃料供給による燃圧変化を高圧燃料ポンプの特性、燃圧センサの出力、燃温センサの出力等からあらかじめ推定し、燃料供給の可否を判断することで、前述のような不都合を回避することができる。すなわち、図9に示すように、燃圧下限値P2 を下回ると推定された場合、#1気筒への燃料供給を行わずに燃圧の上昇を待つようにする。そして、つぎの#3気筒への供給前に再度燃料供給の可否の判断を行い、#3気筒に燃料供給を行っても燃圧が燃圧下限値P2 を下回らないと判断したら#3気筒から燃料供給を開始する。このようにすれば、燃焼の悪化、あるいは失火による排気の悪化を防止することができ、結果的に、低い燃圧で最初の気筒から燃料供給を行った場合よりも速やかに目標回転数へ到達することも可能となる。
【0034】
このような処理を行う第1の実施例について以下に説明する。
図10は、運転状態を検出するルーチンであり、運転状態検出手段Aに相当する。ここでは一定時間(10 ms )毎に実行されるものとするが、バックグランドジョブ等の異なるタイミングで実行されるものとしてもよい。
ステップ1001(図中S1001と示す、以下同様)ではクランク角センサの出力を読み込む。ステップ1002では、ステップ1001で読み込んだデータから現在のクランク角を検出する。そして、ステップ1003では、ステップ1001で読み込んだデータから機関の回転数N rpm を算出して、このルーチンを終了する。
【0035】
図11は、燃料供給量を算出するルーチンであり、燃料供給量演算手段Bに相当する。これは、クランク角センサから180 CA° 毎に出力されるリファレンス信号に同期して実行される。
ステップ1101では水温センサ11から水温Tw を読み込み、ステップ1102では、図17に示すようなテーブルから、前段で読み込んだ現在の水温Tw に対応する始動時の燃料供給量Ti の値を読み込んで(例えば、水温がTw1であった場合燃料供給量はTi1)、このルーチンを終了する。
【0036】
図12は、燃圧の下限値を算出するルーチンで、リファレンス信号毎に実行される。これが、燃圧下限値演算手段Cに相当する。
ステップ1201では、図4に示す所定の燃料供給可能区間Cpulse °CA を読み込み、ステップ1202では、図10のステップ1003で算出した回転数Nを読み込む。ステップ1203では、読み込んだCpulse とNとから、次式により燃料供給時間の上限値T1 を演算する。
【0037】
T1 =Cpulse ×1000/(6×N) ms
続くステップ1204では、ステップ1203で演算したT1 と、図11のステップ1102で読み込んだ燃料供給量とに基づき、図5に示すようなテーブルから燃圧下限値Pを算出して、終了する。いま、燃料供給量がTi1ならば、図5より燃圧下限値はP1 となる。
【0038】
図13は、燃圧の推定を行うルーチンで、リファレンス毎に実行される。これが、燃圧推定手段Dに相当する。ここで、図18はクランク角に対応した燃料ポンプの燃圧上昇特性であるが、これは実験等により既知であることを前提とする。
ステップ1301では、前回の燃圧推定値Pest を読み込む。但し、始動後の最初のリファレンスの場合は前回の推定値が存在しないため、始動時のクランク角と図18の特性の一部とに基づき、前回の燃圧推定値Pest を作り出すものとする。
【0039】
ステップ1302では、図20に示すように、その後クランク角が180 CA ° 進む間の高圧燃料ポンプによる燃圧Ppumpの推移を、ステップ1301で読み込んだ前回の燃圧推定値の最終値を初期値として、図18の特性から推定する。続くステップ1303では、図11のルーチンで求めた燃料供給量Ti1を読み込み、ステップ1304では、この燃料供給量Ti1と1302で推定した高圧燃料ポンプの燃圧Ppumpとに基づき、図5の関係から燃料供給時間Tpulse を算出する。
【0040】
ステップ1305では、その燃料供給時間Tpulse のパルスを出力したときの燃圧低下割合を、実験等であらかじめ調べてある特性から算出する。燃料噴射パルス幅が同一であるとき、燃圧が高い場合は多くの燃料が噴射されて燃圧が大きく低下するが、燃圧が低い場合には少量の燃料しか供給されないため、燃圧の低下量も小さいので、燃圧と燃圧低下量との割合はどちらの場合も結局同一になると考えられる。このため、燃料供給時間Tpulse と燃圧低下割合とが単純に比例する図19に示すようなテーブルを用いることができる。
【0041】
ステップ1306では、ステップ1302で推定したポンプの燃圧Ppump(図20)とステップ1305で求めた燃圧値低下割合とから、燃料供給時の燃圧の推移Pdownを、図21に示すように推定して、このルーチンを終了する。
図14は、燃料供給開始気筒の判断を行うルーチンで、リファレンス毎に実行される。これが、燃料供給気筒判断手段Eに相当する。
【0042】
ステップ1401では、図13のルーチンで推定した燃料供給時の低下した燃圧値Pdownを読み込み、ステップ1402では、図12のルーチンで算出した燃圧下限値P1 を読み込む。次のステップ1403では両者を比較し、推定燃圧値Pdownが燃圧下限値P1 と同じかあるいは大きい場合(Pdown≧P1 )はステップ1404へ進み、燃料供給タイミングが来る気筒へ予定通りに燃料を供給することを決定し、ステップ1405で燃料供給時間Tpulse の噴射パルスを設定し、ステップ1406でPdownをPest に代入し終了する。
【0043】
一方、ステップ1403で推定燃圧値Pdownが燃圧下限値P1 よりも小さい場合(Pdown<P1 )はステップ1407へ進み、つぎに燃料供給タイミングが来る気筒への供給を中止して燃料供給を延期することを決定し、ステップ1408で、Pest に燃料供給を行わなかった場合の推定燃圧値Ppumpを代入し、終了する。
以上の処理により、始動時の燃料供給量Ti1と回転数Nとに基づき、燃焼の悪化や失火等を発生させることなく、そのときの状態に応じて確実に機関を始動することが可能となる。
【0044】
図11〜図14のルーチンはすべてリファレンスジョブであるが、これらのルーチンは図の昇順に順次実行されるものとする。また、本制御は始動時から実行し、最初の燃料供給を行った後、所定時間(例えば5 s )あるいは所定燃焼サイクル(例えば50燃焼サイクル)経過後、実行を終了する。
次に、第2の実施例を示す。
【0045】
第1の実施例では、図12のステップ1204で燃圧下限値P1 を算出する際に特に制限を設けなかった。しかし、燃料供給量が少ないときや回転数が低く燃料供給時間が長くとれる場合などに燃圧下限値が非常に低く算出され、極めて低い燃圧を許容してしまい、燃料の微粒化が不十分になる可能性がある。
この点を補うため、燃圧下限値の最低値を制限する下限リミッタを設け、算出した燃圧下限値を補正するようにしてもよい。この下限リミッタの値は、図22に示すような機関回転数Nと燃料供給量Ti とから定まるマップ値としてもよいし、図5に示すように運転条件によらず一定の値としてもよい。
【0046】
この場合、燃圧下限値演算手段Cとして、図12のルーチンに代えて図15のルーチンを用いる。図15のルーチンはリファレンス毎に実行され、ステップ1501〜1504で第1の実施例と同様にして燃圧下限値P1 を算出した後、ステップ1505で下限リミッタによる補正を行う。これが燃圧下限値補正手段に相当する。
これにより、燃料供給量Ti が少ないときや回転数Nが低い場合でも燃圧下限値P1 が極端に低くなることはなく、燃料が十分に微粒化されるため、燃焼の悪化や失火を防止できる。
【0047】
第3の実施例を示す。
第1の実施例では、図20の推定燃圧値Ppumpを推定する際に、前回の推定値に基づいて今後の推定を行っていたが、前回の燃圧データは燃圧センサ10による実測値を用い、今後の燃圧を推定する際には前回の推定値と前回の実測値から補正計数を算出して図18の燃圧上昇特性に補正を行い、それを用いて今後の推定を行うようにしてもよい。
【0048】
この場合、燃圧推定手段Dとして、第1の実施例の図13のルーチンに代えて、図16のルーチンを用いる。図16のルーチンはリファレンス毎に実行される。
ステップ1601では、図23に示すような前回の所定期間(リファレンス間)の燃圧センサ検出値Psen を読み込み、続くステップ1602ではそれらセンサ検出値Psen に対応する前回用いた燃圧推定値Pest を読み込む。ステップ1603では、ステップ1601とステップ1602とで読み込んだデータから燃圧推定値の補正係数αを算出する。具体的には、それぞれの平均値の比として、次式によって補正係数αを求る。
【0049】
α=Ave(Psen )/Ave(Pest )
ステップ1604では、第1の実施例と同様に図18の特性から高圧燃料ポンプによる燃圧Ppumpを推定し、ステップ1605では、ステップ1603で算出した補正係数αにより推定値Ppumpを次式により補正し、P'pump を得る。
P'pump = Ppump×α
以後、ステップ1606からステップ1609の各ステップでは、この補正後の推定値P'pump を用いて第1の実施例の図13の手続きと同様に演算し、燃料供給を行った場合の低下した燃圧値Pdownを図23のように推定して、このルーチンを終了する。
【0050】
これにより、燃料供給を行った場合に燃圧値がどのように変化するかをより正確に推定できるようになる。
本実施例では、燃圧推定値の補正係数αを算出するのに、前回の燃圧推定値列の平均値Ave(Pest )とセンサ出力列の平均値Ave(Psen )との比を用いたが、これは、所定のクランク角におけるデータのみから計算してもよい。また、ここでは前回燃焼分のデータのみを用いたが、過去数燃焼分のデータを用いて補正係数を求めてもよい。
【0051】
センサ出力に基づく補正は、燃料ポンプの特性Ppumpに対してのみならず、燃料供給時間Tpulse に対する燃圧低下割合の特性(図19)に対して行ってもよい。この場合、燃料供給を行ったときの燃圧低下割合をセンサ出力から検出し、このデータに基づいて補正値βを設定すればよい。
尚、本制御は第1の実施例と同様、始動時から実行し、最初の燃料供給を行った後、所定時間(例えば(5 s )あるいは所定燃焼サイクル(例えば50燃焼サイクル)経過したならば、実行を終了するものとする。
【0052】
また、本実施例でも、第2の実施例と同様にして燃圧下限値P1 に下限リミッタを設ければ、より正確に、燃料供給を行うか延期するかの判断を行うことができる。
第4の実施例を示す。
第1、第2の実施例では、図21の推定燃圧値を推定する際に、燃料ポンプの燃圧上昇特性Ppumpは全運転で同一としていた(図18)。しかし、機関が燃料の温度(以下、燃温という)を検知する燃温センサ19を備える場合には、燃温の違いに基づく燃料性状の微妙な変化による燃圧上昇特性の違いをあらかじめ実験的に調べておくことにより、そのときの燃温によってポンプの燃圧上昇特性をより正確に推定することが可能となる。
【0053】
この場合、燃圧推定手段Dとして、図13のルーチンに代えて図24のルーチンを用い、図18のテーブルに代えて図25のテーブルを用いる。図24のルーチンはリファレンス毎に実行され、ステップ2401で前回の燃圧推定値Pest を読み込んだ後、ステップ2402で燃温を読み込み、ステップ2403ではその燃温に基づいて、図25のデータからそのときの高圧燃料ポンプの燃圧推定値Ppumpを算出する。その後は、図13と同様にステップ2404〜2407により燃料供給時の低下燃圧値(Pdown)を推定する。
【0054】
ここで、第3の実施例に示したように燃圧センサ10を用いた構成の場合には、燃温の違いによる燃料ポンプの燃圧上昇特性の違いも燃圧センサ10の検出値に基づいて補正されていると考えられるため、図24および図25を用いる必要ない。
以上に示した各実施例では、機関1は4気筒で、燃料ポンプは機関2回転につき4回燃料を吐出するものとしたが、これに限られるものではなく、燃料ポンプの燃料吐出周期は、クランク角に対する燃圧の特性がわかっていれば、必ずしも機関回転と同一周期でなくてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の基本構成を示すブロック図
【図2】 本発明の一実施例の機関部分を示すシステム構成図
【図3】 本発明の一実施例の回路部分を示すシステム構成図
【図4】 吸気バルブ、排気バルブの開閉タイミングを表す図
【図5】 燃料供給量一定のときの燃圧と燃料供給時間の関係を表す図
【図6】 燃料ポンプによる燃圧上昇過程を表す図
【図7】 始動時の燃料供給量が少ない場合の、燃圧と回転数との変化を表す図
【図8】 始動時の燃料供給量が多い場合の、燃圧と回転数との変化を表す図
【図9】 始動時の燃料供給量が多い場合に、本発明の方法を適用したときの燃圧と回転数との変化を表す図
【図10】 運転状態検出の手続きを表すフローチャート
【図11】 燃料供給量演算の手続きを表すフローチャート
【図12】 燃圧の下限値を算出する手続きを表すフローチャート
【図13】 燃圧を推定する手続きを表すフローチャート
【図14】 燃料供給をするか否かの判断の手続きを表すフローチャート
【図15】 燃圧の下限値を算出する第2の手続きを表すフローチャート
【図16】 燃圧を推定する第2の手続きを表すフローチャート
【図17】 始動時の水温と燃料供給量との関係を表す図
【図18】 クランク角に対する、燃料ポンプによる燃圧上昇の特性を表す図
【図19】 燃料噴射パルス幅と燃圧低下幅の関係を表す図
【図20】 燃料ポンプによる燃圧変化の推定の様子を表す図
【図21】 燃料ポンプによる燃圧変化と、燃料供給による燃圧低下との両者の影響を考慮した、燃圧変化の推定の様子を表す図
【図22】 下限リミッタマップの一例を表す図
【図23】 燃圧センサを備えている場合に、燃料ポンプによる燃圧変化と、燃料供給による燃圧低下の両者の影響を考慮した、燃圧変化の推定の様子を表す図
【図24】 燃圧を推定する第3の手続きを表すフローチャート
【図25】 燃温が異なる場合の、クランク角に対する、燃料ポンプによる燃圧上昇の特性を表す図
【符号の説明】
1 機関
2 スロットルバルブ
3 サージタンク
4 吸気マニホールド
5 吸気バルブ
6 直噴用インジェクタ
7 燃焼室
8 点火プラグ
9 エアフローメータ
10 燃圧センサ
19 燃温センサ

Claims (14)

  1. 直噴用インジェクタにより気筒内に直接燃料を高圧で噴射供給する筒内直接噴射式内燃機関の制御装置において、
    機関の運転状態を検出する運転状態検出手段と、
    機関始動時の燃料供給量を算出する燃料供給量演算手段と、
    前記運転状態検出手段の検出結果と前記燃料供給量演算手段の算出結果とに基づいて始動時に要求される燃料圧力の下限値を算出する燃圧下限値演算手段と、
    前記運転状態検出手段の検出結果と前記燃料供給量演算手段の算出結果とに基づいて燃料供給を行った場合の燃料圧力の変化を推定する燃圧推定手段と、
    前記燃圧下限値演算手段の算出結果と前記燃圧推定手段の推定結果とに基づいて始動時に燃料供給を開始する気筒を判断する燃料供給開始気筒判断手段と、
    を含んで構成されることを特徴とする筒内直接噴射式内燃機関の制御装置。
  2. 前記燃圧推定手段は、燃料供給を行う前に、燃料供給による燃料圧力の変化をあらかじめ推定することを特徴とする請求項1記載の筒内直接噴射式内燃機関の制御装置。
  3. 直噴用インジェクタにより気筒内に直接燃料を高圧で噴射供給する筒内直接噴射式内燃機関の制御装置において、
    機関の運転状態を検出する運転状態検出手段と、
    機関始動時の燃料供給量を算出する燃料供給量演算手段と、
    前記運転状態検出手段の検出結果と前記燃料供給量演算手段の算出結果とに基づいて始動時に要求される燃料圧力の下限値を算出する燃圧下限値演算手段と、
    前記運転状態検出手段の検出結果と前記燃料供給量演算手段の算出結果とに基づいて燃料供給を行った場合の燃料圧力の変化を推定する燃圧推定手段と、
    前記燃圧下限値演算手段の算出結果と前記燃圧推定手段の推定結果とに基づいて始動時に燃料供給を開始する気筒を判断する燃料供給開始気筒判断手段と、
    を含んで構成され、
    前記燃圧推定手段は、前記運転状態検出手段で検出したクランク角と、前記燃料供給量演算手段で算出した燃料供給量と、所定の燃料ポンプ特性とから、燃料供給後の燃圧の変化を推定するものであることを特徴とする筒内直接噴射式内燃機関の制御装置。
  4. 前記所定の燃料ポンプ特性は、クランク角に対応した燃料ポンプの燃圧上昇特性であることを特徴とする請求項3記載の筒内直接噴射式内燃機関の制御装置。
  5. 前記燃圧推定手段は、クランク角センサが 180 ° CA 毎に出力するレファレンス信号毎に、燃圧の推移を推定するものであって、
    前回の燃圧推定値の最終値を初期値として前回の燃圧推定値に基づき推定される燃圧と、前記推定された燃圧と前記燃料供給量とから算出した燃料供給時間に基づき求められる燃圧低下量とから、燃圧の推移を推定することを特徴とする請求項4記載の筒内直接噴射式内燃機関の制御装置。
  6. 始動後の最初の燃圧推定時には、前記初期値は、始動時のクランク角と、予め記憶された燃料ポンプの燃圧上昇特性により求められることを特徴とする請求項5記載の筒内直接噴射式内燃機関の制御装置。
  7. 前記運転状態検出手段は、前記内燃機関に設置されたクランク角センサにより、機関のクランク角を検出し、これに基づいて機関の回転数を算出するものであることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1つに記載の筒内直接噴射式内燃機関の制御装置。
  8. 前記燃料供給量演算手段は、機関の冷却水温度に基づいて、所定のテーブルから機関始動時の燃料供給量を決定するものであることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1つに記載の筒内直接噴射式内燃機関の制御装置。
  9. 前記燃圧下限値演算手段は、燃料供給が可能なクランク角区間と前記運転状態検出手段で検出した機関回転数とに基づいて算出される燃料供給が可能な最大時間と、前記燃料供給量演算手段で算出された燃料供給量とから、前記最大時間内で前記燃料供給量を供給し終えるために必要な燃圧の下限値を所定のテーブルから算出するものであることを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれか1つに記載の筒内直接噴射式内燃機関の制御装置。
  10. 前記燃圧下限値演算手段は、燃圧下限値の最低値を制限するリミッタを設け、前記算出した燃圧の下限値を補正する燃圧下限値補正手段を含んで構成されることを特徴とする請求項9記載の筒内直接噴射式内燃機関の制御装置。
  11. 前記内燃機関は燃料圧力を検出する燃圧センサを備える一方、前記燃圧推定手段は、前記運転状態検出手段で検出したクランク角と、前記燃料供給量演算手段で算出した燃料供給量と、既知の燃料ポンプの特性と、前記燃圧センサの出力とから、燃圧の変化を推定するものであることを特徴とする請求項1〜請求項 10のいずれか1つに記載の筒内直接噴射式内燃機関の制御装置。
  12. 前記内燃機関は燃料温度を検出する燃温センサを備える一方、前記燃圧推定手段は、前記運転状態検出手段で検出したクランク角と、前記燃料供給量演算手段で算出した燃料供給量と、既知の燃料ポンプの特性と、前記燃温センサの出力とから、燃圧の変化を推定するものであることを特徴とする請求項1〜請求項 10のいずれか1つに記載の筒内直接噴射式内燃機関の制御装置。
  13. 前記燃料供給開始気筒判断手段は、前記燃圧推定手段により算出された前記燃料供給後の燃圧の推定値と、前記燃圧下限値演算手段により算出された前記燃圧下限値とを比較し、前記燃圧推定値が前記燃圧下限値以上の場合には燃料供給タイミングが訪れている気筒に燃料供給を行い、前記燃圧推定値が前記燃圧下限値よりも小さくなる場合には燃料供給を行わず、次の燃料供給タイミングで同様の処理を行って燃料供給を開始する気筒を決定するものであることを特徴とする請求項1〜請求項 12のいずれか1つに記載の筒内直接噴射式内燃機関の制御装置。
  14. 機関の始動後、所定期間が経過したら本制御を終了することを特徴とする請求項1〜請求項 13のいずれか1つに記載の筒内直接噴射式内燃機関の制御装置。
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