JP3814436B2 - インクジェットプリンタ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェットプリンタに関し、特に、インクキャリッジの助走部およびオーバーラン部の横幅が狭い小型のインクジェットプリンタに関する。
【0002】
【従来の技術】
図42を参照して、従来のインクジェットプリンタ201は、直線の金属棒よりなる走査ガイド204と、走査ガイド204に沿って直線運動をし、記録用紙62上にインクを噴出し、印刷を行なうためのインクキャリッジ203とを含む。インクキャリッジ203による印字領域の両端には、インクキャリッジ203を停止状態からある一定の速度に到達させるために設けられた助走部と呼ばれる領域と、一定の速度で運動するインクキャリッジ203を停止させるために設けられたオーバーラン部と呼ばれる領域とが設けられている。すなわち、インクキャリッジ203は、走査ガイド204に沿って図中A位置からB位置に向かって印刷を行なう際、助走部にて助走を行なう。その後、印字領域においては、一定の速度にて印刷を行なう。印刷領域を超えてオーバーラン部に差し掛かると、インクキャリッジ203は減速し、その後停止する。この間のインクキャリッジ203の速度変化は図に示すとおりである。
【0003】
一方、図43を参照して、特開平8−258254号公報に開示されるインクジェットプリンタ301は、記録用紙62を搬送するとともに、記録用紙62に熱を与え記録用紙62上に噴出されたインクを強制的に乾燥させるためのヒートローラ304と、ヒートローラ304と対向する位置に設けられ、記録用紙62にインクを噴出し、印字を行なうための記録ヘッド305と、インクジェットプリンタ301内に溜まった熱を外部に放出するための排気ファン306とを含む。記録用紙62がヒートローラ304により加熱されるとともに、記録ヘッド305により記録用紙62上にインクが噴出され、印刷が行われる。印刷後も同様の方法で記録用紙62は加熱しつづけられる。これにより、記録用紙62上に噴出されたインクが乾燥させられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、インクジェットプリンタ201では、印字領域の他に助走部およびオーバーラン部を必要とする。このため、本来印字に必要な領域以外の領域をインクジェットプリンタ201内に必要とし、インクジェットプリンタ201を小型化する際の妨げとなっている。なお、インクジェットプリンタ301においても同様の方法で印字が行われるため、同様の問題を有する。
【0005】
インクジェットプリンタ301では、ヒートローラ304全体が放熱しており、記録用紙62以外の部分に対しても放熱が行われる。また、ヒートローラ304は記録用紙62の横一列を一度に乾燥させる。このため、ヒートローラ304自体が大きくなるとともに、ヒートローラ304からの発熱量が大きくなる。これにより、インクジェットプリンタ301が大型化し、インクジェットプリンタ301の消費電力が増大する。また、構造上ヒートローラ304と記録ヘッド305との間の距離は非常に小さいため、記録ヘッド305が加熱されることにより、インクの変質等の問題が生じる。この熱による影響を少なくするため、排気ファン306による空冷を行なっているが、排気ファン306を設置するためのスペースが必要とされ、排気ファン306を駆動するための電力も必要とされる。この点でもインクジェットプリンタ301が大型化し、インクジェットプリンタ301の消費電力が増大する。
【0006】
本発明は、上述の課題を解決するためになされたもので、その目的は、小型のインクジェットプリンタを提供することである。
【0008】
本発明のさらに他の目的は、小型で、かつ印字時にドット間のずれのないインクジェットプリンタを提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
【0024】
発明は、所定軸周りに回転可能に設けられた支軸と、支軸の回転とともに支軸を中心に往復円弧運動をするよう支軸に固定された支柱と、支柱の支軸から予め定められた位置に設けられた複数のインクヘッドを有するインクキャリッジと、記録用紙の紙送り、支軸の回転運動および複数のインクヘッドからのインク吐出の制御を行なう制御手段とを備え、制御手段は、複数のインクヘッドによるインクを吐出するサイクルを、支軸に近い側から遠い側に向かうにつれ、遅くし、記録用紙の紙送り、支軸の回転運動および複数のインクヘッドからのインク吐出の制御を行なうための手段を含む。
【0025】
発明は、インクキャリッジの走査が支軸を中心とした往復円弧運動により行われる。このため、従来と同距離の助走部およびオーバーラン部を円弧に沿って設けたとしても、助走部およびオーバーラン部の横幅をそれぞれ従来のインクジェットプリンタより狭くすることが可能となる。このため、インクキャリッジの横方向の移動幅を小さくすることができ、インクジェットプリンタを小型化することができる。またインクヘッドは円弧運動をするため、支柱からの距離により走査速度が異なるが、支柱からの距離に応じてインクヘッドによるインクの吐出サイクルが定められる。このため、インクヘッド間の走査速度の違いにより生ずる印字時のドット間のずれの問題を解消することができる。
【0064】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ、本発明における実施の形態の1つであるインクジェットプリンタについて説明する。
【0065】
[実施の形態1]
図1および図2を参照して、実施の形態1に係るインクジェットプリンタは、支軸66と、複数のインクヘッド67を有するインクキャリッジ63と、一方の端が支軸66に軸着され、かつ他方の端がインクキャリッジ63に固着された支柱65と、記録用紙62を蓄えるための用紙トレイ68と、用紙トレイ68より記録用紙62を1枚ずつ取出すための記録用紙ピックアップローラ69と、記録用紙ピックアップローラ69により取出された記録用紙62を順次搬送するための記録用紙搬送ローラ70と、記録用紙62の紙送り、インクキャリッジ63の運動およびインクヘッド67からのインク噴出の制御を行なうための制御装置(図示せず)とを含む。
【0066】
インクキャリッジ63は、インクヘッド67の他に、インクを蓄えるためのインクボトルなどを含む。
【0067】
図3を参照して、インクヘッド67による印字領域について説明する。支軸66を中心として支柱65が往復円弧運動をすることにより、支柱65の先端に取付けられたインクキャリッジ63が、往復円弧運動する。この往復円弧運動により、記録用紙62には、順次画像が印刷される。印字時のインクキャリッジ63の運動範囲は、支軸66より最も遠い位置にあるインクヘッド67Aが、記録用紙62をカバーするように定められる。また、印字時のインクキャリッジ63の運動範囲外に、インクキャリッジ63の助走部およびオーバーラン部が設けられる。このため、インクヘッド67Aが助走部およびオーバーラン部に位置する場合には、インクヘッド67Aよりも支軸66に近い位置にあるインクヘッド67B〜67Dは、インクを噴出しない。たとえば、記録用紙62上であってインクヘッド67Dがインクを噴出しない領域が図中ハッチングを施された領域72として示されている。なお、インクジェットプリンタには、インクヘッド67などのクリーニングを行なうためのメンテナンス機構73がオーバーラン部の延長上にさらに設けられている。
【0068】
本実施の形態に係るインクジェットプリンタでは、インクキャリッジ63のスキャン軌跡が円弧を描く。このため、インクヘッド67ごとに走査速度が異なる。すべてのインクヘッド67からのインクの吐出しサイクルが同一の場合には、走査速度のずれにより、印字されるドット間にずれを生じることになる。このため、制御装置は、インクヘッド67A〜67D毎にインクの吐出しサイクルを変えて制御を行なう。具体的には、インクヘッド67Dからインクヘッド67Aに向かうにつれ、インクの吐出しサイクルを遅くし、印字されるドット間のずれの問題を解消している。
【0069】
図4を参照して、インクヘッド67は、支軸66より放射状に配置される。このような配置にすることにより、インクヘッド67を蜂の巣状に配置することができ、インクキャリッジ63に配置されるインクヘッド67の数や密度を増やすことができる。
【0070】
以上説明したインクジェットプリンタでは、インクキャリッジ63が円弧運動を行なう。このため、従来と同距離の助走部およびオーバーラン部を円弧に沿って設けたとしても、助走部およびオーバーラン部の横幅は従来のものより狭くすることができる。よって、インクジェットプリンタを小型化することができる。
【0071】
また、メンテナンス機構73は、円弧運動を行なうインクキャリッジ63の走査軌跡の延長上に設けられる。しかし、インクキャリッジ63の横方向の運動幅は、円弧運動の半径、すなわち支軸66からインクキャリッジ63の先端までの長さにより規定される。このため、メンテナンス機構73を設けたとしても、インクキャリッジ63の横方向の運動幅は、支軸66からインクキャリッジ63の先端までの長さの2倍程度に抑えることができる。このため、小型のインクジェットプリンタを提供することができる。
【0072】
[実施の形態2]
図5および図6を参照して、実施の形態2に係るインクジェットプリンタは、所定の間隔で並べられた2つの支軸66と、複数のインクヘッド67を有するインクキャリッジ63と、一方の端が2つの支軸66にそれぞれ軸着され、かつ他方の端がインクキャリッジ63に上記所定の間隔で軸着された2つの支柱65と、記録用紙62を蓄えるための用紙トレイ68と、用紙トレイ68より記録用紙62を1枚ずつ取出すための記録用紙ピックアップローラ69と、記録用紙ピックアップローラ69により取出された記録用紙62を順次搬送するための記録用紙搬送ローラ70と、記録用紙62の紙送り、インクキャリッジ63の運動およびインクヘッド67からのインク噴出の制御を行なうための制御装置(図示せず)と、画像データを受信するための受信装置(図示せず)とを含む。
【0073】
インクキャリッジ63は、インクヘッド67の他に、インクを蓄えるためのインクボトルなどを含む。
【0074】
2つの支軸66、2つの支柱65およびインクヘッド67は、リンク機構を構成し、2つの支柱65が2つの支軸66を中心として、それぞれ往復円弧運動をすることにより、インクキャリッジ63は、図5に示すように同一姿勢を保ったまま往復円弧運動を行なうことができる。なお、図7を参照して、印字時のインクキャリッジ63の運動範囲外に、インクキャリッジ63の助走部およびオーバーラン部が設けられる。
【0075】
図8(A)を参照して、受信装置で受信した画像データ80をそのまま用いて、本実施の形態に係るインクジェットプリンタにより記録用紙62上に印字を行なうと、インクキャリッジ63の走査軌跡が円弧を描くため、印刷結果82に示すような、円弧状の歪を持った画像が形成される。このため、図8(B)を参照して、制御装置は、画像データ80を補正し、印刷画像データ84を作成し、印刷画像データ84に基づき記録用紙62上に印字を行なう。この結果、記録用紙62上には歪のない印刷結果86が形成される。
【0076】
図9を参照して、印刷画像データ84の作成方法について説明する。受信装置で受信された画像データ80は、(X0,Y0)−(Xm,Yn)を対角線とする長方形の画像データである。画像データ80内のある座標(Xp,Yp)に対応する印刷画像データ84上での座標は、(Xp,Yp+R(Xp))と表わすことができる。すなわち、x座標は変化しないが、y座標が座標値Xpで規定される値R(Xp)だけ変化する。画像データ80上の(X0,Y0)、(X(m/2),Y0)および(Xm、Y0)を通る直線は、印刷画像データ84上では、(X0,Yp+R(X0))、(X(m/2),Yp+(R(X(m/2))))および(Xm,Yp+R(Xm))を通る凹円弧曲線に変換される。また、この凹円弧曲線の曲率は、インクキャリッジ63の走査軌跡である凸円弧曲線の曲率と同じである。
【0077】
このようにして得られた印刷画像データ84を用いて印刷を行なうことにより、支軸66からインクキャリッジ63の方向に搬送される記録用紙62上に受信した画像データと同様の円弧状の歪がない画像を形成することができる。
【0078】
図10を参照して、インクジェットプリンタの印刷動作について説明する。制御装置は、インクジェットプリンタ内に設けられた画像データ80を受信するための受信用メモリ(図示せず)と、印刷画像データ84を記憶するための印刷用メモリ(図示せず)とをクリアする(S1)。
【0079】
受信装置は、1ページ分の画像データ80を受信し、受信用メモリに記憶する(S2)。受信した画像データ80がビットマップデータでない場合には、ビットマップデータに変換する処理(ラスタライズ処理)を施す。
【0080】
制御装置は、1ページ分の画像データ80を上述の方法に従い印刷画像データ84に変換した後、印刷用メモリに記憶する(S3)。
【0081】
制御装置は、カウンタ(図示せず)の値に1を設定する(S4)。制御装置は、インクキャリッジ63の1回の走査で必要とされる印刷画像データD(t)を印刷用メモリから読出し、この印刷画像データD(t)に基づいて印刷を行なう(S5)。この印刷画像データD(t)については後述する。
【0082】
制御装置は、1ページ分の印刷が終了したか否かを判断する(S6)。1ページ分の印刷が終了していれば(S6でYES)、印刷処理を終了する。1ページ分の印刷が終了していなければ(S6でNO)、カウンタを1つインクリメントし(S7)、S4以降の処理を繰返す。
【0083】
図11を参照して、印刷画像データD(t)について説明する。1回のインクキャリッジ63の走査において必要とされるY方向(記録用紙62の搬送方向)の画素数をhとすると、インクキャリッジ63のt回目の走査において必要とされる印刷画像データD(t)は、印刷画像データ84の中の(x0,y(h×(t−1)))−(xm,y(h×t−1))を対角線とする矩形領域内のデータである。
【0084】
受信装置がスキャナやファクシミリなどに接続されている場合には、1ラインまたは数ラインごとに画像データが受信される。このため、このような場合には、受信動作を行ないながら印刷動作が可能であるため、印刷速度を向上させることができる。また、1ページ分の受信用メモリを持つ必要がなくなるため、インクジェットプリンタの低コスト化につながる。
【0085】
図12を参照して、受信動作を行ないながら印刷動作を行なう場合について説明する。制御装置は、印刷用メモリをクリアし(S11)、受信用メモリをクリアする(S12)。制御装置は、1ページ分の画像データ80の受信が終了しているか否かを判断する(S13)。1ページ分の画像データ80の受信が終了していなければ(S13でNO)、受信装置は、1ライン分の画像データ80を受信し、受信用メモリに記憶する(S14)。受信した画像データ80がビットマップデータでない場合には、ビットマップデータに変換する処理(ラスタライズ処理)を施す。
【0086】
制御装置は、1ライン分の画像データ80を上述の方法に従い変換した後、変換後のデータを印刷用メモリに追加蓄積する(S15)。
【0087】
制御装置は、インクキャリッジ63の1走査に必要な印刷画像データ84が印刷用メモリに蓄積されているか否かを判断する(S16)。1走査に必要な印刷画像データ84が蓄積されていなければ(S16でNO)、S12に戻り、1走査に必要な印刷画像データ84が蓄積されるまでS12以降の処理を繰返す。
【0088】
1走査に必要な印刷画像データ84が蓄積されていれば(S16でYES)、制御装置は、印刷用メモリから印刷画像データD(1)を読出し、印刷画像データD(1)に基づいて印刷を行なう(S17)。
【0089】
次回の印刷に備えて、制御装置は、印刷用メモリに記憶されている印刷画像データD(t)(t≧2)のデータがなくなるまで、順次、印刷画像データD(t)を印刷画像データD(t−1)として記憶する(S18)。すなわち、次回印刷されるデータが印刷画像データD(1)として記憶される。その後、S12の処理を繰返す。
【0090】
1ページ分の画像データ80の受信が終了していれば(S19でYES)、制御装置は、印刷画像データD(1)が残っているか否かを判断する(S19)。印刷画像データD(1)が残っていなければ(S19でNO)、処理を終了する。印刷画像データD(1)が残っていれば(S19でYES)、制御装置は、印刷用メモリより印刷画像データD(1)を読出し、印刷を行なう(S20)。その後、処理を終了する。
【0091】
以上説明したインクジェットプリンタでは、インクキャリッジ63と2つの支柱65と支軸66とがリンク機構を構成するため、インクキャリッジ63が同一姿勢を保ったまま往復円弧運動を行なうことができる。このため、従来と同距離の助走部およびオーバーラン部を円弧に沿って設けたとしても、助走部およびオーバーラン部の横幅は従来のものより狭くなる。よって、インクジェットプリンタを小型化することができる。また、インクキャリッジ63は同一姿勢を保ったまま運動するため、インクヘッド67の走査速度はすべて同じである。このため、インクヘッド67間の走査速度の違いにより生ずる印字時のドット間のずれの問題は生じない。
【0092】
また、画像データがインクキャリッジ63の往復円弧運動時の軌跡の曲率に基づいて円弧状に予め変換された後、印刷処理が行なわれる。このため、インクキャリッジ63が円弧状に運動をしても、円弧状の歪のない印刷が可能となる。
【0093】
さらに、ファクシミリなどから得られる画像データのように、画像データが1ラインまたは数ラインごとにしか得られない場合には、1ラインまたは数ラインごとに画像データを受信し、変換処理を行なった後、印刷処理を行なう。これにより、受信用メモリの容量を減らすことができる。
【0094】
[実施の形態3]
図13および図14を参照して、実施の形態3に係るインクジェットプリンタは、所定の間隔で並べられた2つの支軸66と、複数のインクヘッド67を有するインクキャリッジ63と、一方の端が2つの支軸66にそれぞれ軸着され、かつ他方の端がインクキャリッジ63に上記所定の間隔で軸着された2つの支柱65と、記録用紙62を蓄えるための用紙トレイ68と、用紙トレイ68より記録用紙62を1枚ずつ取出すための記録用紙ピックアップローラ69と、記録用紙ピックアップローラ69により取出された記録用紙62を順次搬送するための記録用紙搬送ローラ70と、記録用紙62の紙送り、インクキャリッジ63の運動およびインクヘッド67からのインク噴出の制御を行なうための制御装置(図示せず)と、画像データを受信するための受信装置(図示せず)とを含む。
【0095】
インクキャリッジ63は、インクヘッド67の他に、インクを蓄えるためのインクボトルなどを含む。
【0096】
本実施の形態に係るインクジェットプリンタは、実施の形態2に係るインクジェットプリンタと比べ、記録用紙62の移動方向が異なる。すなわち、実施の形態2に係るインクジェットプリンタでは、支軸66からインクキャリッジ63の方向に記録用紙62が移動していたのに対して、本実施の形態に係るインクジェットプリンタでは、インクキャリッジ63から支軸66の方向に用紙が移動する。
【0097】
図15(A)を参照して、受信装置で受信した画像データ80をそのまま用いて、本実施の形態に係るインクジェットプリンタにより記録用紙62上に印字を行なうと、インクキャリッジ63の走査軌跡が円弧を描くため、印刷結果82に示すような、円弧状の歪を持った画像が形成される。このため、図15(B)を参照して、制御装置は、画像データ80を補正し、印刷画像データ84を作成し、印刷画像データ84に基づき記録用紙62上に印字を行なう。この結果、記録用紙62上には歪のない印刷結果86が形成される。
【0098】
図16を参照して、印刷画像データ84の作成方法について説明する。受信装置で受信された画像データ80は、(X0,Y0)−(Xm,Yn)を対角線とする長方形の画像データである。画像データ80内のある座標(Xp,Yp)に対応する印刷画像データ84上での座標は、(Xp,Yp−R(Xp))と表わすことができる。すなわち、x座標は変化しないが、y座標が座標値Xpで規定される値R(Xp)だけ変化する。画像データ80上の(X0,Y0)、(X(m/2),Y0)および(Xm、Y0)を通る直線は、印刷画像データ84上では、(X0,Yp−R(X0))、(X(m/2),Yp−(R(X(m/2))))および(Xm,Yp−R(Xm))を通る凸円弧曲線に変換される。また、この凸円弧曲線の曲率は、インクキャリッジ63の走査軌跡である凸円弧曲線の曲率と同じである。
【0099】
このようにして得られた印刷画像データ84を用いて印刷を行なうことにより、支軸66からインクキャリッジ63の方向に搬送される記録用紙62上に受信した画像データと同様の円弧状の歪がない画像を形成することができる。
【0100】
インクジェットプリンタの印刷動作は、図10〜図12を参照して説明した実施の形態2に係るインクジェットプリンタの印刷動作と同様であり、印刷画像データ84の作成方法が上述のように異なるのみである。このため、これらの説明は繰返さない。なお、図10のS5の処理で必要とされるインクキャリッジ63の1回の走査で必要とされる印刷画像データD(t)は、図17のようになる。すなわち、1回のインクキャリッジ63の走査において必要とされるY方向(記録用紙62の搬送方向)の画素数をhとすると、インクキャリッジ63のt回目の走査において必要とされる印刷画像データD(t)は、印刷画像データ84の中の(x0,y(h×(t−1)))−(xm,y(h×t−1))を対角線とする矩形領域内のデータである。
【0101】
以上説明したインクジェットプリンタでは、インクキャリッジ63が同一姿勢を保ったまま円弧運動を行なうことができる。このため、従来と同距離の助走部およびオーバーラン部を円弧に沿って設けたとしても、助走部およびオーバーラン部の横幅は従来のものより狭くなる。よって、インクジェットプリンタを小型化することができる。また、インクキャリッジ63は同一姿勢を保ったまま運動するため、インクヘッド67の走査速度はすべて同じである。このため、インクヘッド67間の走査速度の違いにより生ずる印字時のドット間のずれの問題は生じない。
【0102】
また、画像データが予めインクキャリッジ63の往復円弧運動時の軌跡の曲率に基づいて円弧状に変換された後、印刷処理が行なわれる。このため、インクキャリッジ63が円弧状に運動をしても、円弧状の歪のない印刷が可能となる。
【0103】
さらに、ファクシミリなどから得られる画像データのように、画像データが1ラインまたは数ラインごとにしか得られない場合には、1ラインまたは数ラインごとに画像データを受信し、変換処理を行なった後、印刷処理を行なう。これにより、受信用メモリの容量を減らすことができる。
【0104】
[実施の形態4]
図18および図19を参照して、本実施の形態に係るインクジェットプリンタは、図13および図14を参照して説明した実施の形態3に係るインクジェットプリンタの構成において、熱発生口112より熱風または赤外線を発生し、記録用紙62上のインクを乾燥させるための熱発生装置110を2つの支柱65にさらに設けたものである。
【0105】
印刷画像データの作成方法およびインクジェットプリンタの印刷動作は、実施の形態3と同様であるため、説明は繰返さない。
【0106】
図20を参照して、インクキャリッジ63により記録用紙62上に印刷されたインクは、記録用紙62に搬送に伴い、熱発生装置110の下に位置したときに、熱発生装置110の熱発生口112より発生された熱により乾燥させられる。図21を参照して、熱風の方向は、矢印120で示すように、下向きである。また、熱発生装置110は、インクキャリッジ63と同様に往復円弧運動を行なうことで、記録用紙62上のインクを乾燥させるが、熱発生装置110の往復円弧運動の半径は、インクキャリッジ63の往復円弧運動の半径よりも小さい。このため、インクキャリッジ63が印刷領域の最左端および最右端にそれぞれ位置する場合に、記録用紙62の印刷領域の左隅および右隅まで熱風を送ることができるように、熱発生装置110の横幅は定められている。
【0107】
図22を参照して、記録用紙62はインクキャリッジ63から熱発生装置110の方向に移動する。このため、インクキャリッジ63による印刷が終了した時点では、インクキャリッジ63と熱発生装置110とにより挟まれた領域130が未乾燥部分として残される。このため、制御装置は、インクキャリッジ63による印刷が終了した後も一定期間、熱発生装置110の往復円弧運動を行ない、領域130の乾燥を行なう。
【0108】
なお、記録用紙62上に印刷されたインクを乾燥させる場合には、インクのある部分のみに熱発生装置110から熱風や赤外線等の熱を与えればよい。このため、制御装置は、インクのある部分のみに熱を与え、インクのない部分には熱を与えないように熱発生装置110の動作を制御する。制御装置は、インクの有無を印刷メモリに記憶された印刷画像データにより判断し、インクキャリッジ63により印刷された部分が熱発生装置110の下に到達した場合には、熱発生装置110を作動させ、その部分に熱を与え、インクキャリッジ63により印刷されなかった部分が熱発生装置110の下に到達した場合には、熱発生装置110の作動を停止させ、その部分には熱を与えないようにする。なお、一般に熱の発生は瞬時に起こるものではない。このため、制御装置は、熱発生装置110を作動させてからインクを乾燥できる熱が発生するまでの時間を考慮した上で、熱発生装置110の作動を制御する。
【0109】
図23を参照して、熱発生装置110の取付位置について説明する。熱発生装置110は、インクキャリッジ63に比較的近い場所に位置する。このため、熱発生装置110自身が発生する熱および熱発生装置110から発生される熱風または赤外線等がインクタンクやインクヘッド67にあるインクに悪い影響を与えることがある。このため、熱発生装置110や熱発生口112とインクタンクやインクヘッド67との間の距離は、インクタンクやインクヘッド67にあるインクが変質または凝固しない温度となるように定められている。
【0110】
また、熱発生装置110自身が発生する熱および熱発生装置110から発生せれる余分な熱風または赤外線等により記録用紙62を変形させ、記録用紙62上に印刷されたインクが変質することが考えられる。このため、熱発生装置110または熱発生口112と記録用紙62との間の距離は、記録用紙62が変形せず、かつ記録用紙62上に印刷されたインクが変質しないように定められる。
【0111】
さらに、熱発生装置110から発生する熱風または赤外線の方向によっては、インクタンクやインクヘッド67にあるインクを変質または凝固させる場合があり、インクヘッド67から噴出するインクの飛行軌跡を曲げてしまい、印刷図形や印刷文字の乱れが起こる場合がある。このため、熱発生装置110からの熱発生方向は、インクキャリッジ63から遠ざかる方向、すなわち記録用紙62が移動する方向に設定される。
【0112】
熱発生装置110には、熱発生口112より熱風を発生させるために、ファンなどの可動部が含まれており、熱発生装置110は作動時に振動をしている。このため、熱発生装置110が取付けられている支柱65を通じてインクキャリッジ63やインクヘッド67に振動が伝わる。これにより、インクの誤噴出ならびに印刷文字および印刷図形の乱れを起こすことがある。このため、図24を参照して、本実施の形態に係る熱発生装置110と、2つの支柱65との間には、熱発生装置110の振動を吸収するための振動吸収部材140が取付けられている。
【0113】
図20では、熱発生装置110の移動範囲が印刷面を覆うように熱発生装置110の横幅が定められている。しかし、このように横幅の大きな熱発生装置110を用いずとも、図25に示すように、横幅の小さな熱発生装置110を用いて記録用紙62の全体を乾燥させることは可能である。図25を参照して、インクキャリッジ63の横移動幅は記録用紙62の印刷面の幅と等しく設定されるが、この時の熱発生装置110の横移動幅は、インクキャリッジ63の横移動幅よりも狭くなる。このため、図26に示すように、熱発生装置110から発生する熱風の方向を矢印120のように放射状にする。これにより、熱発生装置110は熱発生装置110の横移動幅よりも広い幅に熱風をあてることができ、記録用紙62の全体を乾燥することができるようになる。
【0114】
以上説明したインクジェットプリンタでは、実施の形態3に係るインクジェットプリンタの効果に加えて、以下のような効果がある。すなわち、支軸66とインクキャリッジ63との間に熱発生装置110が設けられている。熱発生装置110は、インクキャリッジ63の往復円弧運動と同期して往復円弧運動を行なう。このため、熱発生装置110から放出される熱により、印字と並行して、記録用紙62上に噴出されたインクを乾燥させることができる。また、熱発生装置110自体も運動を行なうため、熱発生装置110を小さくしても記録用紙62全体を乾燥することができるようになる。このため、熱発生装置110の消費電力および熱発生装置110より放出される熱量が小さくなる。よって、熱を外部に放出するための排気ファンも必要なくなり、インクジェットプリンタを小型化することができる。
【0115】
また、記録用紙62の印刷領域の全面に熱風を送ることができるようにするため、熱発生装置110を大きくし、熱発生装置110から発生する熱風の方向を放射状にした。また、印刷が終了した後一定時間、熱発生装置110を作動させる。これにより、記録用紙62が排出されるまでに印刷面のインク全体を乾燥させることができ、排出される記録用紙62の重なりやこすれによる印刷面の汚れをなくすことができる。
【0116】
さらに、熱発生装置110は、インクが印刷された部分のみを乾燥することで、記録用紙62の全体を乾燥させる場合に比べて熱発生装置110が消費する電力を低下させることができる。また、熱発生装置110から発生する熱量を少なくすることができるため、熱発生装置110自体を小型化し、インクジェットプリンタから熱を逃すための空間を小さくすることができる。このため、インクジェットプリンタ全体を小型化することができる。
【0117】
さらにまた、熱発生装置110を適切な位置に取付けることにより、インクタンクやインクヘッド67にあるインクを変質させたり凝固させることがなくなる。また、記録用紙62を変形させず、記録用紙62上に印刷されたインクを変質させることがなくなる。
【0118】
また、熱発生装置110から発生する熱風または赤外線の方向をインクキャリッジ63から遠ざかる方向とすることにより、インクタンクやインクヘッド67にあるインクを変質または凝固させることがなくなり、インクヘッド67から噴出されるインクの飛行軌跡を曲げることによる印刷図形や印刷文字の乱れを起こすことがなくなる。
【0119】
また、熱発生装置110と支柱65との間に振動吸収部材140を設けることによりインクキャリッジ63の振動を防ぎ、インクの誤噴出ならびに印刷文字および印刷図形の乱れを防ぐことができる。
【0120】
[実施の形態5]
図27および図28を参照して、本実施の形態に係るインクジェットプリンタは、図5および図6を参照して説明した実施の形態2に係るインクジェットプリンタの構成において、熱発生口112より熱風または赤外線を発生し、記録用紙62上のインクを乾燥させるための熱発生装置110をインクキャリッジ63の先端にさらに設けたものである。
【0121】
印刷画像データの作成方法およびインクジェットプリンタの印刷動作は、実施の形態2と同様であるため、説明は繰返さない。
【0122】
図27に示すように、インクキャリッジ63が記録用紙62の印刷範囲で印刷を行なった際に、熱発生装置110が印刷範囲に熱風または赤外線等を噴出することができるように、熱発生装置110の横幅が定められている。
【0123】
図29を参照して、記録用紙62は、インクキャリッジ63から熱発生装置110の方向に移動する。このため、インクキャリッジ63による印刷が終了した時点では、インクキャリッジ63と熱発生装置110とにより挟まれた領域132が未乾燥部分として残される。このため、制御装置は、インクキャリッジ63による印刷が終了した後も一定期間、熱発生装置110の往復円弧運動を行ない、領域132の乾燥を行なう。
【0124】
本実施の形態に係る制御装置は、実施の形態4に係る制御装置と同様に、記録用紙62上のインクのある部分にのみ熱風や赤外線等の熱を与えるように、熱発生装置110の制御を行なう。
【0125】
図30を参照して、熱発生装置110の取付位置について説明する。図23を参照して説明した熱発生装置110の取付位置と同様に、インクタンクやインクヘッド67にあるインクが変質および凝固しないように、熱発生装置110とインクキャリッジ63との間の距離が定められる。また、記録用紙62が変形せず、かつ記録用紙62上に印刷されたインクが変質しないように熱発生装置110と記録用紙62との間の距離が定められる。さらに、インクタンクやインクヘッド67にあるインクを変質または凝固させずに、かつインクヘッド67から噴出するインクの飛行軌跡を曲げないように、熱発生装置110からの熱発生方向は、インクキャリッジ63から遠ざかる方向、すなわち記録用紙62が移動する方向に設定される。
【0126】
また、熱発生装置110に含まれるファンなどの可動部の振動によるインクヘッド67からのインクの誤噴射ならびに印刷文字および印刷図形の乱れを防止するため、インクキャリッジ63と熱発生装置110とは、振動吸収部材140により接続されている。
【0127】
以上説明したインクジェットプリンタでは、実施の形態4に係るインクジェットプリンタと同様の効果を奏することができる。
【0128】
[実施の形態6]
図31および図32を参照して、本実施の形態に係るインクジェットプリンタは、支軸66と、平行な2本のガイドレール150および152と、複数のインクヘッド67を有し、2本のガイドレール150および152に沿って走行可能で、かつ走行方向と直交する方向を長手方向とする開口部156を有するインクキャリッジ154と、一方の端が支軸66に軸着され、かつ他方の端が開口部156を移動可能なように嵌め合わされたうで木158と、記録用紙62を蓄えるための用紙トレイ68と、用紙トレイ68より記録用紙62を1枚ずつ取出すための記録用紙ピックアップローラ69と、記録用紙ピックアップローラ69により取出された記録用紙62を順次搬送するための記録用紙搬送ローラ70と、記録用紙62の紙送り、インクキャリッジ63の運動およびインクヘッド67からのインク噴出の制御を行なうための制御装置(図示せず)と、画像データを受信するための受信装置(図示せず)とを含む。2本のガイドレール150および152のインクキャリッジ154と接合する部分はボールベアリングよりなり、うで木158のインクキャリッジ154と接合する部分はボールベアリングよりなる。図33は、図31に示すうで木158およびインクキャリッジ154のY−Y′断面図である。図34は、うで木158を図33のX1の方向から見た図である。図35は、うで木158を図34のX2の方向から見た図である。図36は、インクキャリッジ154を図33のX3の方向から見た図である。図37は、インクキャリッジ154を図36のX4の方向から見た図である。
【0129】
うで木158とインクキャリッジ154の開口部156とは嵌合部材162により嵌め合わされている。インクキャリッジ154は、インクヘッド67の他に、インクを蓄えるためのインクボトルなどを含む。
【0130】
実施の形態1〜5に示したインクジェットプリンタは、助走部およびオーバーラン部の横幅を狭くするため、円弧運動をしながら印刷を行なう。しかし、円弧運動をするため、通常の画像データをそのまま使用して印刷することができない。このため、実施の形態2に示したような特別の画像処理が必要とされる。本実施の形態に示すインクジェットプリンタは、円弧運動を直線運動に変えることにより、助走部およびオーバーラン部の横幅を狭くしつつも、通常の画像データをそのまま使用して印刷をすることができるものである。
【0131】
上述のように、インクキャリッジ154は、ガイドレール150および152に沿って移動する。うで木158の円弧運動は、嵌合部材162の縦方向の運動およびインクキャリッジ154の横方向の運動に分解される。
【0132】
図38を参照して、インクジェットプリンタの印刷動作について説明する。インクジェットプリンタに接続されているコンピュータなどによる印字要求を制御装置が受信する(S31)。印字要求を受信した後、受信装置は、コンピュータなどから画像情報を受信する(S32)。制御装置は、受信データより画像サイズを決定する(S33)。制御装置は、画像サイズに応じてうで木158の振幅を決定する(S34)。制御装置は、記録用紙62を用紙トレイ68から搬送する(S35)。制御装置は、画像情報から1ラインごとにデータを選び出し、インクヘッド67より印字されるデータを準備する(S36)。受信装置は、記録用紙62が印字部に到達したか否かを判断する(S37)。記録用紙62が印字部に到達していなければ(S37でNO)、S35以下の処理を繰返す。
【0133】
記録用紙62が印字部に到達していれば(S37でYES)、制御装置はうで木158を往復円弧運動させ、準備したデータに基づき記録用紙62上に1ライン分の印刷を行なう(S38)。制御装置は、次に印刷するデータがあるか否かを判断し(S39)、次に印刷するデータがあれば(S39でYES)、S36以降の処理を繰返す。次に印刷するデータがなければ(S39でNO)、制御装置は、次のページの印字をするか否かを判断し(S40)、次のページの印字をする場合には(S40でYES)、S32以降の処理を繰返す。次のページの印字をしない場合には(S40でNO)、処理を終了する。
【0134】
図39を参照して、インクジェットプリンタの印刷動作の他の実施形態について説明する。S31〜S32の処理およびS35の処理は図38と同様であるため、説明は繰返さない。S35の処理の後、制御装置は、搬送中の記録用紙62の用紙幅を図示しない検知センサで検出する(S41)。制御装置は、検出された用紙幅に合わせてうで木158の振幅を決定する(S42)。その後、S36〜S40の処理を行なう。S36〜S40の処理は図38と同様であるため、説明は繰返さない。
【0135】
図40を参照して、インクジェットプリンタの印刷動作のさらに他の実施形態について説明する。S31〜S32の処理は図38と同様であるため、説明は繰返さない。S32の処理の後、制御装置は、給紙が用紙トレイ68から行われるか否かを判断する(S51)。給紙が用紙トレイ68から行われる場合には(S51でYES)、制御装置は、用紙トレイ68にストックされた記録用紙62のサイズを測定するための位置決め部材(図示せず)からの情報に基づき、記録用紙62のサイズを決定する。給紙が用紙トレイ68から行われない場合には(S51でNO)、制御装置は、給紙が手差しにより行われるか否かを判断する(S52)。給紙が手差しにより行われる場合には(S52でYES)、図41に示すような給紙トレイ172に設けられた記録用紙62を固定するための手差し給紙用用紙位置決め部材174からの固定位置の情報に基づき、記録用紙62のサイズを決定する(S54)。給紙が用紙トレイ68からも給紙トレイ172からも行われない場合には(S52でNO)、制御装置は、S51の処理を繰返す。
【0136】
S53またはS54の処理により、記録用紙62の用紙サイズが決定されると、制御装置は、記録用紙62を用紙トレイ68または給紙トレイ172から搬送する(S55)。制御装置は、用紙サイズに応じてうで木158の振幅を決定する(S56)。その後、S36〜S40の処理を行なう。S36〜S40の処理は図38と同様であるため、説明は繰返さない。
【0137】
以上説明したように、インクキャリッジ154は2本のガイドレール150および152に沿って運動し、直線運動を行ないながら印字を行なう。インクキャリッジ154の走査は、うで木158の往復円弧運動により行われる。うで木158の往復円弧運動は、インクキャリッジ154の開口部156をうで木158が移動する縦方向の直線運動と、インクキャリッジ154がガイドレール150および152に沿って走行する横方向の直線運動とに分解される。このため、
従来と同距離の助走部およびオーバーラン部を円周に沿って設けたとしても、助走部およびオーバーラン部の横幅は従来のものより小さくなる。このため、インクキャリッジ154の横方向の移動幅を小さくすることができ、インクジェットプリンタを小型化することができる。
【0138】
また、2本のガイドレール150および152のインクキャリッジ154と接合する部分はボールベアリングよりなり、うで木158のインクキャリッジ154と接合する部分はボールベアリングよりなる。このため、インクキャリッジ154のスムーズな移動を可能にすることができる。
【0139】
さらに、制御装置は、画像サイズに応じてうで木158の振幅を決定するため、インクキャリッジ154が無駄な往復運動をすることなく、高速印字が可能となる。
【0140】
さらにまた、記録用紙62の大きさに基づいてインクキャリッジ154の運動制御が行なわれる。このため、印字時にはインクキャリッジ154の動作範囲を記録用紙62内に限定することができ、インクキャリッジ154の無駄な動きがなくなる。このため、高速に印字を行なうことができる。
【0141】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1に係るインクジェットプリンタの内部上面図である。
【図2】実施の形態1に係るインクジェットプリンタの内部側面図である。
【図3】インクヘッド67の印字領域を説明する図である。
【図4】インクヘッド67の配置を説明する図である。
【図5】実施の形態2に係るインクジェットプリンタの内部上面図である。
【図6】実施の形態2に係るインクジェットプリンタの内部側面図である。
【図7】インクキャリッジ63の助走部およびオーバーラン部を説明する図である。
【図8】画像データの変換を説明する図である。
【図9】印刷画像データの作成方法を説明する図である。
【図10】インクジェットプリンタの印刷動作のフローチャートである。
【図11】印刷画像データについて説明する図である。
【図12】インクジェットプリンタの受信動作を行ないながらの印刷動作のフローチャートである。
【図13】実施の形態3に係るインクジェットプリンタの内部上面図である。
【図14】実施の形態3に係るインクジェットプリンタの内部側面図である。
【図15】画像データの変換を説明する図である。
【図16】印刷画像データの作成方法を説明する図である。
【図17】印刷画像データについて説明する図である。
【図18】実施の形態4に係るインクジェットプリンタの内部上面図である。
【図19】実施の形態4に係るインクジェットプリンタの内部側面図である。
【図20】熱発生装置のサイズを説明するための図である。
【図21】熱発生装置が発生する熱風の方向を説明する図である。
【図22】印刷終了時のインク未乾燥部分を説明するための図である。
【図23】熱発生装置の取付位置について説明するための図である。
【図24】図23の熱発生装置のA−A断面図である。
【図25】熱発生装置のサイズを説明するための図である。
【図26】熱発生装置が発生する熱風の方向を説明する図である。
【図27】実施の形態5に係るインクジェットプリンタの内部上面図である。
【図28】実施の形態5に係るインクジェットプリンタの内部側面図である。
【図29】印刷終了時のインク未乾燥部分を説明するための図である。
【図30】熱発生装置の取付位置について説明するための図である。
【図31】実施の形態6に係るインクジェットプリンタの内部上面図である。
【図32】実施の形態6に係るインクジェットプリンタの内部側面図である。
【図33】うで木およびインクキャリッジの断面図である。
【図34】うで木を図33のX1の方向から見た図である。
【図35】うで木を図34のX2の方向から見た図である。
【図36】インクキャリッジを図33のX3の方向から見た図である。
【図37】インクキャリッジ154を図36のX4の方向から見た図である。
【図38】インクジェットプリンタの印刷動作のフローチャートである。
【図39】インクジェットプリンタの印刷動作のフローチャートである。
【図40】インクジェットプリンタの印刷動作のフローチャートである。
【図41】手差し給紙用用紙位置決め部材について説明する図である。
【図42】従来のインクジェットプリンタの助走部、印字領域およびオーバーラン部について説明する図である。
【図43】従来のインクジェットプリンタの内部側面図である。
【符号の説明】
63 インクキャリッジ
65 支柱
66 支軸
67 インクヘッド
Claims (1)
- 所定軸周りに回転可能に設けられた支軸と、
前記支軸の回転とともに前記支軸を中心に往復円弧運動をするよう前記支軸に固定された支柱と、
前記支柱の前記支軸から予め定められた位置に設けられた複数のインクヘッドを有するインクキャリッジと、
記録用紙の紙送り、前記支軸の回転運動および前記複数のインクヘッドからのインク吐出の制御を行なう制御手段とを備え、
前記制御手段は、前記複数のインクヘッドによるインクを吐出するサイクルを、前記支軸に近い側から遠い側に向かうにつれ、遅くし、前記記録用紙の紙送り、前記支軸の回転運動および前記複数のインクヘッドからのインク吐出の制御を行なうための手段を含む、インクジェットプリンタ。
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